JP2005333735A - 複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法および装置 - Google Patents

複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大きな摺動面へ押し付け圧を加えた時にも移動可能で、かつ、縦横に変位するピエゾ素子の相互の位相を調整することにより、両方向性の超音波モータとしても利用可能な複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法および装置を提供する。
【解決手段】複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動を行うために、固定体1と、この固定体1上に配置され、剪断変形を起こすピエゾ素子2Aと縦変形を起こすピエゾ素子2Bとを貼り合わせてなる積層ピエゾ素子2と、この積層ピエゾ素子2上に設けられる移動体3と、前記移動体3を前記固定体1に対して、剪断変形移動、楕円波発生による超音波モータモード移動を行わせる前記積層ピエゾ素子の駆動手段4とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、精密移動機構に係り、特に顕微鏡での試料の移動機構として利用可能な複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法および装置に関するものである。
これまでに、剪断ピエゾ素子の急速変形によって移動体を移動させる機構として、以下のようなものが開示されている(下記非特許文献1参照)。
図19はかかる従来の剪断ピエゾ素子の急速変形によって移動体を移動させる機構の模式図である。
この図に示すように、従来は、本体101と脚102の間に剪断方向に変位するピエゾ素子103を挟み、鋸歯状波の電圧をピエゾ素子103に印加することによって移動を生じるようにしている。
Ph.Niedermann,R.Emch,and P.Descouts、Rev.Sci.Instrum.,59,368,(1988).
しかしながら、上記した従来の剪断ピエゾ素子の急速変形によって移動体を移動させる機構では、摺動面の押し付け圧の選択幅が狭く、移動速度が遅いなどの問題点があった。
本発明は、上記状況に鑑みて、剪断変形を起こすピエゾ素子と、縦変形を起こすピエゾ素子とを組み合わせ、大きな摺動面へ押し付け圧を加えた時にも移動可能な複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法および装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法において、剪断変形を起こすピエゾ素子と縦変形を起こすピエゾ素子とを貼り合わせた積層ピエゾ素子を移動体に設け、前記積層ピエゾ素子の駆動により、前記移動体を固定体に対して移動させることを特徴とする。
〔2〕複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法において、剪断変形を起こすピエゾ素子と縦変形を起こすピエゾ素子とを貼り合わせた積層ピエゾ素子を固定体に設け、前記積層ピエゾ素子の駆動により、移動体を固定体に対して移動させることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載の複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法において、前記移動体の移動が、剪断変形移動、楕円波発生による超音波モータモード移動によることを特徴とする。
〔4〕複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置において、固定体と、この固定体に接するように配置され、剪断変形を起こすピエゾ素子と縦変形を起こすピエゾ素子とを貼り合わせてなる積層ピエゾ素子と、この積層ピエゾ素子に設けられる移動体と、前記移動体を前記固定体に対して移動させる前記積層ピエゾ素子の駆動手段とを具備することを特徴とする。
〔5〕上記〔4〕記載の複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置において、前記固定体が水平面上に配置されることを特徴とする。
〔6〕上記〔5〕記載の複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置において、前記固定体が垂直方向に配置され、前記移動体の静止時に前記移動体に対して案内面法線方向に荷重を付与する荷重付与装置を具備することを特徴とする。
〔7〕上記〔6〕記載の複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置において、前記固定体が対向するように配置され、中央に移動体が配置され、前記2個の固定体と前記移動体間にそれぞれ一対の前記積層ピエゾ素子を具備することを特徴とする。
〔8〕上記〔4〕記載の複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置において、前記固定体が壁面と天井面を形成するように配置され、前記壁面と天井面にそれぞれ対応する前記積層ピエゾ素子に固定される移動体を具備することを特徴とする。
本発明は、従来の剪断ピエゾ素子の急速変形によって移動体を移動させる移動機構と比べ、より大きな摺動面に対する面圧が選択できるため、より大きな負荷を移動させることが可能となる。また、剪断ピエゾ素子と縦変形ピエゾ素子を用いて楕円振動を発生させることにより、超音波モータとしての高速変位が可能となる。
複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動を行うために、固定体と、この固定体に接するように配置され、剪断変形を起こすピエゾ素子と縦変形を起こすピエゾ素子とを貼り合わせてなる積層ピエゾ素子と、この積層ピエゾ素子上に設けられる移動体と、剪断変形移動、楕円波発生による超音波モータモード移動により前記移動体を前記固定体に対して移動させる前記積層ピエゾ素子の駆動手段とを具備する。この剪断変形を起こすピエゾ素子と、縦変形を起こすピエゾ素子とを組み合わせることにより、大きな摺動面へ押し付け圧を加えた時にも移動可能で、かつ、縦横に変位するピエゾ素子の相互の位相を調整することにより、両方向性の超音波モータとしても利用可能な積層ピエゾ素子を提供する。
そして、1nmオーダの位置決め分解能と、cm/sオーダの高移動速度を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図である。
この図において、1は固定体(ベース)、2は剪断ピエゾ素子2Aと縦変形ピエゾ素子2Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子、3はその積層ピエゾ素子2上に固定される移動体(負荷)、4は積層ピエゾ素子2を駆動するための駆動手段であり、例えば鋸歯状の駆動パルス(後述の図2や図4参照)や富士山形状の駆動パルス(後述の図6参照)を積層ピエゾ素子2へ印加して、積層ピエゾ素子2の急速変形によるステップ動作を行わせるようにしている。
また、詳しくは詳述するが、駆動手段4によって積層ピエゾ素子2に正弦波、余弦波を印加することにより、楕円波を発生させ、超音波モータモードによって移動体3を固定体1に対して高速移動させることもできる。
また、図示しないが、図1に示した固定体に剪断変形を起こすピエゾ素子と縦変形を起こすピエゾ素子とを貼り合わせた積層ピエゾ素子を設けて、この積層ピエゾ素子の駆動により、移動体を固定体に対して移動させるようにしてもよい。
(精密高速移動機構の第1の駆動態様)
図2はその複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構による複合ピエゾ素子の駆動パルスの一例を示す図、図3はそれによる精密高速移動機構の移動体の移動態様を示す模式図である。
この実施態様では、縦変形ピエゾ素子2Bがまず伸長する動作を行う場合について説明する。
まず、図3(a)に示すように、剪断ピエゾ素子2Aと縦変形ピエゾ素子2Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子2上に移動体3が設けられ、固定体1上に載置される。
次に、剪断ピエゾ素子2Aに、図2(a)に示すような駆動パルスを印加し、縦変形ピエゾ素子2Bに図2(b)に示すような駆動パルスを印加すると、図3(b)に示すように、まず、剪断ピエゾ素子2Aの変形に伴い移動体3が移動し、次に、縦変形ピエゾ素子2Bが伸長して移動体3を持ち上げる。
そして、図3(c)に示すように、まず、縦変形ピエゾ素子2Bが急速に縮み、移動体3が落ちる隙に、剪断ピエゾ素子2Aが急速に右へ変形することにより、元の形状、ないし、次の動作(サイクル)の準備姿勢に戻り、1ステップの移動が終了する。
上記した本発明の第1実施例によれば、従来のピエゾ素子の剪断変形を用いた移動機構に比べて、移動速度、耐荷重の点で大幅に改善でき、1nmオーダの位置決め分解能と、cm/sオーダの高移動速度を実現することができる。
(精密高速移動機構の第2の駆動態様)
図4はその複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構による複合ピエゾ素子の駆動パルスの一例を示す図、図5はそれによる精密高速移動機構の移動態様を示す模式図である。
この実施態様では、縦変形ピエゾ素子2Bがまず収縮する動作を行う場合について説明する。
まず、図5(a)に示すように、剪断ピエゾ素子2Aと縦変形ピエゾ素子2Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子2上に移動体3が設けられ、固定体1上に載置される。
次に、剪断ピエゾ素子2Aに図4(a)に示すような駆動パルスを印加し、縦変形ピエゾ素子2Bに図4(b)に示すような駆動パルスを印加すると、図3(b)に示すように、まず、剪断ピエゾ素子2Aの左への変形に伴い移動体3が移動し、縦変形ピエゾ素子2Bが縮む。
そして、図5(c)に示すように、縦変形ピエゾ素子2Bが急速に伸長して移動体3が上昇する隙に、剪断ピエゾ素子2Aが右へ変形することにより、元の形状、ないし、次の動作(サイクル)の準備姿勢に戻り、1ステップの移動が終了する。
上記したように、この移動態様は、剪断ピエゾ素子2Aにより移動体3が左にゆっくり変位し、縦変形ピエゾ素子2Bは縮み、これにより兎飛びで言うところのためをつくり、急に縦変形ピエゾ素子2Bを延ばし、剪断ピエゾ素子2Aを元の姿勢に戻す。その2動作の時間差によって面圧が高まるか、弱まった瞬間に摺動面の相対変位を生じさせる。
図6は本発明の他の実施例を示す駆動パルスを示す図である。
上記実施例では駆動パルスとして鋸歯状パルスを印加する例を示したが、この実施例のように、精密高速移動機構の駆動パルスとして、図6に示すような、頂点を上向き、下向きにした富士山形状の駆動パルス18,18′を印加しても、移動体3を移動させることができる。この富士山形状の駆動パルス18,18′は頂点に行くほど勾配が急で、山頂は平らでない折り返し形状を有する。
このような駆動パルス(鋸歯状、富士山形状)を印加して、図7に示すように、剪断ピエゾ素子2Aによる剪断変形と、縦変形ピエゾ素子2Bによる縦変形を急速、かつ適切な時間差をもって行うことにより、例えると兎飛びのように、斜め下向きに急激な抗力F1 を発生させ、それにより固定体(ベース)1の摺動面に高い面圧がある場合でも抗力F1 に反する駆動力F2 が移動体3に加わり右方向へと移動体3を移動させることができる。
図8は本発明の第2実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図である。
この図において、11は固定体(ベース)、12は剪断ピエゾ素子12Aと縦変形ピエゾ素子12Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子、13はそれらの積層ピエゾ素子12に固定された移動体、14は移動体13に固定されるとともに、その端部にスプリング15を配置するスタッドボルトであり、移動体13の静止時に移動体13に対して荷重を付与するための荷重付与装置を構成している。なお、固定体(ベース)11には、スタッドボルト14の移動を可能にする垂直方向の穴(図示なし)が形成されている。16は積層ピエゾ素子12を駆動するための駆動手段であり、鋸歯状のパルス信号を積層ピエゾ素子12へ印加するようにしている。
図9は本発明の第3実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図である。
この図において、21,22は固定体(ベース)、23,24はそれぞれ剪断ピエゾ素子23A,24Aと縦変形ピエゾ素子23B,24Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子、25はそれらの積層ピエゾ素子23と24に挟まれるように固定された移動体、26,28はそれぞれ移動体25に固定されるとともに、その端部にスプリング27,29を配置するスタッドボルトであり、移動体25の静止時に移動体25に対して荷重を付与するための荷重付与装置を構成している。30は積層ピエゾ素子23,24を駆動するための駆動手段であり、鋸歯状のパルス信号を積層ピエゾ素子23,24へ印加するようにしている。
この実施例では、垂直に対向配置された一対の固定体21,22に挟まれるように対向する面に積層ピエゾ素子23,24を有する移動体25を配置して、移動体25をチャッキングするように剪断変形移動を行わせ、上下方向への移動を行えるようにした。なお、固定体(ベース)21,22には、スタッドボルト26,28の移動を可能にする垂直方向の穴(図示なし)が形成されている。
なお、上記した実施例では、固定部を、対向した固定体(ベース)21,22として示しているが、固定部は、例えば、三角柱や六角柱内面形状などの多面体や円筒となして、その三角柱や六角柱内面などを移動体が上り下りする機構とするようにしてもよい。
さらに、このスタッドボルト26,28及びスプリング27,29よりなる荷重付与装置に代えて、図10に示すような、荷重付与装置を用いてもよい。
この図10において、31,32は固定体(ベース)、33,34はそれぞれ剪断ピエゾ素子33A,34Aと縦変形ピエゾ素子33B,34Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子、35はそれらの積層ピエゾ素子33と34に挟まれるように固定された2個の部材35A,35Bが嵌合した中空の移動体、36はその中空の移動体35内に装着されるスプリングであり、移動体35の静止時に移動体35に対して荷重を付与するための荷重付与装置を構成している。37は積層ピエゾ素子33,34を駆動するための駆動手段であり、鋸歯状のパルス信号を積層ピエゾ素子33,34へ印加するようにしている。
ここでは、2分割された中空の移動体35の内部にスプリング36を内蔵するだけで、荷重付与装置を構成することができる。
図11は本発明の第4実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図である。
この図において、41,42は固定体(ベース)、43,44はそれぞれ剪断ピエゾ素子43A,44Aと縦変形ピエゾ素子43B,44Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子、45はそれらの積層ピエゾ素子43と44に固定された移動体、46,48はそれぞれ移動体45に固定されるとともに、その端部にスプリング47,49を配置するスタッドボルトであり、移動体45の静止時に移動体45に対して荷重を付与するための荷重付与装置を構成している。50は積層ピエゾ素子43,44を駆動するための駆動手段であり、鋸歯状のパルス信号を積層ピエゾ素子43,44へ印加するようにしている。
この実施例では、壁面41Aと天井面42Aが形成されるように固定体41,42を配置して、壁面41Aに対応する積層ピエゾ素子43と、天井面42Aに対応する積層ピエゾ素子44により移動体45を固定して移動体45を配置するようにした。なお、固定体41,42にはスタッドボルト46,48の移動を可能にする穴(図示なし)が形成されている。
上記実施例では、荷重付与装置として、スプリングを配置するスタッドボルトを示したが、以下のように、磁石を用いて固定部に吸着させることによって荷重付与するようにしてもよい。
図12は本発明の第5実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図であり、図12(a)は磁石の下部に摺動面を有する場合、図12(b)は磁石を直に摺動させる場合を示している。なお、摺動面としては、ガラス、ベアリングボール、ルビーボール等を用いることができる。
図12(a)においては、固定体(ベース:磁性体)51上に摺動面52を介して磁石53を剪断ピエゾ素子12Aと縦変形ピエゾ素子13とを貼り合わせた積層ピエゾ素子12の下部に設け、磁石53により移動体13を固定体(ベース:磁性体)51に対して荷重付与するようにしている。
また、図12(b)においては、磁石53を剪断ピエゾ素子13Aと縦変形ピエゾ素子13Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子12の下部に設け、磁石53を直に吸着させ、固定体(ベース:磁性体)51に対して荷重付与するようにしている。
図13は本発明の第6実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図であり、図13(a)は磁石の下部に摺動面を有する場合、図13(b)は磁石を直に摺動させる場合を示している。
図13(a)においては、固定体(ベース:磁性体)61,62に摺動面63,65を介して磁石64,66を剪断ピエゾ素子23A,24Aと縦変形ピエゾ素子23B,24Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子23,24の下部に設け、磁石64,66により移動体25を固定体(ベース:磁性体)61,62に対して荷重付与するようにしている。
また、図13(b)においては、磁石64,66を剪断ピエゾ素子23A,24Aと縦変形ピエゾ素子23B,24Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子23,24の下部に設け、磁石64,66を直に吸着させ、固定体(ベース:磁性体)61,62に対して荷重付与するようにしている。
この実施例では、垂直に対向配置された一対の固定体61,62に挟まれるように対向する面に積層ピエゾ素子23,24を有する移動体25を配置して、移動体25をチャッキングするように剪断変形移動を行わせ、上下方向への移動を行えるようにした。なお、荷重付与には磁石64,66を用いた。
図14は本発明の第7実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図であり、図14(a)は磁石の下部に摺動面を有する場合、図14(b)は磁石を直に摺動させる場合を示している。
図14(a)においては、固定体(ベース:磁性体)71,72に摺動面73,75を介して磁石74,76を剪断ピエゾ素子33A,34Aと縦変形ピエゾ素子33B,34Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子33,34の下部に設け、磁石74,76により移動体35を固定体(ベース:磁性体)71,72に対して荷重付与するようにしている。
また、図14(b)においては、磁石74,76を剪断ピエゾ素子33A,34Aと縦変形ピエゾ素子33B,34Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子33,34の下部に設け、磁石74,76を直に吸着させ、固定体(ベース:磁性体)71,72に対して荷重付与するようにしている。
ここでは、2分割された中空の移動体35の内部にスプリング36を内蔵するとともに、磁石74,76で荷重付与装置を構成するようにしている。
図15は本発明の第8実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図であり、図15(a)は磁石の下部に摺動面を有する場合、図15(b)は磁石を直に摺動させる場合を示している。
図15(a)においては、固定体(ベース:磁性体)81,82の壁面81Aと天井面82Aに摺動面83,85を介して磁石84,86を剪断ピエゾ素子43A,44Aと縦変形ピエゾ素子43B,44Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子43,44の下部に設け、磁石84,86により移動体45を固定体(ベース:磁性体)81,82に対して荷重付与するようにしている。
また、図15(b)においては、磁石84,86を剪断ピエゾ素子43A,44Aと縦変形ピエゾ素子43B,44Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子43,44の下部に設け、磁石84,86を直に吸着させ、固定体(ベース:磁性体)81,82に対して荷重付与するようにしている。
次に、本発明の第9実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の楕円波発生による超音波モータモード移動についての詳細に説明する。
図16は本発明の超音波モータモードの精密高速移動機構による移動体のマクロな移動方向を示す図、図17は本発明の超音波モータモードの積層ピエゾ素子に印加される波形を示す図、図18はその精密高速移動機構による移動子の挙動を示す図である。
図16に示すように、固定体(ベース)91上に剪断ピエゾ素子2Aと縦変形ピエゾ素子2Bとを貼り合わせた積層ピエゾ素子2の剪断ピエゾ素子2Aに図17(a)に示すような正弦波を、縦変形ピエゾ素子2Bに図17(b)に示すような正弦波を印加することにより、摺動面は図18に示すように図を見る方向から時計方向の円運動ないし楕円運動をしており、移動体3は図16において、マクロには右方向に進む。なお、2A,2Bに印加する正弦波の相互の位相差を変化させることにより、両方向への変位が可能である。
この実施例に示す超音波モータモードの方が他の実施例より移動速度が速い利点がある。すなわち、超音波モータモードの場合は、ピエゾ素子にMHzオーダの正弦波信号を加えることにより、移動が生じるのに対して、ピエゾ素子の急速変形による駆動モードの場合は、鋸歯状波や富士山型の波の繰り返し頻度は数10kHzオーダに止まっている。換言すれば、急激な加速度変化を起こした瞬間しか変位が生じないことになる。
なお、上記した移動体は、移動体そのものであることはもとより、この移動体を試料などのテーブル、制御部材として用いることもできる。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法および装置は、精密移動機構、顕微鏡での試料の移動機構として利用可能である。
本発明の第1実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図である。 本発明の第1実施例の第1の態様を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構による複合ピエゾ素子の駆動パルスの一例を示す図である。 本発明の第1実施例の第1の態様を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構による移動体の移動態様を示す模式図である。 本発明の第1実施例の第2の態様を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構による複合ピエゾ素子の駆動パルスの一例を示す図である。 本発明の第1実施例の第2の態様を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構による移動体の移動態様を示す模式図である。 本発明の他の実施例を示す駆動パルスを示す図である。 図6に示す駆動パルスにより移動体に加わる力を示す模式図である。 本発明の第2実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図である。 本発明の第3実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図である。 本発明の複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の荷重印加装置を示す模式図である。 本発明の第4実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図である。 本発明の第5実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図である。 本発明の第6実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図である。 本発明の第7実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図である。 本発明の第8実施例を示す複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動機構の模式図である。 本発明の超音波モータモードの精密高速移動機構による移動体のマクロな移動方向を示す図である。 本発明の超音波モータモードの積層ピエゾ素子に印加される波形を示す図である。 図17における精密高速移動機構による移動子の挙動を示す図である。 従来の剪断ピエゾ素子の急速変形によって移動体を移動させる機構の模式図である。
符号の説明
1,11,21,22,31,32,41,42,91 固定体(ベース)
2,12,23,24,33,34,43,44 積層ピエゾ素子
2A,12A,23A,24A,33A,34A,43A,44A 剪断ピエゾ素子
2B,12B,23B,24B,33B,34B,43B,44B 縦変形ピエゾ素子
3,13,25,45 移動体(負荷)
4,16,30,37,50 積層ピエゾ素子を駆動するための駆動手段
14,26,28,46,48 スタッドボルト
15,27,29,47,49 スプリング
18,18′ 富士山形状の駆動パルス
35 中空の移動体
35A,35B 2個の部材
36 中空の移動体内に装着されるスプリング
41A,81A 壁面
42B,82A 天井面
51,61,62,71,72,81,82 固定体(ベース:磁性体)
52,63,65,73,75,83,85 摺動面
53,64,66,74,76,84,86 磁石

Claims (8)

  1. 剪断変形を起こすピエゾ素子と縦変形を起こすピエゾ素子とを貼り合わせた積層ピエゾ素子を移動体に設け、前記積層ピエゾ素子の駆動により、前記移動体を固定体に対して移動させることを特徴とする複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法。
  2. 剪断変形を起こすピエゾ素子と縦変形を起こすピエゾ素子とを貼り合わせた積層ピエゾ素子を固定体に設け、前記積層ピエゾ素子の駆動により、移動体を前記固定体に対して移動させることを特徴とする複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法。
  3. 請求項1記載の複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法において、前記移動体の移動が、剪断変形移動、楕円波発生による超音波モータモード移動によることを特徴とする複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動方法。
  4. (a)固定体と、
    (b)該固定体に接するように配置され、剪断変形を起こすピエゾ素子と縦変形を起こすピエゾ素子とを貼り合わせてなる積層ピエゾ素子と、
    (c)該積層ピエゾ素子に設けられる移動体と、
    (d)前記移動体を前記固定体に対して移動させる前記積層ピエゾ素子の駆動手段とを具備することを特徴とする複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置。
  5. 請求項4記載の複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置において、前記固定体が水平面上に配置されることを特徴とする複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置。
  6. 請求項4記載の複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置において、前記固定体が垂直方向に配置され、前記移動体の静止時に前記移動体に対して案内面法線方向に荷重を付与する荷重付与装置を具備することを特徴とする複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置。
  7. 請求項6記載の複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置において、前記固定体が対向するように配置され、中央に移動体が配置され、前記2個の固定体と前記移動体間にそれぞれ一対の前記積層ピエゾ素子を具備することを特徴とする複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置。
  8. 請求項4記載の複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置において、前記固定体が壁面と天井面を形成するように配置され、前記壁面と天井面にそれぞれ対応する前記積層ピエゾ素子に固定される移動体を具備することを特徴とする複合ピエゾ素子を用いた精密高速移動装置。
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