JP2005338505A - 複眼撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複眼撮像装置において、各個眼を複数枚のレンズで構成する場合の組み立て工数の削減や部品点数、コストの低減を図ることのできる複眼撮像装置を提供する。
【解決手段】 望遠用の個眼P1及び中望遠用の個眼P2については、前群に正の屈折力を有するレンズ群を、後群に負の屈折力を有するレンズ群を配置して、個眼の長さを短くし、広角用の個眼P3については、前群に負の屈折力を有するレンズ群を、後群に正の屈折力を有するレンズ群を配置して、個眼の長さを長くすることで、各個眼における第1面の光軸方向における位置が互いに近くなるようにし、光軸方向に重なる位置に配置される、各個眼のレンズを同一の材質で構成して、その同一の材質で構成したレンズを一体成型するようにした。
【選択図】 図6
【解決手段】 望遠用の個眼P1及び中望遠用の個眼P2については、前群に正の屈折力を有するレンズ群を、後群に負の屈折力を有するレンズ群を配置して、個眼の長さを短くし、広角用の個眼P3については、前群に負の屈折力を有するレンズ群を、後群に正の屈折力を有するレンズ群を配置して、個眼の長さを長くすることで、各個眼における第1面の光軸方向における位置が互いに近くなるようにし、光軸方向に重なる位置に配置される、各個眼のレンズを同一の材質で構成して、その同一の材質で構成したレンズを一体成型するようにした。
【選択図】 図6
Description
本発明は、複数の個眼を相互に並列に配置してなる複眼撮像装置に関する。
従来、複数の個眼を相互に並列に配置してなる複眼撮像装置が知られており、かかる装置に関する技術文献として例えば下記特許文献1がある。
下記特許文献1には、監視カメラなどで、広い範囲を撮像し、且つ中心部の解像度をあげることを目的として、焦点距離の異なる複数のレンズを並列に配置し、中心部より周辺部の撮影領域を大きくする技術が開示されている。
特開2002−171447号公報
ところで、この種の複眼撮像装置においては、特に各個眼を複数枚のレンズで構成する場合、その組み立て工数の削減や部品点数、コストの低減が要求されるが、この点に関し、従来では提案がなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、複眼撮像装置において、各個眼を複数枚のレンズで構成する場合の組み立て工数の削減や部品点数、コストの低減を図ることのできる複眼撮像装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、被写体の光像を撮像する撮像部を備えるとともに、前記撮像部の撮像領域を複数に分割してなる分割領域にそれぞれ被写体の光像を結像すべく個眼が相互に並列に配置された複眼撮像装置であって、前記複数の個眼のうち少なくとも一の個眼は、複数枚のレンズを備えてなり、この複数枚のレンズを備えて構成された個眼の少なくとも一のレンズと、該個眼に隣接する個眼の少なくとも一のレンズとが、同一の材質で構成されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、被写体の光像を撮像する撮像部を備えるとともに、前記撮像部の撮像領域を複数に分割してなる分割領域にそれぞれ被写体の光像を結像すべく個眼が相互に並列に配置された複眼撮像装置であって、前記複数の個眼のうち少なくとも一の個眼は、複数枚のレンズを備えてなり、各個眼における対物側のレンズのうち、同一の材質で構成された対物側のレンズが隣接する組を少なくとも1つ有するように構成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、被写体の光像を撮像する撮像部を備えるとともに、前記撮像部の撮像領域を複数に分割してなる分割領域にそれぞれ被写体の光像を結像すべく個眼が相互に並列に配置された複眼撮像装置であって、前記複数の個眼のうち少なくとも一の個眼は、複数枚のレンズを備えてなり、各個眼における前記撮像素子側のレンズのうち、同一の材質で構成された撮像素子側のレンズが隣接する組を少なくとも1つ有するように構成されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の複眼撮像装置において、同一の材質で構成された前記レンズが一部品として構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の複眼撮像装置において、同一の材質で構成された、隣接する前記対物側のレンズが一部品として構成されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の複眼撮像装置において、同一の材質で構成された、隣接する前記撮像素子側のレンズが一部品として構成されていることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、複数の個眼のうち少なくとも一の個眼に、複数枚のレンズを備え、この複数枚のレンズを備えて構成された個眼の少なくとも一のレンズと、該個眼に隣接する個眼の少なくとも一のレンズとを、同一の材質で構成したので、例えば同一の材質で構成したレンズを一体成型することで、個眼を複数枚のレンズで構成する場合の組み立て工数の削減や部品点数、コストの低減を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、複数の個眼のうち少なくとも一の個眼に、複数枚のレンズを備え、個眼における対物側のレンズのうち、同一の材質で構成された対物側のレンズが隣接する組を少なくとも1つ有するように構成したので、例えば同一の材質で構成したレンズを一体成型することで、個眼を複数枚のレンズで構成する場合の組み立て工数の削減や部品点数、コストの低減を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、複数の個眼のうち少なくとも一の個眼に、複数枚のレンズを備え、個眼における撮像素子側のレンズのうち、同一の材質で構成された撮像素子側のレンズが隣接する組を少なくとも1つ有するように構成したので、例えば同一の材質で構成したレンズを一体成型することで、個眼を複数枚のレンズで構成する場合の組み立て工数の削減や部品点数、コストの低減を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、同一の材質で構成された前記レンズを一部品として構成したので、個眼を複数枚のレンズで構成する場合の組み立て工数の削減や部品点数、コストの低減を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、同一の材質で構成された、隣接する前記対物側のレンズを一部品として構成したので、個眼を複数枚のレンズで構成する場合の組み立て工数の削減や部品点数、コストの低減を図ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、同一の材質で構成された、隣接する前記撮像素子側のレンズを一部品として構成したので、個眼を複数枚のレンズで構成する場合の組み立て工数の削減や部品点数、コストの低減を図ることができる。
図1は、本発明に係る複眼撮像装置の一実施形態の構成を示す図である。
図1に示すように、複眼撮像装置1は、撮像素子2と、前群3(対物側)と、後群4(撮像素子側)と、隔壁5と、分光フィルタ6と、画像処理部7とを有してなる。
撮像素子2は、撮像部2a(画素)が2次元的に配置されてなるCCDやCMOS等であり、得られた画像信号を画素ごとに外部に出力するものである。図2は、撮像素子2の撮像領域(撮像面)を示す図である。撮像素子2は、図2に示すように、撮像領域が仮想的にマトリックス状に等分割(本実施形態では、縦横3×3)されている。以下、分割されてなる各撮像領域を分割撮像領域S1〜S9という。
後述するように、本実施形態では、各分割撮像領域S1〜S9に対して、それぞれ1組の前群3及び後群4が対応付けられており、各分割撮像領域S1〜S9には、それぞれ対応する前群3及び後群4により被写体の光像が結像される。
前群3及び後群4は、例えば、ガラスレンズ、樹脂レンズ、回折格子、液晶レンズ等の複数の光学素子からなり、各分割撮像領域S1〜S9に対応して、前群3の1の光学素子(レンズ)と、後群4の1の光学素子(レンズ)とが対向関係になるように構成(光学系が構成)されている。以下、各分割撮像領域S1〜S9に被写体の光像を結像するための、1組の前群3及び後群4を含んでなる構成をそれぞれ個眼という。本実施形態では、各個眼がいずれも複数枚のレンズを備えている場合を例示しており、また、前群3及び後群4を一体成型タイプのレンズとする(図6参照)ことで、全ての個眼が同一の材質で構成されている場合を例示している。なお、本実施形態では、各個眼の前群3及び後群4は、複眼撮像装置1の構成を簡素化するため、それぞれ1枚のレンズで構成されているが、複数枚のレンズで構成してもよい。
図2に示すように、各個眼は、分割撮像領域S1〜S9の各中心を通る法線をそれぞれ考えた場合に、光軸が前記法線と略一致するように配置されている。本実施形態においては、倍率の異なる複数種類の画像(広角の画像や高解像度の画像)を得るため、各個眼の焦点距離はすべて同一とされておらず、数個単位で異なるものとされている。
例えば図2に示すように、横方向に並ぶ複数の個眼は、焦点距離が全て同一とされている。また、縦方向に並ぶ複数の個眼は、焦点距離が互いに異なっており、最上列に位置する個眼は焦点距離が最も大きく(以下、望遠用の個眼という)、最下列に位置する個眼は焦点距離が最も小さく(以下、広角用の個眼という)、中央列に位置する個眼は、望遠用の個眼と広角用の個眼との中間の焦点距離を有している。図2では、これを、望遠「Tele」を示す「T」、中望遠「Middle」を示す「M」、広角「Wide」を示す「W」で表している。なお、本実施形態においては、各個眼の前群3及び後群4は、前群3が隔壁5の端部に位置するように、隔壁5に支持されている。
隔壁5は、各個眼を透過した光が1つの撮像領域にのみ到達し、他の個眼を通過した光の入射を遮断すべくフードとして機能するものである。
隔壁5は、格子状に形成されており、撮像素子2と個眼との間に配置されている。隔壁5は、例えば200μmの板厚を有する金属板(例えばステンレス板)に対し各個眼を透過した光を通過させるための穴をレーザ加工により開けたり、あるいは光硬化樹脂を用いて成型したりすることによって構成される。隔壁5の厚さは例えば20μmに形成されるとともに、隔壁5の格子の4つの内周面は、光を反射しないように平滑でない黒色に塗装されている。
分光フィルタ6は、被写体からの光を異なる波長の光(本実施形態では、R(赤)、G(緑)、B(青))に分光するものであり、図2に示すように、縦方向に並ぶ複数の分割撮像領域に対しては同一の光透過特性を有する分光フィルタが挿入され、横方向に並ぶ複数の分割撮像領域に対しては異なる波長の光(R(赤)、G(緑)、B(青))を導くように光透過特性の異なる分光フィルタが挿入されている。
なお、この分光フィルタは、色素を用いたものでも、干渉原理を用いたものでも採用可能である。また、分光フィルタ6の透過色は、統合してカラー画像を合成できるものであれば、R(赤)、G(緑)、B(青)の原色に限定されるものではなく、例えばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の補色でもよい。
画像処理部7は、中央演算装置としてのCPU(Central Processing Unit)を有してなり、撮像素子2の光電変換作用により得られた画素信号に基づき、所定の画像処理を行うものである。
次に、本実施形態の複眼撮像装置1における特徴部分を説明する。
本実施形態では、各個眼を前群3と後群4とで構成している旨前述したが、仮に、この個眼を1のレンズ(単体)で構成しようとすると、焦点距離の大きい個眼ほど光軸方向に長くなる。そのため、焦点距離の大きい個眼の存在が、焦点距離の小さい個眼の視野に入り、その視野を阻害する虞がある。
図3は、焦点距離の大きい個眼の存在が焦点距離の小さい個眼の視野を阻害している状態を示す図であり、前記望遠用の個眼P1、中望遠用の個眼P2及び広角用の個眼P3を仮に1のレンズで構成した場合の各レンズの配置状態を示している。望遠用の個眼の前端が例えば図3に示す位置R1に位置するものとすると、中望遠用の個眼の前端位置R2は、望遠用の個眼の前端位置R1より撮像素子2側に位置し、広角用の個眼の前端位置R3は、中望遠用の個眼の前端位置R2より撮像素子2側に位置する。
そして、各個眼P1〜P3の視野をφ1〜φ3で表すと、望遠用の個眼P1の長さが中望遠用の個眼P2に比して長いために、中望遠用の個眼P2の視野φ2内に望遠用の個眼P1の存在が入り、また、中望遠用の個眼P2の長さが広角用の個眼P3に比して長いために、広角用の個眼P3の視野φ3内に中望遠用の個眼P2の存在が入り、中望遠用及び広角用の個眼P2,P3の視野が、焦点距離のより大きな隣接する個眼によって阻害されることとなる。
そこで、本実施形態では、このような不具合を解消又は抑制するため、正の屈折力を有するレンズ群と負の屈折力を有するレンズ群とを適切に組み合わせて配置することで個眼の長さ(被写体側の面(以下、第1面という)から撮像面までの距離)を変えることができることから、図4に示すように、各個眼を、前群3と後群4とで構成し、且つ前群3及び後群4のうちいずれか一方を正の屈折力を有するレンズ群とし、他方を負の屈折力を有するレンズ群としている。
本実施形態では、図4に示すように、望遠用の個眼P1及び中望遠用の個眼P2については、前群に正の屈折力を有するレンズ群を、後群に負の屈折力を有するレンズ群を配置する。具体的には、望遠用の個眼P1には、前群に平凹レンズP11を、後群に両凹レンズP12を配置し、中望遠用の個眼P2には、前群に正メニスカスレンズP21を、後群に負メニスカスレンズP22を配置する。
これにより、望遠用の個眼P1及び中望遠用の個眼P2については、個眼の長さを短くすることができる。例えば望遠用の個眼P1について、該個眼P1を1のレンズで構成した場合に、説明の簡単化のため個眼の長さを撮像面から前記第1面までの距離と近似すると、図4(b)に示すように個眼P1の長さをLと表したとき、前述のように前群に正の屈折力を有するレンズ群を、後群に負の屈折力を有するレンズ群を配置することで、図4(c)に示すように個眼P1の長さをL’(<L)にすることができる。
一方、広角用の個眼P3については、前群に負の屈折力を有するレンズ群を、後群に正の屈折力を有するレンズ群を配置する。具体的には、広角用の個眼P3には、前群に負メニスカスレンズP31を、後群に両凸レンズP32を配置する。
これにより、広角用の個眼P3においては、個眼の長さを長くすることができる。
以上の結果、各個眼における前記第1面の光軸方向における位置が互いに近くなり、中望遠用の個眼P2については、望遠用の個眼P1の存在によって視野が遮られるのを防止又は抑制することができるとともに、広角用の個眼P3については、中望遠用の個眼P2の存在によって視野が遮られるのを防止又は抑制することができる。
次に、図2において上下方向に隣接する個眼の存在によって視野が遮られない条件を求める。図5は、この条件の導出方法を説明するための説明図である。
図5に示すように、レンズa,b(レンズbは、焦点距離が大きい方の個眼のレンズである)を、隣接する各個眼における最も被写体側に位置するレンズとし、各レンズa,bの第1面の位置から撮像面までの距離をDa,Dbと、レンズaを含んで構成される個眼(以下、注目個眼という)とレンズbを含んで構成される個眼(以下、隣接個眼という)との境界面をMと表す。また、点Aは、焦点距離が小さい方の個眼に隣接する個眼が無いと仮定した場合に、当該個眼を通過する光線のうち最も外側の光線(以下、注目光線という)が当該個眼における前記最も対物側に位置するレンズaに入射する位置であり、レンズaに入射する前のその注目光線と前記境界面Mとが交差する点をB(交点Bという)、それらの交差角をθ1(レンズaに入射する前の注目光線と光軸Lbとの成す角度に等しい)と表す。
レンズaに入射する前におけるその注目光線と前記境界面Mとの交点Bが、隣接個眼におけるレンズbの第1面の位置より前に位置していれば、隣接個眼の存在によって注目個眼の視野が遮られないと考えられる。
そこで、注目個眼の焦点距離をfa、像高をYc、点Bと注目個眼の光軸Lbとの最短距離をHa1と表すと、図5から、交点Bから境界面Mへの垂線の長さは(Yc−Ha1)となるから、その垂線と境界面Mとの交点Hから交点Bまでの距離xは、
(Yc−Ha1)=x・tanθ1より
x=(Yc−Ha1)×(1/tanθ1) ・・・(1)
となる。
(Yc−Ha1)=x・tanθ1より
x=(Yc−Ha1)×(1/tanθ1) ・・・(1)
となる。
一方、像高Ycは、前記注目光線と同一の点から出射される光線のうち注目個眼の光軸Lbとレンズaの前面との交点を通る光線と光軸Lbとのなす角度θ2と焦点距離faとを用いて、Yc=fa・tanθ2と表すことができることから、
tanθ2=Yc/fa ・・・(2)
そして、被写体が無限遠にあるとき、入射角度θ1≒θ2となるから、前記式(1)は、前記式(2)を用いて
x=(Yc−Ha1)×(fa/Yc) ・・・(3)
と置換することができる。
tanθ2=Yc/fa ・・・(2)
そして、被写体が無限遠にあるとき、入射角度θ1≒θ2となるから、前記式(1)は、前記式(2)を用いて
x=(Yc−Ha1)×(fa/Yc) ・・・(3)
と置換することができる。
したがって、撮像面から交点Bまでの距離Zは、
Z=Da+(Yc−Ha1)×(fa/Yc) ・・・(4)
と表すことができ、交点Bが、隣接個眼のレンズbの前面の位置より前に位置すればよいことから、
Db<Da+(Yc−Ha1)×(fa/Yc) ・・・(5)
となる。
Z=Da+(Yc−Ha1)×(fa/Yc) ・・・(4)
と表すことができ、交点Bが、隣接個眼のレンズbの前面の位置より前に位置すればよいことから、
Db<Da+(Yc−Ha1)×(fa/Yc) ・・・(5)
となる。
また、絞りをレンズa,bに対して光軸方向の被写体側に配置した場合、その注目個眼のFナンバーをFNoaと表すものとすると、前記式(5)は下記式(6)により式(7)に置換できる。
FNoa=fa/2Ha1 ・・・(6)
Db<Da+(Yc−fa/2FNoa)×(fa/Yc) ・・・(7)
したがって、前記式(5)又は(7)を満たすようにレンズの設計等を行うことにより、隣接個眼が注目個眼の視野を遮るのを防止することができる。
Db<Da+(Yc−fa/2FNoa)×(fa/Yc) ・・・(7)
したがって、前記式(5)又は(7)を満たすようにレンズの設計等を行うことにより、隣接個眼が注目個眼の視野を遮るのを防止することができる。
以上のように、各個眼を、前群3と後群4とで構成し、且つ前群3及び後群4のうちいずれか一方を正の屈折力を有するレンズ群とし、他方を負の屈折力を有するレンズ群として、各個眼の少なくとも前群のレンズについて光軸方向の位置を近づけるようにしたので、隣接個眼によって視野が遮られるのを防止又は抑制することができる。
また、着目個眼と隣接個眼との関係が前記式(5)又は式(7)を満たすようにレンズの設計等を行うことにより、隣接個眼が注目個眼の視野を遮るのを確実に防止することができる。
さらに、各個眼の少なくとも前群のレンズについて光軸方向の位置を近づけるように構成することにより、次のような利点がある。
すなわち、各個眼の各前群を同一の材質で構成したり、各後群を同一の材質で構成したりして、各前群又は各後群を一体成型することを想定する。このとき、図3に示す構成にあっては、1のレンズで構成された各個眼P1〜P3について、隣接する個眼同士が位置的に光軸方向に重なっておらず、また、焦点距離の大きな個眼は光軸方向の突出量が大きく異なるため、これらレンズを一体成型することが困難であるが、本実施形態のように、各個眼の前群及び後群を光軸方向に隣接させることで、図6に示すように、各前群3や各後群4を一体成型することが比較的容易となる。その結果、成形性の向上、部品点数やコストの削減を図ることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に加えて、あるいは前記実施形態に代えて次の形態(1)〜(6)に説明する変形形態も採用可能である。
(1)前記実施形態では、望遠用の個眼P1及び中望遠用の個眼P2については、前群に正の屈折力を有するレンズ群を、後群に負の屈折力を有するレンズ群を配置し、広角用の個眼P3においては、前群に負の屈折力を有するレンズ群を、後群に正の屈折力を有するレンズ群を配置するようにしたが、図7に示すように、例えば望遠用の個眼P1と中望遠用の個眼P2との関係に着目した場合に、望遠用の個眼P1について、前述のように前群に正の屈折力を有するレンズ群を、後群に負の屈折力を有するレンズ群を配置するだけで、各個眼における被写体側の面の光軸方向における位置が互いに近くなり、中望遠用の個眼P2の視野を確保することができるならば、中望遠用の個眼P2を異なる屈折力を有するレンズで構成しなくてもよい。なお、図7は、望遠用の個眼P1の前群と中望遠用の個眼P2とが光軸方向における位置が互いに近くなった結果、これらを一体成型することが容易となり、その一体成型したものを示している。
(2)各個眼P1〜P3の前群及び後群の焦点距離f1,f2(光軸方向の一方向を正とする)及び前群及び後群の主点間距離dとの関係を、下記式(8)を満たすようにするとよい。
−2<(f1+f2)/d<2 ・・・(8)
−2<(f1+f2)/d<2 ・・・(8)
(3)前記実施形態では、各個眼の前群3及び後群4を隔壁5に支持させるように構成したが、これに限らず、前群3や後群4を一体成型した場合、図8に示すような構成を採用することができる。
図8(a)は、一体成型された前群3及び後群4の支持構造を示す断面図であり、図8(b)は、図8(a)の矢印Bの方向から見たときの隔壁5等の形状を示す図である。
図8(a)に示すように、本実施形態では、一体成型された前群3及び後群4を支持すべく保持部材8が別途備えられており、該保持部材8は、例えばアルミニウム等の材料を加工し、矢印Bの方向から見たとき四角形の断面を有する筒状に形成された部材である。保持部材8の一方の端部における内周面は、端部に向かって段階的に開口が広くなるように形成されており、当接面8aに前群3を、当接面8bに後群4を当接させた状態で前群3及び後群4が保持部材8の内周面に、紫外線硬化樹脂等の接着剤により接着されている。これにより、前群3と後群4と撮像素子2の撮像面との間隔を適切に設定することができる。また、図8(b)に示すように、隔壁5は「井」の字型に形成されており、前群3と後群4との間、及び後群4と撮像素子2との間に配設される。
このような構成により、前群3及び後群4を確実に適切な位置に保持することができる。
(4)各個眼の前群3を樹脂で一体成型する場合、図9に示すように、前記変形形態(3)で説明した保持部材8をこの前群3と一体成型することができる。このように、保持部材8と前群3とを一体成型することで、さらに部品点数の低減等を図ることができる。
(5)前記実施形態では、全ての前群3及び全ての後群4を一体成型するようにしたが、前群3又は後群4のいずれか一方について全てを一体成型するようにしてもよい。また、各個眼の前群3の中で、光軸方向に近傍に配置される少なくとも1組の隣接する前群のみを一体成型するようにしてもよいし、各個眼の後群4の中で、光軸方向に近傍に配置される少なくとも1組の隣接する後群のみを一体成型するようにしてもよい。さらに、前群3又は後群4の種別に関係なく、光軸方向に近傍に配置される少なくとも1組の隣接するレンズを一体成型するようにしてもよい。これらの一体成型によって、部品点数やコストの削減を図ることができる。
(6)前記実施形態では、撮像素子2の撮像領域を縦横3×3のマトリックス状に等分割し、各分割撮像領域S1〜S9に対してそれぞれ1組の前群3及び後群4を対応付けるとともに、横方向に並ぶ複数の個眼については、焦点距離を全て同一とし、縦方向に並ぶ複数の個眼については互いに焦点距離を異ならせ、且つ、縦方向に並ぶ複数の分割撮像領域に対しては同一の光透過特性を有する分光フィルタを挿入し、横方向に並ぶ複数の分割撮像領域に対しては異なる波長の光(R(赤)、G(緑)、B(青))を導くように光透過特性の異なる分光フィルタを挿入するようにしたが、これに限らず、前記実施形態と同様に、各個眼の少なくとも前群のレンズについて光軸方向の位置を近づける技術を用いることで、撮像素子2を大型化することなく、以下のような構成を実現することができる。
図10は、撮像領域の他の分割形態を示す図である。
図10においては、撮像素子2の撮像領域を縦横2×2の4つのブロックB1〜B4に分割し、さらに各ブロックB1〜B4の撮像領域を縦横2×2のマトリックス状に等分割する。そして、各撮像領域に対して、それぞれ1組の前群3及び後群4を対応付けるとともに、個眼の焦点距離についてはブロックに固有の値に設定する。すなわち、ブロック同士では個眼の焦点距離を異ならせ、同一ブロック内の分割撮像領域間では焦点距離を同一とする(例えばブロックB1に属する分割撮像領域に対応する個眼の焦点距離をすべてf1とし、ブロックB2に属する分割撮像領域に対応する個眼の焦点距離をすべてf2とする)。
さらに、各ブロックにおいて、異なる波長の光(例えばR(赤)、G(緑)、B(青))を導く光透過特性の異なる分光フィルタがベイヤー配列されている。図中の例えば「f1 G」は、当該分割撮像領域に対して備えられた個眼の焦点距離がf1であり、また、当該分割撮像領域に対してG(緑)の分光フィルタが設けられていることを示す。そして、各ブロックの撮像領域で撮像された画像データを用いて、各ブロックに対応する焦点距離のカラー画像が生成可能とされている。
1 複眼撮像装置
2 撮像素子
3 前群
4 後群
5 隔壁
8 保持部材
S1〜S9 分割撮像領域
P1〜P3 望遠用、中望遠用、広角用の個眼
B1〜B4 ブロック
2 撮像素子
3 前群
4 後群
5 隔壁
8 保持部材
S1〜S9 分割撮像領域
P1〜P3 望遠用、中望遠用、広角用の個眼
B1〜B4 ブロック
Claims (6)
- 被写体の光像を撮像する撮像部を備えるとともに、前記撮像部の撮像領域を複数に分割してなる分割領域にそれぞれ被写体の光像を結像すべく個眼が相互に並列に配置された複眼撮像装置であって、
前記複数の個眼のうち少なくとも一の個眼は、複数枚のレンズを備えてなり、
この複数枚のレンズを備えて構成された個眼の少なくとも一のレンズと、該個眼に隣接する個眼の少なくとも一のレンズとが、同一の材質で構成されていることを特徴とする複眼撮像装置。 - 被写体の光像を撮像する撮像部を備えるとともに、前記撮像部の撮像領域を複数に分割してなる分割領域にそれぞれ被写体の光像を結像すべく個眼が相互に並列に配置された複眼撮像装置であって、
前記複数の個眼のうち少なくとも一の個眼は、複数枚のレンズを備えてなり、
各個眼における対物側のレンズのうち、同一の材質で構成された対物側のレンズが隣接する組を少なくとも1つ有するように構成されていることを特徴とする複眼撮像装置。 - 被写体の光像を撮像する撮像部を備えるとともに、前記撮像部の撮像領域を複数に分割してなる分割領域にそれぞれ被写体の光像を結像すべく個眼が相互に並列に配置された複眼撮像装置であって、
前記複数の個眼のうち少なくとも一の個眼は、複数枚のレンズを備えてなり、
各個眼における前記撮像素子側のレンズのうち、同一の材質で構成された撮像素子側のレンズが隣接する組を少なくとも1つ有するように構成されていることを特徴とする複眼撮像装置。 - 同一の材質で構成された前記レンズが一部品として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の複眼撮像装置。
- 同一の材質で構成された、隣接する前記対物側のレンズが一部品として構成されていることを特徴とする請求項2に記載の複眼撮像装置。
- 同一の材質で構成された、隣接する前記撮像素子側のレンズが一部品として構成されていることを特徴とする請求項3に記載の複眼撮像装置。
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