JP2005341163A - 圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 圧電振動子の、特に支持台に固定されない他辺側の下面が凹部の底面と接触することを効果的に防止し、圧電振動子を確実に正常に発振させることが可能な圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置を提供すること。
【解決手段】 上面に四角形状の圧電振動子3を収容する凹部2を有する絶縁基体1と、凹部2の底面に形成された、圧電振動子3の一辺側の端部が支持固定される支持台7と、支持台7から絶縁基体1の側面または下面にかけて形成された配線導体9とを具備している圧電振動子収納用パッケージであって、凹部2は、底面のうち圧電振動子3の一辺と対向する他辺の直下の部位に、他辺の長さよりも長い溝10が他辺と平行に形成されており、溝10の支持台7側の側面から凹部2の底面にかけて曲面状の角部を有するセラミック層12が被着されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 上面に四角形状の圧電振動子3を収容する凹部2を有する絶縁基体1と、凹部2の底面に形成された、圧電振動子3の一辺側の端部が支持固定される支持台7と、支持台7から絶縁基体1の側面または下面にかけて形成された配線導体9とを具備している圧電振動子収納用パッケージであって、凹部2は、底面のうち圧電振動子3の一辺と対向する他辺の直下の部位に、他辺の長さよりも長い溝10が他辺と平行に形成されており、溝10の支持台7側の側面から凹部2の底面にかけて曲面状の角部を有するセラミック層12が被着されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内部に圧電振動子を収容するための圧電振動子収納用パッケージ、およびこのパッケージに圧電振動子を収容してなる圧電装置に関するものである。
従来、内部に水晶振動子等の圧電振動子を収容するための圧電振動子収納用パッケージは、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックス材料から成り、その上面中央部に圧電振動子を収納するための長方形状等の四角形状の凹部を有する絶縁基体と、凹部の底面に形成され、圧電振動子の一辺側の端部が接続され、支持固定される支持台と、支持台から絶縁基体の側面または下面にかけて形成された配線導体とを具備した構造である。
この圧電振動子収納用パッケージの凹部内に圧電振動子を収納するとともに、圧電振動子の電極(接続用電極)が形成されている一辺側の端部を凹部の底面に形成された支持台に導電性接着剤等を介して電気的,機械的に接続し、その後、絶縁基体の上面に蓋体を取着すること等の手段で凹部を塞ぐことにより、凹部内に圧電振動子が気密封止されて圧電装置となる。そして、絶縁基体の側面や下面等の外表面に導出された配線導体を外部の電気回路に接続することにより圧電振動子が外部の電気回路と接続され、圧電振動子から外部の電気回路に時間や周波数の基準信号等が出力される。
なお、支持台は、圧電振動子と凹部の底面との間に一定の距離を確保する機能をなす。一定の距離を確保することにより、圧電振動子と凹部との間の干渉を抑え、圧電振動子を正常に発振させることができる。また、圧電装置の外部電気回路への接続や搬送等の取り扱いの際に誤って圧電装置に衝撃が加わったときなどに圧電振動子が凹部の底面と接触することを防止し、圧電振動子が正常に発振できなくなったり、カケ等の機械的な破壊が生じたりすることを防止することができる。
上記のような従来の圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置の一例の断面図を図2に示す。
同図において、31は絶縁基体、32は圧電振動子が収容される凹部、33は圧電振動子、34は蓋体、37は支持台、38は導電性接着剤である。また、35は蓋体の取着を容易かつ強固とするための封止用メタライズ層、36は封止用メタライズ層35にろう付け等の手段で接合されている金属枠体である。
絶縁基体31の凹部32に圧電振動子33を収容し、圧電振動子33の一辺側を支持台37に導電性接着剤で電気的,機械的に接続した後、蓋体34を金属枠体36の上面に接合して凹部32を塞ぐことにより、凹部32内に圧電振動子33が気密封止されて圧電装置となる。
このように蓋体34を金属枠体36を介して封止用メタライズ層35に接合する形態のパッケージは、例えば、金属枠体36および蓋体34に被着させたニッケルめっき層、金めっき層(図示せず)および蓋体34の裏面に予め被着させておいたろう材(図示せず)を周知のシーム溶接等により溶融させることにより、めっき層およびろう材を介して蓋体34の下面の外周部と金属枠体36の上面とを強固に接合させて、圧電振動子33を絶縁基体31の凹部32内に気密性良く封止することができる。
一方、近年このような圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置は、さらなる小型化,低背化を可能とするために、絶縁基体31の上面の凹部32の周囲に形成された封止用メタライズ層35に金属枠体36を接合せずに、直接蓋体34を封止用メタライズ層35に接合する形態のものが考案されている。
この形態の圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置の一例の断面図を図3に示す。図3において図2と同じ部位には同じ符号を付している。断面図である図2と図3との比較でわかるように、金属枠体36の分、低背化されている。
この場合、例えば封止用メタライズ層35に、予めニッケルめっき、および金めっきを被着させておくとともに、蓋体34の下面にろう材を被着させておき、蓋体34の下面の外周部を封止用メタライズ層35にシーム溶接等の手段で接合させることにより、圧電振動子33を絶縁基体31の凹部32内に気密性良く封止することができる。
特開2002−164457号公報
しかしながら、近年の圧電装置の低背化により絶縁基体の厚みは、例えば1.0mm以下と非常に薄くなってきており、凹部32の深さをあまり深くすることができず、これに応じて、支持台37の高さも低くすることが求められるようになってきている。そのため、圧電振動子33の下面と凹部32の底面との間の距離が狭くなり、特に、圧電振動子33の支持台37に固定される一辺側に対向する他辺側において、圧電振動子33が誤って凹部32の底面と接触して正常に振動することができなくなったり、圧電振動子33にカケ等の機械的な破壊を生じたりする等の不具合が生じるようになってきている。圧電振動子33の振幅は、一般に他辺側のほうが大きいため、上記のような不具合が生じやすい。
特に、上述のように金属枠体36を接合しない形態の圧電振動子収納用パッケージにおいては、金属枠体36が無い分、凹部32の深さがより浅く、支持台37の高さがより低くなるため、上記のような不具合がさらに頻発する傾向があるという問題があった。
本発明は、かかる問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、低背化の要求に伴い、例えば絶縁基体の厚さが1.0mm以下と極めて薄いものとなっても、凹部に収容される圧電振動子の、特に支持台に固定されない他辺側の下面が凹部の底面と接触することを効果的に防止し、圧電振動子を確実に正常に発振させることが可能な圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置を提供することにある。
本発明の圧電振動子収納用パッケージは、上面に四角形状の圧電振動子を収容する凹部を有する絶縁基体と、前記凹部の底面に形成された、前記圧電振動子の一辺側の端部が支持固定される支持台と、該支持台から前記絶縁基体の側面または下面にかけて形成された配線導体とを具備している圧電振動子収納用パッケージであって、前記凹部は、底面のうち前記圧電振動子の前記一辺と対向する他辺の直下の部位に、前記他辺の長さよりも長い溝が前記他辺と平行に形成されており、前記溝の前記支持台側の側面から前記凹部の底面にかけて曲面状の角部を有するセラミック層が被着されていることを特徴とするものである。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージは、好ましくは、前記溝の前記支持台側の側面と前記凹部の底面との間に段差が形成されており、前記溝の前記支持台側の側面から前記段差の上面にかけて前記セラミック層が被着されていることを特徴とするものである。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージは、好ましくは、前記セラミック層は前記絶縁基体と色調が異なることを特徴とするものである。
本発明の圧電装置は、上記構成の圧電振動子収容用パッケージと、前記凹部に収容されるとともに前記支持台に接続された前記圧電振動子と、前記絶縁基体の上面の前記凹部の周囲に取着された蓋体とを具備していることを特徴とするものである。
本発明の圧電振動子収納用パッケージによれば、上面に四角形状の圧電振動子を収容する凹部を有する絶縁基体と、凹部の底面に形成された、圧電振動子の一辺側の端部が支持固定される支持台と、支持台から絶縁基体の側面または下面にかけて形成された配線導体とを具備している圧電振動子収納用パッケージであって、凹部は、底面のうち前記圧電振動子の前記一辺と対向する他辺の直下の部位に、他辺の長さよりも長い溝が前記他辺と平行に形成されており、溝の支持台側の側面から凹部の底面にかけて曲面状の角部を有するセラミック層が被着されていることから、絶縁基体が薄いものとなっても、圧電振動子の他辺側において、圧電振動子の下側に十分な空間を確保することができ、圧電振動子が絶縁基体の凹部の底面と接触することを効果的に防止することができ、圧電振動子を確実に正常に発振させることが可能な圧電装置を製作することができる。
また、例えば、圧電装置の実装や搬送等の取り扱いの際に誤って衝撃が加わったような場合等に、圧電振動子が大きく湾曲したとしても、絶縁基体の凹部に形成された溝の支持台側の側面から凹部の底面にかけて形成された曲面状の角部を有するセラミック層によって圧電振動子の接触による衝撃を有効に緩和することができ、圧電振動子にカケ等の機械的な破壊が生じることを効果的に防止することもできる。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージにおいて、好ましくは、溝の支持台側の側面と凹部の底面との間に段差が形成されており、溝の支持台側の側面から段差の上面にかけてセラミック層が被着されていることから、圧電振動子の下面と凹部の底面との間隔を狭めることなくセラミック層の厚みを厚くすることができ、その厚いセラミック層によって、溝の支持台側の側面から凹部の底面にかけて形成される曲面状の部分の曲率半径をより大きく形成することが可能となる。そのため、圧電振動子の下面が接触したときの衝撃は、大きな曲率半径の曲面に沿ってより効果的に分散、緩和させることができ、圧電振動子に機械的な破壊が生じることはより効果的に防止される。
また、段差の上面にセラミック層が被着されるので、セラミック層の上面を凹部の底面と同じまたはそれ以下の高さとすることができ、セラミック層が形成されている部位において、圧電振動子の下側に十分な空間をより確実に確保することができ、圧電振動子を、より確実に正常に発振させることができる。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージにおいて、好ましくは、セラミック層は絶縁基体と色調が異なることから、凹部を上から見たときにセラミック層を絶縁基体と明瞭に識別することができるため、このセラミック層を、圧電振動子を絶縁基体の支持台に位置決めする際のアライメントマークとして作用させることができ、凹部の中央により一層位置精度良く圧電振動子を搭載することかできる。
本発明の圧電装置によれば、上記構成の圧電振動子収納用パッケージと、凹部に収容されるとともに支持台に接続された圧電振動子と、絶縁基体の上面の凹部の周囲に取着された蓋体とを具備していることから、例えば絶縁基体の厚さが1.0mm以下と極めて薄いものとなっても、凹部に収容される圧電振動子の、特に支持台に固定されない他辺側の下面が凹部の底面と接触することを効果的に防止し、圧電振動子を確実に正常に発振させることが可能な圧電装置とすることができる。
次に、本発明の圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置を添付の図面を基に説明する。図1(a)は本発明の圧電振動子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す平面図であり、同図(b)はそのA−A’線における断面図である。同図において1は絶縁基体、2は凹部、3は圧電振動子、4は蓋体、7は支持台、9は配線導体である。
そして、主として、絶縁基体1、支持台7および配線導体9で圧電振動子収納用パッケージが構成されている。また、圧電振動子3を圧電振動子収納用パッケージに収納し、蓋体4で封止することにより圧電装置が主に構成される。
絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックス材料から成るセラミック絶縁層を積層して成り、例えば一辺の長さが2〜20mm程度で厚みが0.5〜3mm程度の四角形状である。そして、その上面中央部に圧電振動子3を収納するための長方形状等の四角形状の凹部2が設けられている。
絶縁基体1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成るセラミック絶縁層を積層して成る場合であれば、酸化アルミニウムやガラス等の原料粉末を有機溶剤,バインダーとともに従来周知のドクターブレード法等によりシート状に成形して複数のセラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートという)を形成し、これを積層した後、約1500℃〜1600℃の温度で焼成することにより作製される。
この場合、最上層または最上層から下側に数層のグリーンシートに打抜き加工を施して中央部に四角形状の開口部を形成しておくことにより、凹部2を有する絶縁基体1とすることができる。
また、凹部2の底面には、圧電振動子3の一辺側の端部が支持固定される支持台7が形成され、支持台7から絶縁基体1の側面または下面にかけて配線導体9が形成されている。
凹部2に収容された圧電振動子3は、接続用の電極(図示せず)が形成されている一辺側の端部が支持台7の上面に支持固定される。
支持台7は、圧電振動子3と凹部2の底面との間に一定の距離を確保ためのものであり、タングステンやモリブデン,銅,銀等の金属材料、または絶縁基体1と同様のセラミック材料等により形成される。または、支持台7は、絶縁体から成る凸部で形成されてもよく、その場合、配線導体9が凸部の上面に導出され、この導出された配線導体9に圧電振動子3の電極が電気的に接続される。
支持台7は、例えば、タングステンからなる場合であれば、タングステンの金属ペーストを絶縁基体1となるグリーンシートのうち凹部2の底面となる部位に印刷しておくことにより形成される。
また、配線導体9は、支持台7から絶縁基体1の側面や内部、または凹部2の底面等を経由して下面の外部接続用端子に導出されており、タングステンやモリブデン,銅,銀等の金属材料から成り、例えば、タングステンからなる場合であれば、タングステンの金属ペーストを絶縁基体1を形成するグリーンシートに印刷しておくことにより形成される。
なお、圧電振動子3は、例えば高周波用の基準信号を発振する寸法の小さな水晶振動子等であり、その一辺側の端部に接続用の電極(図示せず)が形成されている。この電極が凹部2の底面の支持台7に電気的,機械的に接続され、圧電振動子3が支持台7に支持固定される。
圧電振動子3の一辺側の端部に形成された電極と、支持台7との接続は、導電性接着剤8等の導電性の接続材を介して行なわれる。例えば、圧電振動子3の電極を支持台7の上に位置決めして載せ、この部分にディスペンサー(図示せず)から導電性接着剤8を排出,供給することにより圧電振動子3の端部に形成された電極と支持台7とが電気的,機械的に接続される。
そして、凹部2内に圧電振動子3を収容し、支持台7に圧電振動子3の一辺側の端部を導電性接着剤8等を介して電気的、機械的に接続した後、例えば、蓋体4を絶縁基体1の上面に取着して凹部2を塞ぐこと等の手段で凹部2内に圧電振動子3を気密封止することにより圧電装置が形成される。
蓋体4は、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属材料、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック材料、エポキシ樹脂等の有機樹脂材料等により形成され、四角形状の凹部2を塞ぐのに適した四角板状に形成される。
また、蓋体4の絶縁基体1に対する取着は、例えば、予め、絶縁基体1の上面の外周部に、凹部2を取り囲むようにして封止用メタライズ層5を形成しておき、蓋体4の下面の外周部を封止用メタライズ層5の上面にダイレクトシーム法や電子ビーム法等の溶接法で接合すること等により行なうことができる。
なお、封止用メタライズ層5は、タングステンやモリブデン、銅、銀等の金属材料から成り、配線導体9と同様の手段(金属ペーストをグリーンシートに印刷塗布すること)で形成することができる。
本発明の圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置において、凹部2は、底面のうち圧電振動子3の一辺と対向する他辺の直下の部位に、他辺の長さよりも長くなるように溝10が他辺と平行に形成されており、溝10の支持台7側の側面から凹部2の底面にかけて曲面状の角部を有するセラミック層12が被着形成されている。
この構成により、絶縁基体1が薄いものとなっても、圧電振動子3の他辺側において、圧電振動子3の下側に十分な空間を確保することができ、圧電振動子3が絶縁基体1の凹部2の底面と接触することを効果的に防止することができ、凹部2に収容される圧電振動子3を確実に正常に発振させることができる。
また、例えば、圧電装置の実装や搬送等の取り扱いの際に誤って衝撃が加わったような場合等に、圧電振動子3が大きく湾曲したとしても、絶縁基体1の凹部2に形成された溝10の支持台7側の側面から凹部2の底面にかけて形成された曲面状の角部を有するセラミック層12によって圧電振動子3の接触による衝撃を有効に緩和することができ、圧電振動子3にカケ等の機械的な破壊が生じることを効果的に防止することもできる。
溝10は、例えば、絶縁基体1を形成するグリーンシートのうち、その上面が凹部2の底面となるものについて、底面のうち圧電振動子3の他辺の直下に対応する部位に、他辺の長さよりも長い溝状の開口部を、圧電振動子3の他辺と平行になるようにして形成しておくことにより形成される。このような開口部は、複数の層にわたって形成してもよい。
溝10の長さは、圧電振動子3の他辺の長さよりも長ければ、特にその長さについて限定するものではないが、凹部2の底面の幅よりも20〜100μm程度狭くすることが、グリーンシートの積層時に溝10となる開口部が形成されているグリーンシートと、その上側の層のグリーンシートとの位置合わせが容易であり、かつ絶縁基体1の上下のグリーンシート間の接合強度を確保することができるため、好ましい。
また、溝10の深さは20〜40μm程度が好ましい。溝10の深さが20μm未満であると、圧電振動子3と絶縁基体1との接触を有効に防止するのが困難となる。また、溝10の深さが40μmを超えると絶縁基体1の強度が低下しやすくなる。
また、セラミック層12は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックス材料により形成され、好ましくは、生産性や絶縁基体1に対する接合強度を考慮して絶縁基体1と同系の材料により形成される。
セラミック層12は、例えば、絶縁基体1を形成するのと同様の酸化アルミニウム等の原料粉末を有機溶剤,バインダーとともに混練してセラミックペーストを作製し、このセラミックペーストを、溝10の支持台7側の側面から凹部2の底面にかけてスクリーン印刷法により印刷することにより形成される。このようにセラミックペーストを溝10の角部に印刷することにより、セラミックペーストの表面張力によって容易に角部を滑らかな曲面にすることができ、圧電振動子3の接触による衝撃を有効に緩和できるとともに、セラミック層12の角部を曲面にするための工程が省略でき、量産性に優れたものとなる。なお、セラミック層12の角部をより滑らかな曲面状とするため、セラミック層12の角部にプレス加工や研磨加工などを施してもよい。
また、好ましくは、セラミック層12の角部を表面張力によって、より良好な曲面状とするためにセラミック層12が被着される溝10の側面を上側に向かうにともなって外側に広がるように傾斜させておくのがよい。
本発明の圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置によれば、凹部2の底面のうち、圧電振動子3の支持台7に接続される側の一辺と対向する他辺の直下の部位に、他辺の長さよりも長い溝10が他辺と平行に形成されており、圧電振動子3の下面と溝10の底面との間の間隔を広くすることができることから、例えば、圧電振動子3が、主面の中央部から他辺側にかけて励振電極(図示せず)が形成されている水晶振動子であるような場合、励振電極と絶縁基体1の凹部2の底面の導体(凹部2の底面に露出する配線導体9等)との間に発生する浮遊容量を小さくすることができ、このような浮遊容量が水晶振動子3の下側に存在することに起因する発振周波数のばらつき等の変動を有効に防止することができる。その結果、発振周波数の精度に優れた水晶デバイス等の圧電装置を提供することができる。
この場合、上述の浮遊容量の発生をより効果的に防止するために、配線導体9を、圧電振動子3の励振電極と平面視で重ならないように形成することが望ましい。
また、セラミック層12の比誘電率を絶縁基体1の比誘電率よりも小さくすると、圧電振動子3の励振電極と絶縁基体1に形成した配線導体9との間に発生する静電容量をより小さく抑えることができる。従って、セラミック層12は、絶縁基体1よりも比誘電率の小さい材料で形成することが好ましい。セラミック層12の比誘電率を絶縁基体1よりも小さくするには、セラミック層12に、絶縁基体1よりも比誘電率の低い材料を多く混合すること等の手段を用いることができる。例えば、ともに酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、フォルステライト等の比誘電率の低いシリカ系の原料粉末を、セラミック層12となるセラミックペーストに、絶縁基体1となるセラミックグリーンシートよりも多く混合する。
なお、セラミック層12は、その厚さを15μm〜35μm程度の範囲としておくと、圧電振動子3の機械的な破壊を有効に防止できる程度に曲面状とすることが容易であり、また溝10の側面や凹部2の底面から剥がれにくくすることができる。
また、セラミック層12の曲面状の角部の曲率半径は30〜60μmであるのがよい。これにより、圧電振動子3の接触による衝撃を有効に緩和することができる。曲率半径が
30μm未満であるとセラミック層12の角部が鋭くなり、圧電振動子3が接触した際にセラミック層12の角部や圧電振動子3に破損が生じやすくなる。また、セラミック層12の角部に応力が生じやすくなり、セラミック層12にクラックが生じやすくなる。また、曲率半径が60μmを超えると圧電装置が大型化しやすくなる。
30μm未満であるとセラミック層12の角部が鋭くなり、圧電振動子3が接触した際にセラミック層12の角部や圧電振動子3に破損が生じやすくなる。また、セラミック層12の角部に応力が生じやすくなり、セラミック層12にクラックが生じやすくなる。また、曲率半径が60μmを超えると圧電装置が大型化しやすくなる。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージは、溝10の支持台7側の側面と凹部2の底面との間に段差11が形成されており、溝10の支持台7側の側面から段差11の上面にかけてセラミック層12が被着されていることが好ましい。
これにより、圧電振動子3の下面と凹部2の底面との間隔を狭めることなくセラミック層12の厚みを厚くすることができ、その厚いセラミック層12によって、溝10の支持台7側の側面から凹部2の底面にかけて形成される曲面状の部分の曲率半径をより大きく形成することが可能となる。そのため、圧電振動子3の下面が接触したときの衝撃は、大きな曲率半径の曲面に沿ってより効果的に分散、緩和させることができ、圧電振動子3に機械的な破壊が生じることはより効果的に防止される。
また、段差11の上面にセラミック層12が被着されるので、セラミック層12の上面を凹部2の底面と同じまたはそれ以下の高さとすることができ、セラミック層12が形成されている部位において、圧電振動子3の下側に十分な空間をより確実に確保することができ、圧電振動子3を、より確実に正常に発振させることができる。
段差11は、溝10となる開口部をグリーンシートに、複数の層にわたって、開口寸法を異ならせて打ち抜き形成し、開口寸法の大きいものが上層に位置するようにして積層することにより形成することができる。
凹部2の底面に対する段差11の深さは、その上面に被着されるセラミック層12の上面が凹部2の底面と同じ高さとなるようにして、または少し低くなるようにして圧電振動子3の下側に十分な空間を確保するため、セラミック層12の厚さと同程度または若干大きくしておくことが望ましい。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージにおいて、セラミック層12は絶縁基体1と色調が異なることが好ましい。これにより、凹部2を上から見たときにセラミック層12を絶縁基体1と明瞭に識別することができるため、このセラミック層12を、圧電振動子3を絶縁基体1の支持台7に位置決めする際のアライメントマークとして作用させることができ、凹部2の中央により一層位置精度良く圧電振動子3を搭載することができる。
セラミック層12の色調を絶縁基体1と異ならせるには、モリブデンやクロム等の着色用の金属材料、金属酸化物材料を、セラミック層12と絶縁基体1との間で配合量を異ならせて配合させること等の手段を用いることができる。
上記説明した圧電装置は、配線導体9の絶縁基体1の外表面に導出された部位を外部の電気回路に接続することにより、気密封止された圧電振動子3の電極が配線導体9を介して外部の電気回路と電気的に接続される。
このような圧電装置において、配線導体9の露出表面には、酸化腐食を防止するとともに配線導体9と圧電振動子3の各電極との接続および外部電気回路基板との接続を強固なものとするために、例えば、10〜20μm程度の厚みのニッケルめっき層と0.1〜3μm程度の厚みの金めっき層とを順次被着させておくことが好ましい。これらのめっき層は、従来周知の電解法や無電解法等のめっき法により形成することができる。
また、蓋体4が鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト等の金属から成る場合ならば、このような蓋体4は、鉄−ニッケル合金板や鉄−ニッケル−コバルト合金板等の下面に銀−銅ろう等のろう材箔を重ねて圧延することによって鉄−ニッケル合金板や鉄−ニッケル−コバルト合金板等の下面に厚みが20〜50μmのろう材層が圧着された複合金属板を得るとともに、この複合金属板を打ち抜き金型により打ち抜くことによって下面の全面に厚みが20〜50μmのろう材層が被着された所定の形状に製作される。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えても何ら差し支えない。
例えば、セラミック層12について、図1の例では、全面にわたって同じような曲率半径の円弧状の断面を有する曲面状の例を示したが、楕円弧状や、断面の一部に直線状、折れ線状の部分を含むものでもよい。
1・・・・・絶縁基体
2・・・・・凹部
3・・・・・圧電振動子
4・・・・・蓋体
7・・・・・支持台
9・・・・・配線導体
10・・・・溝
11・・・・段差
12・・・・セラミック層
2・・・・・凹部
3・・・・・圧電振動子
4・・・・・蓋体
7・・・・・支持台
9・・・・・配線導体
10・・・・溝
11・・・・段差
12・・・・セラミック層
Claims (4)
- 上面に四角形状の圧電振動子を収容する凹部を有する絶縁基体と、前記凹部の底面に形成された、前記圧電振動子の一辺側の端部が支持固定される支持台と、該支持台から前記絶縁基体の側面または下面にかけて形成された配線導体とを具備している圧電振動子収納用パッケージであって、前記凹部は、底面のうち前記圧電振動子の前記一辺と対向する他辺の直下の部位に、前記他辺の長さよりも長い溝が前記他辺と平行に形成されており、前記溝の前記支持台側の側面から前記凹部の底面にかけて曲面状の角部を有するセラミック層が被着されていることを特徴とする圧電振動子収納用パッケージ。
- 前記溝の前記支持台側の側面と前記凹部の底面との間に段差が形成されており、前記溝の前記支持台側の側面から前記段差の上面にかけて前記セラミック層が被着されていることを特徴とする請求項1記載の圧電振動子収納用パッケージ。
- 前記セラミック層は前記絶縁基体と色調が異なることを特徴とする請求項1または請求項2記載の圧電振動子収納用パッケージ。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧電振動子収容用パッケージと、前記凹部に収容されるとともに前記支持台に接続された前記圧電振動子と、前記絶縁基体の上面の前記凹部の周囲に取着された蓋体とを具備していることを特徴とする圧電装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004156641A JP2005341163A (ja) | 2004-05-26 | 2004-05-26 | 圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007228431A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Kyocera Corp | 構造体 |
JP2008011469A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-01-17 | Kyocera Kinseki Corp | 水晶振動子 |
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2004
- 2004-05-26 JP JP2004156641A patent/JP2005341163A/ja active Pending
Cited By (4)
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