JP2005338453A - 音響シミュレーション装置、音響シミュレーションプログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 雑音が存在する車室内の音響を正確にシミュレーション可能とする。
【解決手段】 音場チューニング部20により生成された再生音CL、CRに対して、雑音を付加し、この雑音が付加された再生音CL’、CR’に基づいて、聴取位置EL、ERにおける再生音CL’、CR’の音質を評価する構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の室内における音響をシミュレーションする技術に関する。
従来から、リスニングルームやコンサートホール等の室内の音響設計を行う際、コンピュータシミュレーションによって音響性能を予測し、さらに、音場を再生して実際に試聴することにより、音響特性を確認することが可能な音環境疑似体験装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−168587号公報
しかしながら、上記従来の技術は、音楽の聴取に適した建築物等の音響設計を目的とするものであり、エアコン稼動時のエアコン送風音や、車両走行時の走行騒音といった雑音が存在する車両の室内(車室内)の音響設計に用いることができない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、雑音が存在する車室内の音響を正確にシミュレーションすることのできる音響シミュレーション装置、音響シミュレーションプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、車室内の音響をシミュレーションする音響シミュレーション装置において、前記車室内の構造と音響特性とがモデル化された車室内の第1インパルス応答を算出するインパルス応答算出手段と、前記車室内に再現するリファレンス音響環境の第2インパルス応答に基づいて前記第1インパルス応答を補正し、補正後の第1インパルス応答に基づいて、前記車室内の受音点における再生音を示す再生音信号を生成する音場補正生成手段と、前記音場補正生成手段により生成された再生音信号に対して、雑音信号を付加する雑音付加手段と、前記雑音信号が付加された再生音信号に基づいて、前記受音点における再生音の音質を示す特性値を算出する音質評価手段とを具備することを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記雑音信号が付加された再生音信号に対して音響効果を付加する音響効果付加手段を更に備え、前記音質評価手段は、前記音響効果が付加された後の再生音信号に基づいて、前記受音点における再生音の音質を示す特性値を算出することを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記音質評価手段に入力される再生音信号と同じ再生音信号を放音装置に出力する出力手段を更に具備することを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記車室内の構造を示す構造のデータを複数記憶する第1記憶手段と、前記車室内に配置される部材の音響特性のデータを記憶する第2記憶手段と、前記構造のデータ及び音響特性のデータとを選択し、前記車室内をモデル化するモデル化手段と、前記モデル化された車室内における前記受音点の位置を設定する受音位置設定手段とを備えることを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記リファレンス音響環境ごとに前記第2インパルス応答を複数記憶する第3記憶手段と、前記リファレンス音響環境を選択するリファレンス音響環境設定手段とを備えることを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記音場補正生成手段は、前記第1インパルス応答を前記第2インパルス応答に近づくように補正することを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、車両が走行している際に発生する走行騒音のデータを予め記憶する第4記憶手段と、車両に設けられたエアコンが稼動している際に発生するエアコン送風音のデータを予め記憶する第5記憶手段とを備え、前記雑音付加手段は、前記走行騒音のデータ及び前記エアコン送風音のデータのすくなくともいずれか1つのデータに基づいて前記再生音信号に前記雑音信号を付加することを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記音響効果付加手段は、前記雑音信号が付加された再生音信号に対して、ラウドネス、前記雑音信号に応じた周波数特性の補正、及び、アクティブノイズコントロールのうちの少なくともいずれか1つの音響効果を付加することを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記出力手段は、前記放音装置により再生される音声の周波数レベルが略均一となるように、前記放音装置の周波数特性に応じて、前記再生音信号を補正する特性補正手段を備えることを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記出力手段は、前記放音装置により音声を再生した際に生じるクロストークを防止するための補正を前記再生信号に対して施すクロストークキャンセル手段を備えることを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記音場補正生成手段は、前記第2インパルス応答と評価音信号との畳み込み演算によりリファレンス評価音信号を算出すると共に、前記補正後の前記第1インパルス応答と前記評価音信号との畳み込み演算により前記再生音信号を生成し、前記音質評価手段は、前記評価音信号と前記再生音信号とに基づいて第3インパルス応答を前記特性値として算出することを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記音質評価手段は、前記第3インパルス応答をフーリエ変換してなる伝送周波数特性を特性評価値として算出することを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記音質評価手段は、前記再生音信号と、前記リファレンス評価音信号とに基づいてPEAQ(Perceived Evaluation of Audio Quality)方式にしたがって客観的音質評価値(Objective Difference Grade)を前記特性値として算出することを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記音質評価手段は、前記評価音信号が無圧縮音楽信号である場合には、前記再生音信号と前記リファレンス評価音信号との相互相関に基づいて、前記再生音信号と前記リファレンス評価音信号との信号同期を行い、前記リファレンス評価音信号の信号レベルを変化させたときに最大となる前記客観的音質評価値を算出することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は、車室内の音響をシミュレーションするための音響シミュレーションプログラムにおいて、コンピュータを、前記車室内の構造と音響特性とがモデル化された車室内の第1インパルス応答を算出する手段、前記車室内に再現するリファレンス音響環境の第2インパルス応答に基づいて前記第1インパルス応答を補正し、補正後の第1インパルス応答に基づいて、前記車室内の受音点における再生音を示す再生音信号を生成する手段、前記再生音信号に対して、雑音信号を付加する手段、および、前記雑音信号が付加された再生音信号に基づいて、前記受音点における再生音の音質を示す特性値を算出する手段として機能させることを特徴とする。
また本発明は、上記音響シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
本発明によれば、雑音が存在する車室内の音響を正確にシミュレーションすることができる。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る音響シミュレーション装置1の機能的構成を示すブロック図である。なお、本音響シミュレーション装置1は、MPU等の制御手段やハードディスクドライブ等の記憶手段、キーボード等の入力手段、ディスプレイ等の表示手段を備えるコンピュータ(電子計算機)に、本実施の形態に係る音響シミュレーションのためのプログラムを実行させることで、以下に説明する各種の機能を実現するように構成されたものである。
図1に示すように、音響シミュレーション装置1は、大別すると、音場シミュレーション部10と、音場チューニング部20と、雑音付加部30と、音響効果付加部40と、音場再生部50と、音質評価部60とを備えている。
音場シミュレーション部10は、設計対象となる車両の室内(以下、「車室内」という)をモデル化し、当該モデル化された車室内のインパルス応答を計算するものであり、図2に示すように、部材音響データベース部101と、聴取位置設定部102と、車室内モデル化部103と、シミュレーション実行部104とを備えている。
部材音響データベース部101は、例えばスピーカ装置や窓ガラス、シート等の車室内に存在する各種部材の音響に関する特性(例えば吸音率や音の反射角等)をデータベース化して記憶するものであり、ハードディスクドライブ等の記憶手段を有している。聴取位置設定部102は車室内における試聴者の聴取位置(受音点)を設定するものである。より具体的には、聴取位置設定部102は車室内の構造を示す空間形状データ(フレーム形状や、シートの形状やその配置位置、スピーカの形状やその配置位置等)を記憶する記憶手段と、車室内における試聴者の聴取位置の入力を受け付ける入力手段とを備え、聴取位置が入力された場合に、この聴取位置と空間形状データとを対応付けて車室内モデル化部103に出力する。また、聴取位置設定部102には、互いに異なる複数の空間形状データが予め記憶されており、ユーザがこれらの空間形状データを適宜選択し、異なる車室内を設計可能となっている。なお、それらの空間形状データをユーザが適宜修正又は変更可能な構成としても良い。
車室内モデル化部103は、車室内の空間形状データ及び聴取位置が入力された場合に、この車室内に配置されている各種部材の音響特性を部材音響データベース部101から読み出して空間形状データと対応付けて車室内のモデル化を行い、シミュレーション実行部104に出力するものである。
シミュレーション実行部104は、車室内モデル化部103にてモデル化された車室内におけるスピーカ(発音点)と聴取位置(受音点)間の音響特性をシミュレーションしてインパルス応答として音場チューニング部20に出力するものである。具体的には、シミュレーション実行部104は、音線法や虚像法等の幾何学的解析法、或いは、有限要素法や境界要素法等の数値解析法、これら双方を組み合わせた解析法等に基づいて、車室内モデル化部103によりモデル化された車室内に対してコンピュータシミュレーシンを実行し、スピーカと聴取位置間のインパルス応答を算出する。
ここで、本実施の形態では、車両として4ドアのセダンタイプの車両を設定し、聴取位置としてダミーヘッドの左耳EL及び右耳ERを設定している。また、スピーカとして、左側フロントドア下部に設置されるスピーカFLと、右側フロントドア下部に設置されるスピーカFRと、左側のリアドア下部に設置されるスピーカRL、右側のリアドア下部に設置されるスピーカRRの4つのスピーカを設定している。このような設定の下、シミュレーション実行部104からは、4つのスピーカFL、FR、RL、RRの各々とダミーヘッド左耳EL間の4つのインパルス応答FLEL、FREL、RLEL、RREL(以下、これらをまとめて「インパルス応答Ip1」とする)と、4つのスピーカFL、FR、RL、RRの各々とダミーヘッド右耳ER間の4つのインパルス応答FLER、FRER、RLER、RRER(以下、これらをまとめて「インパルス応答Ip2」とする)とが出力されることとなる。
音場チューニング部20は、音場シミュレーション部10から出力されたインパルス応答Ip1、Ip2に対して補正を加えた後、補正後のインパルス応答Ip1’、Ip2’と評価音との畳み込み演算により、聴取位置における再生音(再生音信号)を生成するものであり、図3に示すように、リファレンス音響データベース部201と、ターゲット特性設定部202と、音場補正部203と、リファレンス評価音生成部204とを備えている。
リファレンス音響データベース部201は、音響を試聴する音響環境として理想的な音響環境(例えばオーディオルームやリスニングルーム等)のインパルス応答Ip3をデータベース化して記憶するものであり、例えばハードディスクドライブ等の記憶手段を構成されている。ターゲット特性設定部202は、リファレンス音響データベース部201に記憶されているいずれかの音響環境のインパルス応答Ip3を読み出して音場補正部203及びリファレンス評価音生成部204に出力するものであり、読み出すべき音響空間をユーザが指示入力するための入力手段等を備えている。
音場補正部203は、音場シミュレーション部10から出力されたインパルス応答Ip1、Ip2に対して、ターゲット特性設定部202から出力されたインパルス応答Ip3の特性に近づくように、例えば最小2乗法等に基づいて補正を行い、補正後のインパルス応答FLEL’、FREL’、RLEL’、RREL’(以下、これらをまとめて「インパルス応答Ip1’」とする)と、補正後のインパルス応答FLER’、FRER’、RLER’、RRER’(以下、これらをまとめて「インパルス応答Ip2’」とする)とを生成する。
また、音場補正部203には、2チャンネルの音楽データ、或いは、M系列符号等からなる評価用の2チャンネルのデータが評価音SL、SRとして入力されており、音場補正部203は、評価音SL、SRと補正後のインパルス応答Ip1’、Ip2’との畳み込み演算を実行して、設計段階の車室内空間の音響特性を評価音SL、SRに反映させた2チャンネルのデータを再生音CL、CRとして出力する。この再生音CL、CRの生成について詳細に説明すると、図4に示すように、音場補正部203には、補正後の8つのインパルス応答FLEL’、FREL’、RLEL’、RREL’、FLER’、FRER’、RLER’、RRER’ごとに1つずつ畳み込み演算回路206が設けられ、車室内左側に配置されるスピーカFL、RLと聴取位置EL、ER間の補正後のインパルス応答であるインパルス応答FLEL’、FLER’、RLEL’、RLER’の各々と、左側チャンネルの評価音SLとの畳み込み演算が実行される共に、車室内右側に配置されるスピーカFR、RRと聴取位置EL、ER間の補正後のインパルス応答であるインパルス応答FREL’、FRER’、RREL’、RRER’の各々と、右側チャンネルの評価音SRとの畳み込み演算が実行される。また、音場補正部203には、2つの加算器207a、207bが設けられており、ダミーヘッドの左耳(聴取位置)ELに届く音同士が加算器207aにより加算されて再生音CLとして出力されると共に、ダミーヘッドの右耳(聴取位置)ERに届く音同士が加算器207bにより加算されて再生音CRとして出力される。
また、この音場補正部203には、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタを有し、再生音CL、CRにおける周波数領域の振幅を補正するパラメトリックイコライザと、4つのスピーカFL、FR、RL、RRの各々から聴取位置EL、ERの各々への再生音CL、CRの到達時間に基づいて、当該再生音CL、CRの遅延を補正するタイムアライメント補正手段とが設けられている。なお、パラメトリックイコライザやタイムアライメント補正手段に代えて、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを有し、モデル化された車室内の音響特性と逆の特性を有する逆フィルタを音場補正部203に設ける構成としても良い。また、上述した畳み込み演算回路206や加算器207a、207b、各フィルタ回路は、ハードウェアにより実現する構成としても良く、また、それらと等価な機能をソフトウェアにより実現し計算によって上記再生音CL、CRを求める構成としても良い。
以上の構成により、例えばターゲット特性設定部202において、リファレンス用の音響環境としてオーディオルームのインパルス応答Ip3を設定した場合、このインパルス応答Ip3に近づくように、車室内のインパルス応答Ip1、Ip2が補正され、さらに、再生音CL、CRの振幅と遅延(位相も含む)とが完全に補正されれば、この再生音CL、CRを車室内に実際に出力したときの音場は、オーディオルームの音場と等価となり、以って、車室内で理想的な音響環境を実現することができる。
ここで、上記車室内の音場補正においては、可聴域の全周波数帯域にわたって再生音CL、CRの振幅と遅延(位相も含む)とを、演算等により完全に補正することは困難である。そこで、本実施の形態では、後述する音質評価部60における再生音CL、CRの音質評価に基づいて、パラメトリックイコライザやタイムアライメント補正手段、逆フィルタの各フィルタ係数等を調整し、車室内の音場を可能な限り理想的な音響環境に近づけられるようにしている。
リファレンス評価音生成部204は、ターゲット特性設定部202において設定されたリファレンス用の音響環境のインパルス応答Ip3と、上記評価音SL、SRとの畳み込み演算を実行することにより、再生音CL、CRと対比するためのリファレンス評価音RL、RRを生成し、後述する音質評価部60に出力する。
雑音付加部30は、音場チューニング部20から出力された再生音CL、CRに雑音を付加すべく雑音信号を重畳するものであり、図5に示すように、走行騒音データベース部301と、送風音データベース部302と、雑音設定部303と、合成部304とを備えている。走行騒音データベース部301は、例えばエンジン音やタイヤ音、風きり音等の車両の走行に伴って発生する騒音をデータベース化して記憶するものであり、ハードディスクドライブ等の記憶手段を備えて構成されている。また、送風音データベース部302はエアコン送風音をデータベース化して記憶するものであり、ハードディスクドライブ等の記憶手段を備えている。
雑音設定部303は、上記再生音CL、CRに付加すべき雑音を設定するためのものであり、当該雑音の設定を受け付ける入力手段を備え、入力された雑音設定に基づいて走行騒音データベース部301及び送風音データベース部302から騒音やエアコン送風音を読み出して合成部304に出力する。
合成部304は、雑音設定部303により入力された雑音を上記再生音CL、CRに加算して、当該雑音が重畳された再生音CL’、CR’を生成し、音響効果付加部40に出力する。
音響効果付加部40は、雑音が重畳された再生音CL’、CR’に対して一般的な人の聴覚特性に基づいてラウドネス(Loudness)を補正する機能と、走行騒音やエアコン送風音等の雑音に応じて再生音CL’、CR’の周波数を補正するオートボリューム機能と、再生音CL’、CR’から動的に雑音を除去するアクティブノイズコントロール機能とを備え、各種音響効果を再生音CL’、CR’に付加し音場再生部50に出力する。なお、当該音響効果付加部40において再生音CL’、CR’に付与される音響効果を、変更、追加、或いは削除等することで、音響信号処理に関する様々なアルゴリズムを検証することができる。
音場再生部50は、音響効果付加部40から入力された再生音CL’、CR’を、ヘッドホンの特性、或いは、スピーカの周波数特性に応じて補正し、これらのヘッドホン或いはスピーカに出力するものであり、図6に示すように、ヘッドホン特性補正部501と、スピーカ特性補正部502と、クロストークキャンセル部503とを備えている。
ヘッドホン特性補正部501は、再生音CL’、CR’をヘッドホンから音声出力する場合に、この音声の周波数レベルが周波数領域において略均一化されるように(フラットとなるように)、再生音CL’、CR’をヘッドホンの周波数特性に応じて補正し、ヘッドホン再生音HCL、HCRとして、ヘッドホンに出力するものである。一方、スピーカ特性補正部502は、再生音CL’、CR’をスピーカから音声出力する場合に、この音声の周波数領域における周波数レベルが略均一化されるように(フラットとなるように)、再生音CL’、CR’をスピーカの周波数特性に応じて補正し、クロストークキャンセル部503を介してスピーカに出力するものである。
クロストークキャンセル部503は、図7に示すように、Lチャンネル音声を出力するスピーカSP1と、Rチャンネル音声を出力するスピーカSP2の2つのスピーカSP1、SP2を試聴者Uの前方に配置し、これらのスピーカSP1、SP2から再生音CL’、CR’を再生した場合に発生するクロストーク(各チャンネルのスピーカSP1、SP2からの音が反対側にまわり込む現象)を抑制するために、再生音CL’、CR’にフィルタ処理を施し、スピーカ再生音SCL、SCRとしてスピーカに出力するものである。
これより、音場シミュレーション部10にてモデル化された車室内の音場をヘッドホンやスピーカを用いて試聴することができ、試聴者Uが聴感で音場の評価を行うことができる。なお、この音場再生部50において、音場チューニング部20から出力された再生音CL、CR、或いは、雑音付加部30から出力された再生音CL’、CR’も個別に試聴可能な構成としても良い。
音質評価部60は、再生音CL’、CR’を評価するためのものであり、図8に示すように、処理部601と、IR(IR:Impulse Response)特性表示部602と、f(周波数)特性表示部603と、客観的音質評価値表示部604とを備えている。
処理部601は、音場再生部50から入力された再生音CL’、CR’と、上記評価音SL、SRと、上記リファレンス評価音RL、RRとの比較のための演算処理を行い、演算結果をIR特性表示部602、f特性表示部603、及び、客観的音質評価値表示部604の各々に出力するものである。
さらに詳述すると、上記評価音SL、SRがM系列符号のデータである場合には、処理部601は、再生音CL’、CR’と評価音SL、SRとの相互相関関数を演算により求めて、音場チューニング部20、雑音付加部30及び音響効果付加部40からなる評価音SL、SRの伝送経路におけるインパルス応答Ip4を算出し、IR特性表示部602に出力する。このIR特性表示部602には、上記音場チューニング部20にて設定されたリファレンス音響環境のインパルス応答Ip3も入力されており、当該IR特性表示部602は、インパルス応答Ip4とインパルス応答Ip3とが対比可能に表示する。さらに、処理部601は、インパルス応答Ip4、Ip3の各々に対してフーリエ変換処理を実行して、それぞれの伝送周波数特性を生成してf特性表示部603に出力する。f特性表示部603は、これらの伝送周波数特性を対比可能に表示する。
一方、上記評価音SL、SRが音楽データである場合には、処理部601は、ITU−R勧告のBS.1387−1にて標準化されているPEAQ(Perceived Evaluation of Audio Quality)方式にしたがって再生音CL’、CR’の客観的音質評価値ODG(Objective Difference Grade)を演算により求め、演算結果を客観的音質評価値表示部604に出力する。客観的音質評価値表示部604は、上記客観的音質評価値ODGを表示する。
ここで、上記PEAQ方式は、人間の主観的な音質を客観的な数値により表して評価するための方式であり、一般的には、圧縮オーディオの音質評価に用いられるものである。しかしながら、車室内においては、スピーカの周波数特性や指向特性、さらに初期反射音、残響音等により、再生音CL’、CR’の周波数特性における振幅や位相特性が変動してしまう。すなわち、MP3(MPEG1 Audio Layer-3)やWMA(Windows(登録商標) Media Audio)等の、所定の圧縮コーデックで圧縮された音楽データに比べ、無圧縮の音楽データを評価音SL、SRとして使用する場合には、現在の再生位置やボリューム(信号レベル)等を示す情報が付加されていないため、再生音CL’、CR’と、リファレンス評価音RL、RRとの同期や信号レベルがズレた場合に、上記PEAQ方式による正確な音質評価が困難となる。
そこで、本実施の形態では、処理部601がPEAQ方式にて音質評価を行う場合に、次のようして、再生音CL’、CR’と、リファレンス評価音RL、RRとの同期及び信号レベルを合わせるようにしている。
すなわち、図9に示すように、処理部601は、まず、再生音CL’、CR’と、リファレンス評価音RL、RRとを所定期間だけ切り出す(ステップS101)。そして、処理部601は、切り出した再生音CL’、CR’及びリファレンス評価音RL、RRの信号同期を図るべく、それぞれの相互相関を計算し、相互相関のピーク位置に基づいて、再生音CL’、CR’と、リファレンス評価音RL、RRとが同期する可能性の高い同期ポイントAを求める(ステップS102)。
続いて、処理部601は、上記同期ポイントAの近傍で、より正確な同期ポイントBを求めるための処理を実行する。すなわち、処理部601は、切り出したリファレンス評価音RR、RLを同期ポイントAから所定の時間間隔ずつ時間軸前後方向に遅延させならが(ステップS103)、上記客観的音質評価値ODGを順次算出する(ステップS104)。そして、処理部601は、切り出した所定期間全域における客観的音質評価値ODGを算出した後(ステップS105:YES)、次のようにして、正確な同期ポイントBを求める。
すなわち、図10に示すように、客観的音質評価値ODGは、再生音CL’、CR’に対するリファレンス評価音RL、RRの遅延量に応じてその値が変化し、再生音CL’、CR’とリファレンス評価音RL、RRとが同期する遅延量にて極大となる。そこで処理部601は、ステップS103乃至S105にて求めた客観的音質評価値ODGに基づいて、その極大点を求め、その極大点を正確な同期ポイントBとして、再生音CL’、CR’と、リファレンス評価音RL、RRとを再同期させる(ステップS106)。
次いで、処理部601は、再生音CL’、CR’と、リファレンス評価音RL、RRとの信号レベルを合わせるための処理を行う。すなわち、処理部601は、ステップS101にて切り出したリファレンス評価音SL、SRの信号レベルを所定レベルずつ変化させながら(ステップS107)、上記客観的音質評価値ODGを順次算出する(ステップS108)。そして、処理部601は、所定レベル範囲にける客観的音質評価値ODGを算出した後(ステップS109)、次のようにして、今回モデル化された車室内の最終的な客観的音質評価値ODGを求める。
すなわち、図11に示すように、客観的音質評価値ODGは、再生音CL’、CR’の信号レベルに対するリファレンス評価音RL、RRの信号レベルに応じてその値が変化し、再生音CL’、CR’とリファレンス評価音RL、RRとの信号レベルが合った場合に極大となる。そこで処理部601は、上記ステップS107乃至S109にて求めた客観的音質評価値ODGに基づいて極大点Cを求め、そして、この極大的Cにおける客観的音質評価値ODGを、今回モデル化された車室内の最終的な客観的音質評価値ODGとして、上記客観的音質評価値表示部604に出力し(ステップS110)、本処理を終了する。
以上の処理により、評価音SL、SRとして無圧縮の音楽を用いた場合であっても、PEAQ方式に基づく客観的音質評価値ODGを再生音CL’、CR’に対して正確に求められる。
次いで、本実施の形態の全体動作について説明する。
図12に示すように、音場シミュレーション部10において、設計対象となる車両の車室内がモデル化され、また、この車室内における聴取位置EL、ERが設定されると、音場シミュレーション部10のシミュレーション実行部104が聴取位置EL、ERとスピーカFL、FR、RL、RR間の上記インパルス応答Ip1、Ip2を演算し、音場チューニング部20に出力する(ステップS201)。なお、このとき、シミュレーション実行部104から出力されるインパルス応答の数は、聴取位置の数Mとスピーカの数Nとした場合には、M×Nとなる。
次いで、車室内で再現すべき理想的な音響環境(例えばリスニングルーム等)が音場チューニング部20に設定され、また、当該音場チューニング部20に上記インパルス応答Ip1、Ip2が入力されると、音場チューニング部20は、この車室内における音場を調整(音場チューニング)を実行し、調整後の音場にて再生される再生音CL、CRを雑音付加部30に出力する(ステップS202)。より具体的には、このステップS202において、音場チューニング部20の音場補正部203は、理想的な音響環境のインパルス応答Ip3に近づくように、インパルス応答Ip1、Ip2を補正してインパルス応答Ip1’、Ip2を生成すると共に、これらのインパルス応答Ip1’、Ip2’と評価音SL、SRとの畳み込み演算を行い、再生音CL、CRを生成する。次いで、音場補正部203は、これらの再生音CL、CRによって再現される車室内の音場を、理想的な音響環境の音場により近づけるべく、再生音CL、CRに対してパラメトリックイコライザ処理、及び、タイムアライメント補正(或いは逆フィルタ補正)を施し、その周波数領域における振幅や、スピーカから聴取位置までの到達時間、時間領域における振幅及び位相を補正する。このとき、パラメトリックイコライザやタイムアライメント補正に用いるフィルタ係数等の調整によって補正量が可変され、車室内の音場が理想的な音響環境の音場に近づくように調整されて音場チューニングが行われる。
再生音CL、CRが入力され、また、車室内の雑音が設定されると、雑音付加部30は、それらの再生音CL、CRに、設定された雑音を重畳し、再生音CL、CRを生成し、音響効果付加部40に出力する(ステップS203)。これにより、車室内にエアコン送風音や車両走行時に発生する騒音が存在する場合に、試聴者が試聴する再生音CL’、CR’が再現される。
次に、再生音CL’、CR’が音響効果付加部40に入力されると、当該音響効果付加部40は、これらの再生音CL’、CR’に、ラウドネス補正やオートボリューム補正、アクティブノイズコントロール補正等の各種の音響効果を付加し、音場再生部50に出力する(ステップS204)。これにより、騒音が存在する車室内において、各種の音響効果を付与した再生音CL、CRを再生した場合に、試聴者が試聴する再生音CL’、CR’が再現される。すなわち、この音響効果付加部40にて付加する音響効果を変更等することで、騒音が存在する車室内で再生される再生音CL、CRが変更され、このときの再生音CL、CRに基づいて最適な音響効果を調整することができる。
音響効果付加部40にて各種音響効果が付与された再生音CL’、CR’が音場再生部50に入力されると、当該音場再生部50は、当該再生音CL’、CR’を出力する機器(スピーカやヘッドホン等)の特性を打ち消すように再生音CL’、CR’に対して補正を行った後に、その機器に再生音CL’、CR’を出力する(ステップS205)。これにより、再生音CL’、CR’を再生する機器の違いによって試聴する音が異なることなく、今回モデル化された車室内にて再生される音を試聴することが可能となる。
また、音響効果付加部40から出力された再生音CL’、CR’が音質評価部60に入力されると、当該音質評価部60は、これらの再生音CL’、CR’、評価音SL、SR、及び、リファレンス評価音RL、RRに基づいて上記インパルス応答Ip4や伝送周波数特性、客観的音質評価値ODGを演算により求め、それぞれを上記IR特性表示部602、f特性表示部603及び客観的音質評価値表示部604に表示して、リファレンス評価音RL、RRとの比較が可能となる(ステップS206)。
そして、これらインパルス応答Ip4、伝送周波数特性及び客観的音質評価値ODGが予め定めた所定の水準以下である場合には(ステップS207:NO)、処理手順がステップS201に戻り、各部10〜60における各種のパラメータの設定変更が行われることとなる。具体的には、音場シミュレーション部10においては、スピーカの数やスピーカ位置等の変更、音場チューニング部20においては、各種フィルタのフィルタ係数といったチューニングパラメータや、フィルタの種類等の変更、音響効果付加部40においては、再生音CL’、CR’に付与する音響効果のアルゴリズム等の変更が行われることとなる。なお、このような各種のパラメータの変更は、音響シミュレーション装置1の制御部等が、所定のアルゴリズムに基づいて行っても良く、また、ユーザ等が変更するようにしても良い。
以上説明したように、本実施の形態によれば、音場チューニング部20により生成された再生音CL、CRに対して、雑音を付加し、この雑音が付加された再生音CL’、CR’に基づいて、聴取位置EL、ERにおける再生音CL’、CR’の音質を評価する構成としたため、雑音のある車室内の音響を正確にシミュレーションすることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、上記雑音が付加された再生音CL’、CR’に対して音響効果を付加し、この音響効果が付加された後の再生音CL’、CR’に基づいて音室を評価する構成としたため、雑音のある車室内において、再生音CL、CRに音響効果を付与して再生した場合の音響を正確にシミュレーションすることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、音質評価の対象となる再生音CL’、CR’と同じ再生音を、スピーカやヘッドホン等の放音装置に出力する構成としたため、ユーザが聴覚で再生音を評価することができる。
また、本実施の形態によれば、車両が走行している際に発生する走行騒音、車両に設けられたエアコンが稼動している際に発生するエアコン送風音の各々をデータベース化し、これらの走行騒音及びエアコン送風音を雑音として適宜選択可能としたため、種々の雑音のある車室内の音響をシミュレーションすることができる。
また、本実施の形態によれば、音質評価として、インパルス応答Ip4、伝送周波数特性及び客観的音質評価値ODGを求める構成としたため、再生音CL’、CR’の音質を定量的に評価することが可能となり、また、その評価結果に基づいて、上記音響効果や聴取位置(受音点)、スピーカ(発音点)の位置、指向特性等の各種パラメータ、各種補正の際のパラメータを調整することで、車室内の音響環境を簡単に最適化でき、車室内の音響設計及び開発期間の短期化を図ることができる。
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、音響シミュレーション装置をコンピュータに音響シミュレーションのためのプログラムを実行させて実現する構成としが、これに限らず、各部を専用のハードウェアにより構成しても良い。
本発明の実施の形態に係る音響シミュレーション装置の機能的構成を示すブロック図である。 音場シミュレーション部の機能的構成を示すブロック図である。 音場チューニング部の機能的構成を示すブロック図である。 音場チューニング部における再生音の生成を説明するための図である。 雑音付加部の機能的構成を示すブロック図である。 音場再生部の機能的構成を示すブロック図である。 クロストークキャンセル部の動作を説明するための図である。 音質評価部の機能的構成を示すブロック図である。 客観的音質評価値の算出手順を示すフローチャートである。 客観的音質評価値の算出手順を説明するための図である。 客観的音質評価値の算出手順を説明するための図である。 音響シミュレーション装置の全体動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 音響シミュレーション装置
10 音場シミュレーション部
20 音場チューニング部
30 雑音付加部
40 音響効果付加部
50 音場再生部
60 音質評価部

Claims (16)

  1. 車室内の音響をシミュレーションする音響シミュレーション装置において、
    前記車室内の構造と音響特性とがモデル化された車室内の第1インパルス応答を算出するインパルス応答算出手段と、
    前記車室内に再現するリファレンス音響環境の第2インパルス応答に基づいて前記第1インパルス応答を補正し、補正後の第1インパルス応答に基づいて、前記車室内の受音点における再生音を示す再生音信号を生成する音場補正生成手段と、
    前記音場補正生成手段により生成された再生音信号に対して、雑音信号を付加する雑音付加手段と、
    前記雑音信号が付加された再生音信号に基づいて、前記受音点における再生音の音質を示す特性値を算出する音質評価手段と
    を具備することを特徴とする音響シミュレーション装置。
  2. 前記雑音信号が付加された再生音信号に対して音響効果を付加する音響効果付加手段を更に備え、
    前記音質評価手段は、前記音響効果が付加された後の再生音信号に基づいて、前記受音点における再生音の音質を示す特性値を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響シミュレーション装置。
  3. 前記音質評価手段に入力される再生音信号と同じ再生音信号を放音装置に出力する出力手段を更に具備することを特徴とする請求項1または2に記載の音響シミュレーション装置。
  4. 前記車室内の構造を示す構造のデータを複数記憶する第1記憶手段と、
    前記車室内に配置される部材の音響特性のデータを記憶する第2記憶手段と、
    前記構造のデータ及び音響特性のデータとを選択し、前記車室内をモデル化するモデル化手段と、
    前記モデル化された車室内における前記受音点の位置を設定する受音位置設定手段と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の音響シミュレーション装置。
  5. 前記リファレンス音響環境ごとに前記第2インパルス応答を複数記憶する第3記憶手段と、
    前記リファレンス音響環境を選択するリファレンス音響環境設定手段と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の音響シミュレーション装置。
  6. 前記音場補正生成手段は、前記第1インパルス応答を前記第2インパルス応答に近づくように補正する
    ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の音響シミュレーション装置。
  7. 車両が走行している際に発生する走行騒音のデータを予め記憶する第4記憶手段と、
    車両に設けられたエアコンが稼動している際に発生するエアコン送風音のデータを予め記憶する第5記憶手段とを備え、
    前記雑音付加手段は、前記走行騒音のデータ及び前記エアコン送風音のデータのすくなくともいずれか1つのデータに基づいて前記再生音信号に前記雑音信号を付加することを特徴とする請求項1乃至6に記載の音響シミュレーション装置。
  8. 前記音響効果付加手段は、前記雑音信号が付加された再生音信号に対して、ラウドネス、前記雑音信号に応じた周波数特性の補正、及び、アクティブノイズコントロールのうちの少なくともいずれか1つの音響効果を付加する
    ことを特徴とする音響シミュレーション装置。
  9. 前記出力手段は、
    前記放音装置により再生される音声の周波数レベルが略均一となるように、前記放音装置の周波数特性に応じて、前記再生音信号を補正する特性補正手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の音響シミュレーション装置。
  10. 前記出力手段は、
    前記放音装置により音声を再生した際に生じるクロストークを防止するための補正を前記再生信号に対して施すクロストークキャンセル手段を備えることを特徴とする請求項3または9に記載の音響シミュレーション装置。
  11. 前記音場補正生成手段は、前記第2インパルス応答と評価音信号との畳み込み演算によりリファレンス評価音信号を算出すると共に、
    前記補正後の前記第1インパルス応答と前記評価音信号との畳み込み演算により前記再生音信号を生成し、
    前記音質評価手段は、
    前記評価音信号と前記再生音信号とに基づいて第3インパルス応答を前記特性値として算出することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の音響シミュレーション装置。
  12. 前記音質評価手段は、前記第3インパルス応答をフーリエ変換してなる伝送周波数特性を特性評価値として算出することを特徴とする請求項11に記載の音響シミュレーション装置。
  13. 前記音場補正生成手段は、前記第2インパルス応答と評価音信号との畳み込み演算によりリファレンス評価音信号を算出すると共に、
    前記補正後の前記第1インパルス応答と前記評価音信号との畳み込み演算により前記再生音信号を生成し、
    前記音質評価手段は、
    前記評価音信号が音楽信号である場合に、前記再生音信号と、前記リファレンス評価音信号とに基づいてPEAQ(Perceived Evaluation of Audio Quality)方式にしたがって客観的音質評価値(Objective Difference Grade)を前記特性値として算出することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の音響シミュレーション装置。
  14. 前記音質評価手段は、
    前記評価音信号が無圧縮音楽信号である場合には、前記再生音信号と前記リファレンス評価音信号との相互相関に基づいて、前記再生音信号と前記リファレンス評価音信号との信号同期を行い、前記リファレンス評価音信号の信号レベルを変化させたときに最大となる前記客観的音質評価値を算出する
    ことを特徴とする請求項13に記載の音響シミュレーション装置。
  15. 車室内の音響をシミュレーションするための音響シミュレーションプログラムにおいて、コンピュータを、
    前記車室内の構造と音響特性とがモデル化された車室内の第1インパルス応答を算出する手段、
    前記車室内に再現するリファレンス音響環境の第2インパルス応答に基づいて前記第1インパルス応答を補正し、補正後の第1インパルス応答に基づいて、前記車室内の受音点における再生音を示す再生音信号を生成する手段、
    前記再生音信号に対して、雑音信号を付加する手段、および、
    前記雑音信号が付加された再生音信号に基づいて、前記受音点における再生音の音質を示す特性値を算出する手段
    として機能させることを特徴とする音響シミュレーションプログラム。
  16. 請求項15に記載の音響シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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