JP2005345515A - レンズ駆動装置、および撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズを光軸に沿う方向に駆動することができる高強度な小型のレンズ駆動装置、および撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】磁力線を発生するコイルと、コイルの表面を覆ってなる円筒形状の外形を有する、コイルによって発生される磁力線を円筒形状内に導いて磁場を形成し、このレンズ駆動装置にかかる応力を受けるコイルケースとからなるステータと、ステータの円筒形状内に位置する、ステータによって形成される磁場によってステータに対して回転駆動されるロータと、ロータの円筒形状の更に内側に位置して、レンズを保持するレンズホルダと、ロータの回転駆動による力の方向をレンズの光軸に沿う方向へと変換してレンズホルダに伝達する変換機構とを備える。
【選択図】 図4
【解決手段】磁力線を発生するコイルと、コイルの表面を覆ってなる円筒形状の外形を有する、コイルによって発生される磁力線を円筒形状内に導いて磁場を形成し、このレンズ駆動装置にかかる応力を受けるコイルケースとからなるステータと、ステータの円筒形状内に位置する、ステータによって形成される磁場によってステータに対して回転駆動されるロータと、ロータの円筒形状の更に内側に位置して、レンズを保持するレンズホルダと、ロータの回転駆動による力の方向をレンズの光軸に沿う方向へと変換してレンズホルダに伝達する変換機構とを備える。
【選択図】 図4
Description
本発明は、レンズを光軸に沿う方向に駆動するレンズ駆動装置、および被写体光を表わす画像データを取得する撮像装置に関する。
携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などといった小型機器に、被写体を撮影してデジタルの撮影画像を取得する撮像装置を内蔵することが広範に行われている。日ごろから常に携帯している小型機器に撮像装置が備えられることによって、デジタルカメラやビデオカメラを持ち運ぶ手間をかけずに、いつでも手軽に撮影を行うことができる。また、これらの小型機器には、無線や赤外線などを使ったデータ通信機能が予め搭載されていることが一般的であり、撮影した撮影画像をその場ですぐに他の携帯電話やパーソナルコンピュータなどに送ることができるなどという利点もある。
しかし、携帯電話などといった小型機器に内蔵される撮像装置は、通常のデジタルカメラと比較してかなり小型なために、レンズやCCD(Charge Couple Device)などといった構成要素の大きさや、それら構成要素を収納するスペースが大幅に制限される。このため、これらの小型機器は、デジタルカメラの代替機器として用いられるには撮影機能や撮影画像の画質等が不十分であり、メモ替わりに画像を得る場合や、携帯電話等の待ち受け画面用の画像を得る場合などのように、画質を要求されない撮影用に用途が限定されることが多い。
これらの点に関し、近年では、高画素の小型CCDや、高コントラストな小型レンズなどが開発されてきており、携帯電話やPDAなどといった小型機器を使って撮影される撮影画像の高画質化が急速に進んでいる。残る課題である撮影機能の充実においては、特に、これらの小型機器に、デジタルカメラには標準的に搭載されているオートフォーカス機能やズーム機能が搭載されることが望まれている。
オートフォーカス機能やズーム機能は、撮像装置内で複数のレンズを光軸に沿う方向(以下では、光軸に沿う方向を前後方向と称する)に移動させることによって実現される。デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等では、レンズ駆動方法として、DCモータやステッピングモータなどの回転を利用する方法や、圧電素子の圧縮伸長を利用する方法などが知られている。これらの方法を、携帯電話などといった小型機器に適用する場合、装置の小型化、およびレンズの移動制御の精度などの点から、レンズが保持されたレンズ鏡筒の外周を取り囲む円筒形状の中空ロータを、その中空ロータの外周を取り囲むステータにパルス電流を与えることによって回転させる中空ステッピングモータを用いる方法が好ましいと考えられる。
このような中空ステッピングモータを適用したレンズ駆動方法としては、例えば、レンズ鏡筒とロータとの間にカム機構などといった移動機構を介して、レンズ鏡筒を光軸に沿う方向に駆動させる方法(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)や、ロータ自体でレンズ鏡筒を移動させる方法(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6)や、レンズ鏡筒とロータを一体化する方法(例えば、特許文献7)などが提案されている。
また、中空ステッピングモータが用いられた撮像装置は、ステータやロータなど複数の部品で構成されており、それらの部品が外部からの応力に持ちこたえる強固な筐体の内部に格納されている。このような筐体を用いることによって、外部から力が加えられたときでも、部品同士がぶつかってしまったり、ロータの回転ががたついてしまうなどという不具合を回避して、精度良くレンズを駆動することができる。
特開昭56−147132号公報
特開昭59−109006号公報
特開昭59−109007号公報
特開昭60−415号公報
特開昭60−416号公報
特開昭60−417号公報
特開昭62−195615号公報
ここで、上述した特許文献に記載された方法は、通常サイズのデジタルカメラ等に適用されることを目的として考案されており、これらの方法をデジタルカメラよりも大幅に小型の撮像装置にそのまま適用しようとすると、部品を収納するスペースがとれないなどという不具合が生じる。これらのことから、装置の強度を維持しつつ、装置全体を小型化することが求められている。
本発明は、上記事情に鑑み、レンズを光軸に沿って駆動することができる高強度な小型のレンズ駆動装置、および撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明のレンズ駆動装置は、レンズを光軸に沿う方向に駆動させるレンズ駆動装置において、
円筒形状に巻回された導線の束からなる、磁力線を発生するコイルと、コイルの表面を覆ってなる円筒形状の外形を有する、コイルによって発生される磁力線を円筒形状内に導いて磁場を形成する、このレンズ駆動装置にかかる応力を受けるコイルケースとからなるステータと、
ステータの円筒形状内に位置して円筒形状と同軸の円筒形状を有する、ステータによって形成される磁場によって該ステータに対して回転駆動されるロータと、
ロータの円筒形状の更に内側に位置して、レンズを、光軸が該円筒形状の軸に沿うように保持するレンズホルダと、
ロータの回転駆動による力の方向をレンズの光軸に沿う方向へと変換してレンズホルダに伝達する変換機構とを備えたことを特徴とする。
円筒形状に巻回された導線の束からなる、磁力線を発生するコイルと、コイルの表面を覆ってなる円筒形状の外形を有する、コイルによって発生される磁力線を円筒形状内に導いて磁場を形成する、このレンズ駆動装置にかかる応力を受けるコイルケースとからなるステータと、
ステータの円筒形状内に位置して円筒形状と同軸の円筒形状を有する、ステータによって形成される磁場によって該ステータに対して回転駆動されるロータと、
ロータの円筒形状の更に内側に位置して、レンズを、光軸が該円筒形状の軸に沿うように保持するレンズホルダと、
ロータの回転駆動による力の方向をレンズの光軸に沿う方向へと変換してレンズホルダに伝達する変換機構とを備えたことを特徴とする。
従来、レンズを精度良く駆動させるために、ロータやステータやレンズなどといった部品を強固な筐体内に格納し、それらの部品を外部から加えられる応力から保護することが行われている。
本発明のレンズ駆動装置によると、コイルケースの円筒形状内に、ロータやレンズホルダや変換機構が設けられており、コイルケースがレンズ駆動装置を取り囲む構造体の一部を形成している。通常、コイルケースは、ヨークとして磁力線を導くために金属で構成されており、高い強度を有している。したがって、このレンズ駆動装置を筐体などに格納せずに、コイルホルダをむき出しのまま使用しても、コイルホルダに取り囲まれたロータやレンズホルダや変換機構などの部品は、外部から加えられる応力から保護される。また、コイルホルダをむき出しのまま用いることによって、頑丈で小型なレンズ駆動装置を実現することができる。
また、本発明のレンズ駆動装置において、上記コイルケースを、コイルケースの円筒形状の両端から挟む上板および下板を備え、
ロータ、レンズホルダ、および変更機構が、コイルケース、上板、および下板によって囲われた空間内に納められていることが好ましい。
ロータ、レンズホルダ、および変更機構が、コイルケース、上板、および下板によって囲われた空間内に納められていることが好ましい。
上板、および下板を設けることによって、装置の大幅な大型化を避けて、レンズの破損等を効率よく防止することができる。
また、本発明のレンズ駆動装置において、上板および下板を繋ぐ、コイルケースを取り囲んだ複数の柱を備えたことが好ましい。
上板および下板を複数の柱で繋ぎ、それらによって囲まれた位置にコイルケースを配置することによって、精度良くコイルケースの位置決めを行うことができる。
また、上記目的を達成する本発明の撮像装置は、レンズを光軸に沿う方向に駆動させ、該レンズで被写体光を結像させて、該被写体光を表わす画像データを取得する撮像装置において、
円筒形状に巻回された導線の束からなる、磁力線を発生するコイルと、コイルの表面を覆ってなる円筒形状の外形を有する、コイルによって発生される磁力線を円筒形状内に導いて磁場を形成する、この撮像装置にかかる応力を受けるコイルケースとからなるステータと、
ステータの円筒形状内に位置して円筒形状と同軸の円筒形状を有する、ステータによって形成される磁場によって該ステータに対して回転駆動されるロータと、
ロータの円筒形状の更に内側に位置して、レンズを、光軸が円筒形状の軸に沿うように保持するレンズホルダと、
ロータの回転駆動による力の方向をレンズの光軸に沿う方向へと変換して前記レンズホルダに伝達する変換機構と、
レンズを通ってきた被写体光を結像させて、被写体光を表わす画像データを取得する撮像機構とを備えたことを特徴とする。
円筒形状に巻回された導線の束からなる、磁力線を発生するコイルと、コイルの表面を覆ってなる円筒形状の外形を有する、コイルによって発生される磁力線を円筒形状内に導いて磁場を形成する、この撮像装置にかかる応力を受けるコイルケースとからなるステータと、
ステータの円筒形状内に位置して円筒形状と同軸の円筒形状を有する、ステータによって形成される磁場によって該ステータに対して回転駆動されるロータと、
ロータの円筒形状の更に内側に位置して、レンズを、光軸が円筒形状の軸に沿うように保持するレンズホルダと、
ロータの回転駆動による力の方向をレンズの光軸に沿う方向へと変換して前記レンズホルダに伝達する変換機構と、
レンズを通ってきた被写体光を結像させて、被写体光を表わす画像データを取得する撮像機構とを備えたことを特徴とする。
本発明の撮像装置によると、大きな力が加えられたときでも、レンズを精度良く駆動することができる。また、本発明の撮像装置は、装置の大型化が抑えられており、携帯電話などといった小型機器にも搭載することができる。
なお、本発明にいう撮像装置については、ここではその基本形態のみを示すのにとどめるが、これは単に重複を避けるためであり、本発明にいう撮像装置には、上記の基本形態のみではなく、前述したレンズ駆動装置の各形態に対応する各種の形態が含まれる。
本発明によれば、レンズを光軸に沿う方向に駆動することができる高強度な小型のレンズ駆動装置、および撮像装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態が適用された撮像装置の外観斜視図である。
撮像装置1は、携帯電話などに搭載される小型の撮像装置であり、光軸に沿う方向(以下、この方向を前後方向と称する)に複数のレンズを駆動させることによって、被写体に焦点を合わせるオートフォーカス機能が用意されている。この撮像装置1は、外観上、上カバー10と、下カバー40との間に、円筒形状を有するステータ30が挟まれており、そのステータ30の内側には、後述するマグネットや複数のレンズが保持されたレンズホルダ20などが配置されている。この上カバー10は、本発明にいう上板の一例に相当し、下カバー40は、本発明にいう下板の一例に相当する。また、ステータ30は、本発明にいうステータの一例に相当する。
図2は、図1に示す撮像装置1を直線AA´を通る面で切断するときの断面図である。
図2には、図1にも示す上カバー10、下カバー40、ステータ30、レンズホルダ20が示されており、さらに、第1レンズ21、第2レンズ22、第3レンズ23、マグネット50、回転体51、CCD60などが示されている。
レンズホルダ20、マグネット50、および回転体51は、ステータ30と同軸の円筒形状を有し、ステータ30の内側に、ステータ30に近い側からマグネット50、回転体51、レンズホルダ20の順に配置されている。ステータ30とマグネット50は、ステッピングモータを構成しており、ステータ30にパルス電流が印加されると、そのパルス電流に応じた回転数だけマグネット50が回転される。マグネット50は、本発明にいうロータの一例に相当し、レンズホルダ20は、本発明にいうレンズホルダの一例に相当する。
ここで、一旦、図2の説明を中断し、図3を使ってステータ30とマグネット50について詳しく説明する。
図3は、ステータ30とマグネット50を示す図である。
ステータ30は、上コイル部30aと下コイル部30bとの2層のコイル部で構成されている。上コイル部30aと下コイル部30bとでは同様の構成を有しているため、下コイル部30bの構成の説明を省き、上コイル部30aの構成についてのみ説明する。
上コイル部30aは、上コイルカバー32と下コイルカバー33とで円筒形状に取り囲まれて形成されており、カバーで取り囲まれた内部に、巻回された導線からなるコイル31が格納されている。これら上コイルカバー32と下コイルカバー33は、撮像装置1にかかる応力に持ちこたえる高い強度を有している。上コイルカバー32と下コイルカバー33とを合わせたものは、本発明にいうコイルケースの一例に相当する。また、上コイルカバー32および下コイルカバー33には、円筒形状の内側にそれぞれが互い違いに噛み合うように配置された歯32a,33aが設けられている。これら歯32aと歯33aとの間には、ギャップが存在する。
上コイル部30aのコイル31と、下コイル部30bのコイル31には、交互にパルス電流が印加される。パルス電流が印加されると、コイル31では磁力線が発生し、その磁力線が上コイルカバー32および下コイルカバー33によって円筒形状の内側に導かれる。導かれた磁力線は、歯32a,33aに達すると、一旦空気中に出てギャップを越える。これによって、互いに噛み合うように配置された歯32a,33aの一方がN極、他方がS極となり、ステータ30の円筒形状の内周に沿ってN極、S極の磁場が交互に形成される。
マグネット50は、例えば、内周に沿ってN極、S極が交互に形成されているリング状のヘッドの内部を通過させられることによって、円筒形状の外周に沿ってN極、S極交互に磁極化された永久磁石である。マグネット50は、ステータ30によって形成される磁場との反発力および吸引力によって、ステータ30に対して回転駆動される。
マグネット50の回転駆動について説明する。
マグネット50は、48極に磁極化されており、上コイル部30aおよび下コイル部30bの歯はそれぞれ48個ずつ設けられている。また、上コイル部30aの歯の位置と、下コイル部30bの歯の位置とでは、歯の半個分ずつずれている。ステータ30にパルス電流が後述するように通電されると、マグネット50は、1極分を1ステップとして回転し、48ステップで1周回転する。
マグネット50を順方向に回転させるときには、上コイル部30aの順方向、下コイル部30bの順方向、上コイル部30aの逆方向、下コイル部30bの逆方向という順番で通電を繰り返すことによって、マグネット50を順方向に確実に回転させることができる。また、上コイル部30aの順方向、下コイル部30bの逆方向、上コイル部30aの逆方向、下コイル部30bの順方向という順番で通電を繰り返すことによって、マグネット50を逆方向に回転させることができる。
以上で、図3の説明を終了し、図2に戻って説明する。
図2に示す回転体51は、マグネット50の内側に接着されており、マグネット50の回転に伴って回転される。この回転体51の内面には、らせん溝51aが設けられており、このらせん溝51aがレンズホルダ20の外面に設けられたらせん溝20a(後述する)と噛み合っている。
レンズホルダ20は、上カバー1に近い側から第1レンズ21、第2レンズ22、第3レンズ23の順に並べられたレンズを保持している。これら第1レンズ21、第2レンズ22、第3レンズ23は、以下の条件を満たしている。
まず、第1レンズ21は、この例では、ガラス材料によって構成され、前側(上カバーに近い側)の面(以下、表面と称する)が凸面形状の、正のパワーを有するメニスカス形状である。
第2レンズ22は、プラスチック材によって構成され、この例では、裏面が非球面形状で、表面が凹面形状の、負のパワーを有するメニスカス形状である。
第3レンズ23は、プラスチック材によって構成され、表裏面の両面が非球面形状であり、裏面が光軸近傍において凹面形状の、負のパワーを有する形状である。
また、レンズ系全体の近軸焦点距離をf、第3レンズ23の近軸焦点距離をf3、第1レンズ21の表面の曲率半径をR1、最大像高における半画角をθとすると、
0.6<R1/f<0.8 ……(1)
−1.0<f3/f<0 ……(2)
0.60<tanθ<0.70……(3)
を満たす。
0.6<R1/f<0.8 ……(1)
−1.0<f3/f<0 ……(2)
0.60<tanθ<0.70……(3)
を満たす。
上記のような条件を満たす第1レンズ21、第2レンズ22、第3レンズ23を適用することによって、コンパクトで高精度なレンズ群を構成することができる。
また、レンズホルダ20の、第1レンズ21の側方のスペースには、前後方向に延びる凸部20bが設けられており、第2レンズ22、および第3レンズ23を保持している部分の外面には、らせん溝20aが設けられている。
このレンズホルダ20が前後方向に駆動される機構について説明する。
ステータ30にパルス電流が通電されると、マグネット50の回転に伴って、回転体51が48ステップごとに1周回転される。回転体51のらせん溝51aは、レンズホルダ20のらせん溝51aよりも2周分(=96ステップ分)多く設けられており、レンズホルダ20は、96ステップ分の移動が可能である。
回転体51の回転力は、らせん溝51aとらせん溝20aによって前後方向の力に変換される。変換された前後方向の力は、レンズホルダ20に伝えられ、レンズホルダ20が前後方向に駆動される。本実施形態では、レンズホルダ20は、フルストローク(=96ステップ分)で前後方向に約1.25mm移動し、1ステップでは前後方向に約13μm移動する。つまり、この撮像装置1では、レンズ位置を13μm単位で制御することができる。らせん溝51aとらせん溝20aとを合わせたものは、本発明にいう変換機構の一例に相当する。
図2に示す上カバー10と下カバー40とは、ビス70(図2には示さない。図4参照)によって繋がっている。
上カバー10には、レンズホルダ20の凸部20bに相応する部分に、前後方向に延びた、凸部20bと嵌合する凹部が設けられている。マグネット40の回転力は、らせん溝51aとらせん溝20aによってレンズホルダ20に伝えられるが、レンズホルダ20の回転方向への移動が規制されていない場合、レンズホルダ20が回転しながら前後方向に移動されるため、レンズの偏心によって像がずれてしまう恐れがある。レンズホルダ20の凸部20bと、上カバーの凸部20bとが互いに嵌り合うことによって、このようなレンズホルダ20の回転が防止される。
また、下カバー40は、ローパスフィルタ41とCCD60とを保持している。
第1レンズ21、第2レンズ22、および第3レンズ23を通ってきた被写体光は、ローパスフィルタ41を通ってCCD60に受光される。ローパスフィルタ41では、被写体光に含まれる不要に緻密な空間周波数成分が均される。このローパスフィルタ41を介すことによって、擬色やモアレなどといった不具合を軽減させることができる。
ローパスフィルタ41を通ってきた被写体光は、CCD60で受光され、被写体を表わす画像データが生成される。CCD60は、本発明にいう撮像機構の一例に相当する。
以上のような撮像装置1において、以下のような手順でオートフォーカス機能が実現される。尚、ここでは、ステータ30に順方向のパルス電流を通電することによって、レンズホルダ20は前方向に移動するものとして説明する。
まず、CCD60において被写体光が粗く読み取られ、被写体光を表わす低解像度データが生成される。この低解像度データは、撮像装置1が備えられた携帯電話等のCPUに伝えられる。
続いて、ステータ30に、レンズホルダ20を1ステップ分移動させるための順方向のパルス電流が通電される。
ステータ30にパルス電流が通電されると、マグネットが1ステップ分回転し、そのマグネットの回転に伴って、回転体51が回転される。回転体51の回転力は、前方向の力に変換されてレンズホルダ20に伝えられ、レンズホルダ20が前方向に約13μm移動する。
レンズホルダ20が移動すると、再びCCD60で被写体光が読み取られて低解像度データが生成される。この低解像度データも、撮像装置1が備えられた携帯電話等のCPUに伝えられる。
CPUでは、CCD60から伝えられた2つの低解像度データそれぞれのコントラストが検出され、検出されたコントラストのうちどちらのコントラストが大きいかが判定される。先の低解像度データのコントラストの方が大きい場合には、レンズホルダ20を後方向に1ステップ分戻す逆方向のパルス電流がステータ30に通電され、後の低解像度データのコントラストの方が大きい場合には、レンズホルダ20を前方向にさらに1ステップ分移動させる順方向のパルス電流がステータ30に通電される。
上記のように、レンズホルダ20を移動させてコントラストを検出する処理を、先の低解像度データのコントラストと、後の低解像度データのコントラストとの大小が反転するまで最大で96ステップ分続ける。それらのコントラストの大小が反転したら、ステータ30に、その直前に通電した方向とは逆の方向のパルス電流を通電して、レンズホルダ20を1ステップ分戻す。このときのレンズホルダ20の位置が、コントラストが最大となる合焦位置となる。
撮像装置1は、基本的には以上のように構成されている。
ここで、この撮像装置1は、装置全体を小型化するために、筐体等に格納されておらず、上カバー10、ステータ30、下カバー40によって取り囲まれることにより、筐体に替わる構造体が構成されている。
図4は、撮像装置1の分解斜視図である。
この撮像装置1は、上カバー10に設けられた複数の柱11と下カバー40とがビス70によって繋げられ、それら上カバー10、柱11、下カバー40によって囲まれる空間にステータ30が配置される。柱11は、ステータ30の位置を決定するために用意されるものであり、本発明にいう柱の一例に相当する。ビス70は、柱11と下カバー40とが接着剤等で接着された後に取り外されてもよいが、この例では、ビス70を外しても撮像装置1の大きさは変わらないので、撮像装置1を組み立てた後もビス70を装着したままにしておく。
ステータ30の円筒形状内には、ステータ30に近い側から、マグネット50と、回転体51と、レンズホルダ20とが順に配置される。図3に示す、ステータ30を構成しているコイルケース31,32は、磁力線を円筒形状内に導くために金属で構成されており、マグネット50、回転体51、およびレンズホルダ20は、このコイルケース31,32に取り囲まれることによって、撮像装置1にかかる応力から保護されている。したがって、撮像装置1は筐体内に構成要素を格納せずに、ステータ30をむき出しのまま用いることができ、装置の大型化を抑えることができる。
ここで、上記では、ステータにパルス電流を印加することによって、ロータの回転を制御するステッピングモータを適用する例について説明したが、本発明にいうレンズホルダを駆動するモータはDCモータなどであってもよい。
また、上記では、変換機構としてらせん溝を適用する例について説明したが、本発明にいう変換機構は、例えば、カム溝とカムピンなどであってもよい。
また、上記では、レンズホルダを駆動して、オートフォーカス機能を実現する例について説明したが、本発明のレンズ駆動装置および撮像装置は、例えば、ズーム機能を実現するものであってもよく、ズーム機能とオートフォーカス機能との両方を実現するものであってもよい。
1 撮像装置
10 上カバー
10a 凹部
11 柱
20 レンズホルダ
20a らせん溝
20b 凸部
21 第1レンズ
22 第2レンズ
23 第3レンズ
30 ステータ
30a 上コイル部
30b 下コイル部
31 コイル
32 上コイルカバー
33 下コイルカバー
32a,33a 歯
40 下カバー
41 ローパスフィルタ
50 マグネット
51 回転体
51a らせん溝
60 CCD
10 上カバー
10a 凹部
11 柱
20 レンズホルダ
20a らせん溝
20b 凸部
21 第1レンズ
22 第2レンズ
23 第3レンズ
30 ステータ
30a 上コイル部
30b 下コイル部
31 コイル
32 上コイルカバー
33 下コイルカバー
32a,33a 歯
40 下カバー
41 ローパスフィルタ
50 マグネット
51 回転体
51a らせん溝
60 CCD
Claims (4)
- レンズを光軸に沿う方向に駆動させるレンズ駆動装置において、
円筒形状に巻回された導線の束からなる、磁力線を発生するコイルと、前記コイルの表面を覆ってなる円筒形状の外形を有する、該コイルによって発生される磁力線を該円筒形状内に導いて磁場を形成する、このレンズ駆動装置にかかる応力を受けるコイルケースとからなるステータと、
前記ステータの円筒形状内に位置して該円筒形状と同軸の円筒形状を有する、該ステータによって形成される磁場によって該ステータに対して回転駆動されるロータと、
前記ロータの円筒形状の更に内側に位置して、レンズを、光軸が該円筒形状の軸に沿うように保持するレンズホルダと、
前記ロータの回転駆動による力の方向を前記レンズの光軸に沿う方向へと変換して前記レンズホルダに伝達する変換機構とを備えたことを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記コイルケースを、該コイルケースの円筒形状の両端から挟む上板および下板を備え、
前記ロータ、前記レンズホルダ、および前記変更機構が、前記コイルケース、前記上板、および前記下板によって囲われた空間内に納められていることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。 - 前記上板および前記下板を繋ぐ、前記コイルケースを取り囲んだ複数の柱を備えたことを特徴とする請求項2記載のレンズ駆動装置。
- レンズを光軸に沿う方向に駆動させ、該レンズで被写体光を結像させて、該被写体光を表わす画像データを取得する撮像装置において、
円筒形状に巻回された導線の束からなる、磁力線を発生するコイルと、前記コイルの表面を覆ってなる円筒形状の外形を有する、該コイルによって発生される磁力線を該円筒形状内に導いて磁場を形成する、この撮像装置にかかる応力を受けるコイルケースとからなるステータと、
前記ステータの円筒形状内に位置して該円筒形状と同軸の円筒形状を有する、該ステータによって形成される磁場によって該ステータに対して回転駆動されるロータと、
前記ロータの円筒形状の更に内側に位置して、レンズを、光軸が該円筒形状の軸に沿うように保持するレンズホルダと、
前記ロータの回転駆動による力の方向を前記レンズの光軸に沿う方向へと変換して前記レンズホルダに伝達する変換機構と、
前記レンズを通ってきた被写体光を結像させて、被写体光を表わす画像データを取得する撮像機構とを備えたことを特徴とする撮像装置。
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-
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