JP2005345522A - 音響反射経路判別方法、コンピュータプログラム、音響反射経路判別装置及び音響シミュレーション装置 - Google Patents

音響反射経路判別方法、コンピュータプログラム、音響反射経路判別装置及び音響シミュレーション装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005345522A
JP2005345522A JP2004161772A JP2004161772A JP2005345522A JP 2005345522 A JP2005345522 A JP 2005345522A JP 2004161772 A JP2004161772 A JP 2004161772A JP 2004161772 A JP2004161772 A JP 2004161772A JP 2005345522 A JP2005345522 A JP 2005345522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reflection
path
reflection path
point
surface piece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004161772A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4157856B2 (ja
Inventor
Kiyohiro Kurisu
清浩 栗栖
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toa Corp
Original Assignee
Toa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toa Corp filed Critical Toa Corp
Priority to JP2004161772A priority Critical patent/JP4157856B2/ja
Publication of JP2005345522A publication Critical patent/JP2005345522A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4157856B2 publication Critical patent/JP4157856B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】 虚像法により求められた音響反射経路の有効性を効率的に判別することを目的とする。
【解決手段】 多角形からなる壁面Wを規定する各頂点aの順序及び三次元座標、並びに、上記壁面Wを含む平面上にあり、虚像法により求められる反射経路上の反射点Pの三次元座標に基づいて、上記反射点Pが上記壁面W上に存在するか否かを判別する。その際、上記壁面Wの隣接する2つの頂点a,aj+1が上記反射点Pにおいてなす符号付き角度θを求め、隣接する全ての頂点a〜a間について求められた上記符号付き角度の和Σθを求め、上記符号付き角度の和Σθに基づいて、上記反射点Pが上記壁面W上に存在するか否かを判別する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、音響反射経路判別方法、コンピュータプログラム、音響反射経路判別装置及び音響シミュレーション装置に係り、更に詳しくは、虚像法により音の反射経路を求め、音響特性を求める際、上記反射経路の有効性を判別する方法に関する。
ホールやスタジオなどの空間内に音源を配置し、その出力音を当該空間内のある受音点において聞く場合、上記音源からは様々な方向に音波が放出されるが、そのうち、受音点に至る伝搬経路を経て伝搬された音波のみが、当該受音点において音として聴取される。音の伝搬する上記空間は音場と呼ばれ、上記伝搬経路は音線と呼ばれる。音源から受音点に至る伝搬経路には、音源及び受音点を直線で結ぶ直接経路と、壁面において反射される反射経路が存在する。さらに、反射経路には、壁面で1回反射されて受音点に至る1次反射経路の他に2回以上反射される高次の反射経路も存在する。
受音点に到達した音には、伝搬経路長に応じた減衰及び遅延が生じている。また、反射経路を経て到達した音の場合であれば、さらに、壁面での反射の際、壁面の材質に応じて、音量、音色及び位相が変化している。このため、同一音源から放出された音であっても、受音点に到達した時点では、各伝搬経路ごとに振幅、周波数及び位相が異なっている。
従って、上記空間を規定している壁面の位置及び材質と、音源及び受音点の位置が与えられている場合に、音源から受音点に至る各伝搬経路を正確に求めることができれば、音源の出力音と受音点での聴取音との関係を示す上記空間の音響特性を求めることができる。一般に直接経路を求めることは比較的容易であることから、反射経路を求めることができれば、直接経路を含む各音線について音の伝搬特性が得られ、これらを合成することにより空間の音響特性を求めることができる。この様にして音響特性が得られれば、実空間を用いることなく、音源の出力音に基づいて、受音点での聴取音を再現する音響シミュレーションを行うことができる。
図12は、反射経路を求める従来方法の一例を示した説明図であり、(a)には音線追跡法が示され、(b)には虚像法が示されている。図中のSは音源、Rは受音点、Pは壁面上の反射点、S’は虚音源である。反射経路を幾何学的に求める方法として、音線追跡法と虚像法が従来から知られている。音線追跡法は、音源Sを起点として向きの異なる多数の音線を放射させ、各音線のその後の軌跡を追跡し、受音点Rの近傍を通過する音線のみを反射経路として採用する方法である。一方、虚像法は、反射面に関する音源の虚像(虚音源S’)を求め、当該虚音源S’と受音点Rを直線で結ぶ経路を反射経路とする方法である。
虚像法は、反射経路を正確に求めることができるという長所を有するが、壁面数が増大して反射次数が増大すれば、虚音源の数も指数関数的に増大し、それに応じて計算量も激増するという欠点を有している。これに対し、音線追跡法の場合、比較的少ない計算量で反射経路を求めることができるが、反射経路を正確に求めることはできない。また、音線追跡法及び虚像法を組み合わせて反射経路を求める方法が、例えば、特許文献1に記載されている。
特開平6−11386号公報
図13は、虚像法によって求められる反射経路の一例を示した図である。まず、音源Sから虚音原S’が求められる。虚音源S’は、壁面に関して音源Sと面対称となる点として求められる。つまり、音源Sを含む壁面の法線上であって、音源Sとは反対側で、壁面からの距離が同一となる点が虚音源S’とされる。次に、虚音源S’と受音点Rを結ぶ経路が壁面と交差する点として、反射点Pが求められる。従って、音源Sから受音点Rに至る反射経路としてSPが求められる。
同様にすれば、音源Sから受音点Rに至る反射経路としてSPが求められる。ところが、この反射点Pは有限の壁面Wよりも外側に位置しているため、SPという反射経路は、実際には存在しない。つまり、当該壁面は、反射面として無効であり、当該反射経路を含めて音響特性を求めれば、正確な音響特性は得られない。従って、虚像法を用いる場合、壁面Wでの反射ごとに、当該壁面Wが反射面として有効か否かを判定し、当該反射経路が実在するのか否かを判別する必要がある。
上述した通り、虚像法では、反射次数が増大すると、反射経路も指数関数的に増大するため、壁面の有効又は無効を判別する演算回数も指数関数的に増大する。このため、壁面が反射面として有効か否かを求める方法は、虚像法による反射経路の算出において重要である。ところが、上述した特許文献1には、このような判定方法について具体的な記載はない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、虚像法により求められた音響反射経路の判別を効率的に行うことができる音響反射経路判別方法、音響反射経路判別のためのコンピュータプログラム、音響反射経路判別装置及び音響シミュレーション装置を提供することを目的とする。特に、壁面を定義する各頂点、音源及び受音点の3次元座標に基づいて、少ない演算量で音響反射経路の有効性を判別することを目的とする。
本発明による音響反射経路判別方法は、多角形からなる反射面片を規定する各頂点の順序及び座標に基づいて、虚像法により求められた反射経路の有効性を判別する音響反射経路判別方法であって、上記反射経路が当該反射経路の導出に係る上記反射面片を含む平面と交差する反射点において当該反射面片の隣接する2つの頂点がなす符号付き角度を求める角度算出ステップと、隣接する全ての頂点間について求められた上記符号付き角度の和を求める角度積算ステップと、上記符号付き角度の和に基づいて、上記反射点が上記反射面片上に存在するか否かを判別する第1判別ステップとを備えて構成される。
また、本発明による音響反射経路判別方法は、上記構成に加えて、上記角度算出ステップが、隣接する2つの頂点及び上記反射点を結ぶベクトルの内積を求める第1内積演算ステップと、第1内積演算ステップで求められた内積に基づいて、上記角度の絶対値を求めるステップと、隣接する上記頂点及び上記反射点を結ぶベクトルの外積ベクトルを求める外積演算ステップと、外積演算ステップで求められた外積ベクトル及び上記反射面片に交差する基準ベクトルの内積を求め、上記角度の符号を求める第2内積演算ステップとを有する。
また、本発明による音響反射経路判別方法は、上記構成に加えて、上記基準ベクトルが上記反射面片の法線ベクトルからなる。
また、本発明による音響反射経路判別方法は、上記構成に加えて、上記反射経路上に上記反射点を含まない反射面片が存在するか否かを判定する第2判別ステップをさらに備えて構成される。
また、本発明による音響シミュレーション装置は、多角形からなる反射面片を規定する各頂点の座標に基づいて、虚像法により求められた反射経路がその導出に係る上記反射面片を含む平面と交差する反射点の座標を求める反射点算出手段と、上記反射面片を規定する各頂点の順序に基づいて、隣接する2つの頂点及び上記反射点を結ぶベクトルの内積を求める第1内積演算手段と、第1内積演算ステップで求められた内積に基づいて、隣接する上記頂点が上記反射点においてなす角度の絶対値を求める絶対値算出手段と、隣接する上記頂点及び上記反射点を結ぶベクトルの外積ベクトルを求める外積演算手段と、外積演算ステップで求められた外積ベクトル及び上記反射面片に交差する基準ベクトルの内積を求め、上記角度の符号を求める第2内積演算手段と、上記符号付き角度の和に基づいて、上記反射点が上記反射面片上に存在するか否かを判別する判別手段と、判別手段における判別結果に基づいて、上記反射面片による音源から受音点に至る反射経路の伝搬特性を求める伝搬特性演算手段と、反射経路の伝搬特性を用いて、音源の出力音から受音点における聴取音を生成する聴取音生成手段とを備えて構成される。
本発明によれば、虚像法により求められた音響反射経路の判別を効率的に行うことができる。特に、壁面を定義する各頂点、音源及び受音点の3次元座標に基づいて、少ない演算量で音響反射経路の有効性を判別することができる。このため、音源から受音点に至る音響特性を高速に求めることができる。また、音響シミュレーションを高速に実行させることができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による音響シミュレーション装置の一構成例を示した機能ブロック図である。この音響シミュレーション装置は、実空間を用いることなく、音源Sの出力音から、受音点Rにおける聴取音を求めることができる演算処理装置であり、例えば、コンピュータ上で実行可能なソフトウエアとして実現することができる。
この音響シミュレーション装置は、音響特性演算部10と、壁面データ記憶部11と、聴取音生成部12とにより構成される。音響特性演算部10は、音源S及び受音点Rの座標位置と、壁面Wの位置及び特性(反射特性)とに基づいて、音源Sから受音点Rへ至る音響特性を演算処理により求めている。壁面データ記憶部11は、この音響特性演算に用いられる壁面Wのデータを保持している。聴取音生成部12は、音響特性演算部10によって求められた音響特性を用いて、音源Sの出力音データに基づいて、受音点Rでの聴取音データを演算処理により生成している。
音響特性演算部10は、直接経路演算部20、反射経路演算部21、反射経路判別部22、伝搬特性演算部23,24及び合成部25からなる。直接経路演算部20及び反射経路演算部21には、音源S及び受音点Rの3次元座標が入力され、直接経路及び反射経路がそれぞれ求められる。
直接経路演算部20では、直接経路として、音源S及び受音点Rを直線で結んだ経路が求められる。その際、壁面データ記憶部11内の壁面データに基づいて直接経路上に障害物が存在しないかが判別され、障害物が存在する場合には当該直接経路が無効とされる。直接経路が有効である場合、伝搬特性演算部23により、上記直接経路による音の伝搬特性が求められる。なお、直接経路による伝搬特性は、経路長に応じた振幅の減衰及び位相の遅れからなり、周波数成分は変動しない。
反射経路演算部21では、壁面データ記憶部11内に保持されている各壁面Wに関する反射経路が求められる。この反射経路演算部21で求められる反射経路には、1次の反射経路のみならず2次以上の反射経路も含まれる。反射経路判別部22は、これらの反射経路における反射点Pが壁面W内に存在するか否かを判別し、反射経路が有効であるか否かを判断している。
伝搬特性演算部24は、反射経路判別部22において有効と判別された反射経路について、音の伝搬特性を求めている。反射経路による伝搬特性は、経路長に応じた振幅の減衰及び位相の遅れに加え、反射点Pにおける振幅の減衰及び位相の変動も含まれる。なお、反射点におけるこれらの変動は、壁面Wの材質によって決まり、壁面Wの材質に基づく特性データは、壁面データ記憶部11に保持されている。
合成部25では、伝搬特性演算部23及び24において求められた直接経路及び反射経路の伝搬特性を合成し、様々な経路を介して音源Sから受音点Rに至る音の伝搬特性を求めることができる。つまり、音響特性演算部10は、音源Sから受音点Rへ至る音響特性を求めることができる。
聴取音生成部12は、音響特性演算部10により求められた音響特性を用いて、音源Sの出力音データから、受音点Rにおける聴取音データを生成している。例えば、音響特性演算部10において音響特性がインパルス応答として求められる場合、聴取音生成部12では、音源Sの出力音データを上記インパルス応答により畳み込む演算処理が行われ、受音点Rにおける聴取音が生成される。
このため、上記音響シミュレーション装置を用いれば、壁面データ記憶部11によって定義された音場内において音源Sを任意の位置に配置し、当該音源Sから任意の音を出力させた場合について、任意の受音点Rでの聴取音を再現することができる。例えば、人の右耳及び左耳の位置を受音点R,Rとし、それぞれの聴取音を生成すれば、実空間を用いることなく、当該空間内の任意の位置における音の聞こえ方を体感することが可能になる。また、音源となるスピーカの位置や種類を異ならせて、聞こえ方の違いを体感することもできる。さらに、ホール、スタジオなどの建造物の音響設計に利用することもできる。
図2は、直接経路及び反射経路の一例を示した図である。直接経路Q1は、音源S及び受音点Rを直線で結んだ経路SRである。障害物が存在しない場合、この直接経路SRが直接経路演算部20において求められ、その伝搬特性が伝搬特性演算部23において求められる。
反射経路Q2は、壁面Wに関する1次反射経路であり、壁面Wについて虚音源S’を求め、この虚音源S’と受音点Rとを直線で結ぶ経路として、反射経路演算部21により求められる。なお、直線S’Rが壁面Wと交差する点を反射点Pとすれば、本来の反射経路SPRは、直線経路S’Rと等価である。
反射経路演算部21では、壁面データ記憶部11内に保持されている全ての壁面Wについて虚音源S’が求められ、各虚音源S’と受音点Rを直線で結ぶ1次反射経路が求められる。その際、虚音源S’は、壁面Wについて、音源Sと面対称となる3次元座標として求められる。
反射経路判別部22は、反射経路演算部21において求められた各反射経路が、当該反射経路の導出に係る壁面Wを含む平面(無限の広がりを有する平面)と交差する反射点Pを求め、当該反射点Pが、壁面W内に存在するか否かを判別し、当該反射経路が有効であるか否かを判別する。壁面Wは、有限の面積を有する反射面(反射面片)であり、少なくとも3以上の頂点データa1〜a4によって定義される多角形の平面であるものとする。反射経路判別部22は、これらの頂点データに基づいて上記判別を行っている。反射経路の有効性を判別する具体的方法については更に後述する。
図3は、2次反射経路の一例を示した図である。壁面W,Wの順で反射される2次反射経路を求める場合、反射経路演算部21では、まず、虚音源S’の3次元座標が求められる。虚音源S’は、壁面Wに関する音源Sの虚像であり、壁面Wについて音源Sと面対称となる点として求められる。次に、虚音源S''の3次元座標が求められる。虚音源S''は、壁面Wに関する虚音源S’の虚像であり、壁面Wについて虚音源S’と面対称となる点として求められる。そして、虚音源S''と受音点Rとを直線で結ぶ経路が2次反射経路として求められる。直線S''Rが、壁面Wを含む平面と交差する点を反射点P、直線PS’が壁面Wを含む平面と交差する点を反射点Pとすれば、本来の反射経路SPRは、経路S''Rと等価である。
反射経路判別部22は、これらの反射点P,Pが、それぞれ壁面W,W内に存在するか否かを判別する。その結果、反射点Pが壁面W内に存在せず、あるいは、反射点Pが壁面W内に存在しない場合には、当該反射経路は実在しないことになるため、無効と判断する。従って、伝搬特性演算部24において、実在しない反射経路について伝搬特性が求められることはない。
3次以上の反射経路についても、2次反射経路の場合と全く同様にして、反射経路演算部21により求められ、いずれかの反射点Pが壁面W内に存在しない場合、反射経路判別部22によって無効な反射経路と判別される。
図4は、反射経路の有効性を判別するための基本原理を示した説明図である。図中の(a)は反射点Pが壁面W内に存在する場合の例が示され、図中の(b)は反射点Pが壁面W外に存在する場合の例が示されている。
壁面Wは多角形の平面からなり、この多角形を規定する各頂点a〜aの3次元座標及び順序によって定義される。頂点a〜aの順序とは、多角形の外周上を一方向に辿った場合に各頂点a〜aが出現する順序である。壁面Wを定義するこれらのデータは、壁面データ記憶部11に格納されている。また、反射点Pの3次元座標は、反射経路演算部21により求められた反射経路と、壁面データ記憶部11のデータに基づいて、反射経路判別部22において求められる。
ここでは、反射点Pから各頂点a(j=1〜5)へ向かうベクトルをVとし、ベクトルVj+1のVに対する符号付き角度をθとする。つまり、θの絶対値は、隣接する頂点a、aj+1が反射点Pにおいてなす角度であり、その符号は、反射点Pを中心とする頂点aからaj+1への回転方向として求められる。例えば、反時計回りの回転を正、時計回りの回転を負とする。
ある基準点を壁面Wの外周上を一方向に辿らせて、当該壁面Wを1周させた場合、反射点Pが壁面W内に存在すれば、上記基準点は反射点Pの周りを1周することになるが、反射点Pが壁面W外にあれば、上記基準点は反射点Pの周りを1周することはない。従って、(a)に示した通り、反射点Pが壁面W内に存在する場合、符号付き角度θの総和は2π又は−2πとなる。一方、(b)に示した通り、反射点Pが壁面W外に存在する場合、符号付き角度θの総和は0となる。つまり、角度θの総和は次式(1)で表される。
Figure 2005345522
反射経路判別部22は、上式(1)を用いて、反射点Pが壁面W内に存在するか否かを判別し、当該反射経路が存在するか否かを判別している。角度θの和は、理論上は、±2π及び0の中間の値をとらないが、演算誤差を考慮すれば、2πより小さな正の値(例えばπ)を閾値θthとし、Σθの絶対値を上記閾値θthと比較すれば、上記判別を行うことができる。
次に、符号付き角度θを求める方法について説明する。符号付き角度θの絶対値は、ベクトルV,Vj+1の内積(スカラー積)に基づいて求めることができる。また、符号付き角度θの符号は、ベクトルV,Vj+1の外積(ベクトル積)に基づいて求めることができる。
図5は、符号付き角度θを求める方法についての説明図である。ベクトルV及びVj+1の内積V・Vj+1は、両ベクトルのなす角度θを用いて式(2)で表される。この式(2)を変形すれば、角度θは、cosの逆関数を用いた式(3)で表される。ベクトルVのx軸方向、y軸方向、z軸方向の各成分は、頂点a及び反射点Pの3次元座標から求めることができ、これらの成分をx,y,zとすれば、式(4)により角度θを求めることができる。
Figure 2005345522
ただし、一般に、cos関数はcosθ=cos(−θ)の関係が成立する関数であることから、その逆関数を用いた式(4)からは、角度θの絶対値しか得られない。このため、角度θの符号は、別途、ベクトルV,Vj+1の外積に基づいて求められる。
ベクトルV及びVj+1の外積ベクトルU=V×Vj+1は、2つのベクトルV,Vj+1の双方に直交するベクトルであって、その向きがベクトルVからベクトルVj+1へネジを回転させた場合に当該ネジが進む向き(いわゆる右ネジの向き)として定義される。つまり、外積ベクトルUは、壁面Wに垂直なベクトルであって、その向きは角度θの符号に対応している。
このため、外積ベクトルUの向きを判別すれば、角度θの符号を得ることができる。外積ベクトルUの向きは、壁面Wに垂直な任意の基準ベクトルNとの内積を求めることにより判別することができる。すなわち、外積ベクトルUと基準ベクトルNの向きが同一であれば、内積U・Nは正になり、向きが逆であれば負になる。このため、内積U・Nの符号を角度θjの符号として用いることができる。なお、基準ベクトルNは、壁面Wの法線ベクトルであることが望ましいが、壁面Wに交差するベクトルであれば、必ずしも法線ベクトルでなくてもよい。
外積ベクトルUのx、y、z軸方向の各成分をxuj,yuj,zujとし、ベクトルVのx、y、z軸方向の各成分をx,y,zとすれば、外積ベクトルUは、ベクトルV,Vj+1の各成分を用いて、次式(5)により表される。
Figure 2005345522
従って、基準ベクトルNのx、y、z軸方向の各成分をx,y,zとすれば、外積ベクトルUjと基準ベクトルNの内積は、次式(6)により求められる。
Figure 2005345522
なお、外積ベクトルV×Vj+1の大きさは、次式(7)で表され、この式(7)を変形すれば、角度θは、sinの逆関数を用いた式(8)で表すことができる。このため、外積から角度θの絶対値をも求めることが考えられる。しかしながら、一般に、sin関数は、sinθ=sin(π−θ)の関係が成立する関数であることから、その逆関数を用いた式(8)によりθの絶対値を一意に求めることはできない。
Figure 2005345522
図6の(a)及び(b)は、反射経路判別部22による動作の一例を示したフローチャートである。まず、図中の(a)に従って説明する。反射経路演算部21により求められた反射経路について、当該反射経路が壁面Wを含む平面と交差する反射点Pの3次元座標が算出される(ステップS101)。つぎに、壁面Wの隣接する各頂点a,aj+1について、符号付き角度θが算出される(ステップS102)。そして、全ての角度θの和の絶対値を予め定められた閾値θthと比較し、閾値θthよりも小さい場合には、当該反射経路が無効であると判断し、閾値θth以上の場合には、当該反射経路が有効であると判断する(ステップS103)。なお、2次以上の反射経路の場合には、各反射点ごとに同様の判別が繰り返され、全ての反射点について有効である場合にだけ、当該反射経路は有効となる。
図中の(b)は、符号付き角度θを算出する処理の一例を示した図である。まず、反射点Pから隣接する2つの頂点a,ai+1へのベクトルV、Vj+1の内積が求められる(ステップS201)。この内積に基づいて、角度θの絶対値が求められる(ステップS202)。すなわち、上述した式(4)に従って、角度θの絶対値が求められる。
次に、ベクトルV、Vj+1の外積ベクトルUが求められる(ステップS203)。この外積ベクトルUと基準ベクトルNの内積に基づいて、角度θの符号が求められる(ステップS204)。すなわち、上述した式(6)に従って、角度θの符号が求められる。
本実施の形態によれば、虚像法により求められた反射経路の有効性を判別する際、壁面を規定する各頂点a、音源S及び受音点Rの3次元座標を用いたベクトル演算を行っている。このため、3次元座標をそのまま用いる比較的簡単な演算処理により、反射経路の有効性を判別することができる。従って、例えば、座標変換などを行って判別するような場合に比べて、演算量を削減し、音響特性の算出や、音響シミュレーションを高速に実行させることができる。
なお、本実施の形態における音響シミュレーション装置では、壁面Wが多角形であることが前提となっているが、現実の壁面は、境界の一部又は全部が曲線からなる場合も少なくない。このような壁面が存在する場合には、上記曲線部を1又は2以上の線分に置き換えて、上記境界を多角形に近似すれば、あらゆる壁面について音響シミュレーションを行うことができる。例えば、予め近似演算を行って、求められた多角形の壁面Wのデータを壁面データ記憶部11に予め格納しておけばよい。また、他の方法としては、曲線部を有する壁面Wのデータを壁面データ記憶部11に格納しておき、当該壁面W上の反射点Pについて有効性を判定する際に、反射経路判別部22が近似演算を行うにしてもよい。
また、本実施の形態では、反射経路の有効性を判別する際、三角関数(cos-1,sin-1)を含む演算処理を行う必要があるが、当該演算処理に近似的な処理を採用することによって、演算処理のためのコストを抑制しつつ、演算時間を短くすることができる。例えば、上記三角関数の演算に近似式を採用し、あるいは、上記三角関数のデータテーブルを参照することによって、反射経路の有効性を判別させることもできる。
実施の形態2.
図7は、反射点Pが壁面Wの特異な位置に存在する場合を示した説明図である。図中の(a)は、反射点Pが壁面Wの辺上に存在する場合、(b)は、壁面Wの辺の延長線上に存在する場合、(c)は、壁面Wの頂点上に存在する場合が示されている。
(a)〜(c)のいずれの場合も、隣接する2つの頂点a,aj+1及び反射点Pが、1つの直線上に並ぶことから、外積V×Vj+1は0となり、その他の場合に、外積が0になることはない。一方、内積V・Vj+1は、(a)の場合には負の値、(b)の場合には正の値、(c)の場合には0となる。従って、外積及び内積が求められた時点で、反射点Pが、注目している辺上、注目している辺の延長上、あるいは、注目している一方の頂点上に存在することを判別することができる。
反射点Pが、注目している辺の延長上に存在することが判っても、直ちに、当該反射点Pが壁面Wの内部にあるか否かを判別することはできない。これに対し、反射点Pが、辺上又は頂点上に存在していることが判れば、当該反射点Pが壁面W内に存在するか否かを直ちに判断することができる。すなわち、反射点Pが、辺上又は頂点上に存在する場合に、当該反射経路を有効と判断する方法と、無効と判断する方法があるが、いずれの場合であっても、内積及び外積を求めた時点で、反射経路の有効性を判断することができる。従って、反射面の有効性判別のためにその後行われるべき演算処理を省略することができる。
図8は、本発明の実施の形態2による符号付き角度θの算出処理の一例を示した図である。まず、ベクトルV、Vj+1の内積及び外積が求められる(ステップS301,S302)。この結果、外積が0でなければ、ステップS305に進み、角度θjの絶対値及び符号が求められる(ステップS305,S306)。つまり、反射点Pが特異な位置に存在するのでなければ、図6の(b)の場合と全く同様の処理となる。
また、外積が0であっても、内積が正の場合であれば、ステップS305に進む(ステップS304)。つまり、反射点Pが注目している辺の延長上に存在するのであれば、図6の(b)の場合と全く同様の処理となる。
一方、外積が0で、内積が0又は負の場合であれば、判別処理を終了する(ステップS304)。反射点Pが注目している辺上又は注目している一方の頂点上に存在していることが判別できたので、符号付き角度θを算出することなく、判別処理を終了する。なお、計算誤差を考慮し、外積が0でない場合であっても、その絶対値が任意の小さな値ε未満であれば、その値を0とみなして上記判定を行うこともできる。つまり、εを用いた次式を満たす外積については0とみなしてもよい。
Figure 2005345522
本実施の形態によれば、反射点Pが壁面Wの辺上又は頂点上に存在する場合、内積及び外積の演算結果に基づいて当該反射経路の有効性を判別することができる。従って、反射面の有効性を判別するための演算量を更に削減することができる。
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、虚像法により求められた反射点Pが、壁面W内に存在するか否かを判別し、反射経路が有効であるか否かを判断する場合について説明した。本実施の形態では、さらに、虚像法により求められた反射経路上に、当該経路を遮る他の壁面Wが存在するか否かを判別し、当該反射経路が有効であるか否かを判断する場合について説明する。
図9は、本発明の実施の形態3による音響シミュレーション装置の一構成例を示した機能ブロック図である。図1の音響シミュレーション装置(実施の形態1)と比較すれば、第1判別部22a及び第2判別部22bにより構成される反射経路判別部22’を備えている点で異なる。
第1判別部22aは、図1における反射経路判別部22に相当する。すなわち、第1判別部22aは、実施の形態1及び2において詳述した通り、反射点Pが壁面W内に存在するか否かを判別し、当該反射点Pが有効であるか否かを判断している。一方、第2判別部22bは、反射経路演算部21で求められた反射経路について、その経路上に他の壁面W(反射点Pを含まない壁面)が存在するか否かを判別し、当該反射経路が有効であるか否かを判断している。
虚像法では、任意の壁面について、音源Sの虚像S’やS''を求めることによって反射経路Qが導出されることから、反射経路演算部21で求められた反射経路Q上に、音線を遮る障害物が存在するか否かは考慮されていない。このため、第1判別部22aにおいて、反射経路Qが有効であると判別されたとしても、当該反射経路Qが、実際に有効な経路であるとは限らない。すなわち、第1判別部22aにおいて、反射経路Qを構成する反射点Pのいずれかが無効であると判断された場合には、当該反射経路Qは無効な経路であると判断できるが、全ての反射点Pが有効であると判断された場合には、当該反射経路Q上に他の壁面Wが存在しなければ有効な経路となり、他の壁面Wが存在すれば無効な経路となる。
図10は、虚像法により求められた反射経路上に障害物が存在する場合の一例を示した図である。音源S、受音点R及び壁面W〜Wが、図4に示したように配置されている場合、虚像法によって求められる反射経路はQ2〜Q4となる。反射経路Q2,Q3は、それぞれ壁面W1,W4に関する1次反射経路であり、反射経路Q4は、壁面W及びWに関する2次反射経路である。第1判別部22aでは、いずれの反射経路Q2〜Q4についても全ての反射点が有効と判断されるが、実際には、反射経路Q4は、壁面W及びWからなる突出部によって遮られているため有効な経路ではなく、反射経路Q2及びQ3のみが有効な経路となる。
このような音場について、図9の音響シミュレーション装置を用いて、音響シミュレーションを行う場合について説明する。図10の反射経路Q2〜Q4は、いずれも反射点が壁面上に存在していることから、第1判別部22aでは、全ての反射点が有効であると判別される。第2判別部22bでは、第1判別部22aで有効と判断された反射経路Q2〜Q4上に、当該反射経路の導出に係る壁面以外の壁面が存在するか否かを判別することにより、有効な経路であるか否かが判別される。
すなわち、反射経路Q2については、壁面W〜Wと交差しているかを判別する。同様にして、反射経路Q3については、壁面W〜Wと交差しているかを判別し、反射経路Q4については、壁面W,Wと交差しているかを判別する。その結果、反射経路Q4は、壁面W及びWと交差しているため無効であると判別される一方、反射経路Q2及びQ3は交差しないため、有効であると判別される。
第2判別部22bは、反射経路Qがその反射点を有しない壁面Wと交差する否かを判断するために、まず、当該反射経路Qの導出に係る壁面以外の壁面Wを含む平面(無限の広がりを有する平面)と交差する交点Tを求める。この交点Tを遮断点と呼ぶことにする。このような遮断点Tが存在し、かつ、当該壁面W内に位置する場合には、当該反射経路Qは無効であると判断し、それ以外の場合は、有効であると判断することができる。
なお、遮断点Tが壁面W内に存在するか否かの判断処理には、実施の形態1及び2において反射点Pが壁面W内に存在するか否かの判断処理と全く同じ方法を利用することができる。すなわち、反射経路Qが壁面Wを含む平面と交差する遮断点Tにおいて、当該壁面Wの隣接する2つの頂点a,aj+1がなす符号付き角度θを求め、その総和に基づいて遮断点Tが壁面W上に存在するか否かを判別することができる。
その際、符号付き角度θの絶対値は、隣接する2つの頂点a,aj+1と遮断点Tを結ぶベクトルV,Vj+1の内積から求められ、角度θの符号は、これらのベクトルV,Vj+1の外積ベクトルと壁面Wに交差する基準ベクトル(例えば壁面Wの法線ベクトル)の内積から求められる。また、これらの演算処理は、壁面Wを規定する各頂点a及び遮断点Tの3次元座標に基づいて、三角関数を用いて行うことができる点についても、実施の形態1及び2の場合と全く同様である。
図11は、図9の第2判別部22bにおける判別処理の様子を示した図である。図中の(a)は、図10の反射経路Q2の場合が示されている。反射経路Q2は、経路SPと経路PRからなり、このうち経路PRが、壁面W3を含む平面と遮断点Tにおいて交差する。しかしながら、この遮断点T1は、壁面W3内に存在しないため、反射経路Q2は有効な経路であると判断することができる。
図中の(b)には、図10の反射経路Q4の場合が示されている。反射経路Q4は、経路SPと、経路Pと、経路PRからなり、このうち経路Pが、壁面W2,W3を含む平面と遮断点T,Tにおいて交差している。これらの遮断点T,Tは、壁面W2、W3内に存在しているため、反射経路Q4は無効な経路であると判断することができる。
本実施の形態によれば、虚像法により求められた反射経路上に音線を遮る障害物が存在するか否かを判別することによって、障害物の存在によって無効とされる反射経路を判別することができる。しかも、その判別処理において、実施の形態1及び2の場合と同様のベクトル演算を行っている。このため、3次元座標をそのまま用いる比較的簡単な演算処理により、反射経路の有効性を判別することができる。
なお、本実施の形態では、反射経路について、その経路上に障害物となる壁面Wが存在するか否かを判断する場合の例について説明したが、直接経路についても、全く同様にして、障害物となる壁面の存在を判別することができる。例えば、直接経路演算部20において、このような判別処理が採用することができる。
本発明の実施の形態1による音響シミュレーション装置の一構成例を示した機能ブロック図である。 直接経路及び反射経路の一例を示した図である。 2次反射経路の一例を示した図である。 反射経路の有効性を判別するための基本原理を示した説明図である。 符号付き角度θを求める方法についての説明図である。 反射経路判別部22による動作の一例を示したフローチャートである。 反射点Pが壁面Wの特異な位置に存在する場合を示した説明図である。 本発明の実施の形態2による符号付き角度θの算出処理の一例を示した図である。 本発明の実施の形態3による音響シミュレーション装置の一構成例を示した機能ブロック図である。 虚像法により求められた反射経路上に障害物が存在する場合の一例を示した図である。 図10の第2判別部22bにおける判別処理の様子を示した図である。 反射経路を求める従来方法の一例を示した説明図である。 虚像法によって求められる反射経路の一例を示した図である。
符号の説明
10 音響特性演算部
11 壁面データ記憶部
12 聴取音生成部
20 直接経路演算部
21 反射経路演算部
22 反射経路判別部
22a 第1判別部
22b 第2判別部
23,24 伝搬特性演算部
25 合成部
a1〜a4 壁面の頂点
N 基準ベクトル
P,P〜P 反射点
Q1 直接経路
Q2〜Q4 反射経路
S 音源
R,R,R 受音点
T,T〜T 遮断点
外積ベクトル
,V ベクトル
W,W〜W 壁面
θ 隣接する頂点が反射点においてなす符号付き角度
θth 閾値

Claims (12)

  1. 多角形からなる反射面片を規定する各頂点の順序及び座標に基づいて、虚像法により求められた反射経路の有効性を判別する音響反射経路判別方法において、
    上記反射経路が当該反射経路の導出に係る上記反射面片を含む平面と交差する反射点において当該反射面片の隣接する2つの頂点がなす符号付き角度を求める角度算出ステップと、
    隣接する全ての頂点間について求められた上記符号付き角度の和を求める角度積算ステップと、
    上記符号付き角度の和に基づいて、上記反射点が上記反射面片上に存在するか否かを判別する第1判別ステップとを備えたことを特徴とする音響反射経路判別方法。
  2. 上記角度算出ステップが、
    隣接する2つの頂点及び上記反射点を結ぶベクトルの内積を求める第1内積演算ステップと、
    第1内積演算ステップで求められた内積に基づいて、上記角度の絶対値を求めるステップと、
    隣接する上記頂点及び上記反射点を結ぶベクトルの外積ベクトルを求める外積演算ステップと、
    外積演算ステップで求められた外積ベクトル及び上記反射面片に交差する基準ベクトルの内積を求め、上記角度の符号を求める第2内積演算ステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の音響反射経路判別方法。
  3. 上記基準ベクトルが上記反射面片の法線ベクトルであることを特徴とする請求項2に記載の音響反射経路判別方法。
  4. 上記第1判別ステップは、上記符号付きの角度の和の絶対値を2πよりも小さい正の閾値と比較することにより、上記反射点が上記反射面片上に存在するか否かを判別することを特徴とする請求項1に記載の音響反射経路判別方法。
  5. 上記反射経路上に上記反射点を含まない反射面片が存在するか否かを判定する第2判別ステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の音響反射経路判別方法。
  6. 多角形からなる反射面片を規定する各頂点の順序及び座標に基づいて、虚像法により求められた反射経路の有効性を判別する音響反射経路判別のためのコンピュータプログラムであって、
    上記反射経路が当該反射経路の導出に係る上記反射面片を含む平面に交差する反射点において当該反射面片の隣接する2つの頂点がなす符号付き角度を求める角度算出ステップと、
    隣接する全ての頂点間について求められた上記符号付き角度の和を求める角度積算ステップと、
    上記符号付き角度の和に基づいて、上記反射点が上記反射面片上に存在するか否かを判別する第1判別ステップとを実行する手順からなることを特徴とするコンピュータプログラム。
  7. 上記角度算出ステップが、
    隣接する2つの頂点及び上記反射点を結ぶベクトルの内積を求める第1内積演算ステップと、
    第1内積演算ステップで求められた内積に基づいて、隣接する上記頂点が上記反射点においてなす角度の絶対値を求めるステップと、
    隣接する上記頂点及び上記反射点を結ぶベクトルの外積ベクトルを求める外積演算ステップと、
    外積演算ステップで求められた外積ベクトル及び上記反射面片に交差する基準ベクトルの内積を求め、上記角度の符号を求める第2内積演算ステップとを有することを特徴とする請求項6に記載のコンピュータプログラム。
  8. 上記反射経路上に上記反射点を含まない反射面片が存在するか否かを判定する第2判別ステップを実行する手順をさらに備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載のコンピュータプログラム。
  9. 多角形からなる反射面片を規定する各頂点の順序及び座標に基づいて、虚像法により求められた反射経路の有効性を判別する音響反射経路判別装置において、
    上記反射経路が当該反射経路の導出に係る上記反射面片を含む平面に交差する反射点において当該反射面片の隣接する2つの頂点がなす符号付き角度を求める角度算出手段と、
    隣接する全ての頂点間について求められた上記符号付き角度の和を求める角度積算手段と、
    上記符号付き角度の和に基づいて、上記反射点が上記反射面片上に存在するか否かを判別する第1判別手段とを備えたことを特徴とする音響反射経路判別装置。
  10. 上記反射経路上に上記反射点を含まない反射面片が存在するか否かを判定する第2判別手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の音響反射経路判別装置。
  11. 多角形からなる反射面片を規定する各頂点の座標に基づいて、虚像法により求められた反射経路がその導出に係る上記反射面片を含む平面と交差する反射点の座標を求める反射点算出手段と、
    上記反射面片を規定する各頂点の順序に基づいて、隣接する2つの頂点及び上記反射点を結ぶベクトルの内積を求める第1内積演算手段と、
    第1内積演算ステップで求められた内積に基づいて、隣接する上記頂点が上記反射点においてなす角度の絶対値を求める絶対値算出手段と、
    隣接する上記頂点及び上記反射点を結ぶベクトルの外積ベクトルを求める外積演算手段と、
    外積演算ステップで求められた外積ベクトル及び上記反射面片に交差する基準ベクトルの内積を求め、上記角度の符号を求める第2内積演算手段と、
    上記符号付き角度の和に基づいて、上記反射点が上記反射面片上に存在するか否かを判別する第1判別手段と、
    第1判別手段における判別結果に基づいて、上記反射面片による音源から受音点に至る反射経路の伝搬特性を求める伝搬特性演算手段と、
    反射経路の伝搬特性を用いて、音源の出力音から受音点における聴取音を生成する聴取音生成手段とを備えたことを特徴とする音響シミュレーション装置。
  12. 上記反射経路が上記反射点を含まない反射面片と交差するか否かを判定する第2判別手段をさらに備え、
    上記伝搬特性演算手段が、第1及び第2判別手段における判別結果に基づいて、上記反射面片による音源から受音点に至る反射経路の伝搬特性を求めることを特徴とする請求項11に記載の音響シミュレーション装置。
JP2004161772A 2004-05-31 2004-05-31 音響反射経路判別方法、コンピュータプログラム、音響反射経路判別装置及び音響シミュレーション装置 Expired - Fee Related JP4157856B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004161772A JP4157856B2 (ja) 2004-05-31 2004-05-31 音響反射経路判別方法、コンピュータプログラム、音響反射経路判別装置及び音響シミュレーション装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004161772A JP4157856B2 (ja) 2004-05-31 2004-05-31 音響反射経路判別方法、コンピュータプログラム、音響反射経路判別装置及び音響シミュレーション装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005345522A true JP2005345522A (ja) 2005-12-15
JP4157856B2 JP4157856B2 (ja) 2008-10-01

Family

ID=35498005

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004161772A Expired - Fee Related JP4157856B2 (ja) 2004-05-31 2004-05-31 音響反射経路判別方法、コンピュータプログラム、音響反射経路判別装置及び音響シミュレーション装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4157856B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008151569A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Yokohama Rubber Co Ltd:The 打撃音試聴・測定室

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008151569A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Yokohama Rubber Co Ltd:The 打撃音試聴・測定室

Also Published As

Publication number Publication date
JP4157856B2 (ja) 2008-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9767598B2 (en) Smoothing and robust normal estimation for 3D point clouds
US10382881B2 (en) Audio system and method
US9244258B2 (en) Omnidirectional imaging system
Jedrzejewski et al. Computation of room acoustics using programmable video hardware
WO2015110052A1 (en) Positioning method and apparatus in three-dimensional space of reverberation
JP4157856B2 (ja) 音響反射経路判別方法、コンピュータプログラム、音響反射経路判別装置及び音響シミュレーション装置
KR20190045696A (ko) 가상 음향 합성 장치 및 방법
EP2552130B1 (en) Method for sound signal processing, and computer program for implementing the method
JP2001251698A (ja) 音響処理システム及びその制御方法並びに記憶媒体
Hasegawa Indoor self localization of a single microphone based on asynchronous scanning of modulated bessel beams
Erkut et al. Mobile AR in and out: Towards delay-based modeling of acoustic scenes
US20230007429A1 (en) Apparatus and method for rendering a sound scene comprising discretized curved surfaces
Durany et al. Analytical computation of acoustic bidirectional reflectance distribution functions
JP2008311860A (ja) 電波伝搬解析装置
JP2011106838A (ja) ソーナー装置用カバーの音響特性シミュレーション方法
TWI797587B (zh) 基於柵格路徑尋找之繞射模型化
TWI830989B (zh) 使用有效的中間繞射路徑來渲染一音訊場景的設備及方法
JP4255421B2 (ja) 住宅の音シミュレーションシステム
JP2512938B2 (ja) 初期音場設定方法
US20220157292A1 (en) Sound image localization device, sound image localization method, and program
US20230081104A1 (en) System and method for interpolating a head-related transfer function
KR102196388B1 (ko) 음원과 마이크로폰을 이용하는 공간 추정 장치 및 방법
Drumm The application of adaptive beam tracing and managed DirectX for the visualisation and auralisation of virtual environments
JP2007003271A (ja) 伝搬特性計算方法及び装置並びに伝搬特性計算方法のプログラム
JP4251118B2 (ja) 音場シミュレーションのためのインパルス応答データ生成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080523

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080702

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080714

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4157856

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees