JP2005351116A - 内燃機関及び内燃機関の運転制御装置 - Google Patents

内燃機関及び内燃機関の運転制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒温度の推定精度を向上させること。
【解決手段】この内燃機関1は、燃焼室1bへ空気を導入する吸気通路8内へ燃料を噴射するポート噴射弁2と、前記燃焼室内1bへ直接燃料を噴射する直噴噴射弁3と、前記燃焼室1bで燃焼した前記燃料の排ガスを浄化する触媒51とを有する。そして、ポート噴射弁2単独で燃料を噴射する場合における、第1の触媒温度推定手段と、直噴噴射弁3単独で燃料を噴射する場合における、第2の触媒温度推定手段とに基づいて、触媒51の温度を推定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポート噴射弁と直噴噴射弁とを備える内燃機関の触媒の温度制御に関し、さらに詳しくは、触媒温度の推定精度を向上させることのできる内燃機関及び内燃機関の運転制御装置に関する。
燃焼室内に直接燃料を噴射して点火する、いわゆる直噴の内燃機関は、圧縮行程中に燃焼室内へ直接燃料を噴射して、点火プラグ付近に燃料噴霧をとどめて着火しやすい混合気を形成し、その周りの空気層と分離、すなわち成層化する。この状態で点火プラグ付近の混合気に点火して燃焼させ、いわゆる成層燃焼の下で運転することで、超希薄燃焼運転を実現できる。これにより、内燃機関の燃費を向上させるとともに、CO2の排出量を低減させることができる。
また、直噴の内燃機関は、吸気行程中に燃焼室内へ直接燃料を噴射して燃焼室内へ燃料を拡散させ、均質の混合気を形成して燃焼させる、いわゆる均質燃焼の下で運転することができる。均質燃焼領域では、吸気行程中に燃焼室内へ直接噴射した燃料の気化熱によって吸入空気をより冷却できるので、充填効率を高めることができる。これにより、直噴の内燃機関の均質燃焼領域における運転では、高出力を得ることもできる。このような利点から、近年、直噴の火花点火式内燃機関が注目されており、実用化されている。また、近年においては、燃焼室内へ燃料を噴射する直噴噴射弁に加えて、吸気通路へ燃料を噴射するポート噴射弁をさらに備えることにより、両者の長所を取り入れた内燃機関も提案されている。
一般に、内燃機関では、燃料が燃焼した後の排ガスを浄化するため、触媒を用いる。触媒は、過熱すると浄化性能が劣化するため、触媒の温度がある限界値を超えそうになった場合には、過熱抑制のために内燃機関に供給する燃料を増量する。これは、いわゆる直噴の内燃機関でも、ポート噴射のみの内燃機関でも、両者を兼備する内燃機関でも同様である。特許文献1には、混合気攪拌手段を備えた内燃機関に対して、攪拌程度に応じて触媒の過熱抑制のための燃料増量と、内燃機関の運転状態との対応関係を変更する技術が開示されている。
特開2001−20837号公報
ところで、特許文献1では、混合気攪拌手段を備える内燃機関に対して好ましく適用できるが、ポート噴射弁と直噴噴射弁とを備える内燃機関については何ら言及がない。本発明者らは、ポート噴射弁と直噴噴射弁とを備える内燃機関の触媒過熱について鋭意研究をした結果、内燃機関に同じ燃料噴射量を与える場合であっても、ポート噴射単独で与える場合と、直噴噴射弁単独で与える場合とでは、触媒温度が異なることを見出した。これにより、ポート噴射弁と直噴噴射弁とを備える内燃機関では、いずれか一方の燃料噴射弁を基準にすると、触媒温度の推定精度が低下する。
その結果、実際の触媒温度よりも触媒温度の推定値の方が高く算出されて、過剰な燃料増量が行われたり、反対に推定値の方が低く算出されて触媒の過熱を招いたりするおそれがあることが判明した。この発明は、かかる新しい知見に基づいてなされたものであって、直噴噴射弁とポート噴射弁とを備える内燃機関において、触媒温度の推定精度を向上させること、触媒の過熱を抑制するとともに、過剰な燃料増量を抑制することのうち、少なくとも一方を達成できる内燃機関及び内燃機関の運転制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内燃機関は、燃焼室へ空気を導入する吸気通路内へ燃料を噴射するポート噴射弁と、前記燃焼室内へ直接燃料を噴射する直噴噴射弁と、前記燃焼室で燃焼した前記燃料の排ガスを浄化する触媒と、を有し、前記ポート噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第1の触媒温度推定手段と前記直噴噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第2の触媒温度推定手段とに基づいて、前記触媒の温度を推定することを特徴とする。
また、次の本発明に係る内燃機関は、燃焼室へ空気を導入する吸気通路内へ燃料を噴射するポート噴射弁と、前記燃焼室内へ直接燃料を噴射する直噴噴射弁と、前記燃焼室で燃焼した前記燃料の排ガスを浄化する触媒と、を有し、前記ポート噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第1の触媒温度推定手段と、前記直噴噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第2の触媒温度推定手段とに基づいて前記触媒の温度を推定し、さらに、全燃料噴射量に対する前記直噴噴射弁又は前記ポート噴射弁のうち少なくとも一方の燃料噴射比率に応じて、前記第1の触媒温度推定手段から推定した値と前記第2の触媒温度推定手段から推定した値とを補間して、前記触媒の温度を推定することを特徴とする。
また、次の本発明に係る内燃機関は、燃焼室へ空気を導入する吸気通路内へ燃料を噴射するポート噴射弁と、前記燃焼室内へ直接燃料を噴射する直噴噴射弁と、前記燃焼室で燃焼した前記燃料の排ガスを浄化する触媒と、を有し、前記直噴噴射弁と前記ポート噴射弁との燃料噴射比率に対応する複数の触媒温度推定手段から、全燃料噴射量に対する前記直噴噴射弁又は前記ポート噴射弁のうち少なくとも一方の燃料噴射比率に対応する触媒温度推定手段を用いることにより、前記触媒の温度を推定することを特徴とする。
また、次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記触媒の温度は、前記内燃機関の負荷率と機関回転数とから推定されることを特徴とする。
また、次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、推定された前記触媒の温度に基づいて燃料噴射量を補正することを特徴とする。
また、次の本発明に係る内燃機関の運転制御装置は、燃焼室へ空気を導入する吸気通路内へ燃料を噴射するポート噴射弁と、前記燃焼室内へ直接燃料を噴射する直噴噴射弁と、前記燃焼室で燃焼した前記燃料の排ガスを浄化する触媒と、を有する内燃機関の運転を制御するものであり、前記ポート噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第1の触媒温度推定手段と、前記直噴噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第2の触媒温度推定手段とを格納する触媒温度推定手段格納部と、全燃料噴射量に対する前記直噴噴射弁又は前記ポート噴射弁のうち少なくとも一方の燃料噴射比率を判定する燃料噴射比率判定部と、前記燃料噴射比率に応じて、前記第1の触媒温度推定手段から推定した値と前記第2の触媒温度推定手段から求めた値とを補間して、前記触媒の温度を推定する触媒温度推定部と、前記触媒温度推定部により推定された前記触媒の温度に基づいて、前記内燃機関に対する燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正部と、を含んで構成されることを特徴とする。
また、次の本発明に係る内燃機関の運転制御装置は、燃焼室へ空気を導入する吸気通路内へ燃料を噴射するポート噴射弁と、前記燃焼室内へ直接燃料を噴射する直噴噴射弁と、前記燃焼室で燃焼した前記燃料の排ガスを浄化する触媒と、を有する内燃機関の運転を制御するものであり、前記直噴噴射弁と前記ポート噴射弁との燃料噴射比率に対応する複数の触媒温度推定手段を格納する触媒温度推定手段格納部と、全燃料噴射量に対する前記直噴噴射弁又は前記ポート噴射弁のうち少なくとも一方の燃料噴射比率を判定する燃料噴射比率判定部と、前記燃料噴射比率に対応した前記触媒温度推定手段を用いて、前記触媒の温度を推定する触媒温度推定部と、前記触媒温度推定部により推定された前記触媒の温度に基づいて、前記内燃機関に対する燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正部と、を含んで構成されることを特徴とする。
以上説明したように、この発明に係る内燃機関及び内燃機関の運転制御装置では、直噴噴射弁とポート噴射弁とを備える内燃機関において、触媒温度の推定精度を向上させること、触媒の過熱を抑制するとともに、過剰な燃料増量を抑制することのうち、少なくとも一方を達成できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、発明を実施するための最良の形態に記載した内容によって、本発明が限定されるものではない。また、下記実施例の構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、本発明は特にレシプロ式の内燃機関に対して好適に適用でき、特に乗用車やバス、あるいはトラック等の車両に搭載される内燃機関に対して好ましい。また、ポート噴射弁と直噴噴射弁とを備える内燃機関であれば、レシプロ式の内燃機関、ロータリー式の内燃機関を問わず、本発明を適用できる。
この実施例に係る内燃機関及び内燃機関の運転制御装置は、ポート噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第1の触媒温度推定手段と前記直噴噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第2の触媒温度推定手段とに基づいて、触媒の温度を推定する点に特徴がある。図1は、この実施例に係る内燃機関の一例を示す説明図である。この実施例に係る内燃機関1は、ガソリンを燃料としたレシプロ式の内燃機関である。この内燃機関1は、吸気通路の一部である吸気ポート4内に燃料Fの燃料噴霧Fmpを噴射するポート噴射弁2と、気筒1s内の燃焼室1b内へ燃料Fの燃料噴霧Fmdを直接噴射する直噴噴射弁3とを備える。そして、ポート噴射弁2と直噴噴射弁3とを用いて、燃料Fを内燃機関1に供給してこれを駆動する。
このように、この実施例に係る内燃機関1は、ポート噴射弁2と直噴噴射弁3とから燃料が供給される、いわゆるデュアル噴射方式のものであり、成層燃焼領域及び均質燃焼領域の両方で運転することができる。そして、内燃機関1は、その機関回転数NEや負荷率KLに応じて、ポート噴射弁2及び直噴噴射弁3から噴射する燃料Fの燃料噴射比率を変更することもできる。ここで、ポート噴射弁2による燃料噴射をポート噴射といい、直噴噴射弁3による燃料噴射を直噴噴射という。
エアクリーナ50で塵やごみが除去された空気Aは、エアフローセンサ42で流量が測定される。そして、内燃機関1へ供給される空気は、吸気通路8の途中に設けられる電子スロットル弁52のバタフライ弁52bの開度によって、流量が制御される。電子スロットル弁52は、エンジンECU(Electronics Control Unit)20によってバタフライ弁52bの開度が制御される。
エンジンECU20は、アクセル開度センサ43から取得したアクセル開度情報に基づき、内燃機関1へ供給する燃料の量と空気の量とを決定する。そして、決定した空気の量が内燃機関1に供給されるように、電子スロットル弁52のバタフライ弁52bの開度を制御する。なお、バタフライ弁52bの開度情報をエンジンECU20が取得することにより、バタフライ弁52bはフィードバック制御される。
内燃機関1には、クランク軸6の回転角度を検出するクランク角センサ41が取り付けられている。クランク角センサ41の出力はエンジンECU20により取得され、この信号に基づいてポート噴射弁2や直噴噴射弁3が燃料Fを噴射する時期が制御される。内燃機関1のクランク軸6の回転数は、機関回転数NEとして表される。内燃機関1の機関回転数NEは、回転数センサ44により検出され、エンジンECU20に取り込まれる。
エンジンECU20は、クランク角センサ41、エアフローセンサ42、アクセル開度センサ43、回転数センサ44、冷却水温センサ45その他の各種センサ類が検出する出力信号を取得して、内燃機関1の運転を制御する。エンジンECU20は、アクセル開度センサ43の情報を基に内燃機関1の運転を制御する。例えば、内燃機関1の機関回転数NEが低回転で、かつ負荷率KLが小さいとき、すなわちアクセル開度が小さいときには、直噴噴射弁3により燃焼室1b内へ直接燃料を噴射して成層燃焼させることにより、燃料消費を抑制する。それ以外の運転条件では、ポート噴射弁2により吸気ポート4内へ燃料を噴射して、いわゆる均質燃焼領域で運転する。ここで、ポート噴射弁2からは、吸気弁58が閉じているときに吸気ポート4内へ燃料を噴射する。すなわち、いわゆる吸気非同期で、ポート噴射弁2からは燃料を噴射することになる。なお、均質燃焼領域においても、直噴噴射弁3から燃料を噴射することもある。この場合、原則として吸気行程で直噴噴射弁3から燃料を噴射する。
また、冷却水温センサ45からの情報により、例えば、内燃機関1の冷間始動後における暖機運転時であるとエンジンECU20が判断した場合には、燃料噴霧の微粒化に効果的なポート噴射弁2からのみ燃料を噴射させる。これにより、冷間始動時のエミッションを改善する。そして、冷却水温センサ45からの情報から、暖機運転が終了したとエンジンECU20が判断した場合には、ポート噴射弁2と直噴噴射弁3との組合せ、又は直噴噴射弁3のみで内燃機関1を運転する。
次に、内燃機関1の運転について説明する。電子スロットル弁52を通過した空気Aは、吸気ポート4へ導かれる。吸気ポート4から吸気弁58を通って燃焼室1b内に導入される空気Aは、ポート噴射弁2又は直噴噴射弁3から噴射される燃料Fと混合気を形成し、この混合気が点火プラグ7からの火花により着火されて燃焼する。混合気の燃焼圧力はピストン5に伝えられ、ピストン5を往復運動させる。ピストン5の往復運動は、コネクティングロッドCRを介してクランク軸6に伝えられる。そして、ピストン5の往復運動はクランク軸6で回転運動に変換されて、内燃機関1の出力として取り出される。燃焼後の混合気は、排ガスEXとなって排気弁59を通って排気通路9へ排出される。この排ガスEXは、排気通路9に設けられる触媒51へ導かれ、ここで浄化されて空気中へ排出される。
触媒51は、過熱されて担体温度が高くなり過ぎると、前記担体に担持される触媒が劣化して、所期の浄化性能を発揮できなくなる。このため、触媒金属が劣化しない範囲の温度で内燃機関1を運転する必要がある。触媒の温度(以下触媒温度という)は、内燃機関1の機関回転数NEと負荷率KLとから予測することができる。このため、この内燃機関1は、機関回転数NEと負荷率KLとから触媒温度を推定し、その推定値に基づいて、触媒温度が臨界値を超えないように、内燃機関1へ供給する燃料の量を制御する。例えば、触媒温度の推定値が臨界値を超えると予測される場合には、内燃機関1に供給する燃料を、理論空燃比の場合よりも増量して触媒51の温度上昇を抑制する。ここで負荷率KLとは、内燃機関1の吸入空気量が、当該内燃機関1の排気量と等しいときの負荷率を100%としたときにおける、相対的な負荷の大きさをいう。
図2は、ある機関回転数における負荷率と触媒温度との関係を示す説明図である。図3は、内燃機関の負荷率をパラメータとしたときの機関回転数と触媒温度との関係を示す説明図である。図2、図3に示すように、同じ機関回転数NE、及び負荷率KLの場合において、ポート噴射の比率が100%の場合と直噴噴射の比率が100%の場合とを比較すると、直噴噴射の比率が100%の場合の方が触媒温度は高くなる。すなわち、直噴噴射の比率が高いほど、触媒温度が高くなる。これは、直噴噴射による燃焼と、ポート噴射による燃焼とが相違することに起因するものである。本発明者は、ポート噴射弁2と直噴噴射弁3とを備える、いわゆるデュアル噴射方式の内燃機関1について、燃料噴射の比率と触媒温度との関係について鋭意研究した結果、この事実を見出した。
このように、同じ機関回転数NEかつ同じ負荷率KLである場合、ポート噴射と直噴噴射とでは触媒温度が異なる結果、触媒温度を共通の触媒温度推定マップ(パターン)によって推定すると、次のような問題が発生する。直噴噴射の比率が高いほど触媒温度が高く、同じ機関回転数NE及び負荷率KLの条件では、直噴噴射の比率が100%のときに、最も触媒温度が上昇する。したがって、高温による触媒51の劣化を抑制するためには、直噴噴射の比率を100%としたときにおける触媒温度の推定値を用いる必要がある。
直噴噴射の比率を100%としたときにおける触媒温度の推定値を用いると、ポート噴射の比率が増加して直噴噴射の比率が低下した場合、実際の触媒温度よりも直噴噴射100%の場合に基づいて推定した触媒温度の方が高くなる場合がある。このため、かかる推定値に基づいて触媒51の昇温を抑制すると、過度の燃料増量により燃料消費の増加や、未燃HCの増加によるエミッション悪化を引き起こすおそれがある。これを回避するため、直噴噴射の比率を低減した場合の触媒温度の推定値を用いると、推定値よりも実際の触媒温度の方が高くなる場合があり、触媒51が過熱して劣化するおそれがある。
このような問題点を解決するため、本発明者らは鋭意研究を続けた結果、次のような解決手段を見出した。すなわち、ポート噴射の燃料噴射比率が100%のときにおける触媒温度の第1触媒温度推定マップ31と、直噴噴射の燃料噴射比率が100%のときにおける触媒温度の第2触媒温度推定マップ32とをそれぞれ用意する。そして、第1又は第2触媒温度推定マップを用いて、触媒温度を推定する。また、ポート噴射と直噴噴射とを同時に用いる場合には、それぞれの燃料噴射比率に基づいて、第1触媒温度推定マップから求めた触媒温度の推定値と第2触媒温度推定マップから求めた触媒温度の推定値とを補間して、触媒温度の推定値とする。これにより、触媒温度の推定精度を向上させ、触媒51の過熱による触媒51の劣化を抑制するとともに、過度の燃料増量による燃料消費の増加や未燃HCの増加を抑制する。
上記制御は、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置が実行する。次に、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置について説明する。図4は、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置を示す説明図である。この実施例に係る内燃機関の運転制御方法は、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置10によって実現できる。内燃機関の運転制御装置10は、エンジンECU20に組み込まれて構成されている。なお、エンジンECU20とは別個に、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置10を用意し、これをエンジンECU20に接続してもよい。そして、この実施例に係る内燃機関の運転制御方法を実現するにあたっては、エンジンECU20が備える内燃機関1の制御機能を、前記内燃機関の運転制御装置10が利用できるように構成してもよい。
内燃機関の運転制御装置10は、燃料噴射比率判定部11と、触媒温度推定部12と、燃料噴射量補正部13と、触媒温度推定マップ格納部14とを含んで構成される。これらが、この実施例に係る内燃機関の運転制御方法を実行する部分となる。なお、触媒温度推定マップ格納部14は、触媒温度推定手段格納部に相当する。燃料噴射比率判定部11と、触媒温度推定部12と、燃料噴射量補正部13と、触媒温度推定マップ格納部14とは、エンジンECU20の入力ポート28及び出力ポート29を介して接続される。これにより、燃料噴射比率判定部11と、触媒温度推定部12と、燃料噴射量補正部13と、触媒温度推定マップ格納部14とは、相互にデータをやり取りできるように構成される。
内燃機関の運転制御装置10とエンジンECU20の機関制御部20pと記憶部20mとは、エンジンECU20に備えられる入力ポート28及び出力ポート29を介して接続されており、これらの間で相互にデータをやり取りすることができる。これにより、内燃機関の運転制御装置10はエンジンECU20が有する内燃機関1の負荷率KLや機関回転数NEその他の内燃機関の運転制御データを取得したり、内燃機関の運転制御装置10の制御をエンジンECU20の内燃機関の運転制御ルーチンに割り込ませたりすることができる。
また、入力ポート28には、クランク角センサ41、エアフローセンサ42、アクセル開度センサ43、回転数センサ44、冷却水温センサ45その他の、内燃機関1の運転に関する情報を取得するセンサ類が接続されている。これにより、エンジンECU20や内燃機関の運転制御装置10は、内燃機関1の運転制御に必要な情報を取得することができる。また、出力ポート29には、電子スロットル弁52、ポート噴射弁2、直噴噴射弁3その他の、内燃機関1の制御対象が接続されている。そして、内燃機関1の運転に関する情報を取得するセンサ類からの信号に基づき、エンジンECU20の機関制御部20pがこれらの動作を制御する。
記憶部20mには、この実施例に係る内燃機関の運転制御方法の処理手順を含むコンピュータプログラムや、内燃機関1の運転制御に用いる燃料噴射量のデータマップ等が格納されている。ここで、記憶部20mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。また、内燃機関の運転制御装置10やエンジンECU20の機関制御部20pは、メモリ及びCPUにより構成することができる。なお、この実施例において、触媒温度推定マップ格納部14は、内燃機関の運転制御装置10の一部として構成しているが、記憶部20mにより触媒温度推定マップ格納部14の機能を実現してもよい。
上記コンピュータプログラムは、燃料噴射比率判定部11や触媒温度推定部12等へすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、この実施例に係る内燃機関の運転制御方法の処理手順を実現できるものであってもよい。この内燃機関の運転制御装置10は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、燃料噴射比率判定部11、触媒温度推定部12、燃料噴射量補正部13及び触媒温度推定マップ格納部14の機能を実現するものであってもよい。次に、この実施例に係る内燃機関の運転制御について説明する。この説明においては、適宜図1〜図4を参照されたい。
図5は、この実施例に係る内燃機関の運転制御の手順を示すフローチャートである。この実施例に係る内燃機関の運転制御を実行するにあたり、内燃機関の運転制御装置10が備える燃料噴射比率判定部11は、内燃機関1の機関回転数NE、吸入空気量Qa、アクセル開度Oa、負荷率KL等の情報から、ポート噴射弁2の燃料噴射比率又は直噴噴射弁3の燃料噴射比率のうち、少なくとも一方を求める(ステップS101)。なお、前記燃料噴射比率は、エンジンECUの機関制御部20pが内燃機関1の運転制御に用いるための情報から、燃料噴射比率判定部11が取得してもよい。
ポート噴射の燃料噴射比率が100%である場合(ステップS102;Yes)、触媒温度推定部12は、触媒温度推定マップ格納部14に格納されている第1触媒温度推定マップ31を用いて(ステップS103)、触媒温度を推定する(ステップS107)。ここで、触媒温度を推定するためのマップについて説明する。図6は、この実施例に係る第1及び第2触媒温度推定マップである。
第1及び第2触媒温度推定マップ31、32は、図6−1、図6−2に示すように、内燃機関1の機関回転数NEと負荷率KLとを与えることで、そのときの触媒温度を推定できるように構成される。第1触媒温度推定マップ31は、ポート噴射が100%の場合に触媒温度を推定するために使用され、第2触媒温度推定マップ32は、直噴噴射が100%の場合に触媒温度を推定するために使用される。なお、第1及び第2触媒温度推定マップ31、32は、予め適合試験等によって求める。ここで、第1触媒温度推定マップ31が、第1の触媒温度推定手段に相当し、第2触媒温度推定マップ32が、第2の触媒温度推定手段に相当する。
触媒温度推定部12は、運転中における内燃機関1の機関回転数NEと負荷率KLとを取得し、これらを第1触媒温度推定マップ31へ与えて、そのときの触媒温度の推定値を取得する。これが、そのときの触媒温度のマップ値Tc*となる。ここで、マップ値とは、第1及び第2触媒温度推定マップ31、32によって推定した触媒温度であり、以下、必要に応じて使用する。ポート噴射の燃料噴射比率が100%でない場合であって(ステップS102;No)、直噴噴射の燃料噴射比率が100%である場合(ステップS104;Yes)、触媒温度推定部12は、第2触媒温度推定マップ32を用いて(ステップS105)、触媒温度を推定する(ステップS107)。触媒温度推定部12は、運転中における内燃機関1の機関回転数NEと負荷率KLとを取得し、これらを第2触媒温度推定マップ32へ与えて、そのときの触媒温度を取得する。これが、そのときの触媒温度のマップ値Tc*となる。
直噴噴射の燃料噴射比率が100%でない場合は(ステップS104;No)、ポート噴射弁2と直噴噴射弁3との両方で、内燃機関1に燃料を噴射している場合である。この場合には、第1触媒温度推定マップ31と第2触媒温度推定マップ32とから求めた触媒温度の推定値を補間して、触媒温度を推定し、マップ値Tc*とする。この手順について説明する。
図7−1は、ある負荷率における触媒温度の推定値を示す説明図である。図7−2は、ポート噴射と直噴噴射との燃料噴射比率を変化させた場合における触媒温度の変化を示す説明図である。なお、図7−1の実線は、ポート噴射の燃料噴射比率が100%の場合であり、点線は直噴噴射の燃料噴射比率が100%の場合である。また、図7−2は、マップ値で表してある。内燃機関1の機関回転数がNE1である場合、ポート噴射の燃料噴射比率が100%である場合のマップ値はTcp*であり、直噴噴射の燃料噴射比率が100%である場合のマップ値はTcd*である。
ポート噴射弁2と直噴噴射弁3との両方で内燃機関1へ燃料を噴射する場合におけるマップ値は、Tcp*とTcd*との間に存在する。したがって、ポート噴射又は直噴噴射の燃料噴射比率によってマップ値を補間して(ステップS106)、ポート噴射弁2と直噴噴射弁3との両方で内燃機関1へ燃料を噴射する場合におけるマップ値Tcpd*を求める(ステップS107)。補間式は、式(1)のようになる。
Tcpd*=Tcp*+Rd×(Tcd*−Tcp*)/100・・・(1)
ここで、Rdは直噴噴射弁3による燃料噴射比率(%)である。なお、ポート噴射弁2による燃料噴射比率(%)をRpとすると、Rp=100−Rdである。
ポート噴射弁2と直噴噴射弁3との両方で内燃機関1へ燃料を噴射する場合は、触媒温度推定部12が、機関回転数NEと負荷率KLとを第1及び第2触媒温度推定マップ31、32へ与え、それぞれからマップ値を求める。そして、触媒温度推定部12は、求めたマップ値と直噴噴射弁3又はポート噴射弁2の燃料噴射比率とを補間式(1)に与える。補間式(1)は、記憶部20mに格納しておいてもよいし、触媒温度推定部12が保持していてもよい。これにより、ポート噴射弁2と直噴噴射弁3との両方で内燃機関1へ燃料を噴射する場合におけるマップ値Tcpd*を求めることができる。
触媒温度推定部12が、ある機関回転数NE、負荷率KLでのマップ値Tc*を求めたら(ステップS107)、このマップ値に基づいて、内燃機関1に与える燃料噴射量を制御する。次に、この制御方法について説明する。図8は、時間経過に対する車速、負荷率、触媒温度、燃料増量計数の変化を示す説明図である。図8の上段は、時間経過に対する車速、負荷率の変化を示し、中段は、時間経過に対する触媒温度の変化を示し、下段は時間経過に対する燃料増量係数の変化を示す。
図8に示す例は、この実施例に係る内燃機関を搭載した車両が加速し、一定の速度で走行し、減速して停止するまでを示している。図8の上段に示すように、車速(図8上段中の線)は、加速後、一定速度となってから減速して0になる。このとき内燃機関1の負荷率KL(図8上段中の点線)は、車両の加速とともに大きくなって一定値となり、加速が終了して車速が一定になると負荷率も一定になる。そして、車両の減速が始まると、負荷率KLは低下して一定値となる。
第1、第2触媒温度推定マップ31、32から推定するマップ値Tc*は、ある運転条件における内燃機関1の機関回転数NEと負荷率KLとが与えられれば一義的に決定される。したがって、図8の中段に示すように、前記触媒温度推定マップから求めたマップ値Tc*は、内燃機関1の負荷率KL及び機関回転数NEの変化に追従する(図8中段の実線)。ここで、第1、第2触媒温度推定マップ31、32から求めるマップ値は、定常状態におけるものである。したがって、加速中や減速中等のように、過渡的な変化が発生した場合の触媒の温度を表している訳ではなく、実際の触媒温度は、マップ値に対して遅れて追従する。このため、マップ値から、遅れを考慮した触媒温度の推定値Tc(図8中段の点線、以下、推定触媒温度という)を推定する必要がある。
このため、例えば、触媒51の遅れモデルを作成し、その遅れモデルにおけるマップ値と推定触媒温度Tcとの応答関数Tc=f(Tc*)を求め、その応答関数を用いてマップ値から推定触媒温度Tcを求める(ステップS108)。例えば、遅れが一次遅れであれば、応答関数は一次遅れの応答関数となる。また、例えば、ある運転条件における内燃機関1の吸入空気量を求め、予め求めた内燃機関1の吸入空気量と、マップ値Tc*の単位時間あたりの変化量との関係から、推定触媒温度Tcを求めてもよい。このようにして求めた触媒51の推定温度は、マップ値に対して図8中段の点線で示すように変化する。
図8中段で示す、遅れを考慮した推定触媒温度Tcが所定の制限値Tcl以上になると、触媒51が劣化するおそれがあるので、このときには内燃機関1に与える燃料噴射量を増量する。図8に示す例では、t21〜t22の期間に推定触媒温度Tcが制限値Tclを越える。このため、Tc≧Tclの場合には(ステップS109;Yes)、燃料噴射量補正部13は、燃料増量係数kを1.0よりも大きくすることにより空燃比A/Fを下げて、内燃機関1へ噴射する燃料を増量する(ステップS110)。これにより燃焼状態が改善するので、排ガスに含まれる未燃HCの量が減少する。その結果、排ガス温度が低下するので、触媒51の温度を低下させることができる。
なお、ポート噴射の噴射割合と直噴噴射の噴射割合とを一定にしたまま、内燃機関1に噴射する全燃料噴射量TAUを増加してもよいが、全燃料噴射量TAUの増加分をポート噴射で噴射させてもよい。これは、ポート噴射の方が燃料と空気との混合が促進され、燃料の気化が促進されるため、排ガス中におけるHC、COの量が減少して触媒温度Tcをより迅速に低下させることができるからである。また、ポート噴射の方が効率的に触媒温度Tcを低下させることができるので、触媒温度推定値Tcが所定の制限値Tcl以上であって、かつ両者の温度差が比較的小さい場合には、全燃料噴射量TAUを一定として、かつポート噴射100%としてもよい。このようにすれば、燃料消費を抑制しつつ、触媒51の温度を低下させることができる。Tc<Tclの場合には(ステップS109;No)、STARTに戻って触媒温度の監視を継続する。
(変形例)
図9−1、図9−2は、この実施例の変形例に係る触媒温度推定マップを示す説明図である。この変形例は、上記実施例とほぼ同様の構成であるが、ポート噴射弁又は直噴噴射弁のうち少なくとも一方の燃料噴射比率に対応して用意した複数の触媒温度推定手段を用いて触媒温度を推定する点が異なる。他の構成は上記実施例と同様なのでその説明を省略するとともに、同一の構成には同一の符号を付す。
図9−1に示すように、この変形例では、ポート噴射弁(又は直噴噴射弁)燃料噴射比率に応じて、触媒温度推定手段である触媒温度推定マップを複数備える。触媒温度推定マップ331は、ポート噴射の燃料噴射比率が0%であり、20%ステップでポート噴射の燃料噴射比率が増加する。そして、触媒温度推定マップ336で、ポート噴射の燃料噴射比率が100%となり、直噴噴射の燃料噴射比率は0%となる。このように、6枚の触媒温度推定マップ331〜336を有するマップ群33が記憶部20mに格納されている。
燃料噴射比率判定部11により判定されたポート噴射弁2又は直噴噴射弁3のうち、少なくとも一方の燃料噴射比率から、触媒温度推定部12は、マップ群33から前記燃料噴射比率に対応した触媒温度推定マップを選択する。例えば、ポート噴射弁2の燃料噴射比率が40%である場合、これに対応した触媒温度推定マップ333が選択される。そして、選択された触媒温度推定マップ333に、内燃機関1の機関回転数NEと負荷率KLとを与えて、そのときの触媒温度を推定する。
ポート噴射弁2等の燃料噴射比率が、前記マップ群33が有する触媒温度推定マップの中に存在しない場合は、2個の触媒温度推定マップから補間により触媒温度を推定する。図10は、補間の手順を示すフローチャートである。図11は、補間の一例を示す説明図である。まず、燃料噴射比率判定部11が、ポート噴射弁2又は直噴噴射弁3のうち、少なくとも一方の燃料噴射比率を求める(ステップS201)。次に、触媒温度推定部12は、マップ群33から前記燃料噴射比率よりも大きい燃料噴射比率の触媒温度推定マップと、小さい燃料噴射比率の触媒温度推定マップとを選択する(ステップS202)。
例えば、図11に示す例では、直噴の燃料噴射比率が52%なので、直噴の燃料噴射比率が40%の触媒温度推定マップ334と、直噴の燃料噴射比率が60%の触媒温度推定マップ333とを選択する。そして、両方の触媒温度推定マップに内燃機関1の機関回転数NE1と負荷率KLとを与えて、それぞれのマップから触媒温度のマップ値を取得する。図11に示す例では、触媒温度推定マップ334のマップ値がTcd*−1となり、触媒温度推定マップ333のマップ値がTcd*−2となる。
2つのマップ値が求まったら、補間式(2)により補間して(ステップS203)、直噴の燃料噴射比率が52%の時のマップ値Tc*を求める(ステップS204)。なお、補間式(2)は、次のようになる。
Tc*=(Tcd*−1)+((Tcd*−2)−(Tcd*−1))×52/100・・・(2)
なお、式(2)中の「52」は、直噴の燃料噴射比率が40%to60%との触媒温度推定マップから補間して、直噴の燃料噴射比率が52%の場合を求めるためである。この変形例のように、燃料噴射比率に応じた複数のマップによって触媒温度を推定すれば、より触媒温度の推定精度が向上する。2枚の触媒温度推定マップを補間することにより求める場合も、より実際の状況に近いマップを用いることができるので、触媒温度の推定精度が向上する。
以上、この実施例によれば、ポート噴射弁で単独噴射する場合における、第1の触媒温度推定手段と、直噴噴射弁で単独噴射する場合における、第2の触媒温度推定手段に基づいて、触媒温度を推定する。これにより、ポート噴射弁等の燃料噴射割合に応じて、適切な触媒の温度を推定できるので、触媒温度の推定精度を向上させることができる。その結果、触媒の過熱を抑制するとともに、過剰な燃料増量を抑制できる。また、2個の触媒温度推定手段で推定した値を、ポート噴射弁等の燃料噴射比率に応じて補間することにより最も確からしい触媒温度を推定するので、触媒温度の推定精度を向上させることができる。さらに、複数の触媒温度推定手段を用意し、ポート噴射弁等の燃料噴射比率に応じて最適な触媒温度推定手段を選択し、さらにポート噴射弁等の燃料噴射比率に応じて前記触媒温度推定手段で推定した値を補間する。これにより、さらに触媒温度の推定精度を向上させて、より効果的に触媒の過熱を抑制するとともに、過剰な燃料増量をより効果的に抑制できる。
以上のように、本発明に係る内燃機関及び内燃機関の運転制御装置は、触媒の過熱抑制に有用であり、特に、ポート噴射弁と直噴噴射弁とを備える内燃機関において、触媒温度の推定精度を向上させることに適している。
この実施例に係る内燃機関の一例を示す説明図である。 ある機関回転数における負荷率と触媒温度との関係を示す説明図である。 内燃機関の負荷率をパラメータとしたときの機関回転数と触媒温度との関係を示す説明図である。 この実施例に係る内燃機関の運転制御装置を示す説明図である。 この実施例に係る内燃機関の運転制御の手順を示すフローチャートである。 この実施例に係る第1触媒温度推定マップである。 この実施例に係る第2触媒温度推定マップである。 ある負荷率における触媒温度の推定値を示す説明図である。 ポート噴射と直噴噴射との燃料噴射比率を変化させた場合における触媒温度の変化を示す説明図である。 時間経過に対する車速、負荷率、触媒温度、燃料増量計数の変化を示す説明図である。 この実施例の変形例に係る触媒温度推定マップを示す説明図である。 この実施例の変形例に係る触媒温度推定マップを示す説明図である。 補間の手順を示すフローチャートである。 補間の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 ポート噴射弁
3 直噴噴射弁
4 吸気ポート
5 ピストン
6 クランク軸
7 点火プラグ
8 吸気通路
9 排気通路
10 内燃機関の運転制御装置
11 燃料噴射比率判定部
12 触媒温度推定部
13 燃料噴射量補正部
14 触媒温度推定マップ格納部
20 エンジンECU
31 第1触媒温度推定マップ
32 第2触媒温度推定マップ
51 触媒

Claims (7)

  1. 燃焼室へ空気を導入する吸気通路内へ燃料を噴射するポート噴射弁と、前記燃焼室内へ直接燃料を噴射する直噴噴射弁と、前記燃焼室で燃焼した前記燃料の排ガスを浄化する触媒と、を有し、
    前記ポート噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第1の触媒温度推定手段と前記直噴噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第2の触媒温度推定手段とに基づいて、前記触媒の温度を推定することを特徴とする内燃機関。
  2. 燃焼室へ空気を導入する吸気通路内へ燃料を噴射するポート噴射弁と、前記燃焼室内へ直接燃料を噴射する直噴噴射弁と、前記燃焼室で燃焼した前記燃料の排ガスを浄化する触媒と、を有し、
    前記ポート噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第1の触媒温度推定手段と、前記直噴噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第2の触媒温度推定手段とに基づいて前記触媒の温度を推定し、さらに、全燃料噴射量に対する前記直噴噴射弁又は前記ポート噴射弁のうち少なくとも一方の燃料噴射比率に応じて、前記第1の触媒温度推定手段から推定した値と前記第2の触媒温度推定手段から推定した値とを補間して、前記触媒の温度を推定することを特徴とする内燃機関。
  3. 燃焼室へ空気を導入する吸気通路内へ燃料を噴射するポート噴射弁と、前記燃焼室内へ直接燃料を噴射する直噴噴射弁と、前記燃焼室で燃焼した前記燃料の排ガスを浄化する触媒と、を有し、
    前記直噴噴射弁と前記ポート噴射弁との燃料噴射比率に対応する複数の触媒温度推定手段から、全燃料噴射量に対する前記直噴噴射弁又は前記ポート噴射弁のうち少なくとも一方の燃料噴射比率に対応する触媒温度推定手段を用いることにより、前記触媒の温度を推定することを特徴とする内燃機関。
  4. 前記触媒の温度は、前記内燃機関の負荷率と機関回転数とから推定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関。
  5. 推定された前記触媒の温度に基づいて燃料噴射量を補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関。
  6. 燃焼室へ空気を導入する吸気通路内へ燃料を噴射するポート噴射弁と、前記燃焼室内へ直接燃料を噴射する直噴噴射弁と、前記燃焼室で燃焼した前記燃料の排ガスを浄化する触媒と、を有する内燃機関の運転を制御するものであり、
    前記ポート噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第1の触媒温度推定手段と、前記直噴噴射弁単独で燃料を噴射する場合の第2の触媒温度推定手段とを格納する触媒温度推定手段格納部と、
    全燃料噴射量に対する前記直噴噴射弁又は前記ポート噴射弁のうち少なくとも一方の燃料噴射比率を判定する燃料噴射比率判定部と、
    前記燃料噴射比率に応じて、前記第1の触媒温度推定手段から推定した値と前記第2の触媒温度推定手段から求めた値とを補間して、前記触媒の温度を推定する触媒温度推定部と、
    前記触媒温度推定部により推定された前記触媒の温度に基づいて、前記内燃機関に対する燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正部と、
    を含んで構成されることを特徴とする内燃機関の運転制御装置。
  7. 燃焼室へ空気を導入する吸気通路内へ燃料を噴射するポート噴射弁と、前記燃焼室内へ直接燃料を噴射する直噴噴射弁と、前記燃焼室で燃焼した前記燃料の排ガスを浄化する触媒と、を有する内燃機関の運転を制御するものであり、
    前記直噴噴射弁と前記ポート噴射弁との燃料噴射比率に対応する複数の触媒温度推定手段を格納する触媒温度推定手段格納部と、
    全燃料噴射量に対する前記直噴噴射弁又は前記ポート噴射弁のうち少なくとも一方の燃料噴射比率を判定する燃料噴射比率判定部と、
    前記燃料噴射比率に対応した前記触媒温度推定手段を用いて、前記触媒の温度を推定する触媒温度推定部と、
    前記触媒温度推定部により推定された前記触媒の温度に基づいて、前記内燃機関に対する燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正部と、
    を含んで構成されることを特徴とする内燃機関の運転制御装置。
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