JP2005340742A - ファイバレーザ発振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一般的な形状の光ファイバと一般的な励起光を用いて比較的容易に実現することが可能であるとともに、より高出力な出力レーザ光を得ることができるファイバレーザ発振装置を提供する。
【解決手段】レーザ活性物質を含む柱状のコア部材を長手軸方向に含み、コア部材よりも小さな屈折率を有するクラッド部材にてコア部材の周囲を覆って円柱状に形成された光ファイバと、短軸方向と長軸方向とに広がりながら進行する励起光を出射する励起光出射手段とを備え、円柱状の光ファイバは、径方向に対してレンズ効果を備えた焦点距離を有しており、励起光出射手段の配置位置を、励起光の長軸方向と光ファイバの長手軸方向とが垂直となるように、且つ励起光出射手段と光ファイバの中心との距離が焦点距離となるように配置し、励起光出射手段から出射された励起光を、光ファイバを通過させて長軸方向において平行光に変換して再度光ファイバに入射する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、レーザ活性物質を含むコア部材を内部に有している光ファイバに励起光を入射し、コア部材の内部でレーザ光を発生及び増幅させるファイバレーザ発振装置に関する。
従来より、比較的ビーム品質の劣る励起光を用いて非常に高品質のレーザ光を高効率で得ることができる種々のファイバレーザ発振装置が提案されている。
図9(A)に示すファイバレーザ発振装置(端面励起型ファイバレーザ発振装置)に用いられる一般的な光ファイバ10は、断面の中心にコア部材12(シングルモードのレーザ光を透過させ、希土類元素(Nd、Er)等がドープされた直径2〜12[μm]程度のファイバ形状の部材)を有している。そして、コア部材12の周囲に、コア部材12よりも低い屈折率を持つ第1クラッド部材14(励起光Linを透過させる部材)を有することで、出力レーザ光Loutをコア部材12内に閉じ込めている。更に第1クラッド部材14の周囲に、第1クラッド部材14の屈折率よりも低い屈折率を持つ第2クラッド部材16を有することで、励起光Linを第1クラッド部材14内に閉じ込めている。
そして、この光ファイバ10に入射された励起光Linがコア部材12を通ると(コア部材12に衝突すると)コア部材12内の希土類元素が励起されて出力レーザ光Loutが発生し、コア部材12内にはシングルモードの出力レーザ光Loutが残る。この出力レーザ光Loutは、小径(コア部材12の径に依存する)であり、かつ広がり角が小さい(出力レーザ光Loutの波長、コア部材12及び第1クラッド部材14の屈折率等に依存する)ため、ビーム品質が非常に高い(出力レーザ光Loutのビーム品質は、出射光の半径と、出射光の広がり角の半角との積で表され、この積が小さい程ビーム品質が高い)。そして出力レーザ光Loutは種々の用途に用いることが可能であり、高出力化が望まれている。
また、励起光Linは一般的には半導体レーザが用いられるが、半導体レーザは長軸方向と短軸方向に広がりながら進行し、長軸方向における広がり角の半角は約40[°](図11(D)のθfa)、短軸方向における広がり角の半角は約3.5[°](図11(E)のθsa)である。この励起光Linを光ファイバに入射する場合、一般的にはコリメートレンズを用いて長軸方向に集光して長軸方向において平行光にし、短軸方向は広がり角が小さいため特に集光等を行わずに光ファイバに入射している。
また、一般的な半導体レーザアレイでは、短軸方向においては、各発光部32の幅(図11(C)中のDsw)は約0.2[mm]であり、短軸方向における隣り合う発光部32の間隔(図11(C)中のDsd)は約0.2[mm]であり、長軸方向における隣り合う発光部32の間隔(図11(C)中のDfp)は約2[mm]である。
また一般的な半導体レーザには、発光部32を2次元的に配列したスタック型レーザダイオード(図11(A))や、発光部32を短軸方向に一列に配置したアレイ型レーザダイオード(図11(B))等が用いられる。
なお、一般的な光ファイバ10では、より高品質なレーザ光を得るためにコア部材12の径は約2〜12[μm]に設定されており、第1クラッド部材14の径は約数100〜数1000[μm]に設定されている。
従って、図9(A)の例に示す端面励起型ファイバレーザ発振装置では、励起光Linを入射する第1クラッド部材14の端面の面積が小さいため、比較的大出力の出力レーザ光Loutを発生させることは非常に困難である。また、第1クラッド部材14の断面積に対するコア部材12の断面積が非常に小さく、励起光Linがコア部材12を通る確率もあまり高くなく、発振効率が高くない。
なお、励起光Linは比較的ビーム品質が劣るので、コア部材12に衝突するように狙って入射することは非常に困難である。
特許文献1に示す従来技術では、図9(B)及び(C)に示すように、コア部材12を平面上に並べて配置し、更に上面にプリズム4a及び4bを配置して、当該プリズム4a及び4bを介して、より大きな面積から励起光Linを入射(光ファイバの端面からでなく側面から励起光を入射)するようにして、出力レーザ光Loutを大出力化するレーザ光発生装置が提案されている。なお、特許文献1に示す従来技術では、入射された励起光Linを、クラッド部材14とガラス平板17との境界で反射させて、励起光Linをクラッド部材14に閉じ込めるように、励起光Linの入射角、プリズム4aの屈折率等を調整している。
また、特許文献2に示す従来技術では、図10(A)に示すように、第1クラッド部材14における励起光Linの入射端面Ta側の第1クラッド部材14を円錐状に形成し、端面の面積を大きくしてより多くの励起光を入射するようにして、出力レーザ光Loutを大出力化するレーザ光発生装置が提案されている。なお、特許文献2に示す従来技術では、励起光Linの出射手段にレーザダイオード110を用い、コリメートレンズ120にて励起光Linを平行光に変換している。
また、特許文献3に示す従来技術では、図10(B)に示すように、コア部材12を平面に渦巻き状に配置し、コア部材12を略円柱状(円盤状)の第1クラッド部材14内に収めている。そして第1クラッド部材14の上下の底面に第2クラッド部材16(低屈折率層)を形成している。更に、第1クラッド部材14の側面には励起光Linを第1クラッド部材14内に導入するレンズダクトLDを複数設けている。そして、渦巻き状のコア部材12の一方の終端にはミラー44が設けられ、他方の終端からは出力レーザ光Loutが出力される。このように、レンズダクトLDからより多くの励起光Linを導入して、大出力の出力レーザ光Loutを得ることができる光ファイバレーザ装置が提案されている。
特開2001−15835号公報 特公平6−14566号公報 特開2001−119084号公報
一般的にファイバレーザ発振装置に用いる光ファイバ10において、クラッド部材14の直径は数100〜数1000[μm]である。
従来の端面励起型ファイバレーザ発振装置(図9(A))の励起光Linに半導体レーザを用いた場合、比較的大きな出力の励起光をファイバ端面Taに集光することは困難であり(半導体レーザは一般的にビーム品質が悪く集光性が比較的悪いため)、大出力の出力レーザ光を得ることができるファイバレーザ発振装置の実現が困難である。
特許文献1に記載の従来技術(図9(B)及び(C))では、平面上に並べたコア部材12をクラッド部材で覆った特殊な形状に形成した光ファイバが必要である。また、特殊な形状の光ファイバの側面に加工を施してプリズム4a及び4bを配置し、プリズム4a及び4bに所定の角度で平行光の励起光Linを入射しなければならない。励起光に半導体レーザを用いる場合、励起光を平行光に変換するコリメートレンズが必要である。このため、大出力の出力レーザ光を得ることができるが、ファイバレーザ発振装置の製作が困難であり、実現が困難である。
特許文献2に記載の従来技術(図10(A))では、励起光に半導体レーザを用いているが、励起光を平行光に変換するコリメートレンズが必要である。また、光ファイバ10における励起光を入射する端面Ta部分を円錐状に形成する必要があり、特殊な形状に形成した光ファイバが必要である。また、光ファイバにおける励起光の入射端面Ta側を円錐状にする場合、円錐の中心角と長さ等に限界があり(励起光Linが反射する毎に光ファイバの長手軸方向となす角度が大きくなっていくため)、端面Taの大きさに限界がある。このため、大出力の出力レーザ光を得ることができるファイバレーザ発振装置の実現が困難である。
特許文献3に記載の従来技術(図10(B))では、渦巻き状にコア部材を配置した光ファイバの円周の外側から円の中心に向けて励起光を入射する必要があるため、より大きな出力レーザ光を得るためにはより多くの励起光の光源を円周に沿って配置する必要がある。より多くの励起光源を配置するためには、より大きな円周を形成する必要があり、装置が大型化する可能性がある。また、渦巻き状にコア部材を配置した特殊な形状及び構成にした光ファイバが必要である。このため、大出力の出力レーザ光を得ることができるが、ファイバレーザ発振装置の製作が困難であり、実現が困難である。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、一般的な形状の光ファイバと一般的な励起光を用いて比較的容易に実現することが可能であるとともに、より高出力な出力レーザ光を得ることができるファイバレーザ発振装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのファイバレーザ発振装置である。
請求項1に記載のファイバレーザ発振装置では、レーザ活性物質を含む柱状のコア部材を長手軸方向に含み、コア部材よりも小さな屈折率を有するクラッド部材にてコア部材の周囲を覆って円柱状に形成された光ファイバと、短軸方向と長軸方向とに広がりながら進行する励起光を出射する励起光出射手段とを備えたファイバレーザ発振装置である。
円柱状の光ファイバは、径方向に対してレンズ効果を備えた焦点距離を有しており、光ファイバに対する励起光出射手段の配置位置を、励起光の長軸方向と光ファイバの長手軸方向とが垂直となるように、且つ励起光出射手段と光ファイバの中心との距離が焦点距離となるように配置する。
そして励起光出射手段から出射された励起光を、光ファイバを通過させて長軸方向において平行光に変換して再度光ファイバに入射する構成を有する。
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのファイバレーザ発振装置である。
請求項2に記載のファイバレーザ発振装置は、請求項1に記載のファイバレーザ発振装置であって、一部が直線状に配置された光ファイバが、複数本平行に且つ同一平面上に配置されるように、1本の光ファイバを用いて配置する。
そして光ファイバに対する励起光出射手段の配置位置を、励起光の長軸方向と直線状に配置した光ファイバの長手軸方向とが垂直となるように、且つ前記平面上に、且つ光ファイバの側面に対して垂直な方向に、出射された励起光が複数本平行に配置された光ファイバに順次入射されるように配置する。
そして励起光出射手段から1番目に近い光ファイバの中心までの距離を光ファイバの焦点距離に設定し、nを自然数とした場合、励起光出射手段から2n番目に近い光ファイバの中心と2n+1番目に近い光ファイバの中心との距離を光ファイバの焦点距離の2倍に設定する。
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりのファイバレーザ発振装置である。
請求項3に記載のファイバレーザ発振装置では、レーザ活性物質を含む柱状のコア部材を長手軸方向に含み、コア部材よりも小さな屈折率を有するクラッド部材にてコア部材の周囲を覆って円柱状に形成された光ファイバと、短軸方向と長軸方向とに広がりながら進行する励起光を出射する励起光出射手段とを備えたファイバレーザ発振装置である。
円柱状の光ファイバは、径方向に対してレンズ効果を備えた焦点距離を有しており、光ファイバの少なくとも一部を直線状に配置する。
そして光ファイバに対する励起光出射手段の配置位置を、励起光の長軸方向と直線状に配置した光ファイバの長手軸方向とが垂直となるように、且つ励起光出射手段と光ファイバの中心との距離が焦点距離となるように、且つ光ファイバの側面に対して垂直な方向に配置する。
また直線状に配置した光ファイバに対して励起光出射手段と反対側に、クラッド部材の屈折率以上の屈折率を有し、且つ励起光の長軸方向において光ファイバの径以下の厚さを有する導光部材を備える。そして導光部材は、励起光出射手段から出射されて光ファイバを通過してきた励起光を1回または複数回反射させて、励起光の進行方向を直線状に配置した光ファイバの長手軸方向に対して所定角度以下となるように変換して光ファイバに再度入射することが可能な反射面を有している。
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのファイバレーザ発振装置である。
請求項4に記載のファイバレーザ発振装置は、レーザ活性物質を含む柱状のコア部材を長手軸方向に含み、コア部材よりも小さな屈折率を有するクラッド部材にてコア部材の周囲を覆って柱状に形成された光ファイバと、短軸方向と長軸方向とに広がりながら進行する励起光を発光部から出射する励起光出射手段とを備えたファイバレーザ発振装置であって、光ファイバの少なくとも一部を直線状に配置する。
そして光ファイバに対する励起光出射手段の配置位置を、励起光の長軸方向と直線状に配置した光ファイバの長手軸方向とが垂直となるように、且つ直線状に配置した光ファイバの長手軸方向と励起光の進行方向とが所定角度以下となるように配置する。
また励起光出射手段から光ファイバまでの間に、クラッド部材の屈折率以上の屈折率を有し、且つ励起光の長軸方向において光ファイバの径以下且つ発光部の長軸方向の長さ以上の厚さを有し、且つ励起光の短軸方向において発光部の短軸方向の長さ以上の幅を有する導光平板を備える。そして導光平板における励起光の長軸方向に対して垂直な面を、導光平板の屈折率よりも小さな屈折率を有する部材または励起光を全反射する部材で覆う。
また、本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりのファイバレーザ発振装置である。
請求項5に記載のファイバレーザ発振装置は、レーザ活性物質を含む柱状のコア部材を長手軸方向に含み、コア部材よりも小さな屈折率を有するクラッド部材にてコア部材の周囲を覆って柱状に形成された光ファイバと、短軸方向と長軸方向とに広がりながら進行する励起光を発光部から出射する励起光出射手段とを備えたファイバレーザ発振装置であって、励起光出射手段の発光部から出射される励起光を、励起光を全反射する部材にて少なくとも長軸方向に対して囲み、囲んだ空間内に光ファイバを配置する。
請求項1に記載のファイバレーザ発振装置を用いれば、第1の実施の形態及び第2の実施の形態に示すように、円柱形状の光ファイバをシリンドリカルレンズに見立てて、集光用等のレンズを必要とすることなく、長軸方向において励起光を平行光に変換することができる。
これにより、一般的な形状の光ファイバと一般的な励起光を用いて、より多くの励起光を入射することが可能であり、より高出力な出力レーザ光を得ることができるファイバレーザ発振装置を比較的容易に実現することが可能である。
また、請求項2に記載のファイバレーザ発振装置によれば、第1の実施の形態に示すように、光ファイバを平行に並べて配置するだけで、励起光を効率的に光ファイバに入射してコア部材を励起することが可能である。
これにより、一般的な形状の光ファイバと一般的な励起光を用いて、より多くの励起光を入射することが可能であり、より高出力な出力レーザ光を得ることができるファイバレーザ発振装置を比較的容易に実現することが可能である。
また、請求項3に記載のファイバレーザ発振装置によれば、第2の実施の形態に示すように、導光部材を用いて、励起光を効率的に光ファイバに入射してコア部材を励起することが可能である。
これにより、一般的な形状の光ファイバと一般的な励起光を用いて、より多くの励起光を入射することが可能であり、より高出力な出力レーザ光を得ることができるファイバレーザ発振装置を比較的容易に実現することが可能である。
また、請求項4に記載のファイバレーザ発振装置によれば、第3の実施の形態に示すように、導光平板を用いて、励起光を効率的に光ファイバに入射してコア部材を励起することが可能である。
これにより、一般的な形状の光ファイバと一般的な励起光を用いて、より多くの励起光を入射することが可能であり、より高出力な出力レーザ光を得ることができるファイバレーザ発振装置を比較的容易に実現することが可能である。
また、請求項5に記載のファイバレーザ発振装置によれば、第4の実施の形態に示すように、励起光を全反射する部材を用いて、励起光を効率的に光ファイバに入射してコア部材を励起することが可能である。
これにより、一般的な形状の光ファイバと一般的な励起光を用いて、より多くの励起光を入射することが可能であり、より高出力な出力レーザ光を得ることができるファイバレーザ発振装置を比較的容易に実現することが可能である。
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。以降の説明において、特に断りがない限り、励起光Linの進行方向をZ軸方向、励起光Linの長軸方向をX軸方向、励起光Linの短軸方向をY軸方向とする。
●[第1の実施の形態(図1、図2)]
図1及び図2は、一般的な形状の光ファイバ10(円柱形状の光ファイバ)、一般的な励起光出射手段30(例えば半導体レーザであり、この場合、図11(B)に示すアレイ型レーザダイオード)を用いて構成したファイバレーザ発振装置の例である。
本実施の形態では、円柱状の光ファイバ10をシリンドリカルレンズに見立てて、当該光ファイバ10そのものを利用してより多くの励起光Linを光ファイバ10に入射している。
光ファイバ10は、レーザ活性物質(Nd、Er等の希土類元素)を含む柱状のコア部材12を長手軸方向に含んでいる。また光ファイバ10は、当該コア部材12の屈折率よりも小さな屈折率を有する(第1)クラッド部材14にてコア部材12の周囲を覆って円柱状に形成されている。
本実施の形態で用いる励起光出射手段30には、発光部32が短軸方向(Y軸方向)に1行のみ形成されたアレイ型レーザダイオード(図11(B)参照)を用いており、各発光部32から出射される励起光Linは、長軸方向と短軸方向に広がりながら進行する。
光ファイバ10の一方の端面10aからは、出力レーザ光が出射される。また、光ファイバ10の他方の端面にはファイバコネクタβを介してファイバブラッググレーティング(特定の波長の光(この場合、出力レーザ光Lout)を反射する回折格子であり、以下FBGαと記載する)を接続する。FBGαは、光ファイバ10の他方の端面側に進む出力レーザ光Loutを反射して、出力レーザ光Loutの進行方向を、光ファイバ10の一方の端面10a側にする。
なお出力レーザ光を、光ファイバ10の一方の端面10a側と光ファイバ10の他方の端面側との双方から取り出す場合、ファイバコネクタβ及びFBGαを省略すればよい。なお、FBGα及びファイバコネクタβを、光ファイバ10の他方の端に設けない場合では、光ファイバ10の両端から出力レーザ光Loutを得ることができるが、本実施の形態を含む以降の実施の形態では、光ファイバ10の他方の端にFBGα及びファイバコネクタβを設けて出力レーザ光Loutを反射させて、一方の端(10a側)から出力レーザ光Loutを取り出すことで、より強度の大きい出力レーザ光Loutを得ている。
なお、図2(A)に示す断面図は、図1(A)及び(B)に示す平面2Aによる断面図を示している。
第1の実施の形態では、光ファイバ10の一部が直線状となるように(図1(B)における直線配置部Ls)、1本の光ファイバ10を螺旋状に周回させて(図1(A)参照)、または平面上に折り返して(図2(B)参照)配置する。このとき、直線状に配置された直線配置部Lsでは、光ファイバ10が複数本平行に、且つ同一平面上に配置される。
そして、直線配置部Lsに垂直な方向から、且つ励起光Linの長軸方向と光ファイバ10の長手軸方向とが垂直となるように、且つ前記平面上(光ファイバ10が複数本平行に配置された平面)に励起光出射手段30を配置する。更に、直線配置部Lsに複数本平行に配置された光ファイバ10に、励起光Linが順次入射されるように配置する。
そして、図2(A)に示すように、励起光出射手段30から1番目に近い光ファイバ10の中心までの距離を、光ファイバ10の焦点距離fに設定する。これにより、励起光出射手段30から出射され、1番目の光ファイバ10に入射されたがコア部材12を励起せずに通り抜けた励起光Linは、1番目の光ファイバ10を通過すると平行光(長軸方向において平行光)に変換される。
2n−1番目(nは自然数)に励起光出射手段30に近い光ファイバ10の中心と2n番目に励起光出射手段30に近い光ファイバ10の中心との間の距離Lp(1番目と2番目の間の距離、3番目と4番目の間の距離等)は、平行光に変換された励起光Linが伝播される距離であるため、任意の距離に設定すればよい。
そして、2n番目(nは自然数)に励起光出射手段30に近い光ファイバ10の中心と2n+1番目に励起光出射手段30に近い光ファイバ10の中心との間の距離(2番目と3番目、4番目と5番目等)を、光ファイバ10の焦点距離fの2倍(f+f)に設定する。これにより、2n番目の光ファイバ10に入射された平行光の励起光Linは当該2n番目の光ファイバ10を通過して焦点距離fの位置に集光された後、更に焦点距離fを進むと2n+1番目の光ファイバ10を通過して平行光に変換される。2n+1番目の光ファイバ10に入射される励起光Linの状態は、1番目の光ファイバ10に入射される励起光Linと同様であり、2n+1番目の光ファイバ10のコア部材12を励起せずに通り抜けた励起光Linは、2n+1番目の光ファイバ10を通過すると平行光(長軸方向において平行光)に変換される。以降、2n番目の光ファイバ10と2n+1番目の光ファイバ10とで同様のことが繰り返されるので説明を省略する。
また、励起光Linは、光ファイバ10とほぼ直交する方向に伝播する(励起光Linの短軸方向の広がり角は小さいため)。
なお、各光ファイバ10の位置(1番目の位置、2番目の位置等)は、位置決め用のV溝を設けた配置補助部材40等を用いて容易に構成することが可能である。
以上に説明したように、本実施の形態では、一般的な光ファイバ10、一般的な励起光出射手段30を用いて、1本の光ファイバ10に次々と励起光Linを入射することが可能であり、より高出力の出力レーザ光Loutを得ることができる。
なお、本実施の形態では、励起光出射手段30を4つ用いた例を示しているが、直線配置部Lsの長さを調節すれば励起光出射手段30の数を自由に調整することができ、所望する出力の調節が容易である(励起光出射手段30の数を増やせば出力がより向上する)。
また、励起光Linが順次入射されるように平行に配置する光ファイバ10の数も自由に調節することができ、効率の調整も容易である(平行に配置する本数を増やせば、励起に使用されない励起光Linを減少させるため効率がより向上する)。
また、図2(A)に示した、各光ファイバ10を通過する際の励起光Linの長軸方向(X軸方向)の幅が、コア部材12の径とほぼ等しくすることが好ましい。コア部材12の径の方が小さい場合は、コア部材12を励起しない(通過しない)励起光Linが増加して効率が悪くなる。また、コア部材12の方が大きい場合は、励起に使用されない励起光Linはなくなるが、太いコア部材12では出力レーザ光Loutのビーム品質が低下するため、より細いコア部材12を用いた方がビーム品質をより向上させることができるためである。これには、コア部材12の径、クラッド部材14の径及び屈折率等(焦点距離を決める要素)を適切に設定すればよい。
また他の例としては、図2(B)に示すように1本の光ファイバ10を、YZ平面(励起光Linの短軸方向と進行方向とを含む面)においてZ軸方向(励起光Linの進行方向)に複数本の光ファイバが平行となるように折り返して並べた状態の光ファイバを(各光ファイバ10の間隔は、上記に説明した間隔に設定している)、更にX軸方向(長軸方向)に複数段形成する。そして励起光発光手段30に発光部32が2次元状に配置されたスタック型レーザダイオード(図11(A)参照)を用い、長軸方向と光ファイバの長手軸方向とが垂直となるように配置し、光ファイバの各段の間隔をスタック型レーザダイオードの長軸方向における発光部の間隔と一致させる。すなわち、図2(B)に示す状態の励起光発光手段30及び光ファイバ10の直線配置部Lsを、X軸方向に複数段積み重ねた状態にすることで、更に高出力な出力レーザ光Loutを得ることができる。
このように、本実施の形態では、一般的な光ファイバ10と、一般的な励起光出射手段30とを用い、励起光Linを平行光に変換するコリメートレンズ等を用いずに、比較的簡単な構成にてより高出力なファイバレーザ発振装置を実現することができる。
●[第2の実施の形態(図3、図4)]
図3及び図4は、一般的な形状の光ファイバ10(円柱形状の光ファイバ)、一般的な励起光出射手段30(例えば半導体レーザであり、この場合、図11(B)に示すアレイ型レーザダイオード)を用いて構成したファイバレーザ発振装置の例である。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、円柱状の光ファイバ10をシリンドリカルレンズに見立てて、当該光ファイバ10そのものを利用してより多くの励起光Linを光ファイバ10に入射している。
第2の実施の形態において、光ファイバ10、励起光出射手段30、FBGα、ファイバコネクタβ等は第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。第2の実施の形態では、光ファイバ10を通過してきた励起光Linの進行方向を変換して光ファイバ10に再度入射する導光部材50を用いている点が第1の実施の形態とは異なる。なお、円柱状の光ファイバ10をシリンドリカルレンズに見立てて当該光ファイバ10そのものを利用してより多くの励起光Linを光ファイバ10に入射している点は同様である。
第2の実施の形態では、図3(A)に示すように光ファイバ10の一部が直線状となるように(図3(A)における直線配置部Ls)、1本の光ファイバ10を配置する。
そして、直線配置部Lsに垂直な方向から、且つ励起光Linの長軸方向と光ファイバ10の長手軸方向とが垂直となるように、励起光出射手段30を配置する。このとき、図4(B)に示すように励起光出射手段30と光ファイバ10の中心までの距離が光ファイバ10の焦点距離fとなるように配置する。更に、光ファイバ10の直線配置部Lsに対して励起光出射手段30の反対側に、励起光Linを通過及び反射等させる導光部材50を備える。
導光部材50は、光ファイバ10を通過して長軸方向において平行光に変換された励起光Linを1回または複数回反射させて、励起光Linの進行方向を、光ファイバ10の長手軸方向に対して所定角度以下となるように変換して光ファイバ10の側面から入射することが可能な反射面M1(及びM2)を有するとともに、クラッド部材14の屈折率以上の屈折率を有している。
また、図4(B)に示すように導光部材50は略三角形の板状の部材であり、光ファイバ10と接触する面は、光ファイバ10が隙間無く接触できるように凹部が形成されている。導光部材50の形状における各角度θ1及びθ2(図3(B)参照)については以下に説明する。
なお、図3(B)は図3(A)における「3B」部分を拡大した図を示しており、図4(A)は図3(B)における「4A」部分を拡大した図を示している。
図4(B)に示すように、励起光出射手段30から出射された励起光Linは、発光部32から中心までの距離が焦点距離fに配置された光ファイバ10により、当該光ファイバ10を通過すると平行光(長軸方向において平行光)に変換される。そして平行光に変換された励起光Linは、導光部材50内に入射される。
すると図3(B)に示すように、導光部材50に入射された励起光Linは、角度θ2に設けられた導光部材50の反射面M1にて反射され(導光部材50の反射面M1に、励起光Linを全反射する反射膜等を形成しておくことが好ましい)、進行方向が光ファイバ10の長手軸方向と平行な方向に変換される(この場合、θ2は約45[°]に設定されている)。
そして図4(A)に示すように、長手軸方向と平行な方向に進行する励起光Linは、角度θ1に設けられた導光部材の反射面M2にて反射され(導光部材50の反射面M2に、反射膜等を形成しておくことが好ましい)、光ファイバ10の側面に対して入射角θinとなる進行方向に変換される。
なお、θ1の角度は、以下に説明する入射角θinと出射角θout、屈折率n1、n2、n3に基づいて適切な値が選定される。
また、長軸方向における導光部材50の厚さt50は、励起光Linを再度光ファイバ10に入射する際、入射されずに反射してしまう励起光Linを抑制するために(図4(B)において、光ファイバ10の外周面に対して入射角が大きな角度になると入射されずに反射してしまう可能性があるため)、光ファイバ10の径d10より小さいことが好ましい。
ここで、コア部材12の屈折率をn1、クラッド部材14の屈折率をn2、導光部材50の屈折率をn3とすると、n1(コア部材12の屈折率)>n2(クラッド部材14の屈折率)、n3(導光部材50の屈折率)≧n2(クラッド部材14の屈折率)に設定する。
本実施の形態ではn3(導光部材50の屈折率)>n2(クラッド部材14の屈折率)に設定しており、図4(A)において、θin(励起光Linの入射角)<θout(励起光Linの出射角)になり、光ファイバ10内で励起光Linの進行方向と、光ファイバ10の長手軸方向とのなす角度がより小さくなり、励起光Linを光ファイバ10内により閉じ込め易くしている。
本実施の形態では、励起光出射手段30を2つ用いた例を示しているが、直線配置部Lsの長さを調節すれば励起光出射手段30の数を自由に調整することができ、所望する出力の調節が容易である(励起光出射手段30の数を増やせば出力がより向上する)。
また、隣り合う直線配置部Lsの間隔D2は、入射された励起光Linがコア部材12を励起して吸収されるために必要な距離よりも大きくすることが好ましい。
また他の例としては、図4(C)に示すように導光部材50の角度θ2を変更し、導光部材50の角度θ2を図3(B)における角度θ2よりも小さく、且つ適切な値に設定することで、導光部材50の反射面M1にて全反射させた励起光Linを、反射面M2に反射させることなく光ファイバ10に入射させることも可能である。この場合、光ファイバ10に対する励起光Linの入射角θin、及び出射角θoutは、図4(A)に示す入射角θin、及び出射角θoutと同様であるので説明を省略する。
なお、本実施の形態では、励起光出射手段30から出射されて光ファイバ10を通過した励起光Linを長軸方向において平行光に変換したが、長軸方向において集光するように、励起光出射手段30と光ファイバ10の中心との距離を、焦点距離fよりもある程度大きくしてもよい。
また、本実施の形態では、導光部材50における光ファイバ10の長手軸方向の長さをより短くするために、導光部材50を2つに分離している。この長さが適切でないと、導光部材50から光ファイバ10に入射された励起光Linが、再度導光部材50に入射されて反射面M2にて反射され、より小さな入射角θinにて光ファイバ10の側面に入射される。これを抑制するために、導光部材50を2つに分離して、導光部材50における光ファイバ10の長手軸方向の長さをより短くしている。
なお、光ファイバ10と導光部材50との接触面(境界面)に、屈折率n5に設定した光硬化樹脂やガラス前駆体(n3(導光部材50の屈折率)≧n5≧n2(クラッド部材14の屈折率)の関係に設定)を用いてもよい。
このように、本実施の形態では、一般的な光ファイバ10と、一般的な励起光出射手段30とを用い、励起光Linを平行光に変換するコリメートレンズ等を用いずに、比較的簡単な構成にてより高出力なファイバレーザ発振装置を実現することができる。
●[第3の実施の形態(図5、図6)]
図5(A)〜(C)は、一般的な形状の光ファイバ10(柱状の光ファイバ(円柱、四角柱等))、一般的な励起光出射手段30(例えば半導体レーザであり、この場合、図11(B)に示すアレイ型レーザダイオード)を用いて構成したファイバレーザ発振装置の例である。
本実施の形態では、光ファイバ10をシリンドリカルレンズには見立てずに、光ファイバ10の側面に接触させた導光平板62を介して励起光Linを光ファイバ10に入射する。従って、光ファイバ10は円柱形状でなくてもよく、例えば矩形であってもよい。
また、本実施の形態において、FBGα、ファイバコネクタβは第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。なお、本実施の形態では、光ファイバ10は円柱形状でなくてもよいが、円柱形状の光ファイバ10を用いた例を説明する。
また、図5(C)は図5(A)におけるCC断面を示しており、図5(B)は図5(A)における励起光出射手段30、導光部材60及び光ファイバ10の接続部における斜視図を示している。
第3の実施の形態では、図5(A)に示すように、光ファイバ10の一部が直線状となるように(図5(A)における直線配置部Ls)、1本の光ファイバ10を配置する。
そして、励起光Linの長軸方向(X軸方向)と直線配置部Lsにおける光ファイバ10の長手軸方向とが垂直となるように(励起光Linの短軸方向と直線配置部Lsの長手軸方向とが同一平面に存在するように)、且つ直線配置部Lsにおける光ファイバ10の長手軸方向と励起光Linの進行方向とが所定角度θ4以下となるように、励起光出射手段30を配置する。
そして、図5(C)に示すように、発光部32から光ファイバ10までの間に、励起光出射手段30の発光部32から光ファイバ10まで励起光Linを導くとともに、クラッド部材14の屈折率以上の屈折率を有し、励起光Linの短軸方向において発光部32の短軸方向の長さ以上の幅W62を有し、励起光Linの長軸方向において光ファイバ10の径d10(例えば約125[μm])以下であり且つ発光部32の長軸方向長さ以上(例えば約1[μm])の厚さt62を有する導光平板62を配置する。
そして、図5(B)及び(C)に示すように、励起光Linの長軸方向(X軸方向)に対して垂直となる導光平板62の面を、導光平板62の屈折率よりも小さな屈折率を有する部材または励起光Linを全反射する部材(封入部材64)にて覆う。この封入部材64にて、導光平板62に入射された励起光Linを、長軸方向において導光平板62内に閉じ込めている。
所定角度θ4は、光ファイバ10の側面から入射された励起光Linが、光ファイバ10内に閉じ込められる角度(光ファイバ10内を全反射しながら伝播可能な角度)となるように設定する。なお、所定角度θ4は、クラッド部材14の屈折率、及び導光平板62の屈折率等により決定される。
また、コア部材の屈折率をn1、クラッド部材14の屈折率をn2、導光平板62の屈折率をn3、封入部材64の屈折率をn4(全反射部材でない場合)とすると、n3(導光平板62の屈折率)>n4(封入部材64の屈折率)、n3(導光平板62の屈折率)≧n2(クラッド部材14の屈折率)、n1(コア部材の屈折率)>n2(クラッド部材14の屈折率)に設定する。
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、n3(導光平板62の屈折率)>n2(クラッド部材14の屈折率)に設定しており、光ファイバ10内で励起光Linの進行方向と、光ファイバ10の長手軸方向とのなす角度がより小さくなり、励起光Linを光ファイバ10内により閉じ込め易くしている。
本実施の形態では、励起光出射手段30を2つ用いた例を示しているが、直線配置部Lsの長さを調節すれば励起光出射手段30の数を自由に調整することができ、所望する出力の調節が容易である(励起光出射手段30の数を増やせば出力がより向上する)。
また、隣り合う直線配置部Lsの間隔D5は、入射された励起光Linがコア部材12を励起して吸収されるために必要な距離よりも大きくすることが好ましい。
また他の例としては、図6(A)〜(C)に示すように、励起光出射手段30に発光部32が2次元状に配置されたスタック型レーザダイオードを用い、光ファイバ10及び導光部材60(導光平板62を封入部材64で挟んだ部材)をスタック型レーザダイオードの長軸方向(X軸方向)の間隔に合わせて構成すると、1本の光ファイバ10に、より多くの励起光Linを入射することが可能になり、より高出力の出力レーザ光Loutを得ることができる。なお、図6(C)に示す断面図は、図6(B)におけるCC断面を示している。
また、図6(A)及び(B)の例に示す構成では、光ファイバ10を螺旋状に巻き、励起光出射手段30及び導光部材60を4組配置し、更に多くの励起光Linを入射することができる。
なお、光ファイバ10と導光平板62との接触面(境界面)に、屈折率n5に設定した光硬化樹脂やガラス前駆体(n3(導光平板62の屈折率)≧n5≧n2(クラッド部材14の屈折率)の関係に設定)を用いてもよい。
このように、本実施の形態では、一般的な光ファイバ10と、一般的な励起光出射手段30とを用い、励起光Linを平行光に変換するコリメートレンズ等を用いずに、比較的簡単な構成にてより高出力なファイバレーザ発振装置を実現することができる。
●[第4の実施の形態(図8、図9)]
図7(A)及び(B)は、一般的な形状の光ファイバ10(柱状の光ファイバ(円柱、四角柱等))、一般的な励起光出射手段30(例えば半導体レーザであり、この場合、図11(B)に示すアレイ型レーザダイオード)を用いて構成したファイバレーザ発振装置の例である。
本実施の形態では、光ファイバ10をシリンドリカルレンズには見立てずに、光ファイバ10を、励起光Linが全反射等しながら伝播している空間内に配置する。従って、光ファイバ10は円柱形状でなくてもよく、例えば矩形であってもよい。以下、第3の実施の形態との相違点について説明する。
また、本実施の形態において、FBGα、ファイバコネクタβは第3の実施の形態と同様であるので説明を省略する。本実施の形態では、光ファイバ10は円柱形状でなくてもよいが、円柱形状の光ファイバ10を用いた例を説明する。
なお、図7(B)に示す断面図は、図7(A)に示す平面7Bによる断面図を示している。
図7(A)及び(B)に示すように、励起光出射手段30の発光部32を、励起光Linを全反射する全反射部材70にて、少なくとも励起光Linの長軸方向(X軸方向)に対して囲む(挟み込む)。全反射部材70の間隔D7は、当該間隔内の空間に光ファイバ10を配置可能な間隔であればよい。また空間K内では励起光Linが全反射等しながら伝播しており、光ファイバ10はどのような形状、及びどのような方向に配置されていてもよい。例えば長軸方向に重なるように螺旋状に形成されていてもよい。
また、全反射部材70にて囲まれた空間Kにおける励起光出射手段30と反対側の面には、光ファイバ10のコア部材12を励起することなく通過してきた励起光Linを、再度光ファイバ10に入射するために、全反射部材で形成した全反射壁72を配置しておくことが好ましい。
なお、励起光Linの進行方向(Z軸方向)における全反射部材70の長さD8は、発光部32から出射された励起光Linが、全反射壁72に到達して発光部32まで戻るまでに(発光部32と全反射壁72との間を往復するまでに)、空間K内に配置した光ファイバ10のコア部材12を励起して吸収される長さに設定すると、ファイバレーザ発振装置をより小型化することができる。
また他の例としては、図8(A)〜(C)に示すように、励起光出射手段30に発光部32が2次元状に配置されたスタック型レーザダイオードを複数個用いて、円盤状に形成した全反射部材70の中心から円周方向に励起光Linを放射状に出射するように、且つ円盤状の全反射部材70の盤面と垂直な方向が励起光Linの長軸方向と一致するように、複数のスタック型レーザダイオードを配置する(図8(A)に示す例では6個のスタック型レーザダイオードを配置している)。また、図7と同様に全反射壁72も配置する。
図8(A)〜(C)に示す実施の形態では、励起光の進行方向は複数あるが、励起光出射手段30の進行方向をZ軸方向としている。
なお、図8(B)に示す断面図は図8(A)におけるBB断面を示しており、図8(C)に示す断面図は図8(B)に示す断面図における7C部の拡大図を示している。
そして図8(B)及び(C)に示すように、複数枚の全反射部材70を励起光Linの長軸方向(X軸方向)に重ね、全反射部材70と全反射部材70とで形成される空間Kに光ファイバ10が整然と配列されるように、各空間K内で光ファイバ10を同心円上に複数回周回させて配置する。また、図8(C)に示すように、各空間Kに励起光出射手段30の発光部32(短軸方向(Y軸方向)のグループ毎の発光部)が位置するように、全反射部材70の間隔D7を設定する。なお、励起光Linの進行方向における全反射部材70の長さD8の設定は、既に説明しているので説明を省略する。
図8(A)〜(C)に示す構成のファイバレーザ発振装置は、より多くの励起光Linを光ファイバ10に入射することが可能であり、より高出力の出力レーザ光Loutを得ることが可能であるとともに、ファイバレーザ発振装置のサイズをより小さくすることができる。
更に他の例としては、図7(A)及び(B)に示すファイバレーザ発振装置を長軸方向(X軸方向)に複数段重ねた構成とする。この場合、励起光出射手段30にはスタック型レーザダイオードを用い、図8(C)と同様に全反射部材70と全反射部材70とで形成される各空間Kに、発光部32(短軸方向(Y軸方向)のグループ毎の発光部)が位置するように構成する。
なお、光ファイバ10は、全反射部材70と全反射部材70とで形成される空間K毎に異なる光ファイバ10を用いてもよいし、1本の光ファイバ10を全反射部材70と全反射部材70とで形成される全ての空間Kに配置するようにしてもよい。
また、全反射部材70にはミラーを用いてもよい。また、空間Kをクラッド部材14の屈折率と同等の屈折率の液体または樹脂等で充填し、クラッド部材14の屈折率以下の屈折率を有して励起光Linを長軸方向に閉じ込めることが可能な部材を、全反射部材70の代わりに用いてもよい。
このように、本実施の形態では、一般的な光ファイバ10と、一般的な励起光出射手段30とを用い、励起光Linを平行光に変換するコリメートレンズ等を用いずに、比較的簡単な構成にてより高出力なファイバレーザ発振装置を実現することができる。
本発明のファイバレーザ発振装置は、本実施の形態で説明した形状、構成、構造、光ファイバ10の配置方法等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
本実施の形態では、励起光Linに半導体レーザを用いたが、励起光には種々のものを用いることができる。
また、光ファイバ10の側面において、励起光Linが入射される部分に減反射コーティングを施すことにより、効率をより向上させることができる。
また、FBGα及びファイバコネクタβの代わりに、出力レーザ光Loutを全反射するミラーを設けるようにしてもよい。
本実施の形態の説明に用いた光ファイバ10は、コア部材12と(第1)クラッド部材14とで形成されたものを用いたが、コア部材12と第1クラッド部材14と第2クラッド部材16とで形成された光ファイバを用いてもよい。
本発明のファイバレーザ発振装置は、レーザ加工装置等、レーザ光を用いた種々の装置に適用できる。
本発明のファイバレーザ発振装置の第1の実施の形態の例を説明する図である。 本発明のファイバレーザ発振装置の第1の実施の形態の例を説明する図である。 本発明のファイバレーザ発振装置の第2の実施の形態の例を説明する図である。 本発明のファイバレーザ発振装置の第2の実施の形態の例を説明する図である。 本発明のファイバレーザ発振装置の第3の実施の形態の例を説明する図である。 本発明のファイバレーザ発振装置の第3の実施の形態の例を説明する図である。 本発明のファイバレーザ発振装置の第4の実施の形態の例を説明する図である。 本発明のファイバレーザ発振装置の第4の実施の形態の例を説明する図である。 従来のファイバレーザ発振装置の例を説明する図である。 従来のファイバレーザ発振装置の例を説明する図である。 半導体レーザの例を説明する図である。
符号の説明
10 光ファイバ
12 コア部材
14 クラッド部材
30、30a〜30e 励起光出射手段
32 発光部
50、60 導光部材
62 導光平板
64 封入部材
70 全反射部材
72 全反射壁
f 焦点距離
Ls 直線配置部
K 空間
α ファイバブラッググレーティング(FBG)
β ファイバコネクタ

Claims (5)

  1. レーザ活性物質を含む柱状のコア部材を長手軸方向に含み、コア部材よりも小さな屈折率を有するクラッド部材にてコア部材の周囲を覆って円柱状に形成された光ファイバと、短軸方向と長軸方向とに広がりながら進行する励起光を出射する励起光出射手段とを備えたファイバレーザ発振装置であって、
    円柱状の光ファイバは、径方向に対してレンズ効果を備えた焦点距離を有しており、
    光ファイバに対する励起光出射手段の配置位置を、励起光の長軸方向と光ファイバの長手軸方向とが垂直となるように、且つ励起光出射手段と光ファイバの中心との距離が焦点距離となるように配置し、
    励起光出射手段から出射された励起光を、光ファイバを通過させて長軸方向において平行光に変換して再度光ファイバに入射する構成を有する、
    ことを特徴とするファイバレーザ発振装置。
  2. 請求項1に記載のファイバレーザ発振装置であって、
    一部が直線状に配置された光ファイバが、複数本平行に且つ同一平面上に配置されるように、1本の光ファイバを用いて配置し、
    光ファイバに対する励起光出射手段の配置位置を、励起光の長軸方向と直線状に配置した光ファイバの長手軸方向とが垂直となるように、且つ前記平面上に、且つ光ファイバの側面に対して垂直な方向に、出射された励起光が複数本平行に配置された光ファイバに順次入射されるように配置し、
    励起光出射手段から1番目に近い光ファイバの中心までの距離を光ファイバの焦点距離に設定し、nを自然数とした場合、励起光出射手段から2n番目に近い光ファイバの中心と2n+1番目に近い光ファイバの中心との距離を光ファイバの焦点距離の2倍に設定する、
    ことを特徴とするファイバレーザ発振装置。
  3. レーザ活性物質を含む柱状のコア部材を長手軸方向に含み、コア部材よりも小さな屈折率を有するクラッド部材にてコア部材の周囲を覆って円柱状に形成された光ファイバと、短軸方向と長軸方向とに広がりながら進行する励起光を出射する励起光出射手段とを備えたファイバレーザ発振装置であって、
    円柱状の光ファイバは、径方向に対してレンズ効果を備えた焦点距離を有しており、
    光ファイバの少なくとも一部を直線状に配置し、
    光ファイバに対する励起光出射手段の配置位置を、励起光の長軸方向と直線状に配置した光ファイバの長手軸方向とが垂直となるように、且つ励起光出射手段と光ファイバの中心との距離が焦点距離となるように、且つ光ファイバの側面に対して垂直な方向に配置し、
    直線状に配置した光ファイバに対して励起光出射手段と反対側に、クラッド部材の屈折率以上の屈折率を有し、且つ励起光の長軸方向において光ファイバの径以下の厚さを有する導光部材を備え、
    導光部材は、励起光出射手段から出射されて光ファイバを通過してきた励起光を1回または複数回反射させて、励起光の進行方向を直線状に配置した光ファイバの長手軸方向に対して所定角度以下となるように変換して光ファイバに再度入射することが可能な反射面を有している、
    ことを特徴とするファイバレーザ発振装置。
  4. レーザ活性物質を含む柱状のコア部材を長手軸方向に含み、コア部材よりも小さな屈折率を有するクラッド部材にてコア部材の周囲を覆って柱状に形成された光ファイバと、短軸方向と長軸方向とに広がりながら進行する励起光を発光部から出射する励起光出射手段とを備えたファイバレーザ発振装置であって、
    光ファイバの少なくとも一部を直線状に配置し、
    光ファイバに対する励起光出射手段の配置位置を、励起光の長軸方向と直線状に配置した光ファイバの長手軸方向とが垂直となるように、且つ直線状に配置した光ファイバの長手軸方向と励起光の進行方向とが所定角度以下となるように配置し、
    励起光出射手段から光ファイバまでの間に、クラッド部材の屈折率以上の屈折率を有し、且つ励起光の長軸方向において光ファイバの径以下且つ発光部の長軸方向の長さ以上の厚さを有し、且つ励起光の短軸方向において発光部の短軸方向の長さ以上の幅を有する導光平板を備え、
    導光平板における励起光の長軸方向に対して垂直な面を、導光平板の屈折率よりも小さな屈折率を有する部材または励起光を全反射する部材で覆う、
    ことを特徴とするファイバレーザ発振装置。
  5. レーザ活性物質を含む柱状のコア部材を長手軸方向に含み、コア部材よりも小さな屈折率を有するクラッド部材にてコア部材の周囲を覆って柱状に形成された光ファイバと、短軸方向と長軸方向とに広がりながら進行する励起光を発光部から出射する励起光出射手段とを備えたファイバレーザ発振装置であって、
    励起光出射手段の発光部から出射される励起光を、励起光を全反射する部材にて少なくとも長軸方向に対して囲み、囲んだ空間内に光ファイバを配置する、
    ことを特徴とするファイバレーザ発振装置。

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