JP2005330340A - 緑色発光蛍光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高輝度の白色系発光素子に用いられ、主に青色発光ダイオードが発する青色光による励起時に高い発光輝度を持つ緑色発光蛍光体を提供する
【解決手段】 緑色発光蛍光体は、一般式が(Ca1−x―y−zCeMn)Sで表され、Aがストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)の少なくともいずれか1つの元素とし、xは0≦x≦0.1とし、yは5×10−4≦y≦1×10−2とし、zは1×10−6≦z≦1×10−3とし、かつz≦y/10とすることにより、従来の蛍光体に比べ、優れた発光輝度をもつ緑色発光蛍光体となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、青色光線等の短波長領域の可視光線や紫外線を吸収し、より長波長の可視光を発する蛍光体に関し、さらに発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)等の半導体発光素子と組み合わせることにより、演色性が改善された白色発光素子を構成することができる蛍光体に関する。
半導体発光素子として、例えば窒化ガリウム(GaN)系青色発光ダイオードと、波長変換材料としての蛍光体とを組み合わせて構成し、白色等の可視光を発光する発光素子が知られている。これら白色等の可視光を発光する発光素子は、消費電力が小さく長寿命であるという特徴を活かして画像表示装置や照明装置の発光源として注目されている。
この発光素子は、例えば変換材料としての蛍光体が、GaN系青色発光ダイオードの発する青色領域の可視光を吸収して黄色光を発光し、さらに蛍光体に吸収されなかった発光ダイオードの青色光との混色により、白色の発光が得られるものである(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この白色光は青色とその補色である黄色とで形成されるため、演色性に欠けるという問題がある。
また、この青色と黄色とで形成された白色光の演色性を改善したものとして、例えば青色発光ダイオードと緑色発光蛍光体と赤色発光蛍光体とを組み合わせて白色光を形成するものがある(例えば特許文献2参照)。
上記緑色発光蛍光体としては、岩塩型結晶構造をもつアルカリ土類金属硫化物蛍光体、例えばセリウム賦活硫化カルシウム(CaS:Ce)蛍光体などが知られている。しかしながら、これらセリウム賦活硫化カルシウム系の蛍光体は上記の白色系光源用途としては、発光輝度が充分ではない。
これらセリウム賦活硫化カルシウム系の蛍光体の輝度を向上させるために、例えばハロゲン元素の存在下でリンを添加すること(例えば特許文献3参照)などが知られている。
また、別のアルカリ土類金属硫化物系蛍光体として、例えばマンガン賦活硫化カルシウム系蛍光体があり、電子線により黄緑色から赤橙色に発光しブラウン管用途などに用いられ、さらにこのマンガン賦活硫化カルシウム蛍光体に別の希土類元素を添加して、特性向上をはかる提案もなされている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、これら上記の蛍光体は、主に青色発光ダイオードが発する青色光の励起により緑色に高輝度に発光するという白色系光源用途としては、その発光輝度が不充分であり、さらなる高輝度の蛍光体が望まれている。
特開平10−242513号公報 (第2頁) 特開2002−60747号公報 (第1頁、第2頁) 特公昭56−49960号公報 (第1頁) 特開昭63−8467号公報 (第1頁)
本発明は、前述の従来技術に鑑み、高輝度の白色系発光素子を得るために用いられる、主に青色発光ダイオードが発する青色光により励起され、高い発光輝度を持つ緑色発光蛍光体を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく種々の実験を行なった結果、母体となるアルカリ土類金属硫化物に賦活剤としてセリウム(Ce)を用い、さらに微量のマンガン(Mn)を加えることにより、特に青色光の励起による発光輝度の向上が図れることを見出した。
請求項1記載の緑色発光蛍光体は、一般式が(Ca1−x―y−zCeMn)Sで表され、Aがストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)の少なくともいずれか1つの元素であり、xは0≦x≦0.1であり、yは5×10−4≦y≦1×10−2であり、zは1×10−6≦z≦1×10−3であり、かつz≦y/10であることを特徴としている。
そして、賦活剤であるセリウムの濃度yを5×10−4≦y≦1×10−2とした上で、マンガンを濃度zが1×10−6≦z≦1×10−3となるように微量に加え、かつマンガンの濃度zをかつz≦y/10とすることで、従来の同種の蛍光体と比べ優れた発光輝度をもつ緑色発光蛍光体となる。
ここで、セリウムの濃度yが5×10−4未満の場合は、主たる賦活剤のセリウムが不足するため発光輝度が低下し、セリウムの濃度yが1×10−2を超える場合は、濃度消光等によりやはり発光輝度が低下する。
さらに、マンガンの濃度zが1×10−6未満の場合は、マンガンの濃度が少なすぎるため発光輝度向上の効果が認められず、マンガンの濃度zが1×10−3を超える場合は、濃度消光等により、やはり発光輝度が低下する。
また、マンガン濃度zがセリウム濃度yの10分の1を超えた場合、すなわちz>y/10の場合は、セリウム濃度に対してマンガン濃度が増加するため、マンガンによる発光が見えてくるため、緑色発光蛍光体としては、好ましくない。
このため、セリウムの濃度yを5×10−4≦y≦1×10−2とした上で、マンガンを濃度zが1×10−6≦z≦1×10−3となるように微量に加え、かつマンガンの濃度zをかつz≦y/10とすることで、従来の同種の蛍光体と比べ優れた発光輝度をもつ緑色発光蛍光体が得られる。
さらに、Aで表されるアルカリ土類金属としてのストロンチウム、バリウムの少なくともいずれか一つの元素の濃度xがゼロ、すなわちAで表されるアルカリ土類金属をまったく加えずに、硫化カルシウムを母体とした場合において、セリウム濃度およびマンガン濃度を上記の範囲とすることで、従来の同種の蛍光体と比べ優れた発光輝度をもつ緑色発光蛍光体が得られるが、ここで、Aで表されるアルカリ土類金属の濃度xを0.1まで増加した場合、すなわちカルシウムの一部をAで表されるアルカリ土類金属で10%まで置換した場合には、上記効果に加えて、さらに増感効果により発光輝度が向上し、また発光スペクトルが若干変化するため、色調を調整したい場合に有効である。
ここで、Aで表されるアルカリ土類金属の濃度xが0.1を超えた場合、発光輝度が低下し好ましくなく、さらにxが0.2を超えた場合、蛍光体の化学的安定性、特に耐水性に問題が出てくるため、より好ましくない。
このため、Aで表されるアルカリ土類金属の濃度xを0≦x≦0.1とすることで、従来の同種の蛍光体と比べ優れた発光輝度をもつ緑色発光蛍光体が得られる。
なお、前述の特許文献4に記載されている発明、すなわち「Ca(1−x)S:αMn,βMで示され、式中、AはMg、Sr、Baのうちの少なくとも1種の元素であり、MはDy、Sm、Lu、Bi、Cu、Eu、Ce、Laのうちの少なくとも1種の元素であり、かつ母体に対する各付活剤の濃度をモル比で表したαおよびβ、並びに組成比xが、それぞれ、1×10−6≦α≦1×10−1、1×10−6≦β≦1×10−1、0≦x≦1×10−1の範囲にあることを特徴とする高輝度螢光体」は、Mにセリウム(Ce)を選択した場合、本願発明と構成が類似している。
しかしながら、この特許文献4記載の発明は、単色CRTディスプレイに用いられるオレンジ色発光の螢光体に関するものであり、付活剤であるマンガン(Mn)のオレンジ色発光を利用したもので、さらに色度点調整用の元素の一つとしてセリウムが用いられているものである。また、CRTディスプレイ用途のために発光輝度特性の評価には、励起条件として電子線が用いられている。
これに比べて、本願発明は、白色系発光素子を得るべく、主に青色発光ダイオードが発する青色光により励起され、高い発光輝度を持つ緑色発光蛍光体を提供することを目的としており、賦活剤としてのセリウム(Ce)の520nm付近の発光色を利用するものであり、その発光輝度を向上させるために、微量のマンガン(Mn)を添加するものである。さらに、上記目的のために励起条件として、青色発光ダイオードが発する例えば460nm付近の青色光に最適化されている。
従って、本願発明は、特許文献4記載の発明とは、発光色も目的も異なった蛍光体である。
請求項1記載の蛍光体によれば、一般式が(Ca1−x―y−zCeMn)Sで表され、Aがストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)の少なくともいずれか1つの元素とし、xは0≦x≦0.1とし、yは5×10−4≦y≦1×10−2とし、zは1×10−6≦z≦1×10−3とし、かつz≦y/10としたことで、従来の同種の蛍光体と比べ優れた発光輝度をもつ緑色発光蛍光体を得ることができる。
以下、本発明の一実施の形態における蛍光体を製造する工程を説明する。
まず、カルシウム(Ca)の原料として、例えば炭酸カルシウム(CaCO)と、Aで表されるアルカリ土類金属の原料として、例えば炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸バリウム(BaCO)等と、セリウム(Ce)の原料として、例えば酸化セリウム(CeO)等と、マンガン(Mn)の原料として、例えば炭酸マンガン(MnCO)等とを、各々所定量を例えば硝酸に溶解して硝酸塩にするなどして、これらの水溶液を得る。この水溶液を例えば300℃以下に加熱して水分を蒸発させ、さらに残留水分が1%以下程度になるまで蒸発皿等を用いて乾燥させ、硝酸塩の混合粉末を得る。次いで、前記硝酸塩混合粉末を室温で例えば30分程度、例えば乳鉢粉砕器等で粉砕した後、得られた粉末を窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気で、例えば約600℃で熱分解させ、所望の組成を有する金属酸化物の混合物を得る。
得られた金属酸化物の混合物を、硫化物ガスフロー雰囲気として例えば硫化水素(HS)ガスフローまたは二硫化炭素(CS)ガスフロー、およびこれらの組合せのガスフロー雰囲気中にて、例えば約800℃から約1000℃の焼成温度で、より好ましくは約900℃から約950℃の焼成温度で、約1時間から6時間、より好ましくは約4時間程度焼成し、その後冷却し、必要に応じて水洗浄、分散、乾燥、分級工程等を経て、所定の粒度の蛍光体を得る。
また、本発明の別の一実施の形態における蛍光体を製造する工程としては、例えば、上述の金属酸化物の混合物を得る熱分解工程までは上述と同一の工程とし、その後、前記金属酸化物の混合物に炭酸アルカリとして例えば炭酸ナトリウム(NaCO)と硫黄(S)とを乾式にて充分に混合した上で、例えば蓋をかぶせた空気中かまたは不活性から弱還元雰囲気として例えば窒素ガス雰囲気や窒素水素混合ガス雰囲気中にて、例えば約1100℃から約1300℃の焼成温度で、約1時間から6時間程度焼成し、その後冷却し、必要に応じて水洗浄、分散、乾燥、分級工程等を経て、所定の粒度の蛍光体を得る。
こうして得られた蛍光体は、一般式が(Ca1−x―y−zCeMn)Sで表され、Aがストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)の少なくともいずれか1つの元素であり、xは0≦x≦0.1であり、yは5×10−4≦y≦1×10−2であり、zは1×10−6≦z≦1×10−3であり、かつz≦y/10となる。
ここで、セリウムの濃度yは、5×10−4≦y≦1×10−2の範囲にあるのが好ましい。
また、マンガンの濃度zは、1×10−6≦z≦1×10−3の範囲にあるのが好ましい。
さらに、ストロンチウム、バリウムの濃度xは、0≦x≦0.1の範囲にあるのが好ましい。
次に、上記一実施の形態の実施例として、マンガン(Mn)の濃度zを変化させたときの発光輝度について説明する。
まず、カルシウム(Ca)の原料として炭酸カルシウム(CaCO)99.88g(Ca元素として0.9979モル)に、セリウム(Ce)の原料として酸化セリウム(CeO)344mg(Ce元素として2×10−3モル)、およびマンガン(Mn)の原料として炭酸マンガン(MnCO)11.5mg(Mn元素として1×10−4モル)を加え、2.2M硝酸(HNO)水溶液に溶解した。この各元素が溶解した水溶液を300℃以下で加熱し濃縮してゆき、さらに残留水分が1%以下程度となるまで乾燥させ、各元素の硝酸塩混合粉末を得た。得られた硝酸塩混合粉末を乳鉢粉砕器で室温にて30分程粉砕した後、窒素ガス雰囲気中にて約600℃で約加熱し、熱分解させて各元素の金属酸化物の混合物を得た。
得られた金属酸化物の混合物を、硫化水素(HS)ガスフロー雰囲気中にて約950℃の焼成温度で約4時間焼成し、その後冷却し、水洗浄、乾燥および分級工程を経て#100メッシュをパスして得られた蛍光体を試料1とした。
この試料1の蛍光体は、(Ca0.9979Ce0.002Mn0.0001)Sで表され、ここでセリウムの濃度yは2×10−3、マンガンの濃度zは1×10−4となる。
また、比較用として、マンガンを含まないほかは上記試料1と同様の条件で蛍光体を作成し、これを比較例1とした。すなわち、原料として炭酸カルシウム(CaCO)99.89g(Ca元素として0.998モル)、酸化セリウム(CeO)344mg(Ce元素として2×10−3モル)を用いたほかは、上記試料1と同様の条件で比較例1を得た。この比較例1は、(Ca0.998Ce0.002)Sで表される。
まず、試料1の励起スペクトルと発光スペクトルを分光蛍光光度計(F−4500型 日立製作所製)を用いて測定した。この結果を図1に示す。この図1より、従来のセリウム賦活硫酸カルシウム系蛍光体とほぼ同様の励起スペクトルと発光スペクトルを持っている事がわかる。
次に、試料1ないし比較例1の蛍光体を試料皿に入れ、波長465nmの青色光を照射したときに得られる蛍光の輝度を、輝度計(輝度計LS−110 コニカミノルタ製)を用いて測定した。このとき、輝度計の手前に500nm以下の波長をカットする光学フィルタを設けて、青色光光源からの影響を低減した。
その結果、比較例1の輝度を100とした場合の相対輝度として表すと、試料1は117%の相対輝度を示した。
さらに、セリウムの濃度yは2×10−3に固定し、マンガンの濃度zを5×10−7から3×10−3まで変化させたほかは試料1と同様の条件にて蛍光体を作成し、試料1と同様の方法でその発光輝度を測定し、比較例1の輝度を100とした場合の相対輝度として、図2のグラフに示した。
この、図2に示す結果より、セリウムの濃度yを2×10−3とした場合において、マンガンの濃度zが1×10−6から5×10−4の範囲において、相対輝度が105以上となり好ましいことがわかる。
さらに、7×10−6から1.2×10−4の範囲において、相対輝度が115以上となり、さらに好ましいことがわかる。
しかし、1×10−6未満の場合では、相対輝度が105を下回り、マンガンを加えた顕著な効果はみられない。また5×10−4を超えた範囲でも、同様に相対輝度が105を下回っており好ましくない。また、図2には示していないが、マンガンの濃度zがセシウムの濃度y(2×10−3)の1/10すなわち2×10−4を超えた場合、セシウムの濃度yに対するマンガンの濃度zが大きくなりすぎるため、マンガンの発光色である橙色系の発光が混入してくるため、これも好ましくない。
これらの結果より、セリウムの濃度yが2×10−3の場合においては、マンガンの濃度zが1×10−6から2×10−4の範囲において、従来の蛍光体に比べて優れた蛍光体となることがわかる。
次に、実施例2としてセリウム(Ce)の濃度yを2×10−3以外とした場合のマンガン(Mn)の濃度zと発光輝度について説明する。
セリウムの濃度yを表1に示す組合せのように、5×10−4ないし1×10−2としたときに、マンガンの濃度zを、5×10−7から1×10−3まで変化させ、その他の条件は試料1と同様にして、蛍光体を作成し、これを試料2−(1)ないし試料2−(10)とした。
比較のため、セリウムの濃度yを5×10−4ないし1×10−2とし、マンガンを含まない、すなわちマンガンの濃度zがゼロである蛍光体も作成し、これを比較例2−(a)ないし比較例2−(b)とした。
これら、試料2−(1)ないし試料2−(10)および比較例2−(a)ないし比較例2−(b)を、実施例1と同様にして波長465nmの青色光を照射したときに得られる蛍光の輝度を測定した。この結果を、試料2−(1)ないし試料2−(5)については、比較例2−(a)の輝度を100としたときの相対輝度で、試料2−(6)ないし試料2−(10)については、比較例2−(b)の輝度を100としたときの相対輝度で表し、表1に示した。
Figure 2005330340
これら表1に示す結果より、セリウムの濃度yが5×10−4の場合は、試料2−(2)ないし試料2−(4)の範囲、すなわちマンガンの濃度zが1×10−6ないし5×10−5の範囲において、相対輝度が105以上とあるように、好ましい発光輝度をもつことがわかり、またセリウムの濃度yが1×10−2の場合は、試料2−(7)ないし試料2−(9)の範囲、すなわちマンガンの濃度zが1×10−6ないし1×10−3の範囲において、相対輝度が105以上とあるように、好ましい発光輝度をもつことがわかる。
しかし、試料2−(1)または試料2−(6)すなわちマンガンの濃度zが1×10−6を下回り、5×10−7である場合、マンガンの濃度zが少なすぎるために相対輝度の向上効果がみられない。また、試料2−(5)または試料2−(10)すなわちマンガンの濃度zが、セリウムの濃度yの1/10を超えた場合、発光輝度が低下する傾向にあり、また表1には記載していないが、発光色中にマンガンの発光色である橙色系の発光が混入してくるため、これも好ましくない。
このほか、表1に掲げた以外のセリウムの濃度とマンガンの濃度の組合せについても、同様に検討したところ、マンガンの濃度zは、1×10−6以上1×10−3以下であり、かつセリウムの濃度yの1/10以下、すなわちz≦y/10の範囲において、マンガンを含まない従来の蛍光体に比べて優れた蛍光体となることが確認された。
次に、実施例3としてカルシウム(Ca)の一部をAで表されるアルカリ土類金属として、ストロンチウム(Sr)またはバリウム(Ba)あるいはその両方で置換した場合の発光輝度について説明する。
カルシウム(Ca)の一部をAで表されるアルカリ土類金属で置換した割合xと、セリウムの濃度yと、マンガンの濃度zとを、表2に示すような組合せで変化させ、その他の条件は試料1と同様にして、蛍光体を作成し、これを試料3−(1)ないし試料3−(8)とした。
比較のため、試料3−(1)ないし試料3−(8)の各々において、マンガンの濃度zがゼロである蛍光体も作成し、これを比較例3−(1)ないし比較例3−(8)とした。
これら、試料3−(1)ないし試料3−(8)および比較例3−(1)ないし比較例3−(8)を、実施例1と同様にして波長465nmの青色光を照射したときに得られる蛍光の輝度を測定した。この結果を、各々の試料について、各々の比較例の輝度を100としたときの相対輝度で、表2に示した。
Figure 2005330340
これら、表2に示す結果より、カルシウムの一部をストロンチウムまたはバリウムもしくはその両方で置換した場合においても、その置換の割合xが0.1以下である場合(試料3−(1)ないし試料3−(3)、試料3−(5)、試料3−(6)、試料3−(8))において、相対輝度が108以上とあるように、好ましい発光輝度をもつことがわかる。
しかし、置換の割合xが、0.1を超える場合、すなわち試料3−(4)および試料3−(7)については、相対輝度が104、103と輝度の向上がみられないのがわかる。
このほか、表2に掲げた以外の各濃度の組合せについても同様に検討したところ、カルシウムの一部をストロンチウムまたはバリウムもしくはその両方で置換する割合xは、0.1以下の範囲において、マンガンを含まない従来の蛍光体に比べて優れた蛍光体となることが確認された。
なお、本願発明の緑色発光蛍光体に、さらにアンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ガドリニウム(Gd)、ルテチウム(Lu)などの金属元素を少量添加したとしても、その発光に大きな影響はなく、同様の結果が得られることを確認した。
本発明の蛍光体は、青色光線等の短波長領域の可視光線等を発光する発光素子と組み合わせることにより、蛍光体から発する長波長側の可視光との混色により、白色系の発光素子を構成することができる。さらに、発光素子として発光ダイオードやレーザーダイオード等を用いることで、より高輝度な優れた白色系の発光素子を構成できる。
これら白色系の可視光発光素子は、消費電力が小さく長寿命であるという特徴を活かして画像表示装置や照明装置の発光源として広く利用できる。
本発明の一実施の形態の緑色発光蛍光体の、励起スペクトルと発光スペクトルを表すグラフである。 同上、マンガン(Mn)の濃度yに対する相対輝度の変化を表すグラフである。

Claims (1)

  1. 一般式が(Ca1−x―y−zCeMn)Sで表され、Aがストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)の少なくともいずれか1つの元素であり、
    xは0≦x≦0.1であり、
    yは5×10−4≦y≦1×10−2であり、
    zは1×10−6≦z≦1×10−3であり、
    かつz≦y/10であることを特徴とした緑色発光蛍光体。
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