JP2005343810A - ビタミン製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】塩酸フルスルチアミン由来の不快な臭いの発生を抑制でき、かつ酢酸ヒドロキシコバラミンの経時安定性が良好で、しかも小型化されたビタミン製剤を提供する。
を提供する。
【解決手段】本発明は、塩酸フルスルチアミンおよび酢酸ヒドロキソコバラミンを含有する素錠に、当該素錠に対して6重量%以上のコーティングを施してなることを特徴とするビタミン製剤である。
好適には、上記コーティングは、基剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有し、また、上記素錠に対する上記コーティングは6〜20重量%である。
【選択図】 なし
を提供する。
【解決手段】本発明は、塩酸フルスルチアミンおよび酢酸ヒドロキソコバラミンを含有する素錠に、当該素錠に対して6重量%以上のコーティングを施してなることを特徴とするビタミン製剤である。
好適には、上記コーティングは、基剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有し、また、上記素錠に対する上記コーティングは6〜20重量%である。
【選択図】 なし
Description
本発明はビタミン製剤に関し、特に、塩酸フルスルチアミンおよび酢酸ヒドロキシコバラミンを含有するビタミン製剤について、不快な臭いがなく、安定性が良好でかつ小型化されたビタミン製剤に関する。
従来より、塩酸フルスルチアミンを含有するビタミン製剤においては、塩酸フルスルチアミン由来の不快な臭いの発生を防止するために、塩酸フルスルチアミンを含有する素錠に対して糖衣を施していた。しかし、この素錠に酢酸ヒドロキシコバラミンも含有されている場合、糖衣の水分により、酢酸ヒドロキシコバラミンの経時安定性が悪化するという問題があった。また、糖衣は通常、素錠に対して70〜110重量%施すことから、得られる錠剤が大型化するという問題もあった。
このような問題に対し、糖衣の代わりに、素錠に対して3〜5重量%のコーティングを施すことが提案されている(特許文献1参照)。このようなコーティングにおいては、糖衣の水分による酢酸ヒドロキシコバラミンの経時安定性の悪化を抑制することは可能であると思われる。しかし、コーティングが薄いため被膜の透過性が高く、依然として、塩酸フルスルチアミン由来の不快な臭いの発生を抑制できないと思われる。
特開2002−179559号公報(段落0003)
本発明は上記の問題点を解決しようとするものであり、その目的は、塩酸フルスルチアミン由来の不快な臭いの発生を抑制でき、かつ酢酸ヒドロキシコバラミンの経時安定性が良好で、しかも小型化されたビタミン製剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、塩酸フルスルチアミンおよび酢酸ヒドロキソコバラミンを含有する素錠に、当該素錠に対して6重量%以上のコーティングを施すことにより、塩酸フルスルチアミン由来の不快な臭いの発生が抑制され、かつ酢酸ヒドロキシコバラミンの経時安定性が良好となり、しかも小型化できることを見出し、発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、塩酸フルスルチアミンおよび酢酸ヒドロキソコバラミンを含有する素錠に、当該素錠に対して6重量%以上のコーティングを施してなることを特徴とする、ビタミン製剤である。
好適な態様としては、上記コーティングは、基剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。また、上記素錠に対する上記コーティングは6〜20重量%である。
本発明のビタミン製剤においては、当該素錠に対して6重量%以上のコーティングを施すことにより、コーティングにある程度の厚みを持たせている。その結果、コーティングの透過性が低くなり、塩酸フルスルチアミン由来の不快な臭いの発生を抑制することが可能となるのである。また、素錠に糖衣を施さないので、糖衣の水分に起因する酢酸ヒドロキシコバラミンの経時安定性の悪化を抑制できると共に小型化が図れ、加えて、製造時間を短縮が可能となるのである。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のビタミン製剤において、素錠は、薬剤として少なくとも塩酸フルスルチアミンおよび酢酸ヒドロキソコバラミンを含有する。その他の配合可能な薬剤としては、塩酸フルスルチアミン以外のビタミンB1またはその誘導体として、塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル、塩酸ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン等;酢酸ヒドロキソコバラミン以外のビタミンB12として、シアノコバラミン、塩酸ヒドロキソコバラミン、メコバラミン等;ビタミンB2として、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン等;ビタミンB6として、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール等;ビタミンCとして、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム等;ビタミンEとして、コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール等;その他、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、ビオチン、γ−オリザノール、オロチン酸、グルクロノラクトン、グルクロン酸アミド、ヨクイニン等のビタミン類や、ガンマ−オリザノール等が挙げられる。これらの薬剤の配合量は、通常錠剤に配合される量であればよい。
素錠の調製は、一般的な方法により行われ、例えば、塩酸フルスルチアミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、必要に応じてその他の薬剤に、賦形剤、結合剤を配合して造粒および整粒し、得られた整粒末に、崩壊剤、潤沢剤を混合し、製錠することにより素錠が調製される。
ここで使用される賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤としては、錠剤に通常使用されているものであり、例えば、賦形剤としては、乳糖、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、粉糖、グラニュー糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等;結合剤としては、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン等;崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスリンクドインソルブルポリビニルピロリドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分α化デンプン等;潤沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
このように調製された素錠に対して、コーティングが施される。このコーティングの基剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられるが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好適に使用される。この基剤は、コーティングの組成物中、40〜95重量%、特に50〜90重量%であることが好ましい。
このコーティングには、必要に応じて、通常使用される充填剤、潤沢剤、隠蔽剤、可塑剤、着色剤の添加剤等が配合可能である。本発明で使用できる添加剤としては、タルク、沈降炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、酸化チタン、マグロコール6000、コポリビドン、トリアセチン、リボフラビン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黄色5号アルミニウムレーキ等が挙げられる。
素錠へのコーティングは、水および/またはエタノールに、コーティング基剤および上記の添加剤を分散させてコーティング液を調製し、このコーティング液を素錠に噴霧することにより行われる。この噴霧は2回以上に分けて行ってもよい。この噴霧は、乾燥後のコーティングが、素錠に対して6重量%以上、好ましくは6〜20重量%となるように行われる。
以下、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
コハク酸トコフェロールカルシウム113.938g、塩酸ピリドキシン110g、ガンマーオリザノール11g、軽質無水ケイ酸(商品名:カープレックスCS−500)17g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)46.262gおよびヒドロキシプロピルセルロース15.3gをハイスピードミキサー(深江パウテック製)にて混合し、この混合物に水90gを加え、造粒、乾燥を経て、パワーミル(ダルトン製)にて整粒化し、E群整粒末を2バッチ調製した。塩酸フルスルチアミン240.152g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)78.1237gおよびヒドロキシプロピルセルロース7.26gをハイスピードミキサー(深江パウテック製)にて混合し、この混合物に、酢酸ヒドロキシコバラミン4.4643gを水50gに溶解した液を加え、造粒、乾燥を経て、パワーミル(ダルトン製)にて整粒化し、T群整粒末を調製した。E群整粒末570g、T群整粒末300g、軽質無水ケイ酸(商品名:カープレックスCS−500)11.1g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)220.7gおよびステアリン酸マグネシウム8.2gを混合し、打錠用顆粒を得た。この打錠用顆粒を打錠して、重量185mg、径8.0mmの糖衣R型を有する素錠を得た。
水46.3部およびエタノール46.3部の混合液に、酸化チタン1.5部およびステアリン酸マグネシウム0.07部を分散させ、さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5MW)4.95部、0.8部のマクロゴール6000およびリボフラビン0.08部を溶解させてコーティング液を調製し、ハイコーター(フロイント産業製)にて上記で得られた素錠に対して8.0重量%コーティングし、コーティング錠を得た。
水46.3部およびエタノール46.3部に、酸化チタン1.5部およびステアリン酸マグネシウム0.07部を分散させ、さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5MW)5.03部および0.8部のマクロゴール6000を溶解させてコーティング液を調製し、ハイコーター(フロイント産業製)にて実施例1で調製した素錠に対して6.2重量%コーティングし、1次コーティング錠とした。次いで、水92.6部にステアリン酸マグネシウム0.07部を分散させ、さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5MW)6.45部、0.8部のマクロゴール6000およびリボフラビン0.08部を溶解させてコーティング液を調製し、ハイコーター(フロイント産業製)にて上記で得られた1次コーティング錠に対して5.2重量%コーティングし、素錠に対して合計で11.7重量%のコーティング錠を得た。
コハク酸トコフェロールカルシウム113.938g、塩酸ピリドキシン110g、ガンマーオリザノール11g、軽質無水ケイ酸(商品名:カープレックスCS−500)17g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)46.262gおよびヒドロキシプロピルセルロース15.3gをハイスピードミキサー(深江パウテック製)にて混合し、この混合物に水75gを加え、造粒、乾燥を経て、パワーミル(ダルトン製)にて整粒化し、E群整粒末を2バッチ調製した。塩酸フルスルチアミン240.152g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)78.1237gおよびヒドロキシプロピルセルロース7.26gをハイスピードミキサー(深江パウテック製)にて混合し、この混合物に、酢酸ヒドロキシコバラミン4.4643gを水50gに溶解した液を加え、造粒、乾燥を経て、パワーミル(ダルトン製)にて整粒化し、T群整粒末を調製した。E群整粒末570g、T群整粒末300g、軽質無水ケイ酸(商品名:カープレックスCS−500)11.1g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)187.4g、カルメロースカルシウム(商品名:ECG505)33.3gおよびステアリン酸マグネシウム8.2gを混合し、打錠用顆粒を得た。この打錠用顆粒を打錠して、重量185mg、径8.0mmの糖衣R型を有する素錠を得た。
水46.3部およびエタノール46.3部に、酸化チタン1.5部およびステアリン酸マグネシウム0.07部を分散させ、さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5MW)5.03部および0.8部のマクロゴール6000を溶解させてコーティング液を調製し、ハイコーター(フロイント産業製)にて上記で得られた素錠に対して5.1重量%コーティングして、1次コーティング錠とした。次いで、水92.6部にステアリン酸マグネシウム0.07部を分散させ、さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5MW)6.45部、0.8部のマクロゴール6000およびリボフラビン0.08部を溶解させてコーティング液を調製し、ハイコーター(フロイント産業製)にて上記で得られた1次コーティング錠に対して4.8重量%コーティングし、素錠に対して合計で10.1重量%のコーティング錠を得た。
水46.3部およびエタノール46.3部に、酸化チタン1.5部およびステアリン酸マグネシウム0.07部を分散させ、さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5MW)4.95部、0.8部のマクロゴール6000およびリボフラビン0.08部を溶解させてコーティング液を調製し、ハイコーター(フロイント産業製)にて実施例3で調製した素錠に対して4.9重量%コーティングし、1次コーティング錠とした。次いで、水92.6部にステアリン酸マグネシウム0.07部を分散させ、さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5MW)6.45部、0.8部のマクロゴール6000およびリボフラビン0.08部を溶解させてコーティング液を調製し、ハイコーター(フロイント産業製)にて上記で得られた1次コーティング錠に対して4.2重量%コーティングし、素錠に対して合計で9.3重量%のコーティング錠を得た。
コハク酸トコフェロールカルシウム113.938g、塩酸ピリドキシン110g、ガンマーオリザノール11g、軽質無水ケイ酸(商品名:カープレックスCS−500)17g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)46.262gおよびヒドロキシプロピルセルロース15.3gをハイスピードミキサー(深江パウテック製)にて混合し、この混合物に水75gを加え、造粒、乾燥を経て、パワーミル(ダルトン製)にて整粒化し、E群整粒末を2バッチ調製した。塩酸フルスルチアミン240.152g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)78.1237gおよびヒドロキシプロピルセルロース7.26gをハイスピードミキサー(深江パウテック製)にて混合し、この混合物に、酢酸ヒドロキシコバラミン4.4643gを水50gに溶解した液を加え、造粒、乾燥を経て、パワーミル(ダルトン製)にて整粒化し、T群整粒末を調製した。E群整粒末570g、T群整粒末300g、軽質無水ケイ酸(商品名:カープレックスCS−500)11.1g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)187.4g、カルメロースカルシウム(商品名:ECG505)33.3gおよびステアリン酸マグネシウム8.2gを混合し、打錠用顆粒を得た。この打錠用顆粒を打錠して、重量185mg、径8.0mmの2段R型を有する素錠を得た。
水46.3部およびエタノール46.3部に、酸化チタン1.5部およびステアリン酸マグネシウム0.07部を分散させ、さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5MW)5.03部、0.8部のマクロゴール6000を溶解させてコーティング液を調製し、ハイコーター(フロイント産業製)にて上記で得られた素錠に対して8.4重量%コーティングし、コーティング錠を得た。
コハク酸トコフェロールカルシウム113.938g、塩酸ピリドキシン110g、ガンマーオリザノール11g、軽質無水ケイ酸(商品名:カープレックスCS−500)18.48g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)45.562gおよびヒドロキシプロピルセルロース14.52gをハイスピードミキサー(深江パウテック製)にて混合し、この混合物に水75gを加え、造粒、乾燥を経て、パワーミル(ダルトン製)にて整粒化し、E群整粒末を2バッチ調製した。塩酸フルスルチアミン240.152g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)78.2606gおよびヒドロキシプロピルセルロース7.26gをハイスピードミキサー(深江パウテック製)にて混合し、この混合物に、酢酸ヒドロキシコバラミン4.3274gを水50gに溶解した液を加え、造粒、乾燥を経て、パワーミル(ダルトン製)にて整粒化し、T群整粒末を調製した。E群整粒末570g、T群整粒末300g、軽質無水ケイ酸(商品名:カープレックスCS−500)10.8g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)187.2g、カルメロースカルシウム(商品名:ECG505)33.6gおよびステアリン酸マグネシウム8.4gを混合し、打錠用顆粒を得た。この打錠用顆粒を打錠して、重量185mg、径8.0mmの2段R型を有する素錠を得た。
水46.25部およびエタノール46.25部に、酸化チタン1.52部およびステアリン酸マグネシウム0.07部を分散させ、さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5MW)5.1部および0.81部のマクロゴール6000を溶解させてコーティング液を調製し、ハイコーター(フロイント産業製)にて上記で得られた素錠に対して8.0重量%コーティングし、コーティング錠を得た。
コハク酸トコフェロールカルシウム113.938g、塩酸ピリドキシン110g、ガンマーオリザノール11g、軽質無水ケイ酸(商品名:カープレックスCS−500)18.48g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)45.562gおよびヒドロキシプロピルセルロース14.52gをハイスピードミキサー(深江パウテック製)にて混合し、この混合物に水75gを加え、造粒、乾燥を経て、パワーミル(ダルトン製)にて整粒化し、E群整粒末を2バッチ調製した。塩酸フルスルチアミン240.152g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)78.2606gおよびヒドロキシプロピルセルロース7.26gをハイスピードミキサー(深江パウテック製)にて混合し、この混合液に、酢酸ヒドロキシコバラミン4.3274gを水50gに溶解した液を加え、造粒、乾燥を経て、パワーミル(ダルトン製)にて整粒化し、T群整粒末を調製した。E群整粒末570g、T群整粒末300g、軽質無水ケイ酸(商品名:カープレックスCS−500)10.8g、結晶セルロース(商品名:アビセルPH101)187.2g、カルメロースカルシウム(商品名:ECG505)33.6gおよびステアリン酸マグネシウム8.4gを混合し、打錠用顆粒を得た。この打錠用顆粒を打錠して、重量185mg、径8.0mmの2段R型を有する素錠を得た。
水46.25部およびエタノール46.25部に、酸化チタン1.52部およびステアリン酸マグネシウム0.07部を分散させ、さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5MW)5.1部、0.81部のマクロゴール6000を溶解させてコーティング液を調製し、ハイコーター(フロイント産業製)にて上記で得られた素錠に対して7.8重量%コーティングし、コーティング錠を得た。
このようにして得られたコーティング錠について、市販の糖衣錠(武田薬品工業製「アリナミンEX」ロットS628)と共に、以下の評価試験を行った。
(1)小型化
実施例7で得られたコーティング錠および市販の糖衣錠について、それぞれ1錠の重量を精密電子天秤にて測定した。
実施例7のコーティング錠:199.27±3.82mg(n=10)
市販の糖衣錠:368.90±13.34mg(n=10)
実施例7で得られたコーティング錠は、市販の糖衣錠と比較して、大幅に小型過されていることがわかる。
実施例7で得られたコーティング錠および市販の糖衣錠について、それぞれ1錠の重量を精密電子天秤にて測定した。
実施例7のコーティング錠:199.27±3.82mg(n=10)
市販の糖衣錠:368.90±13.34mg(n=10)
実施例7で得られたコーティング錠は、市販の糖衣錠と比較して、大幅に小型過されていることがわかる。
(2)薬剤の安定性
実施例1〜7で得られたコーティング錠および市販の糖衣錠について、それぞれ、温度40℃、湿度75%で瓶密栓中で1箇月、3箇月、6箇月保存した時、または温度50℃、湿度75%で瓶密栓中で4週間保存した時の各薬剤の初期の含量に対する含量低下率(重量%)を測定した。その結果を表1、2に示す。
実施例1〜7で得られたコーティング錠および市販の糖衣錠について、それぞれ、温度40℃、湿度75%で瓶密栓中で1箇月、3箇月、6箇月保存した時、または温度50℃、湿度75%で瓶密栓中で4週間保存した時の各薬剤の初期の含量に対する含量低下率(重量%)を測定した。その結果を表1、2に示す。
実施例1〜7で得られたコーティング錠は、市販の糖衣錠と比較して、特に酢酸ヒドロキソコバラミンの含量低下が抑制されて、経時安定性が良好であることがわかる。
(3)臭いの発生抑制効果
実施例1−4で得られたコーティング錠および市販の糖衣錠について、それぞれ、40℃、75%で瓶密栓中で6箇月間放置した後、臭いを判定した。判別は、瓶を40℃、75%の条件から室温に戻して放置し、瓶をアルミで覆い内部が確認できない状態にして、ランダムにサンプルを判定する方法を採用した。判定者は24歳〜33歳までの男性6人、女性1人の計7名にて行った。判定基準は以下の通りとした。その結果を表3に示す。
−:塩酸フルスルチアミン由来の不快臭が全くない。
±:塩酸フルスルチアミン由来の不快臭がほとんどない。
+:塩酸フルスルチアミン由来の不快臭がある。
++:塩酸フルスルチアミン由来の不快臭が強くある。
++:塩酸フルスルチアミン由来の不快臭が著しく強くある。
実施例1−4で得られたコーティング錠および市販の糖衣錠について、それぞれ、40℃、75%で瓶密栓中で6箇月間放置した後、臭いを判定した。判別は、瓶を40℃、75%の条件から室温に戻して放置し、瓶をアルミで覆い内部が確認できない状態にして、ランダムにサンプルを判定する方法を採用した。判定者は24歳〜33歳までの男性6人、女性1人の計7名にて行った。判定基準は以下の通りとした。その結果を表3に示す。
−:塩酸フルスルチアミン由来の不快臭が全くない。
±:塩酸フルスルチアミン由来の不快臭がほとんどない。
+:塩酸フルスルチアミン由来の不快臭がある。
++:塩酸フルスルチアミン由来の不快臭が強くある。
++:塩酸フルスルチアミン由来の不快臭が著しく強くある。
市販品については、1名が塩酸フルスルチアミン由来の不快臭があると判定した。実施例1−4で得られたコーティング錠についてはいずれも不快臭がほとんどない、または全くないの評価であった。
(4)吸湿性および外観の変化
実施例4、5で得られたコーティング錠および市販の糖衣錠について、それぞれ、温度40℃で、湿度23%、40%、57%、75%または96%下における経時的な吸湿量(重量%)と外観を観察した。その結果を、実施例4で得られたコーティング錠については表4に、実施例5で得られたコーティング錠については表5に、市販の糖衣錠については表6に示す。
実施例4、5で得られたコーティング錠および市販の糖衣錠について、それぞれ、温度40℃で、湿度23%、40%、57%、75%または96%下における経時的な吸湿量(重量%)と外観を観察した。その結果を、実施例4で得られたコーティング錠については表4に、実施例5で得られたコーティング錠については表5に、市販の糖衣錠については表6に示す。
市販の糖衣錠は、温度40℃、湿度96%下で、3日目で吸湿量(%)が増大しひび割れが観察された。一方、実施例4、5で得られたコーティング錠は、温度40℃、湿度96%下で、7日目でも吸湿量(%)も少なくひび割れは示さなかった。従って、実施例4、5で得られたコーティング錠は、吸湿されにくく、吸湿によるひび割れが生じないため、内部から塩酸フルスルチアミンによる不快臭が少ない。
本発明のビタミン製剤は、塩酸フルスルチアミン由来の不快な臭いがなく、酢酸ヒドロキシコバラミンの安定性が良好であり、かつ小型化を図れるものであるので、産業上、非常に有用なものである。
Claims (3)
- 塩酸フルスルチアミンおよび酢酸ヒドロキソコバラミンを含有する素錠に、当該素錠に対して6重量%以上のコーティングを施してなることを特徴とする、ビタミン製剤。
- コーティングが、基剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有することを特徴とする、請求項1記載のビタミン製剤。
- 素錠に対するコーティングが6〜20重量%であることを特徴とする、請求項1記載のビタミン製剤。
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JP2021519111A (ja) * | 2018-03-29 | 2021-08-10 | タタ ケミカルズ リミテッド | 食用塩組成物の強化用のカプセル化された微量栄養素顆粒 |
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2004
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