JP2005339957A - 電界発光素子及び表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】光利用効率の低下を低減し、かつ画像のコントラストの低下を低減可能な電界発光素子等を提供すること。
【解決手段】透明電極層102と、反射電極層108と、透明電極層102と反射電極層108との間に設けられ、少なくとも発光層106Gを有する機能層105と、発光層106Gを挟んで反射電極層108に対向して設けられ、入射する光のうち一部の光を反射し、入射する光のうち他の一部の光を透過するハーフミラー層120と、を有し、反射電極層108とハーフミラー層120とは、発光層106Gからの光とは異なる他の光であって、観察者側からハーフミラー層120へ入射する光L1について、ハーフミラー層120で反射して観察者側へ進行する光L2と、ハーフミラー層120を透過した後反射電極層108で反射して観察者側へ進行する光L3とが干渉することで弱め合うような所定の間隔Daで設けられる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電界発光素子及び表示素子、特に、電界発光素子である有機EL素子の技術に関する。
電界発光素子である有機EL素子は、一般に、透明電極と金属電極とが用いられる。有機EL素子に用いられる金属電極は、発光層に効率良くキャリアを注入するほか、発光層からの光を射出側へ反射することで光利用効率を向上する役割を有する。室内の照明光や日射等の外光が照射する環境において、有機EL素子の金属電極で反射した外光は、表示光とともに観察者側へ進行する場合がある。有機ELディスプレイは、外光が表示光とともに観察者側へ進行することによって、画像のコントラスト低下を引き起こす。このような画像のコントラストの低下を低減するためには、有機EL素子の金属電極における外光の反射を低減することが考えられる。有機ELディスプレイにおいて画像のコントラスト低下を低減するための技術としては、例えば、特許文献1〜3に提案されているものがある。
特開平8−321381号公報 特開平9−127885号公報 米国特許第5986401号明細書
特許文献1及び2に開示されている技術は、円偏光板を用いるものである。円偏光板を透過することで、外光のうち特定の向きに回転する円偏光成分のみが有機EL素子に入射する。有機ELに入射した偏光光は、金属電極で反射することにより逆向きの円偏光となって、再び円偏光板に入射するときに遮蔽される。このようにして、円偏光板を用いる有機EL素子は、外光が観察者側へ進行することを低減する。しかしながら、円偏光板を用いる有機ELディスプレイは、有機EL素子の発光層からの光についても特定の偏光光のみを透過し、特定の偏光光以外の光を遮蔽する。このため、有機EL素子は、円偏光板を用いることによって発光層からの光の利用効率が低下してしまう。特許文献3に開示されている技術は、金属電極に代えて、低反射性の部材からなる低反射電極を用いるものである。低反射電極は、黒色の部材による光吸収や、多層膜による多光束干渉効果によって、入射する光の反射を低減する。低反射電極は、観察者側から有機EL素子へ入射する外光の反射を低減するばかりでなく、発光層から低反射電極へ入射する光の反射をも低減する。このため、有機EL素子は、低反射電極を用いることによって発光層からの光の利用効率が低下してしまう。
このように、従来の有機EL素子は、光利用効率の低下を低減し、かつ画像のコントラストの低下を低減することが困難であるという問題を有する。本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、光利用効率の低下を低減し、かつ画像のコントラストの低下を低減可能な電界発光素子、及びその電界発光素子を用いる表示素子を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、光学的に透明な透明電極層と、透明電極層に対向して設けられる反射電極層と、透明電極層と反射電極層との間に設けられ、少なくとも発光層を有する機能層と、発光層を挟んで反射電極層に対向して設けられ、入射する光のうち一部の光を反射し、入射する光のうち他の一部の光を透過するハーフミラー層と、を有し、反射電極層とハーフミラー層とは、発光層からの光とは異なる他の光であって、観察者側からハーフミラー層へ入射する光について、ハーフミラー層で反射して観察者側へ進行する光と、ハーフミラー層を透過した後反射電極層で反射して観察者側へ進行する光とが干渉することで弱め合うような所定の間隔で設けられることを特徴とする電界発光素子を提供することができる。
観察者側からハーフミラー層へ入射する外光のうち一部の光は、ハーフミラー層で反射して観察者側へ進行する。また、観察者側からハーフミラー層へ入射する外光のうち他の一部の光は、ハーフミラー層を透過した後反射電極層で反射して観察者側へ進行する。電界発光素子は、ハーフミラー層で反射した外光と、ハーフミラー層を透過した後反射電極層で反射した外光とを干渉することで弱め合う。さらに、本発明の電界発光素子は、干渉効果によって観察者側へ進行する外光のみを弱め合い、発光層からの光を低減させない構成とすることができる。これにより、光利用効率の低下を低減し、かつ画像のコントラストの低下を低減可能な電界発光素子を得られる。
また、本発明の好ましい態様によれば、反射電極層とハーフミラー層との間の光学的距離をDa、反射電極層での反射による光の位相シフト量をφaラジアン(−π<φa<π)、ハーフミラー層での反射による光の位相シフト量をφbラジアン(−π<φb<π)、特定のピーク波長をλ、とすると、0<(φa+φb)のとき以下の式(1)、(φa+φb)<0のとき以下の式(2)を満たすことが望ましい。
(φa+φb)λ=2Da (1)
(φa+φb+2π)λ=2Da (2)
電界発光素子は、式(1)又は式(2)を満たすことにより、外光のうちλをピークとする波長領域の光を弱め合う構成にできる。波長λを適宜設定することで、電界発光素子は、広い波長領域の外光が観察者側へ進行することを低減できる。また、電界発光素子は、発光層からの光のうち波長λをピークとする波長領域の光を増幅して射出することができる。これにより、光利用効率の低下を低減し、かつ画像のコントラストの低下を低減可能な電界発光素子を得られる。
また、本発明の好ましい態様によれば、基板の上に、ハーフミラー層、透明電極層、機能層及び反射電極層が順次積層され、発光層からの光を基板の方向へ射出することが望ましい。これにより、光利用効率の低下を低減し、かつ画像のコントラストの低下を低減することが可能なボトムエミッション方式の電界発光素子を得られる。
また、本発明の好ましい態様としては、機能層は、発光層に積層され、発光層に電子を輸送する電子輸送層を有し、ハーフミラー層は、電子輸送層であって、反射電極層、機能層及び前記透明電極層が順次積層され、発光層からの光を透明電極層の方向へ射出することが望ましい。これにより、光利用効率の低下を低減し、かつ画像のコントラストの低下を低減することが可能なトップエミッション方式の電界発光素子を得られる。
また、本発明の好ましい態様としては、反射電極層、機能層、透明電極層及びハーフミラー層が順次積層され、発光層からの光を透明電極層の方向へ射出することが望ましい。これにより、光利用効率の低下を低減し、かつ画像のコントラストの低下を低減することが可能なトップエミッション方式の電界発光素子を得られる。
さらに、本発明によれば、上記の電界発光素子と、電界発光素子を駆動するトランジスタ部と、を有することを特徴とする表示素子を提供することができる。上記の電界発光素子を用いることにより、光利用効率の低下を低減し、かつ画像のコントラストの低下を低減可能な表示素子を得られる。
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る電界発光素子を用いる表示パネル100の構成の要部斜視図である。表示パネル100は、基板101と、基板101上に形成された有機EL素子部10と、有機EL素子部10を封止する基板111とにより構成されている。電界発光素子である有機EL素子は、有機EL素子部10のうちトランジスタ部21及び配線22が設けられていない領域ARに対応する部分である。有機EL素子は、画素に対応して、表示パネル100の基板101平面上において略直交する2方向にマトリクス状に配置されている。トランジスタ部21は、各有機EL素子に対応して設けられている。表示素子30は、有機EL素子とトランジスタ部21とから構成される部分である。
トランジスタ部21は、有機EL素子を駆動する。トランジスタ部21は、画素ごとに形成されたTFT(Thin Film Transistor)回路である。配線22は、不図示の外部電源と各トランジスタ部21とを電気的に接続している。表示パネル100は、配線22を用いて各トランジスタ部21に電気的にアクセスすることで各有機EL素子を駆動する、いわゆるアクティブマトリクス方式により画像を表示する。
図2は、表示パネル100の構成を示す要部断面図である。表示パネル100は、R光LRを供給する電界発光素子である有機EL素子110Rと、G光LGを供給する電界発光素子である有機EL素子110Gと、B光LBを供給する電界発光素子である有機EL素子110Bとを有する。
有機EL素子110Rは、R光用発光層106Rを有する。R光用発光層106Rは、R光LRを供給するR光用画素に対応して設けられている。有機EL素子110Gは、G光用発光層106Gを有する。G光用発光層106Gは、G光LGを供給するG光用画素に対応して設けられている。有機EL素子110Bは、B光用発光層106Bを有する。B光用発光層106Bは、B光LBを供給するB光用画素に対応して設けられている。各色光用発光層106R、106G、106Bは、透明電極層102と反射電極層108との間に電圧を印加することにより光を供給する。有機EL素子部10は、TFT層112と封止層116との間の部分である。
有機EL素子110R、110G、110Bは、それぞれ各色光用発光層106R、106G、106Bからの光を基板101の方向へ射出するボトムエミッション方式の有機EL素子である。なお、図2は、表示パネル100の要部として、各有機EL素子110R、110G、110Bが並列する部分の断面構成を示している。有機EL素子110R、110G、110Bは、それぞれR光用画素、G光用画素、B光用画素に対応している。
基板101は、光学的に透明な部材、例えば硝子や透明樹脂から構成される。基板101は、表示パネル100の射出面を構成する平行平板である。基板101の上には、TFT層112が設けられている。TFT層112には、トランジスタ部21及び配線22が設けられている。図2に示す断面構成では、トランジスタ部21がTFT層112中に配置された状態を示している。トランジスタ部21及び配線22をTFT層112に収めることで、有機EL素子部10の土台を平坦にし、有機EL素子部10の各層を均一な層厚で形成し易くすることもできる。
TFT層112の上部は、パッシベーション膜113で構成されている。パッシベーション膜113は、トランジスタ部21を外部からの湿気等から保護するために設けられている。パッシベーション膜113は、例えばSiN等の窒化膜で構成できる。TFT層112は、例えば、色光が透過する位置において200nmの層厚となるように設けられている。TFT層112の上には、バンク114が設けられている。バンク114は、画素に対応して有機EL素子部10を有機EL素子110R、110G、110Bに分割している。
図3は、有機EL素子110Gの概略構成を示す。本発明において、各有機EL素子110R、110G、110Bは、特徴的部分について同様の構成を有する。従って、本実施例及び以下の実施例では、主にG光用の有機EL素子の構成を例として説明を行うものとする。基板101の上には、TFT層112、ハーフミラー層120、透明電極層102、機能層105及び反射電極層108が順次積層されている。機能層105は、正孔輸送層104及びG光用発光層106Gを有する。機能層105は、透明電極層102と反射電極層108との間に設けられている。
ハーフミラー層120からG光用発光層106Gまでの各層は、画素に対応してバンク114どうしの間に設けられている。ハーフミラー層120は、G光用発光層106Gを挟んで反射電極層108に対向して設けられている。ハーフミラー層120は、入射する光のうち一部の光を反射し、入射する光のうちの他の一部の光を透過する。ハーフミラー層120としては、例えばアルミニウムや、アルミニウム−銅(AlCu)合金、アルミニウム−ネオジム(AlNd)合金等で構成することができる。ハーフミラー層120は、例えば10nmの層厚で設けることができる。
透明電極層102は、光学的に透明な部材から構成される陽極電極である。透明電極層102は、例えば金属酸化物であるITOやIZOにより構成することができる。透明電極層102は、例えば40nmの層厚で設けられる。透明電極層102は、トランジスタ部21と電気的に接続されている。透明電極層102の上の正孔輸送層104は、透明電極層102からの正孔を輸送してG光用発光層106Gに注入する。正孔輸送層104としては、例えば3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)を用いることができる。
正孔輸送層104の上のG光用発光層106Gは、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)で構成できる。G光用発光層106Gは、PPVのほか、ポリフルオレン誘導体(PF)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン色素、その他ベンゼン誘導体に可溶な低分子有機EL材料、高分子有機EL材料で構成しても良い。
反射電極層108は、金属層223を有する陰極電極である。反射電極層108は、画素ごとに分割されず表示パネル100の一面に設けられている。反射電極層108は、機能層105を介して透明電極層102に対向して設けられている。反射電極層108の金属層223は、例えばアルミニウムで構成できる。また、反射電極層108は、G光用発光層106の側に、電子注入層であるフッ化リチウム層221及びカルシウム層222を有する。例えば、フッ化リチウム層221は2nm、カルシウム層222は20nmの層厚で形成されている。また、金属層223は、入射する光の透過を防ぐために他の層より厚めに、例えば200nmの層厚で形成されている。
G光用発光層106Gから反射電極層108の方向へ進行するG光は、主にフッ化リチウム層221及びカルシウム層222を透過して金属層223で反射する。厳密には、反射電極層108の方向へ進行するG光のうち一部の僅かな光は、G光用発光層106Gとフッ化リチウム層221との界面、及びフッ化リチウム層221とカルシウム層222との界面でも反射している。反射電極層108は、G光用発光層106Gから反射電極層108の方向へ進行するG光を反射する。なお、反射電極層108は、フッ化リチウム層221、カルシウム層222及び金属層223のいずれも画素に分割されず表示パネル100の一面に形成されている。反射電極層108の上には、封止層116及び基板111が設けられている。封止層116は、基板101及び基板111の間の各層が酸化等により劣化することを防ぐ。封止層116は、例えば窒化酸化シリコンで形成することができる。
反射電極層108は、不図示の外部電源と電気的に接続されている。有機EL素子110Gは、透明電極層102及び反射電極層108を介して外部電源と接続されている。外部電源からの電圧は、トランジスタ部21の駆動に応じて透明電極層102と反射電極層108との間に印加される。透明電極層102と反射電極層108との間に電圧を印加すると、正孔輸送層104は、透明電極層102からの正孔をG光用発光層106Gに注入する。また、反射電極層108は、電子注入層であるフッ化リチウム層221及びカルシウム層222の作用によって電子をG光用発光層106Gに注入する。このとき、電子のほうが正孔より容易に移動可能であることから、電子と正孔とは、G光用発光層106Gのうち正孔輸送層104側の位置で結合する。
G光用発光層106Gで電子と正孔とが結合すると、G光用発光層106Gの蛍光物質は、正孔と電子とが結合するときに生じるエネルギーによって励起される。そして、G光用発光層106Gの蛍光物質は、励起状態から基底状態に戻るときに発光現象を起こす。このとき蛍光物質は、G光の領域にピーク波長を有するスペクトルの光を発生する。このようにして、G光用発光層106GはG光を発生する。なお、有機EL素子110R及び有機EL素子110Bについても、構成及び発光メカニズムは有機EL素子110Gの場合と同様である。有機EL素子110RのR光用発光層106Rは、R光の領域にピーク波長を有する発光スペクトルの蛍光物質を有する。また、有機EL素子110BのB光用発光層106Bは、B光の領域にピーク波長を有する発光スペクトルの蛍光物質を有する。
図4は、観察者側から有機EL素子110Gに入射する外光の振舞いを説明するものである。外光は、各発光層106R、106G、106Bからの光とは異なる他の光、例えば、室内の照明光や日射等である。観察者側から基板101へ入射した外光L1は、基板101及びTFT層112を透過してハーフミラー層120へ入射する。ハーフミラー層120へ入射した外光L1のうちの一部の光L2は、ハーフミラー層120で反射して観察者側へ進行する。
ハーフミラー層120へ入射した外光L1のうちの他の一部の光は、ハーフミラー層120を透過して、有機EL素子110Gの内部へ進行する。ハーフミラー層120を透過した光は、その後反射電極層108で反射して再びハーフミラー層120に入射する。反射電極層108からハーフミラー層120に入射した光のうちの一部の光L3は、ハーフミラー層120を透過して観察者側へ進行する。このときハーフミラー層120で反射した光は、上述と同様の振舞いを繰り返す。
有機EL素子110Gは、光L2と光L3、あるいはさらにハーフミラー層120と反射電極層108との間で反射した後観察者側へ進行する光が干渉することによって弱め合う。反射電極層108とハーフミラー層120とは、観察者側からハーフミラー層120へ入射する外光が干渉により弱め合うような所定の間隔で設けられている。有機EL素子106Gは、0<(φa+φb)のとき式(1)、(φa+φb)<0のとき式(2)を満足するように構成される。
(φa+φb)λ=2Da (1)
(φa+φb+2π)λ=2Da (2)
式(1)、(2)において、Daは、反射電極層108とハーフミラー層120との間の光学的距離である。φaは、反射電極層108での反射による光の位相シフト量(ラジアン、−π<φa<π)、φbは、ハーフミラー層120での反射による光の位相シフト量(ラジアン、−π<φb<π)である。λは、特定のピーク波長であって、可視光の波長領域のうちの特定の波長である。有機EL素子110Gは、式(1)又は式(2)を満たすことにより、外光のうちλをピークとする波長領域の光を弱め合う構成にできる。ここで、光は、もとの位相から2πシフトすることで、もとの位相に戻るものとして説明を行う。
図5は、有機EL素子110GにおけるG光用発光層106Gからの光の振舞いを説明するものである。透明電極層102と反射電極層108との間に電圧を印加すると、有機EL素子110Gは、G光用発光層106Gのうち正孔輸送層104側の位置で光を発生する。G光用発光層106Gは、光の発生位置から全方向へ光を放射する。G光用発光層106Gで発生した光は、透明電極層102側の方向、及び反射電極層108の方向へ進行する。
図5には、G光用発光層106Gから透明電極層102の方向へ進行する光の振舞いを示している。有機EL素子110Gは、反射電極層108とハーフミラー層120との間で光を共振させる、光共振器を構成する。G光用発光層106Gから透明電極層102の方向へ進行する光のうち一部の光L4は、ハーフミラー層120で反射し、反射電極層108とハーフミラー層120との間を1往復した後ハーフミラー層120を透過する。また、他の一部の光L5は、ハーフミラー層120で反射し、反射電極層108とハーフミラー層120との間を2往復した後ハーフミラー層120を透過する。
ハーフミラー層120を透過した光L4、L5は、いずれも観察者側へ進行する。有機EL素子110Gは、光L4とL5、あるいはそれ以上ハーフミラー層120及び反射電極層108の間を往復した後射出する光が干渉することによって共振する。有機EL素子110Gは、光共振器構造において光を往復させることにより、共振波長の光のみを増幅して取り出すことができる。
図4に示す光L2は、ハーフミラー層120での反射により、位相がπシフトしている。有機EL素子110Gは、位相がπずれた光L2と、位相がシフトしていない光L3との干渉により波長λをピークとする特定の波長領域の光を弱め合う。これに対して、図5に示す光L4、光L5は、いずれも位相がシフトしていない。従って、有機EL素子110Gは、外光のうち波長λをピークとする光を弱め合うと同時に、発光層106Gからの光のうち波長λをピークとする波長領域の光を強め合う構成になる。
なお、各層が所定の層厚で設けられる多層構造物に光を入射する場合、例えば有効フレネル係数法や特性行列法を用いることで、多重反射と干渉とを加味した位相シフト量を算出することが可能である。このため、式(1)及び式(2)の適用については、位相シフト量φa、φbとして、各層における多重反射と干渉とを加味した数値を用いることで、1つの界面を構成するものと擬制することができる。
図6は、有機EL素子110Gにおける外光の反射率の分布の例を示す。図6は、パーセント単位の反射率を縦軸に、nm単位の波長を横軸にとって示している。図6に示す反射率分布の有機EL素子110Gは、外光のうち485nm付近をピークとする波長領域の光を弱め合う構成である。外光の反射率は、485nm付近を最小として、低波長側及び高波長側へシフトするに従い増加していく。ここで、外光の反射率は、485nm付近から高波長側へシフトするより低波長側へシフトするほうが増加の割合が大きい。このため、有機EL素子110Gは、弱め合う光のピーク波長λを、可視光域の略中心より低波長側と設定することが望ましい。このようにしてピーク波長λを決定することにより、有機EL素子110Gは、可視光である外光のうち幅広い波長領域の光の反射を低減することができる。
反射電極層108での反射による位相シフト量φa、ハーフミラー層120での反射による位相シフト量φbは、いずれも構成する材料に応じて決定することができる。従って、有機EL素子110Gは、反射電極層108、ハーフミラー層120の材料を決定することにより、上記の式(1)又は(2)により反射電極層108とハーフミラー層120との間の光学的距離Daを決定することができる。なお、図6に示す外光の反射率の分布は、反射電極層108の金属層223(図3参照)としてアルミニウム、ハーフミラー層120としてAlCu合金を用いる場合の例である。
反射電極層108とハーフミラー層120との間の光学的距離Daについて、以下の式(3)が成立する。
Da=Σnd (3)
式(3)において、nは屈折率、dは層厚である。光学的距離Daは、反射電極層108とハーフミラー層120との間の各層についてのn×dを合計したものである。
図4に示す有機EL素子110Gは、式(1)又は(2)により算出された光学的距離Daに応じて、透明電極層102、正孔輸送層104、G光用発光層106Gの各層厚を決定することができる。例えば、約540nmの波長の光について、透明電極層102を構成するITOの屈折率を1.9、正孔輸送層104及びG光用発光層106Gの屈折率をそれぞれ1.57とする。この場合、透明電極層102、正孔輸送層104、G光用発光層106Gの各層厚は、それぞれ40nm、20nm、20nmと決定することができる。透明電極層102は、外部電極からの電流を供給する必要上、ある程度の厚みをもって設けられる。従って、有機EL素子110Gは、正孔輸送層104及びG光用発光層106Gの層厚によって反射電極層108とハーフミラー層120との間の光学的距離Daを調節することができる。
有機EL素子110Gは、外光のうち485nm付近をピークとする波長領域の光を弱め合う構成であるから、G光用発光層106Gからの光のうち485nm付近をピークとする波長領域の光を強め合うことになる。光共振器により所定の波長の光を強め合う観点によれば、有機EL素子110Gは、G光、例えば540nm付近の光を強め合うことが望ましいとも考えられる。さらに、G光用発光層106Gからの光を光共振器によって効果的に増幅するためには、上述の構成よりも反射電極層108とハーフミラー層120との間の光学的距離Daを大きくすることも考えられる。
これに対して、有機EL素子110Gは、ピーク波長λを485nmから540nmへシフトすることにより低波長領域の光の反射率が増加してしまう。また、有機EL素子110Gは、特定の波長領域の光を強く増幅する構成とすると、反射を低減可能な光の波長領域を狭めることとなる。有機EL素子110Gは、G光用発光層106Gからの光を増幅する効果よりも、幅広い波長領域の外光の反射を防ぐ効果により高コントラストな画像を得ることが可能となる。従って、有機EL素子110Gは、G光用発光層106Gからの光のピーク波長に関わらず、外光のうち弱め合うことが可能な光のピーク波長λを設定することができる。また、有機EL素子110Gは、観察者側から入射する外光が干渉を起こす最小の光学的距離Daで反射電極層108とハーフミラー層120とが設けられている。このようにして光学的距離Daを決定することにより、有機EL素子110Gは、広い波長領域の外光が観察者側へ進行することを低減できる。
外光の反射を低減するために、従来、観察者側とは反対側に低反射電極を用いる有機EL素子が提案されている。低反射電極を用いると、観察者側から入射する外光を低減するのみならず発光層からの光を減少してしまう場合が考えられる。これに対して、本発明の有機EL素子110Gは、干渉効果によって観察者側へ進行する外光のみを弱め合い、G光用発光層106Gからの光を低減させない構成とすることができる。このため、低反射電極を用いる従来の有機EL素子と比較して、本発明の有機EL素子は、光利用効率の低下を大幅に低減することができる。これにより、光利用効率の低下を低減し、かつ画像のコントラストの低下を低減することができるという効果を奏する。
本発明の有機EL素子は、素子自体の構成によりコントラストの低下を低減可能である。このため、コントラストを向上するための他の構成を不要とし、簡易な構成の有機EL素子を用いて、容易にコントラストの低下を低減することができる。さらに、光利用効率の低下を低減可能であることから、表示素子は、消費電力を低減することができる。表示素子の消費電力を低減することにより、表示素子の寿命の長期化、及び表示パネル100の信頼性の向上を図ることもできる。
なお、有機EL素子は、弱め合う光のピーク波長λを、図6に示す485nm付近とする場合に限られない。ピーク波長λは、反射電極層108とハーフミラー層120との間の光学的距離Daに応じて適宜変更することができる。また、図6を用いて説明したように、有機EL素子による外光の反射率は、光の波長によって異なる。有機EL素子は、広い波長領域において低反射率であることが望ましい。例えば、反射電極層108とハーフミラー層120との間の光学的距離Daをできるだけ短くすると、広い波長領域において低反射を実現することができると考えられる。また、有機EL素子は、反射電極層108及びハーフミラー層120を位相シフト量が少ない材料で構成することで、広い波長領域において低反射とすることができると考えられる。
有機EL素子の各層は、入射光の波長に応じて異なる屈折率を有する。有機EL素子は、反射電極層108、ハーフミラー層120の材料と、他の層の材料とを適宜組み合わせることによって、外光反射の波長依存性を低減することができると考えられる。有機EL素子は、広い波長領域にわたり外光の反射を低減することで、さらにコントラストの低減を軽減できる。また、有機EL素子は、外光反射の波長依存性を利用する構成としても良い。例えば単独色のみにより表示を行う表示装置の場合、外光のうち特定の波長領域の光を観察者側へ反射する構成とすることで、表示光を増強する構成とすることができる。これにより、表示装置をさらに低消費電力にすることができる。
次に、図7−1、図7−2を用いて、表示パネル100の製造方法を説明する。上述のように、有機EL素子は、反射電極層108とハーフミラー層120との間が所定の光学的距離Daとなるように設けられている。光学的距離Daは、発光層及び正孔輸送層104の少なくとも一方の層厚を調節することにより容易に調節することができる。
まず、図7−1の工程aに示す基板101に、トランジスタ部21及び配線22と、TFT層112とを形成する。TFT層112は、例えば蒸着法により成膜することができる。次に、TFT層112の上に、画素に対応する所定のパターンで、ハーフミラー層120及び透明電極層102を形成する。ハーフミラー層120は、蒸着法等によりアルミニウムやAlCu合金、AlNd合金等を一面に成膜した後、パターニングして形成する。
透明電極層102は、蒸着法等によりITO等を一面に成膜した後、パターニングして形成する。そして、透明電極層102どうしの間にバンク114を形成する。バンク114は、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等を溶媒に溶解した後、スピンコート、ディップコート等によりTFT層112及び透明電極層102の上の全面に溶液を塗布して形成する。その後、形成された樹脂層をフォトリソグラフィ等でエッチングすることにより、所定の位置にバンク114が形成される。バンク114は、透明電極層102の上に凹部701を構成する。
次に、図7−1の工程aに示す構成に、O2プラズマ処理及びCF4プラズマ処理を連続して施す。O2プラズマ処理により、透明電極層102及びバンク114の露出面は、全面に水酸基が付与されることで親インク性となる。また、CF4プラズマ処理により、バンク114は、水酸基がフッ素基で置換されて撥インク性となる。その後、プラズマ処理により加熱された基板101を室温にまで冷却する。ここで正孔輸送層104の形成を行う管理温度にまで基板101を冷却することにより、後述する正孔輸送層104の層厚を正確に制御することができる。
次に、インクジェット法等の液滴吐出法により、凹部701に正孔輸送層104を形成する。正孔輸送層104の形成材料711は、図7−1の工程bに示すように液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)710を用いて凹部701内に選択的に吐出できる。正孔輸送層104の形成材料711は、液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)710により、正孔輸送層104が所望の層厚となるように吐出量が制御されている。凹部701内に正孔輸送層104の形成材料711を吐出した後、正孔輸送層104の形成材料711を乾燥及びベイクして、図7−1の工程cに示す正孔輸送層104を形成する。
続いて、インクジェット法等の液滴吐出法により、凹部701内の正孔輸送層104の上に各色光用発光層106R、106G、106Bを形成する。例えば、R光用発光層106Rの形成材料712Rは、図7−2の工程dに示すように、液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)710を用いて有機EL素子110Rの形成箇所の凹部701内に選択的に吐出できる。G光用発光層106Gの形成材料及びB光用発光層106Bの形成材料についても、R光用発光層106Rの形成材料712Rと同様に吐出する。さらに、各色光用発光層106R、106G、106Bの形成材料は、液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)710によりそれぞれ所望の層厚となるように吐出量が制御されている。凹部701内に各色光用発光層106R、106G、106Bの形成材料を吐出した後、乾燥及びベイクにより各色光用発光層106R、106G、106Bを形成する。
このように、各色光用発光層106R、106G、106B及び正孔輸送層104は、形成材料を吐出成膜することで形成され、かつ、形成材料の吐出量を変化させることで層厚を調節する。液滴吐出法によれば、正孔輸送層104の形成材料及び各色光用発光層106R、106G、106Bの形成材料を、それぞれ所望の位置に打ち分けることができる。さらに、液滴吐出法を用いることで、所望の層厚の正孔輸送層104及び各色光用発光層106R、106G、106Bを容易に形成することができる。
次に、図7−2の工程eに示すように、バンク114及び各色光用発光層106R、106G、106Bの上の全面に反射電極層108を形成する。反射電極層108を構成するフッ化リチウム層221、カルシウム層222、及び金属層223は、例えば蒸着法によって形成できる。最後に、反射電極層108の上に封止材を塗布して封止層116を形成する。さらに、封止層116の上に基板111を重ねて封止層116を硬化させる。これにより、表示パネル100を得ることができる。
図8は、本発明の実施例2に係る電界発光素子を用いる表示パネル800の要部断面構成を示す。本実施例の表示パネル800は、透明電極層802側に光を供給するトップエミッション方式の電界発光素子を有する。上記実施例1の表示パネル100と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。表示パネル800は、R光LRを供給する電界発光素子である有機EL素子810Rと、G光LGを供給する電界発光素子である有機EL素子810Gと、B光LBを供給する電界発光素子である有機EL素子810Bとを有する。
有機EL素子810R、810G、810Bは、それぞれR光用発光層806R、G光用発光層806G、B光用発光層806Bを有する。各色光用発光層806R、806G、806Bの構成は、上記実施例1の発光層と同様である。本実施例の表示パネル800も、上記実施例と同様に、バンク114は、有機EL素子部11を画素に対応して有機EL素子810R、810G、810Bに分割している。バンク114の下には、不図示のトランジスタ部及び配線を有する基板816が設けられている。
図9は、有機EL素子810Gの概略構成を示す。各有機EL素子810R、810G、810Bは、バンク114により仕切られた領域に、下から反射電極層808、ITO層807、機能層805、及び透明電極層802が順に積層されている。反射電極層808は、反射性の金属部材、例えばアルミニウムにより構成された陽極電極である。反射電極層808は、トランジスタ部と電気的に接続されている。機能層805は、正孔輸送層104、G光用発光層106G及び電子輸送層803を有する。ITO層807は、正孔輸送層104による正孔の注入を効率良く行うために設けられる。
図8に戻って、反射電極層108から発光層までの各層は、画素に対応してバンク114どうしの間に設けられている。電子輸送層803は、バンク114及び各色光用発光層806R、806G、806Bの上の一面に設けられている。電子輸送層803は、陰極電極である透明電極層802からの電子を輸送して発光層に注入する。
また、電子輸送層803は、入射する光のうちの一部の光を反射電極層808の方向へ反射し、入射する光のうちの他の一部の光を透過するハーフミラー層である。電子輸送層803は、例えば、マグネシウム及び銀を共蒸着して構成することができる。また、電子輸送層803は、カルシウムにより構成しても良い。電子輸送層803と反射電極層808とは、G光用発光層806Gを挟んで互いに対向して設けられている。
電子輸送層803の上には、陰極電極である透明電極層802、封止層815及び基板801が設けられている。透明電極層802は、上記実施例1の透明電極層102と同様に、ITOやIZOにより構成することができる。封止層815は、基板801及び基板816の間の各層が酸化等により劣化することを防ぐ。基板801は、光学的に透明な硝子や樹脂から構成される。有機EL素子810R、810G、810Bは、それぞれ各色光用発光層806R、806G、806Bからの光LR、LG、LBを、透明電極層802の方向にある基板801から射出する。透明電極層802は、不図示の外部電極と電気的に接続されている。なお、有機EL素子部11は、透明電極層802と反射電極層808との間の部分である。
次に、図9を用いて、有機EL素子810GにおけるG光用発光層806Gからの光の振舞いについて説明する。観察者側から基板801へ入射した外光L6は、基板801、封止層815及び透明電極層802を透過して電子輸送層803へ入射する。電子輸送層803へ入射した外光L6のうちの一部の光L7は、電子輸送層803で反射して観察者側へ進行する。
電子輸送層803へ入射した外光L6のうち他の一部の光は、電子輸送層803を透過する。電子輸送層803を透過した光は、その後反射電極層808で反射して再び電子輸送層803へ入射する。反射電極層808から電子輸送層803へ入射した光のうちの一部の光L8は、電子輸送層803を透過して観察者側へ進行する。このとき電子輸送層803で反射した光は、上述と同様の振舞いを繰り返す。
有機EL素子810Gは、光L7と光L8、あるいはさらに電子輸送層803と反射電極層808との間で反射した後観察者側へ進行する光が干渉することによって弱め合う。反射電極層108と電子輸送層803とは、観察者側から電子輸送層803へ入射する外光が干渉により弱め合うような所定の間隔で設けられている。反射電極層108と電子輸送層803との間の光学的距離Dbは、上記の実施例1の有機EL素子における光学的距離Daと同様に、上記の式(1)又は(2)を用いて求めることができる。本実施例の有機EL素子は、上記実施例1の有機EL素子と同様の構成により、外光の反射を低減することができる。これにより、光利用効率の低下を低減し、かつ画像のコントラストの低下を低減することができる。
(変形例)
図10は、実施例2の変形例に係る有機EL素子1010Gの断面構成を示す。本変形例の有機EL素子1010Gも、上記の有機EL素子810Gと同じトップエミッション方式の電界発光素子である。本変形例の有機EL素子1010Gは、反射電極層808、ITO層807、機能層1005、透明電極層802及びハーフミラー層1020を順次積層して構成されている。
電子輸送層1003は、不図示のバンク及び各色光用発光層の上に設けられている。電子輸送層1003は、透明電極層802からの電子を輸送して発光層に注入する。電子輸送層1003は、光学的に透明な部材から構成されている。電子輸送層1003としては、例えばバソキュプロイン(BCP)及びセシウム(Cs)を共蒸着して形成することができる。また、上記の電子輸送層1003がハーフミラー層として機能するのに対して、本変形例の有機EL素子1010Gは、電子輸送層1003とは別にハーフミラー層1020を有する。
電子輸送層1003の上には、透明電極層802、ハーフミラー層1020が順次積層されている。ハーフミラー層1020は、入射する光のうちの一部の光を反射電極層808の方向へ反射し、光のうちの他の一部の光を透過して射出する。ハーフミラー層1020は、例えば、アルミニウムにより構成することができる。また、ハーフミラー層1020と反射電極層808とは、G光用発光層106Gを挟んで互いに対向して設けられている。ハーフミラー層1020の上には、封止層815及び基板801が設けられている。
観察者側から基板801へ入射した外光L9は、基板801及び封止層815を透過してハーフミラー層1020へ入射する。ハーフミラー層1020へ入射した外光L9のうちの一部の光L10は、ハーフミラー層1020で反射して観察者側へ進行する。ハーフミラー層1020へ入射した外光L9のうち他の一部の光は、ハーフミラー層1020を透過する。ハーフミラー層1020を透過した光は、その後反射電極層808で反射して再びハーフミラー層1020へ入射する。反射電極層808からハーフミラー層1020へ入射した光のうちの一部の光L11は、ハーフミラー層1020を透過して観察者側へ進行する。このときハーフミラー層1020で反射した光は、上述と同様の振舞いを繰り返す。
有機EL素子1010Gは、光L10と光L11、あるいはさらにハーフミラー層1020と反射電極層808との間で反射した後観察者側へ進行する光が干渉することによって弱め合う。反射電極層108とハーフミラー層1020とは、観察者側からハーフミラー層1020へ入射する外光が干渉により弱め合うような所定の間隔で設けられている。反射電極層808とハーフミラー層1020との間の光学的距離Dcは、上記の実施例1の有機EL素子における光学的距離Daと同様に、上記の式(1)又は(2)を用いて求めることができる。本変形例の有機EL素子1010Gは、上記の有機EL素子810Gと同様に、外光の反射を低減することができる。これにより、光利用効率の低下を低減し、かつ画像のコントラストの低下を低減することができる。
上記各実施例は、電界発光素子として有機EL素子の構成を示しているが、これに限られない。例えば、本発明に係る電界発光素子は、無機EL素子であっても良い。本発明に係る電界発光素子は、電子機器の表示パネルに適用することができる。本発明の電界発光素子を備える表示パネルは、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、携帯型情報機器であるPDA、テレビ等の電子機器に広く適用することができる。さらに、本発明に係る電界発光素子は、表示パネル以外に照明装置、電子ペーパー等に適用することもできる。
以上のように、本発明に係る電界発光素子は、プレゼンテーションや動画を表示する表示パネルに用いる場合に有用である。
本発明の実施例1の表示パネルの要部斜視図。 表示パネルの要部断面図。 有機EL素子の概略構成図。 有機EL素子に入射する外光の振舞いの説明図。 有機EL素子における発光層からの光の振舞いの説明図。 有機EL素子における外光の反射率の分布の例を示す図。 表示パネルの製造方法の説明図。 表示パネルの製造方法の説明図。 本発明の実施例2の表示パネルの要部断面図。 有機EL素子の概略構成図。 実施例2の変形例に係る有機EL素子の概略構成図。
符号の説明
10 有機EL素子部、21 トランジスタ部、22 配線、30 表示素子、100 表示パネル、101 基板、102 透明電極層、104 正孔輸送層、105 機能層、106R R光用発光層、106G G光用発光層、106B B光用発光層、108 反射電極層、110R、110G、110B 有機EL素子、111 基板、112 TFT層、113 パッシベーション膜、114 バンク、116 封止層、120 ハーフミラー層、221 フッ化リチウム層、222 カルシウム層、223 金属層、701 凹部、711、712R 形成材料、11 有機EL素子部、800 表示パネル、801 基板、802 透明電極層、803 電子輸送層、805 機能層、806R R光用発光層、806G G光用発光層、806B B光用発光層、807 ITO層、808 反射電極層、810R、810G、810B 有機EL素子、815 封止層、816 基板、1003 電子輸送層、1005 機能層、1010G 有機EL素子、1020 ハーフミラー層

Claims (6)

  1. 光学的に透明な透明電極層と、
    前記透明電極層に対向して設けられる反射電極層と、
    前記透明電極層と前記反射電極層との間に設けられ、少なくとも発光層を有する機能層と、
    前記発光層を挟んで前記反射電極層に対向して設けられ、入射する光のうち一部の光を反射し、入射する光のうち他の一部の光を透過するハーフミラー層と、を有し、
    前記反射電極層と前記ハーフミラー層とは、前記発光層からの光とは異なる他の光であって、観察者側から前記ハーフミラー層へ入射する光について、前記ハーフミラー層で反射して前記観察者側へ進行する光と、前記ハーフミラー層を透過した後前記反射電極層で反射して前記観察者側へ進行する光とが干渉することで弱め合うような所定の間隔で設けられることを特徴とする電界発光素子。
  2. 前記反射電極層と前記ハーフミラー層との間の光学的距離をDa、前記反射電極層での反射による光の位相シフト量をφaラジアン(−π<φa<π)、前記ハーフミラー層での反射による光の位相シフト量をφbラジアン(−π<φb<π)、特定のピーク波長をλ、とすると、
    0<(φa+φb)のとき、(φa+φb)λ=2Da
    (φa+φb)<0のとき、(φa+φb+2π)λ=2Da
    であることを特徴とする請求項1に記載の電界発光素子。
  3. 基板の上に、前記ハーフミラー層、前記透明電極層、前記機能層及び前記反射電極層が順次積層され、前記発光層からの光を前記基板の方向へ射出することを特徴とする請求項1又は2に記載の電界発光素子。
  4. 前記機能層は、前記発光層に電子を輸送する電子輸送層を有し、
    前記ハーフミラー層は、前記電子輸送層であって、
    前記反射電極層、前記機能層及び前記透明電極層が順次積層され、前記発光層からの光を前記透明電極層の方向へ射出することを特徴とする請求項1又は2に記載の電界発光素子。
  5. 前記反射電極層、前記機能層、前記透明電極層及び前記ハーフミラー層が順次積層され、前記発光層からの光を前記透明電極層の方向へ射出することを特徴とする請求項1又は2に記載の電界発光素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電界発光素子と、
    前記電界発光素子を駆動するトランジスタ部と、を有することを特徴とする表示素子。
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