JP2005329343A - ホウ素含有燃焼灰の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホウ素含有燃焼灰の処理方法に関し、環境省で2003年2月に施行された土壌汚染対策法での規制対象物質であるホウ素の溶出基準値に適合するため、その燃焼灰中に含まれるホウ素の溶出量を、1.0mg/L以下にする。
【解決手段】
石炭やRPF(Refused Paper & Plastics Fuel)、製紙スラッジなどを燃焼して発生するホウ素含有燃焼灰を酸化カルシウム類及び/または水酸化カルシウム類、硫酸カルシウム類、アルミナセメント、水を加えて混合処理することにより、その燃焼灰中に含まれるホウ素を、平成15年環境省告示第18号に基づく溶出試験方法で溶出させ、その溶出量を1.0mg/L以下にする。
【選択図】なし
【解決手段】
石炭やRPF(Refused Paper & Plastics Fuel)、製紙スラッジなどを燃焼して発生するホウ素含有燃焼灰を酸化カルシウム類及び/または水酸化カルシウム類、硫酸カルシウム類、アルミナセメント、水を加えて混合処理することにより、その燃焼灰中に含まれるホウ素を、平成15年環境省告示第18号に基づく溶出試験方法で溶出させ、その溶出量を1.0mg/L以下にする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ホウ素含有燃焼灰の処理方法に関する。更に詳しくは、環境省で2003年2月に施行された土壌汚染対策法での規制対象物質であるホウ素の溶出基準値に適合するため、これらを含む燃焼灰を酸化カルシウム類及び/又は水酸化カルシウム類、硫酸カルシウム類、アルミナセメント、水を加えて混合処理することによって、その燃焼灰中に含まれるホウ素の溶出量を、1.0mg/L以下にする燃焼灰の処理方法に関する。
ホウ素は、メッキなどの表面処理、ガラス、殺菌剤、樹脂、化学薬品、肥料などの製造に幅広く使用される基礎素材であるが、一定濃度を超えると農作物の育成を阻害したり、人体への健康影響としては、高濃度の摂取による嘔吐、下痢及び吐き気などの症例が報告されており、ラットの催奇形性試験で胎児の体重増加抑制が認められるとされている。これらの影響を予防するために、ホウ素の不溶化技術は重要な役割を果たす。
またホウ素は、家庭ゴミ焼却灰、火力発電所からの石炭燃焼灰(石炭灰)、下水汚泥焼却灰、各種産業廃棄物などの燃焼灰の中にも含まれており、中でも石炭灰は、元来石炭にホウ素が数〜数百mg/kg含まれているため、ホウ素あるいはホウ素化合物の含有量が高い。また、その燃焼灰の多くは土壌改良材や埋戻し材として使用されるので、これが雨などで溶出して地下水汚染を起こす事が心配される。また、燃焼灰を埋め立てる処分場も不足しているので、燃焼灰中のホウ素の不溶出化による有効利用を図ることが望まれている。
燃焼灰の有害物質の無害化法としては、溶融固化法、セメント固化、石灰などを添加、酸またはその他の溶媒による抽出処理等が提案されている。
溶融固化法(例えば 特許文献1)は、廃棄物を1400〜1600℃の高温になるまで加熱することによって、有機物を分解し、重金属類を生成するスラグに封じ込み固定化するものであり、ホウ素に関する記述はない。また、この方式は、安全性は最も高いとされているが、新たに発生するより高濃度の有害物質を含有する飛灰処理の問題等の欠点があり、また処理コストが最も高いことも問題となっている。
また燃焼灰を高炉セメントや普通セメントで固化する処理方法(例えば 特許文献 2)は灰の性状により固化しても、その固化物に耐久性がない場合があり、例えばセメントが風化して灰の成分が溶出し、これによる汚染が考えられる。
また、ホウ素の不溶化剤として石灰のみを加えて不溶化させる方法(例えば 特許文献 3)では、埋立基準値以下にする事は出来るが、環境基準値以下にするには不十分である。
またスラッジに石灰、石炭燃焼灰、石膏を水の存在下で混錬する方法(例えば 特許文献 4及び非特許文献 1)でも、ホウ素溶出量が土壌環境基準値以下となるのに調整後1週間を要し、上記と同様の処理後の灰置場を要するといった制限を受ける。
酸などの溶媒抽出によるホウ素除去(例えば非特許文献 2)では、処理に水や時間がかかり、さらにホウ素を含む排水の処理といった付帯設備も必要となり、それらを合せると非常に大規模な設備を要し、設備費も莫大となり、実用上には不向きである。
また、燃焼灰を融雪材あるいは酸性土壌を改良するために使われる土壌改良材や建設工事の盛土、埋立材として用いる場合には、ホウ素の溶出を抑制する方法は限られ、例えばセメントで固めて使用するなどの方法を利用する事ができない。さらに処理に時間や場所を多く要するといった制限があってはならず、さらに燃焼灰中のホウ素含有量の変動にも確実に対応して抑制効果を発揮しなくてはならない。以上、詳細に述べたように従来の灰の処理手段には、満足できるものが提案されていなかった。
特開平9−271738号公報
特開2001−310175号公報
特開2003−136035号公報
特開2002−346595号公報
大林組技術研究所報 No.66 2003 P89〜94
大林組技術研究所報 No.65 2002 P95〜100
本発明は、石炭やRPFを燃料としたボイラや製紙スラッジ等の焼却炉から排出される灰からホウ素の溶出を抑制する方法を、上記のようなセメント固化や溶融といった複雑で手間のかかる方法や、効果発現に時間のかかる方法に替わる簡便でかつ安価な方法を提供し、ホウ素の溶出を抑えることにより土壌汚染、水質汚染を起こす恐れのない燃焼灰を土壌改良材、草地改良材、埋め戻し材、盛土等、種々の用途に有効利用することを目的とする。
本発明は燃焼灰に含まれるホウ素の溶出抑制方法であり、前述の技術的課題を解決するために以下の発明を包含する。
(1)石炭やRPF(Refused Paper & Plastics Fuel)、製紙スラッジなどを燃焼して発生するホウ素含有燃焼灰を酸化カルシウム類及び/または水酸化カルシウム類、硫酸カルシウム類、アルミナセメント、水を加えて混合処理することにより、その燃焼灰中に含まれるホウ素を、平成15年環境省告示第18号に基づく溶出試験方法で溶出させ、その溶出量を1.0mg/L以下にするホウ素含有燃焼灰の処理方法。
(1)石炭やRPF(Refused Paper & Plastics Fuel)、製紙スラッジなどを燃焼して発生するホウ素含有燃焼灰を酸化カルシウム類及び/または水酸化カルシウム類、硫酸カルシウム類、アルミナセメント、水を加えて混合処理することにより、その燃焼灰中に含まれるホウ素を、平成15年環境省告示第18号に基づく溶出試験方法で溶出させ、その溶出量を1.0mg/L以下にするホウ素含有燃焼灰の処理方法。
(2)前記ホウ素含有燃焼灰の処理に使用される酸化カルシウム類及び/又は水酸化カルシウム類が生石灰、消石灰あるいは石灰石、ドロマイト、帆立貝、ペーパースラッジ、古紙粕などのカルシウム源から焼成した石灰及びこれらの水酸化物のいずれか一つ、または、任意な比率の組み合わせである(1)記載のホウ素含有燃焼灰の処理方法。
(3)前記ホウ素含有燃焼灰の処理に使用される硫酸カルシウム類が、硫酸カルシウム0.5水和物(焼石膏)、硫酸カルシウム二水和物、天然石膏、各種廃石膏ボード、各種燃焼炉における排ガス中の脱硫装置から排出される排煙脱硫石膏のいずれか一つ、または、任意な比率の組み合わせである(1)記載のホウ素含有燃焼灰の処理方法。
本発明は、石炭やRPFを燃料としたボイラや製紙スラッジ等の焼却炉から排出される灰からホウ素の溶出を抑制する方法を、上記のようなセメント固化や溶融、処理剤添加といった複雑で手間のかかる方法や、効果発現に時間のかかる方法に替わる簡便でかつ安価な方法を提供し、ホウ素の溶出を抑えることにより土壌汚染、水質汚染を起こす恐れのない燃焼灰を土壌改良材、草地改良材、埋め戻し材、盛土などとして環境への悪影響もなく利用できる。
以下、本発明を具体的に説明する。
燃焼灰などに含まれるホウ素の不溶化メカニズムは今のところ明確ではないが、本発明のように処理剤として酸化カルシウム類及び/又は水酸化カルシウム類、硫酸カルシウム類、アルミナセメント、水を添加すると、速やかにカルシウムサルフォアルミネート水和物であるエトリンガイト結晶を形成し、驚くべき事に処理後わずか数時間で、この結晶構造にホウ素を取り込み不溶化させる効果があることを見出した。
燃焼灰などに含まれるホウ素の不溶化メカニズムは今のところ明確ではないが、本発明のように処理剤として酸化カルシウム類及び/又は水酸化カルシウム類、硫酸カルシウム類、アルミナセメント、水を添加すると、速やかにカルシウムサルフォアルミネート水和物であるエトリンガイト結晶を形成し、驚くべき事に処理後わずか数時間で、この結晶構造にホウ素を取り込み不溶化させる効果があることを見出した。
本発明に適用される灰は、石炭、RPF(Refused Paper & Plastics Fuel)及び製紙スラッジなどを燃焼した際に発生する燃焼灰であり、詳しくはこれらを燃焼した際に排出されるガスを電気集塵器(EP)やバグフィルター等で捕獲した飛灰(それぞれEP灰やバグ灰と略す)等である。
本発明で使用される酸化カルシウム類及び/又は水酸化カルシウム類は、燃焼灰中のホウ素及びホウ素化合物を結晶構造に取り込む必要があり、そのためには酸化カルシウム類及び/または水酸化カルシウム類としては、生石灰、消石灰あるいは石灰石、ドロマイト、帆立貝、ペーパースラッジ等のカルシウム源から焼成した石灰及びこれらの水酸化物のいずれか一つ、または、任意な比率の組み合わせで使用する事がホウ素の溶出抑制のために好ましい。
本発明で使用される硫酸カルシウム類としては、硫酸カルシウム0.5水和物(焼石膏)、硫酸カルシウム二水和物、天然石膏、各種廃石膏ボード、各種燃焼炉における排ガス中の脱硫装置から排出される排煙脱硫石膏、これらのうちいずれでも良く、2種類以上を組合わせて使用しても良いが、好適には硫酸カルシウム0.5水和物及び硫酸カルシウム二水和物が高純度なため反応効率上望ましく、また脱硫石膏は燃焼炉の副生物であるため入手も容易であり、その有効利用にもなるため望ましい。
本発明に使用されるアルミナセメントは、主としてアルミナ質原料及び石灰質原料を適当な比率で混合し、溶融あるいはその一部が溶融して焼結するまで加熱して得られたクリンカーを粉砕したものであり、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、12CaO・7Al2O3などのアルミン酸カルシウムを主体とする。ただ、使用には入手が容易な市販のものが好ましいがそれに限定されるものではない。
燃焼灰と酸化カルシウム類及び/又は水酸化カルシウム類、硫酸カルシウム類、アルミナセメント、水で処理する際の質量比は、燃焼灰/酸化カルシウム類及び/又は水酸化カルシウム類と燃焼灰/アルミナセメントは200/1から100/10の範囲が好ましく、より好ましくは100/1から100/5が良い。200/1未満の質量比では、ホウ素の固定化が十分できず、逆に100/10を越える場合には、処理後の灰の絶対量が増え、利用上の制限を受け、コストも増加するので実際的ではない。一方、燃焼灰/硫酸カルシウム類の質量比は200/1から100/10の範囲が好ましく、より好ましくは100/1から100/10が良い。加える水の量は燃焼灰に対して5〜30質量%が好ましく、より好ましくは10〜30質量%が良い。
燃焼灰に酸化カルシウム類及び/又は水酸化カルシウム、硫酸カルシウム類、アルミナセメント、水を添加した後はよく攪拌することが好ましく、攪拌する事により添加物がより均一に燃焼灰中に分散し、最小限の量でホウ素の固定化が行われる。攪拌機として、市販されている一般的なものが使用されるが、特に限定されるものではない。処理は常温(5〜40℃程度)で行い、処理中には、臭気や熱が発生しないので極めて安全な手法である。
本発明により処理された燃焼灰は、平成15年環境省告示第18号に基づく溶出試験方法により溶出させたホウ素の溶出量が未処理では2〜10mg/L程度であったのに対し、僅か3時間後には、0.2mg/L程度と土壌環境基準(1.0mg/L)を大幅に下回り、処理後の形態も固化しておらず、湿潤状態のため取り扱いも容易であり、土壌改良材、草地改良材、埋め戻し材、盛土等、種々の用途に利用が可能となる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨逸脱しない限り、その実施態様を変更することができる。
なお以下に実施例及び比較例でホウ素の溶出抑制試料として用いた燃焼灰は、石炭を燃料としたストーカー炉の電気集塵器(EP)で捕獲したEP灰である。化学組成及びホウ素含有、溶出量は下記表1に示す通りである。
1)ホウ素の溶出方法
以下に示す各実施例及び比較例では、ホウ素の溶出試験は平成15年環境省告示第18号に準拠して行なった。すなわち、ストーカー炉、微粉炭炉の煙道にある電気集塵器(EP)で集塵された飛灰を風乾し、中小礫、木片などを除き、団粒を粉砕した後、非金属製である目開き2mmの篩を通過させ、それらを良く混合する。この試料から50gを1000ccの蓋つきのポリエチレン容器に取り、純水(pH5.8〜6.3)を500cc加える。この調製した試料液を常温、大気圧下で、産廃溶出振とう機(タイテック社製)を用いて6時間連続して振とう(振とう幅4〜5cm、振動数 200回/分)した。この液を30分静置した後、毎分約3000回転で20分間遠心分離した。上澄み液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、濾液をとり、定量に必要な量を正確に計り取り、これを検液とした。
以下に示す各実施例及び比較例では、ホウ素の溶出試験は平成15年環境省告示第18号に準拠して行なった。すなわち、ストーカー炉、微粉炭炉の煙道にある電気集塵器(EP)で集塵された飛灰を風乾し、中小礫、木片などを除き、団粒を粉砕した後、非金属製である目開き2mmの篩を通過させ、それらを良く混合する。この試料から50gを1000ccの蓋つきのポリエチレン容器に取り、純水(pH5.8〜6.3)を500cc加える。この調製した試料液を常温、大気圧下で、産廃溶出振とう機(タイテック社製)を用いて6時間連続して振とう(振とう幅4〜5cm、振動数 200回/分)した。この液を30分静置した後、毎分約3000回転で20分間遠心分離した。上澄み液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、濾液をとり、定量に必要な量を正確に計り取り、これを検液とした。
2) ホウ素の測定方法
検液を、ICP−OES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置、リガク/SPECTORO社製、 CIROS−120型)で分析し、溶出したホウ素量を定量した。
検液を、ICP−OES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置、リガク/SPECTORO社製、 CIROS−120型)で分析し、溶出したホウ素量を定量した。
3) アルミナセメントの化学組成
実施例及び比較例に使用した市販アルミナセメント2種類の化学組成を表2に示した。
実施例及び比較例に使用した市販アルミナセメント2種類の化学組成を表2に示した。
実施例1
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、硫酸カルシウム0.5水和物を硫酸カルシウムとして灰に対し5質量%となるように27g添加し、表2に示すアルミナセメントaを15g添加した後十分に攪拌し、次いで純水123mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、硫酸カルシウム0.5水和物を硫酸カルシウムとして灰に対し5質量%となるように27g添加し、表2に示すアルミナセメントaを15g添加した後十分に攪拌し、次いで純水123mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
実施例2
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、硫酸カルシウム二水和物を硫酸カルシウムとして灰に対し5質量%となるように32g添加し、表2に示すアルミナセメントaを15g添加した後十分に攪拌し、次いで純水118mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、硫酸カルシウム二水和物を硫酸カルシウムとして灰に対し5質量%となるように32g添加し、表2に示すアルミナセメントaを15g添加した後十分に攪拌し、次いで純水118mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
実施例3
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、硫酸カルシウム0.5水和物を硫酸カルシウムとして灰に対し5質量%となるように27g添加し、表2に示すアルミナセメントbを15g添加した後十分に攪拌し、次いで純水123mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、硫酸カルシウム0.5水和物を硫酸カルシウムとして灰に対し5質量%となるように27g添加し、表2に示すアルミナセメントbを15g添加した後十分に攪拌し、次いで純水123mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
実施例4
石炭ボイラのEP灰B500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、硫酸カルシウム0.5水和物を硫酸カルシウムとして灰に対し5質量%となるように27g添加し、表2に示すアルミナセメントaを15g添加し、次いで純水123mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
石炭ボイラのEP灰B500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、硫酸カルシウム0.5水和物を硫酸カルシウムとして灰に対し5質量%となるように27g添加し、表2に示すアルミナセメントaを15g添加し、次いで純水123mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
比較例1
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、純水125mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、純水125mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
比較例2
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g添加した後十分に攪拌し、次いで純水125mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g添加した後十分に攪拌し、次いで純水125mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
比較例3
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、表2に示すアルミナセメントaを15g添加した後、125mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、表2に示すアルミナセメントaを15g添加した後、125mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
比較例4
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、硫酸カルシウム0.5水和物を硫酸カルシウムとして灰に対し5質量%となるように27g添加した後、123mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、硫酸カルシウム0.5水和物を硫酸カルシウムとして灰に対し5質量%となるように27g添加した後、123mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
比較例5
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、表2に示すアルミナセメントAを15g添加した後、125mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
石炭ボイラのEP灰A500gをビニル袋に計り取り、表2に示すアルミナセメントAを15g添加した後、125mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
比較例6
石炭ボイラのEP灰B500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、硫酸カルシウム0.5水和物を硫酸カルシウムとして灰に対し5質量%となるように27g添加した後、123mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
石炭ボイラのEP灰B500gをビニル袋に計り取り、キルン焼成石灰を15g、硫酸カルシウム0.5水和物を硫酸カルシウムとして灰に対し5質量%となるように27g添加した後、123mlをスプレーで均一になるように噴霧、攪拌した。養生日数を3時間、1日、3日、5日、10日として、上記の溶出法と測定法で分析し、ホウ素の溶出量を求めた。その結果を表3に示す。
表3から明らかなように、実施例1〜3では、石炭EP灰Aでは、焼成石灰、硫酸カルシウム類、アルミナセメントと水を加えて添加することにより、処理後僅か3時間で基準値を大幅に下回り、ホウ素の不溶出化を達成した。さらに実施例4に示すように、ホウ素溶出量の多い石炭EP灰Bであっても、生石灰、消石灰、硫酸カルシウム、アルミナセメント、水の添加処理によって、処理後3時間以降に土壌環境基準を十分にクリアーできた。
一方、比較例1のように石炭EP灰に水のみで加湿した場合は乾灰のままよりも、ホウ素の溶出量を若干減少出来るが基準値をクリアーできない。比較例2で焼成石灰のみの添加ではホウ素を基準値以下に溶出抑制できるが、5日以上かかってしまう。比較例3、4で焼成石灰添加によるホウ素溶出抑制の効果を早めるためにアルミナセメントあるいは石膏を添加したところ、石炭EP灰Aでは、ともに1日以降でホウ素の溶出量を0.9mg/L以下に抑制できた。しかし実施例と比較すると、同じ一日の養生で溶出量は高く、実施例と同程度の値になるには3〜5日かかってしまう。また比較例6に示すように、ホウ素の溶出量の高い石炭EP灰Bに関しては、焼成石灰と硫酸カルシウム水和物と水を加えても、基準値は速やかにクリアーできない。
以上のように、燃焼灰を酸化カルシウム類及び/又は水酸化カルシウム類、硫酸カルシウム類、アルミナセメント、水を添加して、攪拌処理を行い僅か3時間で、燃焼灰中のホウ素の溶出を抑制し、土壌汚染対策法の基準値以下に収める本発明は、簡便で有効であることがわかる。
石炭ボイラやRPFを燃料としたRPFボイラから排出される灰に、煙道や排出口で添加処理する事が可能であり、得られた灰は固化していないために、利用先を制限されず、土壌改良材、草地改良材、埋め戻し材、盛土等に有効利用する事が出来る安価な方法である。
Claims (3)
- 石炭、RPF (Refused Paper & Plastics Fuel)および製紙スラッジなどを燃焼した際に発生するホウ素含有燃焼灰を、酸化カルシウム類及び/または水酸化カルシウム類、硫酸カルシウム類、アルミナセメント、水を加えて混合処理することにより、その燃焼灰中に含まれるホウ素を、平成15年環境省告示18号に基づく溶出試験方法で溶出させた場合のホウ素溶出量が1.0mg/L以下となるように不溶化するホウ素含有燃焼灰の処理方法。
- 前記ホウ素含有燃焼灰の処理に使用される酸化カルシウム類及び/または水酸化カルシウム類が、生石灰、消石灰あるいは石灰石、ドロマイト、帆立貝、ペーパースラッジ、古紙粕等のカルシウム源から焼成した石灰及びこれらの水酸化物のいずれか一つ、又は、任意な比率の組み合わせである請求項1に記載のホウ素含有燃焼灰の処理方法。
- 前記ホウ素含有燃焼灰の処理に使用される硫酸カルシウム類が、硫酸カルシウム0.5水和物(焼石膏)、硫酸カルシウム二水和物、天然石膏、各種廃石膏ボード、各種燃焼炉における排ガス中の脱硫装置から排出される排煙脱硫石膏のいずれか一つ、又は、任意な比率の組み合わせである請求項1に記載のホウ素含有燃焼灰の処理方法。
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