JP2005335982A - 燃料処理装置及び燃料電池発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた耐熱性、断熱性を有し、装置内の温度バランスを適正に保つことができ、さらに、実用性が十分である燃料処理装置及び当該燃料処理装置を備える燃料電池発電システムを提供する。
【解決手段】 原料燃料Gを処理して水素を主成分とする燃料ガスJに改質する燃料処理装置において、改質に利用する熱を発生する熱源2を収容する略筒状に形成された筒状体であって、相対的に温度の低い筒状体低温部と温度の高い筒状体高温部とを有する筒状体3Aと、筒状体高温部を外部に対して断熱する無機質多孔体4と、筒状体低温部を外部に対して断熱する無機質発泡体5とを備えるように構成されるので、優れた耐熱性、断熱性を有し、装置内の温度バランスを適正に保つことができ、さらに、実用性が十分である燃料処理装置を提供することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 原料燃料Gを処理して水素を主成分とする燃料ガスJに改質する燃料処理装置において、改質に利用する熱を発生する熱源2を収容する略筒状に形成された筒状体であって、相対的に温度の低い筒状体低温部と温度の高い筒状体高温部とを有する筒状体3Aと、筒状体高温部を外部に対して断熱する無機質多孔体4と、筒状体低温部を外部に対して断熱する無機質発泡体5とを備えるように構成されるので、優れた耐熱性、断熱性を有し、装置内の温度バランスを適正に保つことができ、さらに、実用性が十分である燃料処理装置を提供することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は燃料処理装置及び燃料電池発電システムに関し、特に優れた耐熱性、断熱性を有し、装置内の温度バランスを適正に保つことができ、さらに、実用性が十分である燃料処理装置及び当該燃料処理装置を備えた燃料電池発電システムに関するものである。
従来から、例えば、水素に富む燃料ガスを生成し燃料電池の燃料極に供給すると共に、空気等の酸素を含む酸化剤ガスを燃料電池の空気極に供給して電気化学的反応により発電する燃料電池発電システムがある。
このような燃料電池発電システムでは、都市ガス、LPG、消化ガス、メタノール、GTL、天然ガス、灯油などの原料燃料から燃料電池、例えば、固体高分子型燃料電池に用いる水素を発生させる燃料処理装置を備える。当該燃料処理装置では、原料処理効率を高めるため、また装置内部の温度バランスを適正に保つために、装置の燃焼部、触媒層、熱交換部分等を100℃から800℃以上の高温度に維持・安定させることが条件となる。この条件を満足させるために、燃料処理装置の燃焼部、触媒層、熱交換部分等に、これらの形状、構造に合わせ、不燃性、耐熱性、断熱性を有する断熱成型体を装着、挿入し、あるいは被覆することが必要である。これを満たす例として、例えば、シリカフューム等のシリカ超微粒子粉末を圧縮成型した断熱成型体を装着、被覆した断熱保温を備えた燃料処理装置がある。
しかしながら、このような断熱成型体は、耐熱性と断熱性は満足するものの、例えば、高価であったり、圧縮成型等の手段で成型加工されるため、加工性が十分でなく、所望の形状に成型することが難しく、且つ、断熱成型体の表面硬度、強度が低いので外的衝撃に対して弱く、さらに、これらの固形断熱材は、例えば、固定が難しく、従来はテープ等で固定していたが、熱膨張により固形断熱材間、あるいは容器と固定断熱材との間に隙間が生じ、熱が外部に逃げる現象があった。また、例えば、狭い空間等に充填する際には断熱材と装置との間に隙間ができ、断熱性能が低下する場合があり、実用性が十分でないことがあった。
そこで本発明は、優れた耐熱性、断熱性を有し、装置内の温度バランスを適正に保つことができ、さらに、実用性が十分である燃料処理装置及び当該燃料処理装置を備えた燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による燃料処理装置は、例えば図1に示すように、原料燃料Gを処理して水素を主成分とする燃料ガスJに改質する燃料処理装置において;改質に利用する熱を発生する熱源2を収容する略筒状に形成された筒状体であって、相対的に温度の低い筒状体低温部と温度の高い筒状体高温部とを有する筒状体3Aと;筒状体高温部を外部に対して断熱する無機質多孔体4と;筒状体低温部を外部に対して断熱する無機質発泡体5とを備えるように構成される。
このように構成すると、無機質多孔体が筒状体高温部を外部に対して断熱し、無機質発泡体が筒状体低温部を外部に対して断熱するので、優れた耐熱性、断熱性を有し、装置内の温度バランスを適正に保つことができ、さらに、実用性が十分である燃料処理装置を提供することができる。
上記目的を達成するために、請求項2に係る発明による燃料処理装置は、例えば図1に示すように、原料燃料Gを改質し、水素を主成分とする改質ガスMを生成する改質部14、14Aと;改質ガスM中の一酸化炭素を低減して燃料ガスJを生成する一酸化炭素低減部15、15A、16、16Aと;改質に利用する熱を発生する熱源2を収容する略筒状に形成された筒状体であって、相対的に温度の低い筒状体低温部と温度の高い筒状体高温部とを有する筒状体3Aと;改質部14、14Aを外部に対して断熱する無機質多孔体4と;一酸化炭素低減部15、15A、16、16Aを外部に対して断熱する無機質発泡体5とを備え:改質部14、14Aは筒状体高温部の側に、一酸化炭素低減部15、15A、16、16Aは筒状体低温部の側にそれぞれ配置されるように構成される。
このように構成すると、無機質多孔体が筒状体高温部の側の改質部を外部に対して断熱し、無機質発泡体が筒状体低温部の側の一酸化炭素低減部を外部に対して断熱するので、優れた耐熱性、断熱性を有し、装置内の温度バランスを適正に保つことができ、さらに、実用性が十分である燃料処理装置を提供することができる。
また請求項3に記載のように、請求項2に記載の燃料処理装置では、改質部14、14Aの温度は450℃程度以上であり、一酸化炭素低減部15、15A、16、16Aの温度は550℃程度以下であるように構成してもよい。
このように構成すると、改質部14、14Aの温度を450℃程度以上に、一酸化炭素低減部15、15A、16、16Aの温度を550℃程度以下に維持しつつ、外部に対して断熱することができる。
また請求項4に記載のように、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料処理装置では、無機質発泡体5は、シリカ・アルミナ系微粒子粉末を含んで配合された混合物を発泡させ硬化させることにより形成してもよい。
このように構成すると、燃料処理装置は、優れた耐熱性と高温での良好な断熱性を有し一体成型可能な無機質発泡体により熱が外側に漏れるのを確実に防止することができる。
また請求項5に記載のように、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の燃料処理装置では、無機質多孔体4と無機質発泡体5の外側を覆う表面材6と;表面材6の内側であって筒状体低温部の側に原料燃料Gを導入する配管34を備え;混合物はスラリーであり、無機質発泡体5は、表面材6の内側にスラリーを流し込むことによって形成され、配管34を覆うようにしてもよい。
このように構成すると、燃料処理装置は、表面材を成型型としてスラリーを流し込み、発泡、硬化させることで狭い空間でも無機質発泡体を装着させることができるので、例えば、隙間ができて断熱性能が低下することがない。
また請求項6に記載のように、請求項5に記載の燃料処理装置では、表面材6は、無機質短繊維をフェルト状に成型させた無機質短繊維フェルトであるものとしてもよい。
このように構成すると、無機質多孔体4と無機質発泡体5の外側を無機質短繊維フェルトである表面材6によって覆うので、無機質多孔体4と無機質発泡体5を外的衝撃から保護することができる。
上記目的を達成するために、請求項7に係る発明による燃料電池発電システムは、例えば図3に示すように、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の燃料処理装置1と;燃料ガスJと酸化剤ガスNとの電気化学的反応により発電する燃料電池202とを備えるように構成される。
このように構成すると、無機質多孔体が筒状体の熱源側を外部に対して断熱し、無機質発泡体が筒状体の熱源とは反対側を外部に対して断熱するので、優れた耐熱性、断熱性を有し、装置内の温度バランスを適正に保つことができ、さらに、実用性が十分である燃料処理装置を備える燃料電池発電システムを提供することができる。
なお、典型的には、原料燃料は炭化水素系ガスであり、例えばメタンガスである。さらに、燃料電池は、典型的には、固体高分子型燃料電池である。
以上のように本発明によれば、原料燃料を処理して水素を主成分とする燃料ガスに改質する燃料処理装置において、改質に利用する熱を発生する熱源を収容する略筒状に形成された筒状体であって、相対的に温度の低い筒状体低温部と温度の高い筒状体高温部とを有する筒状体と、筒状体高温部を外部に対して断熱する無機質多孔体と、筒状体低温部を外部に対して断熱する無機質発泡体とを備えるように構成されるので、無機質多孔体が筒状体高温部を外部に対して断熱し、無機質発泡体が筒状体低温部を外部に対して断熱するため、優れた耐熱性、断熱性を有し、装置内の温度バランスを適正に保つことができ、さらに、実用性が十分である燃料処理装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1から図5は、発明を実施する形態の一例であって、図中、同一または類似の符号を付した部分は同一物または相当物を表わし、重複した説明は省略する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る燃料処理装置1の概略構成を示す断面図である。燃料処理装置1は、原料燃料としての原料ガスGを処理して水素を主成分とする燃料ガスJに改質する燃料処理装置である。具体的には、燃料処理装置1は、原料燃料Gを改質し、水素を主成分とする改質ガスMを生成する改質部14、14Aと、改質ガスM中の一酸化炭素を低減して燃料ガスJを生成する一酸化炭素低減部15、15A、16、16Aとを備える。改質部は、後述する改質触媒層14、隔壁14Aを、一酸化炭素低減部は、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16Aを含んで構成されている。
改質触媒層14には、原料ガスGと改質用水Hを供給して原料ガスGを改質反応により改質し、水素に富む改質ガスMを生成する改質触媒が充填されている。シフト触媒層15には、改質ガスM中の前記一酸化炭素をシフト(変成)反応によりシフト(変成)し、シフトガスIを生成するシフト触媒が充填されている。選択酸化触媒層16には、シフトガスI中の一酸化炭素を一酸化炭素選択酸化反応により除去し、燃料ガスJを生成する選択酸化触媒が充填されている。なお、改質触媒層14、隔壁14A、一酸化炭素低減部は、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16Aについての詳細は後述する。
また、原料燃料Gは、典型的には、炭化水素系ガスであり、ここでは、メタンガスであるが、都市ガス、LPG(Liquefied petroleum Gas)、消化ガス、メタノール、GTL(Gas to Liquid)や灯油等であってもよい。
さらに、燃料処理装置1は、改質に利用する熱を発生する熱源としてのバーナー炎2(図中一点鎖線にて図示)を収容する略筒状、典型的には、略円筒状に形成され両端面が開口した筒状体であって、相対的に温度の低い筒状体低温部と温度の高い筒状体高温部とを有する筒状体としての燃焼円筒体3Aと、改質触媒層14、隔壁14Aを外部に対して断熱する無機質多孔体としての第1の断熱成型体4と、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16Aを外部に対して断熱する無機質発泡体としての第2の断熱成型体5とを備える。
燃料処理装置1は、さらに、燃焼用原料(燃焼用ガスDと燃焼用空気E)を導入する燃焼原料導入部11と、燃焼用原料を燃焼させてバーナー炎2を放出するバーナー12と、燃焼円筒体3Aによって画成され、バーナー12を収容する燃焼室3と、燃焼排気ガスFが通過する燃焼排気ガス流路21、改質ガスMが通過する改質ガス流路22とを備える。
燃焼原料導入部11は、燃焼円筒体3Aの一方の端面を塞ぐように燃料処理装置1の鉛直方向上部中央に設置され、原料導入口31を有する。原料導入口31から燃焼用原料(燃焼用ガスDと燃焼用空気E)が導入される。バーナー12は、略円筒状に形成され、両端面が開口している。バーナー12は、一方の端面が燃料処理装置1の上部中央であって燃焼原料導入部11の燃焼円筒体3A側の面に形成された開口部11Aに接続される。バーナー12は、燃焼円筒体3Aと略同軸で設置され、燃焼原料導入部11から導入される燃焼用原料(燃焼用ガスDと燃焼用空気E)を燃焼させ、バーナー12のもう一方の端面12Aからバーナー炎2を放出する。すなわち、バーナー炎2は、バーナー12の燃焼原料導入部11と対向する端面12Aに形成される。
燃焼室3は、円筒形状をした燃焼円筒体3Aによってその周囲を画成され、バーナー12を収容する。燃焼室3は、バーナー12で燃焼用ガスDを燃焼し、原料ガスGの改質に利用する熱を発生し、改質触媒層14を加熱する。バーナー12で燃焼した燃焼用ガスDの燃焼排気ガスFは、燃焼排気ガス流路21を通って改質触媒層14を加熱しつつ、燃焼排気ガス導出流路32から燃料処理装置1外に排気される。
本実施の形態では、燃焼円筒体3Aは、バーナー炎2(図中一点鎖線にて図示)を略筒状内の一方の側に有する。バーナー炎2を略筒状内の一方の側に有するとは、略筒状に形成される筒状体の重心よりもずれた位置に熱源を有することをいう。燃焼円筒体3Aは、上述したように、略円筒状に形成され、径方向の長さよりも軸方向の長さの方が長く形成され、すなわち、長手方向を有して形成される。燃焼円筒体3Aは、バーナー12の端面12Aが燃焼円筒体3Aの径方向と略直交する方向に対する中心よりも、燃焼原料導入部11側とは反対側に位置するように設置され、バーナー炎2は燃焼円筒体3Aの重心よりも軸方向、燃焼原料導入部11反対側にずれた部分に位置する。
なお、燃焼円筒体3Aは、バーナー12の端面12Aが燃焼円筒体3Aの径方向と略直交する方向(軸線方向)に対する中心よりも、燃焼原料導入部11側に位置するように設置し、バーナー炎2が燃焼円筒体3Aの重心よりも軸方向、燃焼原料導入部11側にずれた部分に位置するように構成してもよい。どちらの場合でも、典型的には、燃焼用原料(燃焼用ガスDと燃焼用空気E)を導入する流動方向の下流側、すなわち、バーナー炎2を放出する方向の下流側に、バーナー炎2は延びた形に形成され、温度の高い燃焼排気ガスFが放出されるため、燃焼円筒体3Aは、バーナー炎2を放出する方向の下流側が相対的に温度の高い筒状体高温部となる。これに対し、燃焼円筒体3Aは、バーナー炎2を放出する方向の上流側、すなわち、燃焼原料導入部11側が相対的に温度の低い筒状体低温部となる。
言い換えれば、燃焼円筒体3Aは、軸線方向に温度分布を有しているということができる。改質触媒層14、隔壁14A、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16A等は、後述するように、運転時に反応に適した温度を維持するように、当該温度分布に応じて燃料処理装置1内に配設される。典型的には、筒状体高温部は、燃焼円筒体3Aの、バーナー12がバーナー炎2を放出する方向の下流側の端面から2分の1から3分の2程度の部分、筒状体低温部は、燃焼円筒体3Aの、バーナー12がバーナー炎2を放出する方向の上流側の端面から3分の1から2分の1程度の部分である。また、典型的には、筒状体高温部の温度は500℃程度以上、場合によって1000℃程度であり、筒状体低温部の温度は500℃程度以下である。
燃焼排気ガス流路21は、一方の端面が開口した略円筒状に形成される隔壁21Aと燃焼円筒体3Aとの間に円環形状に画成される空間、及び隔壁21Aの開口側に径方向に略円盤状に形成され隔壁21Bと隔壁21Cとの間に円環形状に画成される空間を含んで構成される。隔壁21Aは、径方向に燃焼円筒体3Aよりも大きく、燃焼円筒体3Aと略同軸に、燃焼原料導入部11から遠い側が閉じた端面21A’となるように配設される。隔壁21Aは、内側に燃焼円筒体3Aの略全体を収納するように形成されている。隔壁21Bと隔壁21Cとの間に円環形状に画成される空間には、略円形断面の配管である燃焼排気ガス導出流路32が接続され、燃焼排気ガス流路21を通過してきた燃焼排気ガスFは、当該燃焼排気ガス導出流路32通過して外部に排気される。ただし、隔壁21Aの閉じた端面21A’は、燃焼円筒体3Aの開口している端面と間隔を開けて設置されている。燃焼排気ガスFは、隔壁21Aの閉じた端面21A’にぶつかって折り返し、当該間隔を開けられた空間を介して燃焼排気ガス流路21に流入する。
改質触媒層14は、隔壁21Aと略円筒形状に形成される隔壁14Aとによって画成される。隔壁14Aは、径方向に燃焼円筒体3Aよりも大きく、燃焼円筒体3Aと略同軸に配設される。隔壁14Aは、その内側に隔壁21Aを、閉じた端面21A’から2分の1から3分の2程度まで収納するように形成されている。また、隔壁14Aは、閉じた端面21A’側の端面が開口されているのに対して、当該開口した端面に対向する端面は、略円盤状に形成された隔壁14Bによって閉鎖される。
改質触媒層14は、当該画成された空間に、略円環形状に改質触媒が充填されている。改質触媒層14に充填される改質触媒は、改質反応を促進するものであれば何でもよく、例えば触媒の種類としてNi系改質触媒やRu系改質触媒などが用いられる。また、改質触媒の形状は、効率的に反応を行うために粒状、円柱状、ハニカム状やモノリス状とするとよい。改質触媒層14で、後述する原料ガス導入流路34から供給される原料ガスGの改質反応により生成される改質ガスMは、改質ガス流路22を通ってシフト触媒層15に導入される。
改質ガス流路22は、隔壁14Aと一方の端面が開口した略円筒状に形成される隔壁22Aとの間に円環形状に画成される。隔壁22Aは、径方向に隔壁14Aよりも大きく、燃焼円筒体3Aと略同軸に、隔壁21Aの端面21A’側が閉じた端面22A’となるように配設される。隔壁22Aは、その内側に隔壁14Aを、開口した端面から2分の1から3分の2程度まで収納するように形成されている。ただし、隔壁22Aの端面22A’は、隔壁14Aの開口した端面と間隔を開けて設置される。改質ガスMは、隔壁22Aの端面22A’にぶつかって折り返し、当該間隔を開けられた空間を介して改質ガス流路22に流入し、隔壁22Aの開口した端面に連続して形成されるシフト触媒層15に導入される。
シフト触媒層15は、隔壁14Aと両端面が開口した略円筒状に形成される隔壁15Aとの間に円環形状に画成される。隔壁15Aは、径方向に隔壁14A、好適には隔壁22Aよりも大きく、燃焼円筒体3Aと略同軸に配設される。隔壁15Aは、その内側に隔壁14Aを、隔壁14Bから3分の1から2分の1程度まで収納するように形成される。また、隔壁15Aの隔壁22A側の端面には、径方向に略円盤状に形成され隔壁15Bが形成される。隔壁15Aは、当該隔壁15Bを介して隔壁22Aと接続されており、シフト触媒層15が改質ガス流路22と連続した空間となるように構成される。隔壁15Aの隔壁15Bと対向する側の端面には、径方向に略円盤状に形成され隔壁15Cが形成され、シフト触媒層15と連続して選択酸化触媒層16が形成される。
シフト触媒層15は、当該画成された空間に、略円環形状にシフト触媒が充填されている。シフト触媒層15に充填されるシフト触媒は、シフト反応を促進するものであれば何でもよく、例えばFe−Cr系の高温変成触媒やPt系の中高温シフト触媒や、Cu−Zn系低温シフト触媒やPt系低温シフト触媒などがある。シフト触媒の形状としては、粒状、円柱状、ハニカム状やモノリス状などが挙げられる。シフト触媒層15で、改質ガスMのシフト反応により生成されるシフトガスIは、選択酸化触媒層16に導入される。
選択酸化触媒層16は、隔壁21Aと一方の端面が開口した略円筒状に形成される隔壁16Aとの間に円環形状に画成される。隔壁16Aは、径方向に隔壁21Aよりも大きく、燃焼円筒体3Aと略同軸に配設される。隔壁16Aは、その内側に隔壁21Aを、燃焼原料導入部11側の端部から4分の1から3分の1程度まで収納するように形成される。好適には、隔壁16Aは、径方向に隔壁22Aよりも大きく、隔壁15Aよりも小さい。また、隔壁16Aは隔壁15A側の端面が開口されており、当該端面は、隔壁15Cを介して隔壁15Aと接続されており、選択酸化触媒層16がシフト触媒層15と連続した空間となるように構成される。隔壁16Aの燃焼原料導入部11側の端面、すなわち、隔壁15Cと対向する側の端面は閉鎖された面となっており、当該閉鎖された面が前述した隔壁21Cとなっている。
選択酸化触媒層16は、当該画成された空間に、略円環形状に選択酸化触媒が充填されている。選択酸化触媒層16に充填される選択酸化触媒は、一酸化炭素選択酸化反応を促進するもの、すなわち、COに対する選択酸化性が高いものであれば何でもよく、例えばPt系選択酸化触媒、Ru系選択酸化触媒やPt−Ru系選択酸化触媒などがある。選択酸化触媒の形状としては、粒状、円柱状、ハニカム状やモノリス状などが挙げられる。選択酸化触媒層16で、シフトガスIの一酸化炭素選択酸化反応により生成される燃料ガスJは、後述する燃料ガス導出流路33を介して外部に導出される。
なお、以上で説明した、隔壁22A、15A、16Aは協動して、内側に隔壁21A、燃焼円筒体3Aの略全体を収納する。
燃料処理装置1は、さらに、後述する表面材6の内側、すなわち、燃料処理装置1内の筒状体低温部の側、すなわち、燃焼原料導入部11の側に、選択酸化触媒層16で生成される燃料ガスJを外部に導出する燃料ガス導出流路33と、原料ガスGを改質触媒層14に導入する原料ガス導入流路34と、一酸化炭素選択酸化反応に用いる空気Kを選択酸化触媒層16に導入する選択酸化用空気導入流路35と、改質に用いる改質用水Hを導入する改質用水導入流路36とを備える。燃料ガス導出流路33、原料ガス導入流路34、選択酸化用空気導入流路35、改質用水導入流路36は、それぞれ略円形状に形成された配管である。
燃料ガス導出流路33は、隔壁16Aの隔壁21Cが接続されている部分の側面に接続されており、燃料ガスJを燃料処理装置1外に導出する。原料ガス導入流路34は、隔壁15A、シフト触媒層15を貫通して、隔壁14Aの隔壁14Bが接続されている部分の側面に接続されており、原料ガスGを改質触媒層14に導入する。選択酸化用空気導入流路35は、隔壁16Aの隔壁15Cが接続されている部分の側面に接続され、空気Kを選択酸化触媒層16に導入する。改質用水導入流路36は、燃焼原料導入部11側から順に隔壁16A、15Aの外側を螺旋状に覆うように形成され、隔壁15Aよりも上流側で原料ガス導入流路34に接続される。改質用水Hは、改質用水導入流路36を通過する際に燃焼排気ガスF等の熱により加熱されて蒸発し、原料ガスGに合流して、蒸発した改質用水Hと原料ガスGとが混合された状態で改質触媒層14に導入される。また、燃料ガス導出流路33、原料ガス導入流路34、選択酸化用空気導入流路35、改質用水導入流路36は、後述する第2の断熱成型体5及び表面材6を貫通するようにして配設されている。
ここで、燃料処理装置1内での改質反応、シフト(変成)反応、一酸化炭素選択酸化反応について説明する。まず、燃料処理装置1の起動時における運転を説明すると、バーナー12を着火し、改質用水導入流路36より改質用水Hを注入し始める。着火後高温の燃焼排気ガスFが、燃焼円筒体3Aの底部で折り返し、燃焼排気ガス流路21を通過しながら改質触媒層14を予熱すると共に、改質用水導入流路36を流過する改質用水Hを蒸発し過熱する。
改質触媒層14の温度が一定の温度、典型的には、好ましくは300℃から800℃、さらに好ましくは改質触媒層14の最高温部分(改質ガスM出口付近)が650℃以上に到達したら、原料ガス導入流路34と選択酸化用空気導入流路35から、定格負荷時の30から50%程度の原料ガスG及び選択酸化用の空気Kをそれぞれ供給し、燃料の改質を開始する。燃料の改質が始まると、シフト反応及び一酸化炭素選択酸化反応は発熱反応なので、シフト触媒層15と選択酸化触媒層16とは自らの反応発熱によって昇温する。
シフト触媒層15の温度が一定温度、好ましくは150℃から500℃、さらに好ましくはシフト触媒層15の最高温部分(改質ガスM入口付近)が300℃以上、最低温部分(シフトガスI出口付近)でも150℃以上に到達したら、原料ガスG及び選択酸化用の空気Kの導入量を定格流量まで徐々に増加させて、起動状態を終了して定常状態に移行する。
定常運転時では、改質用水Hは、シフト触媒層15、選択酸化触媒層16を間接的に冷却しつつ、後述する各反応に適した温度に維持し、同時に蒸発し、原料ガスGと合流して、改質触媒層14に導入される。
改質触媒層14では主に燃料の水蒸気改質反応が行われる。原料ガスGは、典型的には、炭化水素系ガスであり、例えば、メタンである。原料ガスGをメタンとする改質反応(水蒸気改質反応)を次式に示す。
CH4+H2O→CO+3H2 ・・・(1)
炭化水素の水蒸気改質反応は吸熱反応なので、反応温度が高いほど炭化水素の改質率が高く反応速度も速い。しかし、温度をあまり高くすると改質器材料の耐熱仕様に対する要求が厳しくなり、また、燃料処理装置1の放散熱増大などで熱効率が下がる傾向がある。この点から勘案して、改質反応時の改質触媒層14の温度は、好ましくは300℃から800℃、さらに好ましくは改質触媒層14の最高温部分(改質ガスM出口付近)が650℃以上から750℃程度である。なお、改質触媒層14への改質反応熱の供給は、燃焼室3でのバーナー燃料の燃焼熱を熱源として、燃焼円筒体3Aからの熱輻射と、燃焼排気ガス流路21を流過する燃焼排気ガスFからの熱伝達とによって行われる。
CH4+H2O→CO+3H2 ・・・(1)
炭化水素の水蒸気改質反応は吸熱反応なので、反応温度が高いほど炭化水素の改質率が高く反応速度も速い。しかし、温度をあまり高くすると改質器材料の耐熱仕様に対する要求が厳しくなり、また、燃料処理装置1の放散熱増大などで熱効率が下がる傾向がある。この点から勘案して、改質反応時の改質触媒層14の温度は、好ましくは300℃から800℃、さらに好ましくは改質触媒層14の最高温部分(改質ガスM出口付近)が650℃以上から750℃程度である。なお、改質触媒層14への改質反応熱の供給は、燃焼室3でのバーナー燃料の燃焼熱を熱源として、燃焼円筒体3Aからの熱輻射と、燃焼排気ガス流路21を流過する燃焼排気ガスFからの熱伝達とによって行われる。
改質触媒層14にて改質反応により生成された改質ガスMは、燃焼排気ガス流路21を通過しつつ減温され、シフト触媒層15に導かれ、下式のシフト反応が行われる。
CO+H2O→CO2+H2 ・・・(2)
このシフト反応は発熱反応なので、反応温度を低くすれば、有利な点としてシフト後のシフトガスIのCO濃度が低くなる点があり、不利な点として反応速度が遅くなる点がある。この点から勘案して、シフト反応時のシフト触媒層15の温度は、好ましくは150℃から500℃、さらに好ましくはシフト触媒層15の最高温部分(改質ガスM入口付近)が400から500℃、最低温部分(シフトガスI出口付近)が150℃から250℃程度である。
CO+H2O→CO2+H2 ・・・(2)
このシフト反応は発熱反応なので、反応温度を低くすれば、有利な点としてシフト後のシフトガスIのCO濃度が低くなる点があり、不利な点として反応速度が遅くなる点がある。この点から勘案して、シフト反応時のシフト触媒層15の温度は、好ましくは150℃から500℃、さらに好ましくはシフト触媒層15の最高温部分(改質ガスM入口付近)が400から500℃、最低温部分(シフトガスI出口付近)が150℃から250℃程度である。
シフト触媒層15にてシフト反応により生成されたシフトガスIは、選択酸化触媒層16に導かれ、選択酸化用空気導入流路35から導入される選択酸化用の空気Kとの間で下式の一酸化炭素選択酸化反応が行われる。
CO+(1/2)O2→CO2 ・・・(3)
選択酸化用空気K中の酸素は、反応式(3)によりシフトガスI中のCOを酸化して除去する他に、水素をも酸化し消費するので、燃料処理装置1の水素製造効率、即ち熱効率を高くする上で酸素と水素との酸化反応を抑制することが重要である。一酸化炭素選択酸化反応時の選択酸化触媒層16の温度は、好ましくは80℃から250℃、さらに好ましくは120℃から200℃程度である。
CO+(1/2)O2→CO2 ・・・(3)
選択酸化用空気K中の酸素は、反応式(3)によりシフトガスI中のCOを酸化して除去する他に、水素をも酸化し消費するので、燃料処理装置1の水素製造効率、即ち熱効率を高くする上で酸素と水素との酸化反応を抑制することが重要である。一酸化炭素選択酸化反応時の選択酸化触媒層16の温度は、好ましくは80℃から250℃、さらに好ましくは120℃から200℃程度である。
選択酸化触媒層16にて一酸化炭素選択酸化反応により生成された燃料ガスJは、燃料ガス導出流路33を介して、後述する燃料電池202(図3参照)等に導入され、発電に用いられる。一般に、炭化水素の改質ガスを燃料とする燃料電池発電の場合、改質ガス中の水素の70から80%が消費され、残りの水素がアノードオフガスとして排出される。燃料電池202のアノードオフガスは、例えば、バーナー12の燃料として用いることができる。
以上で説明したように、燃料処理装置1内では各部の反応に適した温度があり、効率よく燃料ガスJを生成するためには、燃料処理装置1内の温度分布を各部の反応に適した温度分布となるように構成することが重要である。
以下の説明では、特に断りのない限り、燃料処理装置1内の隔壁22Aの端面22A’から2分の1から3分の2程度までの部分、具体的には、改質触媒層14の端面22A’側の端面から2分の1から3分の2程度まで部分、改質ガス流路22、シフト触媒層15の端面22A’側の端面から4分の1から3分の1程度までを含む部分を高温部aという。これに対し、燃料処理装置1内の燃焼原料導入部11側の端面から3分の1から2分の1程度までの部分、具体的には、改質触媒層14の燃焼原料導入部11側の端面から3分の1から2分の1程度まで部分、シフト触媒層15の燃焼原料導入部11側の端面から3分の2から4分の3程度までの部分、選択酸化触媒層16、燃焼排気ガス導出流路32、燃料ガス導出流路33、原料ガス導入流路34、選択酸化用空気導入流路35、改質用水導入流路36を含む部分を低温部bという。
なお、高温部a、低温部bは、上述した筒状体高温部、筒状体低温部とは別の概念である。筒状体高温部、筒状体低温部は、それぞれ燃焼円筒体3Aの相対的に高温となる部分、低温となる部分であるのに対して、高温部a、低温部bは、燃料処理装置1内の燃焼円筒体3A以外の部分で相対的に高温となる部分、低温となる部分である。
典型的には、高温部aは、燃焼円筒体3Aの筒状体高温部に近接し、低温部bは、燃焼円筒体3Aの筒状体低温部に近接している。燃焼円筒体3Aの温度分布に応じて、高温部aの温度、典型的には、改質触媒層14、隔壁14Aの温度は450℃程度以上となる。なお、改質触媒層14、隔壁14Aの温度は、例えば750℃程度以下である。同様に、低温部bの温度、典型的には、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16Aの温度の温度は550℃程度以下となる。なお、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16Aの温度は、例えば80℃程度以上である。
さらに、以下で具体的に説明する第1の断熱成型体4は、改質触媒層14、隔壁14Aを外部に対して断熱し、第2の断熱成型体5は、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16Aを外部に対して断熱する。これにより、各部が運転時に反応に適した温度を維持しつつ、外側を低温に、例えば、火傷しない温度に低下させる。なお、本実施の形態では、燃料処理装置1の各部が反応に適した温度であるか否かを管理するため、主要な部位の温度を測定する温度センサ50が設置されている。
ここで、改質触媒層14、隔壁14Aの外部、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16Aの外部とは、それぞれ略円筒状に形成される隔壁14A、隔壁15A、隔壁16Aを境界として、燃焼円筒体3A、バーナー炎2が収納されていない側の空間を広く含む概念をいう。第1の実施の形態では、改質触媒層14、隔壁14Aの外部、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16Aの外部は、ともに大気空間である。第1の実施の形態では、第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5ともに、この大気空間部分に施される。
また、第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5が、改質触媒層14、隔壁14A、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16A等を外部に対して断熱するという場合、第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5が改質触媒層14、隔壁14A、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16A等の外側を直接覆う場合だけでなく、第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5と改質触媒層14、隔壁14A、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16A等との間に介在物があり、介在物の外側を覆い断熱する場合をも含む概念である。例えば、本実施の形態では、第2の断熱成型体5は、シフト触媒層15、隔壁15A、選択酸化触媒層16、隔壁16Aの外周面を外部に対して断熱し、第1の断熱成型体4は、改質触媒層14、隔壁14Aの外周面を外部に対して断熱するとともに、改質ガス流路22、隔壁22Aの外周面をも外部に対して断熱する。
またさらに、上記のような観点から言えば、第1の断熱成型体4は、燃焼円筒体3Aの筒状体高温部を外部に対して断熱し、第2の断熱成型体5は、燃焼円筒体3Aの筒状体低温部を外部に対して断熱するとも言うことができる。
第1の断熱成型体4と高温部aとは、全体として略円柱状となり、第2の断熱成型体5と低温部bとは、全体として略円柱状となる。第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5は、合わせて略円柱形状に形成される。さらに、燃料処理装置1は、第1の断熱成型体4と第2の断熱成型体5の外側を覆う表面材6を備える。表面材6は、典型的には、無機質短繊維をフェルト状に成型させた無機質短繊維フェルトであり、両端面が閉じた略円筒状に形成される。
また、本実施の形態では、第1の断熱成型体4と第2の断熱成型体5との境界に略ドーナツ型に形成された境界面材7が装着されている。境界面材7としては、セラッミクスウールフェルト、ロックウールフェルト、無機質短繊維フェルト等からなる群から選ばれる少なくとも1種のものを用いるとよい。第1の断熱成型体4と第2の断熱成型体5との境界に境界面材7を装着することで、隔壁15Aと第1の断熱成型体4との隙間に、第2の断熱成型体5の後述する原料スラリーが流入するのを防ぎ、第1の断熱成型体4と第2の断熱成型体5との隙間を塞ぐことができるため断熱性能が向上し、その上、燃料処理装置1の運転時に第1の断熱成型体4と第2の断熱成型体5とが異なる膨張率で膨張した場合に、界面が剥離してしまうことを防止するができる。
以下、第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5、表面材6について詳細に説明する。
以下、第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5、表面材6について詳細に説明する。
第1の断熱成型体4は、珪石原料、石灰原料および水を含有する原料スラリーと熱線反射材、耐熱性繊維等を配合した混合物を約500kg/m3以下の密度でプレス脱水成型させて成型した無機質多孔体であり、高温部a(500℃から800℃程度)の外部に対する断熱を可能にする。第1の断熱成型体4は、ドーナツ型に加工または成型し積層する、半円筒型に成型加工し組み合わせる、あるいは円筒型に成型加工する等、種々の成型方法が可能である。
ここで、珪石原料としては、珪石、珪砂、珪藻土等からなる群から選ばれる少なくとも1種のものを用いるとよい。石灰原料としては、生石灰、消石灰等からなる群から選ばれる少なくとも1種のものを用いるとよい。珪石原料と石灰原料のCaO/SiO2モル比は、好ましくは0.70から1.15であり、さらに好ましくは0.90から1.15である。
さらに、熱線反射材としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄等からなる群から選ばれる少なくとも1種のものを用いるとよい。熱線反射材の量は、第1の断熱成型体4中の含有量が10から40重量%となるように添加されるのが好ましい。さらに好ましくは10から30重量%である。10重量%未満では断熱性の向上が不十分となる傾向があり、逆に、40重量%より多くなると得られる多孔体の成型性が悪くなり強度が弱くなる。また成型に先立って必要に応じて、各種の添加材を更に添加混合しても良い。この際の添加材としては、繊維類、粘土類、セメント、各種バインダー等を用いることができる。
具体的には、石灰原料を85℃前後の温水中で消化して得た石灰乳に珪石原料をCaO/SiO2モル比が1.00となるように加える。さらに、熱線反射材を成型体中の含有量が10から40重量%になるように添加したスラリーを85℃の温度で4から5時間、または蒸気圧約15kg/cm2、200℃前後の温度で4から5時間ゲル化させ、箱型、半円筒型または円筒型の型枠に注入後、約20kg/cm2の圧力でプレス脱水成型する。続いて、10から15kg/cm2の蒸気圧で約10時間オートクレーブ養生し、さらに120℃前後の温度で36時間乾燥し、無機質多孔体である第1の断熱成型体4を製造することができる。
以上のようにして製造される第1の断熱成型体4は、実用性の点から密度は100から500kg/m3の範囲にすることが好ましく、さらに好ましくは100から300kg/m3の範囲とするとよい。この範囲の密度で、熱伝導率は、常温で0.044から0.048W/mKの性能が得られる。また、第1の断熱成型体4の耐熱温度は、約1000℃と高く、高温部aの断熱に適した条件を満たすことができ、第1の断熱成型体4外側の温度を、火傷をしない程度の温度、例えば、約60℃以下まで下げることができる。さらに、第1の断熱成型体4は、機械的強度も強く、成型性もよい。
第2の断熱成型体5は、シリカ・アルミナ系微粒子粉末、アルカリ金属珪酸塩、過酸化水素、および熱線反射材を、シリカ・アルミナ系微粒子粉末100重量部に対して、それぞれ、10から100重量部、0.2から10重量部、及び4から40重量部として配合した混合物を約500kg/m3以下の密度で発泡、硬化させて成型した無機質発泡体であり、低温部b(100℃から500℃程度)の外部に対する断熱を可能にする。第2の断熱成型体5は、典型的には、第1の断熱成型体4、後述する表面材6を設置した後に、表面材6と隔壁15A、16A等との間に、前述の混合物をスラリー状態に注入し、発泡、硬化することによって成型される。
ここで、シリカ・アルミナ系微粒子粉末としては、フライアッシュ、無機化したパルプスラッジ、高炉スラグ等からなる群から選ばれる少なくとも1種のものを用いるとよい。シリカ・アルミナ系微粒子粉末の平均粒径は、5から30μmであることが好ましく、さらに10μm以下であることが好ましい。
フライアッシュとは、JIS A 6201に規定される、微粉炭燃焼ボイラーから集塵器で採取する微小な灰の粒子をいい、具体的には、シリカ45%以上、湿分1%以下、強熱減量5%以下、比重1.95以上、比表面積2700cm2/g以上、75%以上の粒子が44μm標準篩を通過するものを挙げることができる。フライアッシュは、耐熱性の点から、SiO2:Al2O3=45から60:20から28(重量比)の組成を有するフライアッシュを用いることが好ましい。
無機化したパルプスラッジとは、製紙工程において副産される廃物を焼却無機化したもので、具体的には、シリカ40%以上、湿分1%以下、強熱減量1%以下、比重1.80以上、比表面積2500cm2/g以上、75%以上の粒子が44μm標準篩を通過するものである。無機化したパルプスラッジは、耐熱性の点から、SiO2:Al2O3=30から50:25から35(重量比)の組成を有する無機化したパルプスラッジを用いることが好ましい。
高炉スラグとは、JIS A5011−1に規定される鉄鉱石から鉄を精錬採取する際に副産される無機系の粉体であり、具体的には、酸化カルシウム45以下、硫黄分2.0%以下、比重2.50以上のもの等が挙げられる。高炉スラグは、70%以上の粒子が44μm標準篩を通過するものが好ましい。
シリカ・アルミナ系微粒子粉末としては、上記下以外にも、化学組成としてSiO2を10から80重量%、Al2O3を90から10重量%を含有する無機粉体、例えば、メタカオリン、雲母粘土鉱物、ワラストナイト、タルク等を用いることができる。ただし、組成粒度等が適当であり、高温での寸法安定性に優れたものであれば、これに限定されるものではない。
また、アルカリ金属珪酸塩は、M2O・nSiO2(M=K、Na、Liから選ばれる1種以上の金属)として表すことができる。ここで、nは0.5から4の範囲が好ましく、更に好ましくは1.0から2.5である。nの値がこれより小さくなると反応が速すぎて発泡体のセルが連続気泡となり、断熱性能が低下する。逆に、nの値が大きくなり過ぎると反応が進みにくくなる。なお、アルカリ金属珪酸塩は水溶液として配合することが好ましい。水溶液の濃度については特に限定されないが、薄くなると反応性粉末との反応性が低下する。また、濃くなるとアルカリ金属珪酸塩が析出しやすくなるので、10から60重量%とすることが好ましい。また、上記アルカリ金属珪酸塩水溶液は、アルカリ金属珪酸塩をそのまま加圧、加熱下で水に溶解させて調製してもよいが、まず、アルカリ金属珪酸塩に、珪砂、珪石粉などのSiO2成分を加えてnを所定の値とした後に、加圧、加熱下で溶解させ、アルカリ金属珪酸塩水溶液としてもよい。
過酸化水素は、発泡剤として機能し、典型的には、水溶液、例えば、濃度が5から40重量%の過酸化水素水として配合することが好ましい。また、発泡剤としては、過酸化水素以外にも、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化カリウム、過酸化ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等からなる群から選ばれる少なくとも1種の過酸化物、又は、金属元素、金属合金、金属間化合物等からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属系発泡剤を用いてもよい。金属元素としては、アルミニウム、珪素、カルシウム、バリウム、鉄、ニッケル、ガリウムなどの周期律表第3から5周期に属するものが好ましく、また、金属合金および金属間化合物としては、アルミニウム−珪素、アルミニウム−チタン、アルミニウム−マンガン、アルミニウム−銅、アルミニウム−銅−珪素などが好ましい。これらのなかでも特にアルミニウム、珪素などが好ましい。これらの金属系発泡剤は、通常、平均粒径が0.1から200μm、好ましくは1から50μmの粉体として用いることが好ましい。
また、熱線反射材としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム等からなる群から選ばれる少なくとも1種のものを用いるとよい。熱線反射材の量はシリカ・アルミナ系微粒子粉末100重量部に対して4から40重量部であることが好ましく、さらに10から30重量部であることが好ましい。4重量部未満では輻射による熱の伝達を充分に抑制することができず、逆に、40重量部より多くなると得られる発泡体の強度が弱くなり高温時に割れを生じる可能性がある。
酸化ジルコニウムとしては、熱反射性及び高温での断熱性という点から、平均粒径が1から80μmのものを用いることが好ましく、より好ましくは1から50μmである。平均粒径の大きな酸化ジルコニウムを使用すると(>80μm)、組成物中における酸化ジルコニウムの存在が疎となるため、輻射防止による断熱性改善効果が充分に発揮されず、また、平均粒径が1μm以下では赤外線の波長より小さくなるため赤外線が通過してしまい反射効果が小さくなってしまう。また、本実施の形態では、ジルコンサンドのような安価な珪砂化合物を用いることもできる。
酸化チタンとしては、熱反射性という点から、赤外波長(0.76μm)以上の粒径を有するものを用いることが好ましいが、酸化チタンは非常に細かい粉体であり、一般的に、その平均一次粒子径の上限は0.2から0.3μm程度である。このため、平均粒径が0.1μm以上である酸化チタンを使用することが好ましく、より好ましくは0.2μm以上である。0.1μmより小さい粒径の酸化チタンを添加しても赤外線が通過してしまい、目的とする熱反射性効果が得られない。また、本実施の形態では、より良好な断熱性を得るという点から、熱線反射材として、酸化ジルコニウムと酸化チタンとを併用することが好ましい。
また、シリカ・アルミナ系微粒子粉末、アルカリ金属珪酸塩、過酸化水素、および熱線反射材を配合した混合物には、寸法安定性と補強材を兼ねて耐熱性繊維を配合してもよい。配合可能な繊維としては、ガラスチョップド繊維等がある。さらに、必要に応じて発泡助材を添加してもよい。発泡助材としてはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、マレイン酸亜鉛、マレイン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ひまし油系の界面活性剤、カゼイン等の動物系たんぱく質等を用いることができる。
以上で説明した第2の断熱成型体5の密度及び熱伝導率は、実用性の点から密度は200から500kg/m3の範囲にするのが好ましく、さらに200から300kg/m3の範囲とするのがより好ましく、断熱性の尺度となる熱伝導率として、0.050から0.075W/mKの性能が得られる。また、第2の断熱成型体5の耐熱温度は約650℃であり、前述の低温部bの断熱に適した条件を満たす断熱素材である。
表面材6は、無機質短繊維をフェルト状に成型した無機質短繊維フェルトである。無機質短繊維は、ロックウール、またはセラミックウール、またはロックウールとセラミックウールの混合繊維からなる群から選ばれたものとするとよい。無機質短繊維は、脱ショット処理をしたものを用いてもよい。
ここで、ロックウールはSiO235から55wt%、Al2O310から20wt%、MgO5から40wt%、CaO5から40wt%、FeO0から10wt%、Cr2O3、Na2O、K2O、TiO2、MnO等の微量成分0から10wt%とからなる原料鉱物の混合物を、セラミックウールは、SiO247から52wt%、Al2O347から52wt%、CaO、MgO、TiO2、ZrO2等の微量成分の合計が0から10wt%とからなる原料鉱物の混合物を、キュポラ炉又は電気炉で1400から1600℃の温度で溶融し、ブローイング法や高速回転体によるスピニング法で繊維化して得られる。係る無機質短繊維はショットと称する非繊維化粒子を約30wt%含有しているので、脱ショット処理された形で使用する。
表面材6を第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5の外側に装着することで、第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5を外的衝撃に対し強くすることができる。さらに、表面材6は、装着する形状にもよるが、厚み2から5mm、坪量300から2000g/m2が適正で、熱伝導率は、0.030から0.050W/mKの範囲にあり、耐熱性も500から1000℃と高く、第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5の断熱性能を補強することもできる。
また、上述したように、表面材6は、本実施の形態では、第2の断熱成型体5の成型型とすることができる。この場合、表面材6は、通気性がよいため、スラリー状態にして注入される第2の断熱成型体5が、発泡、硬化する際に生成される水分を除去することができるので好適である。
以下では、本発明の第1の実施の形態に係る燃料処理装置1の第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5、表面材6の組み付け方法について説明する。
以下では、本発明の第1の実施の形態に係る燃料処理装置1の第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5、表面材6の組み付け方法について説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る燃料処理装置1の第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5、表面材6の組み付け方法を示す流れ図である。なお、以下の説明では、燃料処理装置1の構成要素の符号については適宜図1を参照する。
まず、高温部a、低温部b組立工程として、燃料処理装置1の第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5、表面材6以外の部分、すなわち、燃焼排気ガス導出流路32、燃料ガス導出流路33、原料ガス導入流路34、選択酸化用空気導入流路35、改質用水導入流路36等も含む高温部a、低温部bをあらかじめ組み上げておく(S100)。
次に、第1の断熱成型体装着工程として、第1の断熱成型体4を燃料処理装置1の高温部aに挿入、装着する(S102)。ここで、第1の断熱成型体4は、典型的には、最上部a1、中央部a2、最下部a3の3つの部分を成型した後に、これらを組み合わせて第1の断熱成型体4の全体を形成する。本実施の形態では、最上部a1は、第2の断熱成型体5との境界部分であり、隔壁15Aの一部、隔壁15B、隔壁22Aの一部の外側を覆う部分である。最下部a3は、隔壁22Aの端面22A’の外側を覆う部分である。中央部a2は、最上部a1と最下部a3との間の部分であり、隔壁22Aの外側を覆う部分である。
最上部a1は、珪石原料、石灰原料および水を含有する原料スラリーと熱線反射材、耐熱性繊維等を配合した混合物を約500kg/m3以下の密度でプレス脱水成型させて、
定の規格寸法(例えば、65mm×610mm×303mm)で板状に成型した無機質多孔体をドーナツ型に加工し、隔壁15Aと隔壁22Aが接合している部分に対応する箇所に段加工して成型する。ドーナツ型の寸法は、例えば、隔壁22Aの内径が86mm程度、隔壁15Aの内径が121mm程度である場合には、89mm程度の内径とし、段差部分を124mm程度の内径とするとよい。
定の規格寸法(例えば、65mm×610mm×303mm)で板状に成型した無機質多孔体をドーナツ型に加工し、隔壁15Aと隔壁22Aが接合している部分に対応する箇所に段加工して成型する。ドーナツ型の寸法は、例えば、隔壁22Aの内径が86mm程度、隔壁15Aの内径が121mm程度である場合には、89mm程度の内径とし、段差部分を124mm程度の内径とするとよい。
なお、最上部a1は、無機質多孔体を一旦一定の規格寸法に成型せずに、直接ドーナツ型に成型してもよいことはいうまでもない。無機質多孔体を一旦一定の規格寸法に成型して、加工する場合には、例えば、隔壁22Aの寸法等が設計変更されても、成型型を変更する必要がないため迅速に対応することができる。直接ドーナツ型に成型する場合には、比較的少ない量の無機質多孔体で無駄なく最上部a1を成型することができる。
中央部a2は、最上部a1と同様に、一定の規格寸法(例えば、65mm×610mm×303mm)で板状に成型した無機質多孔体をドーナツ型に加工し、所定の高さ、すなわち、隔壁22Aの軸方向の長さになるように数枚積層させることで成型する。ドーナツ型の寸法は、例えば、隔壁22Aの内径が88mm程度である場合には、89mm程度の内径とするとよい。また、無機質多孔体を一旦一定の規格寸法に成型せずに、直接ドーナツ型に成型してもよい。
また、中央部a2は、無機質多孔体を半円筒型に2つ成型し、当該2つの半円筒を組合わせて円筒型にし、所定の高さになるように加工して成型することもできる。この場合、2つの半円筒の合わせ目は、一直線ではないさね構造(相尺り)とするとよく、合わせ目は耐熱性接着剤で接着するとよい。また、2つの半円筒を組み合わせるのではなく、直接円筒型に成型してもよい。なお、半円筒型、円筒型の寸法は、例えば、隔壁22Aの内径が86mm程度である場合には、89mm程度の内径とするとよい。中央部a2は、無機質多孔体を半円筒型あるいは円筒型にして成型することにより、ドーナツ型を積層する場合に比較して、隙間を減らすことができるので断熱性が向上する。
最下部a3は、最上部a1と同様に、一定の規格寸法(例えば、65mm×610mm×303mm)で板状に成型した無機質多孔体を略円盤状に加工して成型する。また、無機質多孔体を一旦一定の規格寸法に成型せずに、直接略円盤状に成型してもよい。また、ドーナツ型あるいは略筒状に成型される中央部a2を、隔壁22Aの軸方向の長さよりも最下部a3側にやや長く形成し、当該ドーナツ型あるいは略筒状の内側に、略円盤状に形成された無機質多孔体をはめ込むようにして成型してもよい。
以上のようにして成型した最上部a1、中央部a2、最下部a3を順に高温部aに挿入、装着し、これらを組み合わせて第1の断熱成型体4の全体が形成され、高温部aに装着される。
次に、表面材装着工程として、表面材6を第1の断熱成型体4の外側に装着し、第1の断熱成型体4を被覆する(S104)。表面材6は、無機質短繊維をフェルト状に成型し、略円筒形状に形成して、第1の断熱成型体4と略同軸に外側に装着する。さらに、第1の断熱成型体4側の開口、すなわち、第1の断熱成型体4の最下部a3の外側にも略円盤状に形成された表面材6を装着する。
表面材6の軸方向の長さは、高温部a、低温部bの軸方向の長さの和とほぼ同じ長さとする。また、表面材6の燃焼排気ガス導出流路32、燃料ガス導出流路33、原料ガス導入流路34、選択酸化用空気導入流路35、改質用水導入流路36に対応する部分にはそれぞれ孔が形成され、当該各孔から燃焼排気ガス導出流路32、燃料ガス導出流路33、原料ガス導入流路34、選択酸化用空気導入流路35、表面材6は改質用水導入流路36が突き出るように装着される。
この時点では、表面材6と低温部b、すなわち隔壁15A、16A等との間は、空間として空いており、当該空間の空中に燃焼排気ガス導出流路32、燃料ガス導出流路33、原料ガス導入流路34、選択酸化用空気導入流路35、改質用水導入流路36等が露出した状態となっている。
次に、境界面設置工程として、第1の断熱成型体4の最上部a1の第2の断熱成型体5が配設される側に、第1の断熱成型体4と第2の断熱成型体5との境界に略ドーナツ型に形成された境界面材7を設置する(S106)。
続いて、スラリー流込工程として、微粒子粉末100重量部に対してアルカリ金属珪酸塩、過酸化水素、及び熱線反射材の割合が、それぞれ、10から100重量部、0.2から10重量部、及び4から40重量部である混合物を撹拌混合してできるスラリーを、表面材6と隔壁15A、16A等との間の空間に、表面材6の未だ開口している側から常温で流し込む(S108)。スラリーは、発泡体積に適した量、本実施の形態では、表面材6と隔壁15A、16A等との間の空間容積の5分の1から4分の1程度の容積を1回または2回に分けて流し込むとよい。
なお、スラリーを流し込む空間にはロックウールフェルト、セラミックスウールフェルト、無機質短繊維フェルト等の間仕切り(不図示)を挿入し、2から4区画に分けておいもよい。このようにすることで、燃料処理装置1の運転時に第2の断熱成型体5が熱膨張しても、間仕切り(不図示)の部分で第2の断熱成型体5の膨張が吸収されるので、亀裂が入ること等が防止される。
次に、発泡工程として、表面材6の未だ開口している側に無機質短繊維フェルトを燃焼原料導入部11が露出するようにドーナツ型に加工したものを載せてフタをし、スラリーを15℃から35℃の温度で30分から2時間かけて発泡させる(S110)。無機質短繊維フェルトをフタとして載せることで、表面材6の一部として発泡、硬化後の第2の断熱成型体5に接着させることができる。
なお、第2の断熱成型体5の上面形状を平滑にするため、無機質短繊維フェルトの上から重しを載せるとよい。また、無機質短繊維フェルトをフタとして載せなくても、スラリーの発泡、硬化後に、第2の断熱成型体5上面を平滑にカットし、無機質短繊維フェルトをドーナツ型に加工したものを耐熱性接着剤、発泡させない無機質発泡体等で接着して表面材6の一部としてもよい。
次に、養生工程として、スラリーの硬化後、燃料処理装置1全体を防湿フィルムで包み、90℃前後の温度で約8時間程度養生する(S112)。続いて、乾燥工程として、燃料処理装置1全体を防湿フィルムから取り出した後、90℃前後の温度で約16時間程度乾燥して(S114)、第2の断熱成型体5の成型は終了し、第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5、表面材6の燃料処理装置1のへの組み付けも終了する。
以上のようにして成型される第2の断熱成型体5は、表面材6と隔壁15A、16A等との間の燃焼排気ガス導出流路32、燃料ガス導出流路33、原料ガス導入流路34、選択酸化用空気導入流路35、改質用水導入流路36等を隙間なく包み込むように覆うので、優れた断熱性能を発揮することができる。
次に、図3を参照して本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池発電システム201について説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池発電システム201を説明するブロック図である。燃料電池発電システム201は、燃料処理装置としての本発明の第2の実施の形態に係る燃料処理装置1と、燃料ガスJと酸化剤ガスNとの電気化学的反応により発電する燃料電池202とを備える。
さらに、燃料電池発電システム201は、原料ガスGを改質触媒層14に供給する原料ガス供給装置203と、燃焼用原料(燃焼用ガスDと燃焼用空気E)を燃焼室3に供給する燃焼用原料供給装置204と、燃料電池発電システム201の各部を制御する制御装置205を備えている。
原料ガス供給装置203は、配管213を介して原料ガスGを定量的に改質触媒層14に供給するように構成されている。原料ガスGを貯蔵するタンクを備えていてもよいし、原料ガスGを系外から導入してもよく、都市ガスやLPGのように供給元の気体の圧力が高く維持されている場合には、流量調節弁を備える。供給元の圧力が高くない場合には、ブロワを備え、原料ガスGを改質触媒層14内へ供給するための圧力を確保する。なお、原料燃料として原料ガスGではなく、GTLや灯油のように液体の原料燃料を用いる場合には、定量ポンプを備えてもよいし、流量調節機能を有さないポンプと流量調節弁とを備えてもよい。原料ガス供給装置203は、典型的には、制御装置205からの指示信号i1により、その原料ガス供給量の増減を制御されている。
燃焼用原料供給装置204は、燃焼室3での燃焼で消費される燃焼用ガスDや燃焼用空気E等の燃焼用原料を供給する装置である。ブロワにより大気を燃焼用空気Eとして送り込む構成でよく、大気中の浮遊物の混入を防止するためのフィルターを有するのが好適である。また、燃焼用ガスD、燃焼用空気Eの供給量を調整するための流量調整弁を有するのが好適である。燃料電池発電システム201では、配管214、原料導入口31(図1参照)、燃焼原料導入部11(図1参照)燃焼室3内に収納されているバーナー12(図1参照)に接続されている。
ここで、原料ガス供給装置203から改質触媒層14に原料ガスGが供給されると、図1で説明したように、原料ガスGは改質触媒層14で改質反応により水素に富む改質ガスMを生成し、改質ガスMはシフト触媒層15でシフト反応によりシフトガスIを生成し、シフトガスIは、選択酸化触媒層16で一酸化炭素選択酸化反応により、燃料ガスJを生成する。燃料ガスJは、燃料としての水素濃度が高められ、さらに、一酸化炭素濃度が充分に低下させられる。
燃料電池202は、本実施の形態では、積層型の固体高分子型燃料電池が用いられ、アノード極(不図示)に燃料ガス導出流路33が接続されている。燃料電池202は、水素に富む燃料ガスJを燃料ガス導出流路33を介してアノード極(不図示)に導入し、さらに、酸化剤ガスNとしての空気等をカソード極(不図示)に導入して発電を行う。燃料電池202で発電された電力は、燃料電池202に接続された電力ケーブル215を通じて、外部の電気需要(不図示)に供給される。燃料電池202は、典型的には、制御装置からの制御信号i1により、その発電電流量の増減を制御されている。なお、燃料電池202は、必ず積層型の固体高分子型燃料電池である必要はなく、他の型の燃料電池であってもよい。
以上で説明した本発明の実施の形態に係る燃料処理装置1又は燃料電池発電システム201によれば、高温部aを外部に対して断熱する第1の断熱成型体4と、低温部bを外部に対して断熱する第2の断熱成型体5とを備えるので、燃料処理装置1内の温度分布を各部の反応に適した温度分布に維持することができ、効率よく燃料ガスJを生成することができる燃料処理装置1を提供することができる。さらに、燃料処理装置1を備えることで、燃料ガスJ中の一酸化炭素が充分低減されるため、アノード極(燃料極)のプラチナPt触媒等が被毒し、発電効率が低下することのない燃料電池発電システム201を提供することができる。また、燃料処理装置1内の温度分布を各部の反応に適した温度分布に維持しながら、燃料処理装置1の外側の温度を充分に低下させることができるので、燃料処理装置1の表面に触れても火傷をするおそれがなく、実用性が十分である燃料処理装置とすることができる。
さらに、第1の断熱成型体4は無機質多孔体であるため、1000℃以上の耐熱特性がある上に、機械的強度が強く、さらに、高温部aの形状に合わせて容易に加工することができ、製造効率のよい燃料処理装置1及び燃料電池発電システム201とすることができる。
また、第2の断熱成型体5は無機質発泡体であるため、配管等が存在する複雑な形状部分にも、混合物をスラリー状態で流し込み、発泡、硬化させることで、隙間なく断熱施工をすることができので、高い断熱性を有し製造効率のよい燃料処理装置1及び燃料電池発電システム201とすることができる。
さらに、第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5の外側に無機質短繊維フェルトによって成型される表面材6を備えるので、第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5を外的衝撃からも充分に保護することができる。
また、以上で説明した本発明の実施の形態に係る燃料処理装置1又は燃料電池発電システム201によれば、断熱成型体を適材適所で使い分け、断熱性、強度、価格のバランスのとれた断熱構造とすることができ、総合的に低価格化が図られた燃料処理装置1又は燃料電池発電システム201を提供することができ、また、断熱施工数も比較的少なくて済むので実用的で量産に向いた燃料処理装置1又は燃料電池発電システム201とすることができる。
なお、本発明の実施の形態である燃料処理装置1又は燃料電池発電システム201は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、熱源は、バーナー12から放出されるバーナー炎2であるもとして説明したが、これに限らず、改質反応に利用する熱を発生するものであればなんでもよい。また、改質反応は、水蒸気改質方式として説明したが、部分改質方式あるいは自己熱改質方式(オートサーマル方式)であってもよい。
以上の説明では、表面材6は、無機質短繊維フェルトによって成型されるものとして説明したが、これに限られるものではないし、また、表面材6を備えない構成としてもよい。また、微粒子粉末100重量部に対してアルカリ金属珪酸塩、過酸化水素、及び熱線反射材の混合物を撹拌混合してできるスラリーを表面材6内に流し込む際に、外側に表面材6を補強する型枠を設けてもよい。この場合、スラリーの硬化後、養生した後に型枠を取り外せばよい。
また、本発明の実施の形態に係る燃料処理装置の構成は、以上で説明した構成に限定されるものではない。以下、図4を参照して本発明の第2の実施の形態に係る燃料処理装置301について説明する。第2の実施の形態に係る燃料処理装置301の説明では、第1の実施の形態に係る燃料処理装置1と共通する構成については、重複した説明はできるだけ省略する。
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る燃料処理装置としての燃料処理装置301の概略構成を示す断面図である。図に示すように、略円柱形状の燃料処理装置301は、垂直に設置され、熱源としてのバーナー炎302、筒状体としての燃焼円筒体303A、原料燃料Gを改質し、水素を主成分とする改質ガスMを生成し、改質触媒層314を含んで構成される改質部と、改質ガスM中の一酸化炭素を低減して燃料ガスJを生成し、シフト触媒層315、選択酸化触媒層316を含んで構成される一酸化炭素低減部、改質触媒層314を外部に対して断熱する無機質多孔体としての第1の断熱成型体304、シフト触媒層315、選択酸化触媒層316を外部に対して断熱する無機質発泡体としての第2の断熱成型体305とを備える。
燃料処理装置301は、さらに、隔壁341と、隔壁342と、隔壁343と、隔壁344と、隔壁345と、隔壁346と、隔壁347とを備える。
燃焼原料導入部311は、燃料処理装置301の上部中央に設置され、原料導入口331を有する。原料導入口331から燃焼用原料(燃焼用ガスDと燃焼用空気E)が導入される。バーナー312は、燃料処理装置301の上部中央であって燃焼原料導入部311の直下方に形成された開口部311Aに接続され、燃料処理装置301の中心軸線に沿って懸架され、燃焼用ガスDを燃焼させる。燃焼室303は、燃焼円筒体303Aによって画成されており内部に、バーナー312を収納する。改質触媒層314は、円環形状をし、燃焼円筒体303Aの外側(燃料処理装置301の径方向外側)に配置されている。改質触媒層314は、その内側を隔壁341により、その外側を隔壁342により画成されている。
第1の断熱成型体304は、筒状体としての燃焼円筒体303Aの筒状体高温部の側を外部に対して断熱する。第1の断熱成型体304は、図に示すように燃料処理装置301の下部の広い配設される。第1の断熱成型体304は、上部に円柱形の凹部320を有する円柱形状であり、燃料処理装置301の下部に、後述の外皮材339の底面及び内壁面下部に接触して配置されている。凹部320には、燃焼室303の下部と、改質触媒層314の下部が収納されている。凹部320は、隔壁343の外周面に接触して、あるいは外周面と1mm程度の隙間をあけて配置されている。すなわち、表面材としての外皮材339は、第1の断熱成型体304の外側を覆い断熱を行っている。
第2の断熱成型体305は、筒状体としての燃焼円筒体303Aの筒状体低温部の側を外部に対して断熱する。第2の断熱成型体305は、改質触媒層314の外側(燃料処理装置301の径方向外側)であって、第1の断熱成型体304の上方に、配置されている。第2の断熱成型体305は、その内側を隔壁343により、その外側を隔壁344により直接挟まれ、隔壁343と隔壁344の間に収納されている。
ここで、第2の実施の形態では、燃焼円筒体303Aの筒状体高温部の側の外部は大気空間であり、燃焼円筒体303Aの筒状体低温部の側の外部は、効率のよい反応を行うために燃料処理装置301内では比較的に高い温度が適している改質触媒層314よりも径方向に外側の部分である。第2の実施の形態では、上述のように、第1の断熱成型体304は大気空間部分に施される。第2の断熱成型体305は、改質触媒層314とシフト触媒層315との間に施される。これにより、相対的に温度の高い改質触媒層314と相対的に温度が低いシフト触媒層315とが断熱され、ともに反応に適した温度に維持することができることとなる。
シフト触媒層315は、円環形状であり、第2の断熱成型体305の外側(燃料処理装置301の径方向外側)に配置されている。シフト触媒層315は、その内側を隔壁344により、その外側を隔壁345により画成されている。選択酸化触媒層316は、円環形状であり、シフト触媒層315の外側(燃料処理装置301の径方向外側)に、配置されている。選択酸化触媒層316は、隔壁346と隔壁347の垂直部347Aとによって画成されている。外皮材339は、選択酸化触媒層316の外側に配置されており、具体的には、隔壁347の垂直部347Aの外側に接触して配置されている。
燃料処理装置301は、さらに燃焼排気ガス流路321と、原料ガス導入流路334と、改質ガス流路322とを備える。燃焼排気ガス流路321は、燃焼円筒体303Aと隔壁341との間に円環形状に形成され、さらに燃料処理装置301上部であって外皮材339の天井部339Aに接する隔壁347の水平部347Bの真下に薄い円板状に形成される。バーナー312で燃焼した原料ガスGの燃焼排気ガスFは、燃焼排気ガス流路321を通って、燃焼排気ガス流路321に接続される燃焼排気ガス導出流路332を介して燃料処理装置301外に排気される。燃焼排気ガスFは、燃焼排気ガス流路321を通っている間、改質触媒層314を加熱し、加熱された改質触媒層314は、300℃から800℃の範囲内にある。また、後述のように円板状の燃焼排気ガス流路321の真下には原料ガス導入流路334の一部が通っており、燃焼排気ガスFは、改質触媒層314に接触する前の原料ガスGを予熱する。
原料ガス導入流路334は、燃料処理装置301上部であって燃焼排気ガス流路321の直下方に形成される。原料ガス導入流路334は、その途中に、円環形状の流路334Aと、同じく円環形状の流路334Bとを有する。流路334Aでは、原料ガスGは、選択酸化触媒層316とシフト触媒層315の間を下降し、原料ガスGと選択酸化触媒層316との間で熱交換が隔壁346を介して行われる熱交換部325を通過し、原料ガスGが選択酸化触媒層316により予熱される。流路334Bでは、原料ガスGは、さらに反転し選択酸化触媒層316とシフト触媒層315の間を上昇し、原料ガスGとシフト触媒層315との間で熱交換が隔壁345を介して行われる熱交換部326を通過し、原料ガスGがシフト触媒層315により予熱される。
改質用水Hが添加された原料ガスGは、原料ガス導入流路334に導入され、原料ガス導入流路334を通って改質触媒層314に供給される。改質ガス流路322は、第1の断熱成型体304と改質触媒層314との間に円環状に形成された流路322Aを含み、さらにシフト触媒層315の上方に形成された流路322Bと、シフト触媒層315と選択酸化触媒層316との下方に形成された流路322Cと、選択酸化触媒層316の上方に形成された流路322Dを含んで構成されている。シフト触媒層315、選択酸化触媒層316も、改質ガス流路322の一部を形成する。
原料ガスG及び改質用水Hは、選択酸化触媒層316とシフト触媒層315とに挟まれた原料ガス導入流路334である熱交換部325と熱交換部326とを通過する間に100℃から500℃に予熱される。原料ガスGは、改質触媒層314で改質反応により改質されH2とCOを主成分とする改質ガスMとなる。改質ガスMは、改質触媒層314から流路322A、322Bを通ってシフト触媒層315に送られ、改質ガスM中のCOは、シフト触媒層315でシフト(変成)反応により、H2とCO2にシフトされ、COが減少されたシフトガスIとなる。シフトガスIは、シフト触媒層315から流路322Cを通って選択酸化触媒層316に送られ、シフトガスI中のCOは、選択酸化触媒層316で選択酸化用空気導入流路335から送られた空気Kとの一酸化炭素選択酸化反応により、COが酸化されて除去され、H2を主成分とする燃料ガスJとなる。COが除去された燃料ガスJは、流路322Dを通って燃料ガス導出流路333から燃料処理装置301外に排出される。
なお、外皮材339は、典型的には、無機質短繊維としてのロックウールまたは無機質短繊維としてのガラスウールを円筒形状に成型加工し、さらにALGC(アルミガラスクロス)340等を外周部分(側面、上面、底面)に施し、さらに配管用の穴加工がなされている。
以上で説明した本発明の第2の実施の形態に係る燃料処理装置301によれば、燃料処理装置301内の温度分布を各部の反応に適した温度分布に維持することができ、効率よく燃料ガスJを生成することができる燃料処理装置301を提供することができ、また、燃料処理装置301内の温度分布を各部の反応に適した温度分布に維持でき、また、第2の断熱成型体5は無機質発泡体であるため、細くて奥行きのあるような形状部分にも、混合物をスラリー状態で流し込み、発泡、硬化させることで、隙間なく断熱施工をすることができので、高い断熱性を有し製造効率のよい燃料処理装置301とすることができる。
次に、適宜図1を参照して本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)まず、実施例1では、第1の断熱成型体4を形成する無機質多孔体の実施例を説明する。本実施例では、消石灰(CaO 95%)を85℃の温水中で消化して得た石灰乳に、珪石粉末(SiO2 94%)をCaO/SiO2モル比が1.00となるように加えた。さらに、酸化チタン粉末が成型体中の含有量で25重量%になるように添加し、蒸気圧約15kg/cm2、200℃前後の温度で4から5時間ゲル化させた。続いて、上記で得た結晶スラリー90重量部にガラス繊維7重量部、ポルトランドセメント3重量部を加えて撹拌混合したスラリーをプレス脱水成型し、続いて約15kg/cm2の蒸気圧で約10時間オートクレーブ養生し、さらに120℃前後の温度で36時間乾燥して、250mm(長さ)×250mm(幅)×40mm(厚さ)の無機質多孔体を製造した。
表1に得られた無機質多孔体の性能を表示する。
(実施例1)まず、実施例1では、第1の断熱成型体4を形成する無機質多孔体の実施例を説明する。本実施例では、消石灰(CaO 95%)を85℃の温水中で消化して得た石灰乳に、珪石粉末(SiO2 94%)をCaO/SiO2モル比が1.00となるように加えた。さらに、酸化チタン粉末が成型体中の含有量で25重量%になるように添加し、蒸気圧約15kg/cm2、200℃前後の温度で4から5時間ゲル化させた。続いて、上記で得た結晶スラリー90重量部にガラス繊維7重量部、ポルトランドセメント3重量部を加えて撹拌混合したスラリーをプレス脱水成型し、続いて約15kg/cm2の蒸気圧で約10時間オートクレーブ養生し、さらに120℃前後の温度で36時間乾燥して、250mm(長さ)×250mm(幅)×40mm(厚さ)の無機質多孔体を製造した。
表1に得られた無機質多孔体の性能を表示する。
(実施例2)次に、実施例2では、第2の断熱成型体5を形成する無機質発泡体の実施例を説明する。本実施例では、高炉スラグ、フライアッシュを主成分とする平均粒径10μm以下の珪酸アルミニウム系反応性無機粉体100重量部、40wt%濃度珪酸ナトリウム70重量部、35wt%過酸化水素水5重量部、酸化チタン17重量部を常温で5分撹拌し、250mm(長さ)×250mm(幅)×40mm(厚さ)の離型処理したスチール製の型枠に注入し、蓋で密閉する。続いて型枠を常温で1時間、発泡硬化させた後、脱型して無機質発泡体を得た。発泡体は防湿フィルムにて包み、90℃で8時間養生し、養生後防湿フィルムから取り出し、90℃で16時間乾燥して製造した。
表2に得られた無機質発泡体の性能を表示する。
表2に得られた無機質発泡体の性能を表示する。
(実施例3)続いて、実施例1、実施例2で示した無機質多孔体、無機質発泡体の組成に準じて成型した第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5を備える燃料処理装置1の実施例を説明する。第1の断熱成型体4を実施例1で示した組成に準じた無機質多孔体により成型した。第1の断熱成型体4の最上部a1は、65mm×610mm×303mmで板状に成型した無機質多孔体をドーナツ型に加工し、隔壁15Aと隔壁22Aが接合している部分に対応する箇所に段加工して成型した。第1の断熱成型体4の中央部a2は、最上部a1と同様に、65mm×610mm×303mmで板状に成型した無機質多孔体をドーナツ型に加工し、数枚積層させることで成型した。第1の断熱成型体4の最下部a3は、最上部a1と同様に、65mm×610mm×303mmで板状に成型した無機質多孔体を略円盤状に加工して成型した。第1の断熱成型体4の最上部a1、中央部a2、最下部a3を順に高温部aに挿入、装着し、これらを組み合わせて第1の断熱成型体4の全体を形成した。
次に、表面材6は、無機質短繊維をフェルト状に成型し、略円筒形状に形成して、第1の断熱成型体4と略同軸に外側に装着した。さらに、第1の断熱成型体4の最下部a3の外側にも略円盤状に形成された表面材6を装着した。さらに、第1の断熱成型体4の最上部a1の第2の断熱成型体5が配設される側に、境界面材7を設置した。
続いて、第2の断熱成型体5を実施例1で示した組成に準じた無機質発泡体により成型した。スラリーは、表面材6と隔壁15A、16A等との間の空間容積の5分の1程度の容積を1回で流し込んだ。次いで、表面材6の未だ開口している側に無機質短繊維フェルトをドーナツ型に加工したものを載せてフタをし、スラリーを常温で1時間かけて発泡させた。その後、燃料処理装置1全体を防湿フィルムで包み、90℃で8時間養生し、燃料処理装置1全体を防湿フィルムから取り出した後、90℃で16時間乾燥した。
以上で得られた燃料処理装置1について、4つの測定点で燃料処理装置1の外側温度(表面材6上の温度)、燃料処理装置1の内側温度(各隔壁と断熱成型体との境界部の温度)を測定した。
以上で得られた燃料処理装置1について、4つの測定点で燃料処理装置1の外側温度(表面材6上の温度)、燃料処理装置1の内側温度(各隔壁と断熱成型体との境界部の温度)を測定した。
図5は、実施例3で得られた燃料処理装置1の外側温度と内側温度の関係を示す図である。本実施例での測定点は、略円柱状に形成された燃料処理装置1の軸方向に対して、(i)隔壁16Aの略中央、(ii)隔壁15Aの略中央、(iii)隔壁15Aの隔壁15B側の端部、(iV)隔壁22Aの閉鎖されている側の端部の4つの位置(図1参照)である。
測定点(i)では、燃料処理装置外側温度T1は38℃であり、燃料処理装置内側温度T1’は、150℃であった。測定点(ii)では、燃料処理装置外側温度T2は49℃であり、燃料処理装置内側温度T2’は200℃であった。測定点(iii)では、燃料処理装置外側温度T3は50℃であり、燃料処理装置内側温度T3’は400℃であった。測定点(iV)では、燃料処理装置外側温度T4は49℃であり、燃料処理装置内側温度T4’は650℃であった。
以上の測定結果から、燃料処理装置1は、優れた耐熱性、断熱性を有し、装置内の温度バランスを適正に保つことができ、さらに、燃料処理装置1の外側の温度を充分に低下させることができるので、燃料処理装置1の表面に触れても火傷をするおそれがないことが確認された。また、第1の断熱成型体4、第2の断熱成型体5を比較的容易に成型、装着することができ実用性も十分であることが確認された。
1、301 燃料処理装置
2、302 バーナー炎
3A、303A 燃焼円筒体
3、303 燃焼室
4、304 第1の断熱成型体
5、305 第2の断熱成型体
6 表面材
7 境界面材
12、312 バーナー
14、314 改質触媒層
15、315 シフト触媒層
16、316 選択酸化触媒層
21、321 燃焼排気ガス流路
22、322 改質ガス流路
32、332 燃焼排気ガス導出流路
33、333 燃料ガス導出流路
34、334 原料ガス導入流路
35、335 選択酸化用空気導入流路
36 改質用水導入流路
201 燃料電池発電システム
202 燃料電池
14A、14B、15A、15B、15C、16A、21A、21B、21C、22A、341、342、343、344、345、346、347 隔壁
D 燃焼用ガス
E 燃焼用空気
F 燃焼排気ガス
G 原料ガス
H 改質用水
I シフトガス
J 燃料ガス
K 空気
M 改質ガス
N 酸化剤ガス
T1、T2、T3、T4 燃料処理装置外側温度
T1’、T2’、T3’、T4’ 燃料処理装置内側温度
a 高温部
b 中温部
2、302 バーナー炎
3A、303A 燃焼円筒体
3、303 燃焼室
4、304 第1の断熱成型体
5、305 第2の断熱成型体
6 表面材
7 境界面材
12、312 バーナー
14、314 改質触媒層
15、315 シフト触媒層
16、316 選択酸化触媒層
21、321 燃焼排気ガス流路
22、322 改質ガス流路
32、332 燃焼排気ガス導出流路
33、333 燃料ガス導出流路
34、334 原料ガス導入流路
35、335 選択酸化用空気導入流路
36 改質用水導入流路
201 燃料電池発電システム
202 燃料電池
14A、14B、15A、15B、15C、16A、21A、21B、21C、22A、341、342、343、344、345、346、347 隔壁
D 燃焼用ガス
E 燃焼用空気
F 燃焼排気ガス
G 原料ガス
H 改質用水
I シフトガス
J 燃料ガス
K 空気
M 改質ガス
N 酸化剤ガス
T1、T2、T3、T4 燃料処理装置外側温度
T1’、T2’、T3’、T4’ 燃料処理装置内側温度
a 高温部
b 中温部
Claims (7)
- 原料燃料を処理して水素を主成分とする燃料ガスに改質する燃料処理装置において;
前記改質に利用する熱を発生する熱源を収容する略筒状に形成された筒状体であって、相対的に温度の低い筒状体低温部と温度の高い筒状体高温部とを有する筒状体と;
前記筒状体高温部を外部に対して断熱する無機質多孔体と;
前記筒状体低温部を外部に対して断熱する無機質発泡体とを備える:
燃料処理装置。 - 原料燃料を改質し、水素を主成分とする改質ガスを生成する改質部と;
前記改質ガス中の一酸化炭素を低減して燃料ガスを生成する一酸化炭素低減部と;
前記改質に利用する熱を発生する熱源を収容する略筒状に形成された筒状体であって、相対的に温度の低い筒状体低温部と温度の高い筒状体高温部とを有する筒状体と;
前記改質部を外部に対して断熱する無機質多孔体と;
前記一酸化炭素低減部を外部に対して断熱する無機質発泡体とを備え:
前記改質部は前記筒状体高温部の側に、前記一酸化炭素低減部は前記筒状体低温部の側にそれぞれ配置される;
燃料処理装置。 - 前記改質部の温度は450℃程度以上であり、前記一酸化炭素低減部の温度は550℃程度以下である;
請求項2に記載の燃料処理装置。 - 前記無機質発泡体は、シリカ・アルミナ系微粒子粉末を含んで配合された混合物を発泡させ硬化させることにより形成される;
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料処理装置。 - 前記無機質多孔体と前記無機質発泡体の外側を覆う表面材と;
前記表面材の内側であって前記筒状体低温部の側に前記原料燃料を導入する配管を備え;
前記混合物はスラリーであり、前記無機質発泡体は、前記表面材の内側に前記スラリーを流し込むことによって形成され、前記配管を覆う;
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の燃料処理装置。 - 前記表面材は、無機質短繊維をフェルト状に成型させた無機質短繊維フェルトである;
請求項5に記載の燃料処理装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の燃料処理装置と;
前記燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学的反応により発電する燃料電池とを備える;
燃料電池発電システム。
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---|---|---|---|
JP2004154447A JP2005335982A (ja) | 2004-05-25 | 2004-05-25 | 燃料処理装置及び燃料電池発電システム |
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---|---|
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JP2004154447A Withdrawn JP2005335982A (ja) | 2004-05-25 | 2004-05-25 | 燃料処理装置及び燃料電池発電システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
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- 2004-05-25 JP JP2004154447A patent/JP2005335982A/ja not_active Withdrawn
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US10105667B2 (en) | 2012-06-14 | 2018-10-23 | Nuvera Fuel Cells, LLC | Steam reformers, modules, and methods of use |
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