JP2005348781A - 耐火防護カバー - Google Patents

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弘樹 志方
Masashi Miyatake
昌志 宮武
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Toshimoto Yamamoto
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Abstract

【課題】未だトンネル内に設置される通信ケーブル保護管に関する国際的な耐火基準を満たすことができない。
【解決手段】断熱材2は、セラミックスファイバー等の高密度ブランケットに加えて超微粒子を圧縮成形してなるものであり、高温に晒される外層2Aと、相対的に低温となる内層2Bとで段差状に配置している。外層2Aは、無機繊維ブランケットよりなるもので、この無機繊維ブランケットは、外層2Aとして密度200〜290kg/m である高密度の無機繊維ブランケットを使用する。無機繊維質材料の特徴である耐熱性を維持しながらも、非定常の伝熱における熱の遮蔽をするのに適した蓄熱量を確保でき、かつ、斯かる範囲内の密度であれば、高密度の無機繊維ブランケットを使用した耐火防護カバーは軽量で、また、少ない人数での施工が可能となることも相俟って、トンネル内の取付限界に対応すべく限られた小スペースでの簡単な取り付けを実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主としてトンネル内に付設されている耐火防護カバーの改良に関し、更に詳しくは、トンネル火災等に起因する高熱からトンネル内に付設されている電気・通信ケーブル保護管等の設備(以下、単にトンネル内設備という)を防護することができるのみならず、トンネル内の取付限界に対応すべく限られた小スペースでの簡単な取り付けを実現した有用な耐火防護カバーに関する。
従来、橋梁添架区間における通信ケーブル保護管に関する耐火対策としては、JIS・A1301「建築物の木造部分の防火試験方法」における2級加熱試験をクリアできれば良いものとされている、すなわち、試験開始から約10分後に炉内を最高温度である840℃迄上昇させて試験品を加熱し、試験開始から30分後に約150℃迄温度を低下させる試験に準じて行われ、保護管内の温度が通信ケーブル被覆の軟化温度である85℃未満であれば合格とされている(評価基準)。
因に、同防火試験方法における1級試験では、試験開始から約10分で炉内温度が最高の1120℃に達するが、該温度を保持するものではなく、1000℃以上の時間として5分間が要求されている。
従って、上述した2級加熱試験をクリアすべく既存の通信ケーブル保護管の耐火断熱構造としては、通信ケーブルを収容している合成樹脂製(例えば、塩化ビニール樹脂)又は金属製(例えば、鉄又はステンレススチール)の保護管の外周に、無機繊維製のシートを単層又は複数層巻付けると共に、その外装に鉄又はステンレススチール製薄板による耐火保護カバーを被装したものが採用されている。
また、斯かる耐火防護カバーとして、トンネルの内壁を利用して設けられた設備を耐火板構造の外装体(保護ボックス)により囲んでトンネル空間より遮断し、そのトンネル内での車両事故等による火災時に外装体(保護ボックス)内に伝播した熱を、同外装体(保護ボックス)の内面側に設けられているトンネルのコンクリート躯体側と接触する金属板を通して、コンクリート躯体側へ逃がす方法が案出されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平2002−360722号公報
しかしながら、上述した従来の通信ケーブル保護管の評価基準及び耐火断熱構造では、道路のトンネル内に設置される通信ケーブル保護管に関する国際的な耐火基準を満たすことができないといった問題がある。例えば、ドイツ国における「道路トンネルの設備と運用に関する指針」に示されているRABT曲線によれば、炉内温度を試験開始から5分後に1200℃迄上昇させることにより試験品を急速加熱し、該温度に炉内を25又は55分間保った後に試験開始から140又は170分をかけて炉内温度を直線的に低下させることにより耐火試験を行っている。
また、我国においても、トンネル内の車両火災事故、例えば、1976年に発生した日本坂トンネル火災事故に関しては、コンクリートの組成成分分析から600〜1000℃に、また、金属材料の変形状況及びガラス類の溶融状況からはトンネル内最高温度が1300℃に達したことが報告されており、これに耐え得る耐火防護カバーが要求されている。
一方、前述した特開平2002-360722号公報に開示の耐火保護カバーにあっては、保護ボックスの内側に重層な耐火板、断熱材が付設されているため、保護ボックスが重くなってしまうといった問題があり、限られたトンネル内での取付作業に余儀なくされている。
更に、トンネル内ケーブルを付設する際、その付設位置はトンネル内の他の設備との関係で制限を受ける場合がある。まず、耐火防護カバーを付設する際に、使用する材料はできるだけ軽量であることが好ましい。例えば、トンネルの天井部分に施工する場合などは、作業者の負担が大きいことからできるだけ軽量でハンドリングし易いものが好ましい。従来は、ケーブルの耐火防護カバーの内側に付設される断熱材の1つとして、ケイ酸カルシウム製のボードが採用されている。
しかしながら、このケイ酸カルシウム製のボードは、密度が約800kg/m と大きく、結果として、得られる耐火防護カバーの重量は大きくなってしまい、施工時の作業者の負担が大きかった。
また、ケーブルがトンネル内のどの位置に付設された場合でも、例えば、車高の高いトラック等がトンネル内を通過する際の障害とならないように、ケーブルの耐火防護カバーはトンネル内にできるだけ突出しないほうが良い。従来のケーブルの耐火防護カバーの厚みは、100〜150mmにも達してしまうのが現状である。
しかしながら、トンネル内に耐火防護カバー等が突出していると、車両のドライバーに心理的な圧迫感を与え、好ましくない。この意味からも、ケーブルの耐火防護カバーは、できるだけ薄く小さいことが望ましい。更に、前述のように、トンネル内火災事故等によるトンネル内の温度は最高1300℃にもなるため、ケーブルの耐火防護カバーは、できるだけ薄く小さいことに加え、耐熱性、断熱性が非常に重要である。
本発明はこのような従来の問題点及び要求に鑑みてなされたもので、既述のJIS・A1301における2級試験や1級試験よりも過酷な加熱試験に耐え得て国際的な耐火基準をも満たすことができると共に、トンネル内の取付限界に対応すべく限られた小スペースでの簡単な取り付けを実現した有用な耐火防護カバーを提供することを目的としたものである。
上述の如き従来の問題点を解決し、所期の目的を達成するため本発明の要旨とする構成は、トンネル内設備を保護すべく被装される外装体と、該外装体の内側に形成された断熱材とを備えてなる耐火防護カバーにおいて、前記断熱材は、セラミックスファイバー等の高密度ブランケットに加えて超微粒子を圧縮成形してなる耐火防護カバーに存し、延いては、前記断熱材が、外層と内層とから形成され、外層は、密度200〜290kg/m である高密度の無機繊維ブランケットよりなり、内層は、主として超微粒子を圧縮成形して得られる断熱材からなる耐火防護カバーに存し、更に好ましくは、前記超微粒子を圧縮成形して得られる断熱材からなる内層に放熱板が狭持されている耐火防護カバーに存する。
また、本発明は、トンネル内の壁面に取り付けするための外装体と、該外装体の内側に形成された断熱材とを備えてなる耐火防護カバーにおいて、前記断熱材は、トンネル内の設備を許容する大きさに形成された取付空間部を有すると共に、前記外装体を介して同取付空間部の下面側を開放すべく分割される耐火防護カバーに存する。
前記外装体は、トンネル内の壁面に所定間隔を介して支持される一対の外装レールと、該外装レール間に着脱自在に架設される外装カバーとに分割されると共に、前記断熱材は、トンネル内設備の周面を防護すべく前記外装レールに取り付けされる第1断熱材と、同設備の下面側を防護すべく前記外装カバーに取り付けされる第2断熱材とに分割されるのが良い。
本発明は上述のように構成され、前記断熱材が、セラミックスファイバー等の高密度ブランケットに加えて超微粒子を圧縮成形してなること、延いては、前記断熱材が、外層と内層とから形成され、外層は、密度200〜290kg/m である高密度の無機繊維ブランケットよりなり、内層は、断熱性に優れた主として超微粒子を圧縮成形して得られる断熱材からなることによって、高温域での耐熱性と断熱性を著しく向上することが可能となり、耐火防護カバーの厚さを70mm程度といった極めてコンパクトな形状にすることができるため、トンネル内の取付限界に対応すべく限られた小スペースでの取り付けを実現することができるといった効果を奏する。
更に、前記断熱材が、高温に晒される外層側にセラミック系断熱材を、相対的に低温となる内層側にシリカを主成分とした微粒子断熱材を組み合わせてなると共に、前記セラミック系断熱材が、アルミノシリケート繊維、アルミナ繊維、ムライト繊維の何れか一つ又はそれらを組み合わせたフェルト状物で、前記微粒子断熱材が、シリカ粒子の大きさが平均100nm以下で、密度を200〜500kg/m にすることによって、遠赤外線を通過させず、また、その細かな微粒子がもたらす断熱性は、殆どの断熱材が自らの断熱性能を委ねている静止空気の熱伝導率を凌駕し、また、この断熱性能は、気体分子の動きが活発な高温度域においても殆ど落ちることなく維持されることも相俟って、高い信頼性を得ることができるといった効果を奏するものである。
また、前記断熱材が、トンネル内設備を許容する大きさに形成された取付空間部を有すると共に、前記外装体を介して同取付空間部の下面側を開放すべく分割されることによって、外装体をトンネル内壁面の所定位置に取り付けるだけで、前記取付空間部内にトンネル内設備が整合されると共に、同設備を前記断熱材で囲繞でき、また、外装体全体を取り外すことなく取付空間部の下面側のみを部分的に取り外して作業することができるため、トンネル内設備の保守・点検なども短時間で完了できるといった効果を奏する。
特に、前記外装体が、トンネル内の壁面に所定間隔を介して支持される一対の外装レールと、該外装レール間に着脱自在に架設される外装カバーとに分割されると共に、前記断熱材は、トンネル内設備の周面を防護すべく前記外装レールに取り付けされる第1断熱材と、同設備の下面側を防護すべく前記外装カバーに取り付けされる第2断熱材とに分割されることによって、外装カバーを取り外すだけで第2断熱材が第1断熱材より分割できるため、同断熱材の取り付け取り外しが簡単にできると共に、同様に、断熱材やトンネル内設備のメンテナンスなども短時間で完了できるといった効果を奏するものである。
このように本発明は、トンネル火災等に起因する高熱からトンネル内設備を保護することができるのみならず、トンネル内の取付限界に対応すべく限られた小スペースでの簡単な取り付けを実現できるなど、短時間で取付作業が完了でき、また、構成が単純であるため、大量生産に適し、価格も低廉なものとして需要者に供給できる等、本発明を実施することはその実益的価値が甚だ大である。
まず、外装体の内側に形成される断熱材について説明する。断熱材は、より高温に晒される外層と、内層により形成される。外層は、無機繊維ブランケットよりなる。無機繊維ブランケットは、一般に、優れた耐熱性と、無機繊維質であるが故に、密度が小さく、軽量で加工性に優れるという特性を有している。
しかしながら、従来の無機繊維ブランケットでは、密度が小さいため、蓄熱量も小さい。従って、トンネル内火災などの非定常の伝熱の場合などにおける熱の遮蔽の効果は不十分であった。しかしながら、蓄熱量を大きくするために、密度の大きい材料、例えば、前述のケイ酸カルシウム製のボードや耐火煉瓦等を使用すると、結果として、得られる耐火防護カバーの重量が増大し、施工時の作業者の負担が大きくなるばかりではなく、熱伝導率が大きくなり、断熱性を低下させてしまう。
以上のような理由から、本発明の外装体の内側に形成される断熱材の外層は、優れた耐熱性を維持しながら、非定常の伝熱における熱の遮蔽をするのに適した蓄熱量を併せ持ち、かつ、結果として得られる耐火防護カバーが、施工時の作業者の負担を大きくすることのない程度の重量になるような密度であることが必要とされる。
本発明者らは、鋭意研究の結果、本発明の外装体の内側に形成される断熱材の外層に必要とされるこれらの特性を併せ持つ断熱材として、密度200〜290kg/m である高密度の無機繊維ブランケットが好適であることを見出したのである。
密度が前記範囲である無機繊維ブランケットは、無機繊維質材料の優れた特徴である耐熱性を維持しながらも、非定常の伝熱における熱の遮蔽をするのに適した蓄熱量を確保することが可能となる。更に、この範囲の密度であれば、上記高密度の無機繊維ブランケットを使用した耐火防護カバーは軽量であり、少ない人数での施工が可能である。
本発明に係る断熱材の外層を構成する無機繊維ブランケットは、例えば、アルミナーシリカ繊維からなることが好適である。蓋し、アルミナーシリカ繊維は、アルミナとシリカとを主成分とし、アルミナ含有量が48重量%程度の非晶質繊維であり、耐熱性に優れているからである。
また、アルミナーシリカ繊維は、所定のアルミナ原料を電気炉等で溶融し、溶湯を電気炉底部から流下させて高圧のエアーや、回転体の遠心力で繊維化することによって得られる。得られた繊維は、堆積させてマット状或いはブランケット状にすることができる。また、外層に使用するアルミナーシリカ繊維の代わりにアルミナーシリカージルコニア繊維やアルミナ繊維を用いても良い。
一方、内層は、超微粒子を圧縮成形して得られる断熱材よりなる。この断熱材は、遠赤外線を通過させず、また、その細かな微粒子がもたらす断熱性は、殆どの断熱材が自らの断熱性能を委ねている静止空気の熱伝導率を凌駕し、この断熱性は、気体分子の動きが活発な高温度域においても殆ど落ちることなく維持されるため、高い信頼性を得ることができる。
従って、内層として、このような超微粒子を圧縮成形して得られる断熱材を使用することは、耐火防護カバーに包含されるケーブル等のトンネル内設備の熱的な劣化を防ぐために好適である。更に好適には、内層の厚みは、10〜60mmの範囲にすれば、耐火防護カバーに包含されるケーブル等のトンネル内設備の熱的な劣化を防ぐのに十分であり、得られる耐火防護カバーをよりコンパクトにすることができる。
更に、この断熱材は、密度が200〜400kg/m と軽量であるため、得られる耐火防護カバーの重量は、小さく施工時の作業者の負担を大きくすることはない。
また、内層は、熱伝導率の大きい放熱板を狭持することが、より好適である。蓋し、放熱板を内層に狭持させておくと、トンネル内での火災において、耐火防護カバー中に伝播する熱を放熱することができ、耐火防護カバーに包含されるケーブル等のトンネル内設備の熱的な劣化を防ぐことができるからである。
更に、好適な放熱板として、例えば、グラファイトシートや金属板が挙げられる。特に、グラファイトシート、アルミニウム板を使用することができる。放熱板の厚みは、1〜5mmであることが好ましい。
放熱板は、内層に狭持されることが好ましい。放熱板が狭持される位置が、より高温に晒される外層であった場合、放熱板としては、前述のようにグラファイトシート、アルミニウム板等の金属板が使用されるため、高温に晒されると、劣化、溶融して、放熱板としての機能を果たさなくなる恐れがある。
次に、外装体について説明する。外装体は、トンネル内の壁面に所定間隔を介して支持される左右一対の外装レールと、該外装レールに着脱自在に連結される外装カバーとに分離せしめ、かつ、前記断熱材を、トンネル内設備の周面を防護すべく前記外装レールに取り付けされる第1断熱材と、同設備の下面側を防護すべく前記外装カバーに取り付けされる第2断熱材とに分割させるのが良い。
次に、本発明の第1実施例を図1乃至図4を参照しながら説明する。図中Aは、本発明に係る耐火防護カバーであり、この耐火防護カバーAは、図1に示すように、トンネルの内壁面Tに取り付けするための外装体1と、該外装体1の内側に形成された断熱材2とを備えている。
前記外装体1は、トンネル内壁面Tに支持される左右一対の外装レール1a,1aと、該外装レール1a,1a間に着脱自在に連結される外装カバー1bとに分割されるものであり、前記外装レール1a,1aに後述する第1断熱材2aが、外装部本体1bに第2断熱材2bが取り付けられている。
外装レール1a,1aは、例えば、ステンレス鋼(SUS309)製で断面コ字状を呈しており、上端から外方に向けて延出する取付面1a は、インサートボルト3を介してトンネル内壁面Tに取り付けされ、下端から外方に向けて延出する接合面1a は、外装カバー1bを保持すべく螺合されるものである。
外装カバー1bは、ステンレス鋼(SUS304)製で底蓋状を呈しており、左右両端側に前記外装レール1aの接合面1a 、1a に螺合される折曲部1b 、1b とを備えており、外装体1の中間部を押さえる別体の補助フレーム1cと、隣接する外装体1,1同士の突き合わせ部を押さえる補助フレーム1dを介して前記外装レール1a,1aへの連結が補強される(図10参照)。
一方、前記断熱材2は、セラミックスファイバー等の高密度ブランケットに加えて超微粒子を圧縮成形してなるものであり、高温に晒される外層2Aと、相対的に低温となる内層2Bとで段差状に配置している。
換言すれば、斯かる外層2Aと内層2Bは、重畳させた際、図4に示すように、それぞれの遊端面に段差ができるように配置されており、外部より雨露等が浸漬しないように(外部側に向けて流れ落ちるように)工夫されている。
また、外層2Aは、例えば、無機繊維ブランケットよりなるもので、この無機繊維ブランケットは、一般に、優れた耐熱性と無機繊維質であるが故に、密度が小さく、軽量で加工性に優れるという特性を有している。
本発明では、外層2Aとして具体的に密度200〜290kg/m である高密度の無機繊維ブランケットを使用するのが良い。蓋し、無機繊維質材料の優れた特徴である耐熱性を維持しながらも、非定常の伝熱における熱の遮蔽をするのに適した蓄熱量を確保することが可能となり、また、斯かる範囲内の密度であれば、上記高密度の無機繊維ブランケットを使用した耐火防護カバーは軽量であり、少ない人数での施工が可能となるからである。
換言すれば、斯かる外層2Aを構成する無機繊維ブランケットは、高温での耐熱性に優れているだけでなく、(1)従来の無機繊維ブランケットよりも高い密度を有すること。(2)トンネル内火災などの悲定常の伝熱の場合、断熱材による熱の遮断には、断熱材の熱伝導率が低いことに加え、蓄熱量の大きいことが好ましいこと。(3)蓄熱量は、断熱材の密度を高くすることによって大きくすることができること。
また、(4)蓄熱量を大きくするために密度を大きくし過ぎてしまうと、結果として得られる耐火防護カバーの重量が増大し、施工時の作業者の負担を大きくするばかりではなく、(5)熱伝導率が大きくなり、断熱性を低下させてしまうことがある。
このような理由(1)乃至(5)から、外層2Aを構成する無機繊維ブラケットは、耐熱性に優れているのはもちろんであるが、従来よりも密度を高くし、上述のようなトンネル内火災などの非定常の伝熱の場合の熱の遮断に適した蓄熱量とを併せ持ちながら、同時に、得られる耐火防護カバーが、施工時の作業者の負担を大きくすることのない程度の重量になる最適な密度、すなわち、下限値を200kg/m に、上限値を290kg/m に限定しているのである。
斯かる高密度の無機質繊質ブランケットとして、例えば、アルミナーシリカ繊維が挙げられる。このアルミナーシリカ繊維は、アルミナとシリカとを主成分とし、アルミナ含有量が48重量%程度の非晶質繊維であり耐熱性に優れている。このアルミナーシリカ繊維は、所定のアルミナ原料を電気炉等で溶融し、溶湯を電気炉底部から流下させて高圧のエアーや、回転体の遠心力で繊維化することによって得られるもので、得られた繊維は、堆積させてマット状或いはブランケット状にすることができる。また、外層に使用するアルミナーシリカ繊維の代わりにアルミナーシリカージルコニア繊維やアルミナ繊維を用いても良い。
一方、内層2Bは、超微粒子を圧縮成形して得られる断熱材よりなるもので、この断熱材は、遠赤外線を通過させず、また、その細かな微粒子がもたらす断熱性は、殆どの断熱材が自らの断熱性能を委ねている静止空気の熱伝導率を凌駕し、この断熱性は、気体分子の動きが活発な高温度域においても殆ど落ちることなく維持されるため、高い信頼性を得ることができる。
従って、内層2Bとして、このような超微粒子を圧縮成形して得られる断熱材を使用することは、耐火防護カバーに包含されるケーブル等のトンネル内設備の熱的な劣化を防ぐために好適である。
更に好ましくは、内層2Bの厚みは、10〜60mmの範囲にするのが良く、耐火防護カバーに包含されるケーブル等のトンネル内設備の熱的な劣化を防ぐのに十分であり、得られる耐火防護カバーをよりコンパクトにすることができる。
また、この内層2Bの断熱材は、密度が200〜400kg/m と軽量であるため、得られる耐火防護カバーの重量は、小さく施工時の作業者の負担を大きくすることはない。
他方、内層2Bには、熱伝導率の大きい放熱板(図示せず)を狭持することがより好適である。蓋し、放熱板を内層2Bに狭持させておくことで、トンネル内での火災において、耐火防護カバー中に伝播する熱を放熱することができ、耐火防護カバーに包含されるケーブル等のトンネル内設備の熱的な劣化を防ぐことができるからである。
斯かる放熱板としては、例えば、グラファイトシートや金属板が好ましく、就中、グラファイトシート、アルミニウム板を使用することができる。放熱板の厚みは、1〜5mmであることが好ましい。
しかも、前記放熱板は、内層2Bに狭持されることが好ましい。なぜなら、放熱板が狭持される位置が、より高温に晒される外層であった場合、放熱板としては、前述のようにグラファイトシート、アルミニウム板等の金属板が使用されるため、高温に晒されると、劣化、溶融して、放熱板としての機能を果たさなくなる恐れがあるからである。
次に、本発明の第2実施例を図5乃至図12を参照しながら説明する。尚、理解を容易にするため、前述した第1実施例と同一部分は同一符号で示し、構成の異なるところのみを新たな番号を付して以下に説明する。
図5中、Bは、発明に係る耐火防護カバーの第2実施例であり、この耐火防護カバーBは、トンネルの内壁面Tに取り付けするための外装体1と、該外装体1の内側に形成された断熱材2とを備えている。
前記外装体1は、図5乃至図6に示すように、トンネル内壁面Tに支持される左右一対の外装レール1a,1aと、該外装レール1a,1a間に着脱自在に架設される外装カバー1bとに分割されるものであり、前記外装レール1a,1aに後述する第1断熱材2aが、外装部本体1bに第2断熱材2bが取り付けられている。
外装レール1a,1aは、断面コ字状を呈しており、上端から外方に向けて延出する取付面1a は、インサートボルト3を介してトンネル内壁面Tに取り付けされ、下端から外方に向けて延出する接合面1a は、外装カバー1bが螺合されるものである。
外装カバー1bは、底蓋状を呈しており、図9に示すように、左右両端側に前記外装レール1aの一方の接合面1a に嵌合されるU字状の折曲部1b と、他方の接合面1a に突き合わせられる突合面1b とを備えている。
従って、斯かる外装カバー1bを取り付ける際は、一旦、折曲部1b 側を外装レール1aの接合面1a に整合させた状態で、突合面1b 側を他方の接合面1a に螺合することができるため、一人での取付作業も頗る簡単である。
また、外装体1は、図10に示すように、同外装体1の中間部を押さえる補助フレーム1cと、隣接する外装体1,1同士の突き合わせ部を押さえる補助フレーム1dを介して前記外装レール1a,1a間への連結力が補強されている(図6参照)。
更に、前記断熱材2は、第1実施例と同様、セラミックスファイバー等の高密度ブランケットに加えて超微粒子を圧縮成形してなるものであり、より高温に晒される外層2Aと、内層2Bとから形成されている。
外層2Aと内層2Bとからなる断熱材2は、トンネル内設備Cの周面を防護する第1断熱材(サイドブランケット)2aと、前記設備Cの下面側を防護する第2断熱材(ボトムブランケット)2bとに分割できるように組み付けている。
換言すれば、第1断熱材2aは、前記一対の外装レール1a,1aのサイドに取付ボルト4を介して取り付けされ、第2断熱材2bは、前記外装カバー1b内の底面に敷設されている。
また、前記第1断熱材2aの中央に、トンネル内設備Cを許容する取付空間部2cが形成されていることは、第1実施例と同様である。
このように構成される耐火防護カバーBは、取付空間部2cの下面側に位置する外装カバー1bのみを部分的に取り外すことができるため、トンネル内設備の補修・点検などの作業も短時間で完了でき、また、前記断熱材2が、セラミックスファイバー等の高密度ブランケットと超微粒子とを圧縮成形したものであるため、高密度化で過酷な高温域での断熱性能の向上が図れるため、厚さ70mm(実質72mm)といった極めてコンパクトな形状が可能になるため、トンネル内の取付限界に対応すべく限られた小スペースでの簡単な取り付けを実現できる。
しかも、本発明の耐火防護カバーについて加熱試験を行ったところ、図11乃至図12に示すように、断熱性能でも、鉄管、塩ビ管、FRP管の何れの保護管も、管内合格基準温度85℃をクリアすることができるなど、所謂RABT耐火曲線(60分・30分)をクリアすることができ(図12参照)、トンネル火災からトンネル内設備Cを確実に護ることができる。 因に、図1中、5は保護管、6は低密度ブランケット、7はメッキ鋼板等からなる特殊断熱補強板である。以下、試験例1,2を挙げて本発明を具体的に説明する。
(試験例1)
断熱材2を密度230kg/m のアルミナシリカ繊維ブランケットよりなる外層25mmと、超微粒子を圧縮成形して得られる密度300kg/m の断熱材よりなる内層25mm及び20mmの二層と、内層二層に狭持されるアルミニウム板2mmより構成し、RABT耐火曲線に基づく耐火防護カバーの加熱試験を行った。その結果、保護管の温度は45℃であり、RABT耐火曲線をクリアすることができた。
(試験例2)
断熱材2を密度230kg/m のアルミナシリカ繊維ブランケットよりなる外層50mmと、超微粒子を圧縮成形して得られる密度300kg/m の断熱材よりなる内層10mmの二層と、内層二層に狭持されるアルミニウム板1mmより構成し、RABT耐火曲線に基づく耐火防護カバーの加熱試験を行った。その結果、保護管の温度は81℃であり、RABT耐火曲線をクリアすることができた。
尚、本発明は本実施例に限定されることなく、本発明の目的の範囲内で自由に設計変更し得るものであり、本発明はそれらの全てを包摂するものである。
例えば、前記断熱材2は、高温に晒される外層側にセラミック系断熱材を、相対的に低温となる内層側にシリカを主成分とした微粒子断熱材を組み合わせているが、前記セラミック系断熱材として、アルミノシリケート繊維、アルミナ繊維、ムライト繊維の何れか一つ又はそれらを組み合わせたフェルト状物を使用しても良い。
また、前記微粒子断熱材として、シリカ粒子の大きさが平均100nm以下で、密度が200〜500kg/m であるものを使用しても良いものであり、本発明はこれらの全てを包摂するものである。
本発明に係る耐火防護カバーの第1実施例(使用状態)を示す縦断面図である。 同耐火防護カバーで使用する断熱材の取り付けを示す説明図である。 同断熱材の段差取付を示す縦断面図である。 同断熱材の段差取付を示す斜視図である。 本発明に係る耐火防護カバーの第2実施例(使用状態)を示す縦断面図である。 同耐火防護カバーの縦断面図である。 同耐火防護カバーの底面図である。 本実施例で使用する外装体を構成する外装レールの説明図。 図9(a)は同外装体を構成する外装カバーの端面図、図9(b)は同平面図である。 図10(a)は本実施例で使用する補助フレームの端面図、図10(b)は外装体の中間部に使用される補助フレームを示す平面図、図10(c)は外装体同士の突合部に使用される補助フレームを示す平面図である。 本発明に係る耐火防護カバーの断熱性能実験結果を示すグラフである。 本発明に係る耐火防護カバーの断熱性能実験結果とRABT曲線の関係を示すグラフである。
符号の説明
A 耐火防護カバー(第1実施例)
B 耐火防護カバー(第2実施例)
C トンネルの内設備
T トンネルの内壁面
1 外装体
1a 外装レール
1a 取付面
1a 接合面
1b 外装カバー
1b 折曲部
1b 突合面
1c 補助フレーム
1c 突合面
2 断熱材
2A 外層
2B 内層
2a 第1断熱材
2b 第2断熱材
2c 取付空間部
3 インサートボルト
4 取付ボルト
5 保護管
6 低密度ブランケット

Claims (8)

  1. トンネル内設備を保護すべく被装される外装体と、該外装体の内側に形成された断熱材とを備えてなる耐火防護カバーにおいて、前記断熱材は、セラミックスファイバー等の高密度ブランケットに加えて超微粒子を圧縮成形してなることを特徴とする耐火防護カバー。
  2. 前記断熱材が、外層と内層とから形成され、外層は、密度200〜290kg/m である高密度の無機繊維ブランケットからなり、内層は、主として超微粒子を圧縮成形して得られる断熱材からなることを特徴とする請求項1に記載の耐火防護カバー。
  3. 前記断熱材は、高温に晒される外層側にセラミック系断熱材を、相対的に低温となる内層側にシリカを主成分とした微粒子断熱材を組み合わせてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐火防護カバー。
  4. 前記セラミック系断熱材は、アルミノシリケート繊維、アルミナ繊維、ムライト繊維の何れか一つ又はそれらを組み合わせたフェルト状物であることを特徴とする請求項3に記載の耐火防護カバー。
  5. 前記微粒子断熱材は、シリカ粒子の大きさが平均100nm以下で、密度が200〜500kg/m であることを特徴とする請求項3に記載の耐火防護カバー。
  6. 前記超微粒子を圧縮成形して得られる断熱材の内層は、厚みが10〜60mmであることを特徴とする請求項2に記載の耐火防護カバー。
  7. 前記断熱材は、前記トンネル内設備を許容する大きさに形成された取付空間部を有すると共に、前記外装体を介して同取付空間部の少なくとも下面側を開放すべく分割されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の耐火防護カバー。
  8. 前記外装体は、トンネル内の壁面に所定間隔を介して支持される左右一対の外装レールと、該外装レール間に着脱自在に架設される外装カバーとに分割されると共に、前記断熱材は、トンネル内設備の周面を防護すべく前記外装レールに取り付けされる第1断熱材と、同設備の下面側を防護すべく前記外装カバーに取り付けされる第2断熱材とに分割されることを特徴とする請求項1に記載の耐火防護カバー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019000196A (ja) * 2017-06-13 2019-01-10 能美防災株式会社 消火栓装置
JP2019013318A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 能美防災株式会社 消火栓装置、消火器箱

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