JP2005333758A - 静電吸引駆動装置 - Google Patents

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英高 古庄
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Abstract

【課題】 可動子を移動方向に案内するガイド手段を設ける必要がなく、また高い静電吸引力を発生することが可能な静電吸引駆動装置を提供する。
【解決手段】 固定子側電極23と可動子側電極33とが対向する領域内に充填材41が設けられている。誘電性を有する充填材41とした場合、充填材41が固定子側電極23と可動子側電極33に発生する静電吸引力を高めることに寄与する。また前記静電吸引力のうちの幅(X)方向成分が可動子側電極33を幅方向に支持するため、ガイド手段を設けなくとも可動子30の移動(Y)方向の移動を安定させることが可能となる。
【選択図】図2

Description

発明は、可動子が静電力によって固定子上を移動する静電吸引駆動装置に係わり、特に可動子を移動方向に案内するガイド手段を不要にできるとともに高い静電吸引力を発生できるようにした静電吸引駆動装置に関する。
従来の静電吸引駆動装置に関する先行技術文献としては、例えば以下の特許文献1などが存在している。以下には特許文献1に示されている静電吸引駆動装置の概略を説明する。
前記特許文献1に示される静電吸引駆動装置では、第1の固定子2aと第2の固定子2bとが所定の距離を隔てた状態で互いに対向配置され、その間にスライド移動する可動子3が配置されている。前記第1の固定子2aには所定方向に順次配列された3系統の電極A,B,C(第1電極)が設けられ、前記第2の固定子2bには一様な1系統の電極Dが設けられている。また前記可動子3は、一方の表面に前記第1の固定子2aの各電極A,B,Cの電極ピッチに対応して設けられた電極部3aと、他方の表面に前記第2の固定子2bに対向して設けられた平坦な電極部3dとを有しており、前記両電極部3aおよび3dは同一電位に維持される1系統の電極E(第3電極)を形成している。
前記第1の固定子2aに設けられる電極Aに電圧を印加して、電極Aの電位を可動子3に設けられる電極Eの電位よりも高くすると、電極Aと電極Eとの間で作用する静電力(クーロン力)により、可動子3は第1の固定子2a側に吸引される。その際、電極Aと電極部3aがぴったり重なり合う状態がもっとも安定であるため、可動子3は電極Aと電極部3aとが重なり合うように電極Aより作用力を受ける。続いて、電圧を印加する電極を第2の固定子2bに設けられる電極Dに切り換えると、可動子3は第2の固定子2b側に吸引される。さらに、電圧を印加する電極を第1の固定子2aに設けられる電極Bに切り換えると、電極Aに電圧を印加した際と同様なメカニズムにより、可動子3は電極Bと電極部3aが重なり合うように電極Bより作用力を受ける。このような一連の動作、即ち電圧を電圧源6からスイッチング回路5を介して電極A→電極D→電極B→電極D→電極C→電極D→電極A・・・と順次繰り返して印加する(第1の固定子2aに設けられる電極A〜Cと第2の固定子2bに設けられる電極Dとに交互に電圧を印加するとともに、第1の固定子2aに設けられる電極を前記所定方向に順次切り換える)ことにより、可動子3は微視的には上下振動をしながら、巨視的には第1の固定子に配列された電極の配列方向に駆動されるようになっている。
特開2001−346385号公報
しかし、上記特許文献1に記載された発明では、可動子3の表裏両面に対向する位置には、電極A,電極Bおよび電極Cを有する第1の固定子2aと電極Dを有する第2の固定子2bとが互いに所定の距離を隔てた状態で平行となるように配置する必要がある。
このため、前記特許文献1の図16ないし図18などに示されるように、前記第1の固定子2aと第2の固定子2bとの間に分割部品2c,2dを配置して両側面を形成して固定子2を箱型形状化する必要があり、装置の複雑化と大型化を避けることができないという問題がある。
また上記の静電吸引駆動装置では、移動の際に可動子3の電極部と固定子の電極とが接触する危険性がある。このため前記特許文献1では、その図14、図16ないし図18などに示されるように、第1,第2の固定子2a,2bまたは可動子3の一方にストッパー10を設けることにより、移動の際に可動子3の電極部と固定子の電極との接触を回避するようにしている。
しかし、前記ストッパーの高さ寸法を大きくし過ぎると、固定子側の電極と可動子側の電極との間の電極間距離が広がるため、静電吸引力が低下しやすくなるという問題もある。
また上記特許文献1の構成とは異なるが、可動子が固定子上を移動するものでは、可動子を移動方向に案内するガイド手段が設けられるのが一般的である。
しかし、このような構造を採用すると、装置全体が複雑化するとともに大型化するという問題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、簡単な構成でかつ装置の小型化できるようにした静電吸引駆動装置を提供することを目的としている。
また本発明は、小型であっても大きな静電吸引力を発生できるようにした静電吸引駆動装置を提供することを目的としている。
さらに本発明は、可動子を移動方向に案内するガイド手段を不要にできるようにした静電吸引駆動装置を提供することを目的としている。
本発明は、固定子側電極が設けられた固定子と、可動子側電極を有するとともに前記固定子に対向しながら移動方向に移動する可動子と、前記固定子側電極に所定の電圧信号を与える信号源とを備え、前記固定子側電極と可動子側電極との対向領域に発生する静電吸引力によって前記可動子が移動させられる静電吸引駆動装置において、前記固定子側電極と可動子側電極との対向領域内に、粒状または粉状の充填材が設けられていることを特徴とするものである。
また本発明は、移動方向に沿って延設された固定子と、前記固定子に対向配置された可動子と、前記固定子に設けられ且つ前記可動子に対向する固定子対向面から前記可動子方向に垂直に突出するとともに前記移動方向に整列された固定子側電極と、前記可動子側に設けられ且つ前記固定子対向面に対向する可動子対向面から前記固定子方向に垂直に突出するとともに前記移動方向に対して整列された可動子側電極と、前記固定子側電極に所定の電圧信号を与える信号源とを備え、前記固定子側電極と可動子側電極とが対向する領域に発生する静電吸引力によって前記可動子が前記移動方向に移動させられる静電吸引駆動装置であって、
個々の固定子側電極と個々の可動子側電極とが前記移動方向と直交する幅方向を向いて互いに対向配置されており、前記対向配置された領域内に、粒状または粉状の充填材が設けられていることを特徴とするものである。
本願発明では、充填材が固定子側電極と可動子側電極の間に入り込んで可動子側電極を移動自在に支持することができるため、可動子を移動方向に案内するガイド手段を不要にできる。よって、装置を小型化および簡単化をすることができる。
上記においては、前記充填材が、非磁性、絶縁性、弾性、または誘電性のうち少なくとも1以上の性質を有するものが好ましい。
特に、充填材が誘電性を有する場合には静電吸引力を高めることができる。
また前記充填材の平均粒径が、前記固定子側電極と可動子側電極とが対向する隙間寸法よりも小さいものが好ましい。
上記手段では、充電材の転動を妨げることがないため、固定子側電極と可動子側電極との間の摩擦抵抗を小さくできる。よって、可動子をスムーズに移動させることが可能となる。
本発明では、充填材が可動子の可動子側電極を支持することができるため、可動子を移動方向に案内するガイド手段を不要にできる。よって、装置の大型化および複雑化を回避することができる。
また本発明では、誘電性を有する充填材を採用することにより、誘電体の誘電率を高めることができるため、電極間に生じる静電吸引力を向上させることができる。よって、可動子を移動させる搬送力を大きくすること、すなわち静電吸引駆動装置として性能を高めることができる。
図1は本発明の実施の形態として静電吸引駆動装置を示す分解斜視図、図2は固定子と可動子とが対向する組み合わせ状態を示しており、図1のII−II線における断面図、図3は固定子側電極と可動子側電極とが対向配置されている状態を示す拡大平面図である。なお、以下においては図示Y1方向が移動方向、X方向が幅方向、Z方向が高さ方向である。
図1に本発明の実施の形態として示す静電吸引駆動装置10は、高さ方向の図示Z2側に設けられた固定子20と、図示Z1側に設けられた可動子30とを有している。
図1に示すように、前記固定子20の対向面(固定子対向面)20a上には複数の固定子側電極23が設けられている。前記固定子側電極23は、例えば銅などの導電性金属をZ方向に垂直にメッキ成長させることにより形成されている。そして、このような複数の固定子側電極23が、前記移動方向および幅方向に沿って前記対向面20a上に等間隔で規則正しく並べられている。図1に示す実施の形態では、X方向(幅方向)に6列形成された固定子側電極23が、Y方向(移動方向)にN行形成されている。なお、前記固定子側電極23の並びは、前記のようなN行6列に限られるものではなく、これよりも多い配列でもよいし、少ない配列でもよい。
また図1に示す実施の形態では、図示しない手段によりX方向に並ぶ固定子側電極23(6ヶの固定子側電極23)どうしが電気的に接続されており、これらは同電位からなる一つの電極群を形成している。ただし、移動方向に隣り合う電極群どうし(行どうし)は電気的に絶縁された状態にある。そして、X方向(幅方向)に接続された6ヶの固定子側電極23により形成される各電極群が5つの電極群に分けられており、それぞれ一行ごとにA相電極群、B相電極群、C相電極群、D相電極群、E相電極群、A相電極群、B相電極群、・・・の順番でY1方向に向かって並んでいる。
一方、前記可動子30の移動(Y)の長さ寸法は、前記固定子20よりも短い寸法で形成されている。前記可動子30の対向面(可動子対向面)30a上にも複数の可動子側電極33が設けられている。前記可動子30は例えば、導電体またはシリコンなどの低抵抗体で形成されており、可動子側電極33はこのような導電体または低抵抗体で形成された対向面30aの表面に、例えば銅などの導電性金属をZ方向に垂直にメッキ成長させることにより形成されている。したがって、すべての可動子側電極33は互いに導通し合う状態にある。個々の可動子側電極33は幅広の電極面を有しており、この電極面を幅方向に向けた状態で、前記移動方向および幅方向に沿って等間隔で規則正しく並べられている。なお、図1に示す実施の形態では、可動子側電極33が可動子30の対向面30a上に7行5列で形成されている。
図2に示すように、前記固定子20と可動子30とは互いの対向面20a,30aどうしを対向させた状態で組み立てられる。図1および図3に示すように、前記固定子側電極23の幅方向の電極間隔W1は前記可動子側電極33の幅方向の厚さ寸法t2よりも広く、同様に前記可動子側電極33の幅方向の電極間隔W2は前記固定子側電極23の幅方向の厚さ寸法t1よりも広く形成されている。よって、固定子20と可動子30とを組み立てた状態では、幅方向に隣り合う固定子側電極23と固定子側電極23との間に前記可動子側電極33が挿入されており、前記固定子側電極23の電極面と可動子側電極33の電極面とが互いに幅方向に向き合う状態で対向配置される。
さらに、図2に示すように前記固定子側電極23および可動子側電極33のZ方向の高さ寸法H1,H2は、前記固定子20と可動子30とが対向配置された状態において、前記固定子側電極23および可動子側電極33の先端が、前記対向面20aおよび対向面30aの表面に当接しない程度に設定されている。
図2および図3に示すように、前記固定子側電極23と可動子側電極33とが対向し合う領域には充填材41が設けられている。前記充填材41の態様は粒状または粉状をしており、非磁性、絶縁性、弾性、または誘電性のうち少なくとも1以上の性質を有している。前記充填材41を構成する粒は球状であり、その平均粒径は、0よりも大きくかつ前記固定子側電極23と可動子側電極33とが対向する隙間寸法g未満、すなわちg=(W1−t2)/2=(W2−t1)/2未満であり、例えば5μm未満が好ましい。このように前記充填材41の平均粒径が前記隙間寸法g未満であると、前記充電材41の転動が妨げられることが少ないため、固定子側電極23と可動子側電極33との間の摩擦抵抗を小さくできる。よって、可動子30をスムーズに移動させることが可能となる。
このように、前記平均粒径が前記隙間寸法未満である充填材41を使用し、前記固定子側電極23と可動子側電極33との隙間内が十分の量の前記充填材41で充たされている。
図2および図3に示す状態では、前記固定子側電極23の電極面と可動子側電極33の電極面とが互いに平行な状態で対向配置されている。このため、前記固定子側電極23と可動子側電極33との間に電位差を与えると、前記固定子側電極23の電極面と可動子側電極33の電極面とが対向し合うそれぞれの部分が平板型のコンデンサとして機能し、前記各電極間に静電吸引力を発生させることが可能となっている。
ここで、前記固定子側電極23の電極面と可動子側電極33の電極面とが幅方向において対向する対向面積をS、電極間の誘電率をε、初期の電極間距離をd、電極間の電位差(印加電圧)をVとし、固定子側電極23と可動子側電極33との間に静電力吸引f(x)が働いて、前記可動子側電極33が変位量xだけ幅方向(X1またはX2方向)に移動して前記固定子側電極23に接近したときに、前記静電吸引力f(x)は以下の数1で示される。
Figure 2005333758
したがって、前記充填材41が誘電率εの高い誘電性の性質を有する場合には、充填材41が前記静電吸引力を高めるのに寄与することができる。よって、可動子30を移動させる搬送力を大きくすることができ、静電吸引駆動装置10として性能を高めることができる。なお、前記誘電性を有する充填材41の一例としては、例えば誘電体セラミックなどを用いることができる。
また前記充填材41が非磁性の性質を有する場合には、外部で発生した磁界が前記固定子側電極23と前記可動子側電極33とが対向する領域内に入り込むのを遮断することができる。このため、外部磁界により、静電吸引力f(x)が低下するような影響を排除することができる。前記非磁性を有する充填材41の一例としては、例えばガラスなどを用いることができる。
また前記充填材41が絶縁体としての性質を有するものである場合には、前記固定子側電極23と前記可動子側電極33との間の絶縁破壊や耐圧の発生を防止し、絶縁機能を高めることができる。前記絶縁性を有する充填材41の一例としては、例えばテフロン(登録商標)などを用いることができる。
さらに前記充填材41が弾性を有する場合には、外部衝撃などが加わったときに、前記固定子側電極23と前記可動子側電極33とが勢いよく衝突するのを避けることができ、固定子側電極23または可動子側電極33の破損を防止すること、すなわち耐衝撃性を向上させることが可能となる。前記弾性を有する充填材41の一例としては、例えばシリコンゴム、エラスチックポリマーなどを用いることができる。
なお、静電吸引駆動装置10には、複数の電圧信号の生成を行う信号源(図示せず)が設けられており、各電圧信号は前記A相電極群、B相電極群、C相電極群、D相電極群、E相電極群にそれぞれ与えられるようになっている。
以下静電吸引駆動装置の動作について説明する。
図4は、固定子側電極と可動子側電極との配置を部分的に示す平面図であり、移動方向(Y方向)に2列に並ぶ固定子側電極23,23の間に可動子側電極33の1列分が対向配置されている様子を示している。また図5は図4に示す各電極群に与えられる電圧信号の一例を示すタイミングチャート図である。なお、以下においては、可動子30の対向面30aに図示Y2側を第1行目としてY1方向に向かって順番に並ぶ個々の可動子側電極33を、それぞれ33A、33B、33C、33D、33E、・・・の符号を付して説明する。
図5に示すものでは、固定子20の対向面20a上の左端の第1列目にE相電極群が形成され、第2行目にA相電極群が形成されている。以下同様に第3行目にB相電極群が、第4行目にC相電極群が、第5行目におよびD相電極群が形成され、第6行目に再びにE相電極群が形成されるというように、順番に応じた電極群配置となっている。
ここで、A相ないしE相の各電極群には、図示しない信号源から例えば図5に示すような電圧信号が与えられる。すなわち、先ずSTEP1としてA相電極群とD相電極群にHレベルの電圧が同じタイミングで印加される。次のSTEP2ではB相電極群とD相電極群にHレベルの電圧が同じタイミングで印加され、STEP3ではB相電極群とE相電極群にHレベルの電圧が同じタイミングで印加され、STEP4ではC相電極群とE相電極群にHレベルの電圧が同じタイミングで印加され、STEP5ではA相電極群とC相電極群にHレベルの電圧が同じタイミングで印加される。そして、これらの各STEPは、STEP1→STEP2→STEP3→STEP4→STEP5→STEP1→STEP2→・・・の順番で繰り返されるようになっている。
前記静電吸引駆動装置10の初期状態が、例えば図4に示す状態、すなわち可動子側電極33A(第1行目)、33C(第3行目)、33E(第5行目)がそれぞれE相電極群とA相電極群との間に部分的にまたがって対向し、かつ可動子側電極33B(第2行目)、33D(第4行目)はC相電極群のみに対向しているとする。
この状態から、STEP1としてA相電極群とD相電極群に所定の電圧が同時に印加されると、第2行目のA相電極群と第1行目の可動子側電極33Aとは部分的に対向しているため、一方のA相電極群に正電荷+Qが発生し、他方の可動子側電極33Aに負電荷−Qが誘導される。よって、前記A相電極群と可動子側電極33Aとの間に静電吸引力(クーロン力)が発生し、前記可動子側電極33AはA相電極群を形成する固定子側電極23に吸引される。ただし、A相電極群を形成する固定子側電極23,23は、可動子側電極33Aの幅方向の両端に設けられているため、前記静電吸引力のうち幅(X)方向に作用する成分は互いに相殺される。一方、前記静電吸引力のうち移動(Y)方向の成分は残存するため、前記可動子側電極33AにはY1方向の静電吸引力fが作用する。また前記静電吸引力のうち高さ(Z)方向に作用する成分は、可動子30が固定子20から離れるのを妨げる方向、すなわち互いに引き合う方向に作用する。
この際、可動子側電極33Aの移動方向の中心がA相電極群を形成する固定子側電極23の移動方向の中心に一致する状態が最も安定する状態であるため、可動子側電極33Aは図5に点線で示す位置まで移動させられる。この関係は、他の可動子側電極33Cおよび33Eについても同様であるため、可動子30は前記可動子側電極33A,33Cおよび33Eに作用する移動方向の静電吸引力fの合成力によってY1方向に移動させられることになる。
なお、STEP1では可動子側電極33Bおよび33Dに対向するC相電極群には電圧は印加されないため、可動子側電極33B,33Dと前記C相電極群との間に静電吸引力(クーロン力)は作用しない。
以下同様に、電圧信号が、図5に示すタイミングチャートのSTEP1からSTEP5の順番通りに各電極群に与えられることにより、可動子30をY1方向に移動させることができる。
また同様の原理から、例えばSTEP5→STEP4→STEP3→STEP2→STEP1→STEP5というように、前記一連の動作を前記とは逆の順番に行うと、可動子30を前記の方向(Y1方向)とは逆方向(Y2方向)に順次移動させることが可能である。
なお、図4に示すように前記固定子側電極23の長さ寸法をL1a、互いに隣り合う固定子側電極23の移動方向の電極間隔をL1b、前記可動子側電極33の長さ寸法をL2a、互いに隣り合う可動子側電極33の移動方向の電極間隔をL2bとし、図5のSTEP1からSTEP5に従う電圧信号を固定子側電極23の各相の電極群に与えると、可動子30を移動方向に並ぶ可動子30側電極の一区間に相当する距離(L2a+L2b)だけY1方向に移動させることが可能である。
上記において、可動子30がY方向に移動すると、充填材41の平均粒径は前記固定子側電極23と可動子側電極33との隙間寸法gよりも小さいため、前記充填材41は前記固定子側電極23と可動子側電極33との間で転動することができる。このため、前記固定子側電極23と可動子側電極33との間の移動方向(Y方向)の摩擦抵抗を小さくできる。
また前記静電吸引力fのうち幅(X)方向に作用する成分は、前記可動子側電極33を幅方向に作用しながら互いに相殺し合うため、可動子側電極33が幅方向へ傾倒するのを防止できる。よって、可動子30は、その対向面30aを固定子20の対向面20aに対して平行な状態を維持しつつ移動することが可能となる。しかも前記静電吸引力fのうち高さ(Z)方向に作用する成分は、前記可動子側電極33が固定子側電極23から離れるのを妨げる方向に作用するため、可動子30が固定子20から脱落するのを防止できる。よって、可動子3を安定した姿勢でスムーズに移動させることができる。
このため、本実施の形態に示す静電吸引駆動装置10では、前記可動子30が固定子20上を移動方向に直線的に移動できるようにするガイド手段、例えば前記固定子20と可動子30のうち、一方に設けられ前記幅方向の両端に移動方向に沿って直線状に延びる一対の案内溝と、他方に設けられ前記案内溝に入り込んだ状態で前記可動子を移動方向に案内する一対の案内凸部などから構成されるガイド手段を設ける必要がない。このため、特に前記固定子20と可動子30の幅方向の寸法を短く(狭く)することが可能となるため、静電吸引駆動装置10全体の小型化および構成の容易化を図ることができる。
なお、上記実施の形態では、可動子側電極と固定子側電極とが垂直な状態で対向し合う静電吸引駆動装置を示して説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、上記背景技術の欄で説明した従来の平面対向型の静電吸引駆動装置に使用することも可能である。すなわち、第1電極と第3電極との間、および第2電極と第3電極との間に充填材41を設けた構成としたものであってもよい。この場合においても、前記充填材41は非磁性、絶縁性、弾性、または誘電性のうち少なくとも1以上の性質を有するものが好ましく、上記同様の効果を得ることが可能である。
また上記実施の形態では、固定子側電極を複数の電極群に分け、これらに電圧信号を印加する構成としたものを示したが、本発明は上記の実施の形態に限られるものではなく、可動子側に電極群を形成して電圧信号を印加するようにしてもよい。
さらに、上記においてはA相ないしE相の5相の電極群として、各電極群に5相の電圧信号を印加するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、電極群および電圧信号の相数は前記実施の形態以下(ただし、2相以上)であってもよく、またそれ以上であってもよい。
本発明の実施の形態として静電吸引駆動装置を示す分解斜視図、 固定子と可動子とが対向する組み合わせ状態を示しており、図1のII−II線における断面図、 固定子側電極と可動子側電極とが対向配置されている状態を示す拡大平面図、 固定子側電極と可動子側電極との配置を部分的に示す平面図、 図4に示す各電極群に与えられる電圧信号の一例を示すタイミングチャート図、
符号の説明
10 静電吸引駆動装置
20 固定子
20a 固定子の対向面
23 固定子側電極
30 可動子
30a 可動子の対向面
33,33A,33B,33C,33D,33E 可動子側電極
41 充填材

Claims (4)

  1. 固定子側電極が設けられた固定子と、可動子側電極を有するとともに前記固定子に対向しながら移動方向に移動する可動子と、前記固定子側電極に所定の電圧信号を与える信号源とを備え、前記固定子側電極と可動子側電極との対向領域に発生する静電吸引力によって前記可動子が移動させられる静電吸引駆動装置において、前記固定子側電極と可動子側電極との対向領域内に、粒状または粉状の充填材が設けられていることを特徴とする静電吸引駆動装置。
  2. 移動方向に沿って延設された固定子と、前記固定子に対向配置された可動子と、前記固定子に設けられ且つ前記可動子に対向する固定子対向面から前記可動子方向に垂直に突出するとともに前記移動方向に整列された固定子側電極と、前記可動子側に設けられ且つ前記固定子対向面に対向する可動子対向面から前記固定子方向に垂直に突出するとともに前記移動方向に対して整列された可動子側電極と、前記固定子側電極に所定の電圧信号を与える信号源とを備え、前記固定子側電極と可動子側電極とが対向する領域に発生する静電吸引力によって前記可動子が前記移動方向に移動させられる静電吸引駆動装置であって、
    個々の固定子側電極と個々の可動子側電極とが前記移動方向と直交する幅方向を向いて互いに対向配置されており、前記対向配置された領域内に、粒状または粉状の充填材が設けられていることを特徴とする静電吸引駆動装置。
  3. 前記充填材が、非磁性、絶縁性、弾性、または誘電性のうち少なくとも1以上の性質を有するもので形成されている請求項1または2記載の静電吸引駆動装置。
  4. 前記充填材の平均粒径が、前記固定子側電極と可動子側電極とが対向する隙間寸法よりも小さいものである請求項1ないし3のいずれか記載の静電吸引駆動装置。
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