JP2005333628A - カメラ制御装置およびこれを用いた監視カメラシステム - Google Patents

カメラ制御装置およびこれを用いた監視カメラシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 特定カメラの撮影方向に従って他のカメラの撮影方向が制御される監視カメラシステムを、簡単かつ安価に構成する。
【解決手段】 連動ボタン28がONされているとき、CPU22は、操作レバー30の操作に応じてマスタカメラ12のチルト角θを制御する。そして、このチルト角θとマスタカメラ12の位置(Hm−Δh)とに基づいて、マスタカメラ12から監視対象物Qまでの距離を算出する。さらに、この距離と、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14間の距離Lと、マスタカメラ12のチルト角θとに基づいて、監視対象物Qを撮影するためのスレーブカメラ14のチルト角φを算出する。そして、この算出結果に基づいて、実際の当該スレーブカメラ14のチルト角φを制御する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、カメラ制御装置および監視カメラシステムに関し、特に例えばそれぞれ所定位置に設置された複数台のカメラのうち1台の特定カメラの撮影方向に従って他のカメラの撮影方向を制御する、カメラ制御装置およびこれを用いた監視カメラシステムに関する。
複数台のカメラで同一の撮影対象物を撮影する監視カメラシステムとして、従来、例えば特許文献1に開示されたものがある。この従来技術によれば、2台以上の測定用カメラが設けられており、これらの測定用カメラで撮影された画像が測定用モニタに表示される。この測定用モニタに表示された画像上で特定の監視対象物(撮影対象物)が指定されると、指定された監視対象物の位置が、ステレオ視法によって算出される。そして、算出された監視対象物の位置に基づいて、監視用カメラの撮影方向が、当該監視対象物に向くように制御される。
特開2002−101408号公報
しかし、上述の従来技術では、監視用カメラの他に2台以上の測定用カメラが必要となるので、その分、システムが大規模化し、かつ高コスト化する、という問題がある。また、監視対象物の位置を算出するのにステレオ視法という比較的に複雑なアルゴリズムが用いられるので、これもシステムの大規模化および高コスト化の要因となる。
そこで、この発明は、従来よりも極めて簡単かつ安価な構成で同一の撮影対象物を複数台のカメラで撮影することができるカメラ制御装置および監視カメラシステムを提供すること、を目的とする。
また、操作性の良いカメラ制御装置を提供することも、この発明の目的とするところである。
第1の発明は、それぞれ所定位置に設置された複数台のカメラのうち1台の特定カメラの撮影方向に従って他のカメラの撮影方向を制御するカメラ制御装置であって、特定カメラの撮影方向を検出する検出手段と、この検出手段による検出結果および複数台のカメラの位置情報に基づいて特定カメラによる撮影対象物が他のカメラによって撮影されるように当該他のカメラの撮影方向を制御する制御手段と、を具備することを特徴とするものである。
即ち、この第1の発明では、それぞれ所定位置に複数台のカメラが設置されている。そして、これら複数台のカメラのうちの1台は、特定カメラとされている。この特定カメラの撮影方向が設定されると、検出手段が、当該特定カメラの撮影方向を検出する。そして、制御手段が、検出手段による検出結果、つまり特定カメラの撮影方向と、各カメラの位置情報とに基づいて、特定カメラによる撮影対象物が他のカメラによって撮影されるように、当該他のカメラの撮影方向を制御する。この結果、特定カメラを含む複数台のカメラによって、同一の撮影対象物が撮影される。
なお、特定カメラの撮影方向を任意に変更する変更手段を、さらに設けてもよい。このようにすれば、変更手段によって特定カメラの撮影方向が変更されると、これに連動して、他のカメラの撮影方向も当該特定カメラによる撮影対象物と同じ撮影対象物に向くように変更される。
また、制御手段は、第1記憶手段、第2記憶手段、第1推測手段、第2推測手段および制御実行手段を含むものであってもよい。即ち、第1記憶手段には、特定カメラおよび他のカメラ間の距離を表す第1情報が記憶されており、第2記憶手段には、特定カメラおよび他のカメラを通る直線から撮影対象物までの距離、特に最短距離を表す第2情報が記憶されている。そして、第1推測手段は、検出手段による検出結果、つまり特定カメラの撮影方向と、第2情報、つまり特定カメラおよび他のカメラを通る直線から撮影対象物までの最短距離とに基づいて、特定カメラから撮影対象物までの距離を推測する。さらに、第2推測手段は、特定カメラの撮影方向と、第1推測手段による推測結果、つまり特定カメラから撮影対象物までの距離と、第1情報、つまり特定カメラおよび他のカメラ間の距離とに基づいて、他のカメラで撮影対象物を撮影するための当該他のカメラの撮影方向を推測する。そして、制御実行手段が、この第2推測手段による推測結果に基づいて、他のカメラの撮影方向を実際に制御する。
ここで、例えば、撮影対象物が、上述の特定カメラおよび他のカメラを通る直線と、所定の基準面との間で、かつ当該基準面から略一定の距離を置いた領域に、存在するとする。具体的には、特定カメラを含む各カメラが或る室内の天井に取り付けられており、当該室内の床面上に立っている人間、より具体的には当該人間の頭部(顔)が撮影対象物とされるような場合が、これに当たる。この場合、床面が基準面となり、特定カメラおよび他のカメラを通る直線は天井に沿って延伸する。そして、当該基準面から撮影対象物である人間の頭部までの距離は、当該人間の背丈が概ね一様であることを鑑みると、略一定であると見なすことができる。従って、上述の第2情報、つまり特定カメラおよび他のカメラを通る直線(天井)から撮影対象物(人間の頭部)までの最短距離は、基準面(床面)から撮影対象物までの距離に基づいて、算出することができる。そこで、基準面から撮影対象物までの距離を、例えば実測または推測に基づいて規定し、この規定値に基づいて当該第2情報を算出する算出手段を、設けてもよい。そして、この算出手段によって算出された第2情報が、上述の第2記憶手段に記憶されるようにしてもよい。
また、上述の規定値を任意に設定する設定手段を、設けてもよい。このようにすれば、例えば撮影対象物が変更されたり、或いは各カメラの設置状況が変更されたりして、いわゆる撮影条件が変化したとしても、この変化に柔軟に対応することができる。
さらに、特定カメラを含む複数台のカメラは、或る平面に沿って設置されるのが、望ましい。そして、撮影対象物は、当該或る平面に沿う位置、例えば当該平面上またはその近傍の領域に存在するのが、望ましい。このような条件下では、各カメラの撮影方向が当該平面に沿う方向に限られるので、かかる制限のない場合に比べて、検出手段による検出および制御手段による制御が容易になる。
そしてさらに、撮影対象物は、上述の平面上の或る直線に沿う位置に存在するものとしてもよい。このように撮影対象物の位置がさらに限定されれば、検出手段による検出および制御手段による制御がさらに容易になる。
第2の発明は、撮影方向を変更可能なカメラの当該撮影方向を制御するカメラ制御装置において、カメラによって撮影された被写界の画像を画面に表示する表示手段と、当該画面に表示された画像上の任意の位置を指定する指定手段と、この指定手段によって指定された位置に基づいてカメラの撮影方向を制御する制御手段と、を具備するものである。
即ち、この第2の発明では、表示手段によって画面に表示された画像上の任意の位置が指定手段によって指定されると、この指定された位置に基づいてカメラの撮影方向が制御手段によって制御される。つまり、オペレータは、画像上の任意の位置を指定するだけで、カメラの撮影方向を制御することができる。
なお、制御手段は、例えば画像上で指定された位置に対応する被写界中の実際の箇所に、カメラによる撮影中心、つまり光軸が合うように、当該カメラの撮影方向を制御する。このようにすれば、指定された位置に対応する箇所を中心として、撮影が行われる。
かかる制御を実現するべく、制御手段は、指定位置に対応する箇所にカメラの撮影中心を合わせるための当該カメラの撮影方向の変更量を算出する算出手段と、この算出手段による算出結果に基づいてカメラの撮影方向を制御する制御実行手段と、を含む。そして、算出手段は、画像上における指定位置の座標と、現在のカメラの撮影方向と、当該カメラの画角と、に基づいて上述の変更量を算出するものとする。
第3の発明は、画角を変更可能なカメラの当該画角を制御するカメラ制御装置において、カメラによって撮影された被写界の画像を画面に表示する表示手段と、当該画面に表示された画像上の任意の領域を指定する指定手段と、この指定手段によって指定された領域に基づいてカメラの画角を制御する制御手段と、を具備するものである。
なお、ここで言う画角を変更可能なカメラとは、例えばズームレンズを備えたカメラのことを言う。
即ち、この第3の発明では、表示手段によって画面に表示された画像上の任意の領域が指定手段によって指定されると、この指定された領域に基づいてカメラの画角が制御手段によって制御される。つまり、オペレータは、画像上の任意の領域を指定するだけで、カメラの画角を制御することができる。
なお、制御手段は、例えば画像上で指定された領域に対応する被写界中の実際の部分に、カメラによる撮影範囲、つまり視野が合うように、当該カメラの画角を制御する。このようにすれば、指定された領域に対応する部分を拡大した撮影が行われる。
かかる制御を実現するべく、制御手段は、指定領域に対応する部分にカメラの撮影範囲を合わせるための当該カメラの画角の変更量を算出する算出手段と、この算出手段による算出結果に基づいてカメラの画角を制御する制御実行手段と、を含む。そして、算出手段は、画像上における指定領域の大きさに基づいて、換言すれば画像全体の大きさと指定領域の大きさとの比率に基づいて、上述の変更量を算出するものとする。
また、カメラが、撮影方向をも変更可能なものである場合には、上述の指定領域の特定位置に基づいて当該カメラの撮影方向を制御する撮影方向制御手段を、さらに設けてもよい。
具体的には、例えば、特定位置は、指定領域の中心位置とされる。そして、撮影方向制御手段は、当該指定領域の中心位置に対応する被写界中の箇所にカメラによる撮影中心が合うように当該カメラの撮影方向を制御する。このようにすれば、指定領域の中心位置に対応する箇所を中心として、当該指定領域を拡大した撮影が行われる。
そして、これら第1ないし第3の発明は、監視カメラシステムに適用することができる。
即ち、第1の発明によれば、特定カメラの撮影方向と各カメラの位置情報とに基づいて、当該特定カメラと同一の撮影対象物が撮影されるように他のカメラの撮影方向が制御される。つまり、上述の従来技術とは異なり、測定用カメラなどの監視用カメラ以外のカメラを必要とせず、またステレオ視法という複雑なアルゴリズムを用いる必要もない。従って、従来よりも極めて簡単かつ安価な構成で同一の監視対象物を複数台のカメラで撮影することができる。
そして、第2の発明によれば、オペレータは、画面に表示された画像上の希望の位置を指定する、という極めて簡単な操作を行うだけで、カメラの撮影方向を制御することができる。つまり、操作性の良いカメラ制御装置を提供することができる。
また、第3の発明によれば、オペレータは、画面に表示された画像上の希望の領域を指定する、という極めて簡単な操作を行うだけで、カメラの画角を制御することができる。従って、第2の発明と同様、操作性の良いカメラ制御装置を提供することができる。
この発明が適用されたパチンコホール用の監視カメラシステムの第1実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
図1に示すように、この監視カメラシステム10は、複数台、例えば2台の監視カメラ12および14を備えている。これらの監視カメラ12および14は、互いに距離Lを隔てた状態で、パチンコホールの天井100に取り付けられている。この状態を別の角度、例えば上方(天井100側)から見ると、図2に示すようになる。即ち、パチンコホールには、直線状の通路110が設けられており、この通路110を挟んで、その両側(図2において通路110の上側および下側)に、それぞれ複数台のパチンコ台120,120,…が横並びに設置されている。そして、通路110の両端(図2において通路110の右端および左端)の上方に、監視カメラ12および14が設置されている。なお、一般に、通路110は複数設けられるが、ここでは、説明の便宜上、当該通路110を1つのみとする。
各監視カメラ12および14は、いわゆるドーム型と呼ばれるものであり、下方に向かってドーム状に突出した外観形状をしている。そして、図には示さないが、各監視カメラ12および14のそれぞれは、小型のCCD(Charge Coupled Device)カメラを内蔵しており、当該CCDカメラは、垂直(チルト)方向および水平(パン)方向のそれぞれに任意に旋回可能な旋回台に固定されている。この旋回台は、外部から供給される制御信号に従って旋回し、これによってCCDカメラの撮影方向が変更される。
各監視カメラ12および14は、自身に入射された被写界の光学像をアナログ画像信号に変換する。変換されたアナログ画像信号は、パチンコホールとは隔離された管理室に伝送され、この管理室に設置されたカメラ制御装置16に入力される。
カメラ制御装置16に入力されたアナログ画像信号は、まず、ビデオキャプチャ回路18によってディジタル化され、つまりディジタル画像信号に変換される。そして、変換されたディジタル画像信号は、信号処理回路20に入力される。信号処理回路20は、CPU(Central Processing Unit)22を内蔵しており、このCPU22を用いて、当該入力されたディジタル画像信号に対しディジタルフィルタリング処理やOSD(On
Screen Display)処理、マルチ画面表示処理などの所定の信号処理を施す。そして、処理後の信号をコンポジットビデオ信号に変換し、変換したコンポジットビデオ信号を、カメラ制御装置16のビデオ出力信号として外部に出力する。
カメラ制御装置16(信号処理回路20)から出力されたコンポジットビデオ信号は、当該カメラ制御装置16の近傍に設けられたモニタ装置24に入力される。これによって、モニタ装置24の画面に、コンポジットビデオ信号に応じた画像、つまり各監視カメラ12および14による監視画像が、例えばマルチ表示される。
さらに、カメラ制御装置16の近傍には、当該カメラ制御装置16専用の操作装置26が設けられている。この操作装置26は、連動ボタン28とジョイスティック状の操作レバー30とを備えている。連動ボタン28がOFFされているとき、CPU22は、単独モードとなる。この単独モードにおいては、CPU22は、操作レバー30の操作に応じて、特定の監視カメラ、例えば図1(または図2)において右側に位置するマスタカメラ12の撮影方向(向き)を制御し、具体的には、当該操作レバー30の操作に従う上述した制御信号を生成する。この制御信号は、カメラ駆動装置32を介してマスタカメラ12に入力され、当該マスタカメラ12内の上述した旋回台に供給される。これによって、旋回台が旋回し、当該旋回台に固定されたCCDカメラの撮影方向が変更される。
一方、連動ボタン28がONされると、CPU22は、連動モードに入る。連動モードに入ると、CPU22は、図1(または図2)に矢印12aで示すようにマスタカメラ12によって撮影(捕捉)されている監視対象物Qが、同図に矢印14aで示すように他方の監視カメラ、言わばスレーブカメラ14によっても撮影されるように、当該スレーブカメラ14の撮影方向を制御する。そして、操作レバー30が操作されると、上述の要領でマスタカメラ12の撮影方向を制御すると共に、このマスタカメラ12による監視対象物Qがスレーブカメラ14によって撮影されるように当該スレーブカメラ14の撮影方向を制御する。つまり、連動モードにおいては、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14の両方によって同一の監視対象物Qが撮影される。
かかる連動モードを実現するために、この第1実施形態では、次のような工夫が成されている。
即ち、今、パチンコホールの床面130からマスタカメラ12までの距離、具体的には当該マスタカメラ12内のCCDカメラが旋回するときの中心点Pmまでの距離を、Hmとする。そして、床面130からスレーブカメラ14(中心点Ps)までの距離を、Hsとし、これらの距離HmおよびHsは、互いに等しい(Hm=Hs)とする。ここで、この監視カメラシステム10における監視対象物Qは、主に、個々のパチンコ台120,120,…、或いは当該パチンコ台120,120,…を使用する図示しない遊興者である。従って、当該監視対象物Qであるパチンコ台120,120,…の高さ、或いは遊興者の背丈が概ね一様であることを鑑みると、床面130から監視対象物Qまでの距離Δhは一定である、と見なすことができる。
さらに、パチンコ台120,120,…または遊興者は、通路110付近に存在する。そして、これらを監視するためのマスタカメラ12およびスレーブカメラ14は、当該通路100の延伸方向に沿って設置されている。つまり、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14は、基準面である床面130に対して直角な平面に沿って設置されており、この平面に沿う細長い通路110上またはその近傍に、監視対象物Qが存在することになる。また、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14のそれぞれは、或る程度の画角(視野)を有している。これらを総合すると、図2に矢印12bおよび14bで示すようにマスタカメラ12およびスレーブカメラ14がパン方向に旋回される角度、言わばパン角は、比較的に小さい(数度である)と考えられる。従って、連動モードで監視が行われるときは、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14は、主に、図1に矢印12cおよび14cで示すようにチルト方向に旋回されるものと、考えられる。換言すれば、連動モードでマスタカメラ12およびスレーブカメラ14の撮影方向を制御する際には、これらマスタカメラ12およびスレーブカメラ14のチルト方向における角度、言わばチルト角θおよびφのみを考慮すれば足りる。
なお、マスタカメラ12のチルト角θは、当該マスタカメラ12の所定の基準線12dを基準とし、スレーブカメラ14のチルト角φは、当該スレーブカメラ14の所定の基準線14dを基準とする。各基準線12dおよび14dは、マスタカメラ12の中心点Pmとスレーブカメラ14の中心点Psとを通る直線に一致し、かつ同じ方向(図1において左側)に向いている。また、上述した距離Lは、各中心点PmおよびPs間の距離を示す。
この前提の下、図1におけるマスタカメラ12,スレーブカメラ14および監視対象物Qの位置関係を図で表すと、図3のようになる。即ち、これらマスタカメラ12の位置(中心点)Pm,スレーブカメラ14の位置Psおよび監視対象物Qの位置を頂点とする三角形PmPsQを考えると、この三角形PmPsQの底辺(図3においては上方に位置する辺)PmPsの長さLは一定である。そして、床面130から監視対象物Qまでの距離Δhもまた一定であると見なすことができるので、当該三角形PmPsQの高さHは、“Hm−Δh(=Hs−Δh)”で一定となる。さらに、マスタカメラ12のチルト角θに相当する角∠PsPmQは、当該チルト角θが操作レバー30の操作に応じてCPU22によって制御されることから、CPU22にとっては既知の値である。従って、底辺PmPsと共に角∠PsPmQを挟む辺PmQの長さ、つまりマスタカメラ12から監視対象物Qまでの距離Dが判れば、他の角、特に角∠PmPsQ(φ’)を求めることができ、ひいてはスレーブカメラ14によって監視対象物Qを撮影するためのチルト角φ(=180°−φ’)を求めることができる。
そこで、まず、マスタカメラ12から監視対象物Qまでの距離、つまり辺PmQの長さDを求める。これには、図4に示すように、三角形PmPsQの頂点Qを通りかつ底辺PmPsに対して平行な直線140と、頂点Pmを通りかつ底辺PmPsに対して直角な直線150との交点をRとし、この交点Rを頂点として含む直角三角形RQPmを考える。ここで、この直角三角形RQPmの辺PmRの長さは、三角形PmPsQの高さH(=Hm−Δh=Hs−Δh)に相当する。そして、この辺PmRは三角形PmPsQの底辺PmPsに対して直角であり、また当該底辺PmPsと辺PmQとで挟まれた角∠PsPmQ(θ)は既知であるので、辺PmQと辺PmRとで挟まれた角∠QPmRも既知の値となる。従って、当該角∠QPmRをθ’で表すと、辺PmQの長さDは、次の数1によって求められる。
Figure 2005333628
なお、図4に示すようにマスタカメラ12のチルト角θ(角∠PsPmQ)が鋭角(θ<90°)のときは、数1における角度θ’は次の数2で表される。
Figure 2005333628
一方、図5に示すようにマスタカメラ12のチルト角θが鈍角(θ>90°)のときは、角度θ’は次の数3で表される。
Figure 2005333628
また、マスタカメラ12のチルト角θが直角(θ=90°)のときは、角度θ’は“0°”となるので、辺PmQの長さDは、三角形PmPsQの高さHと等価になる。
このようにしてマスタカメラ12のチルト角θに応じて数1から辺PmQの長さDが求められると、この辺PmQ長さDと、底辺PmPsの長さLと、これら2つの辺PmQおよびPmPsで挟まれた角∠PsPmQ(θ)とから、角∠PmPsQ(φ’)が求められる。具体的には、図3に示すように残りの辺PsQの長さをCとすると、第2余弦法則から、次の数4が成立する。
Figure 2005333628
また、同第2余弦法則から、次の数5も成立する。
Figure 2005333628
そして、この数5における“C”に数4を代入すると、角度φ’(角∠PmPsQ)は、次の数6で表される。
Figure 2005333628
この結果、スレーブカメラ14のチルト角φは、次の数7によって求められる。
Figure 2005333628
即ち、この数7によってスレーブカメラ14のチルト角φを算出し、その算出結果に基づいて実際のチルト角φを制御すれば、当該スレーブカメラ14によってマスタカメラ12と同じ監視対象物Qを撮影することができる。
このような手順でスレーブカメラ14のチルト角φを制御するために、CPU22は、信号処理回路20内にあるメモリ34に記憶されている制御プログラムに従って、図6のフローチャートで示される各処理を実行する。なお、メモリ34は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)によって構成されており、このメモリ34には、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14間の距離Lに関する第1情報としてのデータも、記憶されている。また、メモリ34には、上述した図3における高さH、つまりマスタカメラ12(Pm)およびスレーブカメラ14(Ps)を通る直線から監視対象物Qまでの最短距離(Hm−Δh)を表す第2情報としてのデータも、併せて記憶されている。
即ち、連動ボタン28がONされて連動モードに入ると、CPU22は、まず、ステップS1において、現在のマスタカメラ12のチルト角θを検出する。そして、ステップS3において、当該チルト角θが鋭角であるか否か、つまり90°よりも小さいか否かを判断する。
ここで、チルト角θが鋭角である場合、CPU22は、ステップS5に進み、マスタカメラ12から監視対象物Qまでの距離Dを算出する。具体的には、上述した数2に基づいて角度θ’を求める。そして、この求めた角度θ’を上述の数1に代入することで、距離Dを算出する。
この距離Dの算出後、CPU22は、ステップS7に進み、スレーブカメラ14によって監視対象物Qを撮影するためのチルト角φを求める。具体的には、上述した数7に距離Dを代入することで、当該チルト角φを求める。
一方、ステップS3においてマスタカメラ12のチルト角θが鋭角でない場合、CPU22は、ステップS9に進む。そして、このステップS9において、チルト角θが直角であるか否かを判断する。ここで、チルト角θが直角であれば、ステップS11に進み、距離Dは上述した三角形PmPsQの高さHと等価であると推測する。そして、ステップS7に進み、この距離Dを数7に代入することで、スレーブカメラ14のチルト角φを算出する。
さらに、ステップS9においてマスタカメラ12のチルト角θが直角でない場合、つまり当該チルト角θが鈍角の場合、CPU22は、ステップS13に進む。そして、このステップS13において、距離Dを算出する。具体的には、上述の数3に基づいて角度θ’を求め、この角度θ’を数1に代入することで、距離Dを算出する。そして、ステップS7に進み、スレーブカメラ14のチルト角φを算出する。
ステップS7でチルト角φを算出した後、CPU22は、ステップS15に進み、当該ステップS7における算出結果に基づいてスレーブカメラ14のチルト角φを制御する(厳密には、かかる制御を実現するための制御信号を生成してカメラ駆動回路32に入力する)。これによって、スレーブカメラ14のチルト角φが制御され、当該スレーブカメラ14によってマスタカメラ12と同じ監視対象物Qが撮影される。
そして、CPU22は、ステップS17において操作レバー30が操作されたか否かを判断する。ここで、操作レバー30が操作されたと判断すると、ステップS1に戻る。一方、操作レバー30が操作されていない場合には、さらにステップS19に進み、連動ボタン28がOFFされたか否かを判断する。そして、連動ボタン28がOFFされていない場合には、ステップS17に戻る。連動ボタン28がONされたら、この図6のフローチャートで示される一連の処理を終了し、つまり連動モードを抜ける。
以上のように、この第1実施形態の監視カメラシステム10によれば、連動モードにあるとき、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14の両方によって同じ監視対象物Qが撮影される。そして、かかる連動モードを実現するために、上述した数1に基づいて、つまりマスタカメラ12のチルト角θと高さHとに基づいて、マスタカメラ12から監視対象物Qまでの距離Dが求められる。そして、数6に基づいて、つまり当該距離Dと、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14間の距離Lと、マスタカメラ12のチルト角θとに基づいて、スレーブカメラ14のチルト角φが求められる。すなわち、端的に言えば、マスタカメラ12の撮影方向と、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14の位置情報とに基づいて、連動モードを実現するべくスレーブカメラ14の撮影方向が求められる。従って、監視用カメラの他に2台以上の測定用カメラを必要とし、かつステレオ視法という複雑なアルゴリズムによる演算を必要とする上述の従来技術に比べて、簡単かつ安価な構成で当該連動モードを備えた監視カメラシステム10を実現することができる。
なお、この第1実施形態では、パチンコホール用の監視カメラシステム10にこの発明を適用する場合について説明したが、これに限らない。例えば、駐車場において自動車を監視するシステムにも、この発明を適用することができる。かかるシステムにおいては、自動車のナンバープレートを監視対象物Qとすればよい。このようにすれば、基準面である地面から当該監視対象物Qまでの高さΔhを一定と見なすことができ、マスタカメラ12から監視対象物Qまでの距離D、および当該監視対象物Qを撮影するためのスレーブカメラ14のチルト角φが、算出し易くなる。
このようにこの発明が適用される条件(環境)が変わっても、これに柔軟に対応できるようにするために、高さΔhの値を任意に設定できるようにしてもよい。具体的には、例えば図1における操作装置26の操作によって、当該高さΔhの規定値を任意に設定できるようにする。この規定値は、例えば実測値であっても、或いは推測値であってもよい。そして、この規定値(高さΔh)に基づいて、例えばCPU22によって上述の高さHが算出され、その算出結果が第2情報としてメモリ34に記憶されるようにしてもよい。
また、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14のチルト角θおよびφではなく、それぞれのパン角を制御するシステムにも、この発明を適用することができる。この場合、チルト角θおよびφは概ね一定(不変)であるのが、望ましい。
そして、床面130からマスタカメラ12(Pm)までの距離Hmと、当該床面130からスレーブカメラ14(Ps)までの距離Hsとは、互いに等しいとしたが、これに限らない。つまり、これら両者HmおよびHsは、一定であればよく、互いに等しい関係である必要はない。
さらに、スレーブカメラ14のチルト角φを算出するのに、第2余弦法則を利用したが、これ以外の方法で当該チルト角φを算出してもよい。
そして、スレーブカメラ14は、1台に限らず、複数台であってもよい。この場合、連動モードにおいて、全てのスレーブカメラ14の撮影方向がマスタカメラ12の撮影方向と連動して制御されるようにしてもよいし、任意に選択された1台以上のスレーブカメラ14のみがマスタカメラ12と連動するようにしてもよい。
また、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14を通路110の延伸方向に沿って設置したが、これに限らない。つまり、通路110の延伸方向に対して斜めの方向に沿うように、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14を設置してもよい。
さらに、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14は、ズームレンズを備えているものであってもよい。この場合、チルト角θおよびφの大小に応じて、当該ズームレンズによる撮影倍率が変更されるようにしてもよい。
次に、この発明の第2実施形態について、図7から図9を参照して説明する。
この第2実施形態は、上述した第1実施形態の監視カメラシステム10の操作性を向上させるべく、中心位置補正機能を備えたものであり、当該中心位置補正機能を実現するためのプログラム(中心位置補正タスク)が上述の制御プログラムに組み込まれている以外は、基本的に第1実施形態と同じ構成である。ただし、カメラ制御装置16としては、パーソナルコンピュータが好適であり、特に操作装置16としてマウス等のポインティングデバイスを備えるものがより好適である。
即ち、中心位置補正機能とは、モニタ装置24の画面に表示されているマスタカメラ12の監視画像上で任意の位置がマウスクリック操作等によって指定されると、その指定された位置が中心となるように、当該マスタカメラ12の撮影方向が変更される、という機能である。具体的には、例えば図7(a)に示すように、本来監視したい監視対象物Q’の像が、監視画像上の中心位置(実際の監視中心位置)Qから外れている、とする。この場合、当該像の位置(以下、この位置についてもQ’という符号で表す。)が指定されると、この指定された位置Q’が、図7(b)に示すように、監視画像上の中心位置Qに一致するように、マスタカメラ12の撮影方向(チルト角θ)が変更され、言わば補正される。そして、上述した連動モードが有効化されているときは、このマスタカメラ12の撮影方向の補正に合わせて、スレーブカメラ14の撮影方向(チルト角φ)も変更される。
かかる中心位置補正機能を実現するために、カメラ制御装置16内のCPU22は、上述した制御プログラムに従って、図8のフローチャートで示される中心位置補正タスクを実行する。
即ち、監視画像上の任意位置Q’が指定されると、CPU22は、ステップS31に進み、当該指定位置Q’の座標、特に中心位置Qに対する当該指定位置Q’の位置関係を、特定する。そして、ステップS33に進み、当該指定位置Q’を監視画像の中心位置Qに一致させるため、換言すれば当該指定位置Q’に対応する被写界側の実際の位置にマスタカメラ12の撮影中心(光軸)を合わせるための、当該マスタカメラ12の撮影方向の補正量Δθを、算出する。この補正量Δθは、図9に示すように、マスタカメラ12の現在のチルト角θと、当該マスタカメラ12の画角ρと、指定位置Q’の座標と、に基づいて求められる。
そして、CPU22は、ステップS35に進み、ステップS33における算出結果Δθに基づいて、マスタカメラ12の撮影方向を変更する。これによって、図9に実線の矢印12aで示すマスタカメラ12の撮影方向が、同図に一点鎖線の矢印12eで示す向きに変更される。そして、このステップS35の実行を以て、CPU22は、一連の中心位置補正タスクを終了する。なお、上述したように連動モードが有効化されているときは、マスタカメラ12の撮影方向に合わせて、スレーブカメラ14の撮影方向も変更される。
このように、第2実施形態によれば、監視画像上で希望の位置Q’を指定する、という極めて簡単な操作によって、マスタカメラ12による撮影中心を当該指定位置Q’に対応する位置に合わせることができる。そして、連動モードが有効化されているときは、スレーブカメラ14の撮影中心をも、同位置に合わせることができる。従って、監視対象物Q(Q’)を補足する際の操作性が向上する。
なお、この第2実施形態においては、チルト角θ(およびφ)のみが変更される場合について説明したが、パン方向にも変更されるようにしてもよい。
また、図8のステップS33に示したように、計算によって補正量Δθを求めることとしたが、これに限らない。例えば、マスタカメラ12のあらゆるチルト角θと、当該マスタカメラ12のあらゆる画角ρと、監視画像上のあらゆる座標点と、の関係がデータ化されたテーブルが、メモリ34に記憶されており、このメモリ34に記憶されているテーブルに基づいて、当該補正量Δθが求められるようにしてもよい。
そして、スレーブカメラ14を備えず、マスタカメラ12のみを備えるシステムにも、この第2実施形態の中心位置補正機能を適用してもよい。
続いて、この発明の第3実施形態について、図10から図15を参照して説明する。
この第3実施形態もまた、第2実施形態と同様に、第1実施形態の監視カメラシステム10の操作性を向上させるためのものであり、詳しくはズームアップ機能を備えたものである。なお、このズームアップ機能を実現するために、マスタカメラ12およびスレーブカメラ14のそれぞれは、画角調整手段としての図示しないズームレンズを備えている。また、上述の制御プログラムには、当該ズームアップ機能を担うプログラム(ズームアップタスク)が組み込まれている。
即ち、この第3実施形態におけるズームアップ機能によれば、モニタ装置24の画面に表示されているマスタカメラ12の監視画像上で任意の領域がマウスドラッグ操作等によって指定されると、その指定された領域が拡大表示されるように、当該マスタカメラ12の画角ρ、つまりズームレンズの倍率αが変更される。具体的には、図10(a)に示すように、監視画像上の任意の領域200が例えば矩形状に指定されると、この指定された領域200が、図10(b)に示すように、画面一杯に表示されるように、マスタカメラ12の画角ρが変更され、言わばズームアップされる。
なお、領域200の指定は、図10(a)に示すように、当該領域200の一方対角、いわゆる始点Eおよび終点Fを指定することによって、実現される。また、当該領域200の縦横比(アスペクト比)は任意であるが、この領域200の縦寸法および横寸法のうち長い方に合わせてズーム倍率αが決定される。具体的には、図11を参照して、当該領域200の縦寸法aと横寸法bとが、比較される。ここで、例えば縦寸法aが横寸法b以上(a≧b)であるとき、当該縦寸法aと監視画像全体の縦寸法Aとの比率(A/a)が、ズーム倍率αとされる。一方、縦寸法aが横寸法bよりも小さい(a<b)ときは、横寸法bと監視画像全体の横寸法Bとの比率(B/b)が、ズーム倍率αとされる。このようにすることで、ズームアップ後、少なくとも指定領域200の部分は確実に表示され、言わば当該指定領域200の部分の表示が保証される。
かかるズームアップ機能を実現するために、カメラ制御装置16内のCPU22は、上述した制御プログラムに従って、図12のフローチャートで示されるズームアップタスクを実行する。
即ち、監視画像上の任意の領域200が指定されると、CPU22は、ステップS51に進み、当該指定領域200の座標、特に縦寸法aおよび横寸法bを、特定する。そして、ステップS53に進み、これら縦寸法aおよび横寸法bを比較する。ここで、例えば縦寸法aが横寸法b以上であるとき、CPU22は、ステップS55に進み、当該縦寸法aと監視画像全体の縦寸法Aとの比率に基づいてズーム倍率αを計算する。そして、この計算後、ステップS57に進む。一方、縦寸法aが横寸法bよりも小さいときは、CPU55は、ステップS53からステップS59に進む。そして、このステップS59において、横寸法bと監視画像全体の横寸法Bとの比率に基づいてズーム倍率αを計算した後、ステップS57に進む。
ステップS57において、CPU22は、上述のステップS55またはステップS59における計算結果αに基づいて、マスタカメラ12の画角ρを変更する。これによって、例えば図13に示すように、マスタカメラ12の画角ρが、これよりも小さい画角ρ’に変更される。そして、このステップS57の実行を以て、CPU22は、一連のズームアップタスクを終了する。なお、連動モードが有効化されているときは、マスタカメラ12の画角ρに合わせて、スレーブカメラ14の画角も変更されるようにしてもよい。
このように、第3実施形態によれば、監視画像上の希望の領域200を指定する、という極めて簡単な操作によって、マスタカメラ12の視野を当該指定領域200に対応する部分に合わせることができる。そして、連動モードが有効化されているときには、スレーブカメラ14の視野をも、同部分に合わせるようにすることもできる。従って、監視対象物Qを補足する際の操作性が向上する。
なお、この第3実施形態においては、ズームレンズの倍率αを変更するという、いわゆる光学ズームによって、指定領域200の画像を拡大表示させることとしたが、これに限らない。例えば、当該指定領域200の画像をディジタル処理することによって拡大表示させるという、いわゆるディジタルズームを採用してもよい。そして、このディジタルズームによって、スレーブカメラ14側の監視画像を同様に拡大表示させてもよい。
また、この第3実施形態におけるズームアップ機能も、上述した第2実施形態における中心位置機能と同様に、マスタカメラ12のみを備えるシステムに適用することができる。
さらに、この第3実施形態におけるズームアップ機能に、第2実施形態における中心位置補正機能を組み合わせてもよい。
即ち、今、図14(a)に示すように、本来監視したい監視対象物Q’の像が、監視画像上の中心位置(実際の監視中心位置)Qから外れている、とする。この場合、当該像を含む領域200が指定されると、図14(b)に示すように、この指定された領域200が拡大表示されるようにマスタカメラ12の画角ρが変更されると共に、当該領域200の中心位置(以下、この領域200内の中心位置についてもQ’という符号で表す。)が監視画像上の中心位置Qに一致するように当該マスタカメラ12の撮影方向が変更されるようにしてもよい。
これを実現するには、図12のズームアップタスクにおけるステップS51とステップS53との間に、図15に示すステップS71〜ステップS75を追加すればよい。
即ち、CPU22は、図12のステップS51において指定領域200の座標(縦寸法aおよび横寸法b)を特定した後、図15のステップS71に進み、当該指定領域200の中心位置Q’の座標を特定する。なお、この特定は、図14(a)に一点鎖線202で示すように、指定領域200の一方対角線の中点(つまり始点Eおよび終点F間の中点)の座標を特定することで、実現される。そして、この特定後、上述した図8の中心位置補正タスクと同様に、ステップS73において、当該指定領域200の中心位置Q’を監視画像の中心位置Qに一致させるためのマスタカメラ12の撮影方向の補正量Δθを算出し、さらに、ステップS75において、ステップS73における算出結果Δθに基づいて当該マスタカメラ12の撮影方向を変更する。そして、このステップS75の実行後、図12のステップS53に進む。
このように、この第3実施形態におけるズームアップ機能に、第2実施形態における中心位置補正機能が組み合わされることで、監視カメラシステム10の操作性がより向上する。
この発明の第1実施形態を示す監視カメラシステムのブロック図である。 同第1実施形態におけるパチンコホールの平面図である。 同第1実施形態におけるマスタカメラ,スレーブカメラおよび監視対象物の位置関係を示す図解図である。 同第1実施形態においてマスタカメラから監視対象物までの距離を算出する手順を説明するための図解図である。 図4とは別の態様を示す図解図である。 同第1実施形態におけるCPUの動作を示すフローチャートである。 この発明の第2実施形態の機能を説明するための図解図である。 同第2実施形態におけるCPUの動作を示すフローチャートである。 同第2実施形態におけるマスタカメラの動作を説明するための図解図である。 この発明の第3実施形態の機能を説明するための図解図である。 同第3実施形態における表示画面の構成を示す図解図である。 同第3実施形態におけるCPUの動作を示すフローチャートである。 同第3実施形態におけるマスタカメラの動作を説明するための図解図である。 同第3実施形態の別の機能を説明するための図解図である。 図14の機能を実現するためのCPUの動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10 監視カメラシステム
12 メインカメラ
14 スレーブカメラ
22 CPU
28 連動ボタン
30 操作レバー
34 メモリ
Q 監視対象物

Claims (16)

  1. それぞれ所定位置に設置された複数台のカメラのうち1台の特定カメラの撮影方向に従って他のカメラの撮影方向を制御するカメラ制御装置であって、
    上記特定カメラの撮影方向を検出する検出手段と、
    上記検出手段による検出結果および上記複数台のカメラの位置情報に基づいて上記特定カメラによる撮影対象物が上記他のカメラによって撮影されるように該他のカメラの撮影方向を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とする、カメラ制御装置。
  2. 上記特定カメラの撮影方向を任意に変更する変更手段をさらに備える、請求項1に記載のカメラ制御装置。
  3. 上記制御手段は、
    上記特定カメラおよび上記他のカメラ間の距離を表す第1情報が記憶された第1記憶手段と、
    上記特定カメラおよび上記他のカメラを通る線から上記撮影対象物までの距離を表す第2情報が記憶された第2記憶手段と、
    上記検出手段による検出結果および上記第2情報に基づいて上記特定カメラから上記撮影対象物までの距離を推測する第1推測手段と、
    上記検出手段による検出結果、上記第1推測手段による推測結果および上記第1情報に基づいて上記他のカメラで上記撮影対象物を撮影するための撮影方向を推測する第2推測手段と、
    上記第2推測手段による推測結果に基づいて上記他のカメラの撮影方向を制御する制御実行手段と、を含む、請求項1または2に記載のカメラ制御装置。
  4. 上記撮影対象物は上記線と所定の基準面との間でかつ該基準面から略一定の距離を置いた領域に存在し、
    上記基準面から上記撮影対象物までの距離を規定した規定値に基づいて上記第2情報を算出する算出手段をさらに備える、請求項3に記載のカメラ制御装置。
  5. 上記規定値を任意に設定する設定手段をさらに備える、請求項4に記載のカメラ制御装置。
  6. 上記複数台のカメラは或る平面に沿って設置され、
    上記撮影対象物は上記平面に沿う位置に存在する、請求項1ないし5のいずれかに記載のカメラ制御装置。
  7. 上記撮影対象物は上記平面上の或る直線に沿う位置に存在する、請求項6に記載のカメラ制御装置。
  8. 撮影方向を変更可能なカメラの該撮影方向を制御するカメラ制御装置において、
    上記カメラによって撮影された被写界の画像を画面に表示する表示手段と、
    上記画面に表示された上記画像上の任意の位置を指定する指定手段と、
    上記指定手段によって指定された上記位置に基づいて上記撮影方向を制御する制御手段と、
    を具備する、カメラ制御装置。
  9. 上記制御手段は上記位置に対応する上記被写界中の箇所に上記カメラによる撮影中心が合うように上記撮影方向を制御する、請求項8に記載のカメラ制御装置。
  10. 上記制御手段は、上記箇所に上記撮影中心を合わせるための上記撮影方向の変更量を算出する算出手段と、該算出手段による算出結果に基づいて上記撮影方向を制御する制御実行手段と、を含み、
    上記算出手段は、上記画像上における上記位置の座標と、現在の上記撮影方向と、上記カメラの画角と、に基づいて上記変更量を算出する、請求項9に記載のカメラ制御装置。
  11. 画角を変更可能なカメラの該画角を制御するカメラ制御装置において、
    上記カメラによって撮影された被写界の画像を画面に表示する表示手段と、
    上記画面に表示された上記画像上の任意の領域を指定する指定手段と、
    上記指定手段によって指定された上記領域に基づいて上記カメラの画角を制御する制御手段と、
    を具備する、カメラ制御装置。
  12. 上記制御手段は上記領域に対応する上記被写界中の部分に上記カメラによる撮影範囲が合うように上記画角を制御する、請求項11に記載のカメラ制御装置。
  13. 上記制御手段は、上記部分に上記撮影範囲を合わせるための上記画角の変更量を算出する算出手段と、該算出手段による算出結果に基づいて上記画角を制御する制御実行手段と、を含み、
    上記算出手段は上記画像上における上記領域の大きさに基づいて上記変更量を算出する、請求項12に記載のカメラ制御装置。
  14. 上記カメラは撮影方向をも変更可能なものであり、
    上記領域の特定位置に基づいて上記撮影方向を制御する撮影方向制御手段をさらに備える、請求項11ないし13のいずれかに記載のカメラ制御装置。
  15. 上記特定位置は上記領域の中心位置であり、
    上記撮影方向制御手段は上記特定位置に対応する上記被写界中の箇所に上記カメラによる撮影中心が合うように上記撮影方向を制御する、請求項14に記載のカメラ制御装置。
  16. 請求項1ないし15のいずれかに記載のカメラ制御装置を備えた、監視カメラシステム。
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