JP2005343562A

JP2005343562A - 吐出容器

Info

Publication number: JP2005343562A
Application number: JP2004196138A
Authority: JP
Inventors: Michio Nakamura; 三千穂中村
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2004-06-04
Filing date: 2004-06-04
Publication date: 2005-12-15

Abstract

【課題】従来の二重構造容器は、例えば、内容器の一部を容器のビード、目金巻き締め部、あるいは、バルブハウジングに巻き締めしたりして取り付ける方法のとき、その工程は複雑且つ繊細で不良品の発生が多く、液漏れ、ガス漏れの原因となりやすく、また、落下等の衝撃に対しても、前記取り付け個所の破損が原因で不都合を来たした
【解決手段】吐出容器内に液体と、高気圧の気体を充満した気体用弾性袋を配置し、当該気体用弾性袋が前記吐出容器内の何れの個所にも接合、又は、一体化されていないことを特徴とする吐出容器。
【選択図】図１

Description

本発明は、スプレーなどのように、容器内の液体を、圧縮された気体の反発力で空間に吐出する吐出容器に関するものの内、特に多重構造の容器に関するものである。

課題を解決するための手段

一般的なスプレー容器の場合、容器内に液体と気体とを共存状態で加圧して充填する。また、所謂二重構造容器として、同一容器内の液体と気体とが触れ合うと不都合がある場合、または、反応性の二液を別々の内容器に入れる場合、圧縮した気体を内袋に収容し、気体の反発力で液体を押し出す場合などは、容器の内側に内容器を付設した各種の容器が知られている。（例えば、非特許文献１参照）
「エアゾール包装技術」（１０６頁から１２０頁）エアゾール産業新聞社１９９８年１０月発行

従来の二重構造容器は、例えば、液体を収容した内容器の一部を、容器のビード、目金巻き締め部、バルブハウジングの最下部に下垂して取り付け、圧縮ガスで押出すタイプ、あるいは、ガス入りの袋を容器の筒体下部と底蓋周辺とを一緒に巻締めたものや、底蓋に設けたガスの送入口に圧縮ガス入りの袋を取り付けてガスの反発力で液体を吐出するタイプなどあるが、何れも容器の一部と接触又は接合していて、当該接合個所の不具合や内容物による接合個所への腐食、浸食など、また、長期間の保存、搬送の衝撃などで、液漏れ、ガス漏れの原因となりやすく不都合を来たした。また、それらの容器の製造工程は複雑、且つ、繊細なもので不良品の発生が多かった。一方、内袋に複数の薬剤を封入し、使用時にこれらの薬剤の反応でガスを発生させ、同一の容器内の液体を噴射するものにおいては、その構成とメカニズムが複雑であり決して利便性が良いとは言い難い。

本発明の請求項１は、高気圧の気体で液体を吐出する吐出容器において、前記吐出容器内に液体と、高気圧の気体を充満した気体用弾性袋を配置し、当該気体用弾性袋が前記吐出容器内の何れの個所にも接合、又は、一体化されていないことを特徴とする吐出容器。
請求項２はステムに針状突起がある吐出装置を具備した吐出容器内に、液体用弾性袋に内包された液体が配置され、当該液体の中に、高気圧の気体を充満した気体用弾性袋を配置し、前記液体用弾性袋と気体用弾性袋が前記吐出容器内の何れの個所にも接合、又は、一体化されていないことを特徴とする吐出容器。
請求項３は吐出容器の底蓋の送入口から気体用弾性袋を入れ、当該気体用弾性袋の開放口から気体を注入する工程と、前記開放口を閉塞し、送入口から押込んだ後栓をする工程と、バルブに液体注入口を装着し液体を注入する工程とからなる充填方法。
請求項４はステムに針状突起がある吐出装置を具備した吐出容器の送入口から気体用弾性袋と液体用弾性袋とを重ねて入れ、当該気体用弾性袋の開放口から気体を注入する工程と、前記気体用弾性袋の開放口を閉塞し、液体用弾性袋の開放口に押込んだ後、前記液体用弾性袋の開放口から液体を注入する工程と、前記液体用弾性袋の開放口を閉塞し送入口から押込んだ後栓をする工程とからなる充填方法。

本発明によれば、従来の二重構造容器に比較して、容器内に液体と、高気圧の気体用弾性袋を配置した単純な構成であり、且つ、容器内の一部に取り付けないから製造方法も容易で、衝撃等に対しても堅牢である。また、容器内に、液体用弾性袋に内包された液体が配置され、当該液体の中に、高気圧の気体を充満した気体用弾性袋を配置した構成のものは、液体用弾性袋に内包された液体や気体が、容器の内壁及び底蓋、マウンティングカップ、バルブ等と隔離され接触していないから、長期間の保存又は搬送の衝撃などで容器の内壁や特に各接合部への侵食やバルブの不具合による漏出は一切なく、液体用弾性袋と気体用弾性袋を適宜なものを選択することにより酸やアルカリ、電解質なども安価なブリキ缶等が使用できる。

図１に示すように、吐出容器１は、主に、筒体２と当該筒体２の下端の底蓋３と、上端のマウンティングカップ４とからなり、当該吐出容器１内に液体５と、高気圧の気体６を充満した気体用弾性袋７を配置し、当該気体用弾性袋７は前記吐出容器１内と接触する場合もあるが、バルブ８のハウジング９下端部、目金巻締め部又はビード１０、底蓋３と筒体２との接合部１１、底蓋３に付設した気体等の送入口１２の何れの個所にも接合、又は、一体化されていない。本実施例１における前記マウンティングカップ４は公知のプッシュダウン式のバルブ８とアクチュエーター１３を装備している。また、前記バルブ８は当該バルブ８のハウジング９の下方側面に逆Ｌ字状のディップチューブ１４を具備し、且つ、ハウジング９下面は吐出容器１内に開口している。
前記吐出容器１はブリキ又はアルミ、ガラス、硬質プラスチック又は、それらの複合体であり、内、外方よりの圧力により容易に変形しない材質で、必要に応じてその内面は耐腐食効果のある資材で内面コートされている。前記液体５は、用途により、殺虫剤、ヘアスプレー、消火剤、シェービングクリーム、化粧、染毛などの頭髪用品、塗料、発泡性樹脂等である。高気圧の気体６は、例えば、液化ガスや圧縮ガス等であり、気体用弾性袋７は、耐ガス透過性の良好なブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴムなどの単体、又は複合体で弾性に富み、突起物や衝撃に対して強靭で容易に破裂しない性質である。当該気体用弾性袋７は、強制的に前記の気体６を送入され、又、容積が一定の吐出容器１内にあって、液体５の注入、又は、使用時の液体５の吐出によって液体５の容量が増減すると、容易にその容積と形状が変わる性質である。また、ディップチューブ１４の上端はハウジング９に開口し、下端は底蓋３付近まで到達し開口している。当該ディップチューブ１４は気体用弾性袋７に気体６を注入する際に、当該気体用弾性袋７が無段階的に膨張し、最終的に吐出容器１内の大部分を相当な圧力で占有し、当該ディップチューブ１４を吐出容器１の内部壁面に強く押圧するが、その圧力により変形しない強度で、また、気体用弾性袋７が吐出容器１内を上部と下部に二分するので、吐出容器１内下方に残存する液体５をハウジング９まで送れるように複数の孔１５を設けてある。

本実施例１の充填方法は、図２に示すように、底蓋３の送入口１２から気体用弾性袋７を差し入れ当該気体用弾性袋の開放口１６に気体注入口１７を装着し、気体６を加圧下で連続して注入し、この工程で、気体用弾性袋７は膨張して最終的に、大略吐出容器１の内面の形状になる。

図３に示すように、気体６を所期の気圧になるまで注入した後、気体用弾性袋の開放口１６を接着、熱融着、高周波融着、または緊縛するなど適宜な方法で緊密に閉塞し、送入口１２から押込んだ後栓１８をする工程と、バルブ８上方に液体注入口１９を装着し、液体５を加圧下でスルーバルブ方式により充填する工程とで構成する充填方法。

実用に際しては、図１に示すように、アクチュエーター１３を押し下げると、前記気体用弾性袋７の強い反発力により液体５を吐出する。気体用弾性袋７は徐々に膨張しながら液体５をすべて押し出すと、最終的に大略吐出容器１の内面の形状になる。
尚、以下の実施例において、本実施例１と同様な部材については本実施例１と同じ番号を用い、その材料、構成については再度説明しないものとする。

実施例２の吐出容器１は図４に示すように、吐出容器１のマウンティングカップ４に吐出装置２０を具備し、前記吐出容器１の内側に、液体用弾性袋２１に内包された液体５が配置され、当該液体５の中に、高気圧の気体６を充満した気体用弾性袋７を配置した構成で、前記液体用弾性袋２１と気体用弾性袋７は前記吐出容器１内に接触することもあるが、実施例１と同様に何れの個所にも接合、又は、一体化されていないことを特徴とする吐出容器１である。

前記吐出装置２０は図５のとおりで、吐出装置本体ａと、当該吐出装置本体ａの下方に設けたステムホールｂの内径より小さく、当該ステムホールｂ上方の流路ｃの内径よりも大きい外径のステムｄを有した可動部ｅと、スプリングｆ、Ｏリングｇとで構成し、更に、ステムｄの下方先端に針状突起ｈを具備している。前記可動部ｅの上面は手指などで押圧する為の押圧部ｉである。

図６に示すように、本実施例２の吐出容器１の充填方法は、送入口１２から、気体用弾性袋７の外側に液体用弾性袋２１を重ねてから挿入し、当該気体用弾性袋の開放口１６から気体注入口１７を装着し、加圧しながら気体６を所期の気圧になるまで注入し、この工程で、気体用弾性袋７と液体用弾性袋２１は膨張して吐出容器１の内面の形状になる。

気体６を注入した後、図７に示すように、気体用弾性袋の開放口１６を緊密に閉塞し、液体用弾性袋の開放口２２の内側に押し込み、続けて、前記液体用弾性袋の開放口２２に液体注入口１９を装着し液体５を、所期の容量加圧しながら注入する工程と、液体用弾性袋の開放口２２を前記気体用弾性袋の開放口１６同様適宜な方法で緊密に閉塞し送入口１２から押込み図４の栓１８をする工程からなる充填方法。

次に、実用の準備段階として、図８のように、吐出装置２０の押圧部ｉを押下げると針状突起ｈが液体用弾性袋２１を破裂させるから収縮して断片となり、液体５は吐出容器１内に充満し、吐出装置２０のステムホールｂに浸入する。

この時の吐出装置２０を詳細に説明すると図９のとおりで、吐出装置２０は、押圧部ｉ下面に、吐出装置本体ａの上端が当接し、下方へ押し込まれることを規制している。この時、吐出装置本体ａのステムホールｂに浸入した液体５は、可動部ｅに設けた液止めｊにより、吐出装置本体ａと可動部ｅとで構成する流路ｃが極めて狭窄しているので流出しない。

液体５を吐出して作業するには図１０に示すように、押圧部ｉに手指で負荷していた力を弱めると、ここでは図示しない吐出容器１内の気体用弾性袋７の反発力と、スプリングｆの反発作用でステムｄはステムホールｂのほゞ中間位置まで上昇するが、可動部ｅに固定したＯリングｇの位置に対応する、吐出装置本体ａの相当個所に凹部ｋを設けてあるから、前記Ｏリングは前記凹部ｋに嵌合して一旦停止し、流路ｃを閉塞するに至らないので、液体５は吐出装置本体ａと可動部ｅとで構成する流路ｃをたどって吐出口１に向かい、別途用意し、当該吐出口１に嵌着し得るようにした吐出部品ｍを経て目的物体に向かってに吐出される。当該吐出部品ｍは液体５の性状、用途、目的により適宜選択される。

吐出を停止、又は、終了するときは、図５のとおり、前記押圧部ｉに負荷していた力を一層弱めるか、又は、排除すると、図示しない気体弾性袋４の反発力と、スプリングｆの作用で可動部が上方に押し上げられステムホールｂ内のステムｄが吐出装置本体ａの流路ｃを封鎖するので液体５は吐出されない。更に、再度吐出を開始する時は、図１０の通り、手指で押圧部ｉを軽く下方に押し下げれば、可動部ｅのＯリングｇが吐出装置本体ａの凹部ｋに嵌合し停止して流路ｃが開放されるので吐出が開始され作業を続行することが出来、作業を繰り返し、又は連続して実行できる吐出容器である。

実施例１の吐出容器の断面図。実施例１の吐出容器の断面図。実施例１の吐出容器の断面図。実施例２の吐出容器の断面図。実施例２の吐出装置の断面図。実施例２の吐出容器の断面図。実施例２の吐出容器の断面図。実施例２の吐出容器の断面図。実施例２の吐出装置の断面図。実施例２の吐出装置の断面図。

符号の説明

１・・・・・・・・吐出容器
５・・・・・・・・液体
６・・・・・・・・気体
７・・・・・・・・気体用弾性袋
１２・・・・・・・送入口
１６・・・・・・・気体用弾性袋の開放口
１７・・・・・・・気体注入口
２０・・・・・・・吐出装置
２１・・・・・・・液体用弾性袋
ａ・・・・・・・・吐出装置本体
ｂ・・・・・・・・ステムホール
ｃ・・・・・・・・流路

Claims

高気圧の気体で液体を吐出する吐出容器において、前記吐出容器内に液体と、高気圧の気体を充満した気体用弾性袋を配置し、当該気体用弾性袋が前記吐出容器内の何れの個所にも接合、又は、一体化されていないことを特徴とする吐出容器。
ステムに針状突起がある吐出装置を具備した吐出容器内に、液体用弾性袋に内包された液体が配置され、当該液体の中に、高気圧の気体を充満した気体用弾性袋を配置し、前記液体用弾性袋と気体用弾性袋が前記吐出容器内の何れの個所にも接合、又は、一体化されていないことを特徴とする吐出容器。
吐出容器の底蓋の送入口から気体用弾性袋を入れ、当該気体用弾性袋の開放口から気体を注入する工程と、前記開放口を閉塞し、送入口から押込んだ後栓をする工程と、バルブに液体注入口を装着し液体を注入する工程とからなる充填方法。
ステムに針状突起がある吐出装置を具備した吐出容器の送入口から気体用弾性袋と液体用弾性袋とを重ねて入れ、当該気体用弾性袋の開放口から気体を注入する工程と、前記気体用弾性袋の開放口を閉塞し、液体用弾性袋の開放口に押込んだ後、前記液体用弾性袋の開放口から液体を注入する工程と、前記液体用弾性袋の開放口を閉塞し送入口から押込んだ後栓をする工程とからなる充填方法。