JP2005337516A - ハイブリッド給湯システム及びその運転方法 - Google Patents

ハイブリッド給湯システム及びその運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005337516A
JP2005337516A JP2004152880A JP2004152880A JP2005337516A JP 2005337516 A JP2005337516 A JP 2005337516A JP 2004152880 A JP2004152880 A JP 2004152880A JP 2004152880 A JP2004152880 A JP 2004152880A JP 2005337516 A JP2005337516 A JP 2005337516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot water
water
fuel cell
heat exchanger
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004152880A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4253616B2 (ja
Inventor
Masaru Ogawa
賢 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Electric Power Co Inc
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Electric Power Co Inc filed Critical Kansai Electric Power Co Inc
Priority to JP2004152880A priority Critical patent/JP4253616B2/ja
Publication of JP2005337516A publication Critical patent/JP2005337516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4253616B2 publication Critical patent/JP4253616B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)

Abstract

【課題】 効率的でかつ経済的な自然冷媒ヒートポンプと燃料電池とのハイブリッド給湯システムを提供する。
【解決手段】 本システムは、気体のCO2をCO2圧縮機202で圧縮して熱交換器204に送り、熱交換器204で温度を下げたCO2を膨張タービン205で膨張させて液化し、この液化したCO2を蒸発器201で気化してCO2圧縮機202に送るサイクルを有し、貯湯槽301内に供給される水を熱交換器204で加熱して給湯可能とする自然冷媒ヒートポンプ2と、発電時に排熱を生じる燃料電池1とを備え、燃料電池1の排熱で、貯湯槽301内に供給される水を予熱するように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自然冷媒ヒートポンプと燃料電池とを備えたハイブリッド給湯システム及びその運転方法に関するものである。
近年、オゾン層保護の観点から、フロン等の人為的に合成された冷媒ではなく、CO2、水、空気、アンモニア、ハイドロカーボン等の自然界に存在する物質を冷媒(自然冷媒)として用いた熱システムが注目されている。そして、このような自然冷媒を使用したヒートポンプ(自然冷媒ヒートポンプ)の応用品、例えば家庭用や業務用のヒートポンプ給湯器が、既に多くの企業で商品化されて販売されている。
ヒートポンプは、運転中に電力を消費するが(通常の家庭の電力消費量は1.0〜1.5kW)、大気中の熱を取り込んでCO2の相変化に活用するものである。したがって、ヒートポンプは、使用する電力量と大気の熱の双方を給湯用エネルギとして使用でき、COP(給湯エネルギ/電力量エネルギ)は3となって、非常に経済的なシステムを構成することができる。
一方、燃料電池は、電気と熱を発生するコジェネレーション機器として、家庭用や業務用に固体高分子形燃料電池(PEFC)や固体電解質形燃料電池(SOFC)の導入が期待されている。これらの燃料電池は、都市ガス、LPGや灯油等を原料として水素等を製造し、水素ガス(固体電解質形燃料電池の場合はCOも発電に利用する。)と空気中の酸素とを電池スタックで化学反応させて発電するものである。発電効率は固体高分子形燃料電池で30〜40%、固体電解質形燃料電池で40〜50%である。
このようなヒートポンプと燃料電池とをハイブリッド化することに関しては、若干の先行例が存在する(例えば特許文献1〜3参照)。特許文献1には、吸収式ヒートポンプに燃料電池の蒸気排熱や温水排熱を吸収式ヒートポンプの再生器の熱源として使用する方法が開示されている。特許文献2には、自然冷媒ヒートポンプの蒸発部と燃料電池の冷却部、あるいは前者冷却供給部と後者放熱器を熱的に結合したシステムが開示されている。特許文献3には、ヒートポンプの運転に必要な電力を燃料電池から供給するように組み合わせたシステムにおいて、燃料電池からの排熱をヒートポンプの冷媒の加熱源に利用することと、冷房時等の組み合わせたシステムケーシングの冷却方法とが開示されている。
特開平6−101932号公報 特開2002−81792号公報 特開2002−228296号公報
しかし、上記従来技術におけるヒートポンプでは、いずれも安価な深夜電力を利用するために通常は深夜運転となり大きな貯湯槽が必要となる。例えば4人程度の家庭用の場合、350〜450リットル程度の貯湯槽が必要となり、その貯湯槽の設置スペースの確保が困難であった。
一方、燃料電池の排熱を利用して給湯する場合では、固体高分子形燃料電池の排熱は高くても60℃であり、家庭の給湯用として使用することはできるものの、冷房や業務用に使用するには温度が低すぎて有効利用ができない。固体電解質形燃料電池の場合は、高温動作のために蒸気や90℃程度の高温水が得られるものの、同時に40〜60℃程度の低温水も大量に発生する。蒸気や高温水は蒸気式や吸収式冷凍機で有効活用できるが、大量に発生する低温水の活用ができないといった問題があった。
本発明は、効率的でかつ経済的な燃料電池と自然冷媒ヒートポンプとのハイブリッド給湯システムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、気体の自然冷媒を圧縮機で圧縮して第1の熱交換器に送り、上記第1の熱交換器で温度を下げた自然冷媒を膨張タービンあるいは膨張弁で膨張させて液化し、この液化した自然冷媒を第2の熱交換器で気化して上記圧縮機に送るサイクルを有し、貯湯槽内に供給される水を上記第1の熱交換器で加熱して給湯可能とする自然冷媒ヒートポンプと、発電時に排熱を生じる燃料電池とを備えたハイブリッド給湯システムであって、上記燃料電池の排熱で、上記貯湯槽内に供給される水を予熱するように構成したことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明のように、上記燃料電池の燃焼排ガス流路中に上記第2の熱交換器を配置したこととしてもよい。
請求項3記載の発明のように、上記燃料電池の排熱で予熱された水を直接需要先へ給湯し、この予熱された水を上記貯湯槽の給湯戻り配管を経由して貯湯槽ヘ供給するように構成してもよい。
請求項4記載の発明のように、上記燃料電池は低温型燃料電池であり、上記燃料電池の排熱で予熱された水は、この燃料電池の電池冷却水であることとしてもよい。
請求項5記載の発明のように、上記燃料電池は高温型燃料電池であり、この燃料電池の燃焼排ガス流路中に配置された第3の熱交換器を備え、上記燃料電池の排熱で予熱された水は、上記第3の熱交換器で加熱された水であることとしてもよい。
請求項6記載の発明のように、上記燃料電池の燃焼排ガス流路における上記第3の熱交換器の上流側に配置され、上記第1の熱交換器で加熱された貯湯槽内の水をさらに加熱して汽水混合体とする第4の熱交換器と、この汽水混合体を汽水分離する汽水分離器とを備えてもよい。
請求項7記載の発明のように、上記燃料電池の燃焼排ガス流路における上記第3の熱交換器の上流側に配置され、上記第3の熱交換器で予熱された水を加熱する第5の熱交換器を備えてもよい。
請求項8記載の発明のように、上記貯湯槽内に供給される水を加圧する加圧装置と、上記燃料電池の燃焼排ガス流路における上記第3の熱交換器の上流側に配置され、上記加圧装置で加圧された状態で上記第1の熱交換器で加熱された貯湯槽内の水をさらに加熱して汽水混合体とする第6の熱交換器と、この汽水混合体を汽水分離する汽水分離器とを備えてもよい。
請求項9記載の発明のように、上記貯湯槽内に供給される水を加圧する加圧装置と、上記燃料電池の燃焼排ガス流路における上記第3の熱交換器の上流側に配置され、上記加圧装置で加圧された状態で上記第1の熱交換器で加熱された貯湯槽内の水をさらに加熱して高温水とする第7の熱交換器とを備えてもよい。
請求項10記載の発明のように、上記自然冷媒の流路中における膨張タービンあるいは膨張弁と第2の熱交換器との間に配置され、中間冷媒を冷却して冷熱とする第8の熱交換器と、この冷熱を蓄熱する冷熱蓄熱槽とを備えてもよい。
請求項11記載の発明のように、上記燃料電池の排熱で予熱された水と上記貯湯槽に貯湯された水とを混合して給湯する混合弁を備えてもよい。
請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載のハイブリッド給湯システムの運転方法において、電力負荷が所定値よりも低い時間帯に上記燃料電池で発生させた余剰電力を使用して上記自然冷媒ヒートポンプを運転し、上記貯湯槽内の水を昇温しておき、電力負荷が所定値よりも高い時間帯は上記自然冷媒ヒートポンプを停止させて、上記燃料電池の排熱で昇温させた水を直接需要先に供給することを特徴とするものである。
請求項1記載の発明によれば、燃料電池の排熱で予熱された水(低温水)を貯湯槽に貯湯しておき、深夜等に自然冷媒ヒートポンプを運転して上記低温水を高温水に変換して使用することができるために、ヒートポンプの運転時間や設備容量を減少できる。また昼間の給湯に必要な湯量は燃料電池から60℃程度の低温水を直接供給できる。
したがって、家庭用のシステムでは風呂等の短時間に大量に使用する湯量のみを貯湯すればよく、貯湯槽には高温水と低温水とが入っているために高温水がなくなっても低温水の供給ができて湯切れの心配がなくなる。このため、家庭用のシステムならば貯湯槽の容量は150〜200リットル程度でよく、従来の350〜450リットルもの大型貯湯槽を設置できない家庭でもシステムの導入が可能となる。
業務用のシステムとしては、燃料電池設備の容量を電力需要の最低負荷に近いものとし、深夜に発生する低温水を自然冷媒ヒートポンプで高温水に変換して、日中必要とする熱需要を貯蔵しておくことができる。このため、燃料電池を単独で設置するよりも、燃料電池設備を小型化することができるとともに、設備稼働率を高くすることができる。また、自然冷媒ヒートポンプを単独で設置すると、貯湯槽容量が大きくなり、湯切れが発生する可能性もあるが、本発明においてはこのような問題がなくなる。
ところで、通常の自然冷媒ヒートポンプでの自然冷媒の蒸発は大気熱を利用しているが、特に冬季は大気熱利用の蒸発器では十分な気化熱供給が困難となり、蒸発器の大型化や自然冷媒ヒートポンプ効率が低下する。この点、燃料電池の燃焼排ガスは温度変化が少なく、かつ安定して供給できる。そこで、請求項2記載の発明によれば、燃焼排ガスを利用して蒸発器(第2の熱交換器)に熱供給して自然冷媒を気化・昇温させることにより、気化性能の改善とともに蒸発器を小型化できる。
請求項3記載の発明によれば、燃料電池の排熱で予熱された水を直接需要先へ給湯し、この給湯の戻り水を貯湯槽に溜めて、自然冷媒ヒートポンプを運転する場合の熱交換器(第1の熱交換器)の給水温度を低くすることにより、ヒートポンプのCOPの低下を防止することができる。
請求項4記載の発明によれば、低温型燃料電池の排熱により発生する低温水を有効利用して、自然冷媒ヒートポンプのCOPの低下を防止することができる。なお、低温型燃料電池には、固体高分子形燃料電池、りん酸形燃料電池等を含む。
請求項5〜9記載の発明によれば、高温型燃料電池の燃焼排ガスにより発生する低温水を有効利用でき、さらに自然冷媒ヒートポンプで昇温させた貯湯槽からの高温水を上記燃焼排ガスで加熱することにより、吸収式冷凍機で使用できる蒸気量や高温水の生成量を多くさせて、冷暖房用途に適用可能となる。なお、高温型燃料電池には、固体電解質形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池等を含む。
請求項10記載の発明によれば、給湯用温水と冷房用冷熱とを同時に製造できるので、特に夏季におけるシステムの利便性と経済性が向上する。
請求項11記載の発明によれば、燃料電池からの低温水と自然冷媒ヒートポンプで昇温させた貯湯槽からの高温水を混合して給湯することにより、用途に応じた給水温度に調整することにより利便性が向上する。
請求項12記載の発明によれば、深夜等の熱負荷が低い時間帯に燃料電池と自然冷媒ヒートポンプとをハイブリッド化して運転し、電力需要を超える余剰発電電力を自然冷媒ヒートポンプの圧縮動力として活用する。これにより、燃料電池の低温水をヒートポンプで高温水にして貯湯することができ、深夜の電力負荷が増加するために、燃料電池の設置容量の増加と負荷率を向上でき、経済性を向上させることができる。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1にかかるハイブリッド給湯システムの全体構成を示す概念図、図2は燃料電池ユニットの部分構成を示す概念図である。
この実施形態1にかかるハイブリッド給湯システムは、基本的には図1に示すように、発電時に排熱を生じる燃料電池1と、自然冷媒の相変化に伴う発熱により貯湯槽301に供給される水を加熱して供給可能な自然冷媒ヒートポンプ2とから構成されている。
燃料電池1は、低温型燃料電池の一例としての固体高分子形燃料電池(PEFC)であって、図2に示すように、脱硫器101、熱交換器102、改質器103、熱交換器104、一酸化炭素変成器105、選択酸化器106、加湿器107、電池スタック108、低温水用熱交換器109、循環ポンプ110及び放熱器111を有し、これらは配管やダクト等で連結されている。
自然冷媒ヒートポンプ2は、図1に示すように、蒸発器(第2の熱交換器)201、CO2圧縮機(圧縮機)202、CO2圧縮機202を駆動する電動機203、熱交換器(第1の熱交換器)204及び膨張タービン205を有し、これらは自然冷媒としてのCO2が封入された循環管路で連結されている。CO2圧縮機202の電動機203には商用電力が供給されるようになっているが、膨張タービン205の発電機205aで発電した電力も、インバータ205bで商用電源と同じ周波数とされてその電動機203に供給されて優先的に使用されるようになっている。
そして、燃料電池1では、図2に示すように、都市ガス等の燃料(NG)が脱硫器101で付臭剤のイオウ分を除去される。イオウ分を除去された燃料は、熱交換器102を通ってから水蒸気と混合される。これにより、燃料は700〜800℃に加熱されて改質器103に送られ、改質器103内部で改質触媒の作用により水素、一酸化炭素、二酸化炭素の混合ガス(改質ガス)になる。この混合ガスは、熱交換器104で冷却されて一酸化炭素変成器105に入り、一酸化炭素変成触媒の作用により一酸化炭素成分は水素と二酸化炭素に変換されることにより、その一酸化炭素濃度は一定値(数%)以下になる。高分子形燃料電池の電池動作温度は60〜90℃程度であり、この温度では一酸化炭素のセル電極触媒への被毒性が大きいため、選択酸化器106を設けている。この選択酸化器106により改質ガス組成中の一酸化炭素濃度を10ppm以下にして、加湿器107でセル加湿用の水分を加える。水分を加えた改質ガスは、電池スタック106の燃料極108に送られる。
電池スタック108内では、改質ガス中の水素ガスの大部分は燃料極108aで触媒により水素イオンとなり、電解質108bを通って空気極108cに移動する。空気極108cでは空気中の酸素ガスが触媒により酸素イオンになり、燃料極108aから移動してきた水素イオンと反応して水を生成する。この際、電子が放出されて電池スタック108は発電する。一般に、燃料極108aでの水素利用率は70〜80%で、残りは余剰の燃排ガス(燃料極排ガスともいう。)として排出される。また、空気極108cでの空気中の酸素利用率は50〜60%で、残りは余剰の排空気(空気極排空気ともいう。)として排出される。通常、この余剰の燃料排ガスと排空気は改質器103のバーナ103aに導入され、改質器103の加熱用燃料として使用される。燃焼排ガスは、図1の自然冷媒ヒートポンプ2の蒸発器201へと導かれる。
電池スタック108での化学反応は発熱反応であるために、セルを一定温度に維持するために積層したセル間に冷却板108dが挿入され、冷却板108dには冷却水が流れる配管L1が配置されており、約80℃の電池冷却水が排出される。この電池冷却水は低温水用熱交換器109で冷却され、あるいは放熱器111で放熱された後に、循環ポンプ110で冷却板108dに戻して再使用される。
電池スタック108の冷却水温度は約80℃であるが、低温水用熱交換器109で熱交換されて得られる低温水の温度は約60℃となり、配管L2から図1に示す貯湯槽3へと導かれる。したがって、この給水分を補給する必要があり、このために低温水用熱交換器109には水道水補給用の配管L3が接続されている。
すなわち、電池スタック108の電池冷却水は、循環ポンプ110により冷却板108dに供給されて、セルから熱を奪い約80℃になって低温水用熱交換器109に入る。電池冷却水は、この低温水用熱交換器109内で配管L3から補給される水道水との熱交換を行い、冷却されて再び循環ポンプ110にいたる。放熱器111は低温水用熱交換器109での熱交換量が少ない場合に、電池スタック108へ戻る冷却水の温度を一定にするために電池冷却水を冷却するものである。
低温水用熱交換器109で約60℃に昇温された低温水は、配管L2を通り、弁V1を介して給湯用として供給される。また、貯湯槽301の配管L4を通して供給される高温水と混合弁V0で所定の温度に調整された温水として給湯配管L5から供給してもよい。貯湯槽301の高温水が使用されたときは、貯湯槽301の下部(あるいは中間部)から弁V2を介して低温水が供給される。
この際、自然冷媒ヒートポンプ2では、気体のCO2が配管L6を介してCO2圧縮機202に送られ、ここで圧縮されて約130℃の高温に加熱される。その後、熱交換器204で貯湯槽301から配管L7を通って供給される水を約90℃まで昇温し、CO2自身は60℃近くまで冷却される。このCO2はまだ高温であるために膨張タービン205で断熱膨張して低温・低圧ガスになる。低温CO2は蒸発器201で電池スタック108からダクトD1を介して供給される燃焼排ガスや空気中から熱を取り込み常温まで昇温されて気化される。この気化された常温の低圧CO2は再度CO2圧縮機202に送られて、高圧に圧縮される。
貯湯槽301に供給された低温水は自然冷媒ヒートポンプ2を運転しない限り、貯湯槽301の中に滞留する。自然冷媒ヒートポンプ2を運転すると、貯湯槽301の低温水は熱交換器204により約90℃に加熱されて貯湯槽301の上部に入る。そのようにして、貯湯槽301内で上部は約90℃の高温水、下部は60℃の低温水との混合層になり、貯湯槽301から必要に応じて給湯、風呂用の湯が供給され、下部から配管L2により低温水が補給される。
したがって、燃料電池1の電池スタック108からの60℃の低温水を貯湯槽301に溜めておき、深夜の電気料金が安い時間帯や高温水を必要とするときに自然冷媒ヒートポンプ2を運転して、低温水を約90℃の高温水に昇温して貯湯することができる。
ここで、自然冷媒ヒートポンプ2単独での運転の場合と、燃料電池1と自然冷媒ヒートポンプ2とをハイブリッド化した本システムの場合における、貯湯槽301内の高温水と低温水の割合を図3に示す。図3(a),(b)は自然冷媒ヒートポンプ2の単独運転の場合であり、この自然冷媒ヒートポンプ2の運転後は図3(b)のように高温水HWが満水となっているが、高温水WHをほとんど使いきってしまうと図3(a)のように常温の水(水道水)CWのみとなる。このため、さらに給湯をすると湯切れ状態となり、再度自然冷媒ヒートポンプ2の運転が必要となる。
図3(c),(d)は本システムの場合であって、燃料電池1の冷却低温水を貯湯槽301への給水として使用する。この場合には、高温水HWをほとんど使いきってしまったとしても、図3(c)のように貯湯槽301内には低温水LWが大量に残っており、さらに給湯が必要になってもこの低温水LWが供給されるために湯切れの心配がほとんどない。このため、自然冷媒ヒートポンプ2の単独運転の場合よりも貯湯槽301の容量を小さくすることが可能となる。
自然冷媒ヒートポンプ2の運転については、熱交換器204出口のCO2が自然冷媒ヒートポンプ2単独運転方式では水道水温度であるのに対して、本システムでは低温水温度相当となり40〜60℃になるものと予想される。このため、CO2の膨張方式として膨張弁を使用すると、低温水温度と水道水温度との温度差分が利用できなくなり、COPが減少することとなる。そこで、本システムでは、膨張タービン205を使用しており、この膨張タービン205を出た液化CO2の温度はマイナス温度まで低下するため、上記温度差分も電気エネルギとして回収して有効利用できるようになり、COPの減少を防止できる。
その一方で、膨張タービン205を使用すると、蒸発器201のCO2出口温度は非常に低くなり、冬季には大気中水蒸気が蒸発器201の伝熱表面で凍結して気化できなくなったり、大型の蒸発器が必要になったりする。しかし、運転中の高分子形燃料電池からは常時40〜50℃の大気温度よりも高い燃焼排ガスが排出されているので、ダクトD1を設けて大気とともに燃焼排ガスも気化熱源として使用できる。そこで、燃焼排ガスを自然冷媒ヒートポンプ2の蒸発器201の熱源として使用することにより、CO2の気化時の安定性向上や蒸発器201容量の小型化が可能となる。
自然冷媒ヒートポンプ2のCO2圧縮機202の運転電力としては、深夜は安価な深夜電力や燃料電池1で発電した余剰電力を使用するのが好ましく、深夜時間帯や電力負荷が低い時間帯に自然冷媒ヒートポンプ2の運転を行い、貯湯槽301の貯湯温度を高温にし、電力負荷が高い時間帯は自然冷媒ヒートポンプ2の運転は行わず、燃料電池1の排温水を直接需要先に供給するような運転制御をするのが好ましい。自然冷媒ヒートポンプ2の運転は、貯湯槽301の湯量が一定量まで減少すると、経済的な時間帯であれば自動運転される。このため、例えば貯湯槽301内に図示しない高温水の残量を示す水位センサを設けて、この水位センサの検出値に基づく水位制御を行うのが好ましい。
燃料電池1と自然冷媒ヒートポンプ2とのハイブリッドを解除して運転する場合は、図1の弁V2と貯湯槽301へ水道水を直接供給する配管L8を設けているので、この弁V2を閉止することにより、燃料電池1の低温水系統と自然冷媒ヒートポンプ2とは切り離される。そして、貯湯槽301の高温水が減少すれば、配管L8から水道水が補給される。その場合には、燃料電池1の低温水の貯湯はできなくなるので、燃料電池1の低温水の供給量を上回る熱需要がある場合に最適で、不足する熱は貯湯槽301から供給する。
以上説明したように、本実施形態1によれば、燃料電池1で発生する低温水を貯湯槽301に溜めておき、深夜等に自然冷媒ヒートポンプ2を運転してこの低温水を高温水に変換して使用することができるために、自然冷媒ヒートポンプ2の運転時間や設備容量を減少できる。また昼間の給湯に必要な湯量は、燃料電池1から60℃の温水を直接供給できる。
したがって、家庭用では風呂等の短時間に大量に使用する湯量のみを貯湯すればよく、貯湯槽301には高温水と低温水が入っているために高温水がなくなっても低温水の供給ができ湯切れの心配がなくなる。このため、家庭用ならば貯湯槽301の容量は150〜200リットルでよく、従来の350〜450リットルの大型貯湯槽を設置できない家庭でも導入が可能となる。
業務用としては、設置する燃料電池1の設備容量を電力需要の最低負荷に近い設備にし、深夜に発生する低温水を自然冷媒ヒートポンプ2で高温水に変換して、日中必要とする熱需要を貯蔵しておくことができる。このため、燃料電池1を単独で設置するよりも、燃料電池1の設備を小型化することができるとともに、設備稼働率を高くすることができる。また、自然冷媒ヒートポンプ2を単独で設置すると、上述したように貯湯槽301の容量が大きくなり、湯切れが発生する可能性もあるが、燃料電池1と自然冷媒ヒートポンプ2とをハイブリッド化した本システムにおいてはこのような問題がなくなる。
(実施形態2)
図4は本発明の実施形態2にかかるハイブリッド給湯システムの全体構成を示す概念図である。なお、上記実施形態1と共通する要素には同一番号を付してその説明を省略する。
このシステムは、基本的には上記実施形態1と同様の、燃料電池1と、自然冷媒ヒートポンプ2とから構成されている。ただし、上記実施形態1では、低温水は給湯のみの一方通行であるが、この実施形態2では、図4に示すように、低温水は給湯の送り配管L21と戻り配管L22に分かれている。すなわち、本実施形態2は、暖房のように熱は使用するが水は使用しないケースや、給湯温度の低下を防止する場合に使用されるものである。
そして、低温水用熱交換器109で昇温された低温水は、配管L21を通して暖房や給湯に供給される。暖房の戻り配管L22には給湯等で減量した水量相当を水道水補給用の配管L9から補給するとともに、戻り湯の一部は貯湯槽301で使用した高温水の補給水として貯湯槽301の下部から弁V2を介して給水される。その後、給湯ポンプ112により低温水用熱交換器109に戻りここで再度昇温される。本実施形態2では、実施形態1と同様に固体分子形燃料電池(PEFC)を使用した場合であっても、貯湯槽301の補給水温度が20〜30℃程度に低下している。このために、熱交換器204出口でのCO2温度が低くなり、膨張弁206を使用することができる。この膨張弁206に代えて、上記実施形態1と同様の、膨張タービン205を使用することもできる(後述する実施形態3〜6についても同様である)。
燃料電池1と自然冷媒ヒートポンプ2とのハイブリッドを解除して運転する場合には、図4の弁V2を閉止し、貯湯槽301へ直接水道水を供給する補給配管L10が使用される。
(実施形態3)
図5は本発明の実施形態3にかかるハイブリッド給湯システムの全体構成を示す概念図、図6は燃料電池ユニットの部分構成を示す概念図である。なお、上記実施形態1,2と共通する要素には同一番号を付してその説明を省略する。
このシステムは、基本的には図5に示すように、燃料電池1aと、自然冷媒ヒートポンプ2とから構成されている。燃料電池1aは、図6に示すように、高温型燃料電池の一例としての固体電解質形燃料電池(SOFC)であって、脱硫器151、予熱器152、電池スタック153、蒸気用熱交換器(第4の熱交換器)154、高温水用熱交換器(第5の熱交換器)155、低温水用熱交換器(第3の熱交換器)156を有し、これらは配管やダクトで連結されている。なお、自然冷媒ヒートポンプ2は、実施形態1,2と同様の構成である。
そして、都市ガス等の燃料(NG)は、図6に示すように、脱硫器151で付臭剤のイオウ分を除去して水蒸気を加えられ、予熱器152で予熱された上で、700〜1000℃の電池スタック153の内部で触媒の作用により水素、一酸化炭素、二酸化炭素に改質される。水素、一酸化炭素の大部分は燃料極153aでイオン化する。一方、空気極153bでは空気中の酸素がイオン化し、電解質153cを通して燃料極153aに移動する。ここで水素イオン、一酸化炭素イオン、酸素イオンが反応して水や二酸化炭素になるとともに、電気を発生する。一般に、燃料極153aでの水素利用率は70〜80%であって、残りは余剰として排出され、これを燃料極排ガスと呼ぶ。また、空気極153bでの空気中の酸素利用率は50〜60%で、残りは余剰として排出され、空気極排空気と呼ぶ。固体電解質形燃料電池の場合は、電池作動温度が高温であるために、燃料極排ガスと空気極排空気を電池スタック153の燃焼室153dで燃焼させて700〜1000℃の高温に維持している。燃焼室153dで燃焼したガスは燃焼排ガスと呼ばれ、熱交換器154,155,156により反応用の空気を昇温するとともに、蒸気、高温水や低温水の排熱を得ることができる。
図6に示す固体電解質形燃料電池の場合は、電池スタック153の燃焼室153dから出た高温燃焼排ガスは蒸気用熱交換器154、高温水用熱交換器155、低温水用熱交換器156を通過して熱交換され、燃焼排ガスとして自然冷媒ヒートポンプ2の蒸発器201に導かれる。
蒸気用熱交換器154には、汽水分離器157からの高温水が配管L31を介して供給され、ここで過熱された後、配管L32を介して汽水分離器157に戻る。圧力制御弁V31で汽水分離器157の圧力を制御して飽和蒸気を発生させる。また、蒸気発生により汽水分離器175内の水が不足してくるので、弁V32を開けることにより、貯湯槽301内からの水が配管L33を介して補給される。そして、汽水分離器157で発生した蒸気は、蒸気配管L34を通って需要設備や蒸気式吸収冷凍機等に供給される。
高温水用熱交換器155では、約80〜90℃の高温水を発生させ、配管L35を介して需要先へ供給する。低温水用熱交換器156では、40〜60℃程度の低温水を発生させ、配管L2を介して需要先に供給する。これら高温水、低温水は中期間等の熱利用がない場合には放熱器161で冷却して循環させる。
すなわち、固体電解質形燃料電池の場合は、電池スタック153が700〜1000℃の高温動作のために高温の燃焼排ガスを利用して蒸気用熱交換器154で蒸気が得られ、高温水用熱交換器155で90℃程度の高温水が得られ、低温水用熱交換器156で40〜60℃程度の低温水が得られる。蒸気や高温水はそのまま二重効用式吸収式冷凍機で冷房用に使用できる。この際、40〜60℃程度の低温水も多く発生するために、この低温水を自然冷媒ヒートポンプ2で高温水に変換して貯湯槽301に溜めておき、蒸気の補給水として利用することもできる。
固体電解質形燃料電池は最低負荷が50%と高いため深夜に生じる余剰電力の発生が多くなる。このため、深夜の燃料電池余剰電力や安価な深夜電力を利用してヒートポンプユニット200を運転しておき、貯湯槽301に高温水を貯湯しておき、蒸気を多く必要とする昼夜間により多くの蒸気を発生できる。
(実施形態4)
図7は本発明の実施形態4にかかるハイブリッド給湯システムの全体構成を示す概念図である。なお、上記実施形態1〜3と共通する要素には同一番号を付してその説明を省略する。
このシステムは、基本的には上記実施形態3と同様の、燃料電池1aと、ヒートポンプ2とから構成されている。ただし、上記実施形態2と同様に、低温水は給湯の送り配管L21と給湯の戻り配管L22に分かれており、暖房のように熱は使用するが水は使用しないケースや、給湯温度の低下を防止する場合に使用される。また、上記実施形態3における蒸気用熱交換器154と汽水分離器157とは省略している。
そして、低温水用熱交換器156を出た低温水は、配管L21を通して給湯や床暖房用に供給され、戻り配管L22から、貯湯槽301に低温水の一部が補給される。残り湯は再び低温水用熱交換器156に帰り、ここで加熱される。貯湯槽301には加圧ポンプ(加圧装置)164により低温水を加圧して補給する。加圧力としては特に制約はないが、通常は常圧から1MPa程度での間で選定する。この加圧水は20〜40℃程度の低温であり、自然冷媒ヒートポンプ2の熱交換器204で昇温されて加圧高温水となり再び貯湯槽301の上部に入る。自然冷媒ヒートポンプ2側の動作は従来のものと特に変らないが、熱交換器204で製造される加圧高温水は100℃以上に昇温しても蒸気にならないため、自然冷媒ヒートポンプ2のCO2圧縮機202出口の冷媒温度120℃をさらに高くして、熱交換器204出口の加圧高温水の温度を100℃以上にすることが可能である。
貯湯槽301を出た高温水は、高温水供給用の配管L41を通って高温水熱交換器(第7の熱交換器)155aに入り、より高い高温水に加熱されて高温水供給の配管L42を通して、吸収式冷凍機等に供給される。高温水は加圧ポンプ164により加圧されているので、高温水温度は吸収式冷凍の最適な動作温度である120℃程度に選定して使用することもできる。
したがって、この実施形態4の場合には、貯湯槽301からの高温水は、そのまま高温給水用の配管L43により需要先へ供給することが可能である。
(実施形態5)
図8は本発明の実施形態5にかかるハイブリッド給湯システムの全体構成を示す概念図である。
このシステムは、上記実施形態4において、高温水用熱交換器155aを省略して、上記実施形態3と同様の蒸気用熱交換器(第6の熱交換器)154aと汽水分離器157aとを設けたものである。
そして、上記実施形態4と同様に、貯湯槽301には加圧ポンプ(加圧装置)164により低温水を加圧して補給する。この加圧水は20〜40℃程度の低温であり、自然冷媒ヒートポンプ2の熱交換器204で昇温されて加圧高温水となり再び貯湯槽301の上部に入る。自然冷媒ヒートポンプ2側の動作は従来のものと特に変らないが、熱交換器204で製造される加圧高温水は100℃以上に昇温しても蒸気にならないため、自然冷媒ヒートポンプ2のCO2圧縮機202出口の冷媒温度120℃をさらに高くして、熱交換器204出口の加圧高温水の温度を100℃以上にすることが可能である。
蒸気用熱交換器154aには、汽水分離器157aからの高温水が配管L51を介して供給され、ここで加熱された後、配管L52を介して汽水分離器157に戻る。圧力制御弁V51で汽水分離器157aの圧力を制御して飽和蒸気を発生させる。また、蒸気発生により汽水分離器175a内の水が不足してくるので、弁V52を開けることにより、貯湯槽301内からの高温水が配管L33を介して補給される。そして、汽水分離器157aで発生した蒸気は、蒸気配管L34を通って需要設備や蒸気式吸収式冷凍機等に供給される。
したがって、この実施形態5の場合も、貯湯槽301からの高温水は、そのまま高温給水用の配管L43により需要先へ供給することが可能である。
(実施形態6)
図9は本発明の実施形態6にかかるハイブリッド給湯システムの全体構成を示す概念図である。本実施形態6は、冷熱利用と給湯利用の双方を行うものである。
このシステムは、基本的には燃料電池ユニット1と、自然冷媒ヒートポンプ2aとから構成されている。
自然冷媒ヒートポンプ2aは、図9に示すように、蒸発器201、CO2圧縮機202、CO2圧縮機202を駆動する電動機203、熱交換器204、膨張タービン205、熱交換器(第8の熱交換器)251を有し、これらは自然冷媒としてのCO2が封入された循環管路で連結されている。なお、燃料電池1は、実施形態1,2と同様の構成である。
そして、自然冷媒ヒートポンプ2の熱交換器204には配管L2の弁V61を閉じ、V62,V63を開けて燃料電池(形式は限定しない。)の低温水を通して高温自然冷媒の熱で昇温する。約90℃になった高温水は配管L2、弁V64を通って貯湯槽301の上部から入れて貯湯するか、そのまま混合弁V0を通して給湯用の配管L5に供給される。
自然冷媒ヒートポンプ2aが停止しているときは、弁V62,V63を閉じ、弁V61を開けて、低温水は弁V65を通して貯湯槽301の下部から給水する。
一方、膨張タービン205を出た低温のCO2は、配管L60を介して熱交換器251を通る中間冷媒としての水を冷却し、冷熱蓄熱槽351で冷水あるいは氷を蓄熱する。冷熱蓄熱槽351の冷熱は必要に応じ配管L61を介して需要先へと供給される。この供給により冷熱蓄熱槽351内の水位は低下するので、配管L62から水道水が補給される。
なお、上記実施形態1,2では、低温型燃料電池の一例として固体高分子形燃料電池(PEFC)について説明したが、その他の低温型燃料電池、例えばりん酸形燃料電池等であってもよい。また、上記実施形態3,4,5では、高温型燃料電池の一例として固体電解質形燃料電池(SOFC)について説明したが、その他の高温型燃料電池、例えば溶融炭酸塩形燃料電池等であってもよい。さらに、上記実施形態6では、低温型燃料電池と高温型燃料電池のいずれであってもよい。
また、上記実施形態3では、高温水用熱交換器155と、蒸気用熱交換器154及び汽水分離器157とを備えているが、高温水用熱交換器155のみ、或いは、蒸気用熱交換器154及び汽水分離器157を備えるようにしてもよい。この逆に、上記実施形態4では、高温水用熱交換器155aのみを備え、上記実施形態5では、蒸気用熱交換器154a及び汽水分離器157aのみを備えているが、高温水用熱交換器155aと、蒸気用熱交換器154a及び汽水分離器157aとを備えるようにしてもよい。
また、上記実施形態1〜6では、いずれも1台の燃料電池と1台の自然冷媒ヒートポンプとをハイブリッド化した例を説明したが、本発明では台数は特に限定しておらず、例えば複数台の燃料電池と1台の自然冷媒ヒートポンプとのハイブリッド化等であってもよい。
(補足説明)
本発明の有効性に関し、上記実施形態1を例にとって補足説明する。
図10に示す電力負荷で燃料電池を設置する場合、一日の電力負荷分布に対して、電力需要の最低負荷以下の燃料電池設備容量Aを設置して、常時定格負荷で運転するのが最も経済的である。
しかし、多くの家庭や業務用途では、深夜時間帯の最低電力負荷は、設置する燃料電池の最低負荷C(ここでは50%と想定した。)よりも低くなり、発電電力が電力需要よりも多くなり余剰電力Dが発生する時間帯が生じる。この余剰電力Dは、電力系統に逆潮流できないケースが多く、逆潮流しても売電価格はゼロ円に近くなる。このため、燃料電池1で発電したこの余剰電力Dを利用して、不足分は安価な深夜電力Fを購入して自然冷媒ヒートポンプ2の運転電力Eとして使用して熱を製造するのが経済性の面から好ましい。
この場合、一日の最低給湯負荷は図中の矢印Bの位置になるために、燃料電池1の最適設備容量はAからBと大きくなるとともに、一日を通した燃料電池発電負荷も平準化されるために設備利用率も向上することとなる。このため、深夜時間帯や電力負荷が低い時間帯に自然冷媒ヒートポンプ2の運転を行い、貯湯槽301の湯温を高温にしておき、電力負荷が高い時間帯は自然冷媒ヒートポンプ2の運転は行わず、燃料電池1の排温水を直接需要先に供給するような運転制御が好ましい。
自然冷媒ヒートポンプ2のみのシステムであれば、深夜電力を利用するために深夜に一日で使用する全量の温水を製造する必要があり、一般家庭でも370〜450リットルの大型貯湯槽を必要となり、貯湯槽が空になればしばらく湯が使えなくなる問題がある。
一方、固体高分子形燃料電池では、運転中は常時温水が発生するので貯湯槽301の容量は150〜200リットルと小型化するが、この貯湯槽301の湯温は60℃と低く、また、燃料電池1の負荷が低いときは十分な熱が発生しないために、深夜は最低負荷で運転していても湯の製造はできず、早朝に湯が使えない状態が発生する。このため、ガス給湯器との併用となり、不足する熱はガス給湯器を運転することになる。
しかし、燃料電池1と自然冷媒ヒートポンプ2とのハイブリッド化した本システムでは、深夜時間帯と昼間の低負荷時間帯にも自然冷媒ヒートポンプ2の運転を行えるために、午前と午後に熱製造を行え、貯湯槽301を小型化することが可能となるのみでなく、貯湯槽301の湯切れ時には自然冷媒ヒートポンプ2の運転を行うことにより即座に高温温水を供給可能となる。特に、燃料電池とガス給湯器との併用方式では燃料電池の余剰電力や燃焼排ガスの温度を活用できないが、燃料電池1と自然冷媒ヒートポンプ2とをハイブリッド化した本システムでは双方を有効活用できるためにより省エネルギな設備となる。
本発明の実施形態1にかかるハイブリッド給湯システムの全体構成を示す概念図である。 燃料電池の部分構成を示す概念図である。 燃料電池の運転と貯湯量との関係を示す説明図である。 本発明の実施形態2にかかるハイブリッド給湯システムの全体構成を示す概念図である。 燃料電池の部分構成を示す概念図である。 本発明の実施形態3にかかるハイブリッド給湯システムの全体構成を示す概念図である。 本発明の実施形態4にかかるハイブリッド給湯システムの全体構成を示す概念図である。 本発明の実施形態5にかかるハイブリッド給湯システムの全体構成を示す概念図である。 本発明の実施形態6にかかるハイブリッド給湯システムの全体構成を示す概念図である。 電力負荷と給湯負荷の時間変化を示す説明図である。
符号の説明
1,1a 燃料電池
108,153 電池スタック
109 低温水用熱交換器
154,154a 蒸気用熱交換器(第4,第6の熱交換器)
155,155a 高温水用熱交換器(第5,第7の熱交換器)
156 低温水用熱交換器(第3の熱交換器)
157,157a 汽水分離器
164 加圧ポンプ(加圧装置)
2,2a 自然冷媒ヒートポンプ
201 蒸発器(第1の熱交換器)
202 CO2圧縮機
303 電動機
204 熱交換器(第2の熱交換器)
205 膨張タービン
206 膨張弁
251 熱交換器(第8の熱交換器)
301 貯湯槽
351 冷熱蓄熱槽
V0 混合弁

Claims (12)

  1. 気体の自然冷媒を圧縮機で圧縮して第1の熱交換器に送り、上記第1の熱交換器で温度を下げた自然冷媒を膨張タービンあるいは膨張弁で膨張させて液化し、この液化した自然冷媒を第2の熱交換器で気化して上記圧縮機に送るサイクルを有し、貯湯槽内に供給される水を上記第1の熱交換器で加熱して給湯可能とする自然冷媒ヒートポンプと、発電時に排熱を生じる燃料電池とを備えたハイブリッド給湯システムであって、
    上記燃料電池の排熱で、上記貯湯槽内に供給される水を予熱するように構成したことを特徴とするハイブリッド給湯システム。
  2. 上記燃料電池の燃焼排ガス流路中に上記第2の熱交換器を配置したことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド給湯システム。
  3. 上記燃料電池の排熱で予熱された水を直接需要先へ給湯し、この予熱された水を上記貯湯槽の給湯戻り配管を経由して貯湯槽ヘ供給するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のハイブリッド給湯システム。
  4. 上記燃料電池は低温型燃料電池であり、上記燃料電池の排熱で予熱された水は、この燃料電池の電池冷却水であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド給湯システム。
  5. 上記燃料電池は高温型燃料電池であり、この燃料電池の燃焼排ガス流路中に配置された第3の熱交換器を備え、上記燃料電池の排熱で予熱された水は、上記第3の熱交換器で加熱された水であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド熱供給システム。
  6. 上記燃料電池の燃焼排ガス流路における上記第3の熱交換器の上流側に配置され、上記第1の熱交換器で加熱された貯湯槽内の水をさらに加熱して汽水混合体とする第4の熱交換器と、この汽水混合体を汽水分離する汽水分離器とを備えたことを特徴とする請求項5記載のハイブリッド給湯システム。
  7. 上記燃料電池の燃焼排ガス流路における上記第3の熱交換器の上流側に配置され、上記第3の熱交換器で予熱された水を加熱する第5の熱交換器を備えたことを特徴とする請求項5記載のハイブリッド給湯システム。
  8. 上記貯湯槽内に供給される水を加圧する加圧装置と、上記燃料電池の燃焼排ガス流路における上記第3の熱交換器の上流側に配置され、上記加圧装置で加圧された状態で上記第1の熱交換器で加熱された貯湯槽内の水をさらに加熱して汽水混合体とする第6の熱交換器と、この汽水混合体を汽水分離する汽水分離器とを備えたことを特徴とする請求項5記載のハイブリッド給湯システム。
  9. 上記貯湯槽内に供給される水を加圧する加圧装置と、上記燃料電池の燃焼排ガス流路における上記第3の熱交換器の上流側に配置され、上記加圧装置で加圧された状態で上記第1の熱交換器で加熱された貯湯槽内の水をさらに加熱して高温水とする第7の熱交換器とを備えたことを特徴とする請求項5記載のハイブリッド給湯システム。
  10. 上記自然冷媒の流路中における膨張タービンあるいは膨張弁と第2の熱交換器との間に配置され、中間冷媒を冷却して冷熱とする第8の熱交換器と、この冷熱を蓄熱する冷熱蓄熱槽とを備えたことを特徴とする請求項1項に記載のハイブリッド給湯システム。
  11. 上記燃料電池の排熱で予熱された水と上記貯湯槽に貯湯された水とを混合して給湯する混合弁を備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のハイブリッド給湯システム。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のハイブリッド給湯システムの運転方法において、
    電力負荷が所定値よりも低い時間帯に上記燃料電池で発生させた余剰電力を使用して上記自然冷媒ヒートポンプを運転し、上記貯湯槽内の水を昇温しておき、電力負荷が所定値よりも高い時間帯は上記自然冷媒ヒートポンプを停止させて、上記燃料電池の排熱で昇温させた水を直接需要先に供給することを特徴とするハイブリッド給湯システムの運転方法。
JP2004152880A 2004-05-24 2004-05-24 ハイブリッド給湯システム Expired - Fee Related JP4253616B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004152880A JP4253616B2 (ja) 2004-05-24 2004-05-24 ハイブリッド給湯システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004152880A JP4253616B2 (ja) 2004-05-24 2004-05-24 ハイブリッド給湯システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005337516A true JP2005337516A (ja) 2005-12-08
JP4253616B2 JP4253616B2 (ja) 2009-04-15

Family

ID=35491286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004152880A Expired - Fee Related JP4253616B2 (ja) 2004-05-24 2004-05-24 ハイブリッド給湯システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4253616B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007052633A1 (ja) * 2005-10-31 2007-05-10 Kyocera Corporation 燃料電池システム
JP2007207446A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Kyocera Corp 燃料電池発電システム
JP2007309580A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Osaka Gas Co Ltd 熱源システム
JP2009281648A (ja) * 2008-05-21 2009-12-03 Daikin Ind Ltd 暖房システム
JP2011210685A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Osaka Gas Co Ltd 燃料電池コジェネレーション装置
JP2012042105A (ja) * 2010-08-18 2012-03-01 Shimizu Corp ヒートポンプ給湯機及びヒートポンプ給湯機システム
JP2012107772A (ja) * 2010-11-15 2012-06-07 Tokyo Electric Power Co Inc:The 熱供給システム及びその制御方法
JP2012189233A (ja) * 2011-03-09 2012-10-04 Panasonic Corp 熱電併給システム
JP2014009901A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Daikin Ind Ltd ヒートポンプシステム
KR20150117214A (ko) * 2014-04-09 2015-10-19 에스펙 가부시키가이샤 이차 전지의 시험 장치
JPWO2014087636A1 (ja) * 2012-12-03 2017-01-05 日本電気株式会社 電子機器冷却システム
JP2018059644A (ja) * 2016-10-03 2018-04-12 東邦瓦斯株式会社 発電給湯システム及び発電給湯暖房システム
JP2019190763A (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 パーパス株式会社 給湯装置および方法
CN112555960A (zh) * 2020-11-27 2021-03-26 清华大学 双出水温度热力站
JPWO2020090112A1 (ja) * 2018-11-02 2021-06-10 三菱電機株式会社 空気調和装置
CN117790987A (zh) * 2024-02-27 2024-03-29 深圳市首航新能源股份有限公司 储能热管理系统及其控制方法

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8470484B2 (en) 2005-10-31 2013-06-25 Kyocera Corporation Fuel cell system
WO2007052633A1 (ja) * 2005-10-31 2007-05-10 Kyocera Corporation 燃料電池システム
JP2007207446A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Kyocera Corp 燃料電池発電システム
JP2007309580A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Osaka Gas Co Ltd 熱源システム
JP2009281648A (ja) * 2008-05-21 2009-12-03 Daikin Ind Ltd 暖房システム
JP2011210685A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Osaka Gas Co Ltd 燃料電池コジェネレーション装置
JP2012042105A (ja) * 2010-08-18 2012-03-01 Shimizu Corp ヒートポンプ給湯機及びヒートポンプ給湯機システム
JP2012107772A (ja) * 2010-11-15 2012-06-07 Tokyo Electric Power Co Inc:The 熱供給システム及びその制御方法
JP2012189233A (ja) * 2011-03-09 2012-10-04 Panasonic Corp 熱電併給システム
JP2014009901A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Daikin Ind Ltd ヒートポンプシステム
JPWO2014087636A1 (ja) * 2012-12-03 2017-01-05 日本電気株式会社 電子機器冷却システム
KR20150117214A (ko) * 2014-04-09 2015-10-19 에스펙 가부시키가이샤 이차 전지의 시험 장치
KR101719410B1 (ko) * 2014-04-09 2017-03-23 에스펙 가부시키가이샤 이차 전지의 시험 장치
KR101815803B1 (ko) * 2014-04-09 2018-01-05 에스펙 가부시키가이샤 이차 전지의 시험 장치
JP2018059644A (ja) * 2016-10-03 2018-04-12 東邦瓦斯株式会社 発電給湯システム及び発電給湯暖房システム
JP2019190763A (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 パーパス株式会社 給湯装置および方法
JP7049652B2 (ja) 2018-04-26 2022-04-07 パーパス株式会社 給湯装置および方法
JPWO2020090112A1 (ja) * 2018-11-02 2021-06-10 三菱電機株式会社 空気調和装置
CN112555960A (zh) * 2020-11-27 2021-03-26 清华大学 双出水温度热力站
CN117790987A (zh) * 2024-02-27 2024-03-29 深圳市首航新能源股份有限公司 储能热管理系统及其控制方法
CN117790987B (zh) * 2024-02-27 2024-05-28 深圳市首航新能源股份有限公司 储能热管理系统及其控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4253616B2 (ja) 2009-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Nguyen et al. Proton exchange membrane fuel cells heat recovery opportunities for combined heating/cooling and power applications
JP4253616B2 (ja) ハイブリッド給湯システム
EP2755269B1 (en) Cogeneration system
US20120125029A1 (en) Modular multi-energy thermodynamic device
KR101843380B1 (ko) 냉난방 장치
US8011598B2 (en) SOFC power system with A/C system and heat pump for stationary and transportation applications
KR20130129515A (ko) 연료전지탑재 선박의 열 순환 시스템
JP2015022864A (ja) 燃料電池システム
EP1892493A1 (en) Fuel cell system
JP4883654B2 (ja) 発電システム及びその制御方法
JPH1197044A (ja) 燃料電池給湯コジェネレーションシステム
JP2013229203A (ja) 固体酸化物形燃料電池システム
JP5647956B2 (ja) エネルギー供給システム
Bendaikha et al. Feasibility study of hybrid fuel cell and geothermal heat pump used for air conditioning in Algeria
JP2006073416A (ja) 吸収式冷凍機複合型燃料電池システム
JP4649090B2 (ja) 燃料電池発電システム
JP3956208B2 (ja) 燃料電池発電システムとその運転方法
JP2002203584A (ja) 燃料電池システム
JP2004139914A (ja) 燃料電池発電・給湯システム
JP2004111209A (ja) 燃料電池発電システム
Cao et al. Performance evaluation of an energy recovery system for fuel reforming of PEM fuel cell power plants
JP2002242694A (ja) エネルギー貯蔵型ガスタービン発電装置
JP2010181063A (ja) 熱電併給システム
WO2019030831A1 (ja) 燃料電池システム
JP2000073862A (ja) エネルギ供給装置およびエネルギ供給システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090120

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees