JP2005334132A - 内視鏡用処置具 - Google Patents

Abstract

【課題】 処置具の操作、特に処置具を通じて体腔内に薬剤等の流体を送る操作を、内視鏡操作者及び傍らの介助者が選択的に行えるようにした内視鏡用処置具を提供することを目的とする。
【解決手段】 内視鏡用処置具は、収納装置６を有し、収納装置６には挿入部５を巻回すロール状部材８が回転自在に設けられている。ロール状部材８には、第１送液口金１４又は第２送液口金１９のどちらか一方と、挿入部５とを連通させる活栓が設けられている。活栓は、切換レバー２１によって回動し、切り替えられるようになっている。
【選択図】 図２

Description

本発明は、内視鏡の鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入されるカテーテル等の内視鏡用処置具に関する。

内視鏡用処置具は、内視鏡に挿通させて用いるもので、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通される可僥性の挿入部を備えている。ここで、挿入部は、長くて扱い難いので、保管時などに挿入部をロール状に丸めてコンパクトにすることが開示されている。(例えば特許文献１、特許文献２、特許文献３参照)
例えば、特許文献１に開示されている保管装置は、処置具の保管時に、その挿入部を巻き取るドラムを有している。処置具は、その使用時には保管装置から取り外されて、通常の処置具として扱われる。
特許文献２に開示されているカテーテル挿入装置では、カテーテルの基端をロール状に巻き取るドラムを有している。この装置は、内視鏡の鉗子チャンネルを介さず、直接体腔内に挿入するものである。
特許文献３に開示されている収納具は、可僥性シャフトを巻き取るドラムを有している。処置具を駆動させる駆動手段は、シャフト内に挿通されている。駆動手段が接続される操作部は、ドラムの側部に配置されている。
実開昭６３−１９５８０６号公報 米国特許第３９９５６２８号明細書 米国特許第５６９５４９１号明細書

しかしながら、これら従来の技術では、送液手段や操作手段が一箇所にしかなかった。特許文献２では、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通するものではないため、体内への挿入を行う人が送液も行うものである。また、特許文献３では、内視鏡から離れた介助者が操作部を操作するようになっており、内視鏡操作者が行うものではない。つまり、これらは、処置具の操作者が決められた構成となっており、必要に応じて迅速に、処置具操作者を変えることができない。
本発明は前述した課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、処置具の操作、特に処置具を通じて体腔内に薬剤等の流体を送る操作を、内視鏡操作者及び傍らの介助者が選択的に行えるようにした内視鏡用処置具を提供することにある。

上記課題を解決するために本発明の内視鏡用処置具は、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能で流体通路を有する挿入部と、該挿入部を収納する収納装置と、該収納装置に設けられ前記流体通路に連通し流体を送る第１の流体供給手段と、該収納装置から延出する延長部と、該延長部に設けられ、前記流体通路に連通し流体を送る第２の流体供給手段と、前記収納装置に設けられ前記流体通路が前記第１の流体供給手段と連通する第１の状態と前記流体通路が前記第２の流体供給手段と連通する第２の状態とに切り換える切換手段を備えていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具では、切換手段で第１の流体供給手段又は第２の流体供給手段の一方と、流体通路とを連通させる。第１の流体供給手段は、術者が操作をし、第２の流体供給手段は、延長部を介して介助者が操作をするので、術者と介助者の両者が、場合に応じて切り換えて流体を送る操作ができる。

また、本発明の内視鏡用処置具は、請求項１に記載の内視鏡用処置具において、前記収納装置が、収納本体と、該収納本体に回転可能に枢支され、前記挿入部の基端側を支持すると共に挿入部を外周面に巻回可能なロール状部材とからなることを特徴とする。
この内視鏡用処置具では、挿入部が、ロール状部材の外周面に巻き回されるようにして収容され、コンパクトになる。

本発明の内視鏡用処置具は、請求項２に記載の内視鏡用処置具において、前記切換手段は、前記ロール状部材に設けられていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具では、切換手段がロール状部材に設けられているので、挿入部を内視鏡に挿通させるときにロール状部材が回転しても流体供給手段の切り換えを確実に行える。

本発明の内視鏡用処置具は、請求項２に記載の内視鏡用処置具において、前記ロール状部材の外側面に、前記延長部および第２の流体供給手段の収納部が設けられていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具では、ロール状部材に収納部が一体的に設けられているので、ここに延長部及び第２の流体供給手段を収容すると、挿入部の挿通時にロール状部材を回転させても、延長部及び第２の流体供給手段が不用意に動き回ったり、絡まったりすることがない。

本発明の内視鏡用処置具は、請求項４に記載の内視鏡用処置具において、前記切換手段は、前記第１の状態と第２の状態の間で回動するレバーを備え、該レバーは、前記第１の状態のときに前記延長部および第２の流体供給手段の収納部を横断し、前記延長部および第２の流体供給手段の収納部からの飛出しを防止することを特徴とする。
この内視鏡用処置具では、レバーの回動によって切換手段を切り換えることができる。第１の流体供給手段と流体通路とを連通させる位置では、レバーが延長部及び第２の流体供給手段の押さえとして機能し、ロール状部材からの飛び出しを防止する。また、押さえを解除して延長部及び第２の流体供給手段を収納部から取り出すと同時に、第１の状態から第２に状態への切り換えが行われる。

本発明の内視鏡用処置具は、請求項１に記載の内視鏡用処置具において、前記収納装置は、挿入補助手段を備えていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具では、挿入部補助手段を利用しつつ挿入部を内視鏡に挿入することで、挿入部の挿入が容易に、かつ確実に行われる。

本発明の内視鏡用処置具は、請求項１に記載の内視鏡用処置具において、前記挿入部は、ガイドワイヤを受け入れるガイドワイヤ挿通路を有し、前記収納装置は、該ガイドワイヤ挿通路に挿通されたガイドワイヤの基部を係税可能に固定する固定手段を備えていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具は、ガイドワイヤを挿通させつつ使用するものである。挿入部をガイドワイヤ上で進退させる際には、ガイドワイヤを収納装置に係合させて固定した状態とし、挿入部をガイドワイヤから抜去する際には、ガイドワイヤを収納装置から離脱させた状態にする。

本発明によれば、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能で流体通路を有する挿入部と、該挿入部を収納する収納装置とを有する内視鏡用処置具において、収納装置に設けられ前記流体通路に連通し流体を送る第１の流体供給手段と、収納装置から延出する延長部と、延長部に設けられ、流体通路に連通し流体を送る第２の流体供給手段と、収納装置に設けられ流体通路が第１の流体供給手段と連通する第１の状態と流体通路が第２の流体供給手段と連通する第２の状態とに切り換える切換手段を設けたので、術者と介助者の両者が、場合に応じて切り換えて流体を送る操作ができる。

〔第１実施形態〕
図１乃至図１６を参照して、本発明の第１実施形態を説明する。
本実施形態に係る内視鏡用処置具は、造影チューブ１であって、図１に示すように、例えばポリテトラフロロエチレン樹脂からなる可撓性チューブ２の先端近傍に、管状のＸ線不透過チップ３が内装され、外周に間隔をおいてマーキング４が施された可撓性挿入部(処置具挿入部)５と、図２に示すような、可撓性挿入部５を収納する収納装置６とを備えている。

可撓性挿入部５は、内孔２ａを有し、Ｘ線不透過チップ３の内装された部分が大径部２ｃを形成している。
収納装置６は、図２乃至図５に示すように、収納本体７と、収納本体７に中心軸が回転可能に枢支され、可撓性挿入部５の基端側を支持すると共に可撓性挿入部５を外周面の巻取部８ａに巻回可能な円柱状のロール状部材８とを備えている。
収納本体７は箱状に形成され、底面７ａと側面７ｂからなるケース７Ａと、底面７ａに略平行に配された蓋部７Ｂとを備えている。側面７ｂの一ヶ所には、可撓性挿入部５が突出可能な横長のスリットからなる開口部９を有している。スリットの幅は、可撓性挿入部５の大径部２ｃ（図１参照）が通過できないようになっており、可撓性挿入部５の先端が収納本体７内に入らないようになっている。開口部９の周囲には、ねじ１０が形成され、図２及び図６に示すようにキャップ１１が着脱自在に螺合され、可撓性挿入部５の先端を覆って保護するようになっている。図７に示すように、側面７ｂの別の一ヶ所には、内視鏡や設置手段(例えば三脚など)に取り付けるための、ねじなどが形成された取付孔１２（取付部）が設けられている。

図２及び図３に示すように、蓋部７Ｂの中央部には、円形の孔部１３が形成されている。
図５に示すように、ロール状部材８の中央近傍には、第１送液口金１４を有する切換え用活栓１５が設けられている。活栓１５は、第１口部１６と、第２口部１７を有し、第１口部１６には、可撓性挿入部５の基端が接続され、可撓性挿入部５は、図９に示すように、ロール状部材８内を巻取部８ａに向かって延び、巻取部８ａ近傍に設けられた案内孔８ｂ、傾斜した案内溝８ｃに導かれ、巻取部８ａに延びてこれに巻回される。図５に示すように、活栓１５の第２口部１７には、延長チューブ１８の一端が接続され、延長チューブ１８の他端には、第２の流体供給手段、つまり図１０に示すような第２送液口金１９が設けられている。ロール状部材８の、第２口部１７側には、凹部により形成された収納部２０が設けられ、延長チューブ１８は、収納部２０内に突出し、丸めて収納される。また、活栓１５には、切換レバー２１が設けられている。図５及び図８に示すように、切換レバー２１は、活栓１５内に回転自在に収容されている弁体６１に連結されている。弁体６１には、略Ｔ字状の流路６２が形成されている。図８に示すように、切換レバー２１がロール状部材８の側面８ｄに平行に延びる第１の状態では、図５に示すように、弁体６１の流路６２によって可撓性挿入部５と、第１の流体供給手段である第１送液口金１４とが連通され、第１送液口金１４から送液することが可能となっている。また、この第１の状態では、切換レバー２１は、収納部２０内の延長チューブ１８の押さえも兼ねている。
図１１に示すように、切換レバー２１を持ち上げて、ロール状部材８の側面８ｄに垂直に延びる第２の状態にすると、図１２に示すように、弁体６１が回転し、流路６２によって可撓性挿入部５と延長チューブ１８とが連通され、第２送液口金１９から送液することが可能となっている。この第２の状態では、切換レバー２１による押さえが解除されて、収納部２０から延長チューブ１８を取り出すことができる。

図８及び図１０に示すように、収納本体７のケース７Ａには、収納孔２２が形成され、ロール状部材８が、軸受２３で支持された状態で収容されている。また、ケース７Ａには、収納孔２２に連通し、ロール状部材８の巻取部８ａの略接線方向に延びて、スリットからなる開口部９に繋がる溝２４が形成され、ロール状部材８に巻回された可撓性挿入部５は、この溝２４を通って開口部９から突没する。

内視鏡２５は、図１３に示すように、可撓性の挿入部２６と、挿入部２６の基端に接続された内視鏡操作部２７とを備えている。内視鏡操作部２７には、収納装置６の取付孔１２に着脱可能な、例えばねじが形成された係合部材２８（受け部）が、鉗子口２９の近傍に配設されている。

次に、このような構造の造影チューブ１の作用について説明する。
まず、図１３に示すように、キャップ１１（図６参照）を外した造影チューブ１の収納装置６を内視鏡２５に取り付ける。つまり、収納本体７の側面７ｂの取付孔１２に、内視鏡２５の係合部材２８を螺合して固定する。このとき、開口部９を内視鏡２５の鉗子口２９に向けて取り付ける。
内視鏡２５を体腔内に挿入した後、図１４のように、可撓性挿入部５の先端を把持して収納本体７から引き出し、鉗子口２９からチャンネル内に挿入する。このとき、収納本体７内でロール状部材８が回転し、可撓性挿入部５がスムーズにチャンネル内に送り出される。そして、可撓性挿入部５の先端を所望の体腔内管路（例えば胆管）に挿入し、可撓性挿入部５の可撓性チューブ内孔２ａ（図１参照）を通して体腔内管路に造影剤を注入する。

造影剤の注入を内視鏡操作者（術者）が行う場合は、図１５に示すように、切換レバー２１を第１の状態に保ったままで、第１送液口金１４に造影剤の入った注射筒３０を取り付け、注入する。注入された造影剤は、活栓１５により、第１口部１６を通って可撓性チューブ２の内孔２ａ内に注入され、可撓性挿入部５の先端から噴出される。
造影剤の注入を術者の傍らにいる介助者が行う場合は、図１６に示すように、活栓１５の切換レバー２１を持ち上げて、ロール状部材８の側面８ｄに垂直な状態にする。そして、収納部２０から延長チューブ１８及び第２送液口金１９を取り出し、第２送液口金１９に造影剤の入った注射筒３０を取り付け、注入する。切換レバー２１を持ち上げることによって活栓１５により、延長チューブ１８と可撓性挿入部５が連通しているので、注入された造影剤は、第２口部１７、第１口部１６を通って可撓性チューブ２の内孔２ａ内に注入され、可撓性挿入部５の先端から噴出される。延長チューブ１８を収納部２０から取り出すと、第２送液口金は、収納装置７から離れて位置するので、術者から離れた介助者が容易に液体の注入操作を行うことができるとともに、延長チューブ１８を取り出すために切換レバー２１を持ち上げると同時に送液管路の切換がされるので、作業が迅速に行える。

造影剤の注入を終了後、注射筒３０を外し、介助者が注入作業を行った場合は、延長チューブ１８及び第２送液口金１９を収納部２０に収容して切換レバー２１を戻してから、鉗子口２９と収納本体７との間に露出した可撓性挿入部５を把持して、可撓性挿入部５を収納本体７内に押し込む。このとき、この押し込み力によってロール状部材８が回転し、ロール状部材８の巻取部８ａに可撓性挿入部５が巻回される。可撓性チューブ２の大径部２ｃがスリット状の開口部９に当接したら収納装置６を内視鏡２５から取外して終了する。

この内視鏡用処置具によれば、送液作業を術者が行うための第１送液口金１４をロール状部材８に、介助者が行うための第２送液口金１９を延長チューブ１８端に設け、両口金のいづれか一方を可撓性挿入部５と切換可能に連通させる活栓１５を収納装置６に設けたので、術者と介助者の両者が場合に応じて送液できる。また、ロール状部材８に延長チューブ１８及び第２送液口金１９を収納部２０を設け、活栓１５の切換レバー２１が収納補助手段として延長チューブ１８を押さえているので、介助者が送液する際の延長チューブ１８の取り出し、管路の切換が迅速に行える。
尚、内視鏡用処置具は、造影チューブ１に限ることはなく、例えば色素を散布する散布チューブや、生理食塩水を送水する洗浄チューブ等でも構わない。

〔第２実施形態〕
図１７乃至図２１は本発明の第２実施形態を示すものである。
本実施形態の内視鏡用処置具としての造影チューブ３１は図１７に示すように、可撓性挿入部５の突出した開口部９の上方に第２開口部３２を有し、第２開口部３２からは、板状の挿入補助部材３３（挿入補助手段）が突出している。図１８に示すように、挿入補助部材３３は、収納本体７のケース７Ａに設けられたロール状部材８の収納孔２２の周囲の始点３４ａから発し、収納孔２２の外側及び溝２４に並設して第２開口部３２に連通する第２溝３４の始点３４ａに一端が固定され、第２溝３４内に収容され、第２開口部３２から突出している。第２溝３４は、内周壁３４ｂと外周壁３４ｃを有し、挿入補助部材３３は、板のもつ弾性力により外周壁３４ｃに密着している。そして、挿入補助部材３３の先端３３ｄを引っ張ると、図１９に示すように、挿入補助部材３３が内周壁３４ｂに密着するまで第２開口部３２から引き出され、離すと元に戻るようになっている。
それ以外の構成は、第１実施形態と同様である。

本実施形態の造影チューブ３１は、図２０に示すように、可撓性挿入部５と挿入補助部材３３を一緒に収納本体７から引き出し、内視鏡２５の鉗子口２９からチャンネルに挿入する。これにより、挿入補助部材３３が可撓性挿入部５の、挿入時の座屈を防止する。可撓性挿入部５を挿入する時、可撓性挿入部５及び挿入補助部材３３を離して持ち替える瞬間に、図２１に示すように挿入補助部材３３のみが自己の弾性力により収納本体７に引き込まれる。可撓性挿入部５をさらに挿入する時には、挿入補助部材３３が可撓性挿入部５と共に再び引き出されてチャンネルに挿入される。このため、挿入補助部材３３の引き出し量は短くて済む。
なお、本実施形態の造影チューブ３１では、第１実施形態と同様に、切換レバー２１を操作することで、第１送液口金１４又は第２送液口金１９から造影剤の注入を行うことができる。

〔第３実施形態〕
図２２乃至図２５は本発明の第３実施形態を示すものである。
本実施形態では、挿入補助手段として第２実施形態と異なる挿入補助具７０を備えている。
図２２及び図２３に示すように、挿入補助具７０は、開口部９に設けられている。この挿入補助具７０は、開口部９に一端が接続された引張りばね３５と引張りばね３５の他端に接続され、把持スリット３６を有する略筒状の保持部３７と、保持部３７に接続された圧縮ばね３８と、圧縮ばね３８に接続された鉗子口固定部３９とからなる。可撓性挿入部５は、挿入補助具７０内を通り、鉗子口固定部３９から先端が突出している。
このように構成された挿入補助具７０は、以下のように使用する。内視鏡２５に収納装置６を取り付けた後、図２４のように、鉗子口２９に鉗子口固定部３９を接続し、保持部３７を把持すると共に挟持スリット３６内の可撓性挿入部５も把持して、可撓性挿入部５をチャンネル内に挿入する。このとき、図２５のように、引張りばね３５は伸ばされ、圧縮ばね３８は圧縮される。手を離すと、可撓性挿入部５は移動しないが、引張りばね３５、圧縮ばね３８がそれぞれ元の状態に復元し、保持部３７の位置が元の位置に戻る。これを繰り返すことにより可撓性挿入部５がチャンネル内に挿入される。
この実施形態によれば、挿入時に、可撓性挿入部５は、挿入補助具７０で囲まれているので、座屈が防止される。
なお、本実施形態の造影チューブでは、第１実施形態と同様に、切換レバー２１を操作することで、第１の送液口金１４又は第２送液口金１９から造影剤の注入を行うことができる。

〔第４実施形態〕
図２６乃至図３８は本発明の第４実施形態を示すものである。
図２６乃至図２９に示すように、本実施形態の造影チューブ４８では、可撓性挿入部５が、送液内孔４０と、ガイドワイヤ挿通路となるガイドワイヤ挿通孔４１とが併設された可撓性チューブ４２からなる。図２８及び図３０に示すように、可撓性チューブ４２は、先端部４２ａを除いて、ガイドワイヤ挿通孔４１が側方に開口４１ａを有している。また、図２８及び図３１に示すように、可撓性チューブ４２の基端では、ガイドワイヤ挿通孔４１の基端面４１ｂが露出するように、切欠き部４３が設けられている。ガイドワイヤは、ガイドワイヤ挿通孔４１の基端面４１ｂから挿入可能で、側方開口４１ａから出し入れ可能になっている。可撓性挿入部５は、第１実施形態同様、ロール状部材８に巻回され、収納本体７内に収納されている。第１送液口金１４及び第２送液口金１９は、送液内孔４０と連通している。
図２６及び図２７に示すように、収納本体７は、蓋部７Ｂの外表面に、ガイドワイヤ固定手段４４が設けられている。ガイドワイヤ固定手段４４は、開口部９の脇から後方に延びる溝部４５と、溝部４５の途中に設けられた飛出し防止突起４６、溝部４５の末端に設けられたガイドワイヤ係止手段４７とからなる。ガイドワイヤ係止手段４７は、隙間をあけて配された２つの固定手段である係止突起４７ａ、４７ｂの隙間にガイドワイヤの基部を挿入して係止するものである。また、蓋部７Ｂの開口部９側はテーパが形成されている。

このように構成された造影チューブ４８を使用する場合は、体腔内に挿入された内視鏡２５のチャンネルに、可撓性挿入部５を挿入し、例えば胆管内に可撓性チューブ４２の先端を挿入する。第１実施形態と同様にして、第１送液口金１４または第２送液口金１９から造影剤を胆管内に注入した後、図３２に示すように、切欠き部４３に露出したガイドワイヤ挿通孔４１の基端面４１ｂからガイドワイヤ４９を挿入する。ガイドワイヤ４９の先端が胆管内の深部に達したら、図３３に示すように、ガイドワイヤ４９の基端をガイドワイヤ固定手段４４の溝部４５に挿入し、末端のガイドワイヤ係止手段４７の係止突起４７ａ、４７ｂにより固定する。
そして、造影チューブ４８を抜去する際には、図３４に示すように、可撓性挿入部５をチャンネルから引き抜き、収納装置６内に収納する。このとき、ガイドワイヤ４９は、ガイドワイヤ挿通孔４１の側方開口４１ａを通って側方に外れるので、ガイドワイヤ４９は動かないまま、可撓性挿入部５のみが収納装置６内に収納される。図３５のように、可撓性挿入部５の先端が鉗子口２９から出たら、図３６に示すように、係合部材２８から収納装置６を外し、ガイドワイヤ４９から可撓性チューブ４２の先端部４２ａを抜く。これにより、ガイドワイヤ４９のみを胆管内に留置した状態となり、このガイドワイヤ４９をガイドにして、種々の処置具を胆管に対して挿入又は抜去して処置を行う。

本実施形態によれば、収納装置６に可撓性挿入部５が収納される内視鏡用処置具であっても、ガイドワイヤ４９を組み合わせて使用することができ、ガイドワイヤ挿入システムの一要素を担うという効果が得られる。
なお、本実施形態では、内視鏡用処置具として造影チューブについて説明したが、例えば、図３７及び図３８に一例を示すように、ガイドワイヤ挿通孔を有する可撓性挿入部を持ち、ガイドワイヤ固定手段を有する収納装置６に収納される内視鏡用処置具であれば同様の効果を得られる。図３７は、造影チューブ４８と同様の構成の可撓性チューブを有し、先端にナイフ部５０を有する高周波ナイフ部(パピロトミーナイフ)５１である。ロール状部材８の外表面には、操作部６５が取り付けられている。操作部６５は、ナイフ部５０を進退させたり、ナイフ部５０に通電するケーブルを接続したりするために用いられる。図３８は、先端処置部の脇にガイドワイヤ挿入管５２が設けられた生検鉗子５３である。ロール状部材８の外表面には、操作部６６が取り付けられている。操作部６６は、一対の鉗子カップを開閉させるために用いられる。

なお、本発明は、前記各実施形態に限定されずに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で広く応用することができる。

[付記項１]
内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能で、ガイドワイヤを受け入れるガイドワイヤ挿通路を有する挿入部と、該挿入部を収納する収納装置とからなり、該収納装置が、前記ガイドワイヤ挿通路に挿通されたガイドワイヤの基部を係脱可能に固定する固定手段を備えていることを特徴とする内視鏡用処置具。
この内視鏡用処置具は、その挿入部が収納装置に収納されると共に、ガイドワイヤと組み合わされて使用されるもので、複数種類の内視鏡用処置具を組み合わせて処置を行うガイドワイヤ挿入システムの一要素を担うものである。
〔付記項２〕
前記固定手段は、前記収納装置の外表に設けられていることを特徴とする付記項１記載の内視鏡用処置具。
この内視鏡用処置具では、収納装置の外表にガイドワイヤの基部を係合させ、収納装置に収納された挿入部と干渉しないようにしてある。
〔付記項３〕
前記収納装置が前記内視鏡の鉗子口近傍に着脱可能な取付部を備えていることを特徴とする付記項１または付記項２に記載の内視鏡用処置具。
この内視鏡用処置具は、取付部によって内視鏡の鉗子口近傍に収納装置を固定した状態で使用することができる。また、これによって、収納装置を介してガイドワイヤを内視鏡に固定させることができる。
〔付記項４〕
前記収納装置が、収納本体と、該収納本体に回転可能に枢支され、前記挿入部の基端側を支持するとともに挿入部を外周面に巻回可能なロール状部材とからなることを特徴とする付記項１記載の内視鏡用処置具。
この内視鏡用処置具では、ロール状部材の外周面に挿入部が巻回されるので、挿入部をコンパクトにまとめることができる。
〔付記項５〕
前記挿入部は、前記ガイドワイヤ挿通路に併設した流体通路を備え、前記収納装置には、該流体通路に流体を送る流体供給手段を備えていることを特徴とする付記項１記載の内視鏡用処置具。
この内視鏡用処置具では、ガイドワイヤに挿通させる通路とは別に、流体を通流させる流体流路を備え、この流体流路を用いて流体が体腔に送り込まれる。
〔付記項６〕
前記ガイドワイヤ挿通路の一部は、断面略Ｃ宇形状の溝で構成されていることを特徴とする付記項１記載の内視鏡用処置具。
この内視鏡用処置具では、ガイドワイヤ挿通路の一部が溝になっており、ここからガイドワイヤが挿入部に挿抜される。特に、ガイドワイヤを挿通したままで挿入部を収納装置に収納しようとするときには、この溝からガイドワイヤが外れ、挿入部のみが収納装置に収納される。
〔付記項７〕
可僥性の挿入部と、該挿入部の基端に接続された内視鏡操作部とを備え、前記内視鏡操作部に付記項１から付記項６のいづれかに記載の内視鏡用処置具の取付部が着脱可能な受け部が、前記内視鏡操作部に配設された鉗子口近傍に配されていることを特徴とする内視鏡。
この内視鏡では、受け部によって、鉗子口近傍に内視鏡用処置具の収納装置を固定することができる。また、これによって、収納装置を介してガイドワイヤを内視鏡に固定させることができる。

本発明の実施形態における内視鏡処置具の先端部の一部を破断した拡大図である。 内視鏡用処置具の斜視図であって、キャップを取り外した状態を示す図である。 内視鏡用処置具の正面図である。 内視鏡用処置具の一側面図である。 図３のＢ‐Ｂ線に沿った断面図である。 内視鏡用処置具の斜視図であって、キャップを取り付けた状態を示す図である。 内視鏡用処置具の一側面であって、底面を示す図である。 図３のＡ‐Ａ線に沿った断面図である。 図８のＣ‐Ｃ線に沿った断面図である。 図４のＤ‐Ｄ線に沿った断面図である。 図３のＡ‐Ａ線に沿った断面図であって、切換レバーを第２の状態にした図である。 図３のＢ‐Ｂ線に沿った断面図であって、切換レバーが第２の状態になるときの連通状態を示す図である。 内視鏡用処置具の使用状態を説明する図である。 内視鏡用処置具の使用状態を説明する図であって、挿入部の挿入時を示す図である。 第１送液口金を使用する場合を説明する図である。 第２送液口金を使用する場合を説明する図である。 内視鏡用処置具を示す斜視図である。 図１７のＥ‐Ｅ線に沿った断面図であって、挿入補助部材が引き戻された状態を示す図である。 図１７のＥ‐Ｅ線に沿った断面図であって、挿入補助部材が引き出された状態を示す図である。 内視鏡用処置具の使用状態を説明する図であって、挿入部の挿入時を示す図である。 内視鏡用処置具の使用状態を説明する図であって、挿入補助部材が引き出される状態を示す図である。 内視鏡用処置具を示す斜視図である。 内視鏡用処置具の正面図である。 挿入補助部材の使用状態を説明する図である。 挿入補助部材の使用状態を説明する図であって、挿入部の挿入時を示す図である。 内視鏡用処置具を示す斜視図である。 内視鏡用処置具の正面図である。 内視鏡処置具の挿入部を示す図である。 図２８のＦ‐Ｆ線に沿った断面図である。 図２８のＧ‐Ｇ線に沿った断面図である。 図２８のＨ‐Ｈ線に沿った断面図である。 内視鏡用処置具において、ガイドワイヤの挿通時を示す図である。 内視鏡用処置具において、ガイドワイヤをガイドワイヤ固定手段に固定した状態を示す図である。 内視鏡用処置具の抜去時を示す図である。 内視鏡用処置具の抜去し、ガイドワイヤが留置された状態を示す図である。 ガイドワイヤを留置した状態で内視鏡用処置具を内視鏡から取り外した状態を示す図である。 内視鏡用処置具の斜視図である。 内視鏡用処置具の斜視図である。

符号の説明

１ 造影チューブ（内視鏡用処置具）
５ 挿入部
６ 収納装置
７ 収容本体
８ ロール状部材
１４ 第１送液口金（第１の流体供給手段）
１９ 第２送液口金（第２の流体供給手段）
１８ 延長部
２０ 収納部
２１ 切換レバー（切換手段）
２５ 内視鏡
３３ 挿入補助部材（挿入補助手段）
４１ ガイドワイヤ挿通孔（ガイドワイヤ挿通路）
４７ａ，４７ｂ 係止突起（固定手段）
４９ ガイドワイヤ
７０ 挿入補助具（挿入補助手段）

Claims (7)

1. 内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能で流体通路を有する挿入部と、該挿入部を収納する収納装置と、該収納装置に設けられ前記流体通路に連通し流体を送る第１の流体供給手段と、該収納装置から延出する延長部と、該延長部に設けられ、前記流体通路に連通し流体を送る第２の流体供給手段と、前記収納装置に設けられ前記流体通路が前記第１の流体供給手段と連通する第１の状態と前記流体通路が前記第２の流体供給手段と連通する第２の状態とに切り換える切換手段を備えていることを特徴とする内視鏡用処置具。
2. 前記収納装置が、収納本体と、該収納本体に回転可能に枢支され、前記挿入部の基端側を支持すると共に挿入部を外周面に巻回可能なロール状部材とからなることを特徴とする請求項１に記載の内視鏡用処置具。
3. 前記切換手段は、前記ロール状部材に設けられていることを特徴とする請求項２に記載の内視鏡用処置具。
4. 前記ロール状部材の外側面に、前記延長部および第２の流体供給手段の収納部が設けられていることを特徴とする請求項２に記載の内視鏡用処置具。
5. 前記切換手段は、前記第１の状態と第２の状態の間で回動するレバーを備え、該レバーは、前記第１の状態のときに前記延長部および第２の流体供給手段の収納部を横断し、前記延長部および第２の流体供給手段の収納部からの飛出しを防止することを特徴とする請求項４に記載の内視鏡用処置具。
6. 前記収納装置は、挿入補助手段を備えていることを特徴とする請求項１に記載の内視鏡用処置具。
7. 前記挿入部は、ガイドワイヤを受け入れるガイドワイヤ挿通路を有し、前記収納装置は、該ガイドワイヤ挿通路に挿通されたガイドワイヤの基部を係税可能に固定する固定手段を備えていることを特徴とする請求項１に記載の内視鏡用処置具。
   
   

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