JP2005336396A - 粉塵防止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 広範な温度域において貯蔵安定性に優れた粉塵防止剤を提供する。
【解決手段】(A)R1−O−(EO)m−H(R1は分岐鎖を有する炭素数9〜24の脂肪族アルキル基、EOはオキシエチレン基、mはエチレンオキサイド平均付加モル数を示し、2〜30の数)で表される非イオン性界面活性剤と、R2−O−(AO)n−H(R2は炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基、AOは炭素数2又は3のオキシアルキレン基を示し、該オキシアルキレン基はオキシプロピレン基を5〜40モル%含有する。nはアルキレンオキサイド平均付加モル数を示し、3〜50の数である。)で表される非イオン性界面活性剤とを、重量比で9/1〜2/8の割合で含有する非イオン性界面活性剤混合物、及び(B)2〜6価の多価アルコールを含み、(A)成分と(B)成分を、重量比で9/1〜2/8の割合で、かつ合計で25〜95重量%含有する粉塵防止剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粉塵防止剤及び粉塵防止方法に関し、詳しくは、鉱石、石炭、土砂等の堆積物の粉塵飛散、移送設備への付着あるいはこれによる閉塞を防止し、また酸化や自然発火による品質劣化を防止し、更に広範な温度域における貯蔵安定性に優れた粉塵防止剤及び粉塵防止方法に関するものである。
製鉄所や火力発電所における石炭、コ―クス、鉱石、石炭灰や、造成地や採石現場における土砂は、通常、野積み状態で貯蔵されているため、風などにより微細な粉塵が空気中に飛散して作業環境や周囲環境の悪化を招くという問題があった。従来、粉塵防止対策としては、大量の水散布を繰り返すことが行われているが、これらの野積堆積物の表面は通常疎水性であるため、粉塵の発生を効率的に防止することは困難であった。また、移送設備においては、堆積物がホッパーに閉塞したり、粉塵がベルトコンベアに付着するなどの問題も生じていた。
さらに、近年、安定したエネルギー供給の観点から、安価な燃料源として石炭が見直されており、とりわけ、今まで利用価値の低かった亜瀝青炭や褐炭等の低品位炭の需要が高まっている。しかし、これらの低品位炭は酸化されやすいため、サイロ等への屋内貯蔵において長期間放置されると石炭堆積物内部への空気の流入により、石炭が酸化反応を起こし、その反応熱が蓄積され、石炭の自然発火に至るといった問題が発生する場合がある。 従来、これらの酸化防止対策として、内部温度が上昇する前に石炭山の積み直しや散水等の処置を施しているが、上記酸化劣化を十分には防止できず、この結果、堆積物のカロリー減少によるコストアップも問題となっている。
これらの諸問題に対し、界面活性剤組成物や被膜形成組成物、及びそれらの併用による粉塵飛散や酸化劣化の防止に関する幾つかの対策が提案されている。特に、界面活性剤組成物としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルとグリセリン等の多価アルコールとの組み合わせからなる粉塵防止用の組成物が開示されている(例えば、特許文献1、2及び3参照)が、このような組成物では、堆積物への浸透性が不足し、粉塵抑制効果が不十分であり、また高温においては白濁や分層を、低温においては増粘や凝固を引き起こすなど、貯蔵安定性が不十分であるという欠点があった。
さらに、オキシプロピレン基を含有するグリコールと多価アルコールのアルキルエステル系非イオン界面活性剤との組み合わせ(例えば、特許文献4参照)、オキシプロピレン基を含有するグリコールとアルキルフェニルエーテル非イオン界面活性剤との組み合わせ(例えば、特許文献5参照)などの組成物が開示されているが、これらもまた堆積物への浸透性が不足し、粉塵抑制効果も十分でなく、更に低温において増粘や凝固を起こし貯蔵安定性が不十分であるという課題を有していた。
特開昭56−67385号公報 特開昭57−98579号公報 特開平1−118589号公報 特開昭63−112307号公報 特開平5−263086号公報
本発明は上記従来技術の課題や現状に鑑みてなされたものであって、本発明の第1の目的は、鉱石、石炭、土砂等の堆積物の粉塵飛散や移送設備への付着、閉塞を防止することのできる粉塵防止剤及び粉塵防止方法を提供することにあり、本発明の第2の目的は、酸化などによる堆積物の品質劣化を防止することのできる粉塵防止剤及び粉塵防止方法を提供することことにあり、また、本発明の第3の目的は、広範な温度域において貯蔵安定性に優れた粉塵防止剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、分岐鎖を有する脂肪族アルキル基を有する特定のポリオキシエチレン付加型非イオン性界面活性剤と、ポリオキシエチレン基及びポリオキシプロピレン基を特定量含有するアルキルエーテル系非イオン性界面活性剤との非イオン性界面活性剤混合物と、多価アルコールとを特定量配合した粉塵防止剤及びこれを用いた粉塵防止法により、上記本発明の目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)(a1)一般式(1)
1−O−(EO)m−H (1)
(式中、R1は分岐鎖を有する炭素数9〜24の脂肪族アルキル基を示し、EOはオキシエチレン基を示す。mはエチレンオキサイド平均付加モル数を示し、2〜30の数である。)
で表される非イオン性界面活性剤と、
(a2)一般式(2)
2−O−(AO)n−H (2)
(式中、R2は炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基を示す。AOは炭素数2又は3のオキシアルキレン基を示し、該オキシアルキレン基はオキシプロピレン基を5〜40モル%含有する。nはアルキレンオキサイド平均付加モル数を示し、3〜50の数である。)
で表される非イオン性界面活性剤とを、[(a1)/(a2)]重量比で9/1〜2/8の割合で含有する非イオン性界面活性剤混合物、及び
(B)2〜6価の多価アルコール
を含み、(A)成分と(B)成分の重量比を9/1〜2/8の割合で、かつ合計で25〜95重量%含有する粉塵防止剤、
(2)一般式(2)のAOで表されるオキシアルキレン基が、オキシプロピレン基を10〜30モル%含有する上記(1)記載の粉塵防止剤、及び
(3)上記(1)又は(2)に記載された粉塵防止剤の0.01〜5重量%水性溶液を、炭素質粉体、鉱物粉体及び無機物粉体から選ばれる堆積物の重量に対し0.5〜10重量%接触させる粉塵防止方法、
を提供するものである。
本発明により、広範な温度域において貯蔵安定性に優れた粉塵防止剤を提供することができ、また、鉱石、石炭、土砂等の堆積物の粉塵飛散や移送設備への付着、閉塞を防止することができ、また、酸化などによる品質劣化を防止することができる粉塵防止剤及びこれをを用いた粉塵防止方法を提供することができる。
本発明の粉塵防止剤に含有される(A)成分を構成する(a1)成分の非イオン性界面活性剤は、分岐鎖を有する脂肪族アルキル基を有する特定のポリオキシエチレン付加型非イオン性界面活性剤であり、一般式(1)
1−O−(EO)m−H (1)
で表される。
一般式(1)において、R1は分岐鎖を有する炭素数9〜24の脂肪族アルキル基であるが、本発明においては、炭素数10〜18のものが好ましく、炭素数10〜14のものが更に好ましい。R1の炭素数が上記範囲の下限値以上であると、高温で白濁や分層を起こさないので、貯蔵安定性が良好であり、また粉塵防止剤としての上記効果が十分なものとなる。また、R1の炭素数が上記範囲の上限値以下であると、低温で白濁や凝固を起こさないのでやはり貯蔵安定性が良好である。
分岐鎖を有する炭素数9〜24の脂肪族アルキル基としては、例えば、3,5,5−トリメチルヘキシル基、イソデシル基、3−エチルデシル基、2,2−ジメチルオクチル基、イソトリデシル基、2−ヘキシルデシル基、イソステアリル基、2−デシルテトラデシル基などが挙げられる。
上記一般式(1)において、EOはオキシエチレン基を示し、エチレンオキサイド平均付加モル数であるmは2〜30であるが、3〜18、特に4〜12であることが特に好ましい。この平均付加モル数が上記範囲の下限値以上であると、水溶性が十分であるため分層を起こすことなく貯蔵安定性に優れ、また、上記範囲の上限値以下であると、堆積物への浸透性に優れ、粉塵防止剤としての効果が十分なものとなる。上記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤は、そのモル分布については特に制限はなく、5モル程度の狭い分布のものから、15モル以上の広いものまでいずれも使用できる。本発明においては、上記(a1)成分は一種を単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤は、通常、分岐鎖を有する炭素数9〜24の脂肪族アルキルアルコールに所定量のエチレンオキサイドを付加させて得られるものである。上記脂肪族アルキルアルコールとしては、炭素数12〜14のn−パラフィンを酸化して得られる第二級アルコール、ヘキシルデシルアルコールやデシルテトラデカノールなどのガーベットアルコール、オレフィン又はそれらのオリゴマーをオキソ法で酸化して得られるオキソアルコールなどが挙げられる。これらのうち、炭素数2〜4の短鎖オレフィンオリゴマーからオキソ法で合成される分岐アルコール由来のものが好ましく、このうち、3〜10量体のオリゴマーより誘導されるものが特に好ましい。
本発明において使用する(A)成分を構成する(a2)成分の非イオン性界面活性剤は、ポリオキシプロピレン基を特定量で含有するアルキルエーテル系非イオン性界面活性剤であり、下記一般式(2)
2−O−(AO)n−H (2)
で表されるものである。
一般式(2)において、R2は炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基であり、このような脂肪族炭化水素基としては、炭素数8〜18のもの、特に炭素数10〜16のものが好ましい。R2の炭素数が上記範囲の下限値以上であると、高温で分層を起こし難く、十分な貯蔵安定性が得られ、酸化劣化防止効果も良好である。また、R2の炭素数が上記範囲の上限値以下であると、低温で白濁や凝固を起こさないので貯蔵安定性が良好であり、粉塵防止剤としての効果も優れている。R2の脂肪族炭化水素基は直鎖状及び分岐状のいずれでもよいが、分岐鎖及び又は不飽和結合を有するものが好ましい。直鎖脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基などの直鎖のアルキル基が挙げられる。また、分岐鎖を有する脂肪族炭化水素基としては、(a1)成分で説明した分岐鎖を有する脂肪族アルキル基と同様のものを挙げることができ、その他に、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基などの分岐アルキル基が挙げられる。さらに、R2は分子内に不飽和結合を含んでいてもよく、このようなものとして、例えばオレイル基などが挙げられる。
上記一般式(2)において、AOは、炭素数2又は3のオキシアルキレン基、すなわち、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示す。このオキシアルキレン基は、オキシプロピレン基を5〜40モル%含有するが、本発明においては、5〜35モル%、特に10〜30モル%であることが好ましい。この含有量が上記範囲の下限値以上であると高温で分層することなく、低温でも流動性が優れており、貯蔵安定性が十分となる。また、この含有量が上記範囲の上限値以下であるとゲル化物も発生せず分層も起こらないことから貯蔵安定性の面で好ましい。
また、上記一般式(2)で表される化合物において、アルキレンオキサイド平均付加モル数であるnは3〜50であるが、本発明においては、10〜45、特に15〜40であることが好ましい。この平均付加モル数が上記範囲の下限値以上であると、高温でも分層を起こさず、また、上記範囲の上限値以下であると、ゲル化物の発生もなく、いずれにおいても貯蔵安定性が良好となる。モル分布については(a1)と同様に特に制限はなく、5モル程度の狭い分布のものから、15モル以上の広いものまで使用できる。本発明においては、上記(a2)成分は一種を単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(2)で表される化合物は、例えば、上記一般式(1)で表される化合物において例示したものと同様の脂肪族アルキルアルコールに、所定量のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加させて得られる。この化合物はブロック重合体であってもランダム重合体であってもよいが、粉塵防止効果、酸化劣化防止効果などの点から、ブロック重合体であることが好ましい。また、ブロック共重合体の場合、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドのどちらを先に付加させてもよいが、プロピレンオキサイドを先に付加させたものが特に好ましい。
本発明において使用する(A)成分は、(a1)成分と(a2)成分とを、[(a1)/(a2)]重量比で9/1〜2/8で混合した非イオン性界面活性剤混合物であり、この重量比としては8/2〜3/7であることが好ましい。(a1)成分の比率が上記範囲の上限値以下であると、高温でも分層が生じることなく、貯蔵安定性が十分である。また、十分な酸化劣化防止効果が得られる。(a1)成分の比率が上記範囲の下限値以上であると、低温でも白濁や凝固を起こさず、貯蔵安定性が良好であり、かつ堆積物への浸透性も十分であるので粉塵防止剤としての上記効果も良好である。
本発明において使用する(B)成分は、2〜6価の多価アルコールであり、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール等の水溶性の化合物が挙げられる。このうち分子量500以下で常温で液状のものが、組成物の流動性を維持できる観点から好ましく、グリセリン、ジエチレングリコール、分子量200のポリエチレングリコール等の分子量200以下である2〜3価の多価アルコールが特に好ましい。
2価以上のアルコールは保湿性が十分であるため、十分な粉塵防止効果、酸化劣化防止効果が得られ、水溶性も良好であるため貯蔵安定性が十分なものとなる。また、6価以下のアルコールは、(A)成分との相溶性が良好であるため粉塵防止剤の貯蔵安定性が良好となり、低温でも流動性に優れ、ゲル化物の生成もない。
上記(B)成分は一種を単独で用いても二種以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
本発明の粉塵防止剤は、(A)成分と(B)成分を、[(A)/(B)]重量比で9/1〜2/8で含む組成物であり、この重量比は8/2〜3/7であることが好ましい。(A)成分の比率が上記範囲の上限値以下であると、十分な保湿効果が得られ、粉塵防止や酸化劣化防止効果の持続性に優れ、低温で白濁や凝固を起こさないので貯蔵安定性が良好となる。また、(A)成分の比率が上記範囲の下限値以上であると、堆積物への浸透性が良好であるため粉塵防止剤としての効果が十分となり、高温での貯蔵安定性が良好となる。
本発明の粉塵防止剤において、(A)成分と(B)成分の合計量は、粉塵防止剤全量中25〜95重量%であるが、好ましくは40〜90重量%、特に好ましくは50〜80重量%である。この量が上記範囲の下限値以上であると、大容量の添加剤タンクが不要となり、輸送回数も少なくてすむことから、経済的に有利である。また、水分濃度が低いため、低温安定性が良好となる。この量が上記範囲の上限値以下であると、低温でも増粘や凝固を起こさないので取扱いが容易であり、低温安定性が良好となる。
本発明の粉塵防止剤は、上記(A)成分及び(B)成分に、更に水、エタノール等を加えて全量を100重量%として調製する。また、本発明の粉塵防止剤には、必要に応じ、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、(A)成分以外の非イオン界面活性剤といった各種界面活性剤や、水溶性染料等の着色剤やアルキルパラベン等の抗菌剤を添加することができる。
本発明の粉塵防止剤を使用して粉塵を防止し、酸化劣化抑制効果等を得るためには、本発明の粉塵防止剤の溶液を、堆積物の表面積に対し1〜10L/m2、または堆積物の重量に対し0.5〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、更に好ましくは、風が当たる部分の堆積物全体に対し1〜3重量%接触させる。このような接触は、例えば上記溶液の散布等種々の方法を用いて行うことができる。
上記溶液の堆積物への接触量については、上記範囲の下限値以上であると本発明の効果が十分に得られる。また、上記範囲の上限値以下であると、堆積物の流出や、堆積物の燃焼時に過剰の水分蒸発に伴うカロリーロスを引き起こすことがないなど、経済的に有利である。
本発明の粉塵防止剤溶液と堆積物との接触については、野積みヤードやサイロ等の貯蔵施設、リクレーマーやベルトコンベヤー等の移送設備のシュート部やホッパー部において、散水車やスプリンクラーなどにより行うことができる。また、粉塵飛散防止効果や酸化劣化防止効果を更に増強するために、ポリ酢酸ビニルエマルジョン水溶液等の被膜型粉塵防止剤を併用することもできる。
上記粉塵防止剤溶液中における粉塵防止剤の濃度は0.01〜5重量%であることが好ましく、0.1〜2.5重量%であることが更に好ましい。粉塵防止剤溶液の濃度が上記範囲の下限値以上であると、粉塵防止剤溶液を大量に使用することなく本発明の効果を得ることができ、経済的に有利である。また、上記範囲の上限値を超えても効果はさほど向上しない。
本発明の粉塵防止剤の希釈は、ラインブレンダーや希釈タンクでのミキシングにより行うことができる。通常、希釈溶剤については水が使用されるが、エタノールやメトキシエタノールなど1価アルコールも使用することができる。本発明においては、特に、水を含む水性溶液が好ましく用いられる。
本発明の粉塵防止剤を適用しうる堆積物としては、例えば、石炭、コークス、おがくず、肥料等の炭素質物質、鉄鉱石、鉄鋼スラグ等の鉱物、フライアッシュ、石綿、セメント、土砂等の無機物などが挙げられるが、そのうち、炭素質物質、特に石炭、コークスに適用することが、自然発火防止効果など本発明の効果の点から有利である。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に詳細に説明する。
実施例1〜4及び比較例1〜5
表2〜4に示す各成分(a1)、(a2)及び(B)を表1に示す割合で配合し、これを水で希釈して粉塵防止剤組成物を調製し、水100重量%のものとともに下記の高温安定性試験、低温安定性試験及び粉塵防止試験を行った。結果を表5に示す。なお、(a2)成分については、脂肪酸アルキルアルコールにプロピレンオキシド、エチレンオキシドの順でブロック付加させたものを用いた。
(1)高温安定性試験:
表1に示す組成物100gを内容積140mlの蓋付きガラス瓶に入れ、60℃に調整した恒温槽内に24時間静置した後、試料の分離と濁りの有無を調べた。
(2)低温安定性試験:
表1に示す組成物100gを内容積140mlの蓋付きガラス瓶に入れ、−10℃に調整した恒温槽内に24時間静置した後、試料の濁りと凝固の有無を調べた。濁りが見られないものについては、ガラス瓶を傾けて増粘の有無を調べた。
(3)粉塵飛散防止試験1:
45μmパスの亜瀝青炭(アダロ炭;インドネシア産)の微粉10gをガラス瓶に入れ、表1に示す組成物の0.5重量%水溶液を、石炭に対し2.0重量%噴霧して十分に混合した後、高さ50cmから落下させたときに飛散した粉塵を両面テープで捕捉して、付着した粉塵数を計測した。上記組成物を含まない水だけの場合(比較例5)を100として、各組成物の相対的捕捉粉塵数を求めた。
(4)粉塵飛散防止試験2:
粉塵飛散防止試験1と同じ手順で組成物を噴霧・混合した微粉試料を作製し、室温23℃、相対湿度35%で24時間放置した後に落下試験を行い、試験1の水だけの場合(比較例5)を100として、各組成物の相対的捕捉粉塵数を求めた。
(5)酸化劣化防止試験
(A)成分と(B)成分の合計含有量0.5重量%の水溶液を、コンベアシュート部で石炭に対し1重量%噴霧した亜瀝青炭(アダロ炭;インドネシア産)約100トンを、スタッカーで底辺13m×13m、頂辺3m×3m、高さ4mの角錐台パイルとして積み上げ、高さ3mの風当たりの強い地点に、深さ2mの熱電対を挿して温度上昇の有無を確認した。
Figure 2005336396
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表5から、(A)成分及び(B)成分を含む組成物を使用することにより、優れた貯蔵安定性、粉塵防止効果及び酸化劣化防止効果が得られることが明らかである。
本発明の粉塵防止剤は、広範な温度域において貯蔵安定性に優れ、堆積物の粉塵飛散や移送設備への付着、閉塞を防止することができ、酸化などによる品質劣化を防止できることから、鉱石、石炭、土砂等の堆積物の粉塵防止や酸化劣化防止に好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. (A)(a1)一般式(1)
    1−O−(EO)m−H (1)
    (式中、R1は分岐鎖を有する炭素数9〜24の脂肪族アルキル基を示し、EOはオキシエチレン基を示す。mはエチレンオキサイド平均付加モル数を示し、2〜30の数である。)
    で表される非イオン性界面活性剤と、
    (a2)一般式(2)
    2−O−(AO)n−H (2)
    (式中、R2は炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基を示す。AOは炭素数2又は3のオキシアルキレン基を示し、該オキシアルキレン基はオキシプロピレン基を5〜40モル%含有する。nはアルキレンオキサイド平均付加モル数を示し、3〜50の数である。)
    で表される非イオン性界面活性剤とを、[(a1)/(a2)]重量比で9/1〜2/8の割合で含有する非イオン性界面活性剤混合物、及び
    (B)2〜6価の多価アルコール
    を含み、(A)成分と(B)成分を、重量比で9/1〜2/8の割合で、かつ合計で25〜95重量%含有する粉塵防止剤。
  2. 一般式(2)のAOで表されるオキシアルキレン基が、オキシプロピレン基を10〜30モル%含有する請求項1記載の粉塵防止剤。
  3. 請求項1又は2に記載された粉塵防止剤の0.01〜5重量%水性溶液を、炭素質物質、鉱物及び無機物から選ばれる堆積物の重量に対し0.5〜10重量%接触させる粉塵防止方法。
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