JP2005337079A - スターリング機関及びその取付け構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 効果的に防振支持され得るスターリング機関、及びかかるスターリング機関の取付け構造を提供する。
【解決手段】 スターリング機関1は軸線を水平にする形で取付け部材100により取付け基盤に取付けられる。取付け部材100はスターリング機関1を支持する取付けスパンSを有し、その取付けスパンSの間にスターリング機関1の重心Gが納まるよう動吸振器60の質量及び位置が設定されている。取付け部材100はスターリング機関1の外殻50を支える枕部材101と、外殻50を上から押さえる押さえ部材102からなる。押さえ部材102と枕部材101を貫通するボルト103を取付け基盤にねじ込み、枕部材101と押さえ部材102で外殻50を挟持する。
【選択図】 図3

Description

本発明はフリーピストン形のスターリング機関、すなわち、逆スターリングサイクルを構成して成るスターリング冷凍機や、スターリングサイクルを構成して成るスターリングエンジン(例えばスターリング発電機)などのスターリング機関及びその取付け構造に関する。
スターリング機関は、フロンでなくヘリウム、水素、窒素などを作動ガスとして用いるので、オゾン層の破壊を招くことのない熱機関として注目を集めている。特許文献1にフリーピストン形のスターリング機関(冷凍機)の例を見ることができる。
特開2004−52866号公報(第5−6頁、図1)
フリーピストン形のスターリング機関は、ピストンとディスプレーサを同一軸線上で位相を異ならせて往復運動させるため、必然的に騒音と振動を伴う。スターリング機関を搭載した機器に振動が伝わり、機器全体が共鳴、共振するようなことになると騒音レベルが著しく高くなり、商品価値が落ちる。そのため、このような現象が生じないようにスターリング機関を防振支持する必要がある。しかしながら、このような場合一般的に行われる、防振材や防音材を多用するようなやり方は、コスト面で好ましくない。ここでは、スターリング機関と同一軸線上に、板バネと錘を主構成要素とする動吸振器を配設して、振動を吸収することが考えられる。
スターリング機関は、電力を供給するための端子部や、作動ガス封入用のパイプ、再生器外周りなど、強度的に弱い部分が露出しており、これらに取付け部材が接触することは避ける必要がある。また放熱や吸熱を行う熱交換部には外部熱交換器が配設されるため、ここも取付け部材の取付け箇所とできない。このように取付け部材の取付け領域が制限されるなか、スターリング機関を安定的に取付けるには、まず、スターリング機関の重心が取付け部材の取付けスパン間に位置するように設計する必要がある。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、性能に悪影響を及ぼすことなく効果的に防振支持され得るスターリング機関、及びかかるスターリング機関の取付け構造を提供することを目的とする。
本発明では、スターリング機関を次のように構成する。
(1)ピストンの往復動に起因する振動を吸収する動吸振器を具備して成るフリーピストン形スターリング機関であって、該スターリング機関の外殻に取付けられる取付け部材により機器に取付けられるスターリング機関において、前記取付け部材のピストン往復動方向外側端間にスターリング機関の重心が納まるよう前記動吸振器の質量及び位置を設定して成るものとする。(スターリング機関に取付け部材を固着するものにあっては、スターリング機関の重心は取付け部材を含んだスターリング機関の重心であり、スターリング機関に後から取付け部材を取付けるものにあっては、スターリング機関の重心は取付け部材を含まないスターリング機関の重心である。)
(2)ストンの往復動に起因する振動を吸収する動吸振器を具備して成るフリーピストン形スターリング機関であって、該スターリング機関の外殻に取付けられる取付け部材により機器に取付けられるスターリング機関において、前記取付け部材が取付けられる所定取付け領域のピストン往復動外側端間にスターリング機関の重心が納まるよう前記動吸振器の質量及び位置を設定して成るものとする。前記所定取付け領域は、スターリング機関の支持に用いるのに好ましい外殻領域のことであり、スターリング機関が機器に取付けられたときの取付け部材取付け位置は結果的に前記所定取付け領域に含まれる。
(3)前記のように構成されたスターリング機関において、前記取付け部材が、前記外殻を支える枕部材と、外殻を上から押さえる押さえ部材からなり、前記枕部材と押さえ部材により前記外殻を挟持する。
(4)前記のように構成されたスターリング機関において、前記取付け部材が、前記外殻の軸線を対称軸とする形で対称的に配置された取付け金具からなり、これらの取付け金具を前記外殻に固定する。
(5)前記のように構成されたスターリング機関において、前記取付け部材は、軸線方向に複数配置された取付け部材の集合からなり、前記ピストン往復動方向外側端間は最外端同士の間である。
また本発明では、スターリング機関の取付け構造を次のように構成する。
(6)前記スターリング機関に取付けられた取付け部材を、機器への取付けスパンの間にスターリング機関の重心が納まるように機器に取付ける。
(1)本発明の構成では、スターリング機関を機器に取付けるために該スターリング機関の外殻に取付けられる取付け部材のピストン往復動方向外側端間にスターリング機関の重心が納まるよう動吸振器の質量及び位置を設定するから、振動が抑制されたスターリング機関の支持、取付けを行うことができ、スターリング機関を搭載した機器全体が共鳴したり共振したりする現象が回避される。このため機器全体の振動レベルは抑制されたものとなる。
(2)また本発明の構成では、スターリング機関を機器に取付けるための取付け部材が取付られる所定取付け領域のピストン往復動方向外側端間にスターリング機関の重心が納まるよう動吸振器の質量及び位置を設定するから、前記所定取付け領域に別途取付け部材を取付けることによりスターリング機関の振動が抑制され、スターリング機関を搭載した機器全体が共鳴したり共振したりする現象が回避される。このため機器全体の振動レベルは抑制されたものとなる。
(3)取付け部材が、前記外殻を支える枕部材と、外殻を上から押さえる押さえ部材からなり、これら枕部材と押さえ部材により外殻を挟持するものであるから、取付け構造を簡素にできるとともに、外殻の直径にばらつきがあったとしてもそれを吸収することが可能である。
(4)取付け部材が、前記外殻の軸線を対称軸とする形で対称的に配置された取付け金具からなり、これらの取付け金具を外殻に固定するものであるから、取付け構造が簡素かつ強固なものになる。
(5)取付け部材は、軸線方向に複数配置された取付け部材の集合であるから、異なるサイズのスターリング機関に容易に適合でき、また、ピストン往復動方向最外端間にスターリング機関の重心が納まるよう動吸振器の質量及び位置を設定するので、設定が容易である。
(6)スターリング機関に取付けられた取付け部材を、機器への取付けスパンの間にスターリング機関の重心が納まるように機器に取付けるから、スターリング機関の振動が抑制され、スターリング機関を搭載した機器全体が共鳴したり共振したりする現象が回避される。このため機器全体の振動レベルは抑制されたものとなる。
最初に、本発明が適用されるべきスターリング機関の構造を図1、2に基づき説明する。図1はスターリング機関の断面図、図2は外観斜視図である。
スターリング機関1の組立の中心となるのはシリンダ10、11である。シリンダ10、11の軸線は同一直線上に並ぶ。このシリンダ10、11の軸線がスターリング機関1の軸線を構成する。なお本明細書及び特許請求の範囲と要約書において、単に「軸線」と称するときは、スターリング機関1の軸線を指すものとする。そして、軸線方向はピストン往復動方向である。
シリンダ10にはピストン12が挿入され、シリンダ11にはディスプレーサ13が挿入される。ピストン12及びディスプレーサ13は、スターリング機関1の運転中、後述するガスベアリングによりシリンダ10、11の内壁に接触することなく往復運動する。なおピストン12とディスプレーサ13は所定の位相差を備えて動く。
ピストン12の一方の端にはカップ状のマグネットホルダ14が固定される。ディスプレーサ13の一方の端からはディスプレーサ軸15が突出する。ディスプレーサ軸15はピストン12及びマグネットホルダ14を軸線方向に自由にスライドできるように貫通する。
シリンダ10はピストン12の動作領域にあたる部分の外側にリニアモータ20を保持する。リニアモータ20は、コイル21を備えた外側ヨーク22と、シリンダ10の外周面に接するように設けられた内側ヨーク23と、外側ヨーク22と内側ヨーク23の間の環状空間に挿入されたリング状のマグネット24と、外側ヨーク22を囲む管体25と、外側ヨーク22、内側ヨーク23、及び管体25を所定の位置関係に保持する合成樹脂製エンドブラケット26、27とを備える。マグネット24はマグネットホルダ14に固定されている。
マグネットホルダ14のハブの部分にはスプリング30の中心部が固定される。ディスプレーサ軸15にはスプリング31の中心部が固定される。スプリング30、31の外周部はエンドブラケット27に固定される。スプリング30、31の外周部同士の間にはスペーサ32が配置されており、これによりスプリング30、31は一定の距離を保つ。スプリング30、31は円板形の素材にスパイラル状の切り込みを入れたものであり、ディスプレーサ13をピストン12に対し所定の位相差(一般的には約90゜の位相差)をもたせて共振させる役割を果たす。
シリンダ11のうち、ディスプレーサ13の動作領域にあたる部分の外側には外部熱交換器を構成する伝熱ヘッド40、41が配置される。伝熱ヘッド40はリング状、伝熱ヘッド41はキャップ状であって、いずれも銅や銅合金など熱伝導の良い金属からなる。伝熱ヘッド40、41は各々リング状の内部熱交換器42、43を介在させた形でシリンダ11の外側に支持される。内部熱交換器42、43はそれぞれ通気性を有し、内部を通り抜ける作動ガスの熱を伝熱ヘッド40、41に伝える。伝熱ヘッド40にはシリンダ10及び圧力容器50が連結される。
伝熱ヘッド40、シリンダ10、11、ピストン12、ディスプレーサ13、ディスプレーサ軸15、及び内部熱交換器42で囲まれる環状の空間は圧縮空間45となる。伝熱ヘッド41、シリンダ11、ディスプレーサ13、及び内部熱交換器43で囲まれる空間は膨張空間46となる。
内部熱交換器42、43の間には再生器47が配置される。再生器47は容器に金網などの充填材(マトリックス)を詰め込んだり、金属薄板や合成樹脂フィルムをコイル状に巻いたりして形成したものであって、作動ガスが通る空隙を内部に有する。再生器47の外側を再生器チューブ48が包む。再生器チューブ48は伝熱ヘッド40、41の間に気密通路を構成する。
リニアモータ20、シリンダ10、及びピストン12を覆う筒状の圧力容器が外殻50を形成する。外殻50の内部はバウンス空間51となる。
外殻50の構造は次のようになっている。すなわち外殻50は、伝熱ヘッド40に接合されるリング状部52と、このリング状部52に接合されるキャップ状部53とに2分割されている。リング状部52、キャップ状部53ともステンレス鋼製である。リング状部52の一端はテーパ状に絞り込まれ、伝熱ヘッド40にロウ付けされる。キャップ状部53はパイプの内面に鏡板53aを溶接した構造である。
リング状部52の他端と、これに向かい合うキャップ状部53の開口端には、フランジ形状部54、55が設けられる。フランジ形状部54、55はいずれもステンレス鋼製のリングをリング状部52とキャップ状部53に溶接して形成されるものであり、最終的にはフランジ形状部54、55を溶接して密閉状態の外殻50を形成する。
外殻50には、リニアモータ20に電力を供給するための端子部28と、内部に作動ガスを封入するためのパイプ50aが配置される。これらはいずれもキャップ状部53の外周面から放射方向に突出するように設けられる。
外殻50にはピストン12及びディスプレーサ13の振動を吸収する動吸振器60が取付けられる。動吸振器60は、外殻50に固定されるベース61と、ベース61にスペーサを介して支持される板状のスプリング62と、スプリング62に支持されるマス(質量)63とから成る。そして、動吸振器60を取付ける位置、すなわちベース61を取付ける位置(外殻50の右端位置)を変えることによりスターリング機関1の軸線方向における相対位置を変えてスターリング機関1の重心G(図2において、丸にクロスの図形によりその位置が象徴されている)を設計的に変えることができる。
スプリング62とマス63は、ピストン12及びディスプレーサ13の振動と共振するようにバネ定数と質量が設定される。マス63とスプリング62はベース61との間のスペーサの高さを変えることにより、スターリング機関1の軸線方向における相対位置を調節して重心Gを調節することが可能である。そして、マス63の質量もスプリング62のバネ定数を対応させれば共振周波数を維持したまま調節することが可能であり、設計的に重心Gを変えることができる。従って、マス63の質量と位置、すなわち動吸振器60の質量と位置を変えることにより、スターリング機関1全体の重心Gを変えることができる。
図2には、外殻50の表面の中で、スターリング機関1の支持に用いるのに好ましい領域(これを「所定取付け領域」と称する)が、斜線部分として示されている。所定取付け領域のピストン往復動方向外側端間(図2の左側の所定取付け領域の左端と右側の所定取付け領域の右端の間)に重心Gが納まるよう動吸振器60の質量及び位置を設定することができる。そして、この所定取付け領域に後述する取付け部材を取付けることにより、振動が抑制されたスターリング機関1の支持、取付けを行うことができる。
ピストン12の内部は空洞80となっている。空洞80はピストン12の端面に配置される逆止弁90を介して圧縮空間45に連通する。ピストン12の外周面にはガスベアリングを形成する凹部81が同一円周上に所定の角度間隔で複数個配置されている。凹部81の底部にはピストン12を貫通する形で金属細管82が打ち込まれ、この金属細管82を通じて空洞80から凹部81に作動ガスが供給される。凹部81の環状列はピストン12の軸線方向に間隔を置いて2箇所以上形成する。すなわちガスベアリングを2箇所以上に形成する。
ディスプレーサ13の内部も空洞85となっている。空洞85はディスプレーサ13の端面に配置される逆止弁90を介して圧縮空間45に連通する。ディスプレーサ13の外周面にはガスベアリングを形成する凹部86が同一円周上に所定の角度間隔で複数個配置されている。凹部86の底部に打ち込まれた金属細管87を通じて空洞85から凹部86に作動ガスが供給される。凹部86の環状列はディスプレーサ13の軸線方向に間隔を置いて2箇所以上形成される。
スターリング機関1は次のように動作する。リニアモータ20のコイル21に交流電流を供給すると外側ヨーク22と内側ヨーク23の間にマグネット24を貫通する磁界が発生し、マグネット24は軸方向に往復する。ピストン系(ピストン12、マグネットホルダ14、マグネット24、及びスプリング30)の総質量と、スプリング30のバネ定数とにより定まる共振周波数に一致する周波数の電力を供給することにより、ピストン系は滑らかな正弦波状の往復運動を開始する。
ディスプレーサ系(ディスプレーサ13、ディスプレーサ軸15、及びスプリング31)にあっては、その総質量と、スプリング31のバネ定数とにより定まる共振周波数がピストン12の駆動周波数に共振するよう設定する。
ピストン12の往復運動により、圧縮空間45では圧縮、膨脹が繰り返される。この圧力の変化に伴って、ディスプレーサ13も往復運動を行う。このとき、圧縮空間45と膨脹空間46との間の流動抵抗等により、ディスプレーサ13とピストン12との間には位相差が生じる。このようにしてフリーピストン構造のディスプレーサ13はピストン12と所定の位相差を有して同期して振動する。
上記の動作により、圧縮空間45と膨脹空間46との間にスターリングサイクルが形成される。圧縮空間45では等温圧縮変化に基いて作動ガスの温度が上昇し、膨脹空間46では等温膨脹変化に基づいて作動ガスの温度が低下する。このため、圧縮空間45の温度は上昇し、膨張空間46の温度は下降する。
運転中に圧縮空間45と膨張空間46の間を往復する作動ガスは、内部熱交換器42、43を通過する際に、その有する熱を内部熱交換器42、43を通じて伝熱ヘッド40、41に伝える。圧縮空間45から再生器47へ流れ込む作動ガスは高温であるため伝熱ヘッド40は加熱され、伝熱ヘッド40はウォームヘッドとなる。膨張空間46から再生器47へ流れ込む作動ガスは低温であるため伝熱ヘッド41は冷却され、伝熱ヘッド41はコールドヘッドとなる。伝熱ヘッド40より熱を大気へ放散し、伝熱ヘッド41で特定空間の温度を下げることにより、スターリング機関1は冷凍機関としての機能を果たす。
再生器47は、圧縮空間45と膨張空間46の熱を相手側の空間には伝えず、作動ガスだけを通す働きをする。圧縮空間45から内部熱交換器42を経て再生器47に入った高温の作動ガスは、再生器47を通過するときにその熱を再生器47に与え、温度が下がった状態で膨張空間46に流入する。膨張空間46から内部熱交換器43を経て再生器47に入った低温の作動ガスは、再生器47を通過するときに再生器47から熱を回収し、温度が上がった状態で圧縮空間45に流入する。すなわち再生器47は熱の保管庫としての役割を果たす。
ピストン12とディスプレーサ13が往復運動し、作動ガスが移動すると、スターリング機関1に振動が生じる。動吸振器60がこの振動を吸収する。
圧縮空間45の中の高圧の作動ガスの一部は逆止弁90を通じてピストン12の空洞80及びディスプレーサ13の空洞85に入り込む。そして凹部81、86から噴出する。噴出する作動ガスにより、ピストン12の外周面とシリンダ10の内周面との間、またディスプレーサ13の外周面とシリンダ11の内周面の間にガスの膜が形成され、ピストン12とシリンダ10との接触、またディスプレーサ13とシリンダ11との接触が防がれる。
ピストン12とディスプレーサ13のガスベアリングはそれぞれ軸線方向に間隔を置いて2個以上設けられているので、往復運動時、ピストン12がシリンダ10に対して、またディスプレーサ13がシリンダ11に対して、軸線方向に傾くことがない。従ってピストン12とシリンダ10、またディスプレーサ13とシリンダ11との接触が確実に回避され、接触部の摩擦によるエネルギー損失、あるいは接触部の摩耗といった問題が発生しない。
本発明の眼目は、上記のようなスターリング機関1を機器(例えば冷却庫)に搭載する取付け構造にある。以下、取付け構造の実施形態を図3〜7に基づき説明する。図3〜7はいずれも外観斜視図である。なお各図において、取付け基盤となる機器側の部材は省略して描いてある。
取付け構造の第1実施形態を図3に示す。スターリング機関1は所定取付け領域(図2における斜線部分)に取付け部材100が取付けられ、軸線を水平にして機器に取付けられる。取付け部材100を構成するのは外殻50を下から支える枕部材101と、外殻50を上から押さえる押さえ部材102である。枕部材101も押さえ部材102も板金を折曲して形成されるものであり、スターリング機関1の端の方から見た場合、枕部材101は略M字形で、スターリング機関1を安定して支えるため脚部を開いた形になっている。同じくスターリング機関1の端の方から見た場合、押さえ部材102は倒立したU字形で、枕部材101に外側からぴったりと重なる寸法になっている。また枕部材101の脚部はスターリング機関1をパイプ50aが取付け基盤に接触しない高さに支える長さを有する。
スターリング機関1の搭載にあたっては、取付け基盤の上に枕部材101の脚部を置き、枕部材101の中央の窪みの中に外殻50をはめ込む。その上から押さえ部材102を重ね、押さえ部材102と枕部材101を共に貫通するボルト103を取付け基盤にねじ込んで締め付ければ、外殻50は押さえ部材102と枕部材101の間に挟持され、固定される。
枕部材101と押さえ部材102のペアは2組設ける。1組は外殻50のリング状部52に配置し、他の1組はキャップ状部53に配置する。2個の枕部材101はスターリング機関1の軸線方向において所定長さ引き離されている。すなわち2個の枕部材101により、ピストン往復動方向に所定長さの取付けスパンSを確保している。取付けスパンSは、2個の枕部材101の、外側に位置するピストン往復動方向端同士の間隔である。従って、この取付けスパンSの間にスターリング機関1の重心Gが納まることになる。枕部材101と押さえ部材102は許される範囲で重心Gから離しておくのが好ましい。
このように取付けることにより、スターリング機関1の振動が抑制され、スターリング機関1を搭載した機器全体が共鳴したり共振したりする現象が回避される。さらに、外殻50を支える枕部材101と、外殻50を上から押さえる押さえ部材102により外殻50を挟持するものであるから、取付け構造を簡素にできるとともに、外殻50の直径にばらつきがあったとしてもそれを吸収することが可能である。
取付け構造の第2実施形態を図4に示す。第2実施形態において、取付け部材100を構成するのは外殻50を下から支える枕部材106と、外殻50を上から押さえる押さえ部材107である。枕部材106、押さえ部材107共に板金を折曲して形成されるものであり、スターリング機関1の端の方から見た場合、枕部材106は略M字形、押さえ部材107は倒立したU字形になっている。
第1実施形態と異なるのは、枕部材106が1個しかなく、1個で所定長さの取付けスパンSを確保する形になっていることである。取付けスパンSは、1個の枕部材101の、ピストン往復動方向外側端同士の間隔ということになる。押さえ部材107の方はリング状部52とキャップ状部53にそれぞれ1個ずつ、合計2個配置されている。押さえ部材107は許される範囲で重心Gから離しておくのが好ましい。
さらに、枕部材106を取付け基盤に固定するボルト103と、押さえ部材107を枕部材106に固定するボルト103aが別のボルトになっている点も第1実施形態と異なる。
このように単一の枕部材106でスターリング機関1を支えるので、2個の枕部材を用いる場合に比べ、枕部材がばたついたり「びびり」を生じたりすることが少ない。強度も高い。
取付け構造の第3実施形態を図5に示す。第3実施形態において、取付け部材100を構成するのは外殻50の軸線を対称軸とする形で対称的に配置された1対の取付け金具111である。取付け金具111の上部は両端を除き切除され、切除残りの部分の一方は外殻50のリング状部52の側面に固定され、他方はキャップ状部53の側面に固定される。固定手法としては溶接を採用している。図中の星印は溶接により固定したことの象徴である。固定後の取付け金具111は外殻50の側面から斜め下方に突き出す形になる。
取付け金具111の固定手法には、外殻50に直接溶接するやり方の他、外殻50にナットを溶接しておいてこれに取付け金具111をボルト止めする等、様々なものがあり、そのいずれを採用してもよい。なお溶接にあたっては真空溶接、超音波溶接、Tig(Tungsten Inert Gas)溶接などの溶接法を採用することができる。
取付け金具111の脚部はピストン往復動方向外側端間に所定長さの取付けスパンSを確保している。取付け金具111は取付け基盤にボルト112で固定される。なお取付け金具111の上部の固定部分は許される範囲で重心Gから離しておくのが好ましい。
このように、外殻50の軸線を対称軸とする形で対称的に配置された1対の取付け金具111を取付け部材100とし、これらの取付け金具111を外殻50に固定するものであるから、取付け構造が簡素かつ強固なものになる。
取付け構造の第4実施形態を図6に示す。第4実施形態において、取付け部材100を構成するのは外殻50の軸線を対称軸とする形で対称的に配置された1対の取付け金具116と、取付け基盤に固定されて取付け金具116を支承する複数の支柱117である。取付け金具116は外殻50のリング状部52からキャップ状部53までをカバーする長さを有し、リング状部52とキャップ状部53のそれぞれの側面に固定される。第3実施形態と同様、固定には様々な手法を使用できる。固定後の取付け金具116は外殻50の側面から水平に突き出す形になる。取付け金具116の、ピストン往復動方向外側端同士の間隔が取付けスパンSということになる。
支柱117は、中心にボルト貫通孔を備えた防振ゴムからなり、1個の取付け金具116に2本ずつ用意されている。この支柱117に取付け金具116を載せた後、取付け金具116と支柱117とにボルト103を貫通させ、取付け基盤にねじ込んで締め付けることにより、取付け金具116を取付け基盤に取付ける。スターリング機関1の重心Gは取付けスパンSの間に納まる。取付け金具116の上部の固定部分は許される範囲で重心Gから離しておくのが好ましい。また当然のことながら、機器への取付けスパンLはスパンLの間にスターリング機関1の重心Gが納まるように設計されるのが好ましい。
このように、外殻50に固定した取付け金具116を複数の支柱117で支承するから、取付け構造が簡素であり、吸振作用のある材料、例えば防振ゴムで支柱117を形成することにより、防振効果を一層高めることができる。
取付け構造の第5実施形態を図7に示す。第5実施形態は第4実施形態の改良として位置づけられるものである。すなわち第4実施形態では外殻50の両側に独立した取付け金具116を配置していたが、第5実施形態では両側の取付け金具を一つにまとめて単一の取付け金具121とした。さらに、第1、第2実施形態の枕部材101、106と同様、取付け金具121が外殻50を下から支える形にした。これにより、取付け構造の強度を一層高めることができる。
以上本発明の各実施形態につき説明したが、発明の主旨を逸脱しない範囲でさらに種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、スターリング機関を搭載する機器全般に利用可能である。
スターリング機関の断面図 スターリング機関の外観斜視図 スターリング機関取付け構造の第1実施形態を示す外観斜視図 スターリング機関取付け構造の第2実施形態を示す外観斜視図 スターリング機関取付け構造の第3実施形態を示す外観斜視図 スターリング機関取付け構造の第4実施形態を示す外観斜視図 スターリング機関取付け構造の第5実施形態を示す外観斜視図
符号の説明
1 スターリング機関
50 外殻
60 動吸振器
63 マス
100 取付け部材
101、105 枕部材
102、106 押さえ部材
111、116、121 取付け金具
S 取付けスパン
L 機器への取付けスパン

Claims (6)

  1. ピストンの往復動に起因する振動を吸収する動吸振器を具備して成るフリーピストン形スターリング機関であって、
    該スターリング機関の外殻に取付けられる取付け部材により機器に取付けられるスターリング機関において、
    前記取付け部材のピストン往復動方向外側端間に重心が納まるよう前記動吸振器の質量及び位置を設定して成ることを特徴とするスターリング機関。
  2. ピストンの往復動に起因する振動を吸収する動吸振器を具備して成るフリーピストン形スターリング機関であって、
    該スターリング機関の外殻に取付けられる取付け部材により機器に取付けられるスターリング機関において、
    前記取付け部材が取付けられる所定取付け領域のピストン往復動外側端間にスターリング機関の重心が納まるよう前記動吸振器の質量及び位置を設定して成ることを特徴とするスターリング機関。
  3. 前記取付け部材が、前記外殻を支える枕部材と、外殻を上から押さえる押さえ部材からなり、前記枕部材と押さえ部材により前記外殻を挟持することを特徴とする請求項1または2に記載のスターリング機関。
  4. 前記取付け部材が、前記外殻の軸線を対称軸とする形で対称的に配置された取付け金具からなり、これらの取付け金具を前記外殻に固定することを特徴とする請求項1に記載のスターリング機関。
  5. 前記取付け部材は、軸線方向に複数配置された取付け部材の集合からなり、前記ピストン往復動方向外側端間は最外端同士の間であることを特徴とする請求項1または2に記載のスターリング機関。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のスターリング機関に取付けられた取付け部材を、機器への取付けスパンの間にスターリング機関の重心が納まるように機器に取付けることを特徴とするスターリング機関の取付け構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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