JP2005334249A - ゴルフクラブ設計方法、ゴルフスウィング特性評価方法およびゴルフクラブ選択方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のようにゴルフクラブヘッドに依存して変化するヘッドスピードと異なるゴルフスウィングの特性評価を行う評価方法、この評価方法で得られた評価結果を用いて行うゴルフクラブの選択方法、さらに、評価結果に応じてゴルフクラブの設計を行うゴルフクラブ設計方法を提供する。
【解決手段】ゴルフクラブシャフトの軸線と直交する方向を軸としてゴルフクラブの打撃方向にゴルフクラブが回転するときのゴルフクラブの慣性モーメント、ゴルフクラブの長さ、ゴルフクラブの総質量およびゴルフクラブの重心点位置のうちの少なくとも2つをパラメータとして、このパラメータの間の関係を拘束する拘束条件を、ゴルフスウィング時のゴルフボール打撃直前のゴルフクラブの打撃方向に向けて回転する回転エネルギ量を既知として定める。この拘束条件を満たすように2つのパラメータの値を定めてゴルフクラブを設計する。
【選択図】図6

Description

本発明は、ゴルフクラブを設計するゴルフクラブ設計方法、ゴルファによるゴルフスウィング特性を評価するゴルフスウィング特性評価方法およびゴルファのゴルフスウィングが所望のゴルフスウィングとなるようにゴルフクラブを選択するゴルフクラブ選択方法に関する。
ゴルファはゴルフボールを遠くに飛球させるために、長尺ゴルフクラブや反発特性の優れたゴルフクラブを求めている。
ゴルファがゴルフスウィングしたときのヘッドスピードは、ゴルフクラブの仕様、例えばゴルフクラブ長さ、ゴルフクラブの総質量あるいはゴルフクラブのバランス等によって変化することが知られている。このため、ヘッドスピードを上昇させてゴルフボールを遠くに飛球させる、自分に適したゴルフクラブを探し出すために、ゴルファは多数のゴルフクラブを試打する。
また、同じゴルフクラブであっても、ゴルファによってヘッドスピードが上昇したり、ヘッドスピードの上昇が見られない場合も多い。
ところで、従来からゴルフスウィングの特性の評価は、ゴルフボールによる打撃直前のヘッドスピードを用いて行われている。そして、ヘッドスピードの大小の評価に応じてゴルファを大まかに分類し、この部類毎に異なる仕様のゴルフクラブを提供することが行われている。
しかし、ヘッドスピードはゴルファに固有のものではなく、ゴルファのゴルフスウィングとゴルフクラブの仕様との組み合わせによって定まる結果である。このため、自分に適したゴルフクラブを探し出すために、ゴルフクラブの仕様によって評価が変化するヘッドスピードを用いたのでは、正確にゴルファのゴルフスウィングを分類して、これに適したゴルフクラブを提供することは難しい。
したがって、自分に適したゴルフクラブを選択するには、ゴルファによる多数のゴルフクラブの試打が大前提となっている。このため、自分に最適なゴルフクラブは試打するゴルフクラブの中からしか選択できず、必ずしも自分に最適なゴルフクラブを見つけ出すことができるとは限らない。
一方、ゴルフクラブ開発業者は、ヘッドスピードによって分類される分類毎に平均的なゴルファのゴルフスウィングを想定して、ゴルファが最適と感ずる仕様のゴルフクラブを設計して市場に提供しているが、このゴルフクラブの仕様は明確に定まって設計されているものでもない。
そこで、本発明は、従来のようにゴルフクラブの仕様に依存して変化するヘッドスピードと異なる方法でゴルフスウィングの特性評価を行う評価方法を提供するとともに、この評価方法で得られた評価結果を用いて行うゴルフクラブの選択方法を提供し、さらに、前記評価結果に応じてゴルフクラブの設計を行うゴルフクラブ設計方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ゴルフクラブシャフトの中心軸と直交する方向を軸としてゴルフクラブの打撃方向にゴルフクラブが回転するときのゴルフクラブの慣性モーメント、ゴルフクラブの長さ、ゴルフクラブの総質量およびゴルフクラブの重心点位置のうちの少なくとも2つをパラメータとしてゴルフクラブを設計するゴルフクラブ設計方法であって、予め定められた、ゴルフスウィング時のゴルフボール打撃直前のゴルフクラブの打撃方向に向けて回転する回転エネルギ量から、前記パラメータの少なくとも2つの間の関係を拘束する拘束条件を定めるステップと、この拘束条件を満たすように2つのパラメータの値を定めてゴルフクラブを設計するステップと、を有することを特徴とするゴルフクラブ設計方法を提供する。
ここで、前記回転エネルギ量は、前記ゴルフクラブ長さ、前記ゴルフクラブの総質量、前記慣性モーメントおよび前記ゴルフクラブの重心点位置が既知のゴルフクラブをゴルファがゴルフスウィングすることによって得られるゴルファのゴルフスウィング固有の量である。
前記ゴルフクラブ長さ、前記ゴルフクラブの総質量、前記慣性モーメントおよび前記重心点位置が既知であって、これらのうち少なくとも1つの値が異なる複数種類のゴルフクラブをゴルフスウィングすることによって前記回転エネルギ量は求められ、この回転エネルギ量が前記拘束条件を定めるために用いられるのが好ましい。
前記拘束条件を定めるステップは、例えばヘッドスピードをHSとしたとき、このヘッドスピードHSが予め定められた目標ヘッドスピードになるように、前記回転エネルギ量をEとして下記式(1)を用いて前記拘束条件を定める。
1/2・[I+W・(X+l)2]・[HS/(X+L)]2 =E (1)
なお、Icはゴルフクラブの重心点における前記慣性モーメントであり、Wはゴルフクラブの総質量であり、lはゴルフクラブのグリップ端からゴルフクラブの重心点への距離であり、Xは所定の定数であり、Lはゴルフクラブの長さである。定数Xは−l(=−1×距離l)以上2000mm以下である。
前記ゴルフクラブを設計するステップは、前記パラメータの値を所定の範囲内で変化させることによってヘッドスピードを算出するステップと、算出したヘッドスピードと、ゴルフクラブヘッドのゴルフボールへの打撃特性とを用いてゴルフボールの初期弾道を算出するステップと、前記ヘッドスピードを算出するステップと前記初期弾道を算出するステップとを、前記初期弾道が目標初期弾道に最も近くなるように繰り返し行うステップと、初期弾道が前記目標初期弾道に最も近いときの前記パラメータの値を決定して、ゴルフクラブを設計するステップと、を有するものであってもよい。
また、本発明は、ゴルフクラブシャフトの中心軸と直交する方向を軸としてゴルフクラブの打撃方向にゴルフクラブが回転するときのゴルフクラブの慣性モーメント、ゴルフクラブ長さ、ゴルフクラブの総質量およびゴルフクラブの重心点位置が既知のゴルフクラブを用いて成されたゴルフスウィングから、ゴルフスウィングの特性を評価する方法であって、ゴルフスウィングのゴルフボール打撃直前のヘッドスピードを計測するステップと、計測されたヘッドスピードと、前記慣性モーメントと、前記ゴルフクラブ長さと、前記ゴルフクラブの総質量と、前記ゴルフクラブの重心点位置とを用いてゴルフクラブによるゴルフボールの打撃直前のゴルフクラブの打撃方向に向かって回転するゴルフクラブの回転エネルギ量を求め、この回転エネルギ量に基づいてゴルファのゴルフスウィングを評価するステップと、を有することを特徴とするゴルフスウィング特性評価方法を提供する。
その際、前記ゴルフスウィングに用いるゴルフクラブは、前記ゴルフクラブ長さ、前記ゴルフクラブの総質量および前記慣性モーメントのいずれか1つの値が少なくとも異なる複数本のゴルフクラブであり、前記回転エネルギ量をEとして、この回転エネルギ量Eが、前記複数本のゴルフクラブによるゴルフスウィングにおいて所定の許容範囲内で一致して算出されるように、前記式(1)で表される定数Xの値を定めることによって前記回転エネルギ量Eを求めるのが好ましい。
さらに、前記式(1)で表される[I+W・(X+l)2]の値をゴルフスウィング時におけるゴルフクラブの重さを表す指標として評価するステップとを有するのも好ましい。
また、本発明は、ゴルフクラブシャフトの中心軸と直交する方向を軸としてゴルフクラブの打撃方向に向かってゴルフクラブが回転するときのゴルフクラブの慣性モーメントと、ゴルフクラブ長さと、ゴルフクラブの総質量と、ゴルフクラブの重心点位置とが既知の複数本のゴルフクラブの中からゴルフクラブを選択する方法であって、予め定められた、ゴルフスウィング時のゴルフボール打撃直前のゴルフクラブの打撃方向の回転エネルギ量と、前記複数のゴルフクラブのそれぞれの前記ゴルフクラブ長さと、前記ゴルフクラブの総質量と、前記慣性モーメントと、前記重心点位置とを用いてゴルフボール打撃直前のヘッドスピードを、前記複数本のゴルフクラブのそれぞれについて求めるステップと、求められたヘッドスピードのうち、目標ヘッドスピードに最も近いヘッドスピードを呈するゴルフクラブを選択するステップと、を有することを特徴とするゴルフクラブ選択方法を提供する。
さらに、本発明は、ゴルフクラブシャフトの中心軸と直交する方向を軸としてゴルフクラブの打撃方向に向かってゴルフクラブが回転するときのゴルフクラブの慣性モーメントと、ゴルフクラブ長さと、ゴルフクラブの総質量と、ゴルフクラブの重心点位置と、ゴルフクラブヘッドの打撃特性とがそれぞれ既知の複数本のゴルフクラブの中からゴルフクラブを選択する方法であって、予め定められた、ゴルフスウィング時のゴルフボール打撃直前のゴルフクラブの打撃方向に向かって回転する回転エネルギ量と、前記複数のゴルフクラブのそれぞれの前記ゴルフクラブ長さと、前記ゴルフクラブの総質量と、前記慣性モーメントとを用いてゴルフボール打撃直前のヘッドスピードを、前記複数のゴルフクラブのそれぞれについて求めるステップと、求められたヘッドスピードと、ゴルフクラブヘッドのゴルフボールへの打撃特性とを用いてゴルフボールの初期弾道を算出することにより、目標初期弾道に最も近い初期弾道を呈するゴルフクラブを選択するステップと、を有することを特徴とするゴルフクラブ選択方法を提供する。
その際、前記回転エネルギ量は、前記ゴルフクラブ長さと、前記ゴルフクラブの総質量と、前記慣性モーメントと、前記ゴルフクラブの重心点位置とが既知のゴルフクラブをゴルファがゴルフスウィングすることによって得られるゴルファのゴルフスウィング固有の量である。
また、複数本のゴルフクラブのそれぞれのヘッドスピードを求めるステップは、前記式(1)を用いてヘッドスピードを求めるのが好ましい。
本発明は、ゴルフクラブの慣性モーメント、ゴルフクラブの長さ、ゴルフクラブの総質量及びゴルフクラブの重心点位置のうちの少なくとも2つのパラメータの間を拘束する拘束条件を、ゴルフスウィング時のゴルフボール打撃直前のゴルフクラブの打撃方向に向けて回転する回転エネルギ量を用いて定め、この拘束条件を満たすパラメータの値を決定してゴルフクラブの設計に供する。このときの回転エネルギ量は、ゴルファのゴルフスウィングに固有の値であるので、ゴルフクラブの仕様に応じて変わるゴルフクラブのヘッドスピードを予測して算出することができる。このため、ゴルファのゴルフスウィングに最適な、例えば所望のヘッドスピードを呈するゴルフクラブを設計することができる。
また、仕様の異なる複数のゴルフクラブを用いて行ったゴルフスウィング時のヘッドスピードの測定結果から、ゴルファのゴルフスウィングに固有の回転エネルギ量を効率よく算出し、ゴルファのゴルフスウィングを評価することができる。
また、ゴルファのゴルフスウィングに固有の回転エネルギ量を用いて、仕様の異なる複数のゴルフクラブの中からゴルフクラブを選択するので、所望のヘッドスピードあるいはゴルフボールの所望の初期弾道を呈する、ゴルファのゴルフスウィングに適したゴルフクラブを提供することができる。
以下、本発明のゴルフクラブ設計方法、ゴルフスウィング特性評価方法およびゴルフクラブの選択方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1(a)は、ゴルフクラブの一例を示す図である。
図1(a)に示すゴルフクラブ10は、ゴルフクラブヘッド12、ゴルフクラブシャフト14、及びグリップ16を有するウッド系ゴルフクラブである。
図1(a)中、ゴルフクラブの重心点Gは、ゴルフクラブシャフト10の中心軸S上に、グリップ上端から距離l離れて位置する。
図1(b)に示すようにゴルフクラブ10を水平面Pの上に置き、この水平面Pに対して角度60度で傾斜した傾斜面Qをゴルフクラブヘッド12のソール面に当て、ゴルフクラブシャフト10の延長線上にある水平面と傾斜面との交差点18を定めたとき、ゴルフクラブの長さLは、交差点18からグリップ上端19までの距離となる。ゴルフクラブの長さLは、財団法人日本ゴルフ協会発行の「ゴルフ規則 2004年度版」付属規則II.1.cに定める測定法により測定される。
図2は、ゴルフクラブ10を把持してゴルファがゴルフスウィングを行う時のゴルフクラブ10の挙動を模式的に説明する図である。
ゴルフクラブ10はゴルフボール20を打撃する直前、ゴルフクラブヘッド12は点Oを中心とする円運動をし、ゴルフクラブシャフト14はゴルフボール20と点O(円運動の中心点)を結ぶ直線上に概略一致する。すなわち、ゴルフスウィング時のゴルフボール打撃直前において、点Oを中心として、ゴルフクラブの打撃方向(図2、図1中のD方向)に向けてゴルフクラブは回転運動を行う。点Oは、ゴルフクラブの重心点Gからグリップ方向のゴルフクラブシャフト中心軸の延長線上に位置する。この点Oはゴルファのゴルフスウィングに応じた固有の位置にある。
一方、ゴルフクラブヘッド12のゴルフボール20を打撃する直前のヘッドスピードは、ヘッドスピード計測装置14で計測される。ヘッドスピード計測装置14は、公知の計測装置であって、ビーム射出ユニット22と、受光ユニット24と、計測ユニット26とを有して構成される。
計測ユニット26は、2つの光ビームのそれぞれをゴルフクラブヘッド12が横切ることで光ビームの受光が中断されるタイミングのずれを計測してヘッドスピードを算出する。ヘッドスピード計測装置14は、インパクト直前のヘッドスピードを計測するために、インパクト直前のゴルフクラブヘッド軌道径路に沿って配置され、ゴルフボールの中心より飛球方向後方40mmを始点として、さらに飛球線方向後方に100mm離れた位置までの区間にそれぞれ光ビームが配置されるのが望ましい。
図3は、本発明のゴルフクラブ設計方法、ゴルフスウィング特性評価方法およびゴルフクラブ選択方法を実施する装置30のブロック図である。
装置30は、オペレータから供給された入力データから、ゴルフクラブの慣性モーメント、ゴルフクラブの長さ、ゴルフクラブの総質量およびゴルフクラブの重心点位置(グリップ上端19から重心点Gまでの距離)の少なくとも2つのパラメータの値を決定して出力する装置である。出力されたパラメータの値はゴルフクラブの設計に用いられる。また、予め登録されたゴルフクラブの中から、所望のヘッドスピードやゴルフボールの所望の初期弾道を呈するゴルフクラブを見出して、ゴルフクラブのブランド名や型式を出力する装置である。
装置30は、外部データ取得部32と、拘束条件設定部34と、パラメータ設定部36と、データベース38と、初期弾道算出部40と、ゴルフクラブ選択部42とを有し、プリンタやモニタ等の出力装置44と接続されている。
外部データ取得部32は、ヘッドスピード計測装置14等から入力されたヘッドスピードの情報やオペレータによるマウスやキーボード等から入力された入力情報等の各種情報を取得し、拘束条件設定部34に供給する部分である。各種情報には、例えば実際にゴルフスウィングしたゴルフクラブのヘッドスピードの情報、ゴルフクラブの設計パラメータ、目標とするヘッドスピードの情報、後述するゴルフクラブのゴルフボール打撃直前の回転エネルギ量E及び定数X等の情報、目標とするゴルフボールの初期弾道パラメータ(初速度、打出角度、バックスピン量等)の情報が含まれる。
拘束条件設定部34は、例えば、ヘッドスピードの情報とゴルフクラブの設計パラメータとが供給されると、このヘッドスピードの情報を用いて、後述するようにゴルフクラブのゴルフボール打撃直前の回転エネルギ量Eおよび定数Xを算出し、この算出結果を用いて、ゴルフクラブの設計パラメータを拘束する拘束条件を設定する。この他、オペレータによって入力された回転エネルギ量Eを用いてゴルフクラブの設計パラメータを拘束する条件を設定する部分である。
パラメータ設定部36は、目標ヘッドスピードや目標初期弾道を呈するためのゴルフクラブの設計パラメータの値を設定し、出力装置44に供給する部分である。
データベース38は、ゴルフクラブのブランド名、型式とともに、ゴルフクラブの仕様(ゴルフクラブの慣性モーメント、ゴルフクラブの長さ、ゴルフクラブの総質量およびゴルフクラブの重心点位置等の設計パラメータ)とゴルフクラブヘッドの反発係数(打撃特性)とが対応づけられて記憶されている部分である。
初期弾道算出部40は、データベース38から呼び出された打撃特性とゴルフクラブの設計パラメータとを用いて、ゴルフクラブヘッドによる打出し直後のゴルフボールの初期弾道パラメータを算出する部分である。
ゴルフクラブ選択部42は、データベース38に記憶されたゴルフクラブのブランド名、型式の中から、目標とするゴルフボールの初期弾道パラメータに許容範囲内で一致する初期弾道パラメータを呈するゴルフクラブのブランド名、型式を選択して出力装置44に供給する部分である。
このような装置30はコンピュータによって実現され、ソフトウェアプログラムを実行することにより上記各部分が機能するように構成される。
このような装置30は、種々の形態でゴルフクラブの設計パラメータやゴルフクラブのブランド名や型式等の情報をオペレータに提供することができる。
図4は、ゴルフクラブの仕様(設計パラメータ)が既知の複数のゴルフクラブを用いて行うゴルフスウィングのヘッドスピードの計測データを外部データ取得部32が取得したときの処理方法であって、この計測データから後述する回転エネルギ量Eおよび定数Xを算出する方法を示すフローチャートである。回転エネルギ量Eおよび定数Xの算出は、拘束条件設定部34にて行われる。
まず、ゴルファによってゴルフクラブの仕様が異なるゴルフクラブAおよびゴルフクラブBを用いてゴルフスウィングが行われる。ゴルフクラブAは、ゴルフクラブの打撃方向にゴルフクラブが回転するときの、ゴルフクラブの重心点G回りのゴルフクラブの慣性モーメントIca、ゴルフクラブの長さLa、ゴルフクラブの総質量Waおよびゴルフクラブの重心点位置laの値が既知である。ここで、慣性モーメントIcaは、ゴルフクラブシャフトの中心軸Sの方向(図1(a)参照)およびゴルフクラブの打撃方向(D方向;図1(a)参照)に直交する方向を軸とするゴルフクラブの重心点G回りの慣性モーメントである。一方ゴルフクラブBも、ゴルフクラブの重心点G回りのゴルフクラブの慣性モーメントIcb、ゴルフクラブの長さL、ゴルフクラブの総質量Wおよびゴルフクラブの重心点位置lの値が既知である。ゴルフクラブAとBとはゴルフクラブの仕様が異なっており、慣性モーメント、ゴルフクラブの長さ、ゴルフクラブの総質量およびゴルフクラブの重心点位置のいずれか1つが異なっている。
このようなゴルフクラブA,Bにおけるゴルフボール打撃直前のヘッドスピードHSa,HSbがヘッドスピード計測装置14を用いて計測され、装置30に供給されて、外部データ取得部32にて取得される(ステップS10)。
次に、上記式(1)を用いて、定数Xと回転エネルギ量Eが算出される(ステップS12,ステップS14)。
具体的には、回転エネルギEはゴルファのゴルフスウィング固有の値であり、仕様の異なるゴルフクラブに関わらず回転エネルギEは一定である。このため、式(1)の回転エネルギEが一定であることから、まず、下記式(2)を定数Xに関する方程式として定数Xが算出される(ステップS12)。
1/2・[Ica+Wa・(X+la2]・[HSa/(X+La)]2
=1/2・[Icb+Wb・(X+lb2]・[HSb/(X+Lb)]2 (2)
定数Xは、図2に示すようにゴルフボール打撃直前のゴルフクラブの打撃方向に向かって回転する時の点Oとグリップ上端19の距離を表す。定数Xは2000mm以下である。次に、この定数Xを用いて式(2)の左右両辺の値が回転エネルギ量Eとして算出される(ステップS14)。
このように回転エネルギ量Eをゴルファのゴルフスウィングに固有の量として設定することができるのは、図5に示すようにゴルファGa,Gbが設計パラメータの異なる種々のゴルフクラブを用いてスウィングして、ヘッドスピードHSが様々に変化しても、ゴルファGa,Gbのそれぞれに固有の回転エネルギ量Eとゴルフクラブの設計パラメータとを用いてゴルファのヘッドスピードを予測算出することができるからである。しかも、ヘッドスピードの計測結果と算出結果の相関係数R2が0.990と極めて高い。
図5は、横軸をゴルフクラブの質量とし、縦軸をヘッドスピードとしたグラフを示す。図5中、黒塗りのプロットは計測されたヘッドスピードであり、白抜きのプロットは回転エネルギ量Eから算出されたヘッドスピードである。図5中、ゴルファGa,Gbは互いに回転エネルギ量Eが異なり、ゴルファGa,Gbの別にヘッドスピードが2つに分かれるとともに、計測結果と算出結果とが極めて良好に対応している。
なお、ヘッドスピードは、回転エネルギ量Eと、ゴルフクラブの設計パラメータ(仕様)を用いて式(1)を用いて算出することができる。
なお、図4に示す例では、2つのゴルフクラブA,Bを用いて定数Xおよび回転エネルギ量Eを算出するが、本発明では、仕様の異なる少なくとも2本以上のゴルフクラブを用いて算出することができる。例えば3本のゴルフクラブを用いて回転エネルギ量Eを算出する場合、3本のゴルフクラブの回転エネルギ量の偏差が最小となるように定数Xを求め、このときの3本の回転エネルギ量の平均値を回転エネルギ量Eとして設定すればよい。
また、本発明では、ステップS14において算出された、ゴルフクラブに依存しないゴルファのゴルフスウィングに固有の回転エネルギ量Eとしてゴルファのゴルフスウィングの速度の評価に用いることができる。従来より、ヘッドスピード別にゴルファを区分けしてゴルフクラブを市場に提供することが知られているが、本発明のようにゴルフクラブに依存しないゴルファのゴルフスウィングに固有の回転エネルギ量Eを段階的に区分けして各段階毎に仕様が定められたゴルフクラブを市場に提供することができる。
さらに、装置30は、図6に示すように、算出された回転エネルギ量Eと目標ヘッドスピードとを用いて、この目標ヘッドスピードを呈するゴルフクラブの設計パラメータを設定することができる。
まず、目標ヘッドスピードが外部データ取得部32に供給され、さらに拘束条件設定部34に供給される。
拘束条件設定部34では、図4に示すフローに従って算出された回転エネルギ量Eおよび定数Xとともに、目標ヘッドスピードが設定され(ステップS20)、さらに、式(1)を用いて、ゴルフクラブの設計パラメータ(慣性モーメントIc、ゴルフクラブの長さL、ゴルフクラブの総質量Wおよびゴルフクラブの重心点位置l)の拘束条件が設定される(ステップS22)。
さらに、拘束条件設定部34では、設定された拘束条件を用いて、各設計パラメータの値を定めた組みが1組以上設定される(ステップS24)。拘束条件は設計パラメータ間の関係が制限されるだけなので、設計パラメータの値の組みを無限に設定することができる。しかし、例えばゴルフクラブの長さLや総質量Wを所定の値又は所定の範囲に規定することにより、あるいは他の拘束条件によって上記設計パラメータの値のとり得る範囲を制限等して、各設計パラメータの値を定めた組みを複数設定することができる。
本発明では、式(1)を用いて設計パラメータの関係を拘束する拘束条件を用いて設計パラメータの値を設定する限りにおいて、どのような方法を別途併用してもよい。
図7(a),(b)は、ゴルフクラブの設計パラメータの一例としてゴルフクラブのクラブ長さLによってヘッドスピードHSがどのように変化するかを示す図である。
図7(a)は、スウィングバランスが一定(D−0)としたときの、あるゴルファのヘッドスピードHSの変化を示す。この他に、1インチクラブ長さが長くなる毎にゴルフクラブシャフトの質量が1g上昇し、グリップ質量が40gと一定であり、かつゴルフクラブヘッドの質量が一定である条件を課している。図7(b)は、ゴルフクラブヘッドの質量を190gとしたときの図7(a)と同じゴルファのヘッドスピードHSの変化を示す。スウィングバランスとは、ゴルフクラブシャフトの中心軸Sと直交する軸回りの回転モーメントに関連した量である。現在、一般的には14インチのスウィングバランス計を用いて測定する方法が主に行われる。この14インチのスウィングバランス計は、ゴルフクラブの重心点Gからグリップ上端19までの距離から14インチ差し引いた値とゴルフクラブの総質量Wとの積に比例した尺度を求める測定器である。この測定器として株式会社三光精衡所製のスイングバランサーが挙げられる。
図7(a),(b)からわかるように、課する条件の内容に応じてヘッドスピードHSの変化が大きく異なることがわかる。
さらに、装置30は、図8に示すフローチャートに沿って、ゴルフボールの打撃特性を用いてゴルフボールの目標初速度を実現するゴルフクラブの設計パラメータを設定することもできる。
まず、目標ゴルフボールの初速度が外部データ取得部32に供給され、さらに拘束条件設定部34に供給される。
拘束条件設定部34では、図4に示すフローに従って算出された回転エネルギ量Eおよび定数Xが設定され、式(1)を用いて、ゴルフクラブの設計パラメータ(ヘッドスピードHS、慣性モーメントIc、ゴルフクラブの長さL、ゴルフクラブの総質量Wおよびゴルフクラブの重心点位置l)の関係式が設定される(ステップS32)。
次に、打撃特性として、ゴルフクラブヘッドの反発係数とゴルフボールの質量が設定される(ステップS34)。反発係数およびゴルフボールの質量は、ゴルフクラブヘッドの平均的な反発係数を用い、また特定の反発係数があればこの値を用いる。ゴルフボールは平均的なゴルフボールの質量を設定してもよいし、特定のゴルフボールの質量を用いてもよい。
次に、ゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打撃直前のヘッドスピードHSに対して、ゴルフボールが打ち出されて飛び出す初速度をv、ゴルフボールの質量をwとすると、下記式(3)のように反発係数eを用いて表すことができる。
HS = (W+w)・v/[W・(1+e)] (3)
したがって、ステップS36で設定された拘束条件中のヘッドスピードHSに上記式(3)を代入することにより、ゴルフボールの初速度v、慣性モーメントIc、ゴルフクラブの長さL、ゴルフクラブの総質量Wおよびゴルフクラブの重心点位置lを用いた関係式が設定される(ステップS36)。このような打撃特性は初期弾道算出部40にて取得され、拘束条件設定部34に供給される。
次に、拘束条件設定部34にて、先に設定された目標ゴルフボールの初速度が上記設定された関係式に代入されて、各設計パラメータ間の拘束条件が設定される(ステップS38)。
次に、パラメータ設定部36にて、設定された拘束条件を用いて、ゴルフボールの初速度が目標初速度となるように各設計パラメータの値を定めた組みが1組以上設定される(ステップS39)。このとき、拘束条件は設計パラメータの関係を制限するだけなので、設計パラメータの値の組みを無限に設定することができる。しかし、例えばゴルフクラブの長さLや総質量Wを所定の値に規定することにより、あるいは他の拘束条件によって上記設計パラメータの値のとり得る範囲を制限等して、各設計パラメータの値を定めた組みを設定することができる。
このようにゴルフボールの初速度を算出するのは、ゴルフクラブヘッドのヘッドスピードHSはゴルフクラブヘッドの質量Wが大きくなる程低下するが、反対にゴルフクラブヘッドの質量Wが大きくなるのでゴルフクラブヘッドがゴルフボールに与えらる運動量は大きくなる。このため、ゴルフボールの初速度を増大させる場合、ゴルフクラブヘッドの質量Wに最適な範囲があることがわかる。本発明ではこのような最適な範囲を定めることができる。
さらに、装置30は、図9に示すフローチャートに沿って、目標とするヘッドスピードを呈するゴルフクラブに最も近いゴルフクラブを、複数のゴルフクラブの中から選択することもできる。
データベース38に、ゴルフクラブ毎に設計パラメータをゴルフクラブのブランド名、型式とともに登録しておく。
まず、外部データ取得部32から、ゴルフクラブの目標ヘッドスピードが予め入力される。
拘束条件設定部34では、図4に示すフローに従って算出された回転エネルギ量Eおよび定数Xとともに目標ヘッドスピードが設定され、さらに式(1)を用いて、ヘッドスピードHSとゴルフクラブの設計パラメータ(慣性モーメントIc、ゴルフクラブの長さL、ゴルフクラブの総質量Wおよびゴルフクラブの重心点位置l)との間の関係式が設定される(ステップS40)。
次に、ゴルフクラブ選択部42では、設定された関係式と、データベース38に登録されたブランド名、型式別のゴルフクラブの設計パラメータ(慣性モーメントIc、ゴルフクラブの長さL、ゴルフクラブの総質量Wおよびゴルフクラブの重心点位置l)を呼び出して、各ゴルフクラブ毎にヘッドスピードHSが算出される(ステップS42)。
次に、算出された複数のヘッドスピードHSのうち、ヘッドスピードHSが目標ヘッドスピードに最も近いゴルフクラブがブランド、型式別に選択される(ステップS44)。このようにして、データベース38に登録されているゴルフクラブの中から、目標ヘッドスピードを呈するゴルフクラブを選択することができる。ゴルフクラブの選択とは、選択されたゴルフクラブのブランド名、型式の情報が提供されることをいう。
さらに、装置30は、図10に示すフローチャートに沿って、目標とするゴルフボールの初速度を呈するゴルフクラブに最も近いゴルフクラブを、複数のゴルフクラブの中から選択することもできる。
データベース38に、ゴルフクラブのブランド名、型式別に設計パラメータおよび打撃特性を登録しておく。
まず、外部データ取得部32から、ゴルフボールの目標初速度が入力される。
拘束条件設定部34では、図4に示すフローに従って算出された回転エネルギ量Eおよび定数Xとともに、ゴルフボールの目標初速度が設定される。さらに式(1)を用いて、ヘッドスピードHSとゴルフクラブの設計パラメータ(慣性モーメントIc、ゴルフクラブの長さL、ゴルフクラブの総質量Wおよびゴルフクラブの重心点位置l)との間の関係式が、拘束条件設定部34にて設定される(ステップS50)。
次に、初期弾道算出部40では、ゴルフクラブの打撃特性(反発係数)がゴルフクラブのブランド名、型式別にデータベース38から打撃特性が呼び出されて設定される(ステップS52)。さらに、打撃特性(反発係数)と式(3)とを用いて、ゴルフボールの初速度とゴルフクラブの設計パラメータ(慣性モーメントIc、ゴルフクラブの長さL、ゴルフクラブの総質量Wおよびゴルフクラブの重心点位置l)との関係式が設定される(ステップS54)。
次に、ゴルフクラブの各設計パラメータの値が上記関係式に代入されて、ゴルフボールの初速度が算出される(ステップS56)。
次に、算出された複数の初速度のうち、目標初速度に最も近い初速度を呈するゴルフクラブがブランド名、型式別に選択される(ステップS58)。このようにして、データベース38に登録されているゴルフクラブの中から、ゴルフボールの目標初速度を呈するゴルフクラブを選択することができる。ゴルフクラブの選択とは、選択されたゴルフクラブのブランド名、型式の情報が提供されることをいう。
このように、本発明では、ゴルファのゴルフスウィングに固有の回転エネルギ量Eと定数Xとを用いて、ゴルファ毎に所望のヘッドスピードを実現する、あるいはゴルフボールが所望の初速度を呈するゴルフクラブを設計することができ、また、このようなゴルフクラブを予め取り揃えられた複数のゴルフクラブの中から選択することができる。
なお、定数Xは、ゴルファによって定まるゴルフスウィングを特徴付ける定数であるが、定数Xをすべてのゴルファに共通の値として固定することもできる。このようにしても、図5に示すような算出結果と計測結果の相関は大きく異ならないことが確かめられている。この場合、算出されるヘッドスピードやゴルフボールの初速度は、必ずしも実際の値と対応しないが、予め定められた補正を行うことで実際の値と対応させることができる。すなわち、定数Xをすべてのゴルファに共通の値(好ましくは、X=0)として固定することは、簡易に計算を行ってヘッドスピードや初速度を算出する際には有効である。
また、上記式(1)中の[I+W・(X+l)2]を、ゴルフスウィング時におけるゴルファが感じるゴルフクラブの重さを表す指標として評価することもできる。
すなわち、[I+W・(X+l)2]は、ゴルファによって変わる定数Xを用いてゴルフボール打撃直前の回転運動するゴルフクラブの慣性を表す慣性モーメントであるので、この慣性モーメントをゴルファがグリップから感ずる重さとして表すことができる。
以上、本発明のゴルフクラブ設計方法、ゴルフスウィング特性評価方法およびゴルフクラブの選択方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
(a)はゴルフクラブの一例を示す斜視図であり、(b)はゴルフクラブの各寸法を説明する図である。 ゴルフクラブを把持してゴルファがゴルフスウィングを行う時のゴルフクラブの挙動を説明する図である。 本発明のゴルフクラブ設計方法、ゴルフスウィング特性評価方法およびゴルフクラブの選択方法を実施する装置のブロック図である。 本発明のゴルフスウィン特性評価方法の一例の流れを示すフローチャートである。 ゴルフクラブの質量とヘッドスピードとの関係を示す図である。 本発明のゴルフクラブ設計方法の一例の流れを示すフローチャートである。 (a),(b)は、ゴルフクラブのゴルフクラブのクラブ長さに対するヘッドスピードの変化を示す図である。 本発明のゴルフクラブ設計方法の他の例の流れを示すフローチャートである。 本発明のゴルフクラブの選択方法の一例の流れを示すフローチャートである。 本発明のゴルフクラブの選択方法の他の例の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10 ゴルフクラブ
12 ゴルフクラブヘッド
14 ゴルフクラブシャフト
16 グリップ
18 起点
19 端点
20 ゴルフボール
22 ビーム射出ユニット
24 受光ユニット
26 計測ユニット
30 装置
32 外部データ取得部
34 拘束条件設定部
36 パラメータ設定部
38 データベース
40 初期弾道算出部
42 ゴルフクラブ選択部
44 出力装置

Claims (12)

  1. ゴルフクラブシャフトの中心軸と直交する方向を軸としてゴルフクラブの打撃方向にゴルフクラブが回転するときのゴルフクラブの慣性モーメント、ゴルフクラブの長さ、ゴルフクラブの総質量およびゴルフクラブの重心点位置のうちの少なくとも2つをパラメータとしてゴルフクラブを設計するゴルフクラブ設計方法であって、
    予め定められた、ゴルフスウィング時のゴルフボール打撃直前のゴルフクラブの打撃方向に向けて回転する回転エネルギ量から、前記パラメータの少なくとも2つの間の関係を拘束する拘束条件を定めるステップと、
    この拘束条件を満たすように2つのパラメータの値を定めてゴルフクラブを設計するステップと、を有することを特徴とするゴルフクラブ設計方法。
  2. 前記回転エネルギ量は、前記ゴルフクラブ長さ、前記ゴルフクラブの総質量、前記慣性モーメントおよび前記ゴルフクラブの重心点位置が既知のゴルフクラブをゴルファがゴルフスウィングすることによって得られるゴルファのゴルフスウィング固有の量である請求項1に記載のゴルフクラブ設計方法。
  3. 前記ゴルフクラブ長さ、前記ゴルフクラブの総質量、前記慣性モーメントおよび前記重心点位置が既知であって、これらのうち少なくとも1つの値が異なる複数種類のゴルフクラブをゴルフスウィングすることによって前記回転エネルギ量は求められ、この回転エネルギ量が前記拘束条件を定めるために用いられる請求項2に記載のゴルフクラブ設計方法。
  4. 前記拘束条件を定めるステップは、ヘッドスピードをHSとしたとき、このヘッドスピードHSが予め定められた目標ヘッドスピードになるように、前記回転エネルギ量をEとして下記式(1)を用いて前記拘束条件を定める請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフクラブ設計方法。
    1/2・[I+W・(X+l)2]・[HS/(X+L)]2 =E (1)
    なお、Icはゴルフクラブの重心点における前記慣性モーメントであり、Wはゴルフクラブの総質量であり、lはゴルフクラブのグリップ端からゴルフクラブの重心点への距離であり、Xは所定の定数であり、Lはゴルフクラブの長さである。
  5. 前記ゴルフクラブを設計するステップは、
    前記パラメータの値を所定の範囲内で変化させることによってヘッドスピードを算出するステップと、
    算出したヘッドスピードと、ゴルフクラブヘッドのゴルフボールへの打撃特性とを用いてゴルフボールの初期弾道を算出するステップと、
    前記ヘッドスピードを算出するステップと前記初期弾道を算出するステップとを、前記初期弾道が目標初期弾道に最も近くなるように繰り返し行うステップと、
    初期弾道が前記目標初期弾道に最も近いときの前記パラメータの値を決定して、ゴルフクラブを設計するステップと、を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴルフクラブ設計方法。
  6. ゴルフクラブシャフトの中心軸と直交する方向を軸としてゴルフクラブの打撃方向にゴルフクラブが回転するときのゴルフクラブの慣性モーメント、ゴルフクラブ長さ、ゴルフクラブの総質量およびゴルフクラブの重心点位置が既知のゴルフクラブを用いて成されたゴルフスウィングから、ゴルフスウィングの特性を評価する方法であって、
    ゴルフスウィングのゴルフボール打撃直前のヘッドスピードを計測するステップと、
    計測されたヘッドスピードと、前記慣性モーメントと、前記ゴルフクラブ長さと、前記ゴルフクラブの総質量と、前記ゴルフクラブの重心点位置とを用いてゴルフクラブによるゴルフボールの打撃直前のゴルフクラブの打撃方向に向かって回転するゴルフクラブの回転エネルギ量を求め、この回転エネルギ量に基づいてゴルファのゴルフスウィングを評価するステップと、を有することを特徴とするゴルフスウィング特性評価方法。
  7. 前記ゴルフスウィングに用いるゴルフクラブは、前記ゴルフクラブ長さ、前記ゴルフクラブの総質量および前記慣性モーメントのいずれか1つの値が少なくとも異なる複数本のゴルフクラブであり、
    前記回転エネルギ量をEとして、この回転エネルギ量Eが、前記複数本のゴルフクラブによるゴルフスウィングにおいて所定の許容範囲内で一致して算出されるように、前記式(1)で表される定数Xの値を定めることによって前記回転エネルギ量Eを求める請求項6に記載のゴルフスウィング特性評価方法。
  8. さらに、前記式(1)で表される[I+W・(X+l)2]の値をゴルフスウィング時におけるゴルフクラブの重さを表す指標として評価するステップとを有する請求項7に記載のゴルフスウィング特性評価方法。
  9. ゴルフクラブシャフトの中心軸と直交する方向を軸としてゴルフクラブの打撃方向に向かってゴルフクラブが回転するときのゴルフクラブの慣性モーメントと、ゴルフクラブ長さと、ゴルフクラブの総質量と、ゴルフクラブの重心点位置とが既知の複数本のゴルフクラブの中からゴルフクラブを選択する方法であって、
    予め定められた、ゴルフスウィング時のゴルフボール打撃直前のゴルフクラブの打撃方向の回転エネルギ量と、前記複数のゴルフクラブのそれぞれの前記ゴルフクラブ長さと、前記ゴルフクラブの総質量と、前記慣性モーメントと、前記重心点位置とを用いてゴルフボール打撃直前のヘッドスピードを、前記複数本のゴルフクラブのそれぞれについて求めるステップと、
    求められたヘッドスピードのうち、目標ヘッドスピードに最も近いヘッドスピードを呈するゴルフクラブを選択するステップと、を有することを特徴とするゴルフクラブ選択方法。
  10. ゴルフクラブシャフトの中心軸と直交する方向を軸としてゴルフクラブの打撃方向に向かってゴルフクラブが回転するときのゴルフクラブの慣性モーメントと、ゴルフクラブ長さと、ゴルフクラブの総質量と、ゴルフクラブの重心点位置と、ゴルフクラブヘッドの打撃特性とがそれぞれ既知の複数本のゴルフクラブの中からゴルフクラブを選択する方法であって、
    予め定められた、ゴルフスウィング時のゴルフボール打撃直前のゴルフクラブの打撃方向に向かって回転する回転エネルギ量と、前記複数のゴルフクラブのそれぞれの前記ゴルフクラブ長さと、前記ゴルフクラブの総質量と、前記慣性モーメントとを用いてゴルフボール打撃直前のヘッドスピードを、前記複数のゴルフクラブのそれぞれについて求めるステップと、
    求められたヘッドスピードと、ゴルフクラブヘッドのゴルフボールへの打撃特性とを用いてゴルフボールの初期弾道を算出することにより、目標初期弾道に最も近い初期弾道を呈するゴルフクラブを選択するステップと、を有することを特徴とするゴルフクラブ選択方法。
  11. 前記回転エネルギ量は、前記ゴルフクラブ長さと、前記ゴルフクラブの総質量と、前記慣性モーメントと、前記ゴルフクラブの重心点位置とが既知のゴルフクラブをゴルファがゴルフスウィングすることによって得られるゴルファのゴルフスウィング固有の量である請求項9または10に記載のゴルフクラブ選択方法。
  12. 前記複数本のゴルフクラブのそれぞれのヘッドスピードを求めるステップは、前記式(1)を用いてヘッドスピードを求める請求項9〜11のいずれか1項に記載のゴルフクラブ選択方法。
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JP2011030761A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Sri Sports Ltd ゴルフクラブの評価方法

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