JP2005337256A - ロータブレード - Google Patents
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Abstract
【課題】 エアフォイルの所望の冷却を促進してブレードの耐久性を向上させる内部通路構造体を有するエアフォイルを提供する。
【解決手段】
根部と中空のエアフォイルとを含むロータブレードが提供される。中空のエアフォイルは、キャビティ、前縁、および先端部を有する。内部通路構造体(40)が、キャビティ内に配置され、この内部通路構造体は、第1の径方向通路(92)と、第2の径方向通路(94)と、これらの通路の間に配置されたリブ(96)と、を含む。これらの通路とリブとは、先端壁(98)に隣接している。第1の径方向通路は、前縁に隣接して配置される。複数のクロスオーバ孔(74)が、リブに設けられている。クロスオーバ孔の1つ(100)が、先端壁と面一に設けられている。管路が根部内に配置されており、この管路は、該根部を通って上記の通路に空気流を流入させることができる。
【選択図】 図6
【解決手段】
根部と中空のエアフォイルとを含むロータブレードが提供される。中空のエアフォイルは、キャビティ、前縁、および先端部を有する。内部通路構造体(40)が、キャビティ内に配置され、この内部通路構造体は、第1の径方向通路(92)と、第2の径方向通路(94)と、これらの通路の間に配置されたリブ(96)と、を含む。これらの通路とリブとは、先端壁(98)に隣接している。第1の径方向通路は、前縁に隣接して配置される。複数のクロスオーバ孔(74)が、リブに設けられている。クロスオーバ孔の1つ(100)が、先端壁と面一に設けられている。管路が根部内に配置されており、この管路は、該根部を通って上記の通路に空気流を流入させることができる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、主に、ガスタービンのロータブレードに関し、特に、冷却されたガスタービンのロータブレードに関する。
軸流タービンエンジンのタービンセクションは、回転ディスクとこのディスクの周囲に周方向に配置された複数のロータブレードをそれぞれ含むロータアセンブリを有する。ロータブレードは、エンジンを通るガス流路内に配置されるエアフォイル部を備える。ガス流路内の温度は、エアフォイルの耐久性に悪影響を及ぼす場合が多いので、エアフォイルに冷却空気を通過させてエアフォイルを冷却することが知られている。冷却空気は、エアフォイル材料の温度を減少させて、その耐久性を向上させる。
従来技術の冷却されたロータブレードは、多くの場合、前縁通路10aを含む内部通路構造体を利用し、この前縁通路10aは、先端部の近傍で終端となっているか(図7参照)、もしくは後縁の前方で終端となる軸方向に延びる通路に接続されている。このような全ての内部通路構造体は、内部対流冷却を阻害する空気流のよどみ領域すなわち比較的低い流速の領域を有する。これらの冷却効率が低い領域に隣接するエアフォイル壁領域は、一般にエアフォイルの他の領域よりも高温であり、望ましくない酸化、機械的熱疲労(TMF)、クリープ、および浸食を生じやすい。
従って、エアフォイルの所望の冷却を促進してブレードの耐久性を向上させる内部通路構造体を有するエアフォイルが求められている。
本発明によれは、根部と中空のエアフォイルとを含むロータブレードが提供される。中空のエアフォイルは、キャビティ、前縁、および先端部を有する。内部通路構造体が、キャビティ内に配置され、この内部通路構造体は、第1の径方向通路と、第2の径方向通路と、これらの通路の間に配置されたリブと、を含む。これらの通路とリブとは、先端壁に隣接している。第1の径方向通路は、前縁に隣接して配置される。複数のクロスオーバ孔が、リブに設けられている。クロスオーバ孔の1つが、先端壁と面一に設けられている。管路が根部内に配置されており、この管路は、該根部を通って上記の通路に空気流を流入させることができる。
いくつかの実施例では、孔が第1の径方向通路と整列して先端壁に設けられる。
本発明のロータブレードの1つの利点は、先端部の近傍における径方向通路内の空気流のよどみ領域が減少するかまたはなくなることである。他の利点は、従来技術の多くの内部通路構造体に比べて先端壁の対流冷却が改善されることである。先端壁と面一に配置されたクロスオーバ孔により、前縁の径方向通路の径方向端部内に冷却空気が通過可能になる。これにより、従来技術の一端が閉じた径方向通路14aに典型的に存在する望ましくないよどみ領域12a(図7参照)がなくなる。面一のクロスオーバ孔に冷却空気を供給するキャビティの一端が閉じておらず、(軸方向に延びるキャビティまたは後方に流れる蛇行通路などの)他のキャビティを供給している場合には、従来技術における典型的なよどみ/再循環領域16a(図7参照)もなくなる。さらに、面一のクロスオーバ孔を通過する冷却空気流は、先端壁の対流冷却を改善する。よって、エアフォイルの先端部は、酸化、機械的熱疲労、クリープ、および浸食に対してより大きい耐性を有して高温環境に対応可能となる。
前縁の近傍において、第1の径方向通路と整列して先端壁に孔が設けられた本発明の実施例では、追加の利点が提供される。この孔は、第1の径方向通路から出る冷却空気の経路を提供し、第1の径方向通路内のよどみ領域をなくすことを容易にする。第1の径方向通路、前縁、および先端部に対する孔の位置により、従来より冷却が問題であったエアフォイル領域が冷却可能となる。また、第1の径方向通路の径方向端部における孔の位置により、孔がデブリパージとしても機能することが可能となる。冷却空気に含まれるか、またはエアフォイル内の面から剥がれたデブリは、ブレードが回転するに従って遠心力によって外向きに押し出される。第1の径方向通路の径方向端部に設けられた孔は、デブリを受け入れてエアフォイルの外部に通過させるように配置される。
本発明の上述およびその他の目的、特徴、および利点は、添付図面に示した本発明の好適実施例の詳細な説明により明らかになる。
図1には、ディスク12と複数のロータブレード14を有するガスタービンエンジン用のロータブレードアセンブリ10が示されている。ディスク12は、ディスク12の周囲に周方向に配置された複数のリセス16と、回転中心線18と、を含み、回転中心線18を中心に回転可能となっている。各々のブレード14は、根部20、エアフォイル22、プラットフォーム24、および径方向中心線25を含む。根部20は、ディスク12の1つのリセス16の形状に嵌合する形状(もみの木形状)を有する。図2〜図5に示すように、根部20は、さらに管路26を含み、この管路を通して冷却空気が根部20に流入してエアフォイル22へと通過可能となっている。
図1〜図5を参照すると、エアフォイル22は、基部28、先端部30、前縁32、後縁34、正圧壁36(図1参照)、負圧壁38(図1参照)、および内部通路構造体40を含む。図2〜図5は、前縁32と後縁34とを通る線に沿った断面を示している。正圧壁36と負圧壁38とは、基部28と先端部30との間に延在するとともに前縁32と後縁34とで接合される。
内部通路構造体40は、根部20を通ってエアフォイル22内に延びる第1の管路42、第2の管路44、および第3の管路46を含む。第1の管路42は、前縁32に隣接して配置された1つまたは複数の前縁通路48(“LE通路”)と流体的に連通している。第1の管路42は、これらのLE通路48への冷却空気の主な経路を提供するので、前縁32は第1の管路42を通してエアフォイル22に流入する冷却空気によって主に冷却される。
図2を参照すると、1つまたは複数のLE通路48の第1の実施例では、第1の管路42は単一のLE通路50と流体的に連通しており、この通路50は前縁32に隣接している。LE通路50の径方向外側端部(すなわち、第1の管路42の反対側におけるLE通路50の端部)では、LE通路50は軸方向に延びる通路52(“AE通路”)と接続されており、このAE通路は、エアフォイル22の先端部30に隣接してLE通路50とエアフォイル22の後縁34との間に延びている。図2に示すように、通路50,52の間の移行部における断面積は、通路50,52内の隣接する領域とほぼ同じであるかこれよりも大きい。従って、移行部内では、断面積の減少によって流れが妨げられない。LE通路50は、前縁に沿って配置された複数の冷却孔54を通してエアフォイル22の外部と連通している。
図3を参照すると、1つまたは複数のLE通路48の第2の実施例では、第1の管路は第1のLE通路56および第2のLE通路58と流体的に連通している。第1のLE通路56は前縁32に隣接し、第2のLE通路58は第1のLE通路56のすぐ後方でこれに隣接する。第1のLE通路56は、前縁32に沿って配置された複数の冷却孔54を通してエアフォイル22の外部と連通している。いくつかの実施例では、第1のLE通路56は、1つまたは複数の孔62によって先端部30または先端ポケット60と連通している。第2のLE通路58の径方向外側端部(すなわち、第1の管路42の反対側における第2のLE通路58の端部)では、第2のLE通路58は、エアフォイル22の先端部30に隣接してエアフォイル22の後縁34まで延びるAE通路52と接続されている。図3に示すように、通路58,52の間の移行部における断面積は、通路58,52内の隣接する領域とほぼ同じであるかこれよりも大きい。従って、移行部内では、断面積の減少によって流れが妨げられない。
図4を参照すると、1つまたは複数のLE通路48の第3の実施例では、第1の管路42は第1のLE通路64および第2のLE通路66と流体的に連通している。第1のLE通路64は前縁32に隣接し、第2のLE通路66は第1のLE通路64のすぐ後方でこれに隣接する。第1のLE通路64は、前縁32に沿って配置された複数の冷却孔54を通してエアフォイル22の外部と連通している。第1のLE通路64の径方向外側端部(第1の管路42の反対側における第1のLE通路64の端部)では、第1のLE通路64は、エアフォイル22の先端部30に隣接してエアフォイル22の後縁34まで延びるAE通路52に接続されている。図4に示すように、通路64,52の間の移行部における断面積は、通路64,52内の隣接する領域とほぼ同じであるかこれよりも大きい。従って、移行部内では、断面積の減少によって流れが妨げられない。第2のLE通路66は、AE通路52の径方向下側で終端となっている。AE通路52と第2のLE通路66との間のリブに配置された1つまたは複数の孔68が、これらの通路の間で空気流の通過を可能にする。
図5を参照すると、1つまたは複数のLE通路48の第4の実施例では、第1の管路42は、単一のLE通路70と流体的に連通している。1つまたは複数のキャビティ72が、LE通路70の前方に設けられているとともに、複数のクロスオーバ孔74を通してLE通路70と連通している。1つまたは複数のキャビティ72は、前縁32に隣接する。また、1つまたは複数のキャビティ72は、前縁32に沿って配置された複数の冷却孔によってエアフォイル22の外部と連通している。いくつかの実施例では、キャビティ72(または複数のキャビティがあれば最も径方向外側のキャビティ)は、1つまたは複数の孔76によって先端部30または先端ポケット60と連通している。LE通路70の径方向外側端部(すなわち、第1の管路42の反対側におけるLE通路70の端部)では、LE通路70は、エアフォイル22の先端部30に隣接してエアフォイル22の後縁34まで延びるAE通路52に接続されている。図5に示すように、通路70,52の間の移行部における断面積は、通路70,52内の隣接する領域とほぼ同じであるかこれよりも大きい。従って、移行部内では、断面積の減少によって流れが妨げられない。
図6を参照すると、図3および図5のような内部通路構造体の好適実施例では、内部通路構造体40は、(例えば、図3の第1のLE通路56、または図5のキャビティ72などの)第1の径方向通路92、(例えば、図3の第2のLE通路58、または図5のLE通路70などの)第2の径方向通路94、およびこれらの通路の間に配置されたリブ96を含む。第1の径方向通路92、第2の径方向通路94、およびリブ96は、先端壁98に隣接する。リブ96には複数のクロスオーバ孔74が配置されており、これらのクロスオーバ孔には先端壁98と面一に設けられたクロスオーバ孔100が含まれる。上述したように、いくつかの実施例では孔62,76が第1の径方向通路の径方向端部に設けられる。この内部通路構造体の好適実施例は、図3,図5に示す内部通路構造体に限定されない。
図2〜図5を参照すると、第2の管路44は、エアフォイル22の中間部領域においてLE通路のすぐ後方に配置された蛇行通路78と流体的に連通している。第2の管路44は、蛇行通路78への冷却空気の主な経路を提供するので、中間部領域は第2の管路44を通してエアフォイル22に流入する冷却空気によって主に冷却される。蛇行通路78は、奇数個の径方向セグメント80を有し、その個数は1つよりも大きく、例えば、3つまたは5つなどである。奇数個の径方向セグメント80を設けることで、蛇行通路78の最後の径方向セグメント82が、確実にAE通路52に隣接して終端となる。“最後の径方向セグメント”は、蛇行通路に沿って冷却空気を受け入れることができる蛇行流路の最後のセグメントとして定義される。径方向セグメント80は、約180°の湾曲部で互いに接続されており、例えば、第1の径方向セグメントは第2の径方向セグメントと180°の湾曲部で接続されており、第2の径方向セグメントは第3の径方向セグメントと180°の湾曲部で接続されている。図2〜図5に示した蛇行通路78は、蛇行通路78を通る経路が冷却空気を前方、すなわちエアフォイル22の前縁32に向かって導くように方向づけられている。他の実施例では、蛇行通路78は、冷却空気を後方すなわちエアフォイル22の後縁34に向かって導くように方向づけてもよい。いくつかの実施例では、典型的には1つまたは複数の冷却孔の形態である冷却空気吸込部(sink)84が、最後のセグメント82の外側壁(例えば負圧壁)に配置されており、エアフォイル22からの冷却空気流の流出を可能にする寸法となっている。好適実施例では、これらの1つまたは複数の冷却孔はフィルム孔である。さらに、1つまたは複数の孔85が、最後の径方向セグメント82とAE通路とを分離するリブを通って延び、これらの通路の間の流体的連通を可能にしている。
第3の管路46は、蛇行通路78とエアフォイル22の後縁34との間に配置された1つまたは複数の通路86と流体的に連通している。第3の管路46は、エアフォイル22の先端部に隣接する後縁34部分を除く後縁34への冷却空気の主な流路を提供するので、後縁34は第3の管路46を通してエアフォイル22に流入する冷却空気によって主に冷却される。上述したように、エアフォイル22の先端部30に隣接する後縁34部分は、AE通路52を通る冷却空気によって冷却される。
AE通路52は、後縁34に隣接して、断面積が減少するテーパ状のセグメント88を含む。断面積の減少率は、AE通路52から流出する冷却空気流を絞るように選択される。断面積の特定の減少率は、個々の用途に適するように選択される。
図2〜図5に示す実施例では、LE通路とAE通路52との間の移行部は、冷却空気がLE通路とAE通路52との間で移動するときの圧力損失が最小となるように最適化された約90°の湾曲部である。例えば、LE通路50,58,64,70は、湾曲部に接近するに従って幅が増加する。これにより、湾曲部の内側の境界90が90°よりも大きい角度を成す。このような鈍角により、冷却空気流の流れの通過が容易になり、90°の湾曲部を有する同様の流路に比べて圧力損失が少なくなる。
上述の全ての通路は、特定の通路における熱伝達を容易にするために1つまたは複数の冷却孔および/または(トリップストリップ、ペデスタル、ピンフィンなどの)冷却特徴部を含みうる。冷却孔および/または冷却特徴部の厳密な種類は、用途によって変更可能であり、複数の種類が使用可能である。本発明は、種々の異なる種類の冷却孔および冷却特徴部とともに使用可能であり、特定の種類のものに限定されない。
いくつかの実施例は、AE通路52の径方向外側に配置された先端ポケット60をさらに含む。先端ポケット60は、エアフォイル22の外部に対して開口している。1つまたは複数の孔が、先端ポケット60とLE通路および/またはAE通路52との間に配置されたエアフォイル22の壁部分を貫通している。
上述のロータブレード14は、エアフォイル22内の冷却通路の形成にセラミックコアを使用する鋳造プロセスで製造可能である。セラミックコアは、冷却孔やトリップストリップなどの細部を通路内に形成することができる点で有利である。しかし、当業者であれば分かるように、セラミックコアの脆性によりその使用は困難である。上述のロータブレードの内部通路構造体40は、セラミックコアの耐久性を向上させる特徴部を含むことで鋳造プロセスを容易にする。例えば、第1および第2のLE通路の実施例では、先端ポケット60からAE通路52を通って蛇行流路78内に延在するロッドが使用可能である。このロッドは、1)先端ポケット60を形成するコア部分、2)AE通路52を形成するコア部分、および3)蛇行通路78を形成するコア部分を支持する。ロッドは、セラミックコアの除去と同時に除去されて、先端ポケット60とAE通路52との間、およびAE通路52と蛇行通路78との間に孔を残す。コア部分の間にコア連結部(core−ties)を使用してもよい。
セラミックコアの耐久性を向上させる本発明の内部通路構造体の他の特徴は、エアフォイル22の先端部30に隣接するAE通路52である。通路52を後縁34まで延長することで、通路52と後縁34とのコア部分が、エアフォイル22の外部に配置されたストリンガによって互いに連結可能になる。(例えば、蛇行通路78の1つまたは複数のセグメントである)内部冷却通路に相当するコア部分も、ロッドまたはコア連結部を介してAE通路52によって支持可能である。
本発明の動作では、ロータブレード14のエアフォイル22部分が、タービンエンジンのコアガス流路内に配置される。エアフォイル22は、エアフォイル22を通過する高温のコアガスにさらされる。コアガスよりもかなり低温の冷却空気が、根部20に配置された管路42,44,46を通してエアフォイル22内に供給される。
第1の管路42を通って移動する冷却空気は、前縁32に隣接して配置された1つまたは複数のLE通路48に直接流入し、続いて、エアフォイル22の先端部30に隣接するAE通路に流入する。比較的大きく、かつさえぎられていないLE通路48は、前縁32に所望の冷却量を提供し、なお先端部30および蛇行通路78の一部などのエアフォイル22の他の領域を適切に冷却することができる十分な熱伝達容量を有する体積流量を可能にする。厳密な経路は特定のLE通路48の実施例によって決まるが、第1の管路42は、これらのLE通路48への冷却空気の主な経路を提供する。
第1の管路42を通って第1の実施例の1つまたは複数のLE通路48に流入する冷却空気は、比較的低い圧力損失を受けて比較的高い圧力および速度でAE通路52に流入する。1つまたは複数のLE通路48の第1の実施例は、前縁32に隣接する単一の通路50なので、冷却空気は、前縁32、正圧壁36、および負圧壁38から熱伝達を受ける。この実施例では、AE通路52は、エアフォイル22の翼弦全体にわたって延びる。
第1の管路42を通って第2の実施例の1つまたは複数のLE通路48に流入する冷却空気は、第1のLE通路56と第2のLE通路58とに分配される。第1のLE通路56に流入する冷却空気は、前縁32に隣接して移動して、前縁32、正圧壁36、および負圧壁38から熱伝達を受ける。第1のLE通路56を通る冷却空気は、前縁32の径方向長さに沿って配置された冷却孔54から流出するとともに、通路56の径方向端部と先端部30(または先端ポケット60)との間に配置された1つまたは複数の冷却孔62を通って流出する。径方向端部に配置された孔62は、第1のLE通路56における冷却空気流のよどみを防止する。第2のLE通路58を通る冷却空気は、比較的低い圧力損失を受けて比較的高い圧力および速度でAE通路52に流入する。第2のLE通路58は第1のLE通路56(そして前縁32)の後方に位置するので、第2のLE通路58を通る冷却空気が、前縁32から受ける熱伝達は比較的少ない。これにより、冷却空気は、前縁32と接触する場合よりも一般に低い温度でAE通路52に達する。この実施例では、AE通路52は、エアフォイル22のほぼ翼弦全体にわたって延びる。
第1の管路42を通って第3の実施例の1つまたは複数のLE通路48に流入する冷却空気は、第1のLE通路64と第2のLE通路66とに分配される。第1のLE通路64に流入する空気は、比較的低い圧力損失を受けて比較的高い圧力および速度でAE通路52に流入する。第2のLE通路66に流入する冷却空気は、径方向端部に達するまで実質的に妨げられずに同様に流れる。冷却空気は、第2のLE通路66とAE通路52とを分離するリブに配置された1つまたは複数の冷却孔68またはエアフォイル22の壁に配置された冷却孔を通して第2のLE通路から流出することができる。径方向端部に配置された孔68は、第2のLE通路66における冷却空気流のよどみを防止する。この実施例では、AE通路52は、エアフォイル22の翼弦全体にわたって延びる。
第1の管路42を通って第4の実施例の1つまたは複数のLE通路48に流入する冷却空気は、比較的低い圧力損失を受けて比較的高い圧力および速度でAE通路52に流入する。LE通路48を通る冷却空気の一部は、LE通路70と前縁32との間に配置されたキャビティに流入する。キャビティ72を通る冷却空気は、前縁32の径方向長さに沿って配置された冷却孔54およびキャビティ72と先端部30(または先端ポケット60)の間に配置された1つまたは複数の冷却孔76を通って流出する。径方向端部に設けられた孔76は、キャビティ72内における冷却空気のよどみを防止する。LE通路70はキャビティ72(そして前縁32)の後方にあるので、LE通路70を通る冷却空気が前縁32から受ける熱伝達は比較的少ない。これにより、冷却空気は、前縁32と接触する場合よりも一般に低い温度でAE通路52に達する。
図6に示す内部通路構造体の好適実施例では、(図3の第2のLE通路58、または図5のLE通路70などの)第2の径方向通路94を通過する冷却空気の一部が、リブ96に配置されたクロスオーバ孔74を介して第2の径方向通路94から流出して(図3の第1のLE通路56、または図5のキャビティ72などの)第1の径方向通路92に流入する。面一に設けられたクロスオーバ孔100を通過する冷却空気は、先端壁98の表面に沿って流れて所望の対流冷却を提供する。面一に設けられたクロスオーバ孔100を通って第1の径方向通路92に流入する冷却空気は、第1の径方向通路92における先端壁98の近傍および第2の径方向通路94における先端壁98の近傍のよどみ/再循環領域(図7の流れ12a,16a参照)をなくすのを助ける。第1の径方向通路92の径方向端部に孔62,76が設けられた実施例では、これらの孔62,76を介して流出する冷却空気も、第1の径方向通路92における望ましくないよどみ/再循環領域をなくすのを助ける。また、これらの孔62,76は、(泥などの)異物がエアフォイルから流出する経路を与えて、先端壁98に隣接する通路の領域が塞がるおそれを減少させる。さらに、これらの実施例は、従来技術では一般に酸化などの影響を受けやすい先端部30に隣接する前縁部分102の近傍における局部的な熱伝達を増加させる。
上述の全ての実施例では、一般に、AE通路52を通る冷却空気の一部が、例えば、先端部30および/または先端部キャビティとAE通路との間に延びる冷却孔などの冷却孔を介してAE通路52から流出する。本発明の内部通路構造体、特に、翼弦の長さまたはほぼ翼弦の長さにわたって延びるAE通路52によって提供される利点は、径方向セグメントを分離するリブに妨げられることなく、先端部30に冷却孔を穿孔することができるのでエアフォイル22の製造性が増すことである。
第2の管路44を通る冷却空気は、P1で蛇行通路78に流入する。冷却空気は、各々の径方向セグメント80および180°の湾曲部を通過する。通路78に流入する冷却空気の一部は、エアフォイル22の壁に配置された冷却孔を介して通路78から流出する。蛇行通路78に流入する冷却空気の残りの部分は、通路78の最後の径方向セグメント82に流入する。本発明の内部通路構造体では、最後の径方向セグメント82に達する冷却空気の圧力は、(例えば、蛇行通路78内で生じる水頭損失により)典型的にAE通路52の隣接する領域における冷却空気の圧力P2よりも低い圧力P3であり、ここでP1>P2>P3である。このような場合には、冷却空気は、最後の径方向セグメント82とAE通路52との間に延びる1つまたは複数の孔85を介して、AE通路52から最後の径方向セグメント82に流入する(P2>P3)。AE通路52からの流入空気に対応するように、エアフォイル22の外に冷却空気流を流出させる寸法の(例えば、フィルム孔などの)冷却空気吸込部84が最後のセグメントの(例えば、負圧壁38である)外側壁に配置される。冷却空気吸込部84は、蛇行通路78の最後の径方向セグメント82における望ましくない流れのよどみを防止する。蛇行通路78における冷却空気の2つの反対向きの流れは、各々の流れの静圧が他方の静圧に等しくなる位置で静止する。好ましくは、冷却空気吸込部84は、この静止位置に隣接して配置される。蛇行通路78に流入する冷却空気の圧力P1は、AE通路52からの流入空気が蛇行通路78を完全に通過することを防ぐ(P1>P2)。
第3の管路46を通る冷却空気は、蛇行通路78と後縁34との間に配置された1つまたは複数の通路86に流入する。これらの通路に流入する全ての冷却空気は、エアフォイル22の壁に配置された冷却孔を通ってまたは後縁34に沿って流出する。
本発明をその詳細な実施例に基づいて開示および説明したが、当業者であれば分かるように、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、その形態および詳細に種々の変更を加えることができる。
40…内部通路構造体
74,100…クロスオーバ孔
62,76…孔
92…第1の径方向通路
94…第2の径方向通路
96…リブ
98…先端壁
102…先端部に隣接する前縁部分
74,100…クロスオーバ孔
62,76…孔
92…第1の径方向通路
94…第2の径方向通路
96…リブ
98…先端壁
102…先端部に隣接する前縁部分
Claims (6)
- 根部と、
キャビティ、前縁、および先端部を有する中空のエアフォイルと、
前記キャビティ内に配置されるとともに、前縁に隣接する第1の径方向通路と、第2の径方向通路と、これらの通路の間に配置されるとともに複数のクロスオーバ孔が設けられたリブと、を含み、かつ前記通路と前記リブとが先端壁に隣接しており、前記クロスオーバ孔の1つが前記先端壁と面一に設けられた内部通路構造体と、
前記根部内に配置されるとともに、該根部を通って前記通路に空気流を流入させることができる管路と、を含むことを特徴とするロータブレード。 - 第1の径方向通路は、キャビティであることを特徴とする請求項1記載のロータブレード。
- 第1の径方向通路は、下方に延びるとともに前記管路に対して開口していることを特徴とする制球項1記載のロータブレード。
- 第1の径方向通路と整列して前記先端壁に設けられた少なくとも1つの孔をさらに含むことを特徴とする制球項1記載のロータブレード。
- 前記ロータブレードの先端部に設けられた先端ポケットをさらに含むことを特徴とする制球項4記載のロータブレード。
- 第1の径方向通路と整列して前記先端壁に設けられた孔は、第1の径方向通路と前記先端ポケットとの間に延びていることを特徴とする制球項5記載のロータブレード。
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