JP2005338484A - 半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 強弱2種類のアンカリングの配向膜が安定性良く設けられ、かつ製造工程の簡略化が可能で、表示性能が良好な半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置の提供。
【解決手段】 第1の基板10の液晶層側に短冊状電極45と強アンカリングの配向膜16が設けられ、第2の基板20の液晶層側に電極25と弱アンカリングの配向膜26が設けられてなる液晶セル35が備えられ、短冊状電極45は、短冊状反射電極45a(反射部Ref)と、反射電極45aの幅方向の少なくとも一方の側にはみ出すように設けられた短冊状透明電極45b(透過部Per)とから構成され、Refと基板10との間に凹凸形成樹脂層46が形成され、Refは樹脂層46の少なくとも凸部46a上に形成され、Perは樹脂層46の凹部46b内の少なくとも底部に形成され、Per上の液晶層厚とRef上の液晶層厚は異なる値とされた液晶表示装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 第1の基板10の液晶層側に短冊状電極45と強アンカリングの配向膜16が設けられ、第2の基板20の液晶層側に電極25と弱アンカリングの配向膜26が設けられてなる液晶セル35が備えられ、短冊状電極45は、短冊状反射電極45a(反射部Ref)と、反射電極45aの幅方向の少なくとも一方の側にはみ出すように設けられた短冊状透明電極45b(透過部Per)とから構成され、Refと基板10との間に凹凸形成樹脂層46が形成され、Refは樹脂層46の少なくとも凸部46a上に形成され、Perは樹脂層46の凹部46b内の少なくとも底部に形成され、Per上の液晶層厚とRef上の液晶層厚は異なる値とされた液晶表示装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、一旦表示した文字などのデータがリセットされるまで長時間保持される電子ブック、電子手帳等に適用できる半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置に関する。
単純マトリックス型の駆動方法により表示するモードの液晶表示装置の一種としてネマティック液晶を用いた双安定液晶表示装置が知られている。この双安定液晶表示装置は、TFT(薄膜トランジスタ)アクティブ素子を用いないで、高速応答でき、一旦表示したデータを長時間に亘ってメモリ表示可能であるため、省電力化の点で近年注目されている。
従来の双安定ネマティック液晶表示装置としては、上下一対の基板間にネマティック液晶が所定のセルギャップで挟まれ、一方の基板の内面側に強アンカリング(強い配向力)の配向膜が形成され、他方の基板の内面側に弱アンカリング(弱い配向力)の配向膜が形成された液晶セルが備えられたものである。
従来の強アンカリングの配向膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等の有機配向膜にラビングしたものが用いられ、弱アンカリングの配向膜としては斜方蒸着法により形成されたSiOx膜、ポリイミド等の有機配向膜に光を照射し改質したもの、或いは溶剤で洗浄処理したもの等が用いられていた(例えば、非特許文献1参照)。
従来の双安定ネマティック液晶表示装置としては、上下一対の基板間にネマティック液晶が所定のセルギャップで挟まれ、一方の基板の内面側に強アンカリング(強い配向力)の配向膜が形成され、他方の基板の内面側に弱アンカリング(弱い配向力)の配向膜が形成された液晶セルが備えられたものである。
従来の強アンカリングの配向膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等の有機配向膜にラビングしたものが用いられ、弱アンカリングの配向膜としては斜方蒸着法により形成されたSiOx膜、ポリイミド等の有機配向膜に光を照射し改質したもの、或いは溶剤で洗浄処理したもの等が用いられていた(例えば、非特許文献1参照)。
この双安定ネマティック液晶表示装置は、電圧を印加し、さらに印加した電圧の差によって初期状態とは異なる2つの安定状態(双安定状態)を有することができるようになっており、このような表示方式を双安定モードと呼んでいる。
なお、強アンカリングの配向膜が設けられた基板をマスター基板、弱アンカリングの配向膜が設けられた基板をスレーブ基板と呼ぶ。
マルチノ ラガード等(Ph. Martinot-Lagarde et al.)、ファスト ビスタブルネマティック ディスプレイ ユージング モノスタブル サーフェイス スイッチング(Fast Bistable Nematic Display Using Monostable Surface Switching)、ダイジェスト オブ エスアイディー'97(Digest of SID'97) 、1997年、p.41−44 特開平7−72487号公報
特願2000−171794号公報
なお、強アンカリングの配向膜が設けられた基板をマスター基板、弱アンカリングの配向膜が設けられた基板をスレーブ基板と呼ぶ。
マルチノ ラガード等(Ph. Martinot-Lagarde et al.)、ファスト ビスタブルネマティック ディスプレイ ユージング モノスタブル サーフェイス スイッチング(Fast Bistable Nematic Display Using Monostable Surface Switching)、ダイジェスト オブ エスアイディー'97(Digest of SID'97) 、1997年、p.41−44
ところが従来の双安定ネマティック液晶表示装置は、モノクロ表示タイプの透過型に適用されているのが殆であった(例えば、特許文献1参照)。透過型液晶表示は、液晶パネルの背面側にバックライト装置を設け、この装置から出射されたバックライト光を照明光して用いるために、消費電力が大きくなってしまう。 省電力化のためには双安定ネマティック液晶表示装置を半透過反射型に適用することが考えられる。
薄膜トランジスタを用いた従来のTNモードの半透過反射型液晶表示装置の例としては、液晶セルを構成する一対の基板のうち下側の基板の内面側に反射部を兼ねる画素電極が形成され、この電極の下側に設ける絶縁膜に凹部が形成され、さらにこの凹部内に透明なドレイン電極が形成され、この凹部内のドレイン電極の形成部分が透過部とされたものがある。この半透過反射型液晶表示装置では、反射部上の液晶層の厚さが薄くされ、透過部上の液晶層の厚さが厚くされたデュアルギャップ構造とすることにより、透過モードと反射モードの両表示形態での光路差に起因する表示の色付きや色味のバラツキを防止するようにされている(特許文献2)。
また、従来の半透過反射型液晶表示装置としては、液晶セルの内面側(液晶層側)又は外面側(観察側と反対側)に反射膜を形成し、この反射膜が所定の開口率(通常35%〜60%)になるように微小開口を形成することにより、半透過反射膜を備えるようにしたものがある。このような半透過反射膜が備えられた液晶表示装置では、微小開口の配置パターンによっては、電極やカラーフィルタ等の規則的パターンとの間でモアレが発生したり、ぎらつきが見えてしまうことがあった。
薄膜トランジスタを用いた従来のTNモードの半透過反射型液晶表示装置の例としては、液晶セルを構成する一対の基板のうち下側の基板の内面側に反射部を兼ねる画素電極が形成され、この電極の下側に設ける絶縁膜に凹部が形成され、さらにこの凹部内に透明なドレイン電極が形成され、この凹部内のドレイン電極の形成部分が透過部とされたものがある。この半透過反射型液晶表示装置では、反射部上の液晶層の厚さが薄くされ、透過部上の液晶層の厚さが厚くされたデュアルギャップ構造とすることにより、透過モードと反射モードの両表示形態での光路差に起因する表示の色付きや色味のバラツキを防止するようにされている(特許文献2)。
また、従来の半透過反射型液晶表示装置としては、液晶セルの内面側(液晶層側)又は外面側(観察側と反対側)に反射膜を形成し、この反射膜が所定の開口率(通常35%〜60%)になるように微小開口を形成することにより、半透過反射膜を備えるようにしたものがある。このような半透過反射膜が備えられた液晶表示装置では、微小開口の配置パターンによっては、電極やカラーフィルタ等の規則的パターンとの間でモアレが発生したり、ぎらつきが見えてしまうことがあった。
双安定ネマチック液晶表示装置を半透過反射型に適用しようとすると、デュアルギャプ構造の液晶セル内に強弱2種類のアンカリングの配向膜を設けることとなるために、強弱2種類のアンカリングの配向膜を安定性及び再現性良く設けることが困難であった。それは、双安定モードでは、強弱2種類のアンカリング制御の上で、狭ギャップ化する必要があるために製造工程が煩雑であるのに、下側の基板の内面側に設けた透過部と反射部による凹凸面上にアンカリングが制御された配向膜を形成するのはさらに工程が煩雑になってしまうからである。また、反射膜に微小開口を形成した半透過反射膜を備えるようにした場合には、従来の半透過反射型液晶表示装置と同様に、微小開口の配置パターンと、電極やカラーフィルタ等の規則的パターンとの間でモアレが発生したり、ぎらつきが見えてしまい、表示性能が低下してしまう。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、強弱2種類のアンカリングの配向膜が安定性良く設けられ、かつ製造工程の簡略化が可能で、表示性能が良好な半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置は、カイラル剤が添加されたネマティック液晶層を挟んで対向する一対の基板のうち観察側と反対側となる一方の基板の液晶層側に短冊状電極と強アンカリングの配向膜が該一方の基板側から順に設けられ、観察側となる他方の基板の液晶層側に電極と弱アンカリングの配向膜が該他方の基板側から順に設けられてなる液晶セルが備えられ、
前記短冊状電極は、光反射性を有する短冊状反射電極と、この反射電極の幅方向の少なくとも一方の側にはみ出すように設けられた短冊状透明電極とから構成され、これら短冊状反射電極と前記短冊状透明電極とが電気的に接続され、前記短冊状反射電極が反射部とされ、前記短冊状透明電極が透過部とされ、前記反射部と前記一方の基板との間に凹凸形成樹脂層が形成され、前記反射部は前記凹凸形成樹脂層の少なくとも膜厚大の領域上に形成され、前記透過部は前記凹凸形成樹脂層の膜厚が薄い領域(前記反射部を形成した領域よりも膜厚が薄い領域)に形成され、前記透過部上の液晶層厚と前記反射部上の液晶層厚は異なる値とされ、
前記強アンカリングの配向膜は所定のプレティルト角を有するように形成され、前記弱アンカリングの配向膜は、少なくとも表面に形状異方性が付与された高分子膜からなり、アンカリングエネルギーが前記強アンカリングの配向膜のアンカリングエネルギーの1/2以下とされ、プレティルト角が略0になるように形成され、
前記液晶セルは印加電圧に応じて液晶層の液晶分子の配列が双安定状態のうちいずれかの状態に制御されることを特徴とする。
前記短冊状電極は、光反射性を有する短冊状反射電極と、この反射電極の幅方向の少なくとも一方の側にはみ出すように設けられた短冊状透明電極とから構成され、これら短冊状反射電極と前記短冊状透明電極とが電気的に接続され、前記短冊状反射電極が反射部とされ、前記短冊状透明電極が透過部とされ、前記反射部と前記一方の基板との間に凹凸形成樹脂層が形成され、前記反射部は前記凹凸形成樹脂層の少なくとも膜厚大の領域上に形成され、前記透過部は前記凹凸形成樹脂層の膜厚が薄い領域(前記反射部を形成した領域よりも膜厚が薄い領域)に形成され、前記透過部上の液晶層厚と前記反射部上の液晶層厚は異なる値とされ、
前記強アンカリングの配向膜は所定のプレティルト角を有するように形成され、前記弱アンカリングの配向膜は、少なくとも表面に形状異方性が付与された高分子膜からなり、アンカリングエネルギーが前記強アンカリングの配向膜のアンカリングエネルギーの1/2以下とされ、プレティルト角が略0になるように形成され、
前記液晶セルは印加電圧に応じて液晶層の液晶分子の配列が双安定状態のうちいずれかの状態に制御されることを特徴とする。
かかる構成の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置では、アンカリングの制御がし易い強アンカリングの配向膜が設けられる一方の基板側に透過部と反射部を設けたことによる凹凸がある短冊状電極を形成し、表面形状が複雑な弱アンカリングの配向膜は他方の基板側に形成することになるので、液晶セル内に2種類のアンカリングの配向膜を形成する際に、強弱2種類のアンカリング制御の上で、狭ギャップ化できるので、強弱2種類のアンカリングの配向膜が安定性良く設けられ、かつ製造工程の簡略化が可能である。
また、観察側と反対側に設けられる一方の基板の液晶層側に形成する電極を短冊状反射電極とこの反射電極の幅方向の一方の側又は両側の短冊状透明電極から構成したことにより、反射電極の幅を制御することにより、目的とする開口率を得ることができる。
また、短冊状電極において短冊状反射電極の幅と上記短冊状透明電極の幅の割合を適宜変更したり、上記短冊状透明電極の形成位置を短冊状反射電極の幅方向の両側又は一方の側又は他方の側に変更することで、他方の基板側の電極やカラーフィルタ等の規則的パターンとの間でモアレが発生しないように回避でき、また、ぎらつきを防止することが可能で、表示の視認性を向上でき、表示性能を良好とすることができる。
また、透過部を短冊状電極の一部に形成した短冊状透明電極からを形成したことにより、透過部を孔状に形成せず、短冊状に形成しているので、透過部を穴状(孔状)に形成した従来タイプに比べて、フォトリソグラフィーによる加工時に発生しがちな、パターン崩れが起きにくい。
また、一方の基板の液晶層側に形成する短冊状電極に透過部としての透明電極と反射部としての反射電極の両方を設けるているため、これら透明電極と反射電極を導通状態にすると、上記短冊状電極の抵抗値を大幅に下げることができる。これにより周波数の高い駆動波形でも波形が変形しにくくなり、駆動面で有利である。
また、観察側と反対側に設けられる一方の基板の液晶層側に形成する電極を短冊状反射電極とこの反射電極の幅方向の一方の側又は両側の短冊状透明電極から構成したことにより、反射電極の幅を制御することにより、目的とする開口率を得ることができる。
また、短冊状電極において短冊状反射電極の幅と上記短冊状透明電極の幅の割合を適宜変更したり、上記短冊状透明電極の形成位置を短冊状反射電極の幅方向の両側又は一方の側又は他方の側に変更することで、他方の基板側の電極やカラーフィルタ等の規則的パターンとの間でモアレが発生しないように回避でき、また、ぎらつきを防止することが可能で、表示の視認性を向上でき、表示性能を良好とすることができる。
また、透過部を短冊状電極の一部に形成した短冊状透明電極からを形成したことにより、透過部を孔状に形成せず、短冊状に形成しているので、透過部を穴状(孔状)に形成した従来タイプに比べて、フォトリソグラフィーによる加工時に発生しがちな、パターン崩れが起きにくい。
また、一方の基板の液晶層側に形成する短冊状電極に透過部としての透明電極と反射部としての反射電極の両方を設けるているため、これら透明電極と反射電極を導通状態にすると、上記短冊状電極の抵抗値を大幅に下げることができる。これにより周波数の高い駆動波形でも波形が変形しにくくなり、駆動面で有利である。
また、他方の基板側の配向膜を少なくとも表面に形状異方性が付与された高分子膜から構成したことにより、他方の基板側の配向膜表面に方位を保ちながら方位角方向及び/または極角方向の配向力を弱く設定できる。
このような表面に形状異方性が付与された弱アンカリングの配向膜は、例えば、転写すべき微細な凹凸模様が表面に形成された転写型を、基板上に電極層を介して形成された高分子膜材料からなる層に押圧し、上記微細な凹凸模様を転写する転写法により容易に作製できるので、大がかりな真空装置等を使用しなくても配向処理が可能である。
また、高分子膜表面に付与する形状を変更することで、配向力を調整可能となる。さらに、上記弱アンカリングの配向膜は、アンカリングエネルギーが上記強アンカリングの配向膜のアンカリングエネルギーの1/2以下とされたことにより、安定した初期配向が可能であり、しかも印加電圧に応じて双安定状態のうち一方の安定状態から他方の安定状態に再現性良く切り替えることができる。
このような表面に形状異方性が付与された弱アンカリングの配向膜は、例えば、転写すべき微細な凹凸模様が表面に形成された転写型を、基板上に電極層を介して形成された高分子膜材料からなる層に押圧し、上記微細な凹凸模様を転写する転写法により容易に作製できるので、大がかりな真空装置等を使用しなくても配向処理が可能である。
また、高分子膜表面に付与する形状を変更することで、配向力を調整可能となる。さらに、上記弱アンカリングの配向膜は、アンカリングエネルギーが上記強アンカリングの配向膜のアンカリングエネルギーの1/2以下とされたことにより、安定した初期配向が可能であり、しかも印加電圧に応じて双安定状態のうち一方の安定状態から他方の安定状態に再現性良く切り替えることができる。
上記構成の本発明の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置において、前記弱アンカリングの配向膜は、アンカリングエネルギーが1×10−5J/m2以上1×10−3J/m2以下であることが好ましい。
また、上記いずれかの構成の本発明の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置において、前記短冊状反射電極の前記液晶層側の表面は、微小な凹凸又は複数の凹部が形成された拡散反射面又は微小な凹凸が形成された光散乱面とされていることが好ましい。
また、上記いずれかの構成の本発明の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置において、前記一方の基板の液晶層側にカラーフィルタ層が設けられていることが好ましい。一方の基板の液晶層側には弱アンカリングの配向膜よりも表面形状の凹凸が少ない強アンカリングの配向膜が形成されるため、このようなマスター基板側にカラーフィルタ層を設ける方が製造が容易で、強弱2種類のアンカリングの配向膜を安定性及び再現性良く設けることができる。
また、上記いずれかの構成の本発明の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置において、前記短冊状反射電極の前記液晶層側の表面は、微小な凹凸又は複数の凹部が形成された拡散反射面又は微小な凹凸が形成された光散乱面とされていることが好ましい。
また、上記いずれかの構成の本発明の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置において、前記一方の基板の液晶層側にカラーフィルタ層が設けられていることが好ましい。一方の基板の液晶層側には弱アンカリングの配向膜よりも表面形状の凹凸が少ない強アンカリングの配向膜が形成されるため、このようなマスター基板側にカラーフィルタ層を設ける方が製造が容易で、強弱2種類のアンカリングの配向膜を安定性及び再現性良く設けることができる。
また、上記いずれかの構成の本発明の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置において、前記透過部上の液晶層厚は前記反射部上の液晶層厚の2倍の値とされていることが好ましい。このような構成とすることで、反射表示形態で光が液晶層を2回通過する際の光路と、透過表示形態で光が1回液晶層を通過する際の光路を均一化することで両表示形態での光路差に起因する表示の色付きやコントラスト、色味のバラツキを防止できる半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置とすることができる。
本発明によれば、強弱2種類のアンカリングの配向膜が安定性良く設けられ、かつ製造工程の簡略化が可能で、表示性能が良好な半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置を提供できる。
このような本発明の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置は、一旦表示した文字などのデータがリセットされるまで長時間保持される電子ブック、電子手帳等に好適に用いることができ、表示を切り替えた場合に安定して表示でき、表示品質を向上できる。
このような本発明の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置は、一旦表示した文字などのデータがリセットされるまで長時間保持される電子ブック、電子手帳等に好適に用いることができ、表示を切り替えた場合に安定して表示でき、表示品質を向上できる。
以下、本発明の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1は本発明の実施形態である半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置の端部を含む部分断面構造を模式的に示した図である。
図1において、本発明の半透過反射型の双安定ネマティック液晶表示装置1は、カイラルネマティック液晶層30を挟持して対向する第1と第2の基板(一対の基板)10、20とをこれら2枚の基板10、20の周縁部に環状に設けられたシール材40で接着一体化した概略構成のものである。
図1は本発明の実施形態である半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置の端部を含む部分断面構造を模式的に示した図である。
図1において、本発明の半透過反射型の双安定ネマティック液晶表示装置1は、カイラルネマティック液晶層30を挟持して対向する第1と第2の基板(一対の基板)10、20とをこれら2枚の基板10、20の周縁部に環状に設けられたシール材40で接着一体化した概略構成のものである。
第1の基板(一方の基板)10の液晶層30側には順に、液晶層30を駆動するための第1の電極層(電極)15と、絶縁膜からなるトップコート膜(図示略)と、液晶層30を構成する液晶分子の配向を制御するための第1の配向膜16とが積層形成されている。また、第2の基板(他方の基板)20の液晶層30側には順に、第2の電極層(電極)25、トップコート膜(絶縁膜)24、第2の配向膜26が積層形成されている。
上記の第1の基板10と第2の基板20と、これら基板間に設けられた各構成部材により、液晶セル35が構成されている。
上記の第1の基板10と第2の基板20と、これら基板間に設けられた各構成部材により、液晶セル35が構成されている。
液晶セル35の観察側と反対側(第1の基板10の液晶層30側と反対側)には偏光板及び位相差板の積層体18が設けられており、液晶セル35の観察側(第2の基板20の液晶層30側と反対側)には、1枚又は複数枚の位相差板27と、偏光板28が設けられている。この偏光板28側が観察者側である。偏光板18と28は、これらの透過軸方向がクロスニコルの方向(直交方向)に合わせられている。また後述されるように、反射部と透過部とで、液晶層の複屈折位相差(Δnd,Δn:液晶の屈折率異方性、d:液晶層厚)がそれぞれ、典型的には1/4λ、1/2λとなるように、偏光板、位相差板等の光学条件が設定される。
また、偏光板18の外側には、この液晶表示装置1において透過表示を行うための光源としてのバックライト5が配設されている。
また、偏光板18の外側には、この液晶表示装置1において透過表示を行うための光源としてのバックライト5が配設されている。
第1と第2の基板10、20は、ガラスなどの透明基板から構成されている。
第1の電極層15は、短冊状電極(例えば走査電極、COM電極)45を基板10上に多数整列してストライプ状に配置したものであり、各短冊状電極45は走査電極駆動回路(図示略)に接続されている。
第2の電極層25は、ITOなどの透明導電膜からなる短冊状電極(例えば信号電極)25aを第2の基板20の液晶層側に多数整列してストライプ状に配置したものであり、各第2の電極層25は信号電極駆動回路(図示略)25aに接続されている。
尚、走査電極と信号電極の形成箇所は、上記とは逆の基板位置関係になっていても良い。
第1の電極層15は、短冊状電極(例えば走査電極、COM電極)45を基板10上に多数整列してストライプ状に配置したものであり、各短冊状電極45は走査電極駆動回路(図示略)に接続されている。
第2の電極層25は、ITOなどの透明導電膜からなる短冊状電極(例えば信号電極)25aを第2の基板20の液晶層側に多数整列してストライプ状に配置したものであり、各第2の電極層25は信号電極駆動回路(図示略)25aに接続されている。
尚、走査電極と信号電極の形成箇所は、上記とは逆の基板位置関係になっていても良い。
図2のAは、液晶セル35を観察側から見たときの短冊状電極45と、第2の電極層25の配置関係を示す模式図であり、図2のBは図2のAのII−II線で断面したときの第1の基板10上の短冊状電極45を示す図である。短冊状電極45と第2の電極層25は互いに平面視直角に向くように配置されて上記の液晶表示装置1がパッシブマトリクス型とされている。
短冊状電極45は、図1と図2に示すように光反射性を有する短冊状反射電極45aと、この反射電極45aの下側に設けられ、かつこの反射電極45aの幅方向の両側からはみ出すように設けられた短冊状透明電極45bとから構成されている。各短冊状電極45において、一方の短冊状透明電極45b、反射電極45と、他方の短冊状透明電極45bとがストライプ状に配置されている。
短冊状電極45は、図1と図2に示すように光反射性を有する短冊状反射電極45aと、この反射電極45aの下側に設けられ、かつこの反射電極45aの幅方向の両側からはみ出すように設けられた短冊状透明電極45bとから構成されている。各短冊状電極45において、一方の短冊状透明電極45b、反射電極45と、他方の短冊状透明電極45bとがストライプ状に配置されている。
短冊状反射電極45aと第1の基板10との間に凹凸形成樹脂層46が形成されている。凹凸形成樹脂層46の少なくとも膜厚大(層厚が大)の領域上に短冊状反射電極45aが形成されており、詳しくは凹凸形成樹脂層46の凸部46aの上面及び側面に上記短冊状反射電極45aが形成されている。凹凸形成樹脂層46の膜厚が薄い(層厚が小)の領域(上記反射電極を形成した領域よりも凹凸形成樹脂層の膜厚が薄い領域)に上記短冊状透明電極45bは形成されており、詳しくは凹凸形成樹脂層46の凹部(孔であってもよい)46b内の底部及び凸部46aの下側に上記短冊状透明電極45bは形成されており、すなわち、本実施形態の短冊状透明電極45bは第1の基板10と凹凸形成樹脂層46の間に形成されている。
短冊状反射電極45aの両端部と短冊状透明電極45bとは電気的に接続されている。
短冊状反射電極45aは、Al膜などの光反射性と導電性を有する金属膜から形成されている。短冊状透明電極45bは、ITO(Indium tin oxide)などの透明導電膜から形成されている。
短冊状反射電極45aが第2の基板20からの入射光を反射する反射部Refとされ、この反射部Refの幅方向の両側からはみ出すように設けられた短冊状透明電極45bが第1の基板10からの入射光(バックライト)を透過する透過部Perとされており、すなわち、反射部Refの幅方向の両側に透過部Per、Perが設けられている。
短冊状反射電極45aの両端部と短冊状透明電極45bとは電気的に接続されている。
短冊状反射電極45aは、Al膜などの光反射性と導電性を有する金属膜から形成されている。短冊状透明電極45bは、ITO(Indium tin oxide)などの透明導電膜から形成されている。
短冊状反射電極45aが第2の基板20からの入射光を反射する反射部Refとされ、この反射部Refの幅方向の両側からはみ出すように設けられた短冊状透明電極45bが第1の基板10からの入射光(バックライト)を透過する透過部Perとされており、すなわち、反射部Refの幅方向の両側に透過部Per、Perが設けられている。
図2中、符号βは短冊状電極45の幅、bは隣接する短冊状電極45、45間のスペース幅、cは透過部幅、β−2×cは反射部幅、αは短冊状電極25aの幅、aは隣接する短冊状電極25a、25a間のスペース幅である。
アクティブ部(上下の短冊状電極で電圧印加される部分、言い換えれば短冊状電極25aと短冊状電極45の交差部分)の全開口率は、{(α×2×c)+α×(β―2c)}/((α+a)(β+b))である。
反射部の割合は、α×(β−2×c)/((α+a)(β+b))
透過部の割合(開口率)は、(2×α×c)/((α+a)(β+b))
アクティブ部(上下の短冊状電極で電圧印加される部分、言い換えれば短冊状電極25aと短冊状電極45の交差部分)の全開口率は、{(α×2×c)+α×(β―2c)}/((α+a)(β+b))である。
反射部の割合は、α×(β−2×c)/((α+a)(β+b))
透過部の割合(開口率)は、(2×α×c)/((α+a)(β+b))
反射部Refの寸法は、輝度を考慮して、開口率との関係で設定される。
また、反射部Refの両側の透過部Per、Perの幅の合計2×cと、スペース幅bの和が、反射部Refの幅β−2×cに等しくならないように、好ましくは大きくなるように設定される(2×c+b≠β−2×c、好ましくは2×c+b>β−2×c)。その理由は、(2×c+b)と(β−2×c)の関係が上記式を満足しないと、反射部Refの面積と、両方の透過部Perの面積とが等しいと、透過表示する場合に、目視上、選択された電極45の短冊状透明電極45bと、これの隣の電極45の短冊状透明電極45bが表示されたように錯覚されて、ドットが(半ピッチ分)ずれたように見えるグリッド効果が生じることがあるからである。
また、(反射部Refの両側の透過部Per、Per幅の合計と、スペース幅の和):(反射部幅)=(1.2以上1.3以下):1と設定されることが好ましい((2×c+b):(β−2×c)=(1.2〜1.3):1 )。
また、反射部Refの両側の透過部Per、Perの幅の合計2×cと、スペース幅bの和が、反射部Refの幅β−2×cに等しくならないように、好ましくは大きくなるように設定される(2×c+b≠β−2×c、好ましくは2×c+b>β−2×c)。その理由は、(2×c+b)と(β−2×c)の関係が上記式を満足しないと、反射部Refの面積と、両方の透過部Perの面積とが等しいと、透過表示する場合に、目視上、選択された電極45の短冊状透明電極45bと、これの隣の電極45の短冊状透明電極45bが表示されたように錯覚されて、ドットが(半ピッチ分)ずれたように見えるグリッド効果が生じることがあるからである。
また、(反射部Refの両側の透過部Per、Per幅の合計と、スペース幅の和):(反射部幅)=(1.2以上1.3以下):1と設定されることが好ましい((2×c+b):(β−2×c)=(1.2〜1.3):1 )。
第1の配向膜16は、斜方蒸着法により形成されたSiOx膜等から構成された強アンカリングの配向膜で、数度程度の有限のプレティルト角を有するように形成されている。この第1の配向膜16のアンカリングエネルギーは、10−5J/m2程度以上である。第1の配向膜16は、ストライプ状に配置された多数の短冊状電極45を覆うように第1の基板10の液晶層側に形成されている。
このような第1の配向膜16の形成方法としては、第1の透明電極層15とトップコート膜が形成された第1の基板10のトップコート層の表面にSiOを蒸着する際、第1の基板10の法線方向から測った蒸着角度が約82.5度の条件で行われる。この第1の配向膜16の膜厚としては、50〜150nm程度とされる。
第1の配向膜16のプレティルト角は、液晶層30に用いられる液晶の種類によって異なり、2度から7度程度、好ましくは2度から5度とされる
。
このような第1の配向膜16の形成方法としては、第1の透明電極層15とトップコート膜が形成された第1の基板10のトップコート層の表面にSiOを蒸着する際、第1の基板10の法線方向から測った蒸着角度が約82.5度の条件で行われる。この第1の配向膜16の膜厚としては、50〜150nm程度とされる。
第1の配向膜16のプレティルト角は、液晶層30に用いられる液晶の種類によって異なり、2度から7度程度、好ましくは2度から5度とされる
。
第2の配向膜26は、表面に形状異方性が付与された高分子膜から構成された弱アンカリングの配向膜で、プレティルト角が略0度、好ましくは1度以下、さらに好ましくは0.5度以下になるように形成されたものである。この第2の配向膜26のアンカリングエネルギーは、第1の配向膜16を構成する強アンカリングの配向膜のアンカリングエネルギーの1/2以下とされている。この第2の配向膜26は、トップコート膜24を覆うように第2の基板20の液晶層側に形成されている。
配向制御に関する技術的詳細は、本出願人による非特許文献のSID93 DIGEST, 頁957(93')に記載されているが、第2の配向膜26の表面形状は、図3及び図4に示すように、第1の方向に沿う微細な凹凸と、この第1の方向に交差する第2の方向に沿う微細な凹凸が形成されている。尚、図4は図3中のIII−III断面図であり、第2の方向に沿った凸条54の断面を示すものである。
また、第1の方向に沿う微細な凹凸のピッチP1は第2の方向に沿うピッチP2よりも短くされている。ピッチP1は3.0μm以下、好ましくは0.05μm以上0.5μm以下、ピッチP2は50μm以下、好ましくは0.5μm以上 5μm以下が良い。
上記のようにピッチP2の長さをピッチP1よりも長くすることにより、プレティルト角を制御し易い。
また、第1の方向に沿う微細な凹凸のピッチP1は第2の方向に沿うピッチP2よりも短くされている。ピッチP1は3.0μm以下、好ましくは0.05μm以上0.5μm以下、ピッチP2は50μm以下、好ましくは0.5μm以上 5μm以下が良い。
上記のようにピッチP2の長さをピッチP1よりも長くすることにより、プレティルト角を制御し易い。
また、第1の方向の凹部の深さd1(あるいは第1の方向の凸部の高さ)は0.5μm以下、好ましくは0.01μm以上0.2μm以下であり、第2の方向の凹部の深さd2(あるいは第2の方向の凸部の高さ)は0.5μm以下、好ましくは0.01μm以上0.2μm以下である。
また、ドメインの発生がなく、かつ目的とする配向力を得るためには、第2の方向に沿う微細な凹凸の緩斜面55の基板20に対する傾斜角θは、0度より大きく、3度以下とするのが好ましい。傾斜角θが0度であると、ドメイン発生が顕著であり、3度を超えると、配向力の低下が徐々に認められるからである。
また、ドメインの発生がなく、かつ目的とする配向力を得るためには、第2の方向に沿う微細な凹凸の緩斜面55の基板20に対する傾斜角θは、0度より大きく、3度以下とするのが好ましい。傾斜角θが0度であると、ドメイン発生が顕著であり、3度を超えると、配向力の低下が徐々に認められるからである。
さらに図4に示すように、第2の方向に沿う微細な凹凸の各凸部は左右が非対称の略三角形状になっている。即ち、三角形の頂点から下ろした垂線aによって分割された頂角の左右の角度の比r2/r1が1とならない形状とされる。凸条54の横断面形状としては,sin波に類似した形状、櫛形状、三角形状等各種の形状が考えられる。中でも液晶の配向性を向上する上では、三角形状が最も望ましい。この場合、三角形状の頂部は、丸まっていても、平にカットされていても良い。凸条54を横断面三角形状とした場合、図4に示すように三角形の頂点から下ろした垂線aによって分割された頂角の左右の角度の比r2/r1は、1.2以上の範囲であることが望ましい。この範囲の比に設定すると、プレチルト角を略0にできる。
この第2の配向膜26の膜厚としては、50〜200nm程度とされる。
この第2の配向膜26の膜厚としては、50〜200nm程度とされる。
ピッチP1、P2、傾斜角θが上記の範囲となるような形状異方性を付与することにより第2の配向膜26のアンカリングエネルギーを1×10−5J/m2以上1×10−3J/m2以下に制御することができ、好ましくは1×10−4J/m2程度に制御するのがよい。第2の配向膜26のアンカリングエネルギーが1×10−5J/m2未満であると、ドメイン発生が顕著かつ双安定配向に不向きとなり、1×10−3J/m2を超えると、単安定配向を取り易くなる等、双安定配向に不向きとなるからである。
第2の配向膜26に用いる高分子膜の材料としては、硬化する前に弱い剪断力により剪断ひずみを付与可能な材料及び/または応力により塑性変形(塑性流動)可能な材料であり、例えば、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、エポキシ系、変性エポキシ系、ポリスチレン系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、アクリル系等の樹脂から適宜選択して用いられる。
このような第2の配向膜26の形成方法としては、例えば、転写すべき微細な凹凸模様(上記第1の方向に沿う微細な凹凸と第2の方向に沿う微細な凹凸を形成するための微細な凹凸模様)が表面に形成された転写型を、基板20上(液晶層側の面上)に第2の電極層25、トップコート膜24を介して形成された上記高分子膜材料からなる層に押圧し、上記微細な凹凸模様を転写する転写法により容易に作製できる。
上記転写型は、例えば、以下のようにして作製されたものである。まず、2倍のコヒーレントなレーザビームを用いるホログラフィク干渉により形成したグレーティングモールド(格子型)を作製する。このグレーティングモールドの表面には、第2の配向膜26に形成する微細な凹凸模様と同様の微細な凹凸模様が形成されている。
ついで、上記グレーティングモールドをシリコーンゴム層に押圧すると、シリコーンゴム層の表面に上記グレーティングモールドの凹凸模様と逆の凹凸模様が形成される。ついで、グレーティングモールドを剥離すると、シリコーンゴム層からなる転写型が得られる。
上記転写型は、例えば、以下のようにして作製されたものである。まず、2倍のコヒーレントなレーザビームを用いるホログラフィク干渉により形成したグレーティングモールド(格子型)を作製する。このグレーティングモールドの表面には、第2の配向膜26に形成する微細な凹凸模様と同様の微細な凹凸模様が形成されている。
ついで、上記グレーティングモールドをシリコーンゴム層に押圧すると、シリコーンゴム層の表面に上記グレーティングモールドの凹凸模様と逆の凹凸模様が形成される。ついで、グレーティングモールドを剥離すると、シリコーンゴム層からなる転写型が得られる。
液晶層30は、ネマティック液晶にカイラル剤が添加された、カイラルネマティック相である。
上記ネマティック液晶としては、ビフェニル系、ターフェニル系、フェニルシクロへキサン系、ビフェニルシクロへキサン系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、ピリミジン系等の材料を正の誘電異方性を持つように末端基置換された化合物とし、所望の特性を有するように複数種混ぜて用いられる。
上記カイラル剤としては、コレステリルナノエート等のコレステリック系化合物、あるいはCB−15のように不整炭素を有するある種のネマティック液晶等が用いられる。
透過部Per上の液晶層厚d3と反射部Ref上の液晶層厚d4は、異なる値とされており、また、透過部Per上の液晶層厚d3は反射部Ref上の液晶層厚d4の約2倍(例えば、1.8〜2.4倍の範囲)の値とされていることが先に述べた理由により好ましい。
上記ネマティック液晶としては、ビフェニル系、ターフェニル系、フェニルシクロへキサン系、ビフェニルシクロへキサン系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、ピリミジン系等の材料を正の誘電異方性を持つように末端基置換された化合物とし、所望の特性を有するように複数種混ぜて用いられる。
上記カイラル剤としては、コレステリルナノエート等のコレステリック系化合物、あるいはCB−15のように不整炭素を有するある種のネマティック液晶等が用いられる。
透過部Per上の液晶層厚d3と反射部Ref上の液晶層厚d4は、異なる値とされており、また、透過部Per上の液晶層厚d3は反射部Ref上の液晶層厚d4の約2倍(例えば、1.8〜2.4倍の範囲)の値とされていることが先に述べた理由により好ましい。
短冊状反射電極45aの液晶セル側の表面は、微小な凹凸又は複数の凹部が形成された拡散反射面とされている。
このような拡散反射面を有する反射電極45aとしては後で詳細に説明するような非対称ディンプル反射体か、あるいは対称ディンプル反射体からなるものであることが好ましく、特に、非対称ディンプル反射体であることが好ましい。
このような拡散反射面を有する反射電極45aとしては後で詳細に説明するような非対称ディンプル反射体か、あるいは対称ディンプル反射体からなるものであることが好ましく、特に、非対称ディンプル反射体であることが好ましい。
この半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1は、液晶セル35の背面側にバックライト5を備えているので、明るい屋外や照明が施された明るい室内において使用する場合は、反射表示形態(反射モード)の液晶パネルとしてバックライト5を点灯することなく利用する。ここで第2の基板側から液晶セル35に入射された外光は基板20側の各層を通過して液晶層30を通過し、複数の短冊状反射電極45a(反射部Ref)で反射され、再度液晶層30を通過し、基板20側の各層を通過し、観察者の目に到達する。そしてこの間に選択した上下の短冊状電極25、45間に通電して液晶分子の配向制御を行い、表示状態を制御して表示を行うことができる。また、液晶層30は、初期状態での液晶分子の配列が均一な平行配置(液晶のツイスト角が0度)を有し、その初期状態にフレデリクス転位を生じさせる電圧を印加した後に印加される電圧差によって初期状態とは異なる双安定状態を有するようになしたメモリー性双安定型となる。例えば、初期状態での液晶分子の配列が均一な平行配置(液晶のツイスト角が0度)に対して一旦パルス状の電圧印加後に180度のねじれ状態が暗状態(黒表示)となるようにした場合に、明状態が液晶分子の配列がユニフォームな平行配置、すなわち、液晶のツイスト角が0度である。又、第2の配向膜26の配向規制力を、その材料のもつ極性に加えて、表面形状パラメータ(溝状構造のピッチ、深さあるいは傾斜角等)を制御することにより、広い範囲で制御し得るものである。
また、暗い場所において、透過表示形態(透過モード)で使用するには、バックライト5の光源を点灯し、光源から出射されたバックライトは透過部Perを通って液晶セル35の内部に入射し、液晶層30を通過し、基板20側の各層を通過して観察者に至る。これにより透過表示状態を得ることができる。
また、暗い場所において、透過表示形態(透過モード)で使用するには、バックライト5の光源を点灯し、光源から出射されたバックライトは透過部Perを通って液晶セル35の内部に入射し、液晶層30を通過し、基板20側の各層を通過して観察者に至る。これにより透過表示状態を得ることができる。
本実施形態の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置は、アンカリングの制御がし易い強アンカリングの配向膜が設けられる第1の基板側に凹凸がある短冊状電極45を形成し、表面形状が複雑な弱アンカリングの配向膜は第2の基板側に形成するようにしたものであるので、液晶セル内に2種類のアンカリングの配向膜を形成する際に、強弱2種類のアンカリング制御の上で、狭ギャップ化できるので、強弱2種類のアンカリングの配向膜が安定性良く設けられ、かつ製造工程の簡略化が可能である。
また、第1の基板10の液晶層側に形成する電極をストライプ状に配置された短冊状反射電極45aと短冊状透明電極45bから構成したことにより、反射電極45aの幅を制御することにより、目的とする開口率を得ることができる。例えば、電極45の幅を一定とした場合に、反射電極45aの幅を小さくして、透明電極45bの幅を大きくすると開口率を大きくでき、また、反射電極45aの幅を大きくして、透明電極45bの幅を小さくすると開口率を小さくすることができる。
また、短冊状電極45において短冊状反射電極45aの幅と短冊状透明電極45bの幅の割合を適宜変更したり、短冊状透明電極45bの形成位置を図1及び図2に示すように短冊状反射電極45aの幅方向の両側又は図5に示すように一方の側又は他方の側に変更することで、第2の基板側の電極25やカラーフィルタ等の規則的パターンとの間でモアレが発生しないように回避でき、また、ぎらつきを防止することが可能で、表示の視認性を向上でき、表示性能を良好とすることができる。
また、弱アンカリングの第2の配向膜26は、アンカリングエネルギーが上記強アンカリングの配向膜のアンカリングエネルギーの1/2以下とされたことにより、初期配向状態が安定しており、特に、第2の配向膜26の初期配向状態が弱い配向規制力を安定して有することができ、しかも印加電圧に応じて液晶分子がツイスト角0度の均一平行配置とツイスト角180度のツイスト配置との間を再現性良く切り替えることができる。
また、第1の基板10の液晶層側に形成する電極をストライプ状に配置された短冊状反射電極45aと短冊状透明電極45bから構成したことにより、反射電極45aの幅を制御することにより、目的とする開口率を得ることができる。例えば、電極45の幅を一定とした場合に、反射電極45aの幅を小さくして、透明電極45bの幅を大きくすると開口率を大きくでき、また、反射電極45aの幅を大きくして、透明電極45bの幅を小さくすると開口率を小さくすることができる。
また、短冊状電極45において短冊状反射電極45aの幅と短冊状透明電極45bの幅の割合を適宜変更したり、短冊状透明電極45bの形成位置を図1及び図2に示すように短冊状反射電極45aの幅方向の両側又は図5に示すように一方の側又は他方の側に変更することで、第2の基板側の電極25やカラーフィルタ等の規則的パターンとの間でモアレが発生しないように回避でき、また、ぎらつきを防止することが可能で、表示の視認性を向上でき、表示性能を良好とすることができる。
また、弱アンカリングの第2の配向膜26は、アンカリングエネルギーが上記強アンカリングの配向膜のアンカリングエネルギーの1/2以下とされたことにより、初期配向状態が安定しており、特に、第2の配向膜26の初期配向状態が弱い配向規制力を安定して有することができ、しかも印加電圧に応じて液晶分子がツイスト角0度の均一平行配置とツイスト角180度のツイスト配置との間を再現性良く切り替えることができる。
なお、上記実施形態においては、短冊状反射電極45aが凹凸形成樹脂層46の凸部46aの上面及び側面に形成されている場合について説明したが、図6に示すように短冊状反射電極45aが凸部46aの上面に形成され、短冊状透明電極45bが凸部46aの側面に形成されていてもよい。
また、上記実施形態においては短冊状透明電極45bは凹凸形成樹脂層46の凹部46b内の底部及び凸部46aの下側(凸部46aの下面と第1の基板10との間)に形成されていたが、図6に示すように凸部46aの両側の凹部46b内の底部にそれぞれ短冊状透明電極45bが形成されたものであってもよい。
第1の基板10上に形成する短冊状電極が図6に示すような構成である場合、短冊状反射電極45aが反射部Refとされ、この反射部Refの幅方向の両側からはみ出すように設けられた短冊状透明電極45b、45bが透過部Per、Perとされている。
また、上記実施形態においては短冊状透明電極45bは凹凸形成樹脂層46の凹部46b内の底部及び凸部46aの下側(凸部46aの下面と第1の基板10との間)に形成されていたが、図6に示すように凸部46aの両側の凹部46b内の底部にそれぞれ短冊状透明電極45bが形成されたものであってもよい。
第1の基板10上に形成する短冊状電極が図6に示すような構成である場合、短冊状反射電極45aが反射部Refとされ、この反射部Refの幅方向の両側からはみ出すように設けられた短冊状透明電極45b、45bが透過部Per、Perとされている。
また、上記実施形態では、第1の基板10に設けられる短冊状反射電極45aの配向膜側の表面が光散乱性を有する光散乱面とされ、該光散乱面は微小な凹凸を有するようにしたものであってもよい。
また、上記実施形態では、モノクロ表示タイプの半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置について説明したが、カラー表示タイプの半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置に適用可能である。カラー表示タイプに適用する場合は、第1の基板10の内面側(液晶層側)にカラーフィルタ層が設けられることが先に述べた理由により好ましい。
また、上記実施形態では、モノクロ表示タイプの半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置について説明したが、カラー表示タイプの半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置に適用可能である。カラー表示タイプに適用する場合は、第1の基板10の内面側(液晶層側)にカラーフィルタ層が設けられることが先に述べた理由により好ましい。
(非対称ディンプル反射体の例)
図7は本実施形態の短冊状反射電極45aに用いられる特に好ましい例、非対称ディンプル反射体61を示す図である。図7に示すように、本実施形態の非対称ディンプル反射体61は、例えばアルミニウム等からなる平板状の基材62の表面S(基準面)に多数の光反射性を有する凹部63a、63b、63c、・・・(一般に凹部63と称する)が互いに不規則に隣接して形成されている。非対称ディンプル反射体61は、多数の凹部63が形成された面が、拡散反射面61aとされている。
これらの凹部63は、拡大斜視図を図8に、また拡大断面図を図9に示すように、凹部63の特定縦断面Xにおける内面形状は、凹部の一の周辺部S1から最深点Dに至る第1曲線Aと、この第1曲線Aに連続して、凹部の最深点Dから他の周辺部S2に至る第2曲線Bとからなっている。これら両曲線は、最深点Dにおいて共に基材表面Sに対する傾斜角がゼロとなり、互いにつながっている。
図7は本実施形態の短冊状反射電極45aに用いられる特に好ましい例、非対称ディンプル反射体61を示す図である。図7に示すように、本実施形態の非対称ディンプル反射体61は、例えばアルミニウム等からなる平板状の基材62の表面S(基準面)に多数の光反射性を有する凹部63a、63b、63c、・・・(一般に凹部63と称する)が互いに不規則に隣接して形成されている。非対称ディンプル反射体61は、多数の凹部63が形成された面が、拡散反射面61aとされている。
これらの凹部63は、拡大斜視図を図8に、また拡大断面図を図9に示すように、凹部63の特定縦断面Xにおける内面形状は、凹部の一の周辺部S1から最深点Dに至る第1曲線Aと、この第1曲線Aに連続して、凹部の最深点Dから他の周辺部S2に至る第2曲線Bとからなっている。これら両曲線は、最深点Dにおいて共に基材表面Sに対する傾斜角がゼロとなり、互いにつながっている。
第1曲線Aの基材表面Sに対する傾斜角は第2曲線Dの傾斜角よりも急であって、最深点Dは凹部63の中心Oからx方向にずれた位置にある。すなわち、第1曲線Aの基材表面Sに対する傾斜角の絶対値の平均値は、第2曲線Bの基材表面Sに対する傾斜角の絶対値の平均値より大きくなっている。凹部63a、63b、63c、・・・における第1曲線Aの基材表面Sに対する傾斜角の絶対値の平均値は1〜89゜の範囲で不規則にばらついている。また、凹部63a、63b、63c、・・・における第2曲線Bの基材表面Sに対する傾斜角の絶対値の平均値は0.5〜88゜の範囲で不規則にばらついている。
両曲線の傾斜角は、いずれもなだらかに変化しているので、第1曲線Aの最大傾斜角δmax(絶対値)は、第2曲線の最大傾斜角(絶対値)δbよりも大きくなっている。また、第1曲線Aと第2曲線Bとが接する最深点Dの基材表面に対する傾斜角はゼロとなっており、傾斜角が負の値である第1曲線Aと傾斜角が正の値である第2曲線Bとは、なだらかに連続している。
本実施形態の反射体61において、凹部63a、63b、63c、・・・におけるそれぞれの最大傾斜角δmaxは、2〜90゜の範囲内で不規則にばらついている。しかし多くの凹部は最大傾斜角δmaxが4°〜35°の範囲内で不規則にばらついている。
本実施形態の反射体61において、凹部63a、63b、63c、・・・におけるそれぞれの最大傾斜角δmaxは、2〜90゜の範囲内で不規則にばらついている。しかし多くの凹部は最大傾斜角δmaxが4°〜35°の範囲内で不規則にばらついている。
またこの凹部63は、その凹面が単一の極小点(傾斜角がゼロとなる曲面上の点)Dを有している。そしてこの極小点Dと基材の基材表面Sとの距離が凹部63の深さdを形成し、この深さdは、凹部63a、63b、63c、・・・についてそれぞれ0.1μm〜3μmの範囲内で不規則にばらついている。
本実施形態においては、凹部63a、63b、63c、・・・における各特定縦断面Xは、いずれも同じ方向になっている。また、各々の第1曲線Aが単一の方向に配向するように形成されている。すなわち、何れの凹部でも、図8、図9に示すxの方向が同一になるように形成されている。
本実施形態においては、凹部63a、63b、63c、・・・における各特定縦断面Xは、いずれも同じ方向になっている。また、各々の第1曲線Aが単一の方向に配向するように形成されている。すなわち、何れの凹部でも、図8、図9に示すxの方向が同一になるように形成されている。
この反射体61では、各々の第1曲線Aが単一の方向に配向するように形成されているため、その反射特性は、図10に示すように、基材表面Sに対する正反射の方向からずれたものとなっている。
すなわち、図10に示すように、x方向の斜め上方からの入射光Jに対する反射光Kは、正反射の方向K0よりも、基材表面Sに対する方向Hにシフトした方向に明るい表示範囲がシフトしたものとなっている。
その結果、特定縦断面Xにおける総合的な反射特性としては、第2曲線B周辺の面によって反射される方向の反射率が増加したものとなる。したがって、特定
の方向に反射光を適度に集中させた反射特性とすることができる。
すなわち、図11は液晶セル35の観察側と反対側に非対称ディンプル反射体61が設けられた本実施形態の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1の表示面に、入射角30°で外光を照射し、受光角を、表示面(反射体の基材表面)に対する正反射の方向である30゜を中心として、垂線位置(0°)から60°まで振ったときの受光角(θ°)と明るさ(反射率)との関係を示している。図11では、比較例として、球面状凹部を有する反射体を用いた半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置の受光角と反射率との関係も示した。
すなわち、図10に示すように、x方向の斜め上方からの入射光Jに対する反射光Kは、正反射の方向K0よりも、基材表面Sに対する方向Hにシフトした方向に明るい表示範囲がシフトしたものとなっている。
その結果、特定縦断面Xにおける総合的な反射特性としては、第2曲線B周辺の面によって反射される方向の反射率が増加したものとなる。したがって、特定
の方向に反射光を適度に集中させた反射特性とすることができる。
すなわち、図11は液晶セル35の観察側と反対側に非対称ディンプル反射体61が設けられた本実施形態の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1の表示面に、入射角30°で外光を照射し、受光角を、表示面(反射体の基材表面)に対する正反射の方向である30゜を中心として、垂線位置(0°)から60°まで振ったときの受光角(θ°)と明るさ(反射率)との関係を示している。図11では、比較例として、球面状凹部を有する反射体を用いた半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置の受光角と反射率との関係も示した。
図11から明らかなように、比較例が受光角約15°から約45°までの範囲内でほぼ均等な反射率を示したのに対して、本実施形態の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1では、基材表面Sに対する正反射の角度である30゜より小さい反射角度範囲の反射率の積分値が、正反射の角度より大きい反射角度範囲の反射率の積分値より大きくなっている。すなわち、角度20゜前後の視野において、充分な明るさを達成できるものである。
非対称ディンプル反射体61の製造方法は、特に限定するものではないが、例えば以下のように製造することができる。
まず、前記凹部の形状を凸面に変換した先端形状を有するポンチ(目打ち具)を作製し、このポンチの先端をアルミニウム基材に対向させ、ポンチのアルミニウム基材に対する相対的な配向方向を一定に保ったまま、打刻ストロークを不規則に変化させ、かつ打刻間隔を不規則に変化させて、アルミニウム基材の所定領域全面を打刻する。打刻ストロークは凹部の深さが所定範囲に入るように調節する。打刻間隔はモアレ模様が発生しないように調節する。
まず、前記凹部の形状を凸面に変換した先端形状を有するポンチ(目打ち具)を作製し、このポンチの先端をアルミニウム基材に対向させ、ポンチのアルミニウム基材に対する相対的な配向方向を一定に保ったまま、打刻ストロークを不規則に変化させ、かつ打刻間隔を不規則に変化させて、アルミニウム基材の所定領域全面を打刻する。打刻ストロークは凹部の深さが所定範囲に入るように調節する。打刻間隔はモアレ模様が発生しないように調節する。
上記のような非対称反射体61が液晶セル35の観察側と反対側に備えられた半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1において、反射体61は、各凹部63a、63b、63c、・・・の第1曲線Aが、傾斜の緩やかな第2曲線Bよりもx方向側となるように装着されている。そして、このx方向を上側として、文字等の表示がなされるようになっている。
図12は、非対称反射体61が液晶セル35の観察側と反対側に備えられた半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1の使用状態を示す説明図である。なお、図12においては、説明の便宜上、半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1の第1曲線Aと第2曲線Bのみを図示し、その他の構成部材の図示を省略している。
このような半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1は、x方向を上にして電子ブック、電子手帳等に組み込まれる。この場合半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1は、反射モードの場合、通常、図12に示すようにx方向を斜め上方として、水平面に対して斜めに設置、又は保持される。すなわち、使用時において、それぞれの凹部における第1曲線Aが、観察者から見て第2曲線Bよりも上方に位置するように設けられている。そして、観察者は、この半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1を、水平よりも斜め上方から見下ろすのが通常である。
この場合、主として上方から入射する外光(入射光J)の反射光Kは、主として第2曲線B周辺の面で反射されるので、図11において説明したように、観察者の足下の方向には反射しにくくなり、正反射の方向K0よりも上の方向に重点的に反射するようになる。
このため、観察者の通常の観察範囲と明るい表示範囲とが一致して、実用上、明るい表示装置を実現することができる。
第1の基板側の短冊状反射電極45aが上記構成の非対称ディンプル反射体から構成した双安定型ネマティック液晶表示装置1は、反射モードとした場合に、入射光を複数の凹部が形成された拡散反射面(反射体表面)で乱反射し、表示面に光源や観察者の顔等が映り込むことを広い視角範囲で抑制する光拡散性を有すると共に、観察者の通常の視角範囲における反射光量を大きくすることができる。また、目的とする液晶表示装置の視角依存性に合わせて、反射輝度−視角特性を制御できる。
このような半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1は、x方向を上にして電子ブック、電子手帳等に組み込まれる。この場合半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1は、反射モードの場合、通常、図12に示すようにx方向を斜め上方として、水平面に対して斜めに設置、又は保持される。すなわち、使用時において、それぞれの凹部における第1曲線Aが、観察者から見て第2曲線Bよりも上方に位置するように設けられている。そして、観察者は、この半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置1を、水平よりも斜め上方から見下ろすのが通常である。
この場合、主として上方から入射する外光(入射光J)の反射光Kは、主として第2曲線B周辺の面で反射されるので、図11において説明したように、観察者の足下の方向には反射しにくくなり、正反射の方向K0よりも上の方向に重点的に反射するようになる。
このため、観察者の通常の観察範囲と明るい表示範囲とが一致して、実用上、明るい表示装置を実現することができる。
第1の基板側の短冊状反射電極45aが上記構成の非対称ディンプル反射体から構成した双安定型ネマティック液晶表示装置1は、反射モードとした場合に、入射光を複数の凹部が形成された拡散反射面(反射体表面)で乱反射し、表示面に光源や観察者の顔等が映り込むことを広い視角範囲で抑制する光拡散性を有すると共に、観察者の通常の視角範囲における反射光量を大きくすることができる。また、目的とする液晶表示装置の視角依存性に合わせて、反射輝度−視角特性を制御できる。
(対称ディンプル反射体の例)
図13は本実施形態の反射体11に用いられる非対称ディンプルタイプについで好ましい例の対称ディンプル反射体71を示す図である。
図13に示すように、本実施形態の対称ディンプル反射体71は、例えばアルミニウム、銀等からなる平板状の基材73(反射体用基材)の表面に、その内面が球面の一部をなす多数(複数)の凹部74が重なり合うように連続して形成されたものである。この対称ディンプル反射体71は、反射体71の表面が拡散反射面71aとされている。
図13は本実施形態の反射体11に用いられる非対称ディンプルタイプについで好ましい例の対称ディンプル反射体71を示す図である。
図13に示すように、本実施形態の対称ディンプル反射体71は、例えばアルミニウム、銀等からなる平板状の基材73(反射体用基材)の表面に、その内面が球面の一部をなす多数(複数)の凹部74が重なり合うように連続して形成されたものである。この対称ディンプル反射体71は、反射体71の表面が拡散反射面71aとされている。
上記凹部74の深さを0.1ないし3μmの範囲でランダムに形成し、隣接する凹部74のピッチを5ないし50μmの範囲でランダムに配置し、上記凹部74内面の傾斜角を−18ないし+18度の範囲に設定することが望ましい。
特に、凹部74内面の傾斜角分布を−18ないし+18度の範囲に設定する点、隣接する凹部74のピッチを平面全方向に対してランダムに配置する点が重要である。なぜならば、仮に隣接する凹部4のピッチに規則性があると、光の干渉色が出て反射光が色付いてしまうという不具合があるからである。また、凹部74内面の傾斜角分布が−18ないし+18度の範囲を超えると、反射光の拡散角が広がりすぎて反射強度が低下し、明るい反射板が得られない(反射光の拡散角がエアー中で36度以上になり、液晶表示装置内部の反射強度ピークが低下し、全反射ロスが大きくなる)からである。
特に、凹部74内面の傾斜角分布を−18ないし+18度の範囲に設定する点、隣接する凹部74のピッチを平面全方向に対してランダムに配置する点が重要である。なぜならば、仮に隣接する凹部4のピッチに規則性があると、光の干渉色が出て反射光が色付いてしまうという不具合があるからである。また、凹部74内面の傾斜角分布が−18ないし+18度の範囲を超えると、反射光の拡散角が広がりすぎて反射強度が低下し、明るい反射板が得られない(反射光の拡散角がエアー中で36度以上になり、液晶表示装置内部の反射強度ピークが低下し、全反射ロスが大きくなる)からである。
また、凹部74の深さが3μmを超えると、後工程で凹部74を平坦化する場合に凸部の頂上が粘着層で埋めきれず、所望の平坦性が得られなくなる。
隣接する凹部74のピッチが5μm未満の場合、反射体形成用母型の製作上の制約があり、加工時間が極めて長くなる、所望の反射特性が得られるだけの形状が形成できない、干渉光が発生する等の問題が生じる。また、実用上、反射体形成用母型の製作に使用し得る30〜100μm径のダイヤモンド圧子を用いる場合、隣接する凹部74のピッチを5ないし50μmとすることが望ましい。
隣接する凹部74のピッチが5μm未満の場合、反射体形成用母型の製作上の制約があり、加工時間が極めて長くなる、所望の反射特性が得られるだけの形状が形成できない、干渉光が発生する等の問題が生じる。また、実用上、反射体形成用母型の製作に使用し得る30〜100μm径のダイヤモンド圧子を用いる場合、隣接する凹部74のピッチを5ないし50μmとすることが望ましい。
本実施形態の対称ディンプル反射体71においては、内面を球面の一部をなす形状とした多数の凹部74を表面に形成し、しかも凹部74の深さ、隣接する凹部74のピッチ等の値を上記の範囲に設定したことにより、凹部内面の傾斜角がある角度範囲で一定の分布を示すようになる。一例として、図14は本実施の形態の反射体71における凹部内面の傾斜角の分布を示すものであり、横軸は傾斜角、縦軸はその傾斜角が存在する頻度を示している。この図に示すように、傾斜角は−18ないし+18度の範囲、特に−10ないし+10度の範囲においてほぼ一定の分布を示している。また、凹部74の内面は球面であり、全方向に対して対称形であるから、この一定の傾斜角分布は、反射体におけるある特定の方向だけでなく、全方向にわたって実現される。
凹部内面の傾斜角はその凹部内面における反射光の反射角を支配すると考えられ、本実施の形態の場合、反射体の全方向に対して傾斜角分布が一定であることから、全方向に対して一様な反射角および反射効率が得られることになり、種々の波長を持つ光をバランス良く反射することができる。すなわち、どの方向から見てもより明るく白い反射板を実現することができる。
凹部内面の傾斜角はその凹部内面における反射光の反射角を支配すると考えられ、本実施の形態の場合、反射体の全方向に対して傾斜角分布が一定であることから、全方向に対して一様な反射角および反射効率が得られることになり、種々の波長を持つ光をバランス良く反射することができる。すなわち、どの方向から見てもより明るく白い反射板を実現することができる。
上記の「反射体71の凹部の深さ」とは反射体表面から凹部の底部までの距離、「隣接する凹部のピッチ」とは平面視したときに円形となる凹部の中心間の距離のことである。また、「凹部内面の傾斜角」とは、図15に示すように、凹部74の内面の任意の箇所において0.5μm幅の微小な範囲をとったときに、その微小範囲内における斜面の水平面に対する角度θのことである。角度θの正負は、反射体表面に立てた法線に対して例えば図15における右側の斜面を正、左側の斜面を負と定義する。
なお、本実施の形態における反射体71の凹部74の深さ、径、ピッチ等の具体的な数値はほんの一例に過ぎず、適宜設計変更が可能なことは勿論である。
第1の基板側の短冊状反射電極45aが上記構成の対称ディンプル反射体から構成した双安定型ネマティック液晶表示装置1は、反射モードとした場合に、全方向に対して一様な反射効率が得られ、種々の波長を持つ光をバランス良く反射することができ、広い視野角と明るい表示面が得られる。
なお、本実施の形態における反射体71の凹部74の深さ、径、ピッチ等の具体的な数値はほんの一例に過ぎず、適宜設計変更が可能なことは勿論である。
第1の基板側の短冊状反射電極45aが上記構成の対称ディンプル反射体から構成した双安定型ネマティック液晶表示装置1は、反射モードとした場合に、全方向に対して一様な反射効率が得られ、種々の波長を持つ光をバランス良く反射することができ、広い視野角と明るい表示面が得られる。
1・・・半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置、10・・・第1の基板(一方の基板)、15・・・第1の電極層、16・・・第1の配向膜(強アンカリングの配向膜)、18・・・偏光板及び位相差板の積層体、20・・・第2の基板(他方の基板)、25・・・第2の電極層、25a・・・短冊状電極、26・・・第2の配向膜(弱アンカリングの配向膜)、27・・・位相差板、28・・・偏光板、30・・・液晶層、35・・・液晶セル、40・・・シール材、45・・・短冊状電極、45a・・・短冊状反射電極、45b・・・短冊状透明電極、46・・・凹凸形成樹脂層、46a・・・凸部、46b・・・凹部、54・・・凸条、55・・・緩斜面、61・・・非対称ディンプル反射体(反射体)、62・・・基材、63・・・凹部、63a、63b、63c・・・凹部、71・・・非対称ディンプル反射体(反射体)、73・・・基材、74・・・凹部、A・・・第1曲線、B・・・第2曲線、X・・・特定縦断面、S1,S2・・・周辺部、Ref・・・反射部、Per・・・透過部。
Claims (4)
- カイラル剤が添加されたネマティック液晶層を挟んで対向する一対の基板のうち観察側と反対側となる一方の基板の液晶層側に短冊状電極と強アンカリングの配向膜が該一方の基板側から順に設けられ、観察側となる他方の基板の液晶層側に電極と弱アンカリングの配向膜が該他方の基板側から順に設けられてなる液晶セルが備えられ、
前記短冊状電極は、光反射性を有する短冊状反射電極と、この反射電極の幅方向の少なくとも一方の側にはみ出すように設けられた短冊状透明電極とから構成され、これら短冊状反射電極と前記短冊状透明電極とが電気的に接続され、前記短冊状反射電極が反射部とされ、前記短冊状透明電極が透過部とされ、前記反射部と前記一方の基板との間に凹凸形成樹脂層が形成され、前記反射部は前記凹凸形成樹脂層の少なくとも膜厚大の領域上に形成され、前記透過部は前記凹凸形成樹脂層の膜厚小の領域に形成され、前記透過部上の液晶層厚と前記反射部上の液晶層厚は異なる値とされ、
前記強アンカリングの配向膜は所定のプレティルト角を有するように形成され、前記弱アンカリングの配向膜は、少なくとも表面に形状異方性が付与された高分子膜からなり、アンカリングエネルギーが前記強アンカリングの配向膜のアンカリングエネルギーの1/2以下とされ、プレティルト角が略0になるように形成され、
前記液晶セルは印加電圧に応じて液晶層の液晶分子の配列が双安定状態のうちいずれかの状態に制御されることを特徴とする半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置。 - 前記弱アンカリングの配向膜は、アンカリングエネルギーが1×10−5J/m2以上1×10−3J/m2以下であることを特徴とする請求項1記載の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置。
- 前記短冊状反射電極の前記液晶層側の表面は微小な凹凸又は複数の凹部が形成された拡散反射面又は微小な凹凸が形成された光散乱面とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置。
- 前記一方の基板の液晶層側にカラーフィルタ層が設けられていることを特徴する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置。
Priority Applications (1)
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JP2004157889A JP2005338484A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | 半透過反射型双安定ネマティック液晶表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008096562A (ja) * | 2006-10-10 | 2008-04-24 | Japan Science & Technology Agency | 双安定ネマチック液晶表示装置 |
WO2012049894A1 (ja) * | 2010-10-15 | 2012-04-19 | セイコーインスツル株式会社 | 双安定液晶装置 |
CN105242460A (zh) * | 2015-09-18 | 2016-01-13 | 京东方科技集团股份有限公司 | 阵列基板和显示面板及其制作方法、显示装置 |
-
2004
- 2004-05-27 JP JP2004157889A patent/JP2005338484A/ja not_active Withdrawn
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WO2012049894A1 (ja) * | 2010-10-15 | 2012-04-19 | セイコーインスツル株式会社 | 双安定液晶装置 |
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