JP2005345629A - 双方向光通信用光学分岐素子及び光送受信器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光ファイバ端面と対向される開口面11aと、発光素子対向面11bと、受光素子対向面11cと、発光素子対向面11bから入射される送信光を開口面11aに向って反射する送信側反射面11d−2と、開口面11aから入射される受信光を受光素子対向面11cに向って反射する受信側反射面11e−2とを具備する。光ファイバ光軸方向をZ軸、面11bと11cの対向方向をX軸、X軸・Z軸と直交する方向をY軸とした時、送信側反射面11d−2は開口面11aと平行な平面がY軸回り及びX軸回りに回転されて傾斜された面とされ、受信側反射面11e−2は開口面11aと平行な平面がY軸回りに送信側反射面11d−2と反対方向に回転されて傾斜された面とされる。開口面11a付近における送信光反射経路主方向と受信経路主方向とを大きく離すことができる。
【選択図】 図6
Description
基体11の第1の面11aとそれぞれ隣接する第2の面11b及び第3の面11cは、第1の面11aとそれぞれ直角をなすものとされて互いに対向し、五角形の残る第4の面11d及び第5の面11eは内側にへこんだ面とされてV字を形成するものとされる。
第1の面11a及び第2の面11bには送信光集光用のレンズ12,13がそれぞれ一体形成され、さらに受信光集光用のレンズ14,15が第1の面11a及び第3の面11cにそれぞれ一体形成されている。なお、第1の面11aに位置する二つのレンズ12,14は共に一部が切り欠かれ、それら切り欠かれた部分が隣接結合された構造となっている。
受光素子22及び発光素子23はこの例では共にリードフレーム上に搭載されて透明樹脂により樹脂封止された構造となっており、図15中、24はリードフレームを示し、25は封止樹脂を示す。発光素子22は例えば発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)とされ、受光素子23は例えばフォトダイオード(PD)とされる。
このように、この例では光学分岐素子10は発光素子22、受光素子23及び光ファイバ21端面の3者と対向配置され、この光学分岐素子10を通して光の送受信が行われるものとなっている。なお、この例のように発光素子22と受光素子23とを光学分岐素子10に対して対向配置する構成は、発光素子22と受光素子23とが離れているため、電気的なアイソレーションを取りやすく、また光送受信器の小型化も図りやすいものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
図16は図15に示した光学分岐素子10を用いて構成された一対の通信系の構成及び各種光経路を例示したものであり、ここではポート1の送信系1から送信された送信光がポート2の受信系2に受信される場合を例に、各種光経路を示している。なお、送信系とは発光素子、偏向系(反射面、屈折面など)、レンズ等よりなる構成を言い、受信系とは受光素子、偏向系(反射面、屈折面など)、レンズ等よりなる構成を言う。また、開口面とは光送受信器(光学分岐素子)において光ファイバと対向する面を言う。図15中、点線枠26,27は送信系及び受信系を示す。以下、図16を参照して各経路について説明する。
二点鎖線で示した経路[2]は送信光が送信系2へ混入し、ロスや遠端クロストーク、送信系2の送信信号へのノイズ混入の原因となる経路である。
数字〈1〉〜〈7〉を付し、破線の矢印を記入した箇所は送信系1より送信された送信光のうち、自局の受信系1に混入し、受信系1の受信信号のS/N低下の原因となる光(クロストーク光)の主な発生箇所であり、〈1〉〜〈7〉はそれぞれ
〈1〉:送信系2各面(発光素子面、リードフレーム、レンズ面など)における反射
〈2〉:受信系2各面(受光素子面、リードフレーム、レンズ面など)における反射
〈3〉:ポート2開口面における反射
〈4〉:光ファイバ遠端(相手(ポート2)側のファイバ端面)の反射
〈5〉:光ファイバ近端(自局(ポート1)側のファイバ端面)の反射
〈6〉:ポート1開口面における反射
〈7〉:隙間からの混入
を表している。なお、ポート2側で発生するクロストーク(〈1〉〜〈4〉及びその他迷光)全体をポート1の遠端クロストークと呼び、ポート1側で発生するクロストーク(〈5〉〜〈7〉及びその他迷光)全体をポート1の近端クロストークと呼んでおり、送信光が自局の受信系1に混入するクロストーク(矢印[3]で示す)はこれら近端クロストークと遠端クロストークの和となる。
図17は図15に示した光学分岐素子10の基本形状(基体11)を示したものであり、光ファイバ及び発光素子、受光素子と対向する各側面11a〜11cには図15に示したように集光用のレンズ12〜15が付加されるのが一般的であるが、以下の説明図においてはこれらレンズの図示を省略する。また、レンズの図示は省略するが、レンズを備えた面として、以下においては面11a〜11cを開口面、発光素子対向面、受光素子対向面と称し、面11d,11eを送信側反射面、受信側反射面と称する。なお、光ファイバの光軸方向をZ軸、Z軸と直交し、発光素子対向面11bと受光素子対向面11cの対向する方向をX軸、それらX軸及びZ軸と直交する方向をY軸と定義する。
さらに、発光素子22から出射される送信光光束の最大強度部(光束の中心部)の方向は素子正面方向が一般的であるため、送信効率より発光素子22の正面方向を送信経路主方向32として配置しており、この配置により発光素子22において反射した受信光40が光ファイバ21に再結合し、相手側のクロストーク(図16における〈1〉)となることが問題となっていた。
この発明はこのような状況を鑑みてなされたものであり、効率を損うことなく、開口面付近における送信光反射が受信経路に混入することによるクロストークを大幅に低減し、かつ送信経路へ侵入した受信光の反射が再び光ファイバに結合することを大幅に低減できるようにした双方向光通信用光学分岐素子及びそれを用いた光送受信器を提供するものである。
また、送信経路に侵入した受信光は発光素子付近へ導かれず、他の方向へ逃がすことができるため、例えば発光素子面で反射した受信光が再び光ファイバに結合することによるクロストーク(遠端クロストーク)も大幅に低減することができる。
なお、このように受信光が発光素子付近に導かれないため、発光素子の正面方向を送信経路主方向として配置することができ、よって効率を損うこともない。
図1はこの発明による光学分岐素子の第1の実施例を示したものであり、この例では光学分岐素子10−1は光ファイバの端面と対向される開口面11aと、その開口面11aと直角をなして隣接し、発光素子と対向される発光素子対向面11bと、発光素子対向面11bと対向する側において開口面11aと直角をなして隣接し、受光素子と対向される受光素子対向面11cと、発光素子対向面11bから入射される送信光を開口面11aに向って反射する送信側反射面11d−1と、開口面11aから入射される受信光を受光素子対向面11cに向って反射する受信側反射面11e−1とを具備するものとされる。
図1中に示したX,Y,Z3軸は図17におけるX,Y,Z3軸と同様に定義され、即ち光ファイバの光軸方向がZ軸、Z軸と直交し、発光素子対向面11bと受光素子対向面11cの対向する方向がX軸、それらX軸及びZ軸と直交する方向がY軸とされる。
この例では送信側反射面11d−1及び受信側反射面11e−1は共にY軸回りだけでなく、X軸回りにも回転されて傾斜されているため、光ファイバ21及び受/発光素子23,22の受/発光中心は従来例のように同一XZ平面上に配置されず、Y方向にずれて配置される。即ち、発光素子22の発光中心Qは送信側反射面11d−1と垂直かつX軸と平行であって光ファイバ21端面と交差する平面S上に配置され、発光素子22の正面方向はX方向とされる。
開口面11a付近における送信光反射光50の経路は図3(2)に示したようになり、受光面位置29との間のギャップはY方向のギャップg1Y及びZ方向のギャップg1Z共、従来例に対し、大幅に増加するものとなる。なお、図3(1)に示したように送信系に入る受信光40の経路と発光面位置28との間のY方向のギャップg2Yも従来例に対し、大幅に増加するものとなる。
さらに、送信系に侵入した受信光40は図3(1)に示したように発光面付近へ導かれず、つまり他の方向へ逃がすことができるため、発光素子正面方向を送信経路主方向32として配置しても発光素子22において反射した受信光40が光ファイバ21に再び結合することによるクロストーク(図16における〈1〉)を大幅に低減することができる。
図4はこのような構成を有する光学分岐素子の第2の実施例を示したものであり、この例では光学分岐素子10−2の送信側反射面11d−2は開口面11aと平行な平面(XY平面)がY軸回りに回転されて傾斜され、さらにX軸回りに回転されて傾斜された面となっており、これに対し受信側反射面11e−2は開口面11aと平行な平面(XY平面)がY軸回りにのみ送信側反射面11d−2と反対方向に回転されて傾斜された面となっている。
この例では送信側反射面11d−3は開口面11aと平行な平面(XY平面)がY軸回りに回転されて傾斜され、さらにX軸回りに回転されて傾斜された面となっており、一方受信側反射面11e−3は開口面11aと平行な平面(XY平面)がY軸回りに送信側反射面11d−3と反対方向に回転されて傾斜され、さらにX軸回りにも送信側反射面11d−3と反対方向に回転されて傾斜された面となっている。つまり、図1に示した光学分岐素子10−1と異なり、送信側反射面11d−3と受信側反射面11e−3とはX軸回りにおいて互い違いの向きとなっている。
図10はこの発明による光学分岐素子の第4の実施例を示したものであり、この例では送信側反射面11d−4と受信側反射面11e−4とは図7に示した光学分岐素子10−3と同様、X軸回りにおいて互い違いの向きとなっており、さらに送信側反射面11d−4のY方向上半部が削除され、その部分に受信側反射面11e−4が延長形成されたものとなっている。
ところで、前述の例えば図7に示した光学分岐素子10−3では図中、二点鎖線16で囲んだ部分において、送信側反射面11d−3と受信側反射面11e−3とを接続するZ軸に平行な接続面17と送信側反射面11d−3との間及び受信側反射面11e−3との間にそれぞれ鋭角的な凹部が存在し、このような鋭角凹部の存在は光学分岐素子10−3を樹脂成形で作製する場合に、その金型の作製を困難としていた。また、その部分の金型強度が弱くなるため、樹脂成形品の品質が安定しないおそれがあった。
このような面18a,18bを設けることにより、金型の作製が容易となり、金型の低コスト化及び品質の安定化を図ることができる。
一方、図13に示した光学分岐素子10−6は送信側反射面11d−6と受信側反射面11e−6とがX軸回りに互いに逆向きに回転されて傾斜されている構成において、上記のような鋭角凹部が存在しないようにY方向において上半部に受信側反射面11e−6が位置し、下半部に送信側反射面11d−6が位置するようにし、つまり両反射面11d−6,11e−6を分割する境界線の向きをX軸方向としたものであり、このような構成を採用することもできる。なお、この例では二点鎖線19で囲んだ部分は鈍角をなすものとなる。
Claims (6)
- 一本の光ファイバを介して送受信を行う双方向光通信に用いる光学分岐素子であって、
上記光ファイバの端面と対向される開口面と、
その開口面とほぼ直角をなして隣接し、発光素子と対向される発光素子対向面と、
その発光素子対向面と対向する側において上記開口面とほぼ直角をなして隣接し、受光素子と対向される受光素子対向面と、
上記発光素子対向面から入射される送信光を上記開口面に向って反射する送信側反射面と、
上記開口面から入射される受信光を上記受光素子対向面に向って反射する受信側反射面とを具備し、
上記光ファイバの光軸方向をZ軸、そのZ軸と直交し、かつ上記発光素子対向面と受光素子対向面の対向する方向をX軸、それらX軸及びZ軸と直交する方向をY軸とした時、上記送信側反射面は上記開口面と平行な平面がY軸回りに回転されて傾斜され、さらにX軸回りに回転されて傾斜された面とされ、
上記受信側反射面は上記開口面と平行な平面がY軸回りに上記送信側反射面と反対方向に回転されて傾斜された面とされていることを特徴とする双方向光通信用光学分岐素子。 - 請求項1記載の双方向光通信用光学分岐素子において、
上記受信側反射面がさらにX軸回りに上記送信側反射面と同じ方向に回転されて傾斜されていることを特徴とする双方向光通信用光学分岐素子。 - 請求項1記載の双方向光通信用光学分岐素子において、
上記受信側反射面がさらにX軸回りに上記送信側反射面と反対方向に回転されて傾斜されていることを特徴とする双方向光通信用光学分岐素子。 - 請求項2記載の双方向光通信用光学分岐素子において、
上記送信側反射面と受信側反射面とは一辺が一致され、その一辺を挟んで隣接されていることを特徴とする双方向光通信用光学分岐素子。 - 請求項1乃至3記載のいずれかの双方向光通信用光学分岐素子において、
上記送信側反射面と受信側反射面とはZ軸に平行な接続面を介して接続され、
その接続面と送信側反射面、受信側反射面との間に構成される鋭角凹部はその谷底が切り取られた形状とされていることを特徴とする双方向光通信用光学分岐素子。 - 請求項1乃至5記載のいずれかの双方向光通信用光学分岐素子と、
光軸方向がX軸方向とされて上記発光素子対向面に対向配置された発光素子と、
光軸方向がX軸方向とされて上記受光素子対向面に対向配置された受光素子とよりなることを特徴とする光送受信器。
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