JP2005344172A - 薄膜の製造方法、薄膜製造装置、素子、および投影露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 薄膜を形成する時間を短縮することにより、高効率に薄膜を形成することのできる成膜方法および成膜装置を提供すること。
【解決手段】 本発明は、真空容器内に配置された基板上に成膜ソースから発生させた成膜粒子を堆積させて薄膜を形成する成膜工程と、開口部を有する遮蔽手段を用いて前記成膜ソースと前記基板との間の空間の一部を遮蔽する遮蔽工程とを有する薄膜の製造方法において、前記遮蔽工程は、前記開口部を前記成膜工程中に前記基板に対して相対的に移動させる開口部移動工程を含み、前記開口部の形状は、前記成膜工程における前記基板の表面での前記薄膜の形成速度分布と前記基板上に形成する薄膜の所望の膜厚分布との少なくともどちらか一方に基づく形状であることを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明は、真空容器内に配置された基板上に成膜ソースから発生させた成膜粒子を堆積させて薄膜を形成する成膜工程と、開口部を有する遮蔽手段を用いて前記成膜ソースと前記基板との間の空間の一部を遮蔽する遮蔽工程とを有する薄膜の製造方法において、前記遮蔽工程は、前記開口部を前記成膜工程中に前記基板に対して相対的に移動させる開口部移動工程を含み、前記開口部の形状は、前記成膜工程における前記基板の表面での前記薄膜の形成速度分布と前記基板上に形成する薄膜の所望の膜厚分布との少なくともどちらか一方に基づく形状であることを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、成膜方法、成膜装置、素子および投影露光装置に関するものである。
半導体デバイスを製造する半導体製造装置は、半導体デバイスの集積度を示すデザインルールの高精細化に対応する必要がある。近年、半導体デバイスの集積度の増加は著しく、高精細化への対応は急務となっている。図11は、投影露光装置の概要を示す図である。図11に示した様に、マスクに描かれた微細な回路パターンをウェハ表面に投影露光させる投影露光装置においては、デザインルールの高精細化に対応するための開発が進められている。
投影露光装置をデザインルールの高精細化に対応させるためには、解像度の向上と線幅均一性の向上とが必要である。解像度とは、ウェハ上に投影露光可能な回路パターンの細かさを示す尺度である。また、線幅均一性とは、マスク上に描画された同じ幅の線がウェハ上で同じ幅であるかどうかを示す尺度である。
解像度の向上によって、投影露光装置で投影するパターンを微細化させることができる。投影パターンを微細化できれば、デザインルールの高精細化に対応することができる。
解像度は、光源波長の短波長化によって向上する。最近では、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2レーザなどの真空紫外光を発生させるレーザを用いることによって、光源の波長が短波長化されている。このため、解像度は向上されている。
解像度は、光源波長の短波長化によって向上する。最近では、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2レーザなどの真空紫外光を発生させるレーザを用いることによって、光源の波長が短波長化されている。このため、解像度は向上されている。
一方、線幅均一性の向上によって、ウエハ上に形成される回路パターンに生じる誤差を減少させることができる。ウエハ上に形成される回路パターンに生じる所望の回路パターンに対する誤差は、デザインルールを高精細化するにつれて発生しやすくなる。つまり、線幅均一性の向上によって、デザインルールの高精細化に対応することができる。
線幅均一性は、露光光の露光面内における光強度分布の均一性を高くすることによって向上する。露光光の露光面内における光強度分布は、投影露光装置を構成する光学系の光学特性の組み合わせによって発生するため、投影露光装置毎に異なる。つまり、個々の投影露光装置に応じて光強度分布を調整することによって光強度分布の均一性を良好にすることができる。
図101)は、露光面内光強度分布の例を示している。図101)に示した例では、露光面内の一部の光強度が弱く、露光面の光強度分布の均一性は低くなっている。この例の様に、光強度分布の均一性が低いと、線幅均一性が低くなり、高精細化に対応することが困難になる。
光強度に応じた減光を行うと、光強度分布の均一性を高くすることができる。つまり、光強度の強い部分ではより多く減光し、光強度の比較的弱い部分では少し減光し、光強度の最も弱い部分では減光しない。このようにして、露光面内のすべての光強度を露光面内で最も弱い光強度と等しい光強度にする。なぜならば、部分的な光の強度の調整においては、光を減光するのは容易であるのに対し、光の強度を強くするのは困難なためである。
図11は投影露光装置の概念図である。図11に示した様に、投影露光装置においては、光源から照明光学系を経てマスクに照明光が照射される。その後、マスクを通過したマスクパターンを含む光が、投影光学系を経て投影光としてウェハに照射される。このようにして、ウェハ上に回路パターンが露光される。
投影露光装置において露光面に照射する光を減光する場合は、投影光学系で減光せずに照明系光学で減光するのが一般的である。投影光学系で減光を行うと、マスクパターンを含む光束が減光手段を通過することになり、投影像を劣化させるためである。また投影光学系は、光学素子が密に配置されており、フィルタ等の減光手段を挿入する箇所がほとんど無いのに対し、照明光学系は、フィルタ等の減光手段を配置できる部分が多いためである。さらに、減光手段による投影像に対する影響が投影光学系では大きく、その影響に対する光学系の調整が困難なのに比べて、照明光学系ではその影響が比較的小さく、光学系の調整が容易なためである。
照明光学系内には、露光面に対する共役面が存在し、この共役面において減光を行う。この露光面に対する共役面と露光面とは、面内における相対的に同じ位置同士が対応する関係にある。つまり、共役面のある箇所を通過した光束は、露光面における相対的に同じ箇所に到達する。つまり、共役面において部分的な減光を行うと、露光面における相対的に同じ位置の光強度が弱くなる。
露光面内の露光光の部分的な光強度に対して、共役面の相対的に同じ位置の減光量を対応させる。つまり、露光面内の光強度が強い部分においては、共役面における相対的に同じ部分を通過する光束の減光量を多くし、露光面内の光強度が比較的弱い部分においては、共役面における相対的に同じ部分を通過する光束の減光量を少なくし、露光面内の光強度が最も弱い部分においては、共役面における相対的に同じ部分を通過する光束を減光しない。この様にすると、露光面における露光光の光強度分布の均一性を高くすることができる。
透過型光学フィルタを、照明光学系内の露光面に対する共役面に配置する減光方法が提案されている。この透過型光学フィルタは、面内の透過率を部分的に異なる分布にしたものである。つまり、共役面にこの透過型光学フィルタを配置することによって、共役面を通過する光束を、その通過位置に対応した光量に減光する。
透過型光学フィルタは、露光光の光強度分布に対応した透過率分布を有する必要がある。つまり、共役面を通過する光束を、その通過位置に対応した光量に減光するためには、共役面の位置と減光量に応じた透過率分布である必要がある。したがって、露光光の強度分布に対応した透過率分布を有する透過型光学フィルタを製造する必要がある。
図102)は、図101)に示した露光面内光強度分布を均一化するための、共役面における減光量の分布を示している。図102)に示した減光を共役面で行うと、露光面内の光強度が露光光の最も弱い光強度と等しい光強度になる。そのため、この減光量分布に対応した透過率分布を有する透過型光学フィルタを製造する。
透過型光学フィルタは、光学基板表面に膜厚分布を有する光学薄膜を形成したものである。光学基板表面に形成した光学薄膜は、一般には膜厚に応じた透過率を示す。たとえば、基板上に形成させる薄膜材料に金属や金属酸化物を単独で用いた場合では、これらの物質には光を減少させる特性があるため、膜厚の厚い部分では光の透過率が低く、膜厚の薄い部分では光の透過率が高い。
この様な特性から、光学基板表面に形成する光学薄膜の膜厚分布を制御することにより、所望の透過率分布を有する透過型光学フィルタを作ることができる。したがって、所望の透過率分布を持つ透過型光学フィルタを製造するためには、形成する薄膜の部分的な膜厚を制御する必要がある。
特開平10-26698号公報には、蒸着源と基板との間に配置してある開口部を有する遮蔽板を移動させて、開口部を通過した蒸着粒子を基板上に堆積させる成膜方法が開示されている。この例においては、開口部を二次元方向に移動させ、その位置において、開口部を通過した成膜材料が基板に堆積する時間(この時間を滞在時間と呼ぶ)の長さを制御する。なぜならば、その開口部の位置において形成される薄膜の膜厚は、開口部の滞在時間の長さに対応するからである。つまり、開口部の滞在時間が長ければ膜厚は厚くなり、滞在時間が短ければ膜厚は薄くなる。したがって、位置に対応して膜厚を制御した薄膜を形成することができる。
この方法では、成膜操作が終了するまでに時間がかかる。比較的小さい開口部で基板全域を走査させるためである。そのため、薄膜を形成する時間効率が悪いという問題点があった。
特開平10-26698号公報
所望の膜厚分布を有する薄膜を形成するために、開口部を二次元方向に走査する方法においては、基板上に薄膜を形成するために必要な時間が長いため、薄膜を形成する効率が低いという問題点があった。
本発明では、かかる問題点を解決し、薄膜を形成する時間を短縮することにより、高効率に薄膜を形成することのできる成膜方法および成膜装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、真空容器内に配置された基板上に成膜ソースから発生させた成膜粒子を堆積させて薄膜を形成する成膜工程と、開口部を有する遮蔽手段を用いて前記成膜ソースと前記基板との間の空間の一部を遮蔽する遮蔽工程とを有する薄膜の製造方法において、前記遮蔽工程は、前記開口部を前記成膜工程中に前記基板に対して相対的に移動させる開口部移動工程を含み、前記開口部の形状は、前記成膜工程における前記基板の表面での前記薄膜の形成速度分布と前記基板上に形成する薄膜の所望の膜厚分布との少なくともどちらか一方に基づく形状であることを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項2の発明は、請求項1の薄膜の製造方法において、前記開口部が相対的に移動する方向の前記開口部の幅は、前記形成速度分布から導き出される形成速度に基づいているのであって、前記形成速度が速い基板上の箇所に対応する部分では、前記形成速度が遅い基板上の箇所に対応する部分よりも狭く、前記形成速度が遅い基板上の箇所に対応する部分では、前記形成速度が速い基板上の箇所に対応する部分よりも広いことを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項3の発明は、請求項1の薄膜の製造方法において、前記開口部が相対的に移動する方向の前記開口部の幅は、前記膜厚分布から導き出される膜厚に基づいているのであって、前記膜厚が厚い基板上の箇所に対応する部分では、前記膜厚が薄い基板上の箇所に対応する部分よりも広く、前記膜厚が薄い基板上の箇所に対応する部分では、膜厚が厚い基板上の箇所に対応する部分よりも狭いことを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項4の発明は、請求項1の薄膜の製造方法において、前記開口部が相対的に移動する方向の前記開口部の幅は、前記膜厚分布および前記形成速度分布から導き出される堆積時間に基づいているのであって、前記堆積時間が長い基板上の箇所に対応する部分では、前記堆積時間が短い基板上の箇所に対応する部分よりも広く、前記堆積時間が短い基板上の箇所に対応する部分では、前記堆積時間が長い基板上の箇所に対応する部分よりも狭いことを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項5の発明は、請求項1の薄膜の製造方法において、前記開口部移動工程は、前記開口部の前記基板に対する相対的な移動速度を移動中に変更する工程であることを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項6の発明は、請求項5の薄膜の製造方法において、前記開口部移動工程は、前記形成速度分布から導き出される形成速度に基づいて前記移動速度を変更する工程であって、前記形成速度が速い基板上の箇所を通過する部分では、形成速度が遅い基板上の箇所を通過する部分よりも速く、前記形成速度が遅い基板上の箇所を通過する部分では、形成速度が速い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く開口部を移動させる工程であることを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項7の発明は、請求項5の薄膜の製造方法において、前記開口部移動工程は、前記膜厚分布から導き出される膜厚に基づいて前記移動速度を変更する工程であって、前記膜厚が薄い基板上の箇所を通過する部分では、前記膜厚が厚い基板上の箇所を通過する部分よりも速く、前記膜厚が厚い基板上の箇所を通過する部分では、前記膜厚が薄い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く開口部を移動させる工程であることを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項8の発明は、請求項5の薄膜の製造方法において、前記開口部移動工程は、前記膜厚分布および前記形成速度分布から導き出される堆積時間に基づいているのであって、
前記堆積時間が長い基板上の箇所を通過する部分では、前記堆積時間が短い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く、前記堆積時間が短い基板上の箇所を通過する部分では、前記堆積時間が長い基板上の箇所を通過する部分よりも速く開口部を移動させる工程であることを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
前記堆積時間が長い基板上の箇所を通過する部分では、前記堆積時間が短い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く、前記堆積時間が短い基板上の箇所を通過する部分では、前記堆積時間が長い基板上の箇所を通過する部分よりも速く開口部を移動させる工程であることを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項9の発明は、基板を保持する基板保持手段と、薄膜の材料から成膜粒子を発生させる成膜ソースと、前記基板保持手段と前記成膜ソースとの間に開口部を設けた遮蔽手段とを真空容器内に設置した薄膜製造装置において、前記開口部を前記基板に対し相対的に移動させる駆動手段を有し、前記開口部は前記基板上の前記薄膜の形成速度分布と前記基板上に形成する所望の膜厚分布との少なくともどちらか一方に基づく形状であることを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項10の発明は、請求項9の薄膜製造装置において、前記開口部の基板に対する相対的な移動方向の前記開口部の幅は、前記形成速度分布から導き出される形成速度に基づいているのであって、前記形成速度が速い基板上の箇所に対応する部分では、前記形成速度が遅い基板上の箇所に対応する部分よりも狭く、前記形成速度が遅い基板上の箇所に対応する部分では、前記形成速度が速い基板上の箇所に対応する部分よりも広いことを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項11の発明は、請求項9の薄膜製造装置において、前記開口部の基板に対する相対的な移動方向の前記開口部の幅は、前記膜厚分布から導き出される膜厚に基づいているのであって、前記膜厚が厚い基板上の箇所に対応する部分では、前記膜厚が薄い基板上の箇所に対応する部分よりも広く、前記膜厚が薄い基板上の箇所に対応する部分では、膜厚が厚い基板上の箇所に対応する部分よりも狭いことを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項12の発明は、請求項9の薄膜製造装置において、前記開口部の基板に対する相対的な移動方向の前記開口部の幅は、前記膜厚分布および前記形成速度分布から導き出される堆積時間に基づいているのであって、前記堆積時間が長い基板上の箇所に対応する部分では、前記堆積時間が短い基板上の箇所に対応する部分よりも広く、前記堆積時間が短い基板上の箇所に対応する部分では、前記堆積時間が長い基板上の箇所に対応する部分よりも狭いことを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項13の発明は、請求項9の薄膜製造装置において、前記駆動手段は、前記開口部を移動させる移動手段と前記開口部の移動速度を変更できる移動速度制御手段とを含むことを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項14の発明は、請求項9の薄膜製造装置において、前記駆動手段は、前記基板保持手段を移動させる移動手段と前記基板保持手段の移動速度を変更できる移動速度制御手段とを含むことを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項15の発明は、請求項1の薄膜製造装置において、前記駆動手段は、前記形成速度分布から導き出される形成速度に基づいて開口部の移動速度を制御する手段であって、前記開口部の移動速度を、前記形成速度が速い基板上の箇所を通過する部分では、前記形成速度が遅い基板上の箇所を通過する部分よりも速く、前記形成速度が遅い基板上の箇所を通過する部分では、前記形成速度が速い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く制御する手段であることを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項16の発明は、請求項1の薄膜製造装置において、前記駆動手段は、前記膜厚分布から導き出される膜厚に基づいて開口部の移動速度を制御する手段であって、前記開口部の移動速度を、前記膜厚が厚い基板上の箇所を通過する部分では、前記膜厚が薄い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く、前記膜厚が薄い基板上の箇所を通過する部分では、前記膜厚が厚い基板上の箇所を通過する部分よりも速く制御する手段であることを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項17の発明は、請求項1の薄膜製造装置において、前記駆動手段は、前記膜厚分布および前記形成速度分布から導き出される堆積時間に基づいて制御する手段であって、前記開口部の移動速度を、前記堆積時間が長い基板上の箇所を通過する部分では、前記堆積時間が短い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く、前記堆積時間が短い基板上の箇所を通過する部分では、前記堆積時間が長い基板上の箇所を通過する部分よりも速く制御する手段であることを特徴としている。これにより、薄膜を形成する効率が向上する。
請求項18の発明は、請求項1乃至8に記載の製造方法のうちいずれか1つの方法によって形成されたことを特徴としている。これにより、素子を製造する効率が向上する。
請求項19の発明は、露光量補正フィルタを有する投影露光装置において、
前記露光量補正フィルタは、請求項18に記載の素子を含むことを特徴としている。これにより、投影露光装置を製造する効率が向上する。
請求項19の発明は、露光量補正フィルタを有する投影露光装置において、
前記露光量補正フィルタは、請求項18に記載の素子を含むことを特徴としている。これにより、投影露光装置を製造する効率が向上する。
以上の様に、本発明によれば、所望の透過率分布を有する薄膜を、短い時間で基板上に形成することができる。特に、透過率分布の精度が同等の薄膜を形成する場合には、従来の方法と比べて、薄膜を形成するのに必要な時間の長さが短いため,光学素子を製造する効率が良好になる。
図1は、第一の実施形態の概念図である。
図1に示すように、真空容器4の内部に、遮蔽機構1、遮蔽機構移動制御手段3、ターゲット5、圧力計13、基板2を保持する基板保持部(不図示)およびイオンガンが設けられている。遮蔽機構1には、開口部が設けられている。圧力計13には、真空容器4の内部の圧力を表示する圧力表示部が真空容器4の外部に設けられている。また、真空容器4には、排気バルブ9を介して排気系12が接続されている。
図1に沿って、基板2の表面に薄膜を形成する方法を説明する。真空容器4内の基板保持部に基板2を固定する。基板2は平行平板加工した石英ガラスである。また、ターゲット5は、光学薄膜材料のAl2O3である。基板2とターゲット5等を配置するために設置した扉(不図示)を閉じて真空容器4内部を減圧可能な状態にする。その後、排気系12を作動させ、つぎにバルブ9を開け、真空容器4の内部を減圧する。圧力計13による測定値が10-6Torr以下になった後、イオンビームに用いるArガスをイオンガンに導入する。イオンガン内でプラズマを発生させ、導入したArガスからArイオンを生成する。生成したArイオンのイオンビームをターゲット5に照射する。イオンビームがターゲット5に衝突した衝撃で、スパッタリング粒子6がターゲット5から放出される。
スパッタリング粒子6がターゲット5から放出されている間に、遮蔽機構移動制御手段3によって遮蔽機構1を往復運動させる。この往復運動によって、遮蔽機構1に設けてある開口部は、基板2の表面の近傍を往復運動する。ターゲット5から放出されたスパッタリング粒子6の中で、この往復運動する開口部を通過したものだけが基板2の表面に堆積することができる。遮蔽機構1の往復運動を終了した後、ターゲット5へのイオンビームの照射を停止してスパッタリングを終了する。その後、真空容器4を大気開放する。このようにして、基板2の表面に薄膜を形成することができる。
ところで、投影露光装置は、所望の透過率分布を有する透過型光学フィルタを使用する必要がある。そのような透過型光学フィルタは、所望の透過率分布を実現できる光学薄膜を基板表面に形成することにより製造することができる。本実施形態を用いて、所望の透過率分布を実現する薄膜を基板表面に形成する方法を説明する。
薄膜の透過率は、膜厚に対応する。例えば、Al2O3ヲ薄膜材料とした場合には、膜厚が厚い場合には透過率が低くなり、膜厚が薄い場合には透過率が高くなる。つまり、所望の透過率分布の値に応じて、透過率を低くする部分には膜厚を厚く形成し、透過率を高くする部分には膜厚を薄く形成する。このようにすると、基板2に形成する薄膜の透過率分布を所望の透過率分布にすることができる。したがって、所望の透過率分布に応じた膜厚分布を有する薄膜を基板2の表面に形成することによって、所望の透過率分布を有する透過型光学フィルタを製造することができる。
基板2の表面に形成される薄膜の膜厚は、スパッタリング粒子6が基板2の表面に堆積した量に比例する。また、スパッタリング粒子6が基板2の表面に堆積した量は、堆積する速度が一定の場合、スパッタリング粒子6が堆積した時間の長さに比例する。
つまり、薄膜の膜厚の値は、スパッタリング粒子6が堆積した時間の長さに比例した値になる。したがって、基板2の表面の各部分にスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さを、それぞれの部分における所望の膜厚に比例した長さにすることによって、所望の膜厚分布を有する薄膜を基板2の表面に形成することができる。
基板2の表面の各部分にスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さを、それぞれの部分における所望の膜厚に比例した長さにすることは、遮蔽機構1に設けた開口部の形状と遮蔽機構1の速度とを制御することによって実現できる。遮蔽機構1に設けた開口部の形状と遮蔽機構1の速度とを制御することによって、スパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さを制御する方法を説明する。
図2は、遮蔽機構1と基板2の表面に形成される薄膜との関係を示した概念図である。図2(1)は、基板2と遮蔽機構1および開口部との位置関係を示している。図2(1)に示したように、基板2の表面のある点を点Pとする。図2(2)〜(4)は、遮蔽機構1が往復運動している時に、開口部を通過したスパッタリング粒子6が基板2の表面のどこに到達するかを模式的に示している。また、図2(5)〜(7)は、図2(2)〜(4)にそれぞれ対応しており、遮蔽機構1の開口部と基板2とをターゲット5側から見た図である。
図2(3)および(6)に示すように、往復運動している遮蔽機構1の開口部が点Pとターゲット5を結ぶ直線上に存在しているときのみ、スパッタリング粒子6は開口部を通過して点Pに到達できる。図2(2)および(5)、(4)および(7)のように遮蔽機構1の開口部が点Pとターゲット5との間の直線上に存在していない場合には、スパッタリング粒子6は点Pに到達しない。つまり、スパッタリング粒子6を点Pに堆積させる時間は、点Pとターゲット5との間の直線上に開口部が存在している時間に相当する。
既に説明したように、点P上に形成される薄膜の膜厚は、スパッタリング粒子6を点P上に堆積させる時間の長さに比例する。したがって、点P上に形成される薄膜の膜厚は、点Pとターゲット5との間に開口部が存在している時間の長さに比例する。点Pとターゲット5との間の直線上に開口部が存在している時間の長さは、次式
(点P通過部分の開口部の幅)/(開口部が点Pを通過中の遮蔽機構1の平均速度)・・(1)
で示すことができる。つまり、点Pを通過する部分の開口部の幅と開口部が点Pを通過する間の遮蔽機構1の速度とを制御することによって、点P上に形成される薄膜の膜厚を制御することができる。
(点P通過部分の開口部の幅)/(開口部が点Pを通過中の遮蔽機構1の平均速度)・・(1)
で示すことができる。つまり、点Pを通過する部分の開口部の幅と開口部が点Pを通過する間の遮蔽機構1の速度とを制御することによって、点P上に形成される薄膜の膜厚を制御することができる。
図3は、形成される薄膜の膜厚分布と開口部との関係を説明する概念図である。説明の便宜上、図3に示すように、遮蔽機構1の往復運動方向をX方向、X方向に直角な方向をY方向と呼ぶことにする。基板2の表面のある点を点Pとする。点Qは、点Pに対してX方向にある点である。点Rは、点Pに対してY方向にある点である。点P、点Qおよび点Rにおける所望の膜厚を、それぞれhp、hqおよびhrとする。点Pおよび点Qを通過する部分の開口部の幅をWpとし、点Rを通過する部分の開口部の幅をWrとする。
図3の開口部に示した一点鎖線は、開口部の幅の中心線を示している。本実施例においては、開口部の形状を開口部の幅の中心線に対して線対称の形状にする。そのようにすると、遮蔽機構1の速度制御を容易に行うことができるからである。
また、開口部の幅の中心線が点Pおよび点Rを通過する時の遮蔽機構1の速度をvpとし、開口部の幅の中心線が点Qを通過する時の遮蔽機構1の速度をvqとする。さらに、開口部が点Pを通過する間の遮蔽機構1の平均速度をvpとし、開口部が点Qを通過する間の遮蔽機構1の平均速度をvqとし、開口部が点Rを通過する間の遮蔽機構1の平均速度をvrとする。また、スパッタリング粒子6が堆積する速度は、基板2上の位置および時間経過によらず一定であるとする。
説明の便宜上、WpおよびWrは非常に小さい値と仮定する。WpおよびWrが非常に小さいとすれば、各点P、Q、Rを開口部が通過する間の遮蔽機構1の速度は変化しないとしても差し支えない。
まず、遮蔽機構1の速度の分布について説明する。既に説明したように、点Pにおける膜厚は、点Pとターゲット5との間に開口部が存在している時間の長さ(Wp/vp)に比例し、点Qにおける膜厚は、点Qとターゲット5との間に開口部が存在している時間の長さ(Wp/vq)に比例する。
点Pおよび点Qにおいて所望の膜厚を実現するためには、Wp、vpおよびvqは、それぞれ次の式を満たす必要がある。(kを比例定数とする)
hp=k・Wp/vp ・・・・・・・ (2)
hq=k・Wp/vq ・・・・・・・ (3)
これらの式に対して(k・Wp)をKとおき、それぞれ変形すると、
vp=K/hp
vq=K/hq
となる。つまり、それぞれの点を開口部が通過する間の遮蔽機構1の平均速度を、それぞれの点の所望の膜厚に反比例する値にすると、所望の膜厚分布を有する薄膜を形成することができる。
hp=k・Wp/vp ・・・・・・・ (2)
hq=k・Wp/vq ・・・・・・・ (3)
これらの式に対して(k・Wp)をKとおき、それぞれ変形すると、
vp=K/hp
vq=K/hq
となる。つまり、それぞれの点を開口部が通過する間の遮蔽機構1の平均速度を、それぞれの点の所望の膜厚に反比例する値にすると、所望の膜厚分布を有する薄膜を形成することができる。
それぞれの点を開口部が通過している間の遮蔽機構1の速度は変化しないとしても差し支えないのであるから、開口部の幅の中心線がそれぞれの点を通過する時の遮蔽機構1の速度と、それぞれの点を開口部が通過する間の遮蔽機構1の平均速度とは等しいとして差し支えない。そこで、それぞれの点を開口部の幅の中心線が通過する時の速度の値は、所望の膜厚の薄膜を形成するために求めた遮蔽機構1の平均速度の値に置き換えても差し支えない。つまり、点Pおよび点Qにおいては、上記の2式のvpおよびvqをvpおよびvqへ、それぞれ置き換えることができる。置き換える操作を行うと上記2式は、以下の2式、
vp=K/hp
vq=K/hq
となる。したがって、点Pおよび点Qを開口部の幅の中心線が通過する時の遮蔽機構1の速度を、それぞれ点Pおよび点Qに形成する薄膜の膜厚に反比例する値にすると、所望の膜厚分布の薄膜を形成することができる。
vp=K/hp
vq=K/hq
となる。したがって、点Pおよび点Qを開口部の幅の中心線が通過する時の遮蔽機構1の速度を、それぞれ点Pおよび点Qに形成する薄膜の膜厚に反比例する値にすると、所望の膜厚分布の薄膜を形成することができる。
点PからX方向にある直線上の全ての点Qについて同様に計算を行うことによって、所望の膜厚分布の薄膜を形成するための同一直線上における遮蔽機構1の速度の分布を求めることができる。このようにして求めた遮蔽機構1の速度の分布は、X方向の所望の膜厚分布に反比例している。
次に、開口部の形状を得るために必要な、開口部の幅の分布について説明する。(1)式から、点Pにおける膜厚は、(Wp/vp)に比例し、点Rにおける膜厚は、(Wr/vr)に比例する。したがって、点Pおよび点Qにおいて所望の膜厚を実現するためには、Wp、Wr、vpおよびvrは、それぞれ次の式を満たす必要がある。(kを比例定数とする)
hp=k・Wp/vp
hr=k・Wr/vr
と表せる。
hp=k・Wp/vp
hr=k・Wr/vr
と表せる。
ここで、点Pと点RとはY方向の同一直線上にあり、開口部は開口部の幅の中心が同一直線上にある形状であるため、それぞれの開口部の幅の中心線は、点Pと点Rを同時に通過する。つまり、開口部の幅の中心線が点Pを通過しているときの遮蔽機構1の速度は、開口部の幅の中心線が点Rを通過しているときの遮蔽機構1の速度と一致する。すなわち、vp=vrとなる。すでに説明している通り、vp=vpおよびvr=vrとして差し支えないため、vp=vrとして差し支えない。これにより、2式は、
hp=k・Wp/vp
hr=k・Wr/vp
と示すことができる。(vp/k)をK’とおき、それぞれ変形すると、
Wp=K'・hp
Wr=K'・hr
となる。つまり、所望の膜厚を基板2の表面上に形成するためには、それぞれの点を通過する開口部の幅を、それぞれの点の所望の膜厚に比例させる必要がある。
hp=k・Wp/vp
hr=k・Wr/vp
と示すことができる。(vp/k)をK’とおき、それぞれ変形すると、
Wp=K'・hp
Wr=K'・hr
となる。つまり、所望の膜厚を基板2の表面上に形成するためには、それぞれの点を通過する開口部の幅を、それぞれの点の所望の膜厚に比例させる必要がある。
点PからY方向にある直線上の全ての点Rについて同様に計算を行うことによって、所望の膜厚分布を実現するために必要な開口部の幅の比率の分布を求めることができる。このようにして求めた開口部の幅の分布は、Y方向における所望の膜厚分布に比例している。
以上の説明では、遮蔽機構1の速度の分布および開口部の幅の分布は、比例係数が含まれた式で表されている。つまり、それぞれの分布においては、分布中の値の相対的な比率が明らかになっているだけで、分布全体の絶対的な値が定まっていない。
開口部の形状を定めるには、開口部の幅の分布の絶対的な値が定まっている必要がある。また、遮蔽機構1の速度を制御するためには、遮蔽機構1の速度の分布の絶対的な値が定まっている必要がある。これら分布全体の値を定めるためには、それぞれの分布のどこか一点の値を定める必要がある。
基板2の中で、任意の点における開口部の幅と遮蔽機構1の速度とを定めれば、それぞれの分布のどこか一点の値を定めることができる。そこで、基板2上に基準となる点を1点設け、その点における開口部の幅と遮蔽機構1の速度を求めることにより、開口部の幅の分布すなわち開口部の形状と遮蔽機構1の速度分布とを求めることができる。
遮蔽機構1の速度を速くすると、薄膜を形成するのに必要な時間を短縮することができる。つまり、遮蔽機構1の速度を速くすることができれば、透過型光学フィルタを製造する時間効率を向上させることができる。また、理由は後述するが、開口部の幅を狭くすると、形成する薄膜の膜厚分布の精度を高くすることができる。したがって、薄膜形成の時間効率を向上させるためには、遮蔽機構1の速度を速くした方が良く、膜厚の精度を向上させるためには、開口部の幅を狭くした方がよい。
薄膜を形成する際には、遮蔽機構1を複数回往復運動させてスパッタリング粒子6を基板2上に堆積させる。つまり、薄膜の形成が終了するまでに、基板2上を開口部が複数回移動することになる。そのため、開口部が1回基板2上を移動するごとに基板2上に形成される薄膜の膜厚は、(所望の膜厚/全移動回数)になっている必要がある。全移動回数は、往復回数×2であるから、遮蔽機構1が一回移動する毎に(所望の膜厚/(往復回数×2))で示される膜厚の薄膜を形成する必要がある。
点Pを通過する部分の開口部の幅Wpと開口部の幅の中心線が点Pを通過する際の速度vpとの関係は、一回の移動において形成する膜厚の値から求めることができる。一回の移動において点Pに形成する薄膜の膜厚は、(hp/(往復回数×2))である。この膜厚から、一回の移動でスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さを求めると、
{hp/(往復回数×2)}/(薄膜が形成される速度)
となる。この時間の長さを、一回の移動で開口部が点Pを通過する時間の長さと等しくする必要がある。したがって、
(一回の移動で開口部が点Pを通過する時間の長さ)
=(Wp/vp)
=(一回の移動でスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さ)
={hp/(往復回数×2)}/(薄膜が形成される速度)
と表せる。この式を変形すると、
(Wp/vp)・(薄膜が形成される速度)・(往復回数×2)=hp
となる。ここで、{(薄膜が形成される速度)・(往復回数×2)}を定数Cとすると、
Wp/vp=hp/C
Wp=(hp/C)・vp
となる。
{hp/(往復回数×2)}/(薄膜が形成される速度)
となる。この時間の長さを、一回の移動で開口部が点Pを通過する時間の長さと等しくする必要がある。したがって、
(一回の移動で開口部が点Pを通過する時間の長さ)
=(Wp/vp)
=(一回の移動でスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さ)
={hp/(往復回数×2)}/(薄膜が形成される速度)
と表せる。この式を変形すると、
(Wp/vp)・(薄膜が形成される速度)・(往復回数×2)=hp
となる。ここで、{(薄膜が形成される速度)・(往復回数×2)}を定数Cとすると、
Wp/vp=hp/C
Wp=(hp/C)・vp
となる。
したがって、Wpとvpは比例関係にあり、Wpもしくはvpのどちらか一方の値を定めると、他方の値もその値に比例した値に定まる。つまり、開口部の幅を狭くするためには、遮蔽機構1の速度を遅くする必要があり、遮蔽機構1の速度を速くするためには、開口部の幅を広くする必要がある。
基板に形成される薄膜には、所望の膜厚分布に対する誤差を許容できる範囲が透過型光学フィルタの仕様によって定められている。つまり、所望の膜厚分布に対する差として生じる、基板に形成される薄膜の膜厚分布の誤差をこの許容範囲内に収める必要がある。そのためには、所望の膜厚分布に対する誤差が許容範囲に収まるところまで、開口部の幅を狭くする必要がある。
以上の説明の様に、遮蔽機構1の速度を速くすることによって薄膜を形成する時間効率を高くするためには、開口部の幅を広くする必要がある。一方、形成される薄膜の膜厚の誤差を許容範囲に収めるためには、開口部の幅を狭くする必要がある。そこで、形成される薄膜の膜厚分布に生じる膜厚の誤差が誤差の許容範囲に収まる開口部の幅の値を求め、その幅の最大値に開口部の幅の値を設定すると、仕様を満たした薄膜を最も良好な時間効率で形成することができる。
開口部の幅と膜厚分布の誤差との関係について説明する。これまでの説明では、開口部の幅を非常に小さい値と仮定した。しかし、遮蔽機構1の速度を大きな値にするためには、開口部の幅も大きな値にする必要がある。そこで、以降の説明においては、開口部の幅は、大きい値とする。
これまでは、開口部の幅が非常に小さい値であるから、開口部がある点上を通過する間の速度は変化しないとして説明した。つまり、開口部の幅の中心線が基板2上の点を通過する際の速度と、開口部が通過する間の遮蔽機構1の速度の平均とは一致するとして差し支えなかった。
しかし、開口部の大きさは有限の大きな値とするのであるから、基板上のある点上を開口部が通過している間には、遮蔽機構1の速度は、通常の場合変化する。変化しない場合には、これまでの説明と同じであるから、説明は省略する。
点P上を開口部が通過している間の速度の平均は、vpである。点P上を開口部が通過している間の速度は変化しているのであるから、点P上を開口部の幅の中心線が通過中の速度vpとvpとは同じ値であるとは限らない。したがって、
vp=vp+Δv
と表すことができる。vpの値は、既に説明したように
vp= Wp/(点Pに所望の膜厚の薄膜を形成させるためにスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さ)
で求めた値である。そこで、点Pにスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さTは、次式
T=Wp/vp
=Wp/(vp+Δv)
≠Wp/vp=(点Pに所望の膜厚の薄膜を形成させるためにスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さ)
で表される。
vp=vp+Δv
と表すことができる。vpの値は、既に説明したように
vp= Wp/(点Pに所望の膜厚の薄膜を形成させるためにスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さ)
で求めた値である。そこで、点Pにスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さTは、次式
T=Wp/vp
=Wp/(vp+Δv)
≠Wp/vp=(点Pに所望の膜厚の薄膜を形成させるためにスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さ)
で表される。
したがって、Δvが零でない限り、点Pにスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さは、点Pに所望の膜厚の薄膜を形成させるためにスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さと異なる値になる。つまり、Δvが零でない限り、点Pに形成される薄膜の膜厚は、所望の膜厚とは異なってしまう。
点Pを開口部が通過中の速度の平均と開口部の中心線が点Pを通過する時の速度とが等しい時にΔvは零になる。Wpが大きい値の場合には、点Pを開口部が通過中には速度が変動し、Δvが零ではなくなる場合がほとんどである。したがって、点Pには所望の膜厚と異なる膜厚の薄膜が形成されるため、膜厚に誤差が生じることになる。
このように、開口部の幅の値が大きい値の場合には、形成される薄膜の膜厚分布の精度が低下し、誤差が生じるようになる。そこで、この誤差を低減し適切な膜厚分布にする方法を以下に説明する。
開口部が点Pを通過する時間と、所望の膜厚の薄膜を形成するための時間に対する差をΔtpとすると、
Δtp = {Wp/(vp+Δv)}―(Wp/vp)
= Wp・{1/(vp+Δv)―1/vp} ・・・・・・・・・(4)
と表せる。Wpを大きくしていくと、開口部が点Pを通過中の速度の変動量は一般的に大きくなる。このため、ほとんどの場合においてはΔvの値が大きくなる。
Δtp = {Wp/(vp+Δv)}―(Wp/vp)
= Wp・{1/(vp+Δv)―1/vp} ・・・・・・・・・(4)
と表せる。Wpを大きくしていくと、開口部が点Pを通過中の速度の変動量は一般的に大きくなる。このため、ほとんどの場合においてはΔvの値が大きくなる。
Δvが大きくなると、(4)式の右辺における{1/(vp+Δv)―1/vp}の絶対値は大きい値になる。Wpが大きくなると、{1/(vp+Δv)―1/vp}の絶対値も大きくなるのであるから、(4)式の右辺の絶対値は大きくなる。つまり、Wpを大きくしていくと、一般的にΔtpの絶対値は大きくなる。
開口部が点Pを通過する時間の長さと所望の膜厚を形成するための時間の長さとが異なる場合には、形成される薄膜の膜厚は所望の膜厚とは異なる値になる。つまり、Δtpは、形成される薄膜の膜厚に生じる所望の膜厚に対する誤差を表している。したがって、Δtpの絶対値が大きくなるということは、所望の膜厚に対する誤差が大きくなることを示している。したがって、Δtpの絶対値を小さくすることができれば、膜厚の誤差を小さくすることができる。Wpを大きくすると、Δtpは大きくなるのであるから、Δtpを小さくするには、Wpを小さくすれば良い。
つまり、開口部の幅を狭くすると、形成される薄膜の膜厚分布に生じる所望の膜厚に対する誤差は小さくなり、開口部の幅を広くすると、誤差は大きくなる。開口部の幅と形成される薄膜の膜厚に生じる所望の膜厚に対する誤差との関係は、以上説明したとおりである
図6は、開口部の形状と遮蔽機構1の速度の求め方を示した概念図である。図6に示した方法に沿って、開口部の形状と遮蔽機構1の速度分布とを求める方法を説明する。
図6は、開口部の形状と遮蔽機構1の速度の求め方を示した概念図である。図6に示した方法に沿って、開口部の形状と遮蔽機構1の速度分布とを求める方法を説明する。
まず、開口部の幅の比率の分布を求める(S1)。開口部の幅の比率の分布は、所望の膜厚分布から求める。開口部の幅の比率の分布は、所望の膜厚分布におけるY方向の膜厚の分布と比例することから、求めることができる。
次に、遮蔽機構1の速度の比率の分布を求める(S2)。遮蔽機構1の速度の比率の分布は、所望の膜厚分布から求める。遮蔽機構1の速度の比率の分布は、所望の膜厚分布におけるX方向の膜厚の分布に反比例することから求めることができる。
基準となる点を通過する開口部の幅の値をある値に設定する(S3)。この値は、任意の値である。
S3で設定した基準となる点を通過する開口部の幅の値から、開口部の幅の分布を求める(S4)。S1で求めた開口部の幅の比率の分布に、S3で設定した基準となる点を通過する開口部の幅の値を当てはめると、開口部の幅の分布を求めることができる。
S3で設定した基準となる点を通過する開口部の幅の値から、開口部の幅の分布を求める(S4)。S1で求めた開口部の幅の比率の分布に、S3で設定した基準となる点を通過する開口部の幅の値を当てはめると、開口部の幅の分布を求めることができる。
S4で求めた幅の分布から開口部の形状を求める(S5)。開口部の形状は、各部分における開口部の幅の中心をY方向の同一直線上に並べた形状にする。つまり、開口部の形状は、開口部の中心線に対して線対称の形状になる。各部分における開口部の幅の値は、S4で求めた開口部の幅の分布から得ることができる。
S1で設定した開口部の幅の値から、基準となる点を開口部の中心線が通過する際の遮蔽機構1の速度を求める(S6)。既に説明したように、vp=(スパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さ)/Wpで示す速度で遮蔽機構1を制御すると、所望の膜厚分布の薄膜を形成することができる。
ただし、遮蔽機構1に複数回往復運動をさせて薄膜を形成する場合には、一回の移動に対する速度分布を求める必要がある。したがって、複数回の往復運動をさせる場合においては、基準となる点を開口部の中心が通過している際の遮蔽機構1の速度は、
vp={所望の膜厚の薄膜を基準となる点に形成するためにスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さ/(往復回数×2)}/Wp
を計算すると求めることができる。
vp={所望の膜厚の薄膜を基準となる点に形成するためにスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さ/(往復回数×2)}/Wp
を計算すると求めることができる。
S6で求めた基準となる点における遮蔽機構1の速度から、遮蔽機構1の速度の分布を求める(S7)。S2で求めた遮蔽機構1の速度の比率の分布に、S6で求めた基準となる点を開口部の中心が通過する時の遮蔽機構1の速度を当てはめると、遮蔽機構1の速度の分布を求めることができる。
S7で求めた遮蔽機構1の速度の分布と、S5で求めた開口部の形状とから、基板2に形成される薄膜の膜厚分布を求める(S8)。膜厚分布は、後述するシミュレーションによって算出する。
S8で求めた膜厚分布の所望の膜厚分布に対する誤差を求める(S9)。基板2表面に便宜上の点を複数個設定し、S8で求めた膜厚分布から導かれる膜厚と所望の膜厚分布から導かれる膜厚とのそれぞれの点における差を求める。この差は、それぞれの点における所望の膜厚に対する誤差である。
S9で求めた誤差の最大値を求める(S10)。S9で求めた、基板2表面の点における所望の膜厚に対する誤差のなかで、最大の値を求める。
求めた基準となる点を通過する開口部の幅の値が、与えられた条件を満たした最大値であるかどうかを検討する(S11)。詳細は後述するが、開口部の幅の値が与えられた条件を満たす真の最大値に対する許容範囲内に入っていると判断できた場合(YES)に、この操作は終了する。その結果、適切な開口部の形状と適切な遮蔽機構1の速度の分布とを求めることができる。開口部の幅の値が、与えられた条件を満たす真の最大値に対する許容範囲内に入っていると判断できない場合(NO)には、以下の操作を行う。
求めた基準となる点を通過する開口部の幅の値が、与えられた条件を満たした最大値であるかどうかを検討する(S11)。詳細は後述するが、開口部の幅の値が与えられた条件を満たす真の最大値に対する許容範囲内に入っていると判断できた場合(YES)に、この操作は終了する。その結果、適切な開口部の形状と適切な遮蔽機構1の速度の分布とを求めることができる。開口部の幅の値が、与えられた条件を満たす真の最大値に対する許容範囲内に入っていると判断できない場合(NO)には、以下の操作を行う。
S10で求めた誤差の最大値が、誤差の許容範囲に収まっているかどうかを確認する(S12)。求めた誤差の最大値が、誤差の許容範囲に収まっていない場合(NO)には、開口部の幅の値を小さい値に設定しなおし(S13)、再びS4以降の操作を行う。求めた誤差の最大値が誤差の許容範囲内に収まっている場合(YES)には、設定した開口部の幅の値を大きい値に設定しなおし(S13')、再びS4以降の操作を行う。
これらの操作は、図6に示したようにS11でYESの方向へ進み、終了するまで繰り返す。S11において行う判断の詳細について、以下に説明する。
基準となる点を通過する開口部の幅の値を、便宜上2種の集合に分ける。一方の集合を集合Aとし、集合Aに属する値をWaとする。集合Aは、形成される薄膜の膜厚分布に生じる所望の膜厚分布に対する誤差の値が、誤差の許容範囲に収まっている集合である。つまり、基準となる点を通過する開口部の幅がWaであった場合には、形成される薄膜の膜厚分布の誤差は許容範囲に収まっている。
基準となる点を通過する開口部の幅の値を、便宜上2種の集合に分ける。一方の集合を集合Aとし、集合Aに属する値をWaとする。集合Aは、形成される薄膜の膜厚分布に生じる所望の膜厚分布に対する誤差の値が、誤差の許容範囲に収まっている集合である。つまり、基準となる点を通過する開口部の幅がWaであった場合には、形成される薄膜の膜厚分布の誤差は許容範囲に収まっている。
他方の集合を集合Bとし、集合Bに属する値をWbとする。集合Bは、形成される薄膜の膜厚分布に生じる所望の膜厚分布に対する誤差の値が、誤差の許容範囲に収まらない集合である。つまり、基準となる点を通過する開口部の幅がWbであった場合には、形成される薄膜の膜厚分布の誤差は許容範囲に収まらない。
開口部の幅が小さいと誤差が小さくなるのであるから、誤差が小さい開口部の幅(Wa)は、誤差が大きい開口部の幅(Wb)よりも小さい値である(Wa<Wb)。つまり、集合Aの最大値は、集合Bの最小値より小さい値である。
図6に示した操作は、基板上に形成される薄膜の膜厚分布に生じる所望の膜厚分布に対する誤差の値が、誤差の許容範囲に収まる条件を満たし、かつ遮蔽機構1の速度が最大になる開口部の幅の値を求める操作である。誤差が許容範囲に収まる条件を満たしている場合には、開口部の幅の値は全て集合Aに属している。開口部の幅の値が大きくなると、遮蔽機構1の速度も速くすることができる。したがって、遮蔽機構1の速度が最大になるには、開口部の幅が最大であればよい。つまり、集合Aの最大値が求める値である。
ところで、遮蔽機構1は遮蔽機構移動制御手段3によって制御されているため、遮蔽機構移動制御手段3で制御できる精度よりも高い精度で制御することはできない。したがって、求める遮蔽機構1の速度の最大値は、この制御精度から導かれる精度まで求められていればよく、それ以上細かい精度まで求める必要はない。遮蔽機構1の速度と開口部の幅の値とは比例関係にあるため、開口部の幅の最大値についても、この制御精度から導かれる精度に比例した精度まで求められていればよい。したがって、開口部の幅の最大値は、遮蔽機構移動制御手段3の制御精度に比例した精度まで求めればよい。
つまり、開口部の幅の厳密な最大値に対してこの制御精度から求められるある所定の範囲に求めた値が入っていれば良いことになる。したがって、集合Aの厳密な最大値を求める必要は無く、厳密な最大値に対して,ある所定の範囲に入っている値を求めればよい。
集合Aの最大値を厳密に求めた場合の値をWmaxとする。遮蔽機構移動制御手段3による速度の制御精度から導き出した、求める基準となる点を通過する開口部の幅の厳密な最大値に対して許容できる範囲をdWとする。すると、求めた集合Aの最大値が、
(Wmax―dW)≦(集合Aの最大値)≦Wmax
の範囲にあれば、その値が条件を満たす開口部の幅の最大値であるとみなすことができる。
(Wmax―dW)≦(集合Aの最大値)≦Wmax
の範囲にあれば、その値が条件を満たす開口部の幅の最大値であるとみなすことができる。
ここで、集合Aと集合Bとの関係は(Wa<Wb)であるから、集合BとWmaxとの関係は(Wmax<Wb)である。集合Aの最大値と集合Bの最小値とを比較して、
(集合Bの最小値−dW)≦(集合Aの最大値)
となった場合には、
(Wmax―dW)<(集合Bの最小値−dW)≦(集合Aの最大値)≦Wmax<(集合Bの最小値)
となる。すなわち、(集合Aの最大値)は、許容範囲に入っていることが分かる。つまり、このときの(集合Aの最大値)が求める値である。したがって、上の式を変形すると、
(集合Bの最小値−集合Aの最大値)≦dW
であれば、集合Aの最大値は、許容範囲に入っていることがわかる。
(集合Bの最小値−dW)≦(集合Aの最大値)
となった場合には、
(Wmax―dW)<(集合Bの最小値−dW)≦(集合Aの最大値)≦Wmax<(集合Bの最小値)
となる。すなわち、(集合Aの最大値)は、許容範囲に入っていることが分かる。つまり、このときの(集合Aの最大値)が求める値である。したがって、上の式を変形すると、
(集合Bの最小値−集合Aの最大値)≦dW
であれば、集合Aの最大値は、許容範囲に入っていることがわかる。
したがって、上式を満足する場合の集合Aの最大値が、基準となる点を通過する開口部の幅の値である。また、この条件を満たしたときに、図6に示した操作は終了することができる。そして、この集合Aの最大値を用いて求めた開口部の形状が、適切な開口部の形状である。さらに、この集合Aの最大値を用いて求めた遮蔽機構1の速度分布が、適切な遮蔽機構1の速度分布である。
図6に示した操作のうち、S8の操作は、薄膜を形成するシミュレーションを用いることによって、薄膜の膜厚分布を求める。シミュレーションを用いて膜厚分布を求める方法を以下に説明する。
シミュレーションでは、基板2の表面に便宜上の測定点を設け、形成される薄膜のそれぞれの点における膜厚を算出する。そのために、それぞれの点にスパッタリング粒子6が堆積する時間を計算する。基板2の表面に互いに直交する格子を便宜的に設け、その格子同士の交点を測定点とする方法を用いる。
開口部の形状と遮蔽機構1の速度分布とから、それぞれの測定点に対してスパッタリング粒子6を堆積させる時間を計算する。遮蔽機構1の移動中におけるそれぞれの測定点、開口部およびターゲット5の位置関係の時間変化を求める。この位置関係の時間変化から、ターゲット5と測定点とを結ぶ直線上に開口部が存在する時間の長さを算出する。この時間は、スパッタリング粒子6がそれぞれの測定点に堆積する時間の長さである。
スパッタリング粒子6を堆積させる時間にスパッタリング粒子6が堆積する速度を掛けた値が薄膜の膜厚に比例することは既に述べた。つまり、それぞれの測定点にスパッタリング粒子6を堆積させる時間を算出することによって、それぞれの測定点に形成される薄膜の膜厚を求めることができる。このようにして、開口部の形状と遮蔽機構1の速度分布とを用いて、基板2に形成される薄膜の膜厚分布を求めることができる。
以上説明した方法によって、形成される膜厚分布の誤差が許容範囲に収まる条件を満たす中で、遮蔽機構1の速度が最大になる開口部の形状と遮蔽機構1の速度分布とを求めることができる。したがって、求めた開口部の形状と遮蔽機構1の速度分布とを用いて薄膜を形成する時間の効率は良好である。
以上説明した方法を具体的な例を用いて説明する。
図4は透過型光学フィルタの例を示す概念図である。図4(1)は、透過率分布を示す図である。図4(1)の下方に示されている実線は、フィルタの中心を通るX方向の直線上の透過率分布である。この例では、X方向の透過率分布は、フィルタの中心を通るX方向の直線上の透過率分布に比例している。また、Y方向の透過率分布は、フィルタの中心点を通るY方向の直線上の透過率分布に比例している。
図4は透過型光学フィルタの例を示す概念図である。図4(1)は、透過率分布を示す図である。図4(1)の下方に示されている実線は、フィルタの中心を通るX方向の直線上の透過率分布である。この例では、X方向の透過率分布は、フィルタの中心を通るX方向の直線上の透過率分布に比例している。また、Y方向の透過率分布は、フィルタの中心点を通るY方向の直線上の透過率分布に比例している。
図4(2)は図4(1)に示した透過率分布に対応した膜厚分布を示す図である。図4(2)の下方および右方に示されている実線は、それぞれフィルタの中心を通るX方向およびY方向の直線上の膜厚分布である。図4(2)に示した例では、薄膜材料にAl2O3を用いている。Al2O3を薄膜材料に使用した場合には、透過率の高い部分では膜厚を薄くし、透過率の低い部分では膜厚を厚くする。図4(1)と図4(2)とを比較すると分かるように、透過率の最も高い基板2の周辺部で最も薄く(10Å)、透過率の最も低い基板2の中心で最も厚い(100Å)。図4(1)に示した透過率分布と同様に、基板2のX方向の膜厚分布は、基板2の中心点を通るX方向の直線上の膜厚分布に比例している。また、基板2のY方向の膜厚分布は、基板2の中心を通るY方向の直線上の膜厚分布に比例している。
この透過型光学フィルタにおける膜厚に対する誤差の許容範囲は、±3%である。この値は、投影露光装置の仕様から求めたものである。また、開口部の幅の最大値を求める際の、開口部の幅の厳密な最大値に対する許容範囲は、±5%である。この値は、遮蔽機構移動制御手段3の制御精度から求めたものである。この実施例に示した成膜装置では、基板2の表面に薄膜を形成する速度は、0.1Å/secである。遮蔽機構1の往復回数を5回とし、基準となる点を基板2の中心部とする。
図6に示した方法に沿って、開口部の形状と遮蔽機構1の速度分布を求める方法を説明する。
まず、開口部の幅の比率の分布を求める(S1)。図4(2)において基板の中心を通るY方向の直線上における膜厚は中心部が100Åであり、両端部が10Åである。つまり、比率としては中心部を1とすると、両端部は0.1である。したがって、開口部の幅の比率は膜厚分布に比例するため、中心部の幅を1とすると、両端の部分の幅は0.1という比率である。他の部分においては、同様に中心部の膜厚に対して比例する関係であるため、開口部の比率の値は、中心部の膜厚に対する各部分の膜厚の比率と等しいことから求められる。
まず、開口部の幅の比率の分布を求める(S1)。図4(2)において基板の中心を通るY方向の直線上における膜厚は中心部が100Åであり、両端部が10Åである。つまり、比率としては中心部を1とすると、両端部は0.1である。したがって、開口部の幅の比率は膜厚分布に比例するため、中心部の幅を1とすると、両端の部分の幅は0.1という比率である。他の部分においては、同様に中心部の膜厚に対して比例する関係であるため、開口部の比率の値は、中心部の膜厚に対する各部分の膜厚の比率と等しいことから求められる。
次に、遮蔽機構1の速度の比率の分布を求める(S2)。図4(2)において基板の中心を通るX方向の直線上における膜厚は中心部が100Åであり、両端部が10Åである。つまり、比率としては中心部を1とすると、両端部は0.1である。したがって、遮蔽機構1の速度の比率の分布は膜厚分布に反比例するため、中心部を開口部の中心線が通過する遮蔽機構1の速度を0.1とすると、両端の部分を開口部の中心線が通過する遮蔽機構1の速度は1という比率である。他の部分においては、同様に中心部の膜厚に対して反比例する関係であるため、遮蔽機構1の速度の比率の分布は、中心部の膜厚に対する各部分の膜厚の比率に反比例する値である。
基準となる点を通過する開口部の幅の値を、まず10mmに設定する(S3)。
基準となる点を通過する開口部の幅の値(=10mm)から、開口部の幅の分布を求める(S4)。S1で求めた開口部の幅の比率の分布に、基準となる点を通過する開口部の幅の値(=10mm)を当てはめる。すると、基板2の中心部を通過する部分の開口部の幅は、設定した10mmである。両端の部分は、中心部に対する比率(0.1)から、1mmと求められる。その他の部分に関しても、膜厚分布に比例した幅を求めることができる。
基準となる点を通過する開口部の幅の値(=10mm)から、開口部の幅の分布を求める(S4)。S1で求めた開口部の幅の比率の分布に、基準となる点を通過する開口部の幅の値(=10mm)を当てはめる。すると、基板2の中心部を通過する部分の開口部の幅は、設定した10mmである。両端の部分は、中心部に対する比率(0.1)から、1mmと求められる。その他の部分に関しても、膜厚分布に比例した幅を求めることができる。
求めた幅の分布から開口部の形状を求める(S5)。開口部の形状は、既に述べたように、各部分における開口部の幅の中心をY方向の同一直線上に並べた形状にする。
基準となる点を通過する開口部の幅(=10mm)から、基準となる点を開口部の中心線が通過する際の遮蔽機構1の速度を求める(S6)。速度を求める式は、
Wp(=10mm) /{(所望の膜厚の薄膜を形成するためにスパッタリング粒子6を堆積させるための時間(={100Å/(0.1Å/sec)}=1000sec))/(往復回数(=5回)×2)}
である。これを計算すると、基準となる点を開口部の中心線が通過する時の遮蔽機構1の速度は、0.1mm/secと求めることができる。
基準となる点を通過する開口部の幅(=10mm)から、基準となる点を開口部の中心線が通過する際の遮蔽機構1の速度を求める(S6)。速度を求める式は、
Wp(=10mm) /{(所望の膜厚の薄膜を形成するためにスパッタリング粒子6を堆積させるための時間(={100Å/(0.1Å/sec)}=1000sec))/(往復回数(=5回)×2)}
である。これを計算すると、基準となる点を開口部の中心線が通過する時の遮蔽機構1の速度は、0.1mm/secと求めることができる。
求めた遮蔽機構1の速度から、遮蔽機構1の速度の分布を求める(S7)。S2で求めた遮蔽機構1の速度の比率の分布に、基準となる点を開口部の中心が通過する時の遮蔽機構1の速度(=0.1mm/sec)を当てはめると、遮蔽機構1の速度の分布を求めることができる。
S5で求めた開口部の形状と、S7で求めた遮蔽機構1の速度の分布とから、基板2に形成される薄膜の膜厚分布をシミュレーションによって求める(S8)。図7(3)は、シミュレーションの測定点の配置を示す概念図である。シミュレーションでは、図7(3)に示すように、便宜上、基板2の表面に1mm間隔の二次元の格子を設け、その格子の交点を測定点とした。開口部が5往復した際に形成される薄膜の膜厚は、各測定点にスパッタリング粒子6が堆積する時間の長さを、それぞれの測定点ごとに計算すると求めることができる。つまり、それぞれの測定点において、図2(3)に示したように、ターゲット5と点Pとの間に開口部が存在している時間の長さを計算する。図7(1)は、シミュレーションによって求めた膜厚分布の一例を示す概念図である。膜厚分布を求めると、図7(1)に示したようになった。
所望の膜厚分布に対するS8で求めた膜厚分布の誤差を求める(S9)。図4(2)に示した所望の膜厚分布と図7(1)に示した膜厚分布とを比較する。図7(1)下方に、求めた膜厚分布のうち、基板の中心を通るX方向の直線上の膜厚分布を実線で示している。また、比較のため、S8で求めた膜厚分布を破線で示している。実線と破線とを比較すると、膜厚の差を求めることができる。この二つの分布の差が所望の膜厚分布に対する誤差である。
求めた誤差の最大値を求める(S10)。S9で求めた、基板2表面の点における所望の膜厚に対する誤差のなかで、最大の値は、10.2%であった。
求めた基準となる点を通過する開口部の幅の値が、求める値の許容範囲にはいっているかどうかを検討する(S11)。集合Aの最大値と集合Bの最小値を比較する操作であるから、値が一個の場合は省略しS12の操作を行う。
求めた基準となる点を通過する開口部の幅の値が、求める値の許容範囲にはいっているかどうかを検討する(S11)。集合Aの最大値と集合Bの最小値を比較する操作であるから、値が一個の場合は省略しS12の操作を行う。
求めた誤差の最大値と、誤差の許容範囲とを比較し、誤差の最大値が誤差の許容範囲に収まっているかどうかを確認する(S12)。誤差の許容範囲は、3%であり、求めた誤差の最大値は10.2%であるため、誤差の許容範囲に収まっていない。したがって、NOを選択する。
開口部の幅の値を10mmよりも小さい値に設定しなおす(S13)。基準となる点を通過する部分の開口部の幅を5mmと設定し、再びS4以降の操作を行う。詳細は省略するが、薄膜の膜厚分布の所望の膜厚分布に対する誤差の最大値は、5%であった。この値も、誤差の許容範囲に入っていない。したがって、開口部の幅の値を5mmよりも小さい値に設定しなおす(S13)。
基準となる点を通過する部分の開口部の幅を2.5mmと設定し、再びS4以降の操作を行う。詳細は省略するが、薄膜の膜厚分布の所望の膜厚分布に対する誤差の最大値は、2.5%であった。この値は、誤差の許容範囲に入っている。そこで、開口部の幅の値を、許容範囲内における最大値を求めるため、2.5mmよりも大きい値にする。
開口部の幅の値を、3mmと設定し、再びS4以降の操作を行う。薄膜の膜厚分布の所望の膜厚分布に対する誤差の最大値は、3%であった。この値は誤差の許容範囲に収まっているため、開口部の幅3.0mmは、集合Aに属し、その集合Aの最大値である。そこで、開口部の幅の値を、許容範囲内における最大値を求めるため、3mmよりも大きい値にする。
基準となる点を通過する部分の開口部の幅の値を3.15mmと設定し、再びS4以降の操作を行う。詳細は省略するが、薄膜の膜厚分布の所望の膜厚分布に対する誤差の最大値は、3.2%であった。この値は誤差の許容範囲に収まっていないため、開口部の幅3.15mmは、集合Bに属し、その集合Bの最小値である。
この時点で、求めた集合Aの最大値である3.0mmと集合Bの最小値である3.15mmとを比較する(S11)。(3.15mm-3.0mm)=0.15mmであり、(0.15/3.0)=5%である。この値は、(集合Bの最小値−集合Aの最大値)≦dW(=5%)を満たしている。つまり、開口部の幅の許容範囲に入っていることが確認できた。したがって、S11はYESであり、図6の操作はこの時点で終了する。
このように、図4に示した透過型光学フィルタの例では、基準となる点を通過する開口部の幅の値は、3.0mmであることが求められた。また、この開口部の幅の値から、基準となる点を開口部の中心線が通過する時の遮蔽機構1の速度は、0.03mm/secである。これらの値をそれぞれ、基板2の中心部を通過する部分の開口部の幅と、基板2の中心部を開口部の中心線が通過する時の遮蔽機構1の速度に当てはめ、それぞれの分布の他の値を決定する。
図5は、本実施例において求めた、開口部の形状および遮蔽機構1の速度の分布の一例を示す概念図である。図4に示した透過型光学フィルタの例に対して求めた開口部の形状を図5(1)に示す。開口部の幅は、中心部で3mmで最も外側で0.3mmである。また、開口部の形状は、その中心線に対して、線対称の形状である。
求めた遮蔽機構1の速度分布を図5(3)に示す。基板2の中心部を開口部の中心線が通過する際の遮蔽機構1の速度は、0.03mm/secであり、基板2の最外縁部を開口部の中心線が通過する際の遮蔽機構1の速度は、0.3mm/secである。図5(1)に示した形状の開口部を用いて、図5(3)に示した速度分布で遮蔽機構1を制御すると、図5(2)に示した薄膜を形成することができる。
薄膜を形成するのに要する時間の長さは、遮蔽機構1の一回の移動に要する時間の長さから求められる。遮蔽機構1の一回の移動に要する時間の長さを求めると、約17分であった。薄膜形成には5往復させるため、薄膜を形成するのに必要な時間の長さは、17分×5×2=170分である。
特開平10-26698号公報に開示された従来の方法によって、図4に示した膜厚分布の薄膜を基板上に形成する場合において必要な時間を比較のために求める。この方法では、開口部を2次元方向に移動させて薄膜を形成する方法のため、開口部の大きさによって形成される薄膜の膜厚分布の精度が決まる。
前述した本実施例と同等の精度で、薄膜を形成するためには、3mm角の開口部の大きさが必要である。この方法では、開口部を所定の位置に移動させ、その箇所に形成する薄膜の膜厚に比例した時間だけ開口部を滞留させる必要がある。その後、隣接する部分に開口部を移動させ、移動させた箇所に応じた時間だけ滞留させる。
この操作を繰り返すため、その滞留時間を積算した時間が、薄膜形成に必要な時間である。図4に示した基板2の表面を3mm角の開口部で埋め尽くす操作においては、約1200箇所に開口部を滞留させる必要がある。また、開口部を滞留させる時間の長さは最も短い箇所で100秒である。この3mm角の開口部を用いて、前述した条件と同等の装置によって、図4に示した薄膜を基板上に形成するためには、約5000分の時間がかかる(詳細は省く)。
これに対し、既に説明したように、本実施例では、図4に示した薄膜を形成するために必要な時間は、約170分である。従来の方法の約5000分に比べると、薄膜を形成する時間が非常に短縮され、時間効率は良好である。
ところで、ターゲット5から放出されたスパッタリング粒子6を基板2に堆積させて薄膜を形成する際、基板2の表面上の位置によってスパッタリング粒子6が堆積する速度が異なる場合がある。スパッタリング粒子6が堆積する位置とターゲット5との距離によって、スパッタリング粒子6が堆積する速度が異なるからである。その距離が短い場合には堆積する速度が速くなり、距離が長い場合には堆積する速度が遅くなる。ターゲット5と基板2の表面との距離は等距離ではない場合が多いため、堆積する速度が基板2表面上で不均一な場合が多い。
このように、基板2上の位置に応じてスパッタリング粒子6が堆積する速度が異なる場合には、これまで説明した方法に加えて、基板2上にスパッタリング粒子6が堆積する速度に対する補正を行う必要がある。スパッタリング粒子6が堆積する速度が不均一である場合には、これまで説明した方法で薄膜を形成させると、形成される薄膜の膜厚が、所望の膜厚と部分的に異なってしまうからである。つまり、堆積する速度が速い部分では、所望の膜厚よりも厚い薄膜が形成され、堆積する速度が遅い部分では、所望の膜厚よりも薄い薄膜が形成されてしまう。
本実施形態によれば、スパッタリング粒子6が堆積する速度が不均一な場合に対する補正を行うことが可能である。以下にその補正方法を説明する。
基板2上の任意の点Pにおいて、点P上にスパッタリング粒子6が堆積する速度をspとし、点Pに形成する薄膜の所望の膜厚をhpとする。点Pに所望の膜厚の薄膜を形成するために必要な、スパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さは、(hp/sp)である。つまり、点Pに(hp/sp)から算出される時間の長さだけスパッタリング粒子6を堆積させると、点Pに形成される薄膜の膜厚は、所望の膜厚になる。既に説明した方法の中では、スパッタリング粒子6が堆積する速度が基板2上でいたるところ一定としていた。つまりspが定数であることから、堆積する時間(hp/sp)は、基板2上のどの部分においても所望の膜厚分布に比例するとして計算していた。
基板2上の任意の点Pにおいて、点P上にスパッタリング粒子6が堆積する速度をspとし、点Pに形成する薄膜の所望の膜厚をhpとする。点Pに所望の膜厚の薄膜を形成するために必要な、スパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さは、(hp/sp)である。つまり、点Pに(hp/sp)から算出される時間の長さだけスパッタリング粒子6を堆積させると、点Pに形成される薄膜の膜厚は、所望の膜厚になる。既に説明した方法の中では、スパッタリング粒子6が堆積する速度が基板2上でいたるところ一定としていた。つまりspが定数であることから、堆積する時間(hp/sp)は、基板2上のどの部分においても所望の膜厚分布に比例するとして計算していた。
しかし、スパッタリング粒子6が堆積する速度(sp)が不均一な場合には、基板2上において、spは定数ではない。そのため、(hp/sp)はhpに比例しない。すなわち、堆積する時間の長さは、所望の膜厚分布に比例しないことになる。
したがって、スパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さの分布を求める必要がある。基板2上のそれぞれの部分における(hp/sp)から、それぞれの部分にスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さを算出する。この値から、スパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さの分布を求める。この分布に応じた時間の長さで、スパッタリング粒子6を堆積させることができれば、所望の膜厚分布の薄膜を基板2上に形成することができる。
基板2上のそれぞれの部分におけるスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さは、既に述べた方法と同様に、開口部の形状と遮蔽機構1の速度分布とから制御することができる。図8は基板2に形成する薄膜に関する値の分布を示す概念図である。図8(1)は所望の膜厚分布、図8(2)はスパッタリング粒子6が基板2に堆積する速度の分布、図8(3)はスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さの分布を示している。図8(2)の右方に示したグラフは、基板2の中心部を通る直線上にスパッタリング粒子6が堆積する速度の分布を示している。
図8(1)および図8(2)に示した分布から、スパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さ(h/s)を計算すると、図8(3)に示す分布となる。図8(3)の右方および下方に示したグラフは、基板2の中心部を通るX方向およびY方向の直線上にスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さの分布をそれぞれ示している。細い実線が、所望の膜厚分布の比率であり、太い実線が、スパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さの比率の分布である。
スパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さの分布から、開口部の幅の比率の分布および遮蔽機構1の速度の比率の分布を求める。既に説明したように、開口部の幅の分布は、Y方向におけるスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さの分布に比例する。また、遮蔽機構1の速度の分布は、X方向におけるスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さの分布に反比例する。この関係から、それぞれの比率の分布を求めることができる。
開口部の形状と、遮蔽機構1の速度分布の求め方は、図6を用いて説明した方法とほぼ同様である。そこで、図6に示した方法を用いて、基準となる点における開口部の幅の値と遮蔽機構1の速度の値を求め、その他の部分の分布の値を決定する。この場合、所望の膜厚分布に比例または反比例する値は、スパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さの分布に比例または反比例する値と読み替えて処理する。
このようにして求めた、開口部の形状と遮蔽機構1の速度分布を基に、薄膜を形成すると、適切な膜厚分布の薄膜を形成することができた。スパッタリング粒子6が堆積する速度が基板2上の位置に対して不均一である場合でも、適切な膜厚分布の薄膜を形成することができ、薄膜を形成する時間効率は良好である
図9は、本実施例の第二の実施形態を示す概略図である。図9に示したように、遮蔽機構21、基板22、基板移動制御手段23が真空容器4内に配置されている。その他の構成については、実施例1と同様であるので省略する。
第二の実施形態は、開口部を有する遮蔽機構21を固定し、基板移動制御手段23を用いて基板22を移動させる構成である。つまり、遮蔽機構21に設けられた開口部は移動しないため、ターゲット5に対して常に同じ位置にある。また、基板22は、固定されている開口部に対して相対的に移動する。
基板22表面のある点にスパッタリング粒子6が堆積するには、基板22表面のある点とターゲット5とを結ぶ直線上に開口部が存在する必要がある。これは実施例1と同様である。基板22表面のある点とターゲット5とを結ぶ直線は、基板22に伴って移動する。開口部に対する基板22の相対的な位置関係と開口部の形状によって、基板22表面のある点とターゲット5とを結ぶ直線上に開口部が存在するか否かが決まる。開口部に対する基板22の相対的な位置関係は、開口部に対する相対的な基板22の移動速度分布によって制御することができる。
つまり、開口部の形状および開口部に対する相対的な基板22の移動速度分布を制御することによって、スパッタリング粒子6を基板22に堆積させる時間の長さの分布を制御することができる。薄膜の膜厚はスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さに比例する。そのため、堆積させる時間の長さの分布を制御することによって基板22に形成する薄膜の膜厚分布を制御することができる。
所望の膜厚分布の薄膜を形成するための開口部の形状および基板22の移動速度分布は、実施例1で説明した方法と同様の方法によって求めることができる。まず、基板22表面にスパッタリング粒子6が堆積する速度が均一な場合について説明する。
開口部を通してスパッタリング粒子6が基板22表面に堆積する際には、ターゲット5を原点として開口部の形状を基板22表面に投影した部分に、スパッタリング粒子6が堆積する。開口部の中心線を基板22表面のある点Oが通過する際の、基板22の速度の平均値をvoとし、点Oが通過する開口部の幅をWoとする。スパッタリング粒子6が点Oに堆積する時間の長さは、Wo/voである。この式は、実施例1における点Pに対するスパッタリング粒子6を堆積させる時間の長さの式と同一である。
したがって、所望の膜厚分布の薄膜を形成するために必要な、基板22の移動速度の分布および開口部の形状は、実施例1における、遮蔽機構1の速度の分布および開口部の形状と相違ないとして差し支えない。このためこれらの値は、実施例1の方法で求めた遮蔽機構1の移動速度の分布を基板22の移動速度の分布として用い、実施例1の方法で求めた開口部の形状を本実施例の開口部の形状として用いればよい。
図4(2)に示した膜厚分布の薄膜を形成する場合には、開口部の形状および基板22の速度分布は、実施例1で求めたものと同一である。つまり、開口部の形状は、図 (1)に示されたものと同じであり、基板22の速度分布は、図 (2)に示されたものと同じである。これらの算出結果を、それぞれ、開口部の形状および基板22の速度分布として用いて薄膜を形成する。そのようにすると、所望の膜厚分布を有する薄膜を基板2上に形成することができる。
この例においては、実施例1の場合と同様に、約170分で薄膜を形成することができる。実施例2においても、薄膜を形成するために必要な時間を従来に比べて短くすることができるので、時間効率は良好である。
実施例2においては、基板22上の位置に応じてスパッタリング粒子6が堆積する速度が異なる場合には、基板22上にスパッタリング粒子6が堆積する速度に対する補正を行う必要がある。スパッタリング粒子6が堆積する速度の不均一性に対する補正操作を行うことにより、適切な膜厚分布の薄膜を形成することができる。
実施例1で述べた通り、スパッタリング粒子6が堆積する速度は、ターゲット5と堆積する箇所との距離によって異なる。本実施形態では、開口部とターゲット5との位置関係は固定されている。また、基板22の表面はその表面と同一の平面上を移動する。そのため、開口部を通過して基板22の表面に堆積するスパッタリング粒子6は、基板22の表面と同一の平面上に堆積する。この堆積箇所は、ターゲット5との位置関係は常に同じである。つまり、堆積箇所とターゲット5との距離は、時間変化せず、開口部の対応する箇所に応じた長さの分布になっている。したがって、スパッタリング粒子6の堆積する速度の補正には、開口部内の位置に対応した堆積時間の補正を行う。
適切な膜厚の薄膜を形成するために、スパッタリング粒子6を堆積させる時間を調整させる必要がある。開口部のある部分点Aを通過する基板2上のある点を点Pとする。点Pに形成させる薄膜の所望の膜厚をhpとする。点Aを通過して基板2上に堆積する速度をsaとする。基板2上に堆積する速度が均一な速度sであるとして算出した開口部の幅をWAとする。その条件で求めた基板2の移動速度をvaとする。
点Pに堆積させる時間の長さは、(hp/s)から求めている。この時間の長さから開口部の幅WAを求めると、
WA={(hp/s)×va}
となる。ところが、点Aを通して堆積する速度はsではなく、saである。この条件では、形成される薄膜の膜厚は、
(WA/va)×sa≠(WA/va)×s=hp
となる。つまり、s≠saであると、点Pに形成される薄膜の膜厚は所望の膜厚hpとは異なる膜厚になる。
WA={(hp/s)×va}
となる。ところが、点Aを通して堆積する速度はsではなく、saである。この条件では、形成される薄膜の膜厚は、
(WA/va)×sa≠(WA/va)×s=hp
となる。つまり、s≠saであると、点Pに形成される薄膜の膜厚は所望の膜厚hpとは異なる膜厚になる。
そこで、開口部の幅を堆積させる速度に反比例した値、すなわち
{WA×(s/sa)}
にすると、
{WA×(s/sa)}/va×sa=(WA/va)×s=hp
となり、所望の膜厚を形成することができる。つまり、スパッタリング粒子6が通過する堆積する速度に応じて、そのスパッタリング粒子6が通過する位置の開口部の幅を、堆積する速度に反比例させると、所望の膜厚に補正することができる。
{WA×(s/sa)}
にすると、
{WA×(s/sa)}/va×sa=(WA/va)×s=hp
となり、所望の膜厚を形成することができる。つまり、スパッタリング粒子6が通過する堆積する速度に応じて、そのスパッタリング粒子6が通過する位置の開口部の幅を、堆積する速度に反比例させると、所望の膜厚に補正することができる。
このようにして求めた開口部の幅の分布から、開口部の形状を求める。求めた形状の開口部を遮蔽機構に設け、薄膜を形成する。このようにすると、堆積する速度が不均一な場合でも、適切な膜厚分布の薄膜を形成することができ、薄膜を形成する時間効率も良好である。
図11は、本発明の光学系を用いた投影露光装置の概念図である。投影露光装置は、フォトレジストを表面に塗布したウェハ上にレチクルのマスクパターンを縮小投影露光する装置である。
図11で、100はエキシマレーザ等の真空紫外光を射出する光源、Rはマスクパターンを備えたレチクル、101は光源100からの光をレチクルRに照射する照明光学系、Wはフォトレジスト701を表面に塗布したウェハ、500はレチクルRのマスクパターンをウェハW上に縮小投影露光する投影光学系、301はウェハWを移動させるウェハステージ、201はレチクルRを移動させるレチクルステージである。
光源100から射出された真空紫外光は、照明光学系101で整形・均一化された後、レチクルRに照射され、レチクルRを透過する。投影光学系500は、レチクルRを透過した光をウェハWに照射することによって、レチクルRのマスクパターンをウェハWの表面に縮小投影露光する。
透過型光学フィルタは、照明光学系において、露光面に共役な面に配置する。本発明により基板上に所望の透過率分布を実現する薄膜を形成した透過型光学フィルタを配置すると、露光面における光強度分布の均一性は良好になる。また、透過型光学フィルタを製造する時間は、従来の方法に比べて短縮されるので、投影露光装置を製造する際の時間効率が良好になる。
さらに、補正すべき光強度分布が変化した場合には、透過型光学フィルタを変更する必要が生じる。その場合においても、異なる透過率分布を有する透過型光学フィルタを製造する時間が短いので、その対応が早い。したがって、メンテナンスにおける時間効率も良好である。
1、21 遮蔽機構
2、22 基板
3、23 遮蔽機構移動手段
4 真空容器
5 ターゲット
6 スパッタリング粒子
9 バルブ
12 真空ポンプ
13 圧力計
2、22 基板
3、23 遮蔽機構移動手段
4 真空容器
5 ターゲット
6 スパッタリング粒子
9 バルブ
12 真空ポンプ
13 圧力計
Claims (19)
- 真空容器内に配置された基板上に成膜ソースから発生させた成膜粒子を堆積させて薄膜を形成する成膜工程と、開口部を有する遮蔽手段を用いて前記成膜ソースと前記基板との間の空間の一部を遮蔽する遮蔽工程とを有する薄膜の製造方法において、
前記遮蔽工程は、前記開口部を前記成膜工程中に前記基板に対して相対的に移動させる開口部移動工程を含み、
前記開口部の形状は、前記成膜工程における前記基板の表面での前記薄膜の形成速度分布と前記基板上に形成する薄膜の所望の膜厚分布との少なくともどちらか一方に基づく形状であることを特徴とする薄膜の製造方法。 - 請求項1の薄膜の製造方法において、
前記開口部が相対的に移動する方向の前記開口部の幅は、前記形成速度分布から導き出される形成速度に基づいているのであって、
前記形成速度が速い基板上の箇所に対応する部分では、前記形成速度が遅い基板上の箇所に対応する部分よりも狭く、前記形成速度が遅い基板上の箇所に対応する部分では、前記形成速度が速い基板上の箇所に対応する部分よりも広いことを特徴とする薄膜の製造方法。 - 請求項1の薄膜の製造方法において、
前記開口部が相対的に移動する方向の前記開口部の幅は、前記膜厚分布から導き出される膜厚に基づいているのであって、
前記膜厚が厚い基板上の箇所に対応する部分では、前記膜厚が薄い基板上の箇所に対応する部分よりも広く、前記膜厚が薄い基板上の箇所に対応する部分では、膜厚が厚い基板上の箇所に対応する部分よりも狭いことを特徴とする薄膜の製造方法。 - 請求項1の薄膜の製造方法において、
前記開口部が相対的に移動する方向の前記開口部の幅は、前記膜厚分布および前記形成速度分布から導き出される堆積時間に基づいているのであって、
前記堆積時間が長い基板上の箇所に対応する部分では、前記堆積時間が短い基板上の箇所に対応する部分よりも広く、前記堆積時間が短い基板上の箇所に対応する部分では、前記堆積時間が長い基板上の箇所に対応する部分よりも狭いことを特徴とする薄膜の製造方法。 - 請求項1の薄膜の製造方法において、
前記開口部移動工程は、前記開口部の前記基板に対する相対的な移動速度を移動中に変更する工程であることを特徴とする薄膜の製造方法。 - 請求項5の薄膜の製造方法において、
前記開口部移動工程は、前記形成速度分布から導き出される形成速度に基づいて前記移動速度を変更する工程であって、
前記形成速度が速い基板上の箇所を通過する部分では、形成速度が遅い基板上の箇所を通過する部分よりも速く、前記形成速度が遅い基板上の箇所を通過する部分では、形成速度が速い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く開口部を移動させる工程であることを特徴とする薄膜の製造方法。 - 請求項5の薄膜の製造方法において、
前記開口部移動工程は、前記膜厚分布から導き出される膜厚に基づいて前記移動速度を変更する工程であって、
前記膜厚が薄い基板上の箇所を通過する部分では、前記膜厚が厚い基板上の箇所を通過する部分よりも速く、前記膜厚が厚い基板上の箇所を通過する部分では、前記膜厚が薄い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く開口部を移動させる工程であることを特徴とする薄膜の製造方法。 - 請求項5の薄膜の製造方法において、
前記開口部移動工程は、前記膜厚分布および前記形成速度分布から導き出される堆積時間に基づいているのであって、
前記堆積時間が長い基板上の箇所を通過する部分では、前記堆積時間が短い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く、前記堆積時間が短い基板上の箇所を通過する部分では、前記堆積時間が長い基板上の箇所を通過する部分よりも速く開口部を移動させる工程であることを特徴とする薄膜の製造方法。 - 基板を保持する基板保持手段と、薄膜の材料から成膜粒子を発生させる成膜ソースと、前記基板保持手段と前記成膜ソースとの間に開口部を設けた遮蔽手段とを真空容器内に設置した薄膜製造装置において、
前記開口部を前記基板に対し相対的に移動させる駆動手段を有し、
前記開口部は前記基板上の前記薄膜の形成速度分布と前記基板上に形成する所望の膜厚分布との少なくともどちらか一方に基づく形状であることを特徴とする薄膜製造装置。 - 請求項9の薄膜製造装置において、
前記開口部の基板に対する相対的な移動方向の前記開口部の幅は、前記形成速度分布から導き出される形成速度に基づいているのであって、
前記形成速度が速い基板上の箇所に対応する部分では、前記形成速度が遅い基板上の箇所に対応する部分よりも狭く、前記形成速度が遅い基板上の箇所に対応する部分では、前記形成速度が速い基板上の箇所に対応する部分よりも広いことを特徴とする薄膜製造装置。 - 請求項9の薄膜製造装置において、
前記開口部の基板に対する相対的な移動方向の前記開口部の幅は、前記膜厚分布から導き出される膜厚に基づいているのであって、
前記膜厚が厚い基板上の箇所に対応する部分では、前記膜厚が薄い基板上の箇所に対応する部分よりも広く、前記膜厚が薄い基板上の箇所に対応する部分では、膜厚が厚い基板上の箇所に対応する部分よりも狭いことを特徴とする薄膜製造装置。 - 請求項9の薄膜製造装置において、
前記開口部の基板に対する相対的な移動方向の前記開口部の幅は、前記膜厚分布および前記形成速度分布から導き出される堆積時間に基づいているのであって、
前記堆積時間が長い基板上の箇所に対応する部分では、前記堆積時間が短い基板上の箇所に対応する部分よりも広く、前記堆積時間が短い基板上の箇所に対応する部分では、前記堆積時間が長い基板上の箇所に対応する部分よりも狭いことを特徴とする薄膜製造装置。 - 請求項9の薄膜製造装置において、
前記駆動手段は、前記開口部を移動させる移動手段と前記開口部の移動速度を変更できる移動速度制御手段とを含むことを特徴とする薄膜製造装置。 - 請求項9の薄膜製造装置において、
前記駆動手段は、前記基板保持手段を移動させる移動手段と前記基板保持手段の移動速度を変更できる移動速度制御手段とを含むことを特徴とする薄膜製造装置。 - 請求項1の薄膜製造装置において、
前記駆動手段は、前記形成速度分布から導き出される形成速度に基づいて開口部の移動速度を制御する手段であって、
前記開口部の移動速度を、前記形成速度が速い基板上の箇所を通過する部分では、前記形成速度が遅い基板上の箇所を通過する部分よりも速く、前記形成速度が遅い基板上の箇所を通過する部分では、前記形成速度が速い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く制御する手段であることを特徴とする薄膜製造装置。 - 請求項1の薄膜製造装置において、
前記駆動手段は、前記膜厚分布から導き出される膜厚に基づいて開口部の移動速度を制御する手段であって、
前記開口部の移動速度を、前記膜厚が厚い基板上の箇所を通過する部分では、前記膜厚が薄い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く、前記膜厚が薄い基板上の箇所を通過する部分では、前記膜厚が厚い基板上の箇所を通過する部分よりも速く制御する手段であることを特徴とする薄膜製造装置。 - 請求項1の薄膜製造装置において、
前記駆動手段は、前記膜厚分布および前記形成速度分布から導き出される堆積時間に基づいて制御する手段であって、
前記開口部の移動速度を、前記堆積時間が長い基板上の箇所を通過する部分では、前記堆積時間が短い基板上の箇所を通過する部分よりも遅く、前記堆積時間が短い基板上の箇所を通過する部分では、前記堆積時間が長い基板上の箇所を通過する部分よりも速く制御する手段であることを特徴とする薄膜製造装置。 - 請求項1乃至8に記載の製造方法のうちいずれか1つの方法によって形成されたことを特徴とする素子。
- 露光量補正フィルタを有する投影露光装置において、
前記露光量補正フィルタは、請求項18に記載の素子を含むことを特徴とする投影露光装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004166004A JP2005344172A (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | 薄膜の製造方法、薄膜製造装置、素子、および投影露光装置 |
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JP2004166004A JP2005344172A (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | 薄膜の製造方法、薄膜製造装置、素子、および投影露光装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007277645A (ja) * | 2006-04-07 | 2007-10-25 | Ulvac Japan Ltd | 蒸着装置、蒸着方法および無機配向膜の形成方法 |
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2004
- 2004-06-03 JP JP2004166004A patent/JP2005344172A/ja active Pending
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