JP2005335677A - 車両、車両の制御装置および制御方法 - Google Patents

車両、車両の制御装置および制御方法 Download PDF

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裕二 平松
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Abstract

【課題】 使用者の想定外の動作を防止するとともに使用者の意思で動作モードを切り替えることができる低コストの安全な車両、車両の制御装置および制御方法を提供することである。
【解決手段】 電動バランスボード1は、ジャイロセンサG1を備える。演算処理部94aは、ジャイロセンサG1の出力信号に基づいて傾斜角度変化値Δθbを算出する。制御モードが待機モードである場合に、傾斜角度変化値Δθbの絶対値が乗車角速度しきい値THonΔθbより大きくなると、制御モード切替部942dは、制御モードを乗車モードに切り替える。制御モードが乗車モードである場合に、傾斜角度変化値Δθbの絶対値が降車角速度しきい値THoffΔθbより大きくなると、制御モード切替部942dは、制御モードを待機モードに切り替える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一輪車および同軸二輪車等の車両、車両の制御装置および制御方法に関する。
従来より、車両本体の姿勢を自立的に安定させることが可能な一輪車および同軸二輪車等の不安定車両が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2または特許文献3参照)。このような不安定車両は、車輪を支点として揺動自在な構造を有する。
特許文献1には、揺動を低減できるとともに自立安定力の調整が可能な一輪車が記載されている。この一輪車においては、CMG(コントロールモーメントジャイロ)減揺装置により車軸の揺動角速度を低減している。それにより、走行中における一輪車の前後方向および左右方向の安定性を向上させている。
特許文献2には、一輪車等の不安定車両の走行制御装置が記載されている。この不安定車両の走行制御装置は、フレームの傾斜方向、傾斜角度および傾斜角速度に基づいて回転体を駆動することにより不安定車両を走行させている。
特許文献3には、同軸二輪車等の個人用移動車両が記載されている。この個人用移動車両においては、車両の前後方向の傾きに基づいて車両の進行方向および進行速度が決定されている。
特開平9−175462号公報 特許第3070015号公報 特表2003−502002号公報
ところで、上記特許文献1の一輪車および特許文献2の不安定車両の走行制御装置は、使用者の乗車および降車の判断を行うことができない。そのため、使用者が車両に乗車または車両から降車する際にも、減揺装置または走行制御装置により車両本体の姿勢が制御される。そのため、特に、特許文献2に記載されているような自走式の車両においては、車両への乗車および車両からの降車時に、車両が使用者の意思に反した動作を行うことがある。それにより、車両への乗車および車両からの降車が困難になる。
一方、上記特許文献3の個人用移動車両においては、近接センサにより使用者の乗車および降車の判断を行っているが、近接センサを設けることにより製造コストが高くなる。
本発明の目的は、使用者の想定外の動作を防止するとともに使用者の意思で動作モードを切り替えることができる低コストの安全な車両、車両の制御装置および制御方法を提供することである。
第1の発明に係る車両は、使用者が乗車する本体部と、本体部に回転自在に支持された車輪と、車輪を駆動する駆動部と、本体部の傾斜角度に関する情報を検出する第1の検出部と、複数の動作モードで駆動部を制御する制御部とを備え、制御部は、第1の検出部により検出された本体部の傾斜角度に関する情報に基づいて動作モードを切り替えるものである。
本発明に係る車両においては、制御部により複数の動作モードで駆動部が制御される。第1の検出部により本体部の傾斜角度に関する情報が検出される。そして、第1の検出部により検出された本体部の傾斜角度に関する情報に基づいて、制御部により動作モードが切り替えられる。
この場合、使用者が意図的に本体部を動かして本体部の傾斜角度に関する情報を調整することにより、動作モードを切り替えることができる。それにより、車両が使用者の想定外の動作を行うことが防止されるので安全性が向上する。また、動作モードを切り替えるためのセンサおよびスイッチ等を別個に設ける必要がないので、車両の製造コストを低減できる。
傾斜角度に関する情報は、本体部の傾斜角度の変化率を含んでもよい。この場合、使用者が所定の変化率で本体部の傾斜角度を変化させることにより、動作モードを容易に切り替えることができる。
本体部の傾斜角度の変化率は、所定時間当たりの本体部の傾斜角度の変化量であってもよい。この場合、使用者が所定の角速度で本体部の傾斜角度を変化させることにより、動作モードを容易に切り替えることができる。
制御部は、傾斜角度の変化率が所定のしきい値以上である場合に動作モードを切り替えてもよい。この場合、使用者が所定のしきい値以上の変化率で本体部の傾斜角度を変化させることにより、動作モードを容易に切り替えることができる。
複数の動作モードは、本体部が進行動作を行うための進行モードと本体部が停止するための停止モードとを含んでもよい。
この場合、使用者が意図的に本体部を動かして本体部の傾斜角度に関する情報を調整することにより、本体部を進行および停止させることができる。それにより、使用者が完全に本体部に乗車する前に使用者の意思にかかわらず本体部が進行動作を開始することが防止されるので、使用者は安全に本体部に乗車した後に自らの意思で本体部の進行動作を開始することができる。また、使用者が本体部から降車する際に使用者の意思にかかわらず本体部が進行動作を開始することが防止されるので、使用者は本体部から安全に降車することができる。
車両は、車輪の回転角度に関する情報を検出する第2の検出部をさらに備え、制御部は、進行モードにおいて傾斜角度に関する情報および回転角度に関する情報に基づいて駆動部による進行動作を制御してもよい。
この場合、使用者が意図的に傾斜角度に関する情報を調整することにより、進行動作における進行方向および進行速度を調整することができる。また、実際の車輪の回転状態を進行動作にフィードバックすることができる。それにより、円滑な速度調整が可能となる。
傾斜角度に関する情報は、本体部の傾斜角度の変化率および本体部の傾斜角度を含み、回転角度に関する情報は、車輪の回転角度の変化率を含んでもよい。
この場合、使用者が意図的に本体部の傾斜角度の変化率および本体部の傾斜角度を調整することにより、進行動作における進行方向および進行速度を調整することができる。また、実際の車輪の回転角度の変化率を進行動作にフィードバックすることができる。それにより、円滑な速度調整が可能となる。
車両は、車輪の回転角度に関する情報を検出する第2の検出部をさらに備え、制御部は、停止モードにおいて回転角度に関する情報に基づいて車輪を停止するように駆動部を制御してもよい。
この場合、車輪の回転角度に関する情報に基づいて車輪が停止されるので、動作モードが進行モードから停止モードに切り替えられた後に進行動作時の惰性によって本体部が進行動作を継続することを防止することができる。それにより、使用者の意思に反する進行動作を防止することができる。
車輪の回転角度に関する情報は、車輪の回転角度の変化率を含んでもよい。この場合、車輪の回転角度の変化率に基づいて車輪が停止されるので、本体部の速度に応じて本体部の進行を確実に停止することができる。
回転角度の変化率は、所定時間当たりの車輪の回転角度の変化量であってもよい。この場合、所定時間当たりの車輪の回転角度の変化量に基づいて車輪が停止されるので、本体部の速度に応じて本体部の進行を確実に停止することができる。
車輪は、本体部の進行方向と交差する方向の軸の周りで回転可能に本体部の中央部の下面側に設けられてもよい。この場合、使用者は容易に傾斜角度に関する情報を調整できるとともに、本体部上で容易にバランスを保つことができる。
本体部は、車輪を支点として上下に傾斜自在に設けられてもよい。この場合、使用者はさらに容易に傾斜角度に関する情報を調整することができる。それにより、容易に動作モードを切り替えることができる。
第2の発明に係る車両の制御装置は、使用者が乗車する本体部と、本体部に回転自在に支持された車輪と、車輪を駆動する駆動部とを備えた車両を制御する制御装置であって、本体部の傾斜角度に関する情報を検出する第1の検出部と、複数の動作モードで駆動部を制御する制御部とを備え、制御部は、第1の検出部により検出された本体部の傾斜角度に関する情報に基づいて動作モードを切り替えるものである。
本発明に係る車両の制御装置においては、制御部により複数の動作モードで駆動部が制御される。第1の検出部により本体部の傾斜角度に関する情報が検出される。そして、第1の検出部により検出された本体部の傾斜角度に関する情報に基づいて、制御部により動作モードが切り替えられる。
この場合、使用者が意図的に本体部を動かして本体部の傾斜角度に関する情報を調整することにより、動作モードを切り替えることができる。それにより、車両が使用者の想定外の動作を行うことが防止されるので安全性が向上する。また、動作モードを切り替えるためのセンサおよびスイッチ等を別個に設ける必要がないので、車両の製造コストを低減できる。
傾斜角度に関する情報は、本体部の傾斜角度の変化率を含んでもよい。この場合、使用者が所定の変化率で本体部の傾斜角度を変化させることにより、動作モードを容易に切り替えることができる。
本体部の傾斜角度の変化率は、所定時間当たりの本体部の傾斜角度の変化量であってもよい。この場合、使用者が所定の角速度で本体部の傾斜角度を変化させることにより、動作モードを容易に切り替えることができる。
制御部は、傾斜角度の変化率が所定のしきい値以上である場合に動作モードを切り替えてもよい。この場合、使用者が所定のしきい値以上の変化率で本体部の傾斜角度を変化させることにより、動作モードを容易に切り替えることができる。
第3の発明に係る車両の制御方法は、使用者が乗車する本体部と、本体部に回転自在に支持された車輪と、車輪を駆動する駆動部とを備えた車両を制御する制御方法であって、本体部の傾斜角度に関する情報を検出するステップと、本体部の傾斜角度に関する情報に基づいて動作モードを切り替えるように駆動部を制御するステップとを備えるものである。
本発明に係る車両の制御方法においては、本体部の傾斜角度に関する情報に基づいて、動作モードが切り替えられる。
この場合、使用者が意図的に本体部を動かして本体部の傾斜角度に関する情報を調整することにより、動作モードを切り替えることができる。それにより、車両が使用者の想定外の動作を行うことが防止されるので安全性が向上する。また、動作モードを切り替えるためのセンサおよびスイッチ等を別個に設ける必要がないので、車両の製造コストを低減できる。
傾斜角度に関する情報は、本体部の傾斜角度の変化率を含んでもよい。この場合、使用者が所定の変化率で本体部の傾斜角度を変化させることにより、動作モードを容易に切り替えることができる。
本体部の傾斜角度の変化率は、所定時間当たりの本体部の傾斜角度の変化量であってもよい。この場合、使用者が所定の角速度で本体部の傾斜角度を変化させることにより、動作モードを容易に切り替えることができる。
制御部を制御するステップは、傾斜角度の変化率が所定のしきい値以上である場合に動作モードを切り替えるように駆動部を制御するステップを含んでもよい。この場合、使用者が所定のしきい値以上の変化率で本体部の傾斜角度を変化させることにより、動作モードを容易に切り替えることができる。
本発明によれば、使用者が意図的に本体部を動かして本体部の傾斜角度に関する情報を調整することにより、動作モードを切り替えることができる。それにより、車両が使用者の想定外の動作を行うことが防止されるので安全性が向上する。また、動作モードを切り替えるためのセンサおよびスイッチ等を別個に設ける必要がないので、車両の製造コストを低減できる。
以下、本発明の実施の形態に係る車両について図面を参照しながら説明する。
(1)電動バランスボードの構造
図1は、本発明の一実施の形態に係る車両の構成を示す概略模式図である。図1においては、車両の一例として一輪の電動バランスボード1が示されている。なお、図1(a)は電動バランスボード1を斜め上方から見た図であり、図1(b)は電動バランスボード1を斜め下方から見た図である。また、以下の説明においては、図1に矢印で示す方向を前方とし、その逆を後方とする。
図1に示すように、電動バランスボード1は、FRP(繊維強化プラスチック)、木材等からなる板状のボード本体部2を有する。ボード本体部2の前方側および後方側には、長尺状の支持板3および支持板4がそれぞれ取り付けられている。これら支持板3および支持板4上には、ボード本体部2とほぼ同じ高さで透明の足載せ板5および足載せ板6がそれぞれ取り付けられている。なお、以下の説明においては、ボード本体部2、支持板3,4および足載せ板5,6をボード部と呼ぶ。
ボード本体部2の下面には支持具7により車輪8が回転可能に取り付けられている。車輪8は、例えばゴムまたは樹脂等からなり、モータ8aおよび減速機構8bを内蔵する。減速機構8bは、例えば遊星歯車機構を有する。また、車輪8には車輪回転角検出センサ8cが設けられている。車輪回転角検出センサ8cは、例えば3相式のエンコーダからなり、車輪8の回転角度を検出する。また、車輪8は、使用者が旋回しやすくなるように中央部が凸状となっている。
また、ボード本体部2の中央部には駆動制御部9が埋設されている。駆動制御部9は、モータ8aを駆動する。
本実施の形態に係る電動バランスボード1においては、使用者は足載せ板5,6にそれぞれ片足を載せ、走行方向(図1の矢印の方向)に沿って両足を並べた状態で車輪8を支点として両足でボード部のバランスをとりつつ乗車する。換言すれば、電動バランスボード1は、走行方向に向いたボード部が車輪8を支点として傾斜自在な車両である。
図2は、図1の電動バランスボード1の概略側面図である。
図2に示すように、ボード本体部2の中央下部には姿勢検出ユニットGGが設けられている。姿勢検出ユニットGGは、ジャイロセンサG1および加速度センサG2からなり、ボード本体部2の傾斜角度を検出する。なお、ジャイロセンサG1は、ボード本体部2の角速度を検出する。また、加速度センサG2は、ボード本体部2に働く重力加速度の傾斜方向の成分を検出する。
(2)駆動制御部の構成
次に、電動バランスボード1の駆動制御部9の構成について図面を参照しながら説明する。図3は電動バランスボード1の駆動制御部9の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、駆動制御部9は、コントローラ91、モータドライバ92および電源となるバッテリ93を含む。コントローラ91は、マイクロコンピュータ94、パルス発生器95およびA/D(アナログ/デジタル)変換器96を含む。
A/D変換器96は、車輪回転角検出センサ8c、ジャイロセンサG1および加速度センサG2のアナログ出力信号をデジタル信号に変換してマイクロコンピュータ94に与える。
マイクロコンピュータ94は、A/D変換器96から与えられたデジタル信号に基づいて、パルス発生器95によりパルス幅変調(PWM)された電流指令値をモータドライバ92に与える。
モータドライバ92は、マイクロコンピュータ94からの電流指令値に基づいてモータ8aに駆動電流を流す。それにより、モータ8aが減速機構8bを介して車輪8を駆動する。
(3)マイクロコンピュータの処理
次に、駆動制御部9のマイクロコンピュータ94の制御動作について図面を参照しながら説明する。
図4は、マイクロコンピュータ94の制御動作を示す概略フローチャートである。
図4に示すように、ボード本体部2に設けられたスイッチ(図示せず)がオンにされると、マイクロコンピュータ94は、初期化処理(ステップS1)、デジタル信号取得処理(ステップS2)、演算処理(ステップS3)、制御モード設定処理(ステップS4)および駆動指令処理(ステップS5)を順に行う。また、ステップS5の駆動指令処理の後、マイクロコンピュータ94は、ステップS2のデジタル信号取得処理に戻り、所定の周期(例えば、10msec)でステップS2からステップS5の処理を繰り返す。
以下、ステップS1〜S5の各処理について説明する。
(3−1)初期化処理(ステップS1)
ステップS1の初期化処理において、マイクロコンピュータ94は、電動バランスボード1の各部の初期化を行う。ステップS1においては、モータドライバ92への電流指令値は0に設定されている。
(3−2)デジタル信号取得処理(ステップS2)
ステップS2のデジタル信号取得処理において、マイクロコンピュータ94は、車輪回転角検出センサ8c、ジャイロセンサG1および加速度センサG2の出力信号をA/D変換器96からデジタル信号として取得する。
(3−3)演算処理(ステップS3)
ステップS3の演算処理において、マイクロコンピュータ94は、ステップS2において取得したデジタル信号に基づいて車輪8の回転角度変化値Δθw、ボード本体部2の傾斜角度変化値Δθbおよびボード本体部2の傾斜角度値θbを算出する。なお、回転角度変化値Δθwは、サンプリング時間(サンプリング間隔;例えば、10msec)当たりの車輪8の回転角度に相当する。傾斜角度変化値Δθbは、サンプリング時間当たりのボード本体部2の傾斜角度の変化量に相当する。傾斜角度値θbは、地面に対するボード本体部2の傾斜角度に相当する。以下、回転角度変化値Δθw、傾斜角度変化値Δθbおよび傾斜角度値θbの算出方法について説明する。
図5は、マイクロコンピュータ94および制御プログラムによって実現される演算処理部94aの機能的な構成を示すブロック図である。以下、任意のサンプリング時における回転角度変化値Δθwn 、傾斜角度変化値Δθbn および傾斜角度値θbn の算出方法について説明する。なお、図5においてはA/D変換器96は図示していないが、車輪回転角検出センサ8c、ジャイロセンサG1および加速度センサG2の出力信号はA/D変換器96を介して演算処理部94aに与えられる。
(a)回転角度変化値Δθwの算出
図5に示すように、演算処理部94aには、車輪回転角検出センサ8cから、電動バランスボード1の電源がオンになった時点を基準とする車輪8の回転角度に応じた出力信号が回転角度値θwn として入力される。演算部941は、回転角度値θwn から前回のサンプリング時に検出された回転角度値θwn-1 を減算する。それにより、車輪8の回転角度変化値Δθwn が算出される。
なお、電動バランスボード1が前進するときの車輪8の回転方向を正回転とし、その逆を逆回転とすると、回転角度変化値Δθwは、車輪8が正回転している場合には正の値になり、車輪8が逆回転している場合には負の値になる。また、回転角度値θwは、電動バランスボード1が、電源がオンになったときの位置より前方に移動している場合には正の値になり、後方に移動している場合には負の値になる。
(b)傾斜角度変化値Δθbの算出
演算処理部94aには、ジャイロセンサG1からサンプリング時間におけるボード本体部2の傾斜角度の変化量に応じた出力信号が、第1の傾斜角度変化値Δθbn1として入力される。
演算部942は、第1の傾斜角度変化値Δθbn1からジャイロセンサG1のオフセット値G1V0 を減算する。それにより、サンプリング時間におけるボード本体部2の傾斜角度変化値Δθbn が算出される。なお、オフセット値G1V0 はオフセット値演算部OSにおいて算出される。オフセット値演算部OSについては後述する。
なお、傾斜角度変化値Δθbは、ボード部(ボード本体部2)の前方側が地面に近づくように傾斜する場合に正の値になり、ボード部(ボード本体部2)の後方側が地面に近づくように傾斜する場合に負の値になる。
(c)傾斜角度値θbの算出
本実施の形態においては、ジャイロセンサG1の出力信号に基づいて算出される第1の傾斜角度値θ1bと加速度センサG2の出力信号に基づいて算出される第2の傾斜角度値θ2bとを用いて傾斜角度値θbを算出している。以下にその算出方法を説明する。
(c−1)第1の傾斜角度値θ1bの算出
演算部943は、上記算出された傾斜角度変化値Δθbn と前回のサンプリング時に算出された傾斜角度値θbn-1 とを加算する。それにより、第1の傾斜角度値θ1n が算出される。
(c−2)第2の傾斜角度値θ2bの算出
演算処理部94aには、加速度センサG2からボード本体部2の傾斜角度に応じた出力信号が、加速度センサ値G2Vn として入力される。なお、本例で用いる加速度センサG2は、上述したように、ボード本体部2に働く重力加速度の傾斜方向の成分を検出する。加速度センサ値G2Vn は、ボード本体部2の傾斜角度に応じて増減する。
演算部944は、加速度センサ値G2Vn から加速度センサG2のオフセット値G2V0 を減算し、加速度センサ値G2Vn1を算出する。その後、変換部945は、加速度センサ値G2Vn1を第2の傾斜角度値θ2n に変換する。
(c−3)傾斜角度θbnの算出
ここで、上記第1の傾斜角度θ1n の算出においては、ジャイロセンサG1の出力信号に基づいて算出される傾斜角度変化値Δθbn がサンプリングごとに加算されている。この場合、ジャイロセンサG1の出力信号は誤差を含むので、サンプリングごとに第1の傾斜角度θ1n に誤差が累積される。そのため、第1の傾斜角度θ1n は、ボード本体部2の正確な傾斜角度を表していない。
一方、上記第2の傾斜角度θ2n の算出は、加速度センサG2の出力信号に基づいて行われている。ここで、加速度センサG2の出力信号には慣性力が大きく影響する。したがって、加速度センサG2に大きな慣性力が作用する場合すなわちボード本体部2が高速に傾斜する場合または電動バランスボード1が高速で前後進している場合に、加速度センサG2の出力信号からボード本体部2の傾斜角度を算出すると大きな誤差が生じる。そのため、第2の傾斜角度θ2n は、ボード本体部2の正確な傾斜角度を表していない。
そこで、演算部946において第1の傾斜角度値θ1n と第2の傾斜角度値θ2n との差(以下、差分値θ12と称する)を算出する。次に、演算部947は、上記差分値θ12に補正係数Keを乗算し、補正値Keθ12を算出する。次いで、演算部948は、第1の傾斜角度値θ1n から補正値Keθ12を減算する。これにより、ジャイロセンサG1および加速度センサG2の誤差が補正され、ボード本体部2の傾斜角度値θbn が算出される。なお、補正係数Keは、実験により求めることができる。補正係数Keは、例えば、0.01である。
なお、傾斜角度値θbは、ボード部(ボード本体部2)が地面に対して水平に維持されている場合に0となり、ボード部(ボード本体部2)の前方側が水平方向より地面側に傾斜している場合に正の値になり、ボード部(ボード本体部2)の後方側が水平方向より地面側に傾斜している場合に負の値になる。
(d)オフセット値演算処理部OS
次に、オフセット値演算部OSについて簡単に説明する。
図5では、電動バランスボード1の電源がオンになったときのジャイロセンサG1のオフセット値をG1V1 とする。一般に、ジャイロセンサは温度変化の影響を受けやすく、オフセット値G1V1 は温度変化に伴い変化する。そのため、ジャイロセンサG1の出力信号からオフセット値G1V1 を減算することによりオフセット調整を行う場合、雰囲気の温度によって測定誤差が生じる。そこで、この測定誤差を補うために、オフセット値演算部OSの補正部949が、差分値θ12に基づいて温度補正値Vを算出する。次いで、演算部950が、オフセット値G1V1 から温度補正値Vを減算する。これにより、温度変化に伴うオフセット値G1V1 の誤差が補正され、温度変化に依存したオフセット値G1V0 が算出される。
(3−4)制御モード設定処理(ステップS4)
ステップS4の制御モード設定処理においては、マイクロコンピュータ94は、準備モード、待機モード、乗車モード、起き上がりモードおよび平衡安定モードのうち一つの制御モードを選択する。
図6は、各制御モードの関係を示すブロック図である。
図6に示すように、電動バランスボード1の電源がオンになると、マイクロコンピュータ94は、まず電動バランスボード1の制御モードを準備モードに設定する。準備モードでは、電動バランスボード1の各部の出力の安定化を行うための時間を確保する。
その後、マイクロコンピュータ94は、制御モードを待機モードに変更するか、あるいは準備モードを継続する。制御モードの変更条件については後述する。
待機モードでは、使用者が電動バランスボード1に乗車したか否かを判断し、その判断に応じた制御モードを選択する。
次に、マイクロコンピュータ94は、制御モードを乗車モード、起き上がりモードまたは平衡安定モードのいずれかに変更するか、あるいは待機モードを継続する。
乗車モードでは、使用者が電動バランスボード1に乗車した場合に、使用者の意思に従い電動バランスボード1を進行または停止する。制御モードが乗車モードである場合には、マイクロコンピュータ94は、制御モードを待機モードに変更するか、あるいは乗車モードを継続する。
起き上がりモードでは、使用者が電動バランスボード1上に乗車していない場合に、電動バランスボード1の足載せ板5または足載せ板6(図1参照)を地面から浮上させ、ボード部(ボード本体部2および足載せ板5,6)を地面に対して水平な状態にする。制御モードが起き上がりモードである場合には、マイクロコンピュータ94は、制御モードを平衡安定モードまたは待機モードに変更するか、あるいは起き上がりモードを継続する。
平衡安定モードでは、起き上がりモードにおいてボード部が地面に対して水平な状態になった場合に、その状態を所定時間維持する。制御モードが平衡安定モードである場合には、マイクロコンピュータ94は、制御モードを待機モードに変更するか、あるいは平衡安定モードを継続する。
なお、本実施の形態においては、起き上がりモードおよび平衡安定モードにおけるボード部の動きおよび姿勢制御により、使用者は、電動バランスボード1に乗車していない場合に電動バランスボード1の電源がオンになっていることを認知することができる。それにより、電動バランスボード1が使用されないときに、電動バランスボード1の電源がオンの状態で放置されることを防止することができる。
(a)各モードの駆動指令トルク
ここで、各制御モードにおけるモータ8aの駆動指令トルクTについて説明する。
本実施の形態においては、図5で説明した傾斜角度変化値Δθb、傾斜角度値θb、回転角度変化値Δθwおよび回転角度値θwに基づいて、各制御モードにおけるモータ8aの駆動指令トルクTが決定される。マイクロコンピュータ94は、この駆動指令トルクTに対応した電流指令値をモータドライバ92に与える。なお、駆動指令トルクTの値が正の場合には、車輪8の正回転の方向にトルクが与えられ、駆動指令トルクTの値が負の場合には、車輪8の逆回転の方向にトルクが与えられる。
表1に、各制御モードと駆動指令トルクTとの関係を示す。
Figure 2005335677
(a−1)準備モード
表1に示すように、準備モードにおいては、モータ8aの駆動指令トルクTは0に設定される。すなわち、準備モードにおいては、電動バランスボード1は停止状態である。
(a−2)待機モード
表1に示すように、待機モードにおいては、モータ8aの駆動指令トルクTは、下記式(1)により決定される。
T=K1d・Δθw ・・・(1)
ここで、上式(1)のK1dは負の係数である。したがって、駆動指令トルクTの値は、回転角度変化値Δθwが正の場合には負の値になり、回転角度変化値Δθwが負の場合には正の値になる。つまり、待機モードにおいては、車輪8の回転方向と逆方向にトルクが与えられる。これにより、電動バランスボード1に制動がかけられ、電動バランスボード1を停止させることができる。また、車輪8が回転していない場合には、駆動指令トルクTの値は0になり、電動バランスボード1は停止状態を維持する。
(a−3)乗車モード
表1に示すように、乗車モードにおいては、モータ8aの駆動指令トルクTは、下記式(2)により決定される。
T=K2a・θb+K2b・Δθb+K2d・Δθw ・・・(2)
上式(2)のK2a、K2bおよびK2dは正の係数である。
この場合、使用者は、電動バランスボード1に乗車した状態で、ボード部(ボード本体部2)を傾斜させ、傾斜角度変化値Δθbおよび傾斜角度値θbを任意に調整することにより、電動バランスボード1の進行方向および速度を決定することができる。また、回転角度変化値Δθwを駆動指令トルクTにフィードバックすることができるので、円滑な速度調整が可能となる。
(a−4)起き上がりモード
表1に示すように、起き上がりモードにおいては、モータ8aの駆動指令トルクTは、下記式(3)により決定される。
T=K3a・θb+K3b・Δθb ・・・(3)
上式(3)のK3aおよびK3bは正の係数である。
ここで、ボード部の前方側(足載せ板5)が地面に接触している場合には、傾斜角度値θbは正になり、ボード部の後方側(足載せ板6)が地面に接触している場合には、傾斜角度値θbは負になる。つまり、足載せ板5が地面に接触している場合には、車輪8は足載せ板5を地面から浮上させるために正回転し、足載せ板6が地面に接触している場合には、車輪8は足載せ板6を地面から浮上させるために逆回転する。
また、車輪8が正回転することにより足載せ板5が浮上した場合において、足載せ板5が水平方向よりも上側に傾斜した場合には、傾斜角度値θbが負になり、車輪8が逆回転する。一方、車輪8が逆回転することにより足載せ板6が浮上した場合において、足載せ板6が水平方向よりも上側に傾斜した場合には、傾斜角度値θbが正になり、車輪8が正回転する。
つまり、ボード部の前方側が地面に近づいている場合には、車輪8が正回転しボード部の前方側が浮上し、ボード部の後方側が地面に近づいている場合には、車輪8が逆回転しボード部の後方側が浮上する。これにより、ボード部が地面に対して水平な状態になる。
(a−5)平衡安定モード
表1に示すように、平衡安定モードにおいては、モータ8aの駆動指令トルクTは、下記式(4)により決定される。
T=K4a・θb+K4b・Δθb+K4c・θw+K4d・Δθw ・・・(4)
上式(4)のK4a、K4b、K4cおよびK4dは正の係数である。
この場合、電動バランスボード1は、ボード部を地面に対して水平な状態で維持するとともに、電源がオンになったときの電動バランスボード1の位置を維持することができる。
(b)制御モード設定処理(ステップS4)の詳細
次に、ステップS4の制御モード設定処理について図面を用いてさらに詳細に説明する。
図7は、マイクロコンピュータ94および制御プログラムによって実現される制御モード設定部94bの機能的な構成を示すブロック図であり、図8、図9、図10、図11、図12、図13、図14および図15は制御モード設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図7に示すように、制御モード設定部94bは、制御モード識別部94c、制御モード決定処理部94d、電流指令値算出部94eおよび時計部94fを備える。また、制御モード決定処理部94dは、経過時間判定部941d、制御モード切替部942d、車輪回転速度判定部943d、ボード角速度判定部944d、加速度センサ値判定部945d、駆動トルク判定部946d、ボード角度判定部947dおよび車輪回転角度判定部948dを備える。以下、制御モード設定部94bの各構成部の処理について図面を用いて説明する。
制御モード設定処理においては、図8に示すように、まず、制御モード識別部94cが、制御モード識別処理を行う(ステップS41)。この制御モード識別処理においては、後述するように、現在の制御モードが識別される。
次に、制御モード決定処理部94dが、制御モード決定処理を行う(ステップS42)。この制御モード決定処理においては、後述するように、制御モード決定処理部94dの各構成部により判定される種々の判定結果に基づいて、制御モードが決定される。
次に、電流指令値算出部94eが、ステップS42において決定された制御モードにおける駆動指令トルクTを算出し、算出された駆動指令トルクTに対応する電流指令値を算出する(ステップS43)。
次に、制御モード識別部94cは、ステップS42において制御モードが変更されたか否かを判別する(ステップS44)。制御モードが変更されている場合、時計部94fが、時間管理のためのカウンタ値をリセットする(ステップS45)。その後、マイクロコンピュータ94は図4のステップS5の処理に進む。
ステップS44において制御モードが変更されていない場合、時計部94fは、カウンタの値をインクリメントする(ステップS46)。その後、マイクロコンピュータ94は図4のステップS5の処理に進む。
以下、図面を参照しながら、ステップS41の制御モード識別処理およびステップS42の制御モード決定処理について詳細に説明する。
(b−1)制御モード識別処理(ステップS41)
図9に示すように、制御モード識別処理において、制御モード識別部94c(図7参照)は、まず、現在の制御モードが準備モードであるか否かを判別する(ステップS411)。準備モードである場合、マイクロコンピュータ94は、後述するステップS421の処理に進む(図10参照)。
ステップS411において、現在の制御モードが準備モードでない場合、制御モード識別部94cは、現在の制御モードが待機モードであるか否かを判別する(ステップS412)。待機モードである場合、マイクロコンピュータ94は、後述するステップS424の処理に進む(図11参照)。
ステップS412において、現在の制御モードが待機モードでない場合、制御モード識別部94cは、現在の制御モードが乗車モードであるか否かを判別する(ステップS413)。乗車モードである場合、マイクロコンピュータ94は、後述するステップS430の処理に進む(図12参照)。
ステップS413において、現在の制御モードが乗車モードでない場合、制御モード識別部94cは、現在の制御モードが起き上がりモードであるか否かを判別する(ステップS414)。起き上がりモードである場合、マイクロコンピュータ94は、後述するステップS438の処理に進む(図14参照)。
ステップS414の処理において、現在の制御モードが起き上がりモードでないと判別された場合、すなわち制御モード識別部94cが現在の制御モードを平衡安定モードであると判別した場合、マイクロコンピュータ94は、後述するステップS443の処理に進む(図15参照)。
(b―2)制御モード決定処理(ステップS42)
制御モード決定処理においては、図9のステップS411において制御モードが準備モードである場合、図10に示すように、経過時間判定部941d(図7参照)は所定時間(例えば、0.5秒)経過したか否かを判別する(ステップS421)。このステップS421の処理は、電動バランスボード1の電源がオンになった後、電動バランスボード1の各部の出力が安定するまでの時間を確保するために設けられる。なお、電動バランスボード1の電源をオンにした直後は、制御モードは準備モードに設定される。
ステップS421において所定時間が経過している場合、マイクロコンピュータ94は電動バランスボード1の各部の出力が安定したと判断する。この場合、制御モード切替部942d(図7参照)は、制御モードを待機モードに切り替える(ステップS422)。その後、マイクロコンピュータ94は図8のステップS43の処理に進む。
ステップS421の処理において所定時間が経過していない場合、マイクロコンピュータ94は、電動バランスボード1の各部の出力が安定していないと判断する。この場合、制御モード切替部942dは準備モードを継続する(ステップS423)。その後、マイクロコンピュータ94は図8のステップS43の処理に進む。
図9のステップS412において制御モードが待機モードである場合、図11に示すように、経過時間判断部941dが所定時間(例えば0.5秒)経過したか否かを判別する(ステップS424)。このステップS424の処理は、制御モードが他のモードから待機モードに切り替えられた後、電動バランスボード1の各部の出力が安定するまでの時間を確保するために設けられる。
ステップS424において所定時間が経過している場合、マイクロコンピュータ94は、電動バランスボード1の各部の出力が安定したと判断する。この場合、車輪回転速度判定部943d(図7参照)および経過時間判定部941dは、回転角度変化値Δθw(電動バランスボード1の車速)が0でかつその状態が所定時間(例えば、3秒)継続したか否かを判別する(ステップS425)。回転角度変化値Δθwが0でかつその状態が所定時間継続している場合、マイクロコンピュータ94は電動バランスボード1に使用者が乗車していないと判断する。この場合、制御モード切替部942dが制御モードを起き上がりモードに切り替える(ステップS426)。その後、マイクロコンピュータ94は図8のステップS43の処理に進む。
ステップS425において、回転角度変化値Δθwが0でない場合または所定時間継続していない場合、ボード角速度判定部944d(図7参照)は、傾斜角度変化値Δθbの絶対値が乗車角速度しきい値THonΔθbより大きいか否かを判別する(ステップS427)。傾斜角度変化値Δθbの絶対値が乗車角速度しきい値THonΔθbより大きい場合、マイクロコンピュータ94は、使用者が電動バランスボード1で走行するために電動バランスボード1に乗車してボード部の前方側または後方側を意図的に浮上させていると判断する。この場合、制御モード切替部942dは、制御モードを乗車モードに切り替える(ステップS428)。その後、マイクロコンピュータ94は図8のステップS43の処理に進む。なお、ボード本体部2の傾斜角速度が例えば180°/s以上である場合に傾斜角度変化値Δθbの絶対値が乗車角速度しきい値THonΔθbより大きくなるように、乗車角速度しきい値THonΔθbが設定される。
ステップS424において所定時間が経過していない場合、マイクロコンピュータ94は、電動バランスボード1の各部の出力が安定していないと判断する。この場合、制御モード切替部942dは待機モードを継続する(ステップS429)。その後、マイクロコンピュータ94は図8のステップS43の処理に進む。
ステップS427において、傾斜角度変化値Δθbの絶対値が乗車角速度しきい値THonΔθb以下の場合、マイクロコンピュータ94は、使用者がボード部の前方側または後方側を意図的に浮上させようとしていないと判断する。この場合、制御モード切替部942dは待機モードを継続する(ステップS429)。その後、マイクロコンピュータ94は図8のステップS43の処理に進む。
図9のステップS413の処理において制御モードが乗車モードであると判別された場合、図12に示すように、ボード角速度判定部944dは傾斜角度変化値Δθbの絶対値が降車角速度しきい値THoffΔθbより大きいか否かを判別する(ステップS430)。傾斜角度変化値Δθbの絶対値が降車角速度しきい値THoffΔθbより大きい場合、マイクロコンピュータ94は、電動バランスボード1から使用者が降車しようとしていると判断する。この場合、制御モード切替部942dは制御モードを待機モードに切り替える(図13のステップS431)。その後、マイクロコンピュータ94は図8のステップS43の処理に進む。なお、ボード本体部2の傾斜角速度が例えば180°/s以上である場合に、傾斜角度変化値Δθbの絶対値が降車角速度しきい値THoffΔθbより大きくなるように、降車角速度しきい値THoffΔθbが設定される。
ステップS430において、傾斜角度変化値Δθbの絶対値が降車角速度しきい値THoffΔθb以下の場合、車輪回転速度判定部943dが回転角度変化値Δθwの絶対値が停止速度しきい値THstΔθwより大きいか否かを判別する(ステップS432)。回転角度変化値Δθwの絶対値が停止速度しきい値THstΔθwより大きい場合、制御モード切替部942dは制御モードを待機モードに切り替える(図13のステップS431)。なお、電動バランスボード1の走行速度が例えば10km/h以上である場合に、回転角度変化値Δθwの値が停止速度しきい値THstΔθwより大きくなるように、停止速度しきい値THstΔθwが設定される。この場合、使用者が安全に電動バランスボード1の走行を楽しむことができる。
ステップS432において、回転角度変化値Δθwが停止速度しきい値THstΔθw以下の場合、加速度センサ値判定部945dおよび経過時間判定部941dが、加速度センサ値G2V(図5参照)の絶対値が第1の加速度センサしきい値TH1G2Vより大きくかつその状態が所定時間(例えば、100msec)継続したか否かを判別する(ステップS433)。
ここで、ステップS433の処理について図面を用いて説明する。図16は、ステップS433において、加速度センサ値G2Vの絶対値が第1の加速度センサしきい値TH1G2Vより大きくかつその状態が所定時間継続している場合の加速度センサ値G2Vの経時変化の一例を示した図である。一方、図17は、ステップS431の処理において、加速度センサ値G2Vの絶対値が第1の加速度センサしきい値TH1G2Vより大きいが、その状態が所定時間継続していない場合の加速度センサ値G2Vの経時変化の一例を示した図である。なお、図16および図17においては、縦軸は加速度センサ値G2Vを示し、横軸は時間を示す。
上述したように、加速度センサG2の出力信号には慣性力が大きく影響する。そのため、例えば、使用者が意図的に電動バランスボード1を前後に素早く移動させた場合、加速度センサ値G2Vは、図16に示すように緩やかに変化する。この場合、加速度センサ値G2Vの絶対値が第1の加速度センサしきい値TH1G2Vより大きくなる状態が所定時間(図16においては100msec)以上継続する。
一方、地面の凹凸等の影響により電動バランスボード1が振動する場合、加速度センサ値G2Vは、図17に示すように急峻に変化する。この場合、加速度センサ値G2Vの絶対値が第1の加速度センサしきい値TH1G2Vより大きくなる場合があるが、その状態は所定時間(図17においては100msec)以上継続しない。つまり、ステップS433においては、使用者が意図的に加速度センサ値G2Vを変化させているか否かを判別している。なお、ステップS433における所定時間および第1の加速度センサしきい値TH1G2Vは、電動バランスボード1の構造等に応じて設定される。
ステップS433の処理において、加速度センサ値G2Vの絶対値が第1の加速度センサしきい値TH1G2Vより大きくかつその状態が所定時間継続している場合、マイクロコンピュータ94は、電動バランスボード1から使用者が降車しようとしていると判断する。この場合、制御モード切替部942dが制御モードを待機モードに切り替える(図13のステップS431)。
ステップS433において、加速度センサ値G2Vの絶対値が第1の加速度センサしきい値TH1G2V以下の場合または所定時間継続していない場合、加速度センサ値判定部945dは、電動バランスボード1が異常な振動状態であるか否かを判別する(ステップS434)。
ここで、ステップS434の処理について図面を用いて説明する。図18は、ステップS434における異常な振動を検知するためのフローチャートである。
ステップS434においては、図18に示すように、加速度センサ値判定部945dは、まず、100msecのサンプリング時間で、過去1秒間の加速度センサ値G2Vを読み込む(ステップS4341)。つまり、ステップS4321においては、加速度センサ値G2Vが10回読み込まれる。
次に、加速度センサ値判定部945dは、ステップS4341において正の値として読み込まれた加速度センサ値G2Vの個数と負の値として読み込まれた加速度センサ値G2Vの個数との差を算出する(ステップS4342)。
次に、加速度センサ値判定部945dは、ステップS4342において算出された差が2以下であるか否かを判別する(ステップS4343)。差が2以下である場合、加速度センサ値判定部945dは、ステップS4341において読み込まれた加速度センサ値G2Vの絶対値のうち少なくとも1つが第2の加速度センサしきい値TH2G2Vより大きいか否かを判別する(ステップS4344)。
ステップS4341において読み込まれた加速度センサ値G2Vの絶対値のうち少なくとも1つが第2の加速度センサしきい値TH2G2Vより大きい場合、加速度センサ値判定部945dは電動バランスボード1が異常な振動状態であると判断する(ステップS4345)。
ステップS4343において、ステップS4342において算出された差が3以上である場合、加速度センサ値判定部945dは電動バランスボード1に異常な振動はないと判断する(ステップS4346)。
ステップS4344において、ステップS4341において読み込まれた加速度センサ値G2V絶対値のうち全てが第2の加速度センサしきい値TH2G2V以下の場合、加速度センサ値判定部945dは電動バランスボード1に異常な振動はないと判断する(ステップS4346)。
次に、電動バランスボード1が異常な振動状態であると判断される場合について図面を用いて説明する。図19は、電動バランスボード1が異常な振動状態である場合の加速度センサ値G2Vの経時変化の一例を示した図である。なお、図19においては、縦軸は加速度センサ値G2Vを示し、横軸は時間を示す。
制御モードが乗車モードでありかつ使用者が電動バランスボード1に乗車していない場合、電動バランスボード1のボード部は安定しない。そのため、ボード部は不規則に振動し、加速度センサ出力値G2Vは図19に示すように短い周期で上下変化を繰り返す。
ここで、図19に示す任意の期間Pにおいて、加速度センサ値G2Vが100msecのサンプリング時間で10回読み込まれた場合、正の値は4個であり、負の値は6個である。この場合、図18のステップS4343において、差が2以下であると判別される。
また、図19においては、読み込まれた加速度センサ値G2Vの絶対値のうち5つが第2の加速度センサしきい値TH2G2Vより大きい。この場合、図18のステップS4344の処理において、読み込まれた加速度センサ値G2Vの絶対値のうち少なくとも1つが第2の加速度センサしきい値TH2G2Vより大きいと判別され、電動バランスボード1が異常な振動状態であると判断される。
一方、電動バランスボード1に使用者が乗車している場合には、使用者の体重によりボード部が安定するため、地面の凹凸等により電動バランスボード1が振動する場合でも、加速度センサ出力値G2Vの絶対値の最大値が第2の加速度センサしきい値TH2G2Vより大きくならない。つまり、図18のステップS4344の処理を設けることにより、使用者が電動バランスボード1に乗車している場合に、電動バランスボード1が異常な振動状態であると判断されることを防止することができる。
また、乗車モードにおいて通常に走行している場合には、加速度センサ値G2Vは緩やかに変化する。この場合、100msecのサンプリング時間で加速度センサ値G2Vを10回読み込むと、10個の加速度センサ値G2Vのほとんどが正および負のいずれか一方に偏る。したがって、ステップS4343において、差が3以上であると判別される。それにより、電動バランスボード1に異常な振動はないと判断される。つまり、ステップS4343の処理を設けることにより、通常の走行状態において、電動バランスボード1が異常な振動状態であると判断されることを防止することができる。
以上のように、図12のステップS434においては、電動バランスボード1が異常な振動状態であるか否かを判別することにより、乗車モードにおいて、使用者が電動バランスボード1に乗車しているか否かを判断することができる。なお、ステップS434におけるサンプリング時間および第2の加速度センサしきい値TH2G2Vは、電動バランスボード1の構造等に応じて実験により求めることが好ましい。
ステップS434の処理において異常な振動状態であると判別された場合、マイクロコンピュータ94は、電動バランスボード1に使用者が乗車していないと判断する。この場合、制御モード切替部942dは制御モードを待機モードに切り替える(図13のステップS431)。これにより、使用者が乗車していない状態で電動バランスボード1が走行することを防止することができる。
図12のステップS434において異常な振動はないと判別された場合、図13に示すように、車輪回転速度判定部943d、駆動トルク判定部946d(図7参照)および経過時間判定部941dが、回転角度変化値Δθwが0(電動バランスボードが停止状態)でかつ上述した式(4)によって算出される駆動指令トルクTの絶対値が第1のトルクしきい値TH1Tより大きい状態が所定時間継続したか否かを判別する(ステップS435)。
ここで、ステップS435の処理について図面を用いて説明する。図20は、ステップS435において、回転角度変化値Δθwが0でかつ駆動指令トルクTの絶対値が第1のトルクしきい値TH1Tより大きい状態が所定時間継続したと判別される場合の駆動指令トルクTの経時変化の例を示した図である。なお、図20においては、縦軸は駆動指令トルクTを示し、横軸は時間を示す。
図20(a)は、ボード部の前方側が地面に近づくようにボード部を傾斜させるとともに、その状態で電動バランスボード1を停止させた場合の駆動指令トルクTの経時変化の一例を示す。図20(a)の時点T1−T2間においては、ボード部は地面に対して略水平状態であり、時点T2−T3間においては、ボード部は前方側が地面に近づくように徐々に傾斜している。また、時点T3以降においては、ボード部が一定角度で傾斜した状態で電動バランスボード1が停止している。
また、図20(b)は、ボード部の後方側が地面に近づくようにボード部を傾斜させるとともに、その状態で電動バランスボード1を停止させた場合の駆動指令トルクTの経時変化の一例を示す。図20(b)の時点T4−T5間においては、ボード部は地面に対して略水平状態であり、時点T5−T6間においては、ボード部は後方側が地面に近づくように徐々に傾斜している。また、時点T6以降においては、ボード部が一定角度で傾斜した状態で電動バランスボード1が停止している。
図20(a),(b)に示すように、ボード部を一定角度で傾斜させた状態で電動バランスボード1を停止させると、駆動指令トルクTはボード部の傾斜角度に応じた一定の値で維持される。ここで、ステップS435の処理が設けられてない場合、電動バランスボード1は停止しているが、モータ8aに駆動電流が与え続けられる。それにより、電動バランスボード1が停止しているにもかかわらず、消費電流が増加する。また、モータ8aに大きな負荷が加わることになるので、モータ8aが故障する確率が高くなる。
そこで、本実施の形態においては、ステップS435の処理を設けることにより、使用者が電動バランスボード1を意図的に停止させた場合に、モータ8aに電流が与えられることを防止している。それにより、消費電力を削減することができるとともに、モータ8aの寿命を延ばすことができる。なお、ステップS435における所定時間および第1のトルクしきい値TH1Tは、電動バランスボード1の構造等に応じて設定される。
ステップS435において、回転角度変化値Δθwが0でかつ駆動指令トルクTの絶対値が第1のトルクしきい値TH1Tより大きい状態が所定時間継続している場合、マイクロコンピュータ94は、使用者が電動バランスボード1から降車しようとして意図的に電動バランスボード1を停止したと判断する。この場合、制御モード切替部942dが制御モードを待機モードに切り替える(ステップS431)。
ステップS435において、回転角度変化値Δθwが0でない場合、駆動指令トルクTの絶対値が第1のトルクしきい値TH1T以下の場合または所定時間継続していない場合には、ボード角度判定部947d(図7参照)および経過時間判定部941dは、傾斜角度値θbの絶対値が第1の傾斜角度しきい値TH1θbより大きくかつその状態が所定時間継続したか否かを判別する(ステップS436)。傾斜角度値θbの絶対値が第1の傾斜角度しきい値TH1θbより大くかつその状態が所定時間継続したと判別された場合、マイクロコンピュータ94は、使用者がボード部の前方側または後方側を地面に近づけて電動バランスボード1を停止させようとしていると判断する。この場合、制御モード切替部942dは制御モードを待機モードに切り替える(ステップS431)。
ステップS436において、傾斜角度値θbの絶対値が第1の傾斜角度しきい値TH1θb以下の場合または所定時間継続していない場合には、マイクロコンピュータ94は、使用者が電動バランスボード1の走行を継続しようとしていると判断する。この場合、制御モード切替部942dは乗車モードを継続する(ステップS437)。なお、ステップS436における第1の傾斜角度しきい値TH1θbおよび所定時間は、使用者が任意に設定することができる。
図9のステップS414において制御モードが起き上がりモードである場合、図14に示すように、経過時間判定部941dは所定時間(例えば、1秒)経過したか否かを判別する(ステップS438)。所定時間が経過している場合、制御モード切替部942dは制御モードを待機モードに切り替える(ステップS439)。その後、マイクロコンピュータ94は図8のステップS43の処理へ進む。
ここで、本実施の形態においては、制御モードが起き上がりモードになった後、1秒以内に平衡安定モードに移行できなかった場合は、平衡安定モードへの移行に失敗したとみなす。つまり、ステップS438の処理は、起き上がりモードから平衡安定モードへの移行に失敗した場合に、制御モードを待機モードに移行させるために設けられている。
ステップS438において所定時間が経過していない場合、ボード角度判定部947bおよび車輪回転速度判定部943dは、傾斜角度値θbの絶対値が第2の傾斜角度しきい値TH2θbより小さくかつ回転角度変化値Δθwの絶対値が静止角速度しきい値THquΔθwより小さいか否かを判別する(ステップS440)。傾斜角度値θbの絶対値が第2の傾斜角度しきい値TH2θbより小さくかつ回転角度変化値Δθwの絶対値が静止角速度しきい値THquΔθwより小さい場合、マイクロコンピュータ94は、電動バランスボード1がボード部を略水平に維持して静止していると判断する。この場合、制御モード切替部942dは制御モードを平衡安定モードに切り替える(ステップS441)。その後、マイクロコンピュータ94は図8のステップS43の処理へ進む。なお、ステップS440における第2の傾斜角度しきい値TH2θbおよび静止角速度しきい値THquΔθwは、電動バランスボード1の構造等に応じて設定される。
ステップS440において、傾斜角度値θbの絶対値が第2の傾斜角度しきい値TH2θb以上の場合または回転角度変化値Δθwの絶対値が静止角速度しきい値THquΔθw以上の場合には、マイクロコンピュータ94は、電動バランスボード1がボード部を略水平に維持して静止する状態になっていないと判断する。この場合、制御モード切替部942dは起き上がりモードを継続する(ステップS442)。その後、マイクロコンピュータ94は、図8のステップS43の処理へ進む。
図9のステップS414の処理において制御モードが起き上がりモードでない場合、すなわち制御モードが平衡安定モードである場合、図15に示すように、車輪回転角度判定部948d(図7参照)は、回転角度値θwの絶対値が回転角度しきい値THθwより大きいか否かを判別する(ステップS443)。回転角度値θwの絶対値が回転角度しきい値THθwより大きい場合、制御モード切替部942dは制御モードを待機モードに切り替える(ステップS444)。その後、マイクロコンピュータ94は、図8のステップS43の処理へ進む。
このステップS443は、電源がオンになってから平衡安定モードになるまでに回転角度値θwが大きく変化した場合すなわち電動バランスボード1の位置が大きく移動している場合に、平衡安定モードを終了するために設けられる。なお、回転角度しきい値THθwの値は、電動バランスボード1の使用場所等の条件に応じて設定される。
ステップS443において、回転角度値θwの絶対値が回転角度しきい値THθw以下の場合、車輪回転角度判定部948d、駆動トルク判定部944dおよび経過時間判定部941dは、回転角度変化値Δθw(電動バランスボード1の車速)が0でかつ駆動指令トルクTの絶対値が第2のトルクしきい値TH2Tより大きい状態が所定時間継続したか否かを判別する(ステップS445)。回転角度変化値Δθwが0でかつ駆動指令トルクTの絶対値が第2のトルクしきい値TH2Tより大きい状態が所定時間継続している場合、マイクロコンピュータ94は、使用者により電動バランスボード1が意図的に停止されたと判断する。この場合、制御モード切替部942dが制御モードを待機モードに切り替える(ステップS444)。なお、ステップS445における第2のトルクしきい値TH2Tおよび所定時間は、使用者が任意に設定することができる。
ステップS445において、回転角度変化値Δθwが0でない場合、駆動指令トルクTの絶対値が第2のトルクしきい値TH2T以下の場合または所定時間継続していない場合には、制御モード切替部942dは平衡安定モードを継続する(ステップS446)。
(3−5)駆動指令処理(ステップS5)
ステップS5の駆動指令処理(図4参照)においては、マイクロコンピュータ94は、図8のステップS43の電流指令値算出処理において算出された電流指令値をモータドライバ92に与える。それにより、電動バランスボード1が各制御モードに応じた動作を行う。
(4)本実施の形態に係る電動バランスボードの効果
以上のように、本実施の形態に係る電動バランスボード1においては、演算処理部94aにより算出された各値に基づいて、制御モード設定部94bが制御モードを設定する。この場合、マイクロコンピュータ94は、使用者の乗車および降車を判断するとともに、判断された状態に応じて電動バランスボード1の動作を制御することができる。したがって、使用者の乗車および降車の判断を行うための装置および制御モードを切り替えるためのスイッチ等を設ける必要がない。それにより、電動バランスボード1の製造コストを低減することができる。
また、図11のステップS427で示したように、制御モードが待機モードである場合には、傾斜角度変化値Δθbの絶対値が乗車角速度しきい値THonΔθbより大きくなることにより制御モードが乗車モードに変更される。つまり、電動バランスボード1のボード部の傾斜角度を使用者が意図的に所定の角速度以上で変化させた場合に、制御モードが乗車モードに切り替わり、電動バランスボード1が走行する。この場合、使用者が完全にボード部に乗車する前に電動バランスボード1が走行を開始することが防止されるので、使用者は安全にボード部に乗車した後に自らの意思で電動バランスボード1を走行させることができる。
また、図12のステップS430で示したように、制御モードが乗車モードである場合には、傾斜角度変化値Δθbの絶対値が降車角速度しきい値THoffΔθbより大きくなることにより制御モードが待機モードに変更される。つまり、電動バランスボード1のボード部の傾斜角度を使用者が意図的に所定の角速度以上で変化させた場合に、制御モードが待機モードに切り替わり、電動バランスボード1が停止する。それにより、使用者は安全に電動バランスボード1から降車することができる。
以上のように、本実施の形態に係る電動バランスボード1においては、使用者がボード部を意図的に動かすことにより制御モードを切り替えることができる。それにより、車両が使用者の想定外の動作を行うことが防止されるので、電動バランスボード1の安全性が向上する。
(5)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
上記実施の形態においては、ボード部が本体部に相当し、モータ8aが駆動部に相当し、ジャイロセンサG1および加速度センサG2が第1の検出部に相当し、駆動制御部9およびマイクロコンピュータ94が制御部に相当し、車輪回転角検出センサ8cが第2の検出部に相当し、制御モードが動作モードに相当し、乗車モードが進行モードに相当し、待機モードが停止モードに相当する。
また、傾斜角度値θbおよび傾斜角度変化値Δθbが傾斜角度に関する情報に相当し、傾斜角度変化値Δθbが傾斜角度の変化率および所定時間当たりの傾斜角度の変化量に相当し、回転角度変化値Δθwが回転角度に関する情報、回転角度の変化率および所定時間当たりの車輪の回転角度の変化量に相当し、乗車角速度しきい値THonΔθbおよび降車角速度しきい値THoffΔθbが所定のしきい値に相当する。
(6)その他の実施の形態
上記実施の形態においては、図5の演算処理部94aおよび図7の制御モード設定部94bの各機能部がマイクロコンピュータ94およびその制御プログラムにより実現されるが、演算処理部94aおよび制御モード設定部94bの各機能部の一部または全てを論理回路等のハードウェアにより実現してもよい。また、マイクロコンピュータ94の代わりにCPUおよびメモリを用いてもよい。
また、本体部は上記実施の形態のボード部に限定されず、例えば、ボード部として一体的に形成された板状部材を用いてもよい。また、駆動部として、モータ8aの代わりにエンジン等の他の回転力発生器を用いてもよい。
また、上記実施の形態においては1つの車輪8を有する電動バランスボード1について説明したが、一つの車輪8の代わりに同軸の複数の車輪を設けてもよい。つまり、走行方向と直交する方向に複数の車輪があってもよい。
また、第1の検出部は、ジャイロセンサG1および加速度センサG2に限定されず、ジャイロセンサG1または加速度センサG2の一方を用いてもよい。また、第2の検出部は、エンコーダに限定されず、種々の光学的センサ、機械的スイッチ等を用いてもよい。
また、図13のステップS436においては、ボード部の傾斜角度に基づいて、制御モードを待機モードに切り替えるか否かの判別を行っているが、以下に説明する方法により制御モードを待機モードに切り替えるか否かの判別を行ってもよい。
図21は、電動バランスボードの他の構成を示す概略側面図である。図21の電動バランスボードが図2の電動バランスボード1と異なるのは以下の点である。
図21の電動バランスボード1aにおいては、足載せ板5および足載せ板6の前端部および後端部に補助輪5aおよび補助輪6aが配設されている。また、補助輪5aおよび補助輪6aは、スイッチ5bおよびスイッチ6bをそれぞれ備えている。例えば、スイッチ5bおよびスイッチ6bは、補助輪5aおよび補助輪6aが地面に接触したときにオンになるように設定される。
この場合、スイッチ5bまたはスイッチ6bがオンである状態の時間を測定することにより、補助輪5aまたは補助輪6aが地面に接触した状態すなわちボード部が大きく傾斜した状態で電動バランスボード1が走行している時間を測定することができる。したがって、スイッチ5bまたは6bがオンである状態が所定時間継続した場合に、制御モード切替部942dにより制御モードを待機モードに切り替えればよい。それにより、図13のステップS436と同様の判別を行うことができる。
本発明は電動バランスボード等の車両、車両の制御装置および制御方法に利用することができる。
本発明の一実施の形態に係る車両の構成を示す概略模式図である。 図1の電動バランスボードの概略側面図である。 電動バランスボードの駆動制御部の構成を示すブロック図である。 マイクロコンピュータの制御動作を示す概略フローチャートである。 マイクロコンピュータおよび制御プログラムによって実現される演算処理部の機能的な構成を示すブロック図である。 各制御モードの関係を示すブロック図である。 マイクロコンピュータおよび制御プログラムによって実現される制御モード設定部の機能的な構成を示すブロック図である。 制御モード設定処理の詳細を示すフローチャートである。 制御モード設定処理の詳細を示すフローチャートである。 制御モード設定処理の詳細を示すフローチャートである。 制御モード設定処理の詳細を示すフローチャートである。 制御モード設定処理の詳細を示すフローチャートである。 制御モード設定処理の詳細を示すフローチャートである。 制御モード設定処理の詳細を示すフローチャートである。 制御モード設定処理の詳細を示すフローチャートである。 加速度センサ値の絶対値が第1の加速度センサしきい値より大きくかつその状態が所定時間継続している場合の加速度センサ値の経時変化の一例を示した図である。 加速度センサ値の絶対値が第1の加速度センサしきい値より大きいが、その状態が所定時間継続していない場合の加速度センサ値の経時変化の一例を示した図である。 異常な振動を検知するためのフローチャートである。 電動バランスボードが異常な振動状態である場合の加速度センサ値の経時変化の一例を示した図である。 回転角度変化値が0でかつ駆動指令トルクの絶対値が第1のトルクしきい値より大きい状態が所定時間継続したと判別される場合の駆動指令トルクの経時変化の例を示した図である。 電動バランスボードの他の構成を示す概略側面図である。
符号の説明
1,1a 電動バランスボード
2 ボード本体部
3,4 支持板
5,6 足載せ板
7 支持具
8 車輪
8a モータ
8b 減速機構
8c 車輪回転角検出センサ
9 駆動制御部
91 コントローラ
92 モータドライバ
93 バッテリ
94 マイクロコンピュータ
94a 演算処理部
94b 制御モード設定部
95 パルス発生器
96 A/D変換器
GG 姿勢検出ユニット
G1 ジャイロセンサ
G2 加速度センサ

Claims (20)

  1. 使用者が乗車する本体部と、
    前記本体部に回転自在に支持された車輪と、
    前記車輪を駆動する駆動部と、
    前記本体部の傾斜角度に関する情報を検出する第1の検出部と、
    複数の動作モードで前記駆動部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記第1の検出部により検出された前記本体部の傾斜角度に関する情報に基づいて前記動作モードを切り替えることを特徴とする車両。
  2. 前記傾斜角度に関する情報は、前記本体部の傾斜角度の変化率を含むことを特徴とする請求項1記載の車両。
  3. 前記本体部の傾斜角度の変化率は、所定時間当たりの前記本体部の傾斜角度の変化量であることを特徴とする請求項2記載の車両。
  4. 前記制御部は、前記傾斜角度の変化率が所定のしきい値以上である場合に前記動作モードを切り替えることを特徴とする請求項2または3記載の車両。
  5. 前記複数の動作モードは、前記本体部が進行動作を行うための進行モードと前記本体部が停止するための停止モードとを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両。
  6. 前記車輪の回転角度に関する情報を検出する第2の検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記進行モードにおいて前記傾斜角度に関する情報および前記回転角度に関する情報に基づいて前記駆動部による前記進行動作を制御することを特徴とする請求項5記載の車両。
  7. 前記傾斜角度に関する情報は、前記本体部の傾斜角度の変化率および前記本体部の傾斜角度を含み、
    前記回転角度に関する情報は、前記車輪の回転角度の変化率を含むことを特徴とする請求項6記載の車両。
  8. 前記車輪の回転角度に関する情報を検出する第2の検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記停止モードにおいて前記回転角度に関する情報に基づいて前記車輪を停止するように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項5記載の車両。
  9. 前記車輪の回転角度に関する情報は、前記車輪の回転角度の変化率を含むことを特徴とする請求項8記載の車両。
  10. 前記回転角度の変化率は、所定時間当たりの前記車輪の回転角度の変化量であることを特徴とする請求項9記載の車両。
  11. 前記車輪は、前記本体部の進行方向と交差する方向の軸の周りで回転可能に前記本体部の中央部の下面側に設けられることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の車両。
  12. 前記本体部は、前記車輪を支点として上下に傾斜自在に設けられることを特徴とする請求項11記載の車両。
  13. 使用者が乗車する本体部と、前記本体部に回転自在に支持された車輪と、前記車輪を駆動する駆動部とを備えた車両を制御する制御装置であって、
    前記本体部の傾斜角度に関する情報を検出する第1の検出部と、
    複数の動作モードで前記駆動部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記第1の検出部により検出された前記本体部の傾斜角度に関する情報に基づいて前記動作モードを切り替えることを特徴とする車両の制御装置。
  14. 前記傾斜角度に関する情報は、前記本体部の傾斜角度の変化率を含むことを特徴とする請求項13記載の車両の制御装置。
  15. 前記本体部の傾斜角度の変化率は、所定時間当たりの前記本体部の傾斜角度の変化量であることを特徴とする請求項14記載の車両の制御装置。
  16. 前記制御部は、前記傾斜角度の変化率が所定のしきい値以上である場合に前記動作モードを切り替えることを特徴とする請求項14または15記載の車両の制御装置。
  17. 使用者が乗車する本体部と、前記本体部に回転自在に支持された車輪と、前記車輪を駆動する駆動部とを備えた車両を制御する制御方法であって、
    前記本体部の傾斜角度に関する情報を検出するステップと、
    前記本体部の傾斜角度に関する情報に基づいて動作モードを切り替えるように前記駆動部を制御するステップとを備えることを特徴とする車両の制御方法。
  18. 前記傾斜角度に関する情報は、前記本体部の傾斜角度の変化率を含むことを特徴とする請求項17記載の車両の制御方法。
  19. 前記本体部の傾斜角度の変化率は、所定時間当たりの前記本体部の傾斜角度の変化量であることを特徴とする請求項18記載の車両の制御方法。
  20. 前記駆動部を制御するステップは、前記傾斜角度の変化率が所定のしきい値以上である場合に前記動作モードを切り替えるように前記駆動部を制御するステップを含むことを特徴とする請求項18または19記載の車両の制御方法。
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