JP2005331150A - 二面体構造の熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クラックの発生を防止し、炉内への多数収納を可能にすると共に、全幅を小さくすることができる二面体構造の熱交換器を提供する。
【解決手段】 連通パイプ5Aに、曲げない直線部7を残し、そこに導入パイプ6Aを接続したため、加熱処理後に連通パイプ5Aを曲げて、熱交換器本体1をハ字型にしても、連通パイプ5Aに対する導入パイプ6Aの接続部にはクラックが発生しない。従って、加熱処理時には2つの熱交換器本体2を平面型にして炉内への多数収納を可能とし、その後にハ字型に曲げても問題ない。また、大径の導入パイプ6Aを採用しても、連通パイプ5Aに接続される端部10Aが扁平形状のため、連通パイプ5Aを必要以上に長くする必要がない。従って、2つの熱交換器本体2の間の間隔Dが狭くして、二面体熱交換器の全幅Wを小さくすることができ、車両への組み付けが容易になる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱交換器本体を、上面視でハの字型の配置した二面体構造の熱交換器に関するものである。
近年、自動車におけるラジエータやコンデンサ等の熱交換器本体を、上面視、即ち、上面から見下ろした状態で、ハの字型の二面体構造にして、通気面積の拡大を図り、熱交換性能を向上させる熱交換器が提案されている。この種の熱交換器は、それぞれ上部タンクと下部タンクとの間にコア部を有する構造の2つの熱交換器本体をハの字型に配置し、その上部タンク同士を上部連通パイプで接続し、下部タンク同士を下部連通パイプにより接続した構造になっている。そして、上部連通パイプにはエンジン冷却水や空調冷媒等の冷却流体を導入する導入パイプが接続され、下部連通パイプには熱交換器本体を通過した冷却流体を取り出す導出パイプが接続されている。
熱交換器はロウ付けした後に炉により加熱処理されるが、最初からハの字型だと、炉の内部に積載収納する際に嵩張り、一度に炉内に収容できる個数が大幅に減少して、製造コストの低下を招く。そのため、最初は2つの熱交換器本体を直線状の連通パイプで接続して平面型の熱交換器とし、炉内に多数収納して加熱処理した後に、2つの熱交換器本体を接続する連通パイプを曲げてハの字型にすることが考えられる(例えば、特許文献1。)。
特開2002−107094公報
しかしながら、加熱処理後に連通パイプを曲げると、曲げる際の連通パイプの歪みにより、導入パイプ等との接続部にクラックが生じるおそれがある。そのため、加熱処理後に連通パイプを曲げる構造は、炉内への多数収納を可能にするものでありながら、今まで採用されずにいた。
また、連通パイプに接続される導入・導出パイプは、連通パイプで2つに分岐された状態になるため、十分な流量を確保するために、連通パイプよりも大径にする必要がある。しかし、そうすると、連通パイプ中に占める導入・導出パイプとの接続部の断面積が増し、その分、導入・導出パイプの両側に位置する連通パイプが短くなって、十分な曲げ代が確保できなくなるため、連通パイプ自体を長めに設定しておく必要がある。その結果、2つの熱交換器本体から成る熱交換器全体の全幅が大きくなって、車体への組み付けが困難になることが予想される。
本発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、クラックの発生を防止し、炉内への多数収納を可能にすると共に、全幅を小さくすることができる二面体構造の熱交換器を提供するものである。
請求項1記載の発明は、上部タンクと下部タンクの間にコア部を有する構造で且つロウ付けした後に加熱処理される2つの熱交換器本体を、上面視で、ハの字型に配置し、上部タンク及び下部タンクの対応端部同士を、熱交換器本体と一緒に加熱処理した後に曲げられる上部連通パイプと下部連通パイプとによりそれぞれ接続し、上部連通パイプ又は下部連通パイプの一方に冷却流体の導入パイプが、他方に冷却流体の導出パイプが、それぞれ上部連通パイプ及び下部連通パイプを曲げる前に接続されている二面体構造の熱交換器であって、前記上部連通パイプ及び下部連通パイプの一部には、それぞれ所定長さの直線部が形成され、該直線部に上部連通パイプ及び下部連通パイプよりも大径の導入パイプ及び導出パイプの端部がそれぞれ接続されていると共に、導入パイプ及び導出パイプの端部が、直線部の長手方向に沿った方向での幅を小さくした扁平形状をしていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、直線部の中央に導入パイプ及び導出パイプを接続し、導入パイプ及び導出パイプの両側にそれぞれ5mmの直線部が存在することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、上部連通パイプ及び下部連通パイプの両側部分が、直線部に対して鈍角となるように曲折形成されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、連通パイプに、曲げない直線部を残し、そこに導入パイプ等を接続したため、加熱処理後に連通パイプを曲げて、熱交換器本体を、上面視でハの字型にしても、連通パイプに対する導入パイプ等の接続部にはクラックが発生しない。従って、加熱処理時には2つの熱交換器本体を平面型にして炉内への多数収納を可能とし、その後にハの字型に曲げても問題ない。また、大径の導入・導出パイプを採用しても、連通パイプに接続される端部が扁平形状のため、連通パイプを必要以上に長くする必要がない。従って、2つの熱交換器本体の間の間隔が狭くして、二面体熱交換器の全幅を小さくすることができ、車両への組み付けが容易になる。
請求項2記載の発明によれば、連通パイプの曲折部から5mmの直線部は、導入パイプ等との接続部にクラックが発生するのを防止できる最小寸法であり、その最小寸法が導入パイプ等の両側に確保されているため、クラックの発生を確実に防止した状態で、直線部の長さを最小にすることができる。従って、連通パイプの長さも短くなって、2つの熱交換器本体の間の間隔が狭くなるため、二面体熱交換器の全幅が更に小さくなり、車両への組み付けが容易になる。
請求項3記載の発明によれば、連通パイプ等の両側部分が、直線部に対して鈍角となるように曲折形成されているため、曲折部が扁平状に変形せず、内部を流れる冷却流体の通過抵抗を増加させない。
クラックの発生を防止し、炉内への多数収納を可能にすると共に、全幅を小さくすることができる二面体構造の熱交換器を提供する、という目的を、上部タンクと下部タンクとの間にコア部を有する構造で且つロウ付けした後に加熱処理される2つの熱交換器本体を、上面視で、ハの字型に配置し、上部タンク及び下部タンクの対応端部同士を、熱交換器本体と一緒に加熱処理した後に曲げられる上部連通パイプと下部連通パイプによりそれぞれ接続し、上部連通パイプ又は下部連通パイプの一方に冷却流体の導入パイプが、他方に冷却流体の導出パイプが、それぞれ上部連通パイプ及び下部連通パイプを曲げる前に接続されている二面体構造の熱交換器であって、前記上部連通パイプ及び下部連通パイプの一部には、それぞれ所定長さの直線部が形成され、該直線部に上部連通パイプ及び下部連通パイプよりも大径の導入パイプ及び導出パイプの端部がそれぞれ接続されていると共に、導入パイプ及び導出パイプの端部が、直線部の長手方向に沿った方向での幅を小さくした扁平形状をしていることで、実現した。
以下、本発明の一実施例を図1〜図6に基づいて説明する。この実施例に係る二面体構造の熱交換器1は、自動車の前部に配置されるコンデンサで、上面視でハの字型に配置された2つの熱交換器本体2を備えている。各熱交換器本体2は、上部タンク3Aと下部タンク3Bの間にコア部4を有する構造になっている。
各熱交換器本体2における上部タンク3A同士は上部連通パイプ5Aにより接続され、下部タンク3B同士は下部連通パイプ5Bにより接続されている。上部連通パイプ5A及び下部連通パイプ5Bは両方とも太さaで、熱交換器本体2がハ字型のため曲げられた形状をしている。
この上部連通パイプ5Aの中央には、導入パイプ6Aの端部10Aが接続され、下部連通パイプ5Bの中央には、導出パイプ6Bの端部10Bが接続されている。導入パイプ6A及び導出パイプ6Bは、上下方向で互いに向かい合う方向へ延びた後、先端側が水平に曲折形成されている。そして、導入パイプ6Aから送られた熱交換媒体が、上部連通パイプ5Aで分岐されて2つの熱交換器本体2の上部タンク3Aに入り、上部タンク3Aからコア部4を通過する間に通過空気により冷却され、下部タンク3Bから下部連通パイプ5Bを経て、導出パイプ6Bより循環される。
導入パイプ6A及び導出パイプ6Bは両方とも太さbで、上部連通パイプ5A及び下部連通パイプ5Bよりも太く形成されている。これは、上部連通パイプ5A及び下部連通パイプ5Bで2つに分岐された状態になるため、十分な流量を確保するために、太く形成したものである。上部連通パイプ5A及び下部連通パイプ5Bに接続される導入パイプ6A及び導出パイプ6Bの端部10A、10Bは、導入パイプ6A及び導出パイプ6Bの長手方向に沿った方向での幅dを狭くした扁平形状(長孔形状)をしている。端部10A、10Bの端末にはキャップ11が設けらている。端部10A、10Bの内部に位置する導入パイプ6A及び導出パイプ6Bには開口12形成され、冷却流体の通過が可能になっている。
この熱交換器1は、2つの熱交換器本体2をハの字型に配置した構造だが、最初は図5に示されるように、上部連通パイプ5A及び下部連通パイプ5Bが全体的に直線状で、2つの熱交換器本体2も直線状に並んだ平面型になっている。導入パイプ6A及び導出パイプ6Bも曲げられず、真っ直ぐに向かい合った状態で隣り合っている。
最初に熱交換器1を、このように平面型にしているのは、この方が熱交換器1に対して行われるロウ付け後の加熱処理を、炉内において多数同時に行えるからである。すなわち、ハの字型だと炉内に積み重ねて収納する際に嵩張って、多くの熱交換器1を一度に収納することはできないが、平面型だと多数の熱交換器1を重ね合わせて一度に炉内へ収納することができるからである。一度に炉内へ収納することができることで、熱交換器1を所定時間内に大量に生産でき、原価が著しく低減できる。
そして、加熱処理が済んだ後に、図6に示すように、上部連通パイプ5A及び下部連通パイプ5Bを曲げて、2つの熱交換器本体2をハの字型にする。導入パイプ6A及び導出パイプ6Bも先端側が曲げられる。
以下、上部連通パイプ5Aと下部連通パイプ5Bの曲げ方を説明するが、両方とも曲げ方は同じであるため、図2及び図4に基づいて、上部連通パイプ5Aを曲げる例を代表して説明し、下部連通パイプ5Bの説明は省略する。
上部連通パイプ5Aを曲げる際、導入パイプ6Aの端部10Aが接続された中央部は直線部7として残しておき、両側部分8だけを曲折部9から既知のベンダー装置等を利用して曲げる。曲折部9において曲げる角度θは鈍角で、両側部分8を直線部7に対して直角以下に曲げない。両側部分8の上部タンク3Aへの接続角度にもよるが、曲折部9の角度θが直角以下でもハの字型が成立する場合があるが、直角以下に曲げると、曲折部9が扁平状に変形して、内部を流れる冷却流体の通過抵抗を増加させるため好ましくない。
そして、導入パイプ6Aは直線部7の中央に接続され、導入パイプ6Aの両側には、それぞれ5mmの直線部7を確保している(尚、図2等では5mm部分が誇張して図示されている)。このように、上部連通パイプ5Aに曲げない直線部7を残し、そこに導入パイプ6Aを接続したため、加熱処理後に上部連通パイプ5Aを曲げて、熱交換器本体2をハの字型にしても、上部連通パイプ5Aにおける曲折部9の歪みが導入パイプ6Aの接続部まで影響せず、接続部にクラックが発生しない。従って、加熱処理前は2つの熱交換器本体2を平面型にして、炉内への多数収納を可能とし、加熱処理後はハの字型にして車体へ組み付けることが可能となる。
また、上部連通パイプ5Aの曲折部9から5mmの直線部7は、導入パイプ6Aとの接続部にクラックが発生するのを防止できる最小寸法であり、その最小寸法が導入パイプ6Aの接続部の両側に確保されているため、クラックの発生を確実に防止した状態で、直線部7の長さを最小にすることができる。
更に、上部連通パイプ5Aの端部10Aが扁平形状のため、大径の導入パイプ6Aを採用しても、直線部7中に占める端部10Aの断面積が小さく、直線部7全体を短くすることができる。
このように、幅dの狭い扁平形状の端部10Aにしたこと。また、端部10Aの両側をクラック防止が可能な最小寸法(5mm)にしたにより、上部連通パイプ5Aが短くなり、図6に示すように、2つの熱交換器本体2の間の間隔Dが狭くなる。従って、二面体熱交換器1の全幅Wが小さくなり、車両への組み付けが容易になる。
以上の実施例では、熱交換器1としてコンデンサを例にしたが、空調用のエバポレータでも良い。また、上部連通パイプ5Aや下部連通パイプ5Bの「曲げ方」としては、実施例のような「曲折」に限定されず、徐々に曲げる「湾曲」でも良い。また、「扁平形状」は「長孔状」に限定されず、「楕円」その他の形状でも良い。
本発明の一実施例に係る二面体構造の熱交換器を示す斜視図。 図1中の要部を示す拡大平面図。 図1の導入パイプを直線部の長手方向に沿って示した断面図。 図1の導入パイプを直線部の直交方向に沿って示した断面図。 図1の熱交換器が平面型の状態である時を示す平面図。 図1の熱交換器がハ字型の状態である時を示す平面図。
符号の説明
1 熱交換器
2 熱交換器本体
3A 上部タンク
3B 下部タンク
4 コア部
5A 上部連通パイプ
5B 下部連通パイプ
6A 導入パイプ
6B 導出パイプ
7 直線部
8 両側部分
9 曲折部
10A、10B 端部
11 キャップ
12 開口
a 上部・下部連通パイプの太さ
b 導入・導出パイプの太さ
d 扁平形状の幅
θ 鈍角
D 熱交換器本体の間の間隔
W 熱交換器本体の全幅

Claims (3)

  1. 上部タンク(3A)と下部タンク(3B)の間にコア部(4)を有する構造で且つロウ付けした後に加熱処理される2つの熱交換器本体(2)を、上面視で、ハの字型に配置し、
    上部タンク(3A)及び下部タンク(3B)の対応端部同士を、熱交換器本体(2)と一緒に加熱処理した後に曲げられる上部連通パイプ(5A)と下部連通パイプ(5B)によりそれぞれ接続し、
    上部連通パイプ(5A)又は下部連通パイプ(5B)の一方に冷却流体の導入パイプ(6A)が、他方に冷却流体の導出パイプ(6B)が、それぞれ上部連通パイプ(5A)及び下部連通パイプ(5B)を曲げる前に接続されている二面体構造の熱交換器であって、
    前記上部連通パイプ(5A)及び下部連通パイプ(5B)の一部には、それぞれ所定長さの直線部(7)が形成され、該直線部(7)に上部連通パイプ(5A)及び下部連通パイプ(5B)よりも大径の導入パイプ(6A)及び導出パイプ(6B)の端部(10A、10B)がそれぞれ接続されていると共に、
    導入パイプ(6A)及び導出パイプ(6B)の端部(10A、10B)が、直線部(7)の長手方向に沿った方向での幅(d)を小さくした扁平形状をしていることを特徴とする二面体構造の熱交換器。
  2. 請求項1記載の二面体構造の熱交換器であって、
    直線部(7)の中央に導入パイプ(6A)及び導出パイプ(6B)を接続し、導入パイプ(6A)及び導出パイプ(6B)の両側にそれぞれ5mmの直線部(7)が存在することを特徴とする二面体構造の熱交換器。
  3. 請求項2記載の二面体構造の熱交換器であって、
    上部連通パイプ(5A)及び下部連通パイプ(5B)の両側部分(8)が、直線部(7)に対して鈍角(θ)となるように曲折形成されていることを特徴とする二面体構造の熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101902017B1 (ko) * 2011-11-18 2018-09-27 엘지전자 주식회사 열교환기 및 그 제조방법

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