JP2005330838A - 高圧ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 部品の脱落を防止した信頼性の高い高圧ポンプを提供する。
【解決手段】 高圧燃料ポンプ10は、リフタシリンダ部43pに対して往復運動するリフタ本体部22と、リフタ本体部22に圧入固定され、リフタ本体部22の往復運動と同時に繰り返し荷重を受けるシム部23とからなる組立て式リフタ21を備え、所定の姿勢で設置される。シム部23は、その所定の姿勢において鉛直上側からリフタ本体部22に圧入される。
【選択図】 図2

Description

この発明は、一般的には、高圧ポンプに関し、より特定的には、回転するカムの運動が伝達されて作動する高圧ポンプに関する。
従来、カムの回転運動を利用してプランジャーを往復運動させ、これによって加圧室内に配置された燃料等を高圧で供給する高圧ポンプが知られている。このような高圧ポンプには、カムの回転運動をプランジャーに伝えるリフタと呼ばれる部材が、カムに接触して配置されている。このリフタは、カムとの接触により生じる接触面圧に耐えるため、高強度でなければならない。しかしその一方で、リフタを高強度材料から形成するとその成形性が悪化するという背反事項が存在する。そこで、カムに接触し、高強度を必要とするシム部材と、シリンダと摺動する本体部とから構成された組立て式リフタが提案されている。
このような組立て式リフタを備えた高圧ポンプに関して、たとえば、特開2001−304069号公報には、加工を容易にすることを目的とした燃料供給装置が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された燃料供給装置は、円筒状の摺動部材とポンプカムに接触する平板状のタペットとからなる受力部材を備える。受力部材は、タペットが摺動部材に鉛直下側から嵌め合わされることによって構成されている。
また、特開2000−145572号公報には、焼き付きの発生を防止することを目的とした燃料噴射ポンプが開示されている(特許文献2)。特許文献2に開示された燃料噴射ポンプは、カムリングと摺動する摺動面が形成されたタペットシューと、そのタペットシューが組み付けられるタペットとを備える。タペットシューは、タペットに対して鉛直下側から圧入されている。
さらに、特開2002−31017号公報には、耐摩耗性の向上を図った高圧ポンプが開示されている(特許文献3)。特許文献3に開示された高圧ポンプは、カムの運動を受けて往復運動するリフタを備える。リフタの底部に形成された凹部には、カムと接触する円板状のアウターシムが鉛直下側から嵌め込まれている。
特開2001−304069号公報 特開2000−145572号公報 特開2002−31017号公報
組立て式リフタを構成するシム部材は、カムとの接触によって過大な接触面圧を受ける。しかし、このような厳しい環境下で用いられるにもかかわらず、上述の特許文献1から3では、そのシム部材に対応する部材が、本体部に対応する部材に鉛直下側から、嵌め込まれたり圧入されたりしている。このため、高圧ポンプの使用過程において、シム部材が本体部から脱落するという問題が生じる。シム部材が脱落すると、高圧ポンプの作動に支障が生じるほか、脱落したシム部材によってカムが損傷する等、2次トラブルが発生するおそれもある。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、部品の脱落を防止した信頼性の高い高圧ポンプを提供することである。
この発明の1つの局面に従った高圧ポンプは、シリンダに対して往復運動する本体部と、本体部に圧入固定され、本体部の往復運動と同時に繰り返し荷重を受ける板部材とからなる組立て式リフタを備え、所定の姿勢で設置される高圧ポンプである。板部材は、その所定の姿勢において鉛直上側から本体部に圧入される。
なお、ここで言う圧入固定とは、圧力をかけて押し込み、その押し込んだ位置に固定することを言い、板部材は、締り嵌めによって本体部に固定される。圧入固定には、加温膨張を利用して押し込み、冷却収縮によりその押し込んだ位置に固定する焼嵌めが含まれる。また、ここで言う鉛直上側とは、水平線(鉛直方向に垂直な直線)に対して地面とは反対に位置する側を言う。
このように構成された高圧ポンプによれば、板部材は、高圧ポンプがその使用過程で置かれる所定の姿勢において鉛直上側となる位置から、本体部に向けて圧入固定される。このため、高圧ポンプの使用過程で、本体部に対する板部材の圧入固定が緩んだとしても、板部材が鉛直下側に脱落するということがなく、板部材を本体部に留めることができる。これにより、所望の作動状態が継続して得られる信頼性の高い高圧ポンプを実現することができる。
また、本体部は、所定の姿勢において板部材の重量を受ける表面を有する。このように構成された高圧ポンプによれば、その表面によって板部材を保持し、板部材が本体部から脱落することを防止する。
また好ましくは、板部材は、板部材を本体部に圧入する方向に沿って拡大するテーパ部を有する。本体部は、テーパ部に対応するテーパ形状が形成された開口部を有する。加温された開口部にテーパ部が圧入されることによって、板部材が本体部に固定される。このように構成された高圧ポンプによれば、開口部とテーパ部との嵌り合いにより、板部材は、本体部に圧入された方向の反対方向へも固定される。このため、板部材の脱落をより確実に防止することができる。
この発明の別の局面に従った高圧ポンプは、シリンダに対して往復運動する本体部と、本体部に圧入固定され、本体部の往復運動と同時に繰り返し荷重を受ける板部材とからなる組立て式リフタを備え、所定の姿勢で設置される高圧ポンプである。板部材は、所定の姿勢において水平方向から本体部に圧入される。
このように構成された高圧ポンプによれば、板部材は、高圧ポンプがその使用過程で置かれる所定の姿勢において水平方向となる位置から、本体部に向けて圧入固定される。このため、高圧ポンプの使用過程で、本体部に対する板部材の圧入固定が緩んだとしても、板部材が鉛直上側や鉛直下側に脱落するということがなく、板部材を本体部に留めることができる。
また、本体部は、所定の姿勢において板部材の重量を受ける第1の表面と、第1の表面に向い合う第2の表面とを有する。このように構成された高圧ポンプによれば、その第1および第2の表面によって板部材を両側から保持し、板部材が本体部から脱落することを防止する。
また好ましくは、高圧ポンプは、本体部に圧入された板部材の位置を固定する位置決め部材をさらに備える。このように構成された高圧ポンプによれば、本体部に対する板部材の圧入固定が緩んだとしても、板部材が水平方向に抜け落ちるということがない。
以上説明したように、この発明に従えば、部品の脱落を防止した信頼性の高い高圧ポンプを提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における高圧燃料ポンプが用いられたエンジンの燃料供給装置を示す構成図である。まず、図1中に示す燃料供給装置の概略について説明を行なう。図1を参照して、燃料供給装置は、燃料タンク54内の燃料を、エンジン63の各気筒の燃料室に高圧で噴射供給するための装置であり、車両に搭載されている。燃料供給装置は、高圧燃料ポンプ10、蓄圧配管61(デリバリパイプ、コモンレール等)およびインジェクタ62などから構成されている。
高圧燃料ポンプ10は、燃料を高圧に加圧してこれを蓄圧配管61に圧送する役割を果たす。高圧燃料ポンプ10は、ポンプシリンダ12と、ポンプシリンダ12内で往復運動するプランジャー13と、ポンプシリンダ12およびプランジャー13により区画形成された加圧室11と、プランジャー13の下端に接続された組立て式リフタ21とを備える。
組立て式リフタ21には、スプリング14が取り付けられており、そのスプリング14の弾性力によって、カムシャフト16に形成されたポンプカム17に圧接されている。カムシャフト16にエンジン63で発生した回転力が伝達されると、ポンプカム17が同時に回転する。これにより、プランジャー13が、そのポンプカム17に圧接された組立て式リフタ21を介してポンプシリンダ12内を往復運動し、加圧室11の容積が変化する。
高圧燃料ポンプ10の加圧室11は、低圧燃料通路73によって燃料タンク54に接続されている。低圧燃料通路73の加圧室11に通じる位置には、弁体85を備える電磁スピル弁81が設けられている。燃料タンク54内には、低圧フィードポンプ53、燃料フィルタ51およびプレッシャレギュレータ52が設置されている。
低圧フィードポンプ53は、エンジン63の始動に伴い電気的に駆動され、燃料タンク54内の燃料を低圧燃料通路73を介して高圧燃料ポンプ10に移送する。低圧燃料通路73を燃料が通過する際、燃料内に混入している不純物は、燃料フィルタ51によって取り除かれる。また、低圧燃料通路73内の燃料圧力(燃圧)は、プレッシャレギュレータ52によって予め定められた一定値に保たれる。つまり、低圧燃料通路73内の燃圧がこの一定値以上になる場合には、プレッシャレギュレータ52を通じて低圧燃料通路73から燃料タンク54に燃料が戻される。
低圧燃料通路73を通過した燃料は、電磁スピル弁81を介して高圧燃料ポンプ10の加圧室11内に導入される。この電磁スピル弁81は、常開型の電磁弁であり、ソレノイドコイル83への通電の有無に基づいて閉弁状態または開弁状態に制御される。すなわち、ソレノイドコイル83への通電がない場合には、スプリング82の弾性力によって弁体85が、加圧室11のシート部84から離座する開弁状態に維持される。一方、ソレノイドコイル83への通電が行われると、スプリング82の弾性力に抗して弁体85がシート部84に着座し、閉弁状態になる。
加圧室11は、その経路上に逆止弁71が設けられた高圧燃料通路72によって、蓄圧配管61に接続されている。蓄圧配管61には、高圧燃料ポンプ10によって、加圧室11から高圧の燃料が供給される。この際、逆止弁71は、加圧室11から蓄圧配管61に向かう燃料の流通のみを許容し、蓄圧配管61から加圧室11への燃料の逆流を規制している。蓄圧配管61は、燃料を高圧の状態に保持するとともに、その燃料をエンジン63の各気筒に設けられたインジェクタ62に分配する。これら各インジェクタ62からは、エンジン63の各気筒の燃焼室に対して所定量の燃料が噴射される。
カムシャフト16の回転に伴いプランジャー13が下動する高圧燃料ポンプ10の吸入行程時には、低圧燃料通路73内の燃料が、加圧室11内に吸入される。一方、カムシャフト16の回転に伴いプランジャー13が上昇する高圧燃料ポンプ10の圧送行程時には、加圧室11内の燃料が、高圧燃料通路72および蓄圧配管61に圧送される。ただし、高圧燃料通路72および蓄圧配管61に燃料が圧送されるのは、圧送行程時において、電磁スピル弁81が閉弁している期間のみであって、圧送行程時であっても電磁スピル弁81が開弁している期間は、加圧室11内の燃料は低圧燃料通路73に戻される。このため、圧送行程時における電磁スピル弁81の閉弁期間を制御することにより、高圧燃料通路72に圧送する燃料を調量することができる。
こうした高圧燃料通路72への燃料圧送量を調量するための電磁スピル弁81の開閉制御は、エンジン63の運転を統括制御するECU(electrical control unit)55によって行われる。ECU55は、圧送行程時においてソレノイドコイル83への通電開始時期(電磁スピル弁81の閉弁開始時期)を制御することにより、圧送行程時の電磁スピル弁81の閉弁期間を制御し、高圧燃料通路72への燃料圧送量を高い精度で要求される値へと調量する。
図2は、図1中に示す高圧燃料ポンプを示す断面図である。続いて、本実施の形態における高圧燃料ポンプについて説明を行なう。図2を参照して、図中の矢印2に示す方向は、鉛直下方向に一致する。車両が平地に置かれた状態において、高圧燃料ポンプ10は、その直下にカムシャフト16が位置し、プランジャー13が鉛直方向に延びるように車両に搭載されている。高圧燃料ポンプ10は、ポンプシリンダ12の周りに配置されたハウジング41と、ハウジング41に下方よりボルト止めされ、ポンプシリンダ12をハウジング41内に保持するブラケット43とをさらに備える。
ポンプシリンダ12は、シリンダ壁12aを有し、そのシリンダ壁12aに囲まれた空間に、プランジャー13が摺動可能に封入されている。ポンプシリンダ12内には、プランジャー13の上端側に位置して加圧室11が形成されている。ポンプシリンダ12の下端には、プランジャー13の外周面に沿って密着するシール部材48が取り付けられている。シール部材48は、ポンプシリンダ12とプランジャー13との間から漏れた燃料がエンジン側に浸入し、潤滑油が希釈されることを防止する。
ブラケット43には、その下端面から鉛直下方向に筒状に延びるリフタシリンダ部43pが形成されている。リフタシリンダ部43pの内側には、その軸線方向に摺動可能なように組立て式リフタ21が嵌装されている。プランジャー13の下端側の外周には、リテーナ49が係合されており、リテーナ49とブラケット43の下端面との間には、スプリング14が圧縮状態で配置されている。スプリング14の弾性力により、組立て式リフタ21がプランジャー13の下端に押し付けられるとともに、組立て式リフタ21がカムシャフト16のポンプカム17に向けて付勢される。
図3は、図2中の組立て式リフタを拡大して示す断面図である。図2および図3を参照して、組立て式リフタ21は、リフタシリンダ部43pに嵌装されるリフタ本体部22と、カムシャフト16のポンプカム17に接触するシム部23とから構成されている。リフタ本体部22とシム部23とは、圧入固定により組み合わされており、ボルトやかしめ等の締結部品が用いられていない。このため、本実施の形態では、これら締結部品が組立て式リフタ21から脱落し、カムが損傷するというおそれがない。
リフタ本体部22は、筒状に延びる筒状部分22mと、筒状部分22mの下端に形成された底部分22nとから構成されている。筒状部分22mは、リフタシリンダ部43pの内壁と摺接する外周面を有する。底部分22nは、筒状部分22mの内側で鉛直上方向に面する周縁面22aを有する。底部分22nには、周縁面22aに開口し、矢印2に示す方向に沿って拡径するテーパ面24aを有する開口部24が形成されている。
シム部23は、鍔部分23mと、鍔部分23mの下面から突出するテーパ部分23nとから構成されている。テーパ部分23nは、テーパ面24aに対応する形状であって、矢印2に示す方向に沿って拡径するテーパ面26と、テーパ面26に連なり、鉛直下方向に面する底面23aとを有する。底面23aは、ポンプカム17に接触する表面であり、カムシャフト16の回転とともにポンプカム17から繰り返し荷重を受ける表面である。
リフタ本体部22は、たとえば、クロムモリブデン鋼(SCM)から形成されており、シム部23は、たとえば、クロムモリブデン鋼よりも高い硬度を有するダイス鋼(SKD)から形成されている。ダイス鋼は、切削性や鍛造性に劣るため、リフタの全体をダイス鋼から形成した場合には、その生産性が著しく低下する。しかし、本実施の形態では、ポンプカム17に接触するシム部23のみを高強度のダイス鋼から形成し、さらに、そのシム部23の形状を比較的簡素な形状としている。このため、ポンプカム17からの過大な接触応力に耐えるリフタを、低コストで効率良く生産することができる。
シム部23は、リフタ本体部22に対して鉛直上側から圧入して固定される。より詳細には、シム部23が圧入固定される底部分22nを通って延びる水平線27を規定した場合に、シム部23は、その水平線27よりも上側(地面がある側とは反対側)から圧入して固定される。
具体的には、まず、リフタ本体部22の底部分22nが、たとえば数百度の温度まで加温されることによって熱膨張し、開口部24が拡径される。その状態で、シム部23が開口部24に矢印2に示す方向から挿入される。シム部23が、鍔部分23mがリフタ本体部22の周縁面22aに当接する位置に位置決めされた後、底部分22nの温度が下がることによって、開口部24が元の寸法に縮径する。これにより、シム部23がリフタ本体部22に対して固定される。
なお、本実施の形態では、シム部23をリフタ本体部22に対して矢印2に示す方向、つまり鉛直下方向に挿入して組み付けたが、本発明は、これに限定されるものではない。鉛直上側からであれば、水平線27に対して斜め方向からシム部23を挿入しても良い。また、組立て式リフタ21は、締め代を持ったシム部23がリフタ本体部22に圧入固定される締り嵌めによって組み立てられても良い。また、組立て式リフタ21は、プランジャー13と一体に形成されていても良い。
この発明の実施の形態1における高圧ポンプとしての高圧燃料ポンプ10は、シリンダとしてのリフタシリンダ部43pに対して往復運動する本体部としてのリフタ本体部22と、リフタ本体部22に圧入固定され、リフタ本体部22の往復運動と同時に繰り返し荷重を受ける板部材としてのシム部23とからなる組立て式リフタ21を備え、所定の姿勢で設置される。シム部23は、その所定の姿勢において鉛直上側からリフタ本体部22に圧入される。
リフタ本体部22は、所定の姿勢においてシム部23の重量を受ける表面としての周縁面22aを有する。シム部23は、シム部23をリフタ本体部22に圧入する方向に沿って拡大するテーパ部としてのテーパ部分23nを有する。リフタ本体部22は、テーパ部分23nに対応するテーパ形状が形成された開口部24を有する。加温された開口部24にテーパ部分23nが圧入されることによって、シム部23がリフタ本体部22に固定される。
このように構成された、この発明の実施の形態1における高圧燃料ポンプ10によれば、シム部23がリフタ本体部22に圧入固定される方向が鉛直上側からであるため、開口部24に対するシム部23の固定が緩む場合があっても、シム部23がリフタ本体部22から脱落するということがない。つまり、このような場合であっても、リフタ本体部22の周縁面22aがシム部23の重量を受けることによって、シム部23の脱落を防止できる。また、シム部23は、所定の方向に拡大するテーパ構造を利用して開口部24に嵌め合わされている。このため、ポンプカム17がシム部23の底面23aを押圧するにもかかわらず、シム部23が鉛直上側に抜けるということがない。したがって、本実施の形態によれば、高圧燃料ポンプ10を正常な状態で作動させ続けるとともに、シム部23が回転するカムシャフト16上に落下し、カムが損傷するといった事態を回避することができる。
(実施の形態2)
図4は、この発明の実施の形態2における高圧燃料ポンプを示す断面図である。図中には、本実施の形態における高圧燃料ポンプが備える組立て式リフタが、図3中に示す断面と同様の断面で示されている。図5は、図4中の矢印Vから見た組立て式リフタを示す底面図である。本実施の形態における高圧燃料ポンプは、実施の形態1における高圧燃料ポンプ10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
図4および図5を参照して、本実施の形態における組立て式リフタ31は、筒状部分32mおよび底部分32nからなるリフタ本体部32と、シム部33とが組み合わされて構成されている。リフタ本体部32の底部分32nには、リフタ本体部32の側面に開口され、水平方向に延在するスリット部36が形成されている。スリット部36は、鉛直上方向に面する表面34pと、表面34pに向い合い、鉛直下方向に面する表面34qとに挟まれた位置に形成されている。底部分32nには、リフタ本体部32の底面からスリット部36に連通する孔38が形成されている。
シム部33は、円盤状の形状に形成されている。シム部33は、シム部33がスリット部36に位置決めされた状態で、孔38から露出する底面33aを有する。底面33aは、ポンプカム17に接触する表面であり、カムシャフト16の回転とともにポンプカム17から繰り返し荷重を受ける表面である。
シム部33は、リフタ本体部32に対して水平方向から圧入して固定される。具体的には、シム部33は、スリット部36に矢印39に示す水平方向から圧入され、表面34pおよび34qに挟持された状態で位置決めされる。組立て式リフタ31には、さらに、抜け止めピン37が設けられており、その抜け止めピン37によって、スリット部36に位置決めされたシム部33の水平方向の移動が規制される。
この発明の実施の形態2における高圧燃料ポンプは、リフタシリンダ部43pに対して往復運動する本体部としてのリフタ本体部32と、リフタ本体部32に圧入固定され、リフタ本体部32の往復運動と同時に繰り返し荷重を受ける板部材としてのシム部33とからなる組立て式リフタ31を備え、所定の姿勢で設置される。シム部33は、所定の姿勢において水平方向からリフタ本体部32に圧入される。
リフタ本体部32は、所定の姿勢においてシム部33の重量を受ける第1の表面としての表面34pと、表面34pに向い合う第2の表面としての表面34qとを有する。高圧燃料ポンプは、リフタ本体部32に圧入されたシム部33の位置を固定する位置決め部材としての抜け止めピン37をさらに備える。
このように構成された、この発明の実施の形態2における高圧燃料ポンプによれば、シム部33がリフタ本体部32に圧入固定される方向が水平方向からであるため、スリット部36に対するシム部33の固定が緩む場合があっても、シム部33がリフタ本体部32から脱落するということがない。つまり、このような場合であっても、リフタ本体部32の表面34pがシム部33の重量を受け、表面34qが鉛直上側へのシム部33の移動を規制することによって、シム部33の脱落を防止できる。さらに、本実施の形態では、抜け止めピン37が設けられているため、シム部33が水平方向に脱落するということもない。これらの理由から、本実施の形態においても、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を奏することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1における高圧燃料ポンプが用いられたエンジンの燃料供給装置を示す構成図である。 図1中に示す高圧燃料ポンプを示す断面図である。 図2中の組立て式リフタを拡大して示す断面図である。 この発明の実施の形態2における高圧燃料ポンプを示す断面図である。 図5は、図4中の矢印Vから見た組立て式リフタを示す底面図である。
符号の説明
10 高圧燃料ポンプ、21,31 組立て式リフタ、22,32 リフタ本体部、22a 周縁面、23,33 シム部、34p,34q 表面、23n テーパ部分、24 開口部、37 抜け止めピン、43p リフタシリンダ部。

Claims (6)

  1. シリンダに対して往復運動する本体部と、前記本体部に圧入固定され、前記本体部の往復運動と同時に繰り返し荷重を受ける板部材とからなる組立て式リフタを備え、
    所定の姿勢で設置される高圧ポンプであって、
    前記板部材は、前記所定の姿勢において鉛直上側から前記本体部に圧入される、高圧ポンプ。
  2. 前記本体部は、前記所定の姿勢において前記板部材の重量を受ける表面を有する、請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記板部材は、前記板部材を前記本体部に圧入する方向に沿って拡大するテーパ部を有し、
    前記本体部は、前記テーパ部に対応するテーパ形状が形成された開口部を有し、
    加温された前記開口部に前記テーパ部が圧入されることによって、前記板部材が前記本体部に固定される、請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
  4. シリンダに対して往復運動する本体部と、前記本体部に圧入固定され、前記本体部の往復運動と同時に繰り返し荷重を受ける板部材とからなる組立て式リフタを備え、
    所定の姿勢で設置される高圧ポンプであって、
    前記板部材は、前記所定の姿勢において水平方向から前記本体部に圧入される、高圧ポンプ。
  5. 前記本体部は、前記所定の姿勢において前記板部材の重量を受ける第1の表面と、前記第1の表面に向い合う第2の表面とを有する、請求項4に記載の高圧ポンプ。
  6. 前記本体部に圧入された前記板部材の位置を固定する位置決め部材をさらに備える、請求項4または5に記載の高圧ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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RU207469U1 (ru) * 2021-07-19 2021-10-28 Общество с ограниченной ответственностью Управляющая компания "Алтайский завод прецизионных изделий" Толкатель топливного насоса высокого давления

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RU207469U1 (ru) * 2021-07-19 2021-10-28 Общество с ограниченной ответственностью Управляющая компания "Алтайский завод прецизионных изделий" Толкатель топливного насоса высокого давления

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