JP2005342798A - 高圧液噴射式切断装置 - Google Patents

高圧液噴射式切断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 噴射ノズルと被切断物との間隔を高精度で制御することの可能な高圧液噴射式切断装置を提供すること。
【解決手段】 被切断物20を保持する導電性の保持手段18と;被切断物20に対して高圧液を噴射する導電性の噴射ノズル16と,噴射ノズル16と保持手段18とを高圧液の噴射方向に相対移動させる移動手段17,22と;噴射ノズル16と保持手段18との間に電圧を印加する電源50と;移動手段17,22によって噴射ノズル16と保持手段18とを接近させて,噴射ノズル16の先端部が被切断物20に接触したときに被切断物20を介して噴射ノズル16と保持手段18との間に流れる電流を検出する通電検出手段52と;通電検出時に移動手段17,22を停止させ,停止された噴射ノズル16または保持手段18のいずれかの位置を基準位置に設定する制御手段54と;を備える高圧液噴射式切断装置が提供される。
【選択図】 図2

Description

本発明は,高圧液の噴射によって被切断物を切断する高圧液噴射式切断装置に関する。
ウォータージェットは,超高圧ポンプ等によって水にエネルギーを与えて形成された高圧水の噴流であり,例えば音速の1〜3倍という流速を有する。近年では,このウォータージェットを使用して各種の被切断物(ワーク)を切断する方法および装置が開発されている。特に,切断効率を向上させるため,高圧水に固体の研磨材(abrasive)を混入したアブレシブジェットに注目が集まっている。この研磨材は,ガーネット,酸化アルミナ,炭化ケイ素などの高硬度の材質からなる例えば数十〜数百ミクロン程度の粒状物であるが,これらの研磨材は,高圧水とともに被切断物に高速で衝突し,被切断物の一部を破壊して切削する。
このようなウォータージェットによる切断は,被切断物に熱影響を与えずに切断でき,研磨材によって切断面におけるバリの発生を低減できるという利点がある。さらに,切断ラインが曲線であっても問題なく切断できることに加え,複合材や難加工材の切断にも適しているという利点もある。このため,近年では,半導体基板,特にパッケージ化された基板などをダイシングするために,従来のような切削ブレードに代えてウォータージェットによる切断加工が検討されている。
ウォータージェット切断装置は,一般的に,被切断物を保持する保持手段と,当該被切断物に対して高圧水を噴射する噴射ノズルとを具備している。かかる構成のウォータージェット切断装置では,噴射ノズルの先端部(オリフィス先端)と被切断物との間隔を制御することが,重要な要素となる。これは,当該間隔が大きいほど,噴射された高圧水が拡がってしまい,切断面積が増加してしまうからである。従って,被切断物を一定の切断面積で切断するためには,噴射ノズルの先端部の位置を正確に検出し,当該先端部と被切断物との間隔を一定に保つように制御することが求められる。
例えば,特許文献1には,加工ヘッド(噴射ノズル)の近傍に設けられた接触子を被切断物に接触させ,このときの接触子の移動距離を検出し,かかる検出結果に基づいて,加工ヘッドと被切断物との間隔を制御する技術について記載されている。
実公平5−36640号公報
しかしながら,上記のような接触子を利用した噴射ノズルの位置検出装置では,噴射ノズルの位置を機械的に検出しているため,装置の構造上の歪みや装置の経時変化によって精度の高い検出ができなかった。さらに,接触子という間接的な手段を用いて噴射ノズルの位置を測定しているため,その検出結果に基づいて噴射ノズルの位置を制御しようとすると,どうしても誤差が生じてしまうという問題があった。特に,半導体基板等を切断する場合には,噴射ノズルの先端部と被切断物との間隔が,例えば20μmという非常に小さな間隔に設定される。このため,わずかな検出誤差であってもその影響は大きく,上記従来の装置では,十分な検出精度が得られなかった。
そこで,本発明は,上記問題点に鑑みてなされたものであり,噴射ノズル等の基準位置を正確に検出して,噴射ノズルと被切断物との間隔を高精度で制御することが可能な,新規かつ改良された高圧液噴射式切断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,被切断物を保持する保持手段と;被切断物に対して高圧液を噴射する噴射ノズルと,噴射ノズルと保持手段とを高圧液の噴射方向に相対移動させる移動手段と;を備えた高圧液噴射式切断装置が提供される。この高圧液噴射式切断装置では,噴射ノズルおよび保持手段は導電性材料からなり,被切断物と保持手段との間で通電可能である。また,この高圧液噴射式切断装置は,噴射ノズルと保持手段との間に電圧を印加する電源と;移動手段によって噴射ノズルと保持手段とを接近させて,噴射ノズルの先端部が被切断物に接触したときに,被切断物を介して噴射ノズルと保持手段との間に流れる電流を検出する通電検出手段と;通電検出手段によって通電が検出されたときに移動手段を停止させ,停止された噴射ノズルまたは保持手段のいずれかの位置を,高圧液の噴射方向の基準位置に設定する制御手段と;を備えることを特徴とする。
かかる構成により,噴射ノズルと被切断物とが接触したときの通電を検出することによって,噴射ノズルまたは保持手段の基準位置を電気的に検出するので,装置の歪みや経時変化による検出誤差が生じない。また,噴射ノズル自体を用いて基準位置を直接的に検出するので,従来の接触子のような間接的な手段を用いて検出する場合よりも,検出誤差が生じにくい。さらに,噴射ノズルを,被切断物の噴射ノズル側の面に直接接触させるので,基準位置の検出精度が高くなる。従って,噴射ノズルまたは保持手段の基準位置をより正確に検出して,かかる基準位置に基づいて,噴射ノズルと被切断物との間隔をより高精度で制御することができる。
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,被切断物を保持する保持手段と;被切断物に対して高圧液を噴射する噴射ノズルと,噴射ノズルと保持手段とを高圧液の噴射方向に相対移動させる移動手段と;を備えた高圧液噴射式切断装置が提供される。この高圧液噴射式切断装置では,噴射ノズルおよび保持手段は導電性材料からなる。また,この高圧液噴射式切断装置は,噴射ノズルと保持手段との間に電圧を印加する電源と;移動手段によって噴射ノズルと保持手段とを接近させて,噴射ノズルの先端部が保持手段に接触したときに,噴射ノズルと保持手段との間に流れる電流を検出する通電検出手段と;通電検出手段によって通電が検出されたときに移動手段を停止させ,停止された噴射ノズルまたは保持手段のいずれかの位置に基づいて,高圧液の噴射方向の基準位置を設定する制御手段と;を備えることを特徴とする。
かかる構成により,被切断物と保持手段と通電不可能であるため,噴射ノズルを被切断物に接触させたとしても保持手段との間で通電しない場合であっても,上記基準位置を設定することができる。また,噴射ノズルと保持手段とが接触したときの通電を検出することによって,噴射ノズルまたは保持手段の基準位置を電気的に検出するので,装置の歪みや経時変化による検出誤差が生じない。また,噴射ノズル自体を用いて噴射ノズルの基準位置を直接的に検出するので,従来の接触子のような間接的な手段を用いて検出する場合よりも,検出誤差が生じにくい。従って,噴射ノズルまたは保持手段の基準位置を正確に検出して,かかる基準位置に基づいて,噴射ノズルと被切断物との間隔を高精度で制御することができる。
また,上記保持手段は,噴射ノズルとは反対側から被切断物を支持する保持テーブルと,噴射ノズル側から被切断物を押圧して保持テーブルに固定する蓋部材と;を有し,上記通電検出手段は,噴射ノズルの先端部が蓋部材に接触したときの通電を検出するようにしてもよい。これにより,被切断物と保持手段とが通電不可能である場合であっても,噴射ノズルは,蓋部材を介して保持手段と通電可能であるので,個々に厚さが異なる被切断物の噴射ノズル側の面を基準とした基準位置を検出できる。
また,上記移動手段は,噴射ノズルを高圧液の噴射方向(例えば垂直方向)に移動させる噴射ノズル移動手段であってもよいし,或いは,保持手段を高圧液の噴射方向(例えば垂直方向)に移動させる保持手段昇降手段であってもよい。
以上説明したように本発明によれば,噴射ノズルまたは保持手段の基準位置を正確に検出できるので,噴射ノズルと被切断物との間隔を高精度で制御することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施の形態)
以下に,本発明の第1の実施形態にかかる高圧液噴射式切断装置について説明する。なお,本実施形態にかかる高圧液噴射式切断装置は,例えば,以下に説明するように,研磨材が混入された高圧水の噴流(アブレシブジェット)によって被切断物を切断するウォータージェット切断装置として構成されているが,本発明はかかる例に限定されるものではない。
まず,図1に基づいて,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10の全体構成について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10の構成を示す概略図である。
図1に示すように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10は,被切断物20に対して高圧水を噴射することにより,被切断物20を比較的自由な切断ラインで高精度に切断加工(即ち,ウォータージェット加工)することが可能な切断装置である。このウォータージェット切断装置10による切断対象である被切断物20は,例えば,パッケージ化された半導体基板(例えばCSP基板)等の各種の半導体基板などであるが,かかる例に限定されない。
かかるウォータージェット切断装置10は,例えば,高圧水発生装置12と,研磨材混合装置14と,噴射ノズル16と,ノズル移動装置17と,保持テーブル18と,テーブル移動装置22と,キャッチタンク30と,研磨材回収装置40とを主に備える。
高圧水発生装置12は,高圧液供給手段の一例として構成されている。この高圧水発生装置12は,例えば,高圧ポンプおよびモータなどで構成されており,外部から供給された水を加圧して,例えば600〜700バール(1バール=約1.02kgf/cm)の高圧水を発生・供給することができる。外部から供給される水は,例えば水道水であるが,かかる例に限定されず,純水等であってもよい。高圧水発生装置12によって発生した高圧水は,高圧流体を運搬するための配管である高圧管13を介して研磨材混合装置14に供給される。
研磨材混合装置14は,高圧水発生装置12から供給された高圧水に,所定の割合で研磨材(砥粒)を混合し,研磨材が混合された高圧液を送出する。この研磨材は,例えば,ガーネット,ダイヤモンド,酸化アルミナ等の高硬度の材質からなる例えば数十〜数百ミクロン程度の粒状物であり,高圧水の切断効率を高めるために寄与する。本実施形態では,この研磨材として,例えば,粒径が40〜100μmの酸化アルミナが使用される。かかる研磨材が混合された高圧水は,高圧管15を介して噴射ノズル16に供給される。
この研磨材混合装置14のより具体的な構成について説明する。研磨材混合装置14は,例えば,2つの混合貯留タンク(図示せず。)と,タンク切替装置(図示せず。)とから構成される。混合貯留タンクは,研磨材が混合された水を貯留するタンクであり,上記高圧水発生装置12から高圧水が供給されるとともに,後述する研磨材回収装置40からリサイクルされた研磨材が供給される。タンク切替装置は,2つの混合貯留タンクのうちいずれか一方を噴射ノズル16に連通させ,他方を研磨材回収装置40に連通させる切替バルブ等で構成される。
かかる構成により,高圧水発生装置12から供給された高圧水の圧力によって,いずれか一方の混合貯留タンクに貯留されている研磨材および水を高圧で押し出し,高圧管15を介して噴射ノズル16に供給することができる。また,他方の混合貯留タンクでは,研磨材回収装置40によってリサイクルされた研磨材と水とを混合して貯留しておくことができる。そして,一方の混合貯留タンク内の研磨材が所定レベル以下に減少した場合には,タンク切替装置によって混合貯留タンクを切り替えて,上記と同様にして,研磨材入りの高圧水の供給と貯留とを行う。これにより,研磨材が混合された高圧水を,噴射ノズル16に安定して連続供給することができる。
噴射ノズル16は,高圧液を噴射する高圧液噴射手段として構成されている。この噴射ノズル16は,例えば,高圧管15と接合されたノズル管161と,ノズル管161の先端に装着されたオリフィス162とからなる。この噴射ノズル16には,上記研磨材混合装置14から高圧管15を介して,研磨材が混合された高圧水が供給される。噴射ノズル16は,例えば,この高圧水を,保持テーブル18に保持されている被切断物20に対して上方から高速で噴射する。
また,図1内の部分拡大図に示すように,噴射ノズル16のノズル管161の先端(下端)には,高圧水の噴出径を縮小化するためのオリフィス162が装着されている。このオリフィス162は,例えば,先端に所定の微細径の噴出口165が形成されたオリフィス本体163と,このオリフィス本体163を覆うように設けられ,ノズル管161の先端部にネジ止めされるオリフィスカバー164とを備える。このオリフィスカバー164をネジ止めすることにより,オリフィス本体163が噴射ノズル16の先端部に固定される。
かかる噴射ノズル16から噴射される高圧水噴流(即ち,ウォータージェット)Jの流速は,例えば音速の約1〜3倍である。また,この噴射ノズル16の先端部(オリフィス162先端)と被切断物20表面との間隔は,例えば20μm〜1mmといった微細間隔であり,双方が極力近くなるように調整される。このように噴射ノズル16と被切断物20を接近させることで,噴射されたウォータージェットJの拡張を極力抑え,被切断物20の切断面積(切断幅)が大きくなってしまうことを防止できる。また,噴射ノズル16の口径(噴出口165の径)は例えば約250μmであり,この場合,被切断物20の切断幅は,例えば300μm程度となる。
このようにして,噴射ノズル16によって,研磨材入りの高圧水噴流であるウォータージェットJを,被切断物20に対して噴射することにより,高圧水のエネルギーによって被切断物20を切断することができる。このとき,研磨材は,高圧水とともに被切断物20に衝突して被切断物20の一部を破壊して切削するので,切断能率を向上させることができる。このように,本実施形態にかかるウォータージェットJは,アブレシブジェットとして構成されている。
このような噴射ノズル16は,例えば,ノズル移動装置17によって,Z軸方向(垂直方向)に上下動可能に構成されている。このノズル移動装置17は,本実施形態にかかる移動手段として構成されており,噴射ノズル16と保持テーブル18とを高圧水の噴射方向であるZ軸方向に相対移動させる。
具体的には,ノズル移動装置17は,例えば,噴射ノズル16に接合された高圧管15を保持する保持部材172と,電動モータの駆動力によって,保持部材172を装置本体に設けられたガイドレールに沿ってスライドさせる駆動機構(図示せず。)と,を有する。このノズル移動装置17は,例えば,噴射ノズル16をZ軸方向に昇降させることにより,噴射ノズル16を保持テーブル18に対して接近/離隔させることができる。これにより,被切断物20の種類,厚さ,表面の凹凸等に応じて,噴射ノズル16の先端部と被切断物20との間隔(Z軸方向の距離)を調整できる。
保持テーブル18は,本実施形態にかかる保持手段の一部として構成されており,被切断物20を保持する。この保持テーブル18は,例えば,導電性材料(ステンレス等の金属など)で形成された板状部材であり,上面側に載置された被切断物20を下方より支持する。この保持テーブル18には,被切断物20が固定される部分に,ウォータージェットJを通過させるための開口部であるテーブル窓18aが形成されている。このテーブル窓18aは,例えば,被切断物20に対応した形状(例えば略矩形状)を有しており,その大きさは被切断物20の外形よりも若干小さい。また,上記噴射ノズル16が噴射したウォータージェットJは,このテーブル窓18aの部分を通過するため,ウォータージェットJによって保持テーブル18自体が切断されてしまうことはない。
なお,被切断物20を好適に保持するために,保持テーブル18には,例えば,蓋部材や治具(図1では図示せず。)が設けられているが,これらの詳細については後述する。また,保持テーブル18のテーブル窓18aの部分に,被切断物20を下方から支持する平板状の支持部材(図示せず。)を取り付けてもよい。この支持部材を設けることにより,切断時の高圧水の圧力による被切断物20の変形を防止して,加工精度を向上させることができる。
テーブル移動装置22は,例えば,電動モータ,ギヤ等の駆動機構などで構成されており,上記保持テーブル18を水平方向(X軸およびY軸方向)に移動させる。このようなテーブル移動装置22によって保持テーブル18をX軸およびY軸方向に移動させることにより,保持テーブル18によって保持されている被切断物20を噴射ノズル16に対してX軸およびY軸方向に相対移動させることができる。これにより,被切断物20に対するウォータージェットJの噴射位置(切断箇所)を変更して,被切断物20を連続的に切断することができる。この切断時の被切断物20の送り速度は,切断される被切断物20の厚さや材質によって異なるが,例えば20mm/秒である。なお,テーブル移動装置22の構成は,上記例に限定されるものではなく,被切断物20を水平方向に移動可能な構成であれば,多様に設計変更可能である。
キャッチタンク30は,例えば,上面が開放された貯水槽である。このキャッチタンク30は,例えば,上記保持テーブル18の下側であって,噴射ノズル16の直下に設けられる。このキャッチタンク30は,その内部に所定の高さまで研磨材を含む水を貯留しており,この水面の高さを一定に保つために,キャッチタンク30に対する水の供給及び排出が制御されている。
かかるキャッチタンク30は,ウォータージェットJの受け水槽として機能する。即ち,キャッチタンク30は,貯留している水を緩衝材として,上記のようにして被切断物20を切断して貫通したウォータージェットJの威力を弱めて受け止めることができる。また,キャッチタンク30の例えば側面には,排水管36が接続されており,この排水管36を介してキャッチタンク30内の研磨材および水が排出され,研磨材回収装置40に送出される。なお,かかるキャッチタンク30内の貯留水に研磨材を投入することにより,研磨材がウォータージェット切断装置10内で循環利用されるようになる。
研磨材回収装置40は,上記キャッチタンク30から排水管36を介して排出された研磨材を含む水から,研磨材を回収してリサイクルするための装置である。この研磨材回収装置40は,例えば,排水路と,排水路内に配設され適切な大きさの研磨材が通過可能な研磨材回収フィルタと,研磨材回収フィルタを通過した研磨材を貯留して送出するホッパーと,回収された研磨材を配管42を介して研磨材混合装置14の混合貯留タンクに供給するための研磨材回収ポンプと,不要な水および不適切な大きさの研磨材を,配管44を介して外部に排出するための排水ポンプ(いずれも図示せず。)と,を備える。
かかる構成の研磨材回収装置40は,切断加工に適切な所定範囲の大きさの研磨材のみを回収することができる。具体的には,上記排水ポンプを用いて研磨材を含む水の流速を上げることによって,過度に小さい研磨材は,研磨材回収フィルタを通過することなく水流に乗って排出される。また,過度に大きい研磨材は,研磨材回収フィルタを通過できないため,これも排水とともに排出される。このため,粒径が切断加工に適切な所定範囲(例えば,研磨材の最適な粒径を約80μmとすると,粒径が40〜120μmの範囲)にある大きさの研磨材のみが,研磨材回収フィルタを通過して回収され,研磨材混合装置14に送出されて再利用される。一方,上記所定範囲外の大きさの研磨材と水は,廃液として処理される。これは,過度に小さい研磨材は再利用しても研磨に寄与できず,一方,過度に大きい研磨材は噴射ノズル16が詰まる原因となるからである。
以上のような構成のウォータージェット切断装置10は,噴射ノズル16からウォータージェットJを噴射しながら,当該噴射ノズル16に対して保持テーブル18をX軸およびY軸方向に相対移動させることにより,被切断物20の切断予定ラインに沿ってウォータージェットJを作用させて,被切断物20を切断加工することができる。これにより,例えば,被切断物20である半導体基板を複数の半導体チップに分割できる。
このように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10では,切断加工時に,噴射ノズル16を固定して,テーブル移動装置22によって保持テーブル18および被切断物20を移動させる切断方式を採用している。かかる切断方式を採用することにより,噴射ノズル16の位置が固定されているため,キャッチタンク30を小型化して,設置面積を小さくできるとともに,移動機構の構成を簡略化できるという利点がある。
また,かかるウォータージェット切断装置10は,例えば加工準備時には,ノズル移動装置17によって噴射ノズル16を昇降させることで,噴射ノズル16の先端部と被切断物20との間隔を調整する。
本実施形態かかるウォータージェット切断装置10は,噴射ノズル16の先端部と被切断物20との間隔を高精度で制御するために,噴射ノズル16の高さ基準位置を正確に検出できるように構成されている。即ち,本実施形態かかるウォータージェット切断装置10は,噴射ノズル16を直接的に保持手段若しくは被切断物20に接触させ,この接触の有無を噴射ノズル16と保持テーブル18との間の通電の有無によって確認して,噴射ノズル16の基準位置を検出,設定することを特徴としている。以下に,当該噴射ノズル16の基準位置の検出,設定を行うための,ウォータージェット切断装置10の構成,動作について詳細に説明する。
次に,図2および図3に基づいて,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10における,噴射ノズル16の基準位置検出機構の構成を説明する。なお,図2および図3は,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10における,噴射ノズル16の基準位置検出機構の構成を示す断面図,斜視図である。
図2および図3に示すように,被切断物20を保持する保持手段は,例えば,上述したようなテーブル窓18aが形成された保持テーブル18と,テーブル窓18aの部分に嵌合するように設けられ,被切断物20を下方より支持する治具184と,被切断物20を上方より押圧して治具184に固定する蓋部材186とを有する。
保持テーブル18は,上述したように,導電性材料である例えば金属材料(ステンレス,鉄,銅,アルミニウム等)で形成され,導電性を有する板状部材である。この保持テーブル18の一側には,上記テーブル窓18aが貫通形成されている。また,保持テーブル18aの他側は,絶縁部材である例えば絶縁板224を介して,テーブル移動装置22の支持板222に連結されている。このため,テーブル移動装置22が支持板222を水平方向(X及びY軸方向)に移動させることによって,保持テーブル18も水平移動させられるが,保持テーブル18とテーブル移動装置22とは電気的に絶縁されているので,保持テーブル18からテーブル移動装置22に後述する電流が伝わることはない。
治具184は,上記金属材料等の導電性材料からなり,上記テーブル窓18aおよび被切断物20に応じた形状(例えば矩形状)を有する板状の治具である。この治具184は,保持テーブル18の上面側に,テーブル窓18aの周囲に設けられた凹部に嵌合するように装着される。この治具184の中央には,ウォータージェットJを通過させるための例えば略矩形状の治具貫通窓184aが形成されている。この治具貫通窓18の形状は,保持される被切断物20の形状に応じて決定される。かかる治具18aは,その上面側に載置された被切断物20(例えばCSP基板等)を下方より支持して保持することができる。かかる治具184と保持テーブル18とは相互に接触しているため,双方の間で通電可能である。
蓋部材186は,上記金属材料等の導電性材料からなり,上記治具184に応じた形状(例えば矩形状)を有する板状のフレームである。この蓋部材186は,治具184の上面側に配設されており,その一端に設けられたヒンジ部186bを支点として開閉可能である。この蓋部材186は,治具184上に載置された被切断物20を上方(噴射ノズル16側)より覆って,当該被切断物20を下方に押圧し,治具184に固定することができる。この際,蓋部材186の他端に設けられた鉤状の係止部186cが治具184の端部と係合するので,蓋部材186がずれることなく被切断物20を好適に固定できる。かかる蓋部材186によって被切断物20を固定することで,切削加工時のウォータージェットJの圧力によって,被切断物20が上方に浮き上がったりすることがない。
また,この蓋部材186の中央にも,ウォータージェットJを通過させるための例えば略矩形状の蓋部材貫通窓186aが形成されている。かかる蓋部材186と上記治具184とは,少なくともヒンジ部186b等で連結されているため,双方の間で通電可能である。
このような構成の保持手段は,被切断物20を好適に保持することができる。かかる保持手段に,被切断物20として例えばパッケージ基板を取り付ける場合には,まず,保持テーブル18のテーブル窓18aに治具184を装着する。次いで,パッケージ基板のパッケージ部分を下向きにして治具貫通窓18aに上方より嵌め込むようにして,パッケージ基板の金属フレームを治具184の周辺部分に引っ掛ける。このとき,パッケージ基板の係止ピン用貫通孔(図示せず。)を治具184の係止ピン(図示せず。)に挿入することにより,パッケージ基板を正確に位置決めするようにしてもよい。さらに,パッケージ基板の金属フレーム側を蓋部材186で覆って,蓋部材186の係止部186cを治具184の端部に係合させる。
このようにして保持手段に被切断物20を設置することにより,被切断物20を安定して固定できるので,切断加工中に被切断物20がずれたり脱落したりすることがない。また,治具184を介して被切断物20を保持しているため,治具184を取り替えるだけで,保持テーブル18の形状を変更することなく,多様な大きさ,形状の被切断物20に対応することができる。
また,かかる保持手段は,例えば,全体(即ち,保持テーブル18,治具184,蓋部材186の全て)が金属材料からなるので,導電性を有する。さらに,噴射ノズル16(ノズル管161,オリフィス162)も,導電性材料である例えば金属材料(ステンレス,鉄,銅,アルミニウム等)で構成されており,導電性を有する。このため,噴射ノズル16と,保持手段とが接触した場合には,双方の間で通電可能である。
かかる保持手段と噴射ノズル16とには,本実施形態にかかる電源である直流電源50からの配線がそれぞれ接続されている。直流電源50は,例えば12Vの直流電源であり,2つの端子間に12Vの電圧を印加することができる。この直流電源50の1つの端子は,保持手段の例えば保持テーブル18に接続され,もう一方の端子は,噴射ノズル16の例えばオリフィス162に接続されている。この直流電源50は,保持手段と噴射ノズル16との間に,例えば,常時,電圧を印可するようにしていてもよいし,或いは,噴射ノズル16の基準位置を検出するときにのみ電圧を印加するようにしてもよい。
なお,直流電源50の1つの端子は,上記保持テーブル18の代わりに,治具184または蓋部材186等に接続されてもよい。また,直流電源50のもう一方の端子は,上記オリフィス162の代わりに,ノズル管161等に接続されてもよい。
さらに,上記保持手段と噴射ノズル16には,それぞれ通電検出手段52からの配線が接続されている。通電検出手段52は,例えば電流検出計などで構成されており,この通電検出手段52の1つの端子は,保持テーブル18に接続され,他の端子は,噴射ノズル16のオリフィス162に接続されている。かかる通電検出手段52は,保持手段と,噴射ノズル16との間で電流が流れたか否か(保持手段と,噴射ノズル16との間の通電の有無)を検出することができる。
このように,通電検出手段52によって通電が検出されるのは,ノズル移動装置17によって噴射ノズル16が徐々に降下されて,噴射ノズル16の先端部と保持手段(例えば蓋部材186)若しくは被切断物20とが接触した時である。この接触時には,上記直流電源50によって印可された電圧により,噴射ノズル16から保持テーブル18に,或いは保持テーブル18から噴射ノズル16に,電流が流れ出す。このため,通電検出手段52は,かかる電流を検知して,保持手段と噴射ノズル16との間で通電したことを検出する。さらに,通電検出手段52は,このようにして通電を検出すると,即時,制御手段54に通電検出信号を出力する。
制御手段54は,例えば,CPU,メモリ等からなるマイクロコントローラなどで構成されており,ウォータージェット切断装置10の各部を制御する。例えば,制御手段54は,オペレータの入力若しくは予め設定された条件等に基づいて,ノズル移動装置17を制御して,噴射ノズル16を保持テーブル18に対して昇降させる。また,制御手段54は,オペレータの入力若しくは予め設定された条件等に基づいて,テーブル移動装置22を制御して,保持テーブル18を水平方向に移動させる。
かかる制御手段54には,上記通電検出手段52によって噴射ノズル16と保持テーブル18との間の通電が検出された場合に,通電検出信号が入力される。制御手段54は,例えば,かかる通電検出信号が入力されたときの噴射ノズル16の位置(若しくは蓋部材186の厚さを差し引いた位置)を,噴射ノズル16の高さ方向(Z軸方向)の基準位置として設定する。これにより,噴射ノズル16の先端部が被切断物20若しくは保持手段の蓋部材186に接触したときの噴射ノズル16の位置(若しくは蓋部材186の厚さを差し引いた位置)が,噴射ノズル16の基準位置に設定されることになる。
さらに,制御手段54は,かかる基準位置に基づいて,噴射ノズル16の先端部と被切断物20との間隔を調整する。具体的には,当該間隔を設定間隔(例えば50μm)に調整する場合には,制御手段54は,ノズル移動装置17に対して,噴射ノズル16を上記基準位置から,設定間隔(例えば50μm)だけ上方の位置に上昇させるように指示する。ノズル移動装置17は,かかる指示に基づいて,噴射ノズル16を上方に移動させて固定する。
このように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10では,噴射ノズル16を降下させて,当該噴射ノズル16の先端部が被切断物20若しくは保持手段と接触したことを電気的な通電により検出し,当該通電が検出されたときの噴射ノズル16の位置を基準位置に設定する。これにより,被切断物20の厚さ(上面レベル)に応じた噴射ノズル16の基準位置を正確に設定することができる。このため,かかる正確な基準位置に基づいて,噴射ノズル16の先端部と被切断物20の表面との間隔を高精度に調整することができる。
ところで,上記のような噴射ノズル16の基準位置の検出を行う場合,噴射ノズル16の先端部を,被切断物20に対して接触させることが好ましい。これは,噴射ノズル16の先端部と被切断物20とが直接的に接触するので,基準位置を正確に検出することができるからである。かかる手法が可能であるのは,例えば,被切断物20の例えば全体が導電性を有しており,被切断物20と治具184とが通電可能である場合である。この場合には,噴射ノズル16の先端部を被切断物20に対して接触させたときに,噴射ノズル16と保持テーブル18とは,被切断物20および治具184を介して通電可能である。従って,噴射ノズル16と保持テーブル18とに接続された通電検出装置52による検出が可能となる。
しかし,被切断物20の種類によっては,被切断物20と治具184との間で電気的に接続されない(即ち,通電不可能な)ものもある。例えば,被切断物20の裏面側(治具184と接触する側)に絶縁膜が形成されている場合などには,この被切断物20を治具184に載置しても,当該絶縁膜の存在により被切断物20と治具184とは通電不可能である。
従って,このような場合には,噴射ノズル16の先端部を,保持手段の蓋部材186に接触させることによって,噴射ノズル16の基準位置を検出することができる。即ち,噴射ノズル16と保持テーブル18とは,蓋部材186および治具184を介して通電可能であるため,射ノズル16の先端部を蓋部材186に接触させれば,上記通電検出手段52による通電検出が可能となる。
蓋部材186は,被切断物20の上部側(噴射ノズル16側)に配設され,被切断物20の上面に密接している。このため,蓋部材186の上面レベルは,被切断物20の上面レベルを反映している。即ち,蓋部材186の上面の高さは,被切断物20の上面の高さに蓋部材186の厚さを加えた高さである。従って,噴射ノズル16の先端部が蓋部材186の上面に接触するときの噴射ノズル16の位置を検出することにより,被切断物20の厚さに応じた噴射ノズル16の基準位置を決定することができる。具体的には,制御手段54は,噴射ノズル16の先端部が蓋部材186に接触して通電が検出されたときの噴射ノズル16の位置から,予め測定してある蓋部材186の厚さを差し引いた位置に,噴射ノズル16の基準位置を設定する。
また,被切断物20や治具の蓋部材186に,水滴や異物等が付着している場合,降下した噴射ノズル16の先端が当該水滴等に触れることによって,噴射ノズル16と保持テーブル18が導通してしまい,誤検出の原因となる。この対策として,被切断物20や蓋に付着した水滴等をエアブローによって吹き飛ばすエア噴出手段(図示せず。)を設けることが好ましい。これにより,上記水滴等による誤検出を防止して,より正確に噴射ノズル16の基準位置を検出することができる。
次に,図4に基づいて,上記ウォータージェット切断装置10を利用して,噴射ノズル16の先端部と被切断物20との間隔を調整する方法について詳細に説明する。なお,図4は,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10を利用して,噴射ノズル16の先端部と被切断物20との間隔を調整する方法を示すフローチャートである。
図4に示すように,まず,ステップS10では,被切断物20と保持テーブル18とが通電可能であるか否かが判断される(ステップS10)。
上記のように,被切断物20が導電性材料であり,その裏面(下面)側に絶縁膜等が存在しない場合などには,被切断物20と保持テーブル18とは導電性の治具184を介して,通電可能である。この場合には,噴射ノズル16の先端部を被切断物20に直接的に接触させる手法を採用できるため,ステップS12に進む。
一方,被切断物20が導電性材料でない場合や,被切断物20の裏面側に絶縁膜等が存在する場合などには,被切断物20と保持テーブル18とは通電不可能である。この場合には,噴射ノズル16の先端部を被切断物20に接触させたとしても,噴射ノズル16と保持テーブル18の間では通電しない。従って,噴射ノズル16の先端部を保持手段の蓋部材186に接触させる手法を採用するため,ステップS32に進む。
なお,本ステップS10の判断は,例えば,オペレータによって,被切断物20毎に判断され,その判断結果がウォータージェット切断装置10に入力,設定されるようにしてもよいし,或いは,ウォータージェット切断装置10の制御手段54等によって,予め設定された条件等に基づいて自動的に判断されてもよい。
次いで,ステップS12では,噴射ノズル16の直下に被切断物20が配置される(ステップS12)。具体的には,制御装置54は,テーブル移動装置22を制御して,保持テーブル18を水平移動させることによって,噴射ノズル16の直下に,被切断物20の露出部分(蓋部材窓186aから露出した部分)を位置づける。
さらに,ステップS14では,噴射ノズル16が被切断物20に向けて降下される(ステップS14)。具体的には,制御装置54は,ノズル移動装置17を制御して,噴射ノズル16を垂直方向下方に所定速度で移動させ,被切断物20に対して徐々に接近させる。
このステップS14での噴射ノズル16の降下と同時併行して,ステップS16では,噴射ノズル16の先端部と被切断物20とが接触したか否かが継続的に判断されている(ステップS16)。具体的には,上記噴射ノズル16の降下中は,通電検出手段52は,噴射ノズル16と保持テーブル18とが通電したか否か(即ち,電流が検出されたか否か)に基づいて,噴射ノズル16の先端部と被切断物20とが接触したか否かを判断している。この結果,通電が未だ検出されず,噴射ノズル16の先端部と被切断物20とが接触していない場合には,ステップS14における噴射ノズル16の降下が継続される。一方,通電が検出され,噴射ノズル16の先端部と被切断物20とが接触したと判断された場合には,ステップS18に進む。
次いで,ステップS18では,通電検出信号が制御手段54に出力される(ステップS18)。通電検出手段52は,上記ステップS18において通電を検出すると即時,制御手段54に通電検出信号を出力する。
さらに,ステップS20では,噴射ノズル16の垂直方向(高さ方向)の基準位置が設定される(ステップS20)。制御手段54は,通電検出手段52から通電検出信号が入力されると,即時,噴射ノズル16の降下を停止して,その時点での噴射ノズル16の位置を基準位置に設定する。この基準位置は,噴射ノズル16の先端と被切断物20の上面とが接触しているときの噴射ノズル16のZ方向の位置(高さ)である。
その後,ステップS22では,上記ステップS20で設定された基準位置に基づいて,噴射ノズル16の先端部と被切断物20との間隔が調整される(ステップS22)。例えば,制御装置54は,ノズル移動装置17を制御して,噴射ノズル16を上記ステップS20で設定された基準位置から,予め定められた設定間隔だけ正確に上昇させる。これにより,噴射ノズル16と被切断物20との間隔が,好適な間隔(設定間隔)に調整される。この好適な間隔は,例えば,噴射ノズル16と被切断物20とを可能な限り接近させ,噴射されたウォータージェットJが拡張して切断面積が増大してしまうことを十分に抑制できるような,微細な間隔である。ただし,噴射ノズル16と被切断物20とを過度に接近させすぎたため,切断加工中に,噴射ノズル16の先端と被切断物20とが接触して,破損してしまうことを回避する必要がある。
一方,上記ステップS10において,被切断物20と保持テーブル18とが通電不可能であると判断された場合には,以下のようなステップS32以降の処理がなされる。
まず,ステップS32では,噴射ノズル16の直下に,保持手段の例えば蓋部材186が配置される(ステップS32)。具体的には,制御装置54は,テーブル移動装置22を制御して,保持テーブル18を水平移動させ,噴射ノズル16の直下に,蓋部材186の平坦部分を位置づける。
次いで,ステップS34では,噴射ノズル16が蓋部材186に向けて降下される(ステップS34)。具体的には,制御装置54は,ノズル移動装置17を制御して,噴射ノズル16を垂直方向下方に所定速度で移動させ,蓋部材186に対して徐々に接近させる。
このステップS34での噴射ノズル16の降下と同時併行して,ステップS36では,噴射ノズル16の先端部と蓋部材186とが接触したか否かが継続的に判断されている(ステップS36)。具体的には,上記噴射ノズル16の降下中は,通電検出手段52は,噴射ノズル16と保持テーブル18とが通電したか否かに基づいて,噴射ノズル16の先端部と蓋部材186とが接触したか否かを判断している。この結果,通電が未だ検出されず,噴射ノズル16の先端部と蓋部材186とが接触していない場合には,ステップS34における噴射ノズル16の降下が継続される。一方,通電が検出され,噴射ノズル16の先端部と蓋部材186とが接触したと判断された場合には,ステップS38に進む。
次いで,ステップS38では,通電検出信号が制御手段54に出力される(ステップS38)。通電検出手段52は,上記ステップS36において通電を検出すると即時,制御手段54に通電検出信号を出力する。
さらに,ステップS40では,噴射ノズル16の垂直方向(高さ方向)の基準位置が設定される(ステップS40)。制御手段54は,通電検出手段52から通電検出信号が入力されると,即時,噴射ノズル16の降下を停止して,その時点での噴射ノズル16の位置から,蓋部材186の厚さの分だけ下方の位置を,基準位置に設定する。この基準位置は,噴射ノズル16の先端と被切断物20の上面とが接触したと仮定したときにおける,噴射ノズル16のZ方向の位置(高さ)である。
その後,ステップS42では,上記ステップS40で設定された基準位置に基づいて,噴射ノズル16と被切断物20との間隔が調整される(ステップS42)。例えば,制御装置54は,まず,テーブル移動装置22およびノズル移動装置17を制御して,噴射ノズル16を被切断物20の切断開始点の上方に位置づけた後,噴射ノズル16を上記ステップS20で設定された基準位置から,予め定められた設定間隔だけ上方の位置に移動させる。これにより,噴射ノズル16と被切断物20との間隔が,上記好適な間隔に調整される。
以上のように,本実施形態にかかる噴射ノズル16と被切断物20との間隔調整方法では,被切断物20の種類に応じて噴射ノズル16の接触先を選択して,噴射ノズル16の高さ方向の基準位置を正確に検出することができる。
(第2の実施形態)
次に,本発明の第2の実施形態にかかるウォータージェット切断装置10について説明する。第2の実施形態にかかるウォータージェット切断装置10は,第1の実施形態にかかるウォータージェット切断装置10と比べて,基準位置検出時に,噴射ノズル16を昇降させるのではなく,保持手段(保持テーブル18等)を昇降させて,保持手段の高さ方向の基準位置を検出する点で,相違するのみであり,その他の機能構成は略同一であるのでその説明は省略する。
具体的には,第2の実施形態にかかるウォータージェット切断装置10においては,テーブル移動装置22は,例えば,保持テーブル18を水平方向のみならず,垂直方向(Z軸方向)にも移動可能に構成されている。このテーブル移動装置22によって,被切断物20を保持した状態の保持テーブル18を上昇させて,被切断物20を,固定された噴射ノズル16に対して接近させ,被切断物20の上面と噴射ノズル18の先端とを接触させることができる。なお,このように保持テーブル18を昇降可能である場合には,噴射ノズル16を昇降させる必要がないので,必ずしもノズル移動装置17を設けなくても良い。
ここで,図5に基づいて,このような第2の実施形態にかかるウォータージェット切断装置10を利用して,噴射ノズル16の先端部と被切断物20との間隔を調整する方法について詳細に説明する。なお,図5は,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10を利用して,噴射ノズル16の先端部と被切断物20との間隔を調整する方法を示すフローチャートである。
図5に示すように,まず,ステップS110では,被切断物20と保持テーブル18とが通電可能であるか否かが判断される(ステップS110)。上記のように,被切断物20と保持テーブル18とは導電性の治具184を介して,通電可能である場合には,噴射ノズル16の先端部を被切断物20に直接的に接触させる手法を採用できるため,ステップS112に進む。一方,被切断物20と保持テーブル18とは通電不可能である場合には,噴射ノズル16の先端部を被切断物20に接触させたとしても,噴射ノズル16と保持テーブル18の間では通電しない。従って,噴射ノズル16の先端部を保持手段の蓋部材186に接触させる手法を採用するため,ステップS132に進む。
次いで,ステップS112では,噴射ノズル16の直下に被切断物20が配置される(ステップS112)。
さらに,ステップS114では,保持テーブル18が噴射ノズル16に向けて上昇される(ステップS114)。具体的には,制御装置54は,テーブル移動装置22を制御して,被切断物20を保持している保持テーブル18を,垂直方向上方に所定速度で移動させ,被切断物20を噴射ノズル16に対して徐々に接近させる。
このステップS114での噴射ノズル16の降下と同時併行して,ステップS116では,噴射ノズル16の先端部と被切断物20とが接触したか否かが継続的に判断されている(ステップS116)。具体的には,上記保持テーブル18の上昇中は,通電検出手段52は,噴射ノズル16と保持テーブル18とが通電したか否か(即ち,電流が検出されたか否か)に基づいて,噴射ノズル16の先端部と被切断物20とが接触したか否かを判断している。この結果,通電が未だ検出されず,噴射ノズル16の先端部と被切断物20とが接触していない場合には,ステップS114における保持テーブル18の上昇が継続される。一方,通電が検出され,噴射ノズル16の先端部と被切断物20とが接触したと判断された場合には,ステップS118に進む。
次いで,ステップS118では,通電検出信号が制御手段54に出力される(ステップS118)。通電検出手段52は,上記ステップS118において通電を検出すると即時,制御手段54に通電検出信号を出力する。
さらに,ステップS120では,保持テーブル18の垂直方向(高さ方向)の基準位置が設定される(ステップS120)。制御手段54は,通電検出手段52から通電検出信号が入力されると,即時,保持テーブル18の上昇を停止して,その時点での保持テーブル18の位置を基準位置に設定する。この基準位置は,噴射ノズル16の先端と被切断物20の上面とが接触しているときの保持テーブル18のZ方向の位置(高さ)である。
その後,ステップS122では,上記ステップS120で設定された基準位置に基づいて,噴射ノズル16の先端部と被切断物20との間隔が調整される(ステップS122)。例えば,制御装置54は,テーブル移動装置22を制御して,保持テーブル18を上記ステップS120で設定された基準位置から,予め定められた設定間隔だけ正確に下降させる。これにより,噴射ノズル16と被切断物20との間隔が,上記のような好適な間隔(設定間隔)に調整される。
一方,上記ステップS110において,被切断物20と保持テーブル18とが通電不可能であると判断された場合には,以下のようなステップS132以降の処理がなされる。
まず,ステップS132では,噴射ノズル16の直下に,保持テーブル18上に設けられた例えば蓋部材186が配置される(ステップS132)。
次いで,ステップS134では,保持テーブル18が噴射ノズル18に向けて上昇される(ステップS134)。具体的には,制御装置54は,テーブル移動装置17を制御して,保持テーブル18を垂直方向上方に所定速度で移動させ,蓋部材186を噴射ノズル16の先端に対して徐々に接近させる。
このステップS134での保持テーブル18の上昇と同時併行して,ステップS136では,噴射ノズル16の先端部と蓋部材186とが接触したか否かが継続的に判断されている(ステップS136)。具体的には,上記噴射ノズル16の降下中は,通電検出手段52は,噴射ノズル16と保持テーブル18とが通電したか否かに基づいて,噴射ノズル16の先端部と蓋部材186とが接触したか否かを判断している。この結果,通電が未だ検出されず,噴射ノズル16の先端部と蓋部材186とが接触していない場合には,ステップS134における保持テーブル18の上昇が継続される。一方,通電が検出され,噴射ノズル16の先端部と蓋部材186とが接触したと判断された場合には,ステップS138に進む。
次いで,ステップS138では,通電検出信号が制御手段54に出力される(ステップS138)。通電検出手段52は,上記ステップS136において通電を検出すると即時,制御手段54に通電検出信号を出力する。
さらに,ステップS140では,保持テーブル18の垂直方向(高さ方向)の基準位置が設定される(ステップS140)。制御手段54は,通電検出手段52から通電検出信号が入力されると,即時,保持テーブル18の上昇を停止して,その時点での保持テーブル18の位置から,蓋部材186の厚さの分だけ上方の位置を,保持テーブル18の基準位置に設定する。
その後,ステップS142では,上記ステップS140で設定された基準位置に基づいて,噴射ノズル16と被切断物20との間隔が調整される(ステップS142)。例えば,制御装置54は,まず,テーブル移動装置22およびノズル移動装置17を制御して,噴射ノズル16を被切断物20の切断開始点の上方に位置づけた後,保持テーブル18を上記ステップS120で設定された基準位置から,予め定められた設定間隔だけ下方の位置に移動させる。これにより,噴射ノズル16と被切断物20との間隔が,上記好適な間隔に調整される。
以上のように,本実施形態にかかる噴射ノズル16と被切断物20との間隔調整方法では,保持テーブル18を上昇させることによって,噴射ノズル16先端と被切断物20を接触させた時の通電を検出して,保持テーブル18の基準位置を設定している。
以上,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10,およびこれを用いた噴射ノズル16と被切断物20との間隔調整方法について詳細に説明した。本実施形態によれば,噴射ノズル16若しくは保持テーブル18の高さ方向の基準位置を正確に検出することができるので,噴射ノズル16と被切断物20との間隔を高精度で制御することができる。
即ち,本実施形態では,噴射ノズル16が保持手段あるいは被切断物20に接触したときの位置を,噴射ノズル16若しくは保持テーブル18の基準位置としており,かかる基準位置を,噴射ノズル16自体を用いて直接的に検出している。従って,本実施形態にかかる噴射ノズル16若しくは保持テーブル18の基準位置検出手法では,従来のような接触子という間接的な手段を用いて噴射ノズルの位置を検出する手法と比べて,噴射ノズル16若しくは保持テーブル18の基準位置を正確に検出,設定することができる。
さらに,本実施形態にかかる検出方式では,噴射ノズル16が保持手段あるいは被切断物20に接触したことを,電気的導通(通電)によって検出する。このため,従来のような機械的構造のみに頼った検出手法のように,装置構造の歪みや装置の経時変化の影響を受けることがない。従って,噴射ノズル16若しくは保持テーブル18の基準位置を正確に検出,設定することができる。
このように,本実施形態では,噴射ノズル16若しくは保持テーブル18の基準位置を正確に検出,設定することができるので,噴射ノズル16と被切断物20との間隔を高精度で制御することができる。従って,当該間隔を一定間隔に保つことができるので,被切断物を一定の切断面積(切断幅)で切断することができる。また,当該間隔を,切断加工時に噴射ノズル16と被切断物20とが接触しないような必要最小限の間隔にすることができるので,ウォータージェットJによる切断面積を最小限に抑制できる。よって,ウォータージェット切断装置10による加工品質を向上させることができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態および実施例について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,被切断物20は,各種の半導体ウェハ,CSP基板,GPS基板,BGA基板等のパッケージ基板等の半導体基板に限られず,例えば,サファイア基板,ガラス材,セラミックス材,金属材,プラスチック等の合成樹脂材,或いは,磁気ヘッド,レーザダイオードヘッド等を形成するための電子材料基板,などであってもよい。また,被切断物20の形状は,略矩形板形状,略円盤形状など任意の形状であってよい。さらに,被切断物20の形状に合わせて,保持テーブル18やテーブル窓18a,治具184,蓋部材186等の形状を変更することもできる。
また,上記実施形態では,高圧液噴射式切断装置の一例としてウォータージェット切断装置10について説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。高圧液噴射式切断装置は,高圧液噴射手段と保持手段とを備え,高圧液の噴射によって被切断物を切断加工できる装置であれば,多様に設計変更可能である。例えば,噴射する液体は,上記水の例に限定されず,アルコール,油などの任意の液体であっても良いし,或いは,各種の化学物質等を各種溶媒に溶解させた液体,研磨材に加えて他の固形物を溶媒に混合させた混合液,或いは粘度の高いジェル状の流体などであってもよい。また,噴射液は,必ずしも研磨材を含まなくてもよい。
また,1台の高圧液噴射式切断装置に,高圧液噴射手段(噴射ノズル16等)を複数設けることによって,1つの被切断物20のうちの複数箇所,或いは,複数の被切断物20を同時に切断加工できるように構成してもよい。この構成は,例えば,1つの金属フレーム上に複数のパッケージ部分が形成されているパッケージ基板などを切断する際に適用できる。
また,本実施形態では,保持テーブル18および治具184を用いて被切断物20を保持しているが,本発明の保持手段はかかる例に限定されない。例えば,治具184を設けず,保持テーブル18のみで被切断物20を保持してもよい。この場合には,保持テーブル18に蓋部材186を装着してもよい。また,上記以外にも各種の載置台,治具,保持器具,係止部材などで構成された保持手段によって,被切断物20を保持してもよい。
また,上記実施形態では,噴射ノズル16および保持手段の全体を導電性材料で形成したが,本発明はかかる例に限定されない。噴射ノズル16と保持手段との間の通電を検出するために必要な部分(例えば,噴射ノズル16の先端部や,治具184,蓋部材186等)のみを,導電性材料で形成してもよい。この場合は,直流電源50や通電検出手段52の各端子は,噴射ノズル16および保持手段の導電性を有する部分に接続される。
また,上記実施形態では,電源として直流電源50を採用したが,かかる例に限定されず,例えば,交流電源等を採用してもよい。
また,上記実施形態では,噴射ノズル16と保持手段とを高圧液の噴射方向(例えばZ軸方向)に相対移動させる移動手段は,ノズル移動装置17で構成されたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,当該移動手段は,テーブル移動手段22で構成されてもよい。この場合には,テーブル移動手段22は,保持テーブル18を高圧液の噴射方向(垂直方向)に移動させるように構成する必要がある。
また,上記実施形態では,基準位置の検出時に,噴射ノズル若しくは保持手段のいずれかを,高圧液の噴射方向に移動させたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,噴射ノズル16と保持手段の双方を同時に移動(例えば,噴射ノズル16を下降させると同時に保持手段を上昇)させることによって,双方を接触させて通電検出してもよい。この場合には,通電検出時における噴射ノズル16または保持手段の高さ方向の位置が,噴射ノズル16または保持手段の基準位置として検出,設定されることになる。
本発明は,高圧液の噴射によって被切断物を切断する高圧液噴射式切断装置に適用可能であり,特に,噴射ノズルと被切断物との間隔を高精度で調整可能な高圧液噴射式切断装置に適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかるウォータージェット切断装置の構成を示す概略図である。 同実施形態にかかるウォータージェット切断装置における,噴射ノズルの基準位置検出機構の構成を示す断面図である。 同実施形態にかかるウォータージェット切断装置における,噴射ノズルの基準位置検出機構の構成を示す斜視図である。 同実施形態にかかるウォータージェット切断装置を利用して,噴射ノズルの先端部と被切断物との間隔を調整する方法を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態にかかるウォータージェット切断装置を利用して,噴射ノズルの先端部と被切断物との間隔を調整する方法を示すフローチャートである。
符号の説明
10 : ウォータージェット切断装置
16 : 噴射ノズル
17 : ノズル移動装置
18 : 保持テーブル
20 : 被切断物
22 : テーブル移動装置
50 : 直流電源
52 : 通電検出手段
54 : 制御手段
161 : ノズル管
162 : オリフィス
J : ウォータージェット

Claims (3)

  1. 被切断物を保持する保持手段と;前記被切断物に対して高圧液を噴射する噴射ノズルと,前記噴射ノズルと前記保持手段とを前記高圧液の噴射方向に相対移動させる移動手段と;を備えた高圧液噴射式切断装置であって:
    前記噴射ノズルおよび前記保持手段は導電性材料からなり,
    前記被切断物と前記保持手段との間で通電可能であり,
    前記噴射ノズルと前記保持手段との間に電圧を印加する電源と;
    前記移動手段によって前記噴射ノズルと前記保持手段とを接近させて,前記噴射ノズルの先端部が前記被切断物に接触したときに,前記被切断物を介して前記噴射ノズルと前記保持手段との間に流れる電流を検出する通電検出手段と;
    前記通電検出手段によって通電が検出されたときに前記移動手段を停止させ,停止された前記噴射ノズルまたは前記保持手段のいずれかの位置を,前記高圧液の噴射方向の基準位置に設定する制御手段と;
    を備えることを特徴とする,高圧液噴射式切断装置。
  2. 被切断物を保持する保持手段と;前記被切断物に対して高圧液を噴射する噴射ノズルと,前記噴射ノズルと前記保持手段とを前記高圧液の噴射方向に相対移動させる移動手段と;を備えた高圧液噴射式切断装置であって:
    前記噴射ノズルおよび前記保持手段は導電性材料からなり,
    前記噴射ノズルと前記保持手段との間に電圧を印加する電源と;
    前記移動手段によって前記噴射ノズルと前記保持手段とを接近させて,前記噴射ノズルの先端部が前記保持手段に接触したときに,前記噴射ノズルと前記保持手段との間に流れる電流を検出する通電検出手段と;
    前記通電検出手段によって通電が検出されたときに前記移動手段を停止させ,停止された前記噴射ノズルまたは前記保持手段のいずれかの位置に基づいて,前記高圧液の噴射方向の基準位置を設定する制御手段と;
    を備えることを特徴とする,高圧液噴射式切断装置。
  3. 前記保持手段は,前記噴射ノズルとは反対側から前記被切断物を支持する保持テーブルと,前記噴射ノズル側から前記被切断物を押圧して前記保持テーブルに固定する蓋部材と;を有し,
    前記通電検出手段は,前記噴射ノズルの先端部が前記蓋部材に接触したときの通電を検出することを特徴とする,請求項2に記載の高圧液噴射式切断装置。

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