JP2005342637A - プラズマガスによる洗浄方法および洗浄装置 - Google Patents

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毅之 大野
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Abstract


【課題】 大面積の被洗浄体の表面浄化処理を高速で処理することが可能となり、高い洗浄効果を得ることができ、メンテナンス手間を格段に低減することができるプラズマガスによる洗浄方法および洗浄装置を提供すること。
【解決手段】 対向する電極11,11および電源17からなる放電ユニット10と、ガス供給源2と、該ガス供給源2に連通して電極間へガスを供給するガス供給配管21と、ガスにオゾン混合物を混入可能なオゾン混合物供給源3に接続したオゾン混合物供給配管31と、電極間の放電空間13に対向する位置に設けられた被洗浄体搬送手段とから洗浄装置1aを構成する。オゾン混合物内のオゾンの混合比率がガスの10volppm以下であり、オゾン混合物のガスに対する混入比率が100〜2000volppm、好ましくは200〜1000volppmであるオゾン混合物をガスに混入し、放電空間内でプラズマ化させたガスを被洗浄体6に吹き付けて表面洗浄する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマ化したガス(プラズマガス)を被洗浄体に接触させて該被洗浄体の表面洗浄を行うプラズマガスによる洗浄方法および洗浄装置に係り、特に、大面積の被洗浄体(例えば基板サンプル)を高速洗浄することができるとともに高い洗浄効果を発揮できるプラズマガスによる洗浄方法および洗浄装置に関する。
従来のITO(インジウム酸化すず)ガラスなどの基板の洗浄方法としては、水溶液による洗浄やUV(紫外線)を使用して基板表面を化学反応(二酸化炭素と水に分解する)させることによる洗浄などが知られている。表示装置用基板の製法にかかる特許文献1に開示の発明においては、ITOのフォトレジストの露出部にUVを照射して洗浄する方法が記載されている。
上記するUVを使用する基板の洗浄方法の中でも、エキシマUVを使用した洗浄方法が近時の主流の一つとなっている。かかるエキシマUVを使用した洗浄方法によれば、従来の低圧水銀ランプを使用する洗浄方法に比べて、波長の短い光を照射できるとともにランプの点滅や点灯が可能なため、必要に応じてランプの点灯を行うことで該ランプの長寿命化が図られる。さらに、水銀ランプのように環境汚染への問題もなく、洗浄速度も速いといった特徴を備えている。
ところで、現在製造されているITO基板の大きさは、大きいものでは1辺が1.5m超の矩形サイズとなっている。かかるサイズのITO基板に上記するエキシマUVを使用した洗浄方法を適用する場合には、UVランプを基板の搬送方向に直交する方向に複数併設したエキシマ光照射装置を使用する必要がある。
特開平6−148661号公報
上記するエキシマ光照射装置を使用した基板の洗浄方法によれば、洗浄処理速度を上げるためにUVランプの本数を増やす必要がある。UVランプの本数を増やすことにより、装置は大掛かりなものになるとともにその製作コストも高騰するといった問題が生じ得る。また、低圧水銀ランプに比べて長寿命化したとはいうものの、UVランプの交換は定期的に行われる必要があることからメンテナンス手間を要することとなる。
本発明のプラズマガスによる洗浄方法および洗浄装置は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、大面積の被洗浄体(基板サンプル)を高速で洗浄処理することのできるプラズマガスによる洗浄方法および洗浄装置を提供することを目的としている。また、被洗浄体表面の洗浄効果を高めることのできるプラズマガスによる洗浄方法および洗浄装置を提供することを目的としている。さらに、UVランプを必要とせず、メンテナンス手間もかからない洗浄装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明によるプラズマガスによる洗浄方法は、対向する電極間の放電空間をガスが通過することによりプラズマ化したプラズマガスを被洗浄体に接触させて該被洗浄体の表面洗浄を行うプラズマガスによる洗浄方法であって、前記放電空間を通過する前の前記ガスにオゾン混合物を混入させることを特徴とする。
ここで、プラズマを発生させる放電空間は大気圧近傍の圧力(常圧)下である1.333×10〜10.666×10Pa程度、さらに好ましくは、洗浄システムがより簡素となり得る9.331×10〜10.397×10Pa程度の圧力条件下で形成されればよい。尤も、真空状態などを排除するものでないことは勿論であり、例えば、チャンバー内で放電空間を構成する場合には異常放電が起こらない範囲で電極近傍からガスを導入するなどの方法が考えられる。なお、ガスとしては、窒素や空気などを使用することができる。その中でも安全性や取り扱いの容易性などから窒素ガスを使用するのが好ましい。
オゾン混合物とは、オゾンと酸素などの混合物を意味する。被洗浄体表面上の有機物を化学反応(燃焼)にて除去するためには、酸素元素が必要となるが、酸素元素が多量に存在すると逆に洗浄効果を阻害してしまう。したがって、洗浄効果が最も高くなるように、酸素元素を含む混合物をガスに微量混入させるのが好ましい。酸素分子はプラズマの発生により、より高準位なエネルギー状態であるオゾン、あるいは活性酸素に変化する。かかるオゾン、あるいは活性酸素が被洗浄体表面の洗浄(改質)に関与しているものと考えられる。したがって、ガスをプラズマ化して活性化させる前の段階でオゾンを該ガスに含ませることにより、プラズマガスのみの場合よりも更に高い洗浄効果を得ることができる。
被洗浄体表面の洗浄効果を高める要素は該オゾン混合物(酸素やオゾンからなる)内の特にオゾンであるが、オゾンのみをガスに混合することは極めて困難であることから、本発明ではオゾンと他の気体、例えば酸素からなるオゾン混合物をガスに混入するものとした。ただし、オゾン混合物はオゾンと酸素のみからなる必要はなく、オゾンと酸素とが主たるガスであれば適宜のオゾン混合物を適用できる。
対向する電極間には高周波、パルス波、マイクロ波などの電界が印加されてプラズマが発生することとなる。ここで、電界強度については、10〜1000kV/cm程度が好ましい。電界強度が10kV/cm未満の場合には洗浄処理に時間が掛かり過ぎ、1000kV/cmを超えるとアーク放電が生じ易くなるためである。さらに、電界の周波数については0.5kHz以上であることが好ましい。上限は特に限定されないが、常用されている13.56kHzや試験的に使用されている50MHzといった高周波数帯域でもよい。ただし、負荷との整合の採り易さや取り扱い性などを勘案すると500kHz以下が好ましいと考えられる。かかるパルス電界を印加することにより、洗浄処理速度を格段に向上させることが可能となる。
プラズマガスの被洗浄体への噴射速度はプラズマの状態や洗浄条件などによって適宜の噴射速度を選定できるが、1〜50m/sec程度であることが好ましく、中でも2〜20m/sec程度が特に好ましい。
被洗浄体として、素ガラスやITOが塗布されたガラス基材をはじめ、LCD(液晶ディスプレイ)やPDP(プラズマディスプレイパネル)に用いられる大判基材に本発明の洗浄方法を使用するのが特に好ましい。
また、本発明によるプラズマガスによる洗浄方法のより好ましい実施態様としては、前記オゾン混合物内のオゾンの混合比率が前記ガスの10volppm以下であることを特徴とする。
発明者等は、ガスに対する混合オゾン比率が一定値(10volppm)を超えた場合に、必ずしも洗浄処理能力の向上が図られるわけではないという結論を得ている。したがって、洗浄処理に最適なガスに対する混合オゾン比率として、概ね10volppm以下程度を設定したものである。
また、本発明によるプラズマガスの洗浄方法のより好ましい実施態様としては、前記オゾン混合物の混入比率が前記ガスの100〜2000volppmであり、好ましくは200〜1000volppmであることを特徴とする。
オゾンと酸素からなるオゾン混合物のガスへの混入比率をパラメータとし、水の接触角を洗浄効果の指標として洗浄程度を測定した発明者等の実験によれば、オゾン混合物の混入量が100〜2000volppm程度(オゾンの比率を上記する10volppm以下とした条件)の場合に効果的な洗浄効果が得られることが分かった。さらに、その中でも、オゾン混合物の混入量を200〜1000volppmとした場合に、30度以下程度の接触角(洗浄効果)を得ることができた。したがって、ガスに対するオゾン比率を10volppm以下程度としながら、該オゾンを含むオゾン混合物のガスに対する混合比率を200〜1000volppm程度とするのが洗浄に最適なオゾンを含むプラズマガスと考えられる。
また、本発明によるプラズマガスの洗浄方法のより好ましい実施態様としては、前記オゾン混合物がドライガスであることを特徴とする。
例えば、水蒸気などは被洗浄体表面の浄化処理能力の向上を阻害することとなるため、該被洗浄体表面に吹き付けられるガス(気体)と同様、混入されるオゾン混合物もドライなガスであることが好ましい。
また、本発明によるプラズマガスの洗浄方法のより好ましい実施態様としては、前記オゾン混合物に含まれるオゾンが、前記被洗浄体の表面洗浄後のプラズマガスから回収されたオゾンを含むことを特徴とする。
被洗浄体の表面洗浄後のプラズマガスから回収されたオゾンを例えばブロア等で吸引し、ガスに再度混入させることにより、別途オゾン混合物を生成する装置が必要なくなり、プラズマガスの生成システム(洗浄装置)の簡素化を図ることが可能となる。
また、本発明によるプラズマガスの洗浄方法のより好ましい実施態様としては、前記オゾン混合物に含まれるオゾンが、対向する電極間の放電空間で生じたオゾンを含むことを特徴とする。
上記するオゾンの再利用とは異なり、オゾン生成用の対向電極を備えた装置にて別途オゾン混合物を生成することで、所望濃度のオゾンを含むオゾン混合物を確実に生成することが可能となる。
また、本発明による洗浄装置のより好ましい実施態様としては、対向する電極および電源からなる放電ユニットと、ガス供給源と、該ガス供給源に連通して電極間へガスを供給するガス供給配管と、前記電極間の放電空間に対向する位置に設けられた被洗浄体搬送手段と、からなる洗浄装置であって、前記ガスにオゾン混合物を混入可能なオゾン混合物供給源をオゾン混合物供給配管を介して前記ガス供給配管の途中に設けたことを特徴とする。
オゾン混合物供給源はオゾン混合物を収容するボンベやオゾナイザなどからなり、オゾン混合物供給源をオゾン混合物供給配管に繋ぎ、該オゾン混合物供給配管をガス供給配管の途中に繋ぐことにより適宜のオゾン混合物をガスに供給可能な構成としている。さらに、オゾン混合物が混入された後のガス内におけるオゾン濃度を測定するためのオゾン濃度計がガス供給配管の途中に介在している。ここで、最適なオゾン混合物の混入比率やオゾ
ンの混合比率については上記説明と同様である。
ガス供給源からガス供給配管を通って流入してきたガス(例えば窒素ガスや空気)に所定比率のオゾン混合物が混入され、該オゾン混合物が混入されたガスが放電ユニット内の放電空間に供給される。ガスはかかる放電空間内を通過することでプラズマ化されてプラズマガスとなり、放電空間を経た後に、該放電空間に対向する位置に少なくともその一部が設けられている被洗浄体搬送手段上に吹き付けられる。この被洗浄体搬送手段は、複数の搬送ローラーが所定間隔を置いて並行配置されたものであり、該搬送ローラー上を搬送された被洗浄体が放電空間に対向する位置にきたときに上記するプラズマガスが被洗浄体の表面に吹き付けられることにより、該表面の洗浄が行われる。なお、電界強度や電界の周波数、プラズマガスの被洗浄体への噴射速度は上記説明と同様である。
対向する電極の材質は、例えば鉄や銅、アルミニウム、チタンなどの金属単体のほか、ステンレスや真鍮などの合金、金属間化合物などの適宜の材質を選定できる。また、プラズマを発生させる対向電極の対向面は、少なくとも一方が誘電体で被覆されているのが好ましい。この場合、誘電体と電極が密着しつつ、他方の電極に対向する対向面を完全に覆うように電極を誘電体にて被覆する。双方の電極がともに誘電体にて被覆されない場合にはアーク放電が生じ易いことからかかる問題を解消するためである。なお、誘電体の材質としては、例えばポリテトラフルオロエチレンやポリエチレンテレフタラートなどのプラスチックのほか、ガラスや二酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタンなどの金属酸化物、チタン酸バリウムなどの複酸化物などが挙げられる。さらに、かかる誘電体としては、上記するようなセラミックコーティングやホーロー処理を電極表面にコーティングするもののほか、石英板やガラス板、アルミナ板などのセラミック板を電極表面に密着させてもよい。誘電体の厚みは0.1〜5mm程度であることが好ましい。また、電極の規模は対象となる被洗浄体の規模に応じて適宜の大きさを選定することができる。
対向する電極間距離については、上記する誘電体の厚さや印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的などを勘案して適宜選定できるが、好ましくは0.1〜50mm程度がよく、中でも0.1〜5mm程度が特に好ましい。
さらに、本発明による洗浄装置のより好ましい実施態様としては、対向する電極および電源からなる放電ユニットと、ガス供給源と、該ガス供給源に連通して電極間へガスを供給するガス供給配管と、前記電極間の放電空間に対向する位置に設けられた被洗浄体搬送手段と、からなる洗浄装置であって、前記被洗浄体に吹き付けられた後のガスを吸気可能な吸気ノズルと、該吸気ノズルと前記ガス供給配管を繋ぐ吸気ガス配管と、を備えたことを特徴とする。
被洗浄体の表面に吹き付けられた後のオゾン混合物を混入したガス、すなわちプラズマガスをブロアに連通した吸気ノズルで吸気回収する。吸気されたプラズマガスは吸気ガス配管を通り、ガス供給配管へ送られることでガスに混入されて再度放電空間に供給される。ここで、ガス供給配管内にはオゾン濃度計が介在しており、オゾン濃度を随時計測している。かかる洗浄装置によれば、オゾンを再利用することができるため、装置の簡素化を図ることが可能となる。また、オゾンを再利用する洗浄装置においては、再利用段階でオゾン濃度が低下してくるため、所望のオゾン濃度以下となった場合には該ガス供給配管に連通されたオゾン混合物供給源から適量のオゾン混合物(またはオゾン)をオゾン混合物供給配管を通して供給できる構成とすることもできる。
以上の説明から理解できるように、本発明のプラズマガスによる洗浄方法および洗浄装
置によれば、従来のエキシマUVを使用する洗浄方法に比べて、大面積の被洗浄体の表面浄化処理を高速で処理することが可能となる。また、ガスにオゾン混合物を混入させた後にプラズマ化させてなるプラズマガスを使用することにより、高い洗浄効果を得ることができる。さらに、多数のUVランプなどを使用しないことから、洗浄装置のメンテナンス手間を格段に低減することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の洗浄装置を模式的に示した装置の構成図であり、図2は、洗浄装置を構成する放電ユニットの一部と被洗浄体搬送手段の斜視図である。また、図3は、本発明の洗浄装置の他の実施形態を模式的に示した装置の構成図である。図4は、オゾン混合物の混入比率と洗浄効果(接触角)との関係を示した説明図であり、発明者等の実験結果に基づいてグラフ化したものである。
本発明の洗浄装置の一実施形態を図1に示している。洗浄装置1aは、略コの字形のフレーム14の開口内に電極11が嵌め込まれ、該電極11の表面は誘電体12にて被覆されている。このフレーム14の延長は被洗浄体6の幅などによって適宜の延長とすることができ、例えば図2に示すように比較的延長の長いフレーム14(および電極11)とすることで、大面積の被洗浄体6の高速洗浄が可能となる。
図1に戻り、上記するような電極11および誘電体12を嵌め込んだフレーム14を2つ用意し、それぞれの誘電体12,12を所定の間隔を置いて対向するように配置させる。電極11,11は電源17を介する回路18で繋がれることで放電ユニット10が構成される。ここで、電極11は鉄や銅、アルミニウムなどの金属単体のほか、ステンレスや真鍮などの合金、金属間化合物などの適宜の材質から製作できる。また、誘電体12は、ポリテトラフルオロエチレンやポリエチレンテレフタラートなどのプラスチックのほか、ガラスや二酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタンなどの金属酸化物、チタン酸バリウムなどの複酸化物などの適宜の材質から製作できる。さらに、誘電体12の厚みは0.1〜5mm程度に成形されたものを使用するのが好ましく、誘電体12,12間の間隔は0.1〜50mm程度、その中でも特に0.1〜5mm程度が好ましい。なお、洗浄装置1aでは、両電極11,11ともに誘電体12,12にて被覆されているが、かかる実施形態に拘束されるものではなく、少なくとも一方の電極11が誘電体12にて被覆された構成であればよい。
電極11,11間に高周波、パルス波、マイクロ波などの電界を印加することにより、放電空間13にはプラズマが発生する。ここで、電界強度は10〜1000kV/cm程度の範囲の適宜の電界強度を選定するのがよい。また、かかる放電空間13は、1.333×10〜10.666×10Pa程度の大気圧近傍(常圧)下にて形成されればよく、必ずしも真空雰囲気内にて形成される必要はない。
放電空間13に対向する位置に少なくともその一部が配されるように、被洗浄体搬送手段を配置する。この被洗浄体搬送手段は、複数の搬送ローラー5,5、…が所定間隔を置いて並行配置されてなる装置であり、該搬送ローラー5の延長は、例えば図2に示すように被洗浄体6の幅に応じた適宜の寸法に製作される。なお、搬送ローラー5の代わりに、図示しない搬送コンベアや搬送ロボットなどを使用してもよい。さらに、バッチ対応の搬送手段やマガジン対応の搬送手段、これらを組み合わせた搬送手段など適宜の搬送手段を選定できる。また、プラズマガス82の吹き付け部を前後する位置にガイドローラーを備えることもできる。
図1に戻り、窒素ガスや空気など処理用のガスが収容されたガス供給源2がガス供給配
管21に接続され、該ガス供給配管21の端部に取り付けたられた吹き出しノズル22が対向する電極11,11間のガス取り入れスリット15の直上に配されている。ガス供給配管21の途中にはオゾン混合物供給源3と該オゾン混合物供給源3に接続されたオゾン混合物供給配管31が介在している。ガス供給配管21内を流入してきたガスにオゾン混合物が混入されることでオゾン混合物を混入したガス81が生成される。さらに、ガスに混入されたオゾン混合物内のオゾン濃度を計測するためのオゾン濃度計4がガス供給配管21に介在している。なお、ガス供給源2は代替として工場等に予め設置されている処理用のガスの供給装置であってもよい。また、オゾン混合物供給源3はオゾン混合物を収容するボンベのほか、代替としてオゾナイザおよびこれに酸素等を供給する装置であってもよい。
ここで、オゾン混合物とは、オゾンと他の気体との混合物であり、特にオゾンと酸素とを主たるガスとするのが好ましい。かかるオゾン混合物は別途の放電手段によって生成されるプラズマガスに含まれたオゾンを酸素と混合するなどした後でオゾン混合物供給源3に収容される。
オゾン混合物を混入したガス81は吹き出しノズル22から吹き出され、ガス取り入れスリット15から放電空間13内を通過する過程でプラズマ化されることでプラズマガス82が生成される。プラズマガス82は対向する電極11,11間のガス吹き出しスリット16から吹き出す。ガス吹き出しスリット16に対向する位置に配された搬送ローラー5,5、…上を矢印X方向に搬送された被洗浄体6の表面61にプラズマガス82が吹き付けられることで表面61の洗浄が行われることとなる。なお、プラズマガス82の被洗浄体6への噴射速度は、1〜50m/sec程度であることが好ましく、中でも2〜20m/sec程度が特に好ましい。
図3は、洗浄装置の他の実施形態である洗浄装置1bを示している。上記する実施形態との相違点は、オゾン混合物供給源3からオゾン混合物をガスへ供給する構成ではなく、被洗浄体6に吹き付けられたプラズマガス82をブロア72に接続された吸気ノズル71で吸気回収し、吸気ガス配管73を通ってガス供給配管21にプラズマガス82(その中でも特にオゾン混合物)を供給する構成とした点である。ここで、吸気ノズル71はフレーム14の外側近傍に設置するものであるが、フレーム14の一方だけではなく両側のフレーム14,14の外側近傍に設置することもできる。ガス供給配管21にはその途中にオゾン濃度計4が介在しており、吸気ガス配管73の間には調整バルブ74が介在している。オゾン濃度計4にて計測したオゾン濃度に応じて調整バルブ74の開閉程度を調整することができる。本実施形態のようにオゾン混合物を再利用することにより、別途オゾン混合物を生成する必要がなくなる。なお、本実施形態に、上記と同様のオゾン混合物供給源3およびオゾン混合物供給配管32を備えた構成とすることで、オゾン混合物の再利用過程でオゾン濃度が低下してきた場合に、適宜新たなオゾン(オゾン混合物)をガスに供給する洗浄装置とすることもできる(図3中の点線箇所)。
図1に示す洗浄装置1aを使用して被洗浄体6(基板サンプル)の表面洗浄を行った。ここで、電極11の断面寸法は30mm×150mmとし、ガラス製の誘電体12にて電極11表面を被覆した。対向する電極間距離は1mmとし、回路内に投入される電力は170〜180W程度とした。ガスとしては窒素ガスを使用し、オゾン混合物としてはオゾンと酸素の混合気体とした。ここで、オゾン混合物が混入されるガスに対するオゾン比率は、概ね10volppm以下とした。これは、オゾン濃度をパラメータとして洗浄効果を測定した発明者等の実験により、オゾンのガスに対する混入比率が10volppm以上であった場合にはその処理能力の向上は見られないとの結論に基づくものである。上記条件のもとで、オゾン混合物の量(オゾン混合物のガスに対する混入比率)をパラメータ
として水の接触角(deg)を測定した。測定結果を図4に示す。
図4より、オゾン混合物が100〜2000volppmの範囲で接触角が比較的低いという結果、すなわち洗浄効果が比較的高いという結果となり、上記範囲の中でも特にオゾン混合物が200〜1000volppmの範囲で接触角が30度以下となる結果が得られた。
発明者等の実験によれば、ガスに混入されるオゾンの比率(ガスに対する比率)は、概ね10volppm以下程度が好ましいという結論が得られた。ここで、本発明では、純粋なオゾンのみを生成することは極めて困難であることから、オゾンと酸素などとを混合したオゾン混合物をガスに混入することとしているが、この場合のオゾン混合物の混入量(ガスに対するオゾン混合物の混入比率)は図示する実験結果からも分かるように、一定の範囲内であることが好ましいという結論が得られた。
なお、電力を上記の2倍程度(370〜380W)とした場合の別途の実験によれば、オゾン混合物を混入しない場合の接触角は67度程度と極めて高く(洗浄効果が低い)、酸素のみをガスに混入した場合で接触角は20度と低く(洗浄効果が高い)、酸素とオゾンを混合したオゾン混合物(ガスに対するオゾンの比率は2volppm程度)をガスに混入した場合で接触角は16度と極めて低い(洗浄効果が極めて高い)という結果を得ている。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。例えば、図示する実施形態では、水平方向に搬送される被洗浄体の表面にプラズマガスが鉛直方向下方へ吹き付けられるような構成としているが、放電空間内を直接被洗浄体が通過する構成とすることも可能である。また、純粋にオゾンのみをガスに混入することは極めて困難ではあるものの、仮にオゾンのみをガスに混入できる場合には、本発明のオゾン混合物はオゾンのみであってもよいことは勿論のことである。
本発明の洗浄装置を模式的に示した装置の構成図。 洗浄装置を構成する放電ユニットの一部と被洗浄体搬送手段の斜視図。 本発明の洗浄装置の他の実施形態を模式的に示した装置の構成図。 オゾン混合物の混入比率と洗浄効果(接触角)との関係を示した説明図。
符号の説明
1a,1b…洗浄装置、2…ガス供給源、3…オゾン混合物供給源、4…オゾン濃度計、5…搬送ローラー、6…被洗浄体(基板サンプル)、10…放電ユニット、11…電極、12…誘電体、13…放電空間、15…ガス取り入れスリット、16…ガス吹き出しスリット、21…ガス供給配管、31,32…オゾン混合物供給配管、61…表面、71…吸気ノズル、72…ブロア、73…吸気ガス配管、81…オゾン混合物を混入したガス、82…プラズマガス

Claims (8)

  1. 対向する電極間の放電空間をガスが通過することによりプラズマ化したプラズマガスを被洗浄体に接触させて該被洗浄体の表面洗浄を行うプラズマガスによる洗浄方法であって、
    前記放電空間を通過する前の前記ガスにオゾン混合物を混入させることを特徴とする、プラズマガスによる洗浄方法。
  2. 請求項1に記載のプラズマガスによる洗浄方法において、
    前記オゾン混合物内のオゾンの混合比率が前記ガスの10volppm以下であることを特徴とする、プラズマガスによる洗浄方法。
  3. 前記オゾン混合物の混入比率が前記ガスの100〜2000volppmであり、好ましくは200〜1000volppmであることを特徴とする、請求項2に記載のプラズマガスによる洗浄方法。
  4. 前記オゾン混合物がドライガスであることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のプラズマガスによる洗浄方法。
  5. 前記オゾン混合物に含まれるオゾンが、前記被洗浄体の表面洗浄後のプラズマガスから回収されたオゾンを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のプラズマガスによる洗浄方法。
  6. 前記オゾン混合物に含まれるオゾンが、対向する電極間の放電空間で生じたオゾンを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のプラズマガスによる洗浄方法。
  7. 対向する電極および電源からなる放電ユニットと、ガス供給源と、該ガス供給源に連通して電極間へガスを供給するガス供給配管と、前記電極間の放電空間に対向する位置に設けられた被洗浄体搬送手段と、からなる洗浄装置であって、
    前記ガスにオゾン混合物を混入可能なオゾン混合物供給源をオゾン混合物供給配管を介して前記ガス供給配管の途中に設けたことを特徴とする、洗浄装置。
  8. 対向する電極および電源からなる放電ユニットと、ガス供給源と、該ガス供給源に連通して電極間へガスを供給するガス供給配管と、前記電極間の放電空間に対向する位置に設けられた被洗浄体搬送手段と、からなる洗浄装置であって、
    前記被洗浄体に吹き付けられた後のガスを吸気可能な吸気ノズルと、該吸気ノズルと前記ガス供給配管を繋ぐ吸気ガス配管と、を備えたことを特徴とする、洗浄装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009125671A (ja) * 2007-11-22 2009-06-11 Panasonic Corp 基板洗浄装置及び洗浄方法

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JP2009125671A (ja) * 2007-11-22 2009-06-11 Panasonic Corp 基板洗浄装置及び洗浄方法

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