JP2005329333A - マイクロ脱気デバイス - Google Patents
マイクロ脱気デバイス Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005329333A JP2005329333A JP2004150592A JP2004150592A JP2005329333A JP 2005329333 A JP2005329333 A JP 2005329333A JP 2004150592 A JP2004150592 A JP 2004150592A JP 2004150592 A JP2004150592 A JP 2004150592A JP 2005329333 A JP2005329333 A JP 2005329333A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- micro
- deaeration
- flow path
- deaeration device
- liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】 微小反応デバイスや微小分析デバイスにおいて試料中に含まれる気泡をこれまで以上に効率良く、かつ、簡単に取り除くことがことが可能であるマイクロ脱気デバイスを提供する。
【解決手段】 液体を導入するための導入部2と、導入された液体に含有される気泡を取り除くための脱気回路部3と、脱気された液体を排出するための出力部4とを有するマイクロ脱気デバイス1である。脱気回路部3が平面基板と、平面基板内の面方向に形成された長尺な流路とを備え、流路の上壁面および/または底面を形成する平面基板が高気体透過性材料により形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 液体を導入するための導入部2と、導入された液体に含有される気泡を取り除くための脱気回路部3と、脱気された液体を排出するための出力部4とを有するマイクロ脱気デバイス1である。脱気回路部3が平面基板と、平面基板内の面方向に形成された長尺な流路とを備え、流路の上壁面および/または底面を形成する平面基板が高気体透過性材料により形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、マイクロ脱気デバイスに関し、詳しくは、微小反応デバイスや微小分析デバイスにおいて、流路内の試料中に含まれる気泡を容易に取り除くことがことが可能であるマイクロ脱気デバイスに関する。
近年、微小空間における反応、分析システムの開発およびそのシステムの小型化に伴うシステムのサンプル送液流路および反応系の微小・集積化が求められており、その分野における研究開発が盛んに行われている。かかるマイクロデバイスに使用するサンプルの量はマイクロリットルまたはピコリットルと極めて微量なサンプル量である。
このようなマイクロデバイスを使用し、抗原抗体反応検出のような複雑な反応を行った場合、導入する溶液の交換が必要となり、その際に微量ではあるが気泡が溶液に混入することがあった。また、微小流路におけるコンテニアスフロー型のPCR(polymerase chain reaction)デバイスにおいても、試料の温度を高めるため、流路内に気泡が発生することがあった。このような気泡の発生は、送液の不安定化や、ノイズまたは誤差の原因となるおそれがあった。
従来、微小領域での気泡混入問題に対しては、流路内に疎水表面の微小孔を設けたり、部分的に疎水処理した気液分離チャンネルを設けたりすることが知られていた。また、特許文献1には、液体クロマトグラフィーで分離、分析する溶液中に溶存する気体成分を除去して微量かつ精密な高速送液を可能とした高速液体クロマトグラフィー用の脱気装置が開示されている。この脱気装置は、気体透過性の偏平チューブから構成された脱気モジュールと、この脱気モジュールを収容する真空チャンバーから構成されている。
特開2000−275229号公報
しかしながら、微小領域での気泡混入を防止するために流路内に疎水表面の微小孔を設けたり、部分的に疎水処理した気液分離チャンネルを設けたりする方法では、粘性の低い溶液を扱う場合や、流路抵抗変化による送液圧力変化が起こる系では充分に対応できないという問題があった。また、特許文献1に記載されているような偏平チューブから構成された脱気モジュールは、引き延し成形により細く、肉厚を薄くして形成されているため、流路断面形状の制御が困難であるという問題があった。また、真空チャンバーの形成を必要とし、コスト的にも高価なものであった。
そこで本発明の目的は、微小反応デバイスや微小分析デバイスにおいて試料中に含まれる気泡をこれまで以上に効率良く、かつ、簡単に取り除くことがことが可能であるマイクロ脱気デバイスを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、高気体透過性の材料により特定流路デザインの微小流路を作製したところ、その流路に液体を流すだけで、その流路抵抗による圧力がかかり、高気体透過性の材料を通して液体中に含有される気泡が良好に取り除かれることを見出し、これにより、圧力変化や送液するサンプルの性質によらない確実で簡易なマイクロ脱気デバイスを完成するに至った。
即ち、本発明のマイクロ脱気デバイスは、液体を導入するための導入部と、導入された液体に含有される気泡を取り除くための脱気回路部と、脱気された液体を排出するための出力部とを有するマイクロ脱気デバイスにおいて、前記脱気回路部が平面基板と、該平面基板内の面方向に形成された長尺な流路とを備え、該流路の上壁面および/または底面を形成する前記平面基板が高気体透過性材料により形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、流路に弁等の複雑な構造を作製することなく、簡便にしかも確実に気泡および含有気体を取り除くことができる。また、微小流路を分岐させ並列に接続することにより、送液圧力を変化させることなく、流量を増やすことができる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図1は、本発明の好適例のマイクロ脱気デバイスの平面概略図である。
図示するマイクロ脱気デバイス1は、液体を導入するための導入部2と、導入された液体に含有される気泡を取り除くための脱気回路部3と、脱気された液体を排出するための出力部4とを有する。ここで、脱気回路部3は、図1に示すマイクロ脱気デバイス1の断面を拡大して示す図2に見られるように、上層6および下層7の2層構造を有する平面基板5の上層6に連続的に溝を形成することにより流路8が形成されている。なお、図示する例では、上層6に流路用の溝が形成されているが、下層7に同様の溝を設けてもよい。
図1は、本発明の好適例のマイクロ脱気デバイスの平面概略図である。
図示するマイクロ脱気デバイス1は、液体を導入するための導入部2と、導入された液体に含有される気泡を取り除くための脱気回路部3と、脱気された液体を排出するための出力部4とを有する。ここで、脱気回路部3は、図1に示すマイクロ脱気デバイス1の断面を拡大して示す図2に見られるように、上層6および下層7の2層構造を有する平面基板5の上層6に連続的に溝を形成することにより流路8が形成されている。なお、図示する例では、上層6に流路用の溝が形成されているが、下層7に同様の溝を設けてもよい。
本発明においては、上層6および下層7のいずれか一方または双方の層を高気体透過性材料により形成することが重要である。これにより、平面基板5内の流路8の上壁面9および底面10のいずれか一方または双方を形成する平面基板5が高気体透過性材料により形成されることになる。
高気体透過性材料は、空気の組成である酸素に注目すると酸素透過率で1.0×10-17m3・m/(m2・s・Pa)以上であることが好ましく、この酸素透過率が1.0×10-17m3・m/(m2・s・Pa)未満の材料となると、良好な脱気を行うことができなくなる。
本発明に使用できる高気体透過性材料としては、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーン樹脂、低密度ポリエチレン、トリメチルシリル基含有高分子材料で例えばオルガノシロキサンの他、気体透過性ハードコンタクトレンズの材料として使用されているシロキサニルメタクリレート(SiMA)とメチルメタクリレート(MMA)とを主体とするコポリマー、セルロースアセテートブチレート(CAB)、SiMAとフルオロアルキルメタクリレート(FMA)とメタクリル酸(MMA)とを主体とするコポリマー、シロキサニルスチレンとFMAとを主体とするコポリマーおよびブチルメタクリレートとブチルアクリレートとのコポリマー等を好適に挙げることができ、好ましくは、5.0×10-15m3・m/(m2・s・Pa)程度の酸素透過率を有するPDMSおよび酸素透過率5.5×10-15m3・m/(m2・s・Pa)のシリコーン樹脂である。更には、強度を上げるためにPDMSにガラス状高分子をブロック共重合させた、例えば、PDMSとポリカーボネイトのブロック共重合材料がある。ポリジメチルシロキサン(PDMS)は、例えば、ダウコーニング社より商品名シルガード184として入手することができる。
このようにして形成されたマイクロ脱気デバイス1の流路8に液体を流し込むと、それだけで、その流路抵抗による圧力がかかり、高気体透過性材料を通して液体中に含有される気泡が良好に取り除かれることになる。かかる効果は、上層6および下層7のいずれか一方のみを高気体透過性材料で構成しても充分に得られるが、双方を高気体透過性材料で構成することにより、より優れた効果を得ることができる。
上層6および下層7の双方を高気体透過性材料で構成する場合には、図3に概略的に示すように、平面基板5の両縁部にスペーサ11を介してガラス板等の基板12を設けることが好ましい。このように下層7の下部を通気性とすることにより、下層7の高気体透過性を良好に保つことができる。
なお、上層6のみを高気体透過性材料により形成した場合には、下層7をガラス板はまたは合成樹脂板等の基板で形成すればよく、上述のようにスペーサ11を設ける必要はなくなる。
流路8の上壁面9上が高気体透過性材料である場合は、その上壁面9から高気体透過性材料により形成されている平面基板5の表面までの厚さは1mm以下であることが好ましく、同様に、流路8の底面10下が高気体透過性材料である場合には、その底面10から高気体透過性材料により形成されている平面基板5の裏面までの厚さが1mm以下であることが好ましい。これにより、高気体透過性を良好に維持することができる。但し、デバイスの剛性を失わない程度とする。
また、流路8の長手方向に対し直交する断面の形状が矩形をなすことが好ましい。流路8の断面の形状が扁平になるに従い、液体と接触する流路面積/デバイス体積の比が大きくなり、デバイスにおける接触面積の割合が増え、また液体の気体含有濃度勾配が小さくなる。よって、これによりデバイス全体の脱気能力を高めることができる。
同様の理由から、送液する液体とデバイスとの接触面積を広げるために流路8の長手方向を少なくとも1mとすることが好ましく、また、図示はしないが、流路8を2以上の流路に分岐させ(この場合、1枚の基板でも、あるいは複数枚の基板を互いに接続させてもよい)、分岐した複数の流路を並列に接続させてもよい。このように分岐させることにより、送液圧力を変化させることなく、流量を増やすことができるという効果も得られる。
また、流路8の壁面の少なくとも一部を疎水性とすることも好ましく、これにより流路抵抗が高くなり、気泡にかかる圧力も大きくなって、脱気速度が上昇する。さらに、デバイスに温度調節機構を設けることも好ましく、これにより送液する液体の拡散係数を大きくすることができる。
マイクロ脱気デバイスを2層構造とすることで、既知のフォトファブリケーション技術を利用することにより自由なデザインで微小流路を作製することが可能となる。よって、本発明のマイクロ脱気デバイスは簡易に製造することができる。
次に、本発明の他の好適例のマイクロ脱気デバイスの平面概略図を図4に示す。
図4の22は導入部を、24は出力部を表し、マイクロ脱気デバイス21の断面を拡大したものを図5に示す。平面基板25内において、流路28の側壁29を介して減圧空間30が形成されている。図示する脱気回路部23では、上層26および下層27の2層構造を有し、上層26に連続的に溝を形成することにより流路28が形成され、かつ、流路28の側壁29を介して減圧空間30が形成されている。減圧空間30は排気口31より減圧ポンプ(図示せず)に接続されている。脱気にかかる側壁29の厚さはマスクパターンのデザインにより自由に変更することができる。また、デバイスに厚みを持たせても脱気とは直接関係しないため、デバイスにある程度の強度を持たせることができ、真空ポンプで流路周りを減圧することも可能である。
図4の22は導入部を、24は出力部を表し、マイクロ脱気デバイス21の断面を拡大したものを図5に示す。平面基板25内において、流路28の側壁29を介して減圧空間30が形成されている。図示する脱気回路部23では、上層26および下層27の2層構造を有し、上層26に連続的に溝を形成することにより流路28が形成され、かつ、流路28の側壁29を介して減圧空間30が形成されている。減圧空間30は排気口31より減圧ポンプ(図示せず)に接続されている。脱気にかかる側壁29の厚さはマスクパターンのデザインにより自由に変更することができる。また、デバイスに厚みを持たせても脱気とは直接関係しないため、デバイスにある程度の強度を持たせることができ、真空ポンプで流路周りを減圧することも可能である。
図示するタイプのマイクロ脱気デバイス21では、少なくとも上層26が高気体透過性材料により形成され、よって、側壁29も同様の材料で形成され、その結果、減圧空間30を減圧することで流路28内の液体中に含有される気泡が主に側壁29を通して良好に取り除かれることになる。以上のことから、流路28は、図示するように、マイクロ脱気デバイス21の厚さ方向に扁平に形成されていることが好ましく、これによりデバイスにおける接触面積の割合が増え、脱気効率を高めることが可能となる。
なお、かかる流路28および減圧空間30を設ける以外は上記好適例と同様にしてマイクロ脱気デバイス21を製造することができる。また、平面基板25にゴム状態の材料を使用する場合、側壁29の厚さを薄くすると外力により変形しやすくなる。このため、図5に示すような流路28において、より密なデザインの部位に高圧力にて送液することにより側壁29が変形し、隣接する流路28に接触する。これを防ぐために、流路28は長手方向に対しジグザグ状であることが好ましい。
以下、本発明を実験例に基づき説明する。
本実験例においては、使用するデバイスには高気体透過材料として、微細加工を行うことが容易であり、現在、μ−TASの研究開発で盛んに用いられているPDMS(ダウコーニング社製、シルガード184)を使用し、厚膜レジストSU−8を用いてソフトリソグラフィーにより作製した。また、実験方法は、まず、デバイス流路内に完全に水を充填した。次に、任意の量の気泡を導入部から導入した後、シリンジにより送液を行った。気泡は送液されることにより徐々に小さくなり、最終的には停止する。気泡の量と気泡の停止位置を調べることにより、種々の条件およびデバイス形状における脱気能力を検討した。
本実験例においては、使用するデバイスには高気体透過材料として、微細加工を行うことが容易であり、現在、μ−TASの研究開発で盛んに用いられているPDMS(ダウコーニング社製、シルガード184)を使用し、厚膜レジストSU−8を用いてソフトリソグラフィーにより作製した。また、実験方法は、まず、デバイス流路内に完全に水を充填した。次に、任意の量の気泡を導入部から導入した後、シリンジにより送液を行った。気泡は送液されることにより徐々に小さくなり、最終的には停止する。気泡の量と気泡の停止位置を調べることにより、種々の条件およびデバイス形状における脱気能力を検討した。
実験例1
図1および図2に模式図として示されたマイクロ脱気デバイスを用い、気体透過の速さに対する送液の流速の効果を検討した。図1において脱気回路部3における流路8の全長は3m、LAは20mmである。また、図2において上層6はソフトリソグラフィーにより溝を配設し、LBは100μm、LCは50μm、LDは0.6mmであり、材料としてPDMSを使用した。また、下層7は材料としてガラスを使用した。
図1および図2に模式図として示されたマイクロ脱気デバイスを用い、気体透過の速さに対する送液の流速の効果を検討した。図1において脱気回路部3における流路8の全長は3m、LAは20mmである。また、図2において上層6はソフトリソグラフィーにより溝を配設し、LBは100μm、LCは50μm、LDは0.6mmであり、材料としてPDMSを使用した。また、下層7は材料としてガラスを使用した。
0.75μL/min、1.5μL/min、2.0μL/minおよび3.0μL/minの流速にて行った。なお、気泡の量は脱気回路部の流路の長さを測定することにより決定した。測定結果を図6に示す。流速が増加するに従い、気泡の停止位置が短くなることが確認された。このことから、流速が増加するに従い、流路抵抗により圧力勾配が大きくなり気体透過も速くなることがわかる。
実験例2
図2における上壁面9から平面基板5の表面までの厚さ、つまり主に気体透過に係ると予想される部分の厚さによる気体透過の速さへの効果を検討した。図2における長さLDを除き、実験例1と同様のマイクロ脱気デバイスを使用した。LDの厚さは0.6mm、2.1mmおよび3.3mmとした。測定結果を図7に示す。今回用いた上層6の厚さでは、気体透過の速さに対してほとんど影響を与えないことが確認された。このことから数ミリオーダの厚さでは、デバイス外への気体の排出に係る拡散要素の影響は小さいと推測される。
図2における上壁面9から平面基板5の表面までの厚さ、つまり主に気体透過に係ると予想される部分の厚さによる気体透過の速さへの効果を検討した。図2における長さLDを除き、実験例1と同様のマイクロ脱気デバイスを使用した。LDの厚さは0.6mm、2.1mmおよび3.3mmとした。測定結果を図7に示す。今回用いた上層6の厚さでは、気体透過の速さに対してほとんど影響を与えないことが確認された。このことから数ミリオーダの厚さでは、デバイス外への気体の排出に係る拡散要素の影響は小さいと推測される。
実験例3
実験例2より更に上層6の厚さを薄くし、気体透過の速さへの効果を検討した。なお、LDを0.1mm、0.6mmとして行った。測定結果を図8に示す。今回の実験においては気体透過の速さに明らかな差が生じ、より厚さが薄い方が気体透過が速くなることが確認された。このことから、数十マイクロオーダよりも薄くなると、デバイス外への気体の排出に係る拡散要素の影響は大きくなると推測される。
実験例2より更に上層6の厚さを薄くし、気体透過の速さへの効果を検討した。なお、LDを0.1mm、0.6mmとして行った。測定結果を図8に示す。今回の実験においては気体透過の速さに明らかな差が生じ、より厚さが薄い方が気体透過が速くなることが確認された。このことから、数十マイクロオーダよりも薄くなると、デバイス外への気体の排出に係る拡散要素の影響は大きくなると推測される。
実験例4
図2に示す流路8を更に扁平にし、また、下層7にガラスではなくPDMSシートを使用し、気体透過の速さを検討した。図3に模式図として示されたマイクロ脱気デバイス1を脱気回路部3のみ薄くし作製した。なお、上層6の材料には実験例1〜3と同様、PDMSを使用し、図2におけるLBは100μm、LCは25μm、LDは120μm、LEは35μmとした。また、流速は1.0μL/min、1.5μL/minにて行い、導入する気泡の量はシリンジの目盛りにより決定した。
図2に示す流路8を更に扁平にし、また、下層7にガラスではなくPDMSシートを使用し、気体透過の速さを検討した。図3に模式図として示されたマイクロ脱気デバイス1を脱気回路部3のみ薄くし作製した。なお、上層6の材料には実験例1〜3と同様、PDMSを使用し、図2におけるLBは100μm、LCは25μm、LDは120μm、LEは35μmとした。また、流速は1.0μL/min、1.5μL/minにて行い、導入する気泡の量はシリンジの目盛りにより決定した。
気泡の動きは実験例1〜3と異なり、まず気泡が流路内に導入されると、気泡の量に応じたある一定のところで停止し、送液されなくなった。その後、流路内に完全に気泡が導入されると再度、進み始めた。測定結果を図9に示す。この結果により、流路をより扁平にし、また、下層7にガラスではなくPDMSシートを使用することにより気体透過の速さが向上することが確認された。
実験例5
図4および図5に模式図として示されたマイクロ脱気デバイスを用い、減圧空間30を減圧した際の気体透過の速さへの効果を検討した。図中の脱気回路部23における流路28の全長は1.5m、流路幅は30μm、側壁29の厚さは50μmおよびLFは100μmにて行った。なお、流速は1.5μL/minとした。
図4および図5に模式図として示されたマイクロ脱気デバイスを用い、減圧空間30を減圧した際の気体透過の速さへの効果を検討した。図中の脱気回路部23における流路28の全長は1.5m、流路幅は30μm、側壁29の厚さは50μmおよびLFは100μmにて行った。なお、流速は1.5μL/minとした。
図4に示すように排気口31は2箇所配設されているが、1箇所から真空引きすることによって流路28の側壁29を介して形成された減圧空間30の片側が減圧される。2箇所から真空引きすることによって両側の減圧空間30が減圧される。なお、真空引きには到達圧力が9.3×104Paのポンプを使用した。2箇所から真空引きを行った際には、気泡が小さくなりながら移動する動きは観察されなかった。測定結果を図10に示す。これにより、減圧を行わない場合と比較し、1箇所の排気口31から減圧した場合の方が気体透過の速さが向上し、2箇所の排気口31から減圧した場合は更に気体透過の速さが向上することが確認された。
分析・合成用フローチップや化学分析装置の試料導入部分に本発明を使用すれば、溶存酸素によるポンプやバルブ等の誤作動を防ぎ、検出機のノイズを軽減することが可能となる。更に、脱気モジュールを小型にできるため装置の小型化を図ることができる。
1、21 マイクロ脱気デバイス
2、22 導入部
3、23 脱気回路部
4、24 出力部
5、25 平面基板
6、26 上層
7、27 下層
8、28 流路
9 上壁面
10 底面
11 スペーサ
12 基板
29 側壁
30 減圧空間
31 排気口
2、22 導入部
3、23 脱気回路部
4、24 出力部
5、25 平面基板
6、26 上層
7、27 下層
8、28 流路
9 上壁面
10 底面
11 スペーサ
12 基板
29 側壁
30 減圧空間
31 排気口
Claims (10)
- 液体を導入するための導入部と、導入された液体に含有される気泡を取り除くための脱気回路部と、脱気された液体を排出するための出力部とを有するマイクロ脱気デバイスにおいて、前記脱気回路部が平面基板と、該平面基板内の面方向に形成された長尺な流路とを備え、該流路の上壁面および/または底面を形成する前記平面基板が高気体透過性材料により形成されていることを特徴とするマイクロ脱気デバイス。
- 前記流路の上壁面および/または底面から、高気体透過性材料により形成されている前記平面基板の表面までの厚さが1mm以下である請求項1記載のマイクロ脱気デバイス。
- 前記平面基板が2層構造を有し、いずれか一方または双方の層が高気体透過性材料により形成されている請求項1または2記載のマイクロ脱気デバイス。
- 前記流路の長手方向に対し直交する断面の形状が矩形をなす請求項1〜3のうちいずれか一項記載のマイクロ脱気デバイス。
- 前記平面基板内において、前記流路の側壁を介して減圧空間が形成されている請求項1〜4のうちいずれか一項記載のマイクロ脱気デバイス。
- 流路の長手方向の長さが少なくとも1mである請求項1〜5のうちいずれか一項記載のマイクロ脱気デバイス。
- 前記流路が2以上の流路に分岐している請求項1〜6のうちいずれか一項記載のマイクロ脱気デバイス。
- 前記脱気回路部の流路壁面の少なくとも一部が疎水性である請求項1〜7のうちいずれか一項記載のマイクロ脱気デバイス。
- 温度調節機構を有する請求項1〜8のうちいずれか一項記載のマイクロ脱気デバイス。
- 前記流路が長手方向に対しジグザグ状である請求項1〜9のうちいずれか一項記載のマイクロ脱気デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004150592A JP2005329333A (ja) | 2004-05-20 | 2004-05-20 | マイクロ脱気デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004150592A JP2005329333A (ja) | 2004-05-20 | 2004-05-20 | マイクロ脱気デバイス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005329333A true JP2005329333A (ja) | 2005-12-02 |
Family
ID=35484326
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004150592A Pending JP2005329333A (ja) | 2004-05-20 | 2004-05-20 | マイクロ脱気デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005329333A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006035111A (ja) * | 2004-07-28 | 2006-02-09 | Seiko Instruments Inc | マイクロ流体装置 |
WO2006080177A1 (ja) * | 2005-01-06 | 2006-08-03 | Shimadzu Corporation | ガス交換チップ、それを用いたガス抽出方法及び全有機体炭素測定装置 |
WO2007077607A1 (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Shimadzu Corporation | 圧力差気泡移動制御方法、並びにその方法を用いたガス交換装置、導電率測定装置、全有機体炭素測定装置、反応装置及び細胞培養装置 |
JP2010286499A (ja) * | 2010-08-10 | 2010-12-24 | Seiko Instruments Inc | マイクロ流体装置 |
JP2011097884A (ja) * | 2009-11-06 | 2011-05-19 | Japan Advanced Institute Of Science & Technology Hokuriku | 試料解析装置 |
JP2011163939A (ja) * | 2010-02-10 | 2011-08-25 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | マイクロ流路デバイス |
JP2013019911A (ja) * | 2012-10-25 | 2013-01-31 | Seiko Instruments Inc | マイクロ流体装置 |
JP2013518289A (ja) * | 2010-01-29 | 2013-05-20 | マイクロニクス, インコーポレイテッド | サンプル−回答型のマイクロ流体カートリッジ |
WO2018216673A1 (ja) * | 2017-05-23 | 2018-11-29 | ウシオ電機株式会社 | マイクロチップ |
JP2019515660A (ja) * | 2016-04-04 | 2019-06-13 | コンビナティ インコーポレイテッド | 核酸定量化のためのマイクロ流体吸い上げアレイ |
JP2020188738A (ja) * | 2019-05-23 | 2020-11-26 | ウシオ電機株式会社 | マイクロチップ |
US11285478B2 (en) | 2016-04-04 | 2022-03-29 | Combinati Incorporated | Microfluidic siphoning array for nucleic acid quantification |
US11697844B2 (en) | 2016-11-17 | 2023-07-11 | Combinati Incorporated | Methods and systems for nucleic acid analysis and quantification |
-
2004
- 2004-05-20 JP JP2004150592A patent/JP2005329333A/ja active Pending
Cited By (23)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006035111A (ja) * | 2004-07-28 | 2006-02-09 | Seiko Instruments Inc | マイクロ流体装置 |
JP4615925B2 (ja) * | 2004-07-28 | 2011-01-19 | セイコーインスツル株式会社 | マイクロ流体装置 |
WO2006080177A1 (ja) * | 2005-01-06 | 2006-08-03 | Shimadzu Corporation | ガス交換チップ、それを用いたガス抽出方法及び全有機体炭素測定装置 |
JPWO2006080177A1 (ja) * | 2005-01-06 | 2008-06-19 | 株式会社島津製作所 | ガス交換チップ、それを用いたガス抽出方法及び全有機体炭素測定装置 |
JP4535123B2 (ja) * | 2005-01-06 | 2010-09-01 | 株式会社島津製作所 | ガス交換チップ、それを用いたガス抽出方法及び全有機体炭素測定装置 |
US8361414B2 (en) | 2005-01-06 | 2013-01-29 | Shimadzu Corporation | Gas exchange chip |
WO2007077607A1 (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Shimadzu Corporation | 圧力差気泡移動制御方法、並びにその方法を用いたガス交換装置、導電率測定装置、全有機体炭素測定装置、反応装置及び細胞培養装置 |
JP4807358B2 (ja) * | 2005-12-28 | 2011-11-02 | 株式会社島津製作所 | 圧力差気泡移動制御方法、並びにその方法を用いたガス交換装置、導電率測定装置、全有機体炭素測定装置、反応装置及び細胞培養装置 |
US8858682B2 (en) | 2005-12-28 | 2014-10-14 | Shimadzu Corporation | Method for controlling pressure-difference bubble transfer |
JP2011097884A (ja) * | 2009-11-06 | 2011-05-19 | Japan Advanced Institute Of Science & Technology Hokuriku | 試料解析装置 |
JP2013518289A (ja) * | 2010-01-29 | 2013-05-20 | マイクロニクス, インコーポレイテッド | サンプル−回答型のマイクロ流体カートリッジ |
JP2011163939A (ja) * | 2010-02-10 | 2011-08-25 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | マイクロ流路デバイス |
JP2010286499A (ja) * | 2010-08-10 | 2010-12-24 | Seiko Instruments Inc | マイクロ流体装置 |
JP2013019911A (ja) * | 2012-10-25 | 2013-01-31 | Seiko Instruments Inc | マイクロ流体装置 |
JP2019515660A (ja) * | 2016-04-04 | 2019-06-13 | コンビナティ インコーポレイテッド | 核酸定量化のためのマイクロ流体吸い上げアレイ |
US11285478B2 (en) | 2016-04-04 | 2022-03-29 | Combinati Incorporated | Microfluidic siphoning array for nucleic acid quantification |
US11951478B2 (en) | 2016-04-04 | 2024-04-09 | Combinati Incorporated | Microfluidic siphoning array for nucleic acid quantification |
US11697844B2 (en) | 2016-11-17 | 2023-07-11 | Combinati Incorporated | Methods and systems for nucleic acid analysis and quantification |
WO2018216673A1 (ja) * | 2017-05-23 | 2018-11-29 | ウシオ電機株式会社 | マイクロチップ |
JP2018197663A (ja) * | 2017-05-23 | 2018-12-13 | ウシオ電機株式会社 | マイクロチップ |
JP2020188738A (ja) * | 2019-05-23 | 2020-11-26 | ウシオ電機株式会社 | マイクロチップ |
WO2020235398A1 (ja) * | 2019-05-23 | 2020-11-26 | ウシオ電機株式会社 | マイクロチップ |
JP7311834B2 (ja) | 2019-05-23 | 2023-07-20 | ウシオ電機株式会社 | マイクロチップ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005329333A (ja) | マイクロ脱気デバイス | |
Mao et al. | “Microfluidic drifting”—implementing three-dimensional hydrodynamic focusing with a single-layer planar microfluidic device | |
TW536524B (en) | Network-type micro-channel device for micro-fluid | |
Kusumaatmaja et al. | Capillary filling in patterned channels | |
KR100508326B1 (ko) | 미세 유체 관로에서의 케스케이드식 유체 동압 집중 장치 및 방법 | |
US8226907B2 (en) | Microfluidic devices and methods of making the same | |
JP4844630B2 (ja) | 全有機体炭素測定装置 | |
US9737888B2 (en) | Proximal degas driven microfluidic actuation | |
US20090282978A1 (en) | Microfluidic Separators for Multiphase Fluid-Flow Based On Membranes | |
WO2003103836A1 (en) | Methods and devices for microfluidic extraction | |
US20100189601A1 (en) | Capillary | |
KR20040100245A (ko) | 미세 유체의 이송 시간을 제어할 수 있는 미세 유체 소자 | |
JP4367283B2 (ja) | マイクロ流体チップ | |
Femmer et al. | Efficient gas–liquid contact using microfluidic membrane devices with staggered herringbone mixers | |
US20140311910A1 (en) | Microchip and method of manufacturing microchip | |
Johnson et al. | Bubble inclusion and removal using PDMS membrane-based gas permeation for applications in pumping, valving and mixing in microfluidic devices | |
US20080160603A1 (en) | Flow stabilization in micro-and nanofluidic devices | |
Jiang et al. | A multilayer lateral-flow microfluidic device for particle separation | |
US8603412B2 (en) | Microchannel structure, and methods for producing emulsion and solid spherical particles | |
JP2009018311A (ja) | マイクロ流体チップ | |
KR100806568B1 (ko) | 미세 유체 소자 및 이를 구비한 진단 및 분석 장치 | |
JP3905074B2 (ja) | 微量流体制御機構及び該機構を有するマイクロチップ | |
CN110918144A (zh) | 一种微流控芯片及基于微流控芯片的全血分离方法 | |
JP4836272B2 (ja) | 液体導入用デバイス | |
EP2240600B1 (en) | Microfluidic apparatus for wide area microarrays |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070123 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070126 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070717 |