JP2005343440A - 水難救助具 - Google Patents

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Shunsuke Hiyoshi
俊介 日吉
Koichi Kobayashi
幸一 小林
Yoji Tanaka
洋二 田中
Izumi Yoshida
いずみ 吉田
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Abstract

【課題】水中で水と反応して炭酸ガスの充満した浮き袋を自動的に発生させる携帯可能の水難救助具を提供する。
【解決手段】ケーシングの円筒側面に水流入口と取付け具を形成し、中空内後部を風船バッグ取付け壁で区画する。一端側を閉鎖した中空の可動筒側面に前記ケーシングの内部に回転可能に、且つ、所定ストロークで伸縮可能に嵌装着するとともに、回転及び伸縮の摺接移動により前記ケーシングの水流入口に対して前記通口が通水位置から密閉位置へ変位するように組付ける。この可動筒の中空内部に水との反応により浮力ガスを発生させる薬剤を収納する。前記ケーシングの風船バッグ取付け壁に逆止弁を介して浮力用風船バッグを貫通固定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、水難人命救助や物品の水没防止に使用される水難救助具に関するものであり、特に人体や物品に装着することで、突然の水没時に自動的に浮力を発生させて水難を防止する装置に関する。
従来、船舶に搭載される救命設備のうちの一つに救命胴衣がある。これは上衣のように着用する形式のもので、上半身が拘束され平常時の作業には邪魔になる。
また、これまでの救命具は、水没した場合にリップコードを引いたり、ガスボンベの口を開けるなどの操作が必要であった。この方法は、水没が突然であればあるほど気が動転してリップコードを引いたり、ボンベの口を開けることが困難である。
あるいは、電気・電子回路により水・海水・水圧などを検知してガスボンベの電磁弁を開にする方法もあるが、電源として電池やバッテリィを使用する為に定期的なメンテナンスを必要とする。
この為、平常時の作業あるいは遊泳中に邪魔にならない救命具が好ましい。
また、突然の落水時には気が動転する為に浮力が自動的に生じる救命具が好ましい。
そこで、本発明は、平常時の作業や遊泳中は邪魔にならず、突然の落水時には浮力が自動的に生ずる水難救助具を提供することを目的にするものである。
上記の目的を達成するために、本発明の水難救助具は、中空筒の側面に水流入口と取り付け具を形成し、中空内後部を風船バッグ取付け壁で区画したケーシングと、一端側を閉鎖した中空体の側面に前記ケーシングの水流入口に対応する通口を形成し、他端開放側を前記ケーシングの内部に回転可能に、且つ、所定ストロークで伸縮可能に嵌装するとともに、回転及び伸縮の摺接移動により前記ケーシングの水流入口に対して前記通口が通水位置から密閉位置へ変位するように組み付けられた可動筒と、この可動筒の中空内部に収納され、水との反応により浮力ガスを発生させる薬剤と、前記ケーシングの風船バッグ取付け壁に逆止弁を介して貫通固定された浮力用風船バックと、を具備することを特徴とする。
内筒に収納される薬剤は、好ましくは、水又は海水との化学反応により炭酸ガスを発生させる炭酸水素ナトリュウムと酒石酸を主材料として用いる。
尚、本明細書で云う「水難救助」とは、水難人命救助に限らず、水難時に貴重品等の物品を水没から防止する場合を含む意味のものである。
本発明の救助具によれば、平常時の作業あるいは遊泳中には邪魔になることがなく万一の水難時にはレバー操作一つで浮力を生じ、さらには予め水没が予想される場合には水導入孔を開としておくことにより突然の水没に際しては自動的に浮力が発生して救命機能を発揮することができる。また、経時変化に伴う浮力低下や浮力の増加を得る為の吹き込み口を設け所要の浮力を得ることができる。
浮力は人体に無害な炭酸ガスを使用し、ガス発生メカニズムは炭酸水素ナトリュウムと酒石酸および水あるいは海水で化学反応を起こす。薬剤は各々20g程度の少量で、100cc程度の水あるいは海水により3リットルの炭酸ガスが発生し、十分に人体を水面に持ち上げる浮力を得ることができ、環境に対して無害である。
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明による水難救助具の水流入時の側面図であり、図2はその左側面、図3はその右側面を示している。
この水難救助具1は、図4に断面図で示すように、風船バックを取付けるように構成されたケーシング2と、このケーシング2の内部に嵌装された可動筒3と、この可動筒3の中空内部に収納された薬剤4と、前記ケーシング2の内部に取付けられた浮力用風船バッグ5を備えている。
ケーシング2は、図1及び図2に示すように、中空円筒6の側面に水流入口7とバンド8a等の取付け具8bを設けてあり、中空内部の後部を前記風船バッグ5の取付け壁9で区画してある。
尚、図中符合10aは風船バッグ収納室10bの蓋であり、風船バッグ5の膨張圧で容易に外れるように嵌装されている。
前記可動筒3は、図5に示すように、一端側を閉鎖部13を一体に設けた中空体11の側面に、前記ケーシング2の水流入口7に対応する通口12を形成し、他端開放側を前記ケーシング2の内部に回転可能に嵌装されているとともに、ケーシング2の軸方向に対して所定のストロークで移動できるように嵌装されている。
可動筒3の軸方向の移動長さは、ケーシング2の内壁係止部14と可動筒3の外壁係止部15の係合で規制されるようにしてある。
可動筒3は、図4のようにケーシング2の内部に押し入れた状態では通口12がケーシング2の水流入口7に連通するように設定されているとともに、図6に示すように、閉鎖部13と一体の操作部材16の回転操作でケーシング2に対して軸方向へ引いて摺接移動させることにより、前記ケーシング2の水流入口7に対して前記通水位置から密閉位置へ変位するように組み付けられており、さらに、図7及び図8のように、可動筒3が回転方向へ摺接移動した場合にも前記ケーシング2の水流入口7に対して前記通口12が通水位置から密閉位置へ変異するように組み付けられている。
可動筒3の内部に収納されている薬剤4は、水流入口7、流口12を通して導入される水又は海水との化学反応により浮力ガスを発生させる成分であり、図の実施では、水又は海水と反応して炭酸ガスを発生させる炭酸水素ナトリウムと酒石酸を主材料としている。
浮力用風船バック5は、薬剤4から発生する浮力ガスによって浮き袋として膨らす、ゴム、プラスチック等の丈夫な材質の袋体からなり、ガス導入口基部を逆止弁器具17を介してケーシング2の前記風船バッグ取付け壁9に貫通させてしっかりと固定されている。
次に本発明の作用を説明する。
図1及び図2のようにケーシング2の水流入口7と可動筒3の通口12を連通可能に設定すると、水中において水(海水を含む)が可動筒3に導入され、薬剤4との化学反応により、可動筒3とケーシング2の中空内18に炭酸ガスが発生し、図6のようにガス圧により可動筒3を軸方向へ摺動させることにより、通口12が自動的に閉鎖される。さらに反応が進んでガス量が増大することにより、ガスが逆止弁17を介して風船バッグ5内に圧入し、風船バッグ5が膨張して浮力の大きな浮き袋(図6)と化す。
本発明の水難救助具1の使用形態には水中で可動筒3の操作部材16を操作して水流入口7と通口12を連通させる場合と、予め水流入口7と通口12を連中させて、水中で水を自動的に導入させる場合がある。前者は水中作業や遊泳時の使用に適しており、後者は水中落下の危険のあるときの携帯に適しており、また、釣り竿やカメラ等貴重品を装着しておき、水中に落ちたときに水没から守る際にも有効である。
浮力ガスが不足するときは、水流入口7と通口12を連通させて口からの息を吹き入れても良い。
本発明は携帯可能な小型の装置を用いて簡単な操作で、あるいは自動的に浮力を発生させることができるので、使い勝手のよい水中、水上作業の安全具として利用することができるほか、船舶の海難や遊泳時の人命救助にも大きく貢献する。
また、貴重品等にセットしておくことで、不慮の事故の際にも水没を免れ、実用性が大である。
本発明による水難救助具の水流入時の側面図 図1の左側面図 図1の右側面図 図1の縦断面図 可動筒の縦断面図 水難救助具の使用作動説明図 水流入口閉鎖時の側面 図7の左側面図
符号の説明
1.水難救助具
2.ケーシング
3.可動筒
4.薬剤
5.浮力用風船バッグ
6.中空円筒
7.水流入口
8a.バンド
8b.取付け具
9.風船バッグ取付け壁
10a.蓋
10b.風船バッグ収納室
11.中空体
12.通口
13.閉鎖部
14.内壁係止部
15.外壁係止部
16.操作部材
17.逆止弁
18.中空内

Claims (2)

  1. 中空筒の側面に水流入口と取り付け具を形成し、中空内後部を風船バッグ取付け壁で区画したケーシングと、
    一端側を閉鎖した中空体の側面に前記ケーシングの水流入口に対応する通口を形成し、他端開放側を前記ケーシングの内部に回転可能に、且つ、所定ストロークで伸縮可能に嵌装するとともに、回転及び伸縮の摺接移動により前記ケーシングの水流入口に対して前記通口が通水位置から密閉位置へ変位するように組み付けられた可動筒と、
    この可動筒の中空内部に収納され、水との反応により浮力ガスを発生させる薬剤と、
    前記ケーシングの風船バッグ取付け壁に逆止弁を介して貫通固定された浮力用風船バッグと、を具備することを特徴とする水難救助具
  2. 可動筒の内部に収納される薬剤が、水又は海水との化学反応により炭酸ガスを発生させる炭酸水素ナトリュウムと酒石酸を主材料とすることを特徴とする水難救助具
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Cited By (7)

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