JP2005331727A - 誘導ブリルアンレーザおよび誘導ブリルアン増幅器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 誘導ブリルアンレーザは、レーザ光1、レーザ光2、アイソレータ3、反射媒質4、ファイバ5、WDMカップラ6、反射媒質7などから構成される。レーザ光1は、高パワーを持つレーザ光を所定の波長のポンプ光として入力するものである。レーザ光2は、ポンプ光として入力するレーザ1より約100nm短い波長のレーザ光を入力するものである。レーザ光1は、ファイバ5によってブリルアン散乱を起こすことになり、レーザ光1のストークス光が増幅される。更に、レーザ光2によるラマン増幅によって、レーザ光1およびそのストークス光が更に増幅される。誘導ブリルアン増幅器も同様の構成とする。
【選択図】 図1
Description
この現象をブリルアン散乱と呼び、1.5μmの波長帯のポンプ光に対して、ストークス光は約10GHz程度低周波側に現れる。また、この利得スペクトル幅は約10MHz程度(ファイバによっては100MHzともなりうる)であり、νBをその利得ピークとしている(非特許文献1参照)。ポンプ光からストークス光へのパワーの遷移は、ポンプ光のパワーが大きいほど高効率となる。このブリルアン散乱現象を利用して、ポンプ光によるストークス光、ストークス光による高次のストークス光などにより、νB[Hz]間隔の複数のスペクトルピークを持つ光源を実現することができる。これを誘導ブリルアンレーザと呼び、誘導ブリルアン散乱を利用した光増幅器を誘導ブリルアン増幅器と呼ぶ。
Govind P. Agrawal, "NONLINEAR FIBER OPTICS", (米国), ACADEMIC PRESS INC. LTD, 1989年, p.265
レーザ共振器に数十mないし数kmの長さの光ファイバを挿入したファイバリング構成とすることによって、ポンプ光のパワー閾値をある程度小さくすることができる。しかし、レーザの高出力化のためには、更にポンプ光のパワー閾値を低減しなければならない。
この構成によれば、誘導ブリルアンレーザは、ラマン増幅器となり、ポンプ光およびストークス光を増幅させる。また、誘導ブリルアンレーザ内で発生したストークス光に対する高次のストークス光もラマン増幅により増幅される。このようにして、ラマン増幅により、ポンプ光、ストークス光、高次ストークス光が増幅されることになる。
この構成によれば、第2のレーザ光の出力パワーの揺らぎによるラマン利得の変動を抑えることになる。
この構成によれば、ラマン利得の偏波依存性を打ち消すことになる。
この構成によれば、第1のレーザ光によるブリルアン散乱および第2のレーザ光によるラマン増幅によって、入力光が増幅されることになる。
この構成によれば、第2のレーザ光の出力パワーの揺らぎによるラマン利得の変動を抑えることになる。
この構成によれば、ラマン利得の偏波依存性を打ち消すことになる。
図6を参照して、誘導ブリルアンレーザの基本構成と動作について説明する。誘導ブリルアンレーザは、レーザ光1、アイソレータ3、反射媒質4、ファイバ5、反射媒質7などから構成される。レーザ光1は、高パワーを持つ線幅の細いレーザ光を所定の波長のポンプ光として入射するものであり、例えば、半導体レーザなどによって生成される。ここで、レーザ光1は、レーザ光の光源およびレーザ光そのものを指すものとする。アイソレータ3は、レーザ光を一方向にのみ通過させる機能を持つ。図6では、左から右への方向のレーザ光を通過させ、逆に、右から左への方向のレーザ光を遮断する。反射媒質4、7は、ファイバ5をはさむように配置され、レーザ光をファイバ5側(内側)に反射すると共に、所定の透過率でレーザ光を透過する機能を持つ。ファイバ5は、数十mないし数kmの長さの光ファイバであり、入射されたレーザ光1にブリルアン散乱を発生させる性質を持つ。なお、この構成は、一般にファブリペロー共振器と呼ばれる。
この構成によっても、誘導ブリルアンレーザにおいて発振を起こすためのレーザ光1のパワー閾値(以下、「発振閾値」という)を小さくすることができるが、以下に説明する実施の形態は、更なる発振閾値の低減を図るものである。
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る誘導ブリルアンレーザの構成と動作について説明する。これは、図6に示した基本構成に対して、レーザ光2およびWDM(Wave Length Division Multiplexing)カップラ6を追加したものである。レーザ光2は、ポンプ光として入射するレーザ光1より約100nm短い波長のレーザ光を入射するものであり、ラマン励起光源となる。レーザ光2は、例えば、半導体レーザなどによって生成される。ここで、レーザ光2は、レーザ光の光源およびレーザ光そのものを指すものとする。WDMカップラ6は、レーザ光を合波または分波するデバイスであり、ここでは、レーザ光2をファイバ5に入射させる機能を果たす。なお、ファイバ5には、数km程度の長さで、比較的大きなラマン利得係数と比較的小さいモードフィールド径を持つ光ファイバを用いる。なお、請求項における「所定の長さ」、「所定の波長」は、それぞれ、数km、100nmに相当する。
レーザ光2は、WDMカップラ6を介してファイバ5に入射され、ラマン増幅を起こす。すなわち、レーザ光2の波長より100nm長い波長のレーザ光が増幅される。ここでは、レーザ光1およびそのレーザ光1のストークス光が増幅されることになる。そして、それらのレーザ光は、所定の透過率で反射媒質7を透過し、出力8として生成される。
この構成によれば、誘導ブリルアンレーザにおいて、発振閾値の低減を行うことができる。
カップラ9aは、レーザ光2の出力パワーの一部をフォトディテクタ9bに出力する。フォトディテクタ9bは、カップラ9aからの出力パワーをモニタする。制御機構9cは、そのモニタ値が一定になるようにレーザ光2の出力パワーを制御する。
この構成によれば、レーザ光2の出力パワーの揺らぎによるラマン利得の変動を抑えることができ、安定した誘導ブリルアンレーザを実現できる。
偏波合成器10は、ほぼ同じ波長かつほぼ同じ出力パワーを持つ2つのレーザ光2を互いに直交する偏波状態で合波し、その合波したレーザ光をラマン励起光としてWDMカップラ6に出力する。
この構成によれば、ラマン利得の偏波依存性をなくすことができ、安定した誘導ブリルアンレーザを実現できる。
図4を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る誘導ブリルアン増幅器の構成と動作について説明する。
図4(a)に示す誘導ブリルアン増幅器は、レーザ光1、レーザ光2、アイソレータ3、ファイバ5、WDMカップラ6a、6bなどから構成され、光信号である入力12を増幅して出力8とするものである。レーザ光1は、入力12より約νB[Hz](式1参照)だけ高い周波数の線幅の細いレーザ光をポンプ光として入射するものである。レーザ光2は、ポンプ光として入射するレーザ1より約100nm短い波長のレーザ光を入射するものである。ファイバ5には、数km程度の長さで、比較的大きなラマン利得係数と比較的小さいモードフィールド径を持つ光ファイバを用いる。WDMカップラ6aにより、ブリルアン増幅用ポンプ光となるレーザ光1をファイバ5に導入する。また、WDMカップラ6bにより、ラマン励起光源となるレーザ光2をファイバ5に導入する。レーザ光1およびレーザ光2の伝播方向は、前方でも後方でも構わない。この構成は、ブリルアン励起光(レーザ光1)を前方励起、ラマン励起光(レーザ光2)を後方励起で実施したものである。なお、請求項における「所定の長さ」、「所定の波長」は、それぞれ、数km、100nmに相当する。
まず、入力12は、アイソレータ3を通ってファイバ5を通過する。このとき、レーザ光1によるブリルアン散乱によって、入力12が増幅される。そして、レーザ光2によるラマン増幅によって、入力12およびレーザ光1が更に増幅される。
以上本発明について好適な実施の形態について一例を示したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、図5に示すようなリングレーザにも適用可能である。
図5に示すように、リングレーザは、レーザ光1、レーザ光2、アイソレータ3、ファイバ5、WDMカップラ6a、6b、方向性結合器11などから構成される。WDMカップラ6aは、出力8を制御するものであり、ここでは、方向性結合器11からのレーザ光を出力8とする機能を持つ。また、WDMカップラ6aは、アイソレータ3からのレーザ光を方向性結合器11に出力する機能を持つ。WDMカップラ6bは、ファイバ5にレーザ光2を導入するものである。方向性結合器11は、4つの入出力ポートを持つ光分配器であり、左側のポートからの入力を右側のポートに出力し、右側のポートからの入力を左側のポートに出力する機能を持つ。図5では、方向性結合器11は、ポートAおよびポートBからの入力をポートCおよびポートDに出力し、ポートCおよびポートDからの入力をポートAおよびポートBに出力する。
ここで、方向性結合器11の動作について説明する。ポートDは、何も接続されていないので、入力はないものとする。ポートAおよびポートBからの入力は、ポートCおよびポートDに出力される。一方、ポートCからの入力は、ポートAおよびポートBに出力される。このとき、ポートAへの出力とポートBへの出力とは、ポートCからの入力を所定の割合で分配されたものとなる。したがって、ポートCからの入力の所定分が、ポートAから出力され、WDMカップラ6aを介して出力8となり、残りの分がポートBから出力され、ファイバ5に入射されるので、図1ないし図3のように反射媒質4、7を用いた場合と同様に、レーザ光の通過、増幅、透過および出力が行われることになる。
2 レーザ光(ラマン励起光)
3 アイソレータ
4、7 反射媒質
5 ファイバ
6、6a、6b WDMカップラ
8 出力
9a カップラ
9b フォトディテクタ
9c 制御機構
10 偏波合成器
11 方向性合成器
12 入力
Claims (6)
- 光ファイバによるブリルアン散乱を用いた誘導ブリルアンレーザにおいて、
所定の長さのファイバと、
第1のレーザ光をポンプ光として前記ファイバに入射する手段と、
前記第1のレーザ光の波長より所定の波長だけ短い波長の第2のレーザ光を前記ファイバに入射する手段と、
を備えることを特徴とする誘導ブリルアンレーザ。 - 前記第2のレーザ光の出力パワーをモニタすると共に、その出力パワーを一定に保つように制御する手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の誘導ブリルアンレーザ。
- 前記第2のレーザ光の出力をそれぞれ同じ出力パワーを持つ2つの直交偏波の和とする手段を更に備えることを特徴とする請求頑1に記載の誘導ブリルアンレーザ。
- 光ファイバによるブリルアン散乱を用いた誘導ブリルアン増幅器において、
所定の長さのファイバと、
入力光よりνB[Hz](νB=2nνA/λP、nはファイバコアの屈折率、νAはポンプ光によって作られた屈折率の回析格子の速度、λPはポンプ光の波長)だけ高い周波数の第1のレーザ光をポンプ光として前記ファイバに入射する手段と、
前記第1のレーザ光の波長より所定の波長だけ短い波長の第2のレーザ光を前記ファイバに入射する手段と、
を備えることを特徴とする誘導ブリルアン増幅器。 - 前記第2のレーザ光の出力パワーをモニタすると共に、その出力パワーを一定に保つように制御する手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の誘導ブリルアン増幅器。
- 前記第2のレーザ光の出力をそれぞれ同じ出力パワーを持つ2つの直交偏波の和とする手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の誘導ブリルアン増幅器。
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JP2009246369A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Furukawa Electric Co Ltd:The | カスケードラマンレーザ |
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WO2014155400A2 (en) | 2013-03-29 | 2014-10-02 | Bastiannini Filippo | Apparatus for interrogating distributed stimulated brillouin scattering optical fibre sensors using a quickly tuneable brillouin ring laser |
JP2014534639A (ja) * | 2011-10-28 | 2014-12-18 | オーエフエス ファイテル,エルエルシー | 分布帰還(dfb)型ブリルアン・ファイバ・レーザ |
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