JP2005329284A - 分解洗浄可能な濾過装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】濾過装置の主要な構成要素を分解可能とすることで、濾過装置自体の洗浄を容易とすることにある。
【解決手段】枠体部材10により画定されて密閉形成された室の中に、離間して配置された二枚の濾過スクリーン部材により濾過スクリーン部材間の内側が濾過液側室60として形成され、濾過スクリーン部材間の外側が原液側室70として区画形成されており、枠体部材10には原液側室70に濾過原液を供給する原液入口,濾過液側室60の濾過液を吐出する濾液出口が設けられていると共に濾過スクリーン部材の端部が取付けられており、原液側室70に供給された濾過原液を濾過スクリーン部材により濾過して濾過液側室60に濾過液を取出すようにし、濾過液側室60を形成する二枚の濾過スクリーン部材間にはリブ25が橋架配設されていると共に二枚の濾過スクリーン部材はそれぞれ独立して枠体部材10から分解可能状態として枠体部材10に組付けられている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、分解洗浄可能な濾過装置に関する。具体的には、濾過装置を構成する主要な部材を取り外して各部材毎に洗浄可能な濾過装置に関する。
濾過装置を構成する主要な部材に濾過スクリーン部材がある。この濾過スクリーン部材の従来例として、二枚のスクリーンを対向させた形状のものがある。二枚のスクリーンの間には板状のリブが複数個溶接により固定されている。各リブは、濾液の流れ方向に立設した状態で両スクリーン間に橋架されている(特許文献1参照)。
この濾過スクリーン部材によれば、対向して配置された両スクリーンをその内側からリブが支持する。このため、濾液が通過する際の押込圧力に対する濾過スクリーン部材の強度が向上する。
特開2001−212406号公報
しかし上述の濾過スクリーン部材を用いた濾過装置では、その洗浄に時間と手間がかかるという問題があった。
つまり濾過作業が終了した後には濾過装置を洗浄する必要がある。特に医薬品の製造工程においては、そのロット管理や法律上の制約から濾過装置をより完全に洗浄しなければならない。しかし上述のとおり各スクリーン同士はリブで固定されているため、各スクリーンで挟まれた部位の洗浄には時間と手間がかかっていた。
本発明は上述した点に鑑みて創案されたものである。つまり本発明が解決しようとする課題は、濾過装置の主要な構成要素を分解可能とすることで、濾過装置自体の洗浄を容易とすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の各発明は次の手段をとる。
先ず第1の発明に係る分解洗浄可能な濾過装置は、枠体部材により画定されて密閉形成された室の中に、離間して配置された二枚の濾過スクリーン部材により濾過スクリーン部材間の内側が濾過液側室として形成され、濾過スクリーン部材間の外側が原液側室として区画形成されており、枠体部材には原液側室に濾過原液を供給する原液入口及び濾過液側室の濾過液を吐出する濾液出口が設けられていると共に濾過スクリーン部材の端部が取付けられており、原液側室に供給された濾過原液を濾過スクリーン部材により濾過して濾過液側室に濾過液を取出すようにした濾過装置であって、濾過液側室を形成する二枚の濾過スクリーン部材間にはリブが橋架配設されていると共に、二枚の濾過スクリーン部材はそれぞれ独立して枠体部材から分解可能状態として枠体部材に組付けられており、分解時にそれぞれ独立して洗浄可能とされている。
この第1の発明では、それぞれ独立して枠体部材から分解可能な二枚の濾過スクリーン部材を枠体部材に組み付けて濾過液側室が形成されている。このため濾過作業終了後に濾過装置を分解洗浄する際、各濾過スクリーン部材を取り外して各濾過スクリーン部材ごとに洗浄することができる。
次に、濾過スクリーン部材同士の間には、橋渡し状態(橋架して)でリブが配設されている。各濾過スクリーン部材を濾過液側室側からリブで支持して補強する。このため濾過液の押込圧力により、対向する濾過スクリーン部材同士が互いに近づく方向に撓み変形することを抑止する。
また原液側室には、濾過原液(以下、原液又はスラリーと呼ぶ。)を供給する原液入口が設けら、濾過液側室には、濾過液(以下、濾液と呼ぶ。)を吐出する濾液出口が設けられている。
なお本発明に係る分解洗浄可能な濾過装置は、スラリーの固液分離を目的とするものである。つまり、スラリー中の固体(以下、ケーキと呼ぶ。)及び濾過液のいずれも回収目的とすることができる。例えば、薬効成分等を含有する医薬品系のスラリー、酒,ワインなどの液体食品系のスラリー、顔料,染料,石膏,水酸化アルミニウム,黒鉛,チタン化合物等を含有するスラリー、紙パルプ,ファイバー,パルプスラリー等のパルプ系スラリーをその濾過作業対象とすることができる。
次に第2の発明に係る分解洗浄可能な濾過装置は、第1の発明に係る分解洗浄可能な濾過装置であって、二枚の濾過スクリーン部材とリブとは分解可能な独立した部材として組立て可能に形成されている。
第2の発明では、それぞれ独立して枠体部材から分解可能な二枚の濾過スクリーン部材とリブとを枠体部材に組み付けて濾過液側室が形成されている。このため、より洗浄が行い易い状態に濾過装置を分解することができる。
次に第3の発明に係る分解洗浄可能な濾過装置は、第1の発明又は第2の発明に係る分解洗浄可能な濾過装置であって、リブは、濾過液側室を区切る複数の板状部材で形成され、板状部材のリブにはその区切られた室を連通する連通路が形成されている。
第3の発明では、複数の板状部材であるリブにより濾過液側室が区切られている。各リブには、その区切られた室同士を連通する連通路が形成されている。
次に第4の発明に分解洗浄可能な濾過装置は、第1の発明から第3の発明のいずれかに係る分解洗浄可能な濾過装置であって、濾過装置は概略円筒形状で形成されており、筒形状箇所を構成する枠体部材は、原液側室の外周を画定する外周濾枠部材と、濾過液側室の外周を画定する外周リング部材とから構成されており、濾過スクリーン部材の端部は外周濾枠部材と外周リング部材との間に挟持されて取付けられており、外周濾枠部材に原液入口が設けられていると共に外周リング部材に濾液出口が設けられている。
第4の発明では、外周濾枠部材と外周リング部材とから構成された濾過装置は概略円筒形状で形成されている。外周濾枠部材には原液入口が設けられ、外周リング部材には濾液出口が設けられている。
次に第5の発明に分解洗浄可能な濾過装置は、第4の発明に係る分解洗浄可能な濾過装置であって、外周濾枠部材と外周リング部材とには筒形状の長さ方向で見て対面形成される対向箇所が全周に亘って形成されており、対向箇所にシール部材が全周に亘って介在されている。
第5の発明では、外周濾枠部材と外周リング部材との対向箇所は筒形状の濾過装置全周に亘って形成されている。対向箇所には、シール部材が介在されている。
次に第6の発明に分解洗浄可能な濾過装置は、第1の発明から第5の発明のいずれかに係る分解洗浄可能な濾過装置であって、原液側室及び濾過液側室は複数形成されており、複数の原液側室への各原液入口は第1の連通手段により連通されていると共に、複数の濾過液側室からの濾液出口は第2の連通手段により連通されており、原液側室には、原液側室に加圧気体を供給する気体供給通路が設けられている。
第6の発明では、原液側室及び濾過液側室の両者が複数組み付けられて枠体部材が形成されている。原液側室に形成された原液入口同士は第1の連通手段により連通されている。濾過液側室に形成された濾液出口同士は第2の連通手段により連通されている。また気体供給通路を通して加圧気体が原液側室内に供給される。場合により、気体供給通路から原液側室内の気体を排出することもできる。
次に第7の発明に分解洗浄可能な濾過装置は、第6の発明に係る分解洗浄可能な濾過装置であって、濾過装置を載置した状態であって、原液入口及び濾液出口は下方位置に配置され、気体供給通路は上方位置に配置されている。
第7の発明では、濾過装置を載置した状態で原液入口と濾液出口の両者が濾過装置の下方位置に配置されている。また同状態で、濾過装置の上方位置に気体供給通路が配置されている。
また本発明に係る分解洗浄可能な濾過装置は、上記各手段以外に次の手段をとり得る。
先ず第5の発明に係る分解洗浄可能な濾過装置であって、外周リング部材の対面箇所は断面クランク形状であり、濾過スクリーン部材の濾過面を被うシート状の濾過材の端部が配置される第一の部位と、少なくとも前記シート状の濾過材の厚みよりも筒形状の長さ方向に張り出して形成されたフランジ部位とを有し、外周濾枠部材の対面箇所は、筒形状の長さ方向から第一の部位に濾過材を押し付ける第二の部位と、筒形状の径方向からフランジ部位と当接するフランジ当接部位とを有し、フランジ当接部位とフランジ部位との当接箇所にシール部材が配置されている。
さらにフランジ部位又はフランジ当接部位のいずれかにシール部材を収納するための溝部を設けてもよい。
さらに外周濾枠部材の対面箇所の形状を、外周リング部材の対面箇所の形状と対応する形状とすることができる。
ここで濾過材を張った濾板と濾板との間に原液を送り込み、その押込圧力で濾過する濾過装置の従来例として、対向する2枚の濾過材を角形濾板間に挟持させたものがある。濾過材は、外部に配置されたリング状パキングで角形濾板に押し付けられる(特開2004−57921)。
しかし上述の濾過装置では、濾過材を浸透して染み出した濾液が外部に漏れ出るという問題があった。特に濾過材の厚みが大きい場合、濾液の漏れが顕著であった。
上述の発明によれば、第一の部位と第二の部位とで濾過材を押し付けて固定する。そして、フランジ部位とフランジ当接部位との当接箇所にシール部材が配置されることで、枠体部材の密閉性が確保されている。つまり枠体部材の密閉性を確保する密着部位と濾過材の押付け部位とは互いに異なる部位となる。このため濾過材からの浸透漏れを防止又は低減できる。
またシート状の濾過材の厚みよりも筒形状の長さ方向に張り出して形成されたフランジ部位とフランジ当接部位との間にシール部材が配置されているため、濾過材の厚みが増しても枠体部材の密閉性が確保できる。
またシール部材を溝部に収納して、シール部材のズレを防止又は低減できる。
また外周濾枠部材の対面箇所と外周リング部材の対面箇所とを互いに対応する形状とすることで、両者を嵌め込み固定することができる。
次に第7の発明に係る分解洗浄可能な濾過装置を用いた原液の濾過方法であって、濾過装置の密閉状態を解除して、原液を入れた原液タンクと原液入口とを連通する第一の通路を開放し、原液タンクから原液を濾過装置に供給する供給工程と、濾液出口と原液タンクの両者を連通する第二の通路と第一の通路とを開放し、原液側室と濾過液側室と原液タンクとの順に原液を循環させる循環濾過工程と、濾液を入れる濾液タンクと濾液出口との両者を連通する第三の通路と第一の通路とを開放し、原液側室から濾過液側室へと原液を送り込み濾過を行う濾過工程と、第三の通路と気体供給通路とを開放し、原液側室と濾過液側室との順に気体を供給し、濾過装置に残留した原液を濾過する残留濾過工程と、第二の通路と気体供給通路とを開放し、ケーキ中に残留した原液を除去するエアブロー工程と、第一の通路と気体供給通路とを開放し、第一の通路内の原液を取り除く配管内ブロー工程とを有する。
上述の発明では、供給工程において枠体部材内に原液を満たし、濾過工程において枠体部材内に原液を流し込む圧力を利用して濾過作業を行う。次に残留濾過工程において気体の圧力で枠体部材内に残留した濾過工程時の原液を濾過する。
そして、エアブロー工程において気体の圧力を利用してケーキの脱液作業を行う。よってケーキの粒子間の原液と濾過材とを脱液することができる。
さらに配管内ブロー工程により各通路内の原液を排除する。このため枠体部材内及び各通路内の原液と濾液とが排除され、濾過装置開放時の液漏れを防止又は低減できる。
さらに、配管内ブロー工程の際に第二の通路をあらかじめ開放しておいてもよい。配管内ブロー工程時における原液側室と濾過液側室との気圧差を抑えることで、濾過スクリーン部材に付着したケーキの剥落を防止又は低減できる。
さらに、エアブロー工程の後に濾過装置と外部とを連通する通路を開放して濾過装置内の気体を排出する排出工程を有してもよい。濾過装置内と外部との気圧差を抑えることで、濾過装置開放時における濾過装置内から外部への気体の流入出を防止又は低減でき、濾過スクリーン部材自体を薄く軽量にできる。
上述した本発明によれば、次の効果を得ることができる。
先ず第1の発明によれば、それぞれ独立して枠体部材から分解可能状態な二枚の濾過スクリーン部材で濾過液側室が形成されている。このため、濾過作業終了後に濾過装置を分解洗浄する際には、各濾過スクリーン部材を取り外して各濾過スクリーン部材ごとに洗浄することができる。
また対向する濾過スクリーン部材同士が互いに近づく方向に撓み変形することを抑止するため、撓み変形による濾過スクリーン部材の破損を防止又は低減できる。
次に第2の発明によれば、それぞれ独立して枠体部材から分解可能状態な二枚の濾過スクリーン部材とリブとで濾過液側室が形成されている。このため、各濾過スクリーン部材とリブとを分解して各々洗浄することができる。
次に第3の発明によれば、複数の板状部材であるリブが各濾過スクリーン部材間に配設されているため、各濾過スクリーン部材同士の撓み変形をより確実に抑止できる。
また各リブで区切られた濾過液側室を連通する連通路が形成されているため、濾過液側室間の液体又は気体の流通が可能となる。
次に第4の発明によれば、枠体部材を構成する外周濾枠部材・外周リング部材に原液入口・濾液出口が設けられている。このため、それらを枠体部材内部に設ける場合と比較して枠体部材自体の構造が簡略化される。
また概略円筒形状の濾過装置には角部がなく、その組付け作業が容易となる。
次に第5の発明によれば、外周濾枠部材と外周リング部材との全周に亘って形成された対向箇所にシール部材が介在されているため、当個所の密閉性が確保される。よって、当個所からの液体・気体の漏れが防止又は低減される。特にほぼ略円筒形状の濾過装置では、その全周にわたって均一な密閉性が得られる。
次に第6の発明によれば、原液入口同士が連通手段により連通されているため、各濾過液側室内の圧力差が生じない。また濾液出口同士が連通手段により連通されているため、各原液側室内の圧力差が生じない。このため、濾過装置内の圧力差が原因で各部材に曲げモーメントがかかることを防止又は低減できる。更に各部材で仕切られた枠体部材内部の液位(原液,濾過液の量を高さで示したもの)に差が生じることを防止又は低減できる。
また気体供給通路が外周濾枠部材に設けられているため、濾過装置内に任意に気体を出し入れすることができる。
次に第7の発明によれば、原液入口が下方位置に配置されているとともに気体供給通路が上方位置に配置されているため、原液よりも軽い空気を上方に押出すことで原液と空気との入れ替えが容易となる。また濾液出口が下方位置に配置されているため、重力を利用して濾液を濾液出口からより完全に(即ち、内部に濾液がほとんど残留することなく)回収することができる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1,図2は濾過装置の全体を表した図、図3は濾過装置本体の断面図、図4〜図16は各構成部材の図、図17は濾過装置とその周辺部材との関係図である。
本実施例に係る濾過装置1は、液体食品や医薬品を製造する過程で生ずるスラリーを濾過して濾液とケーキとを分離・回収するものである。濾過装置本体2内でスラリーを濾過し、濾過装置1内にケーキを保持するとともに濾過装置1外部に清澄な濾液を排出する。
実施例1に係る濾過装置1は、濾過装置本体2と固定部材3とからなる。
図1,2の固定部材3は、平板状の基板4と支柱5とレール部材6とからなる。
濾過装置1を取付けるべき部位に載置された基板4の四隅には四本の支柱5が垂直に立てられている。基板4の両側面に配置された二本の支柱5,5には、長尺な平板状のレール部材6が橋架して取付けられている。なお図2では、取手部材7を破断してレール部材6を露出させた状態を表している。
円筒形状の濾過装置本体2は、その円筒端面が図1で見て正面を向くようにレール部材6に取手部材7を介して固定されている。濾過装置本体2の下方位置には、原液通路11と濾液通路12とが設けられている。また濾過装置本体2の上方位置には気体供給通路13が設けられている。
図3の濾過装置本体2は、枠体部材10と,第一の濾過スクリーン部材20aと,第二の濾過スクリーン部材20bと,閉止部材30とからなる。
枠体部材10は、濾過装置本体2の胴体部分を形成する。枠体部材10内部には、対向して配置された第一の濾過スクリーン部材20aと第二の濾過スクリーン部材20bとが二組収納されている。第一の濾過スクリーン部材20aと第二の濾過スクリーン部材20bとの間には後述のリブ25が複数橋架されている。そして枠体部材10の両円筒端面には閉止部材30が配置されている。
以下、各構成要件について説明する。
[枠体部材]
図3の枠体部材10は、外周リング部材40と外周濾枠部材50とが複数個組付けられて形成された円筒形状の部材である。外周リング部材40と外周濾枠部材50とは、その外周部分をはめ合せることで互いに組付けられる。
そして外周リング部材40と、後述の第一の濾過スクリーン部材20aと第二の濾過スクリーン部材20bとで囲まれた部位が濾過液側室60となる。
また外周濾枠部材50と各濾過スクリーン部材20a,20b,20cで囲まれた部位が原液側室70となる。
更に各濾過スクリーン部材20a,20bには、その原液側室70を望む面(濾過面)を覆う略円形形状の濾紙15が配置されている。
[外周リング部材]
図4から図7に示す外周リング部材40は、その両端が開口した短尺な円筒形状の部材である。外周リング部材の内周面40bには丸棒部材43が取付けられている。また外周リング部材の外周面40aには、取付座41と濾液出口42とが取付けられている。そして組付け状態時には、点線で表した位置に後述のリブ25が配置されることとなる。
図4の丸棒部材43は、外周リング部材40の両開口端に後述の各濾過スクリーン部材20a,20bを取付けるための部材である。丸棒部材43は、外周リング部材40の中心を向いて立った状態で外周リング部材の内周面40bに取付けられている。
外周リング部材40には、合計八つの丸棒部材43が取り付けられている。つまり図4で示す外周リング部材40の一方の開口端部分に、略90度の角度を保って四つの丸棒部材43が配置されている。さらに、他方の開口端部分(図示しない。)にも四つの丸棒部材43が同様に配置されている。
取付座41は、上述の取手部材7と連係して外周リング部材40をレール部材6に固定するための部材である。取付座41は略長方形状の部材である。外周リング部材の外周面40aには、二つの取付座41,41が図4で見て左右対称に取付けられている。
濾液出口42は、濾液を回収するための円筒形状の配管である。図5に示す通り、濾液出口42の一方の端は濾過液側室60内で開口している。濾液出口42の他方の端は、第一の連結通路44と連結されている。
図6の第一の連結通路44は、濾液出口42と直交して連結された短尺な筒状の配管である。第一の連結通路44は、同図で見て左右方向に両開口端が向くように配置されている。第一の連結通路44の一方の開放端44aは、その内周が幅広に形成されている。第一の連結通路44の他方の開放端44bはその断面がクランク形状となり、一方の開放端44aに嵌まり込む外周形状を有している。
そして第一の連結通路44の内周面に対して平行な面には、Oリング8a(図3を参照)を収納するための溝部44cが形成されている。
組付け状態時の第一の連結通路44は、他の第一の連結通路44と連結して上述の濾液通路12を形成する(図3を参照)。
図7の外周リング部材40の外周部分は、同図で見て右方向に張出して断面略クランク形状のフランジ部位45を形成している。フランジ部位45は、組付け状態時において後述の階段部位55(図10を参照。)と相対して向かい合う面箇所(対面箇所)である。
外周リング部材の内周面40bに対して垂直なフランジ部位の第一の面46には、後述の各濾過スクリーン部材20a,20bの周縁部を配置するための凹部46aが形成されている。更にフランジ部位の第一の面46には、濾紙15を仮止め(位置決め)するためのピン9(図3を参照。)が設けられている。
外周リング部材の内周面40bに対して平行なフランジ部位の第二の面47は、後述の階段部位の第二の面57及びシール部材収納部59(図10を参照。)と対向する部位である。
このフランジ部位の第二の面47は、図7で見て右方向に張出して形成されている。このため、フランジ部位45と階段部位55とが図7で見て左右方向にある程度離間しても、フランジ部位の第二の面47とシール部材収納部59とが対向した状態を維持する。
[外周濾枠部材]
図8から図10に示す外周濾枠部材50は、その両端が開口した円筒形状の部材である。外周濾枠部材の外周面50aには、取付座41と原液入口51と気体供給口52とが設けられている。
原液入口51は、原液を供給するための円筒形状の配管である。図9に示す通り、原液入口51の一方の端は原液側室70内で開口している。原液入口51の他方の端は、第二の連結通路53と連結されている。組付け状態時における第二の連結通路53は、他の第二の連結通路53と連結して原液通路11を形成する。
図8の気体供給口52は、気体を供給するための円筒形状の配管である。その一方の端は原液側室70内で開口し、他方の端は第三の連結通路54(図3を参照)と連結する。組付け状態時の第三の連結通路54は、他の第三の連結通路54と連結して気体供給通路13を形成する(図3を参照。)。
なお取付座41と第二の連結通路53と第三の連結通路54とは、上述の外周リング部材40の対応する部材と同様の構成であるため、対応する箇所には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図10の外周濾枠部材50の外周部分断面は、同図で見て左方向にへこんで階段部位55を形成している。この階段部位55は、組付け状態時において上述のフランジ部位45と相対して向かい合う面箇所(対面箇所)である。
外周リング部材の内周面50bに対して垂直な階段部位の第一の面56は、上述のフランジ部位の第一の面46と組付け状態時に相対する部位である。更に階段部位の第一の面56には、濾紙15を仮止め(位置決め)するためのピン9(図3を参照。)を挿入するピン挿入孔58が設けられている。
また外周リング部材の内周面50bに対して平行な階段部位の第二の面57と階段部位の第一の面56との連結部分は、略L字状に断面が切り欠かれている。この切り欠き部分が、Oリング8(図3を参照。)が収納されるシール部材収納部59となる。その底面部59aは、図10で見て左方向にOリング8が移動しないよう傾斜を付してある。
なお上述のフランジ部位の第二の面47が本発明に係る「フランジ部位」に該当し、シール部材収納部59が本発明に係る「フランジ当接部位」に該当する。またOリング8が、本発明に係る「シール部材」に該当する。
[濾過スクリーン部材]
図11から図13に示す第一の濾過スクリーン部材20aと図14に示す第二の濾過スクリーン部材20bとは正面円形の平板部材である。また第一の濾過スクリーン部材20aには、互いに一定間隔をおいて10枚のリブ25が平行に結合している。
また各濾過スクリーン部材20a,20bの表面には、その厚み方向に貫通する複数の細孔が設けられている。更に各濾過スクリーン部材20a,20bの周端部には、略90度の角度を保って留金部材21が四箇所に設けられている。
各濾過スクリーン部材20a,20bは、上述のフランジ部位の第一の面46に形成された凹部46aにその周縁部部分が配置された状態で外周リング部材40に固定される。
各濾過スクリーン部材20a,20bの周端部は、各濾過スクリーン部材20a,20bの組付け方向にやや曲がりが付けられている。この周端部は、組付け状態時に組付け方向に撓む。この撓み変形に対する反発弾性を利用して、各濾過スクリーン部材20a,20bが弾性的に支持される。
図12,図13のリブ25は平板状の部材である。各リブ25は、図13に示す通り、第一の濾過スクリーン部材20aに一方の長尺側の側部25aで結合している。組付け時のリブ25は、他方の長尺側の側部25bで第二の濾過スクリーン部材20bと接触する。またリブ25の短尺側の側部25c,25cと外周リング部材の内周面40bとの間には、所定の間隔寸法を有する連通路27,27が形成されている。
図15,16の留金部材21は、断面略クランク形状を有した平板部材である。留金部材21の中央部分21aは、図16に示す通り、丸棒部材43を挟み込むために曲線を描いて湾曲している。
留金部材21は、濾過スクリーン部材20a,20bに溶接されて固定されている。
[閉止部材]
図3の閉止部材30は、その一端が開口した耐圧強度の大きい球殻の一部から成る形状(あるいは皿形)の部材であり、その外周部には閉止部材の濾液出口32が設けられている。閉止部材の濾液出口32は、その端部で連結通路33と連結されている。連結通路33は、隣接する第一の連結通路44と連結し濾液通路12の一部となる。また気体供給通路13の一部を構成する連結通路36が、閉止部材30内部と連通せずに閉止部材30に取付けられている。
更に閉止部材30の開口には、第三の濾過スクリーン部材20cが嵌め込まれている。
第三の濾過スクリーン部材20cには、図1に示す通り、放射円状に配置されたリブ35が複数個結合されている。また第三の濾過スクリーン部材20cの濾過面にも濾紙15が配置されている。
なお閉止部材の濾液出口32と連結通路33,36とは上述の外周リング部材40の対応する部材と同様の構成であるため、対応する箇所には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施例においては閉止部材30内においても濾過作業を行うが、必ずしも濾過機能を具備する必要はない。
[組付け方法]
先ず、各濾過スクリーン部材20a,20bの外側に配置された濾過面を濾紙15で覆う(図3を参照)。濾紙15の周端部は、フランジ部位の第一の面46に配置される。この状態のまま濾紙15を固定するため、ピン9に濾紙15を差し込む。あるいはピン9を設置せず、濾紙15を水などで濡らして、各濾過スクリーン部材20a,20bと濾紙15とを貼り合わせてもよい。なおピン9の端部は、外周濾枠部材50のピン挿入孔58に収納される。
そして組付け状態の外周リング部材40をレール部材6に取付け、固定部材3に収納する方向(図2で見て右方向)にレール部材6上を移動させる。
なお同様の方法により、あらかじめ閉止部材30が固定部材3に収納されている。
次に外周濾枠部材50のシール部材収納部59にOリング8を収納する。この状態で外周濾枠部材50をレール部材6に取付け、固定部材3に収納する方向(図2で見て右方向)に移動させる。
そして外周リング部材40のフランジ部位45と外周濾枠部材50の階段部位55とが互いに嵌まり合うことで、両者が組付けられる。
このとき階段部位の第一の面56は、フランジ部位の第一の面46に濾紙15の周端部を押し付ける。またフランジ部位の第二の面47とシール部材収納部59との間にOリング8が配置された状態となる。
そして閉止部材30を更に収納することで濾過装置1が組付けられる。閉止部材30の周縁部分は、図1の通り、外周濾枠部材50に複数のボルト37で固定されている。
[濾過装置1の作用・効果]
先ず、外周リング部材40からそれぞれ独立して取外し可能な第一の濾過スクリーン部材20aと第二の濾過スクリーン部材20bとで濾過液側室60が形成されている。このため濾過装置1を分解洗浄する際には、各濾過スクリーン部材20a,20bを取り外して各濾過スクリーン部材20a,20bごとに洗浄することができる。
また二枚の濾過スクリーン部材20a,20bを対向させて配置しその内部を濾過液側室60とすることで、一枚の濾過スクリーン部材を重ねて一方向から濾過を行う場合と比較してその濾過面積が2倍になる。つまり各濾過スクリーン部材20a,20bはいずれも濾過作業に貢献する。このため濾過に貢献しない部分が少なく、濾過装置1の保守性が向上する。
次に対向する第一の濾過スクリーン部材20aと第二の濾過スクリーン部材20bとが互いに近づく方向に撓み変形することを抑止するリブ25が配設されている。このため、各濾過スクリーン部材20a,20bの撓み変形による破損を防止できる。
また各リブ25で区切られた濾過液側室60を連通する連通路27,27が形成されているため、濾過液側室60間の液体・気体の流通が可能となる。このため一ヶ所から排出できる。つまり濾過液側室60内は単純な一つの空間とみなされ、製作が容易となりその洗浄も容易となる。
次に、概略円筒形状の濾過装置1には角部がなく、その組付け作業が容易となる。また円筒形状の濾過装置1は、多角形の筒体と比較して精度の高い加工が可能である。
また外周リング部材40のフランジ部位45と外周濾枠部材50の階段部位55とが互いに嵌まり合って、階段部位の第一の面56で濾紙15を押さえつける構造となっている。このため濾紙15の取付にネジなどの押え金具を用いる場合と比較して、その組付けに要する部品点数が少なくなる。
また枠体部材10を構成する外周濾枠部材50に原液入口51が設けられている。また外周リング部材40には、濾液出口42と気体供給通路13とが設けられている。このため各濾過スクリーン部材20a,20bにそれらを設ける必要がなく、各濾過スクリーン部材20a,20b自体の構造を簡略化できる。
次に、濾液出口42同士が連結通路44により連通されているため、各濾過液側室60内の圧力差が生じない。また原液入口51同士が連結通路53により連通されているため、各原液側室70内の圧力差が生じない。このため、各部材で仕切られた枠体部材10内部の液位に差が生じることを防止又は低減できる。更に、濾過装置1内の圧力差が原因で各部材に曲げモーメントがかかることを防止又は低減できる。特に対向する第一の濾過スクリーン部材20aと第二の濾過スクリーン部材20bとにかかる押込圧力も同等となるため、曲げモーメントがリブ25にかからない。よって、曲げモーメントを考慮しないだけ、リブ25を軽量化することができる。
次に、原液入口51が下方に配置されているため、下方から上方へと空気を押出すことでスラリーと空気との入れ替えが容易となる。また気体供給通路13は上方に配置され、濾液出口42が下方に配置されているため、(気体の圧力と)重力とを利用して濾液を濾液出口42から回収することができる。
次に、Oリング8を収納したシール部材収納部59とフランジ部位の第二の面47とが外周リング部材40と外周濾枠部材50との嵌め合せ箇所のすべてに亘って形成されている。このため嵌め合せ個所の密閉性が確保され、液体・気体の漏れを防止又は低減することができる。特に略円筒形状の濾過装置1では、その全周にわたって均一なシール圧分布が得られる。
また枠体部材10の密閉性を確保する密着部位と濾紙15の押付け部位とは互いに異なる部位である。このため濾紙15からの濾液等の浸透漏れがない。
また必要に応じて異なる厚みの濾紙15を使用する場合であっても、シール部材収納部59とフランジ部位の第二の面47との対向状態は維持されるため、その部位面間の密閉性が確保される。この場合、各連結通路44(33,36,53,54)の連結部分の密閉性も同様に確保されている。各連結通路44(33,36,53,54)の連結部分も同様の構成により対向状態が維持されるためである。
[濾過方法]
濾過方法は、供給工程と,循環工程と,濾過工程と,残留濾過工程と,エアブロー工程と,配管内ブロー工程と,排気工程との7つの工程からなる。
先ず、濾過装置1と各周辺部材との関係を図17に基づいて説明する。
原液通路11は、スラリーを貯蔵する原液タンク80と第一の配管81を通じて連通している。第一の配管81には、原液タンク80から濾過装置1内へとスラリーを送る濾過ポンプ82と流量調整のためのバイパス弁83が取付けられている。
濾液通路12は、第二の配管86を通じて原液タンク80と連通している。また濾液通路12は、濾液を貯蔵する濾液タンク85とも第三の配管87を通じて連通している。
そして気体供給通路13は、ベント配管88を通じて原液タンク80と連通している。
また気体供給通路13は、気体を供給する気体供給装置(図示しない。)と第四の配管89を通じて連通している。気体供給装置から供給される気体は、空気又は窒素等の不活性気体などである。
また上述の各配管81,86,87,88,89には、それぞれ双方向に液体を流通可能な双方向弁90a,90b,90c,90d,90eが取付けられている。なおバイパス弁83も双方向に液体を流通可能な構成を有する。
なお各配管81,86,87,88,89と連通した各部材は、各配管81,86,87,88,89の目的・機能を特定又は限定するものではない。例えばベント配管88は、気体排出,加圧気体供給,原液循環などの目的・機能を果たす場合もある。
(供給工程)
先ず双方向弁90dを開いてベント配管88を開放し、濾過装置1の密閉状態を解除する。つぎに双方向弁90aを開いて第一の配管81を開放する。そして濾過ポンプ82を始動させ、原液通路11を通じてスラリーを濾過装置1内に入れる。スラリーは、原液側室70内の空気をベント配管88から押し出しつつ内部に充填されていく。原液側室70から溢れ出たスラリーは、ベント配管88をとおり再び原液タンク80内に戻る。
なお双方向弁90bを開いて第二の配管86を開放し、濾過装置1の密閉状態を解除してもよい。
(循環濾過工程)
次に双方向弁90aを開いて第一の配管81を開放する。また双方向弁90bを開いて第二の配管86を開放する。そして、原液側室70,濾過液側室60,原液タンク80の順に濾過ポンプ82を用いてスラリーを循環させる。なお、必要とされる所定の濾過精度が濾紙15にあれば、この工程を省略してもよい。
ここで沈降性(沈降速度)の大きい粒子群を含むスラリーを濾過する場合には、双方向弁90dを開いてベント配管88を開放しておくことが望ましい。原液側室70内のスラリーに図17で見て上方側への動きを与えることで、原液側室70内の粒子群の沈降を抑えることができる。スラリー内の粒子群の密度を均一に保つことにより、後述の濾過工程において均一な厚さのケーキを濾紙15(図3を参照。)表面に形成できる。
(濾過工程)
次に双方向弁90aを開いて第一の配管81を開放する。また双方向弁90cを開いて第三の配管87を開放する。そして、原液側室70から濾過液側室60へと濾過ポンプ82を用いてスラリーを送り込む。送り込まれたスラリーは、原液側室70,濾紙15,濾過スクリーン部材20a(20b),濾過液側室60の順に移動して清澄な濾液となる。そして第三の配管87を通り濾液タンク85へと回収される。
なお沈降性(沈降速度)の大きい粒子群を含むスラリーを濾過する場合には、上述の理由により双方向弁90dを開いてベント配管88を開放しておくことが望ましい。
(残留濾過工程)
次に双方向弁90cを開いて第三の配管87を開放する。また双方向弁90eを開いて第四の配管89を開放する。そして、原液側室70,濾過液側室60,濾液タンク85の順に気体を供給する。全ての原液側室70内に残留した原液が濾過・回収される。
また濾過液側室60と原液側室70との液位は絶えず釣合いをとり一定となっており、各側室ともほぼ同時に濾過作業が進行する。このため、一部の原液側室70の原液のみが排出(ブロー)されて残りの原液側室70に原液が残るということはない。
(エアブロー工程)
次に双方向弁90bを開いて第二の配管86を開放する。また双方向弁90eを開いて第四の配管89を開放する。そして、原液側室70,濾過液側室60,濾液タンク80の順に気体を供給し、気流を発生させる。この工程により、ケーキ内の粒子間に残留したスラリーと濾紙15に残留したスラリーとを除去することで、ケーキと濾紙15とを脱液することができる。また、第二の配管86内の濾液を気流によって原液タンク80内に戻すことができる。
(配管内ブロー工程)
次に双方向弁90aとバイパス弁83とを開いて第一の配管81を開放する。また双方向弁90eを開いて第四の配管89を開放する。そして、第一の配管81内のスラリーを気体圧によって原液タンク80内に戻す。
このとき双方向弁90bを開いて第二の配管86をあらかじめ開放しておくことが望ましい。濾過液側室60の圧力(背圧)を抑えることで、濾紙15表面のケーキが原液側室70側に崩れることを防止または低減することができる。
なお循環濾過工程を省略する場合等には、第二の配管86の代りに第三の配管87を開放してもよい。
(排気工程)
最後に双方向弁90dを開いてベント配管88を開放する。そして濾過装置1内の気体を排出してから濾過装置1を開放する。
[濾過方法の作用・効果]
先ず、残留濾過工程により濾過装置1内の濾液をより多く回収することができる。下方で原液入口51を連通させることから、全ての原液側室70内を均等に残液濾過する。
更にエアブロー工程によりスラリーと濾紙15とを脱液するとともに各配管81,86,87,88,89内のスラリー又は濾液を排除するため、濾過装置1開放時における液漏れを防止又は低減できる。
[その他の実施の形態]
本発明に係る濾過装置1は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他各種の実施の形態を取り得る。
先ず、第一の濾過スクリーン部材20aと第二の濾過スクリーン部材20bとリブ25とが各々別部材であってもよい。各々別部材であれば、濾過装置1の分解洗浄時に各濾過スクリーン部材20a,20bとリブ25とを取り外して各々洗浄することができる。この場合リブ25は、外周リング部材の内周面40bに設けられた溝構造に嵌め込み固定されることとなる。また複数のリブ25を連結してもよい。例えば複数のリブ25間に棒部材を橋架してもよい。またリブ同士が直交して交差した交差リブであれば、一つの部材として取り扱うことができる。外周リング部材40とリブ25とが一体であってもよい。
次にシール部材収納部59は、図6に示す溝部44cと同様な構成の溝部を設けてもよい。その溝部の開口部分は、シール部材が抜け方向に移動しないように引き締められていてもよい。又、収納部分は内外どちらに設けてもよい。
次に、第一の濾過スクリーン部材20aと第二の濾過スクリーン部材20bと外周リング部材40との取付け方法は各種の手段を取り得る。
例えば外周リング部材40に、板バネ部材・コイルバネなどのバネ部材を取付けてもよい。バネ部材は、組付け状態時の各濾過スクリーン部材20a,20bの外周面をその径方向に押圧する弾性力を付与されている。
また外周リング部材40に断面略コ字状の取付部材を設けてもよい。取付部材は、その開口が内周面を向くように丸棒部材43の位置に取付けられる。各濾過スクリーン部材20a,20bには断面略L字状の被取付部材が設けられる。被取付部材は、その自由端が径方向外方を向くように留金部材21の位置に取付ける。そして被取付部材の自由端を、取付部材の開口部に嵌め込むことで各濾過スクリーン部材20a,20bと外周リング部材40とを固定する。
なおネジ止めやリブ25止めなど各種の公知の方法も適用可能である。
次に第一の濾過スクリーン部材20aと第二の濾過スクリーン部材20bとは、多孔板,金網形状,ウェッジワイヤ等各種の形状をとり得る。
リブ25の形状は、平板,丸棒,角材,パイプなど各種の形状をとり得る。またリブ25の配置は、井桁,放射状,同心円状などいかなる配置状態でもよい。リブ25の数も適宜変更できる。
またリブ25の短尺側の側部25c,25cと外周リング部材の内周面40bとが接触していてもよい。この場合リブ25の短尺側の側部25c,25cを外周リング部材40の径方向に切り欠いて、この切欠き部分を連通路とする。切欠き部分の形状は、図13の正面で見て半楕円形,半円形,多角形などの形状をとることができる。切欠き部分は、リブ25の長尺側の側部25a(25b)を図13で見て上下方向に切り欠いて形成してもよい。長尺側の側部25a(25b)に切欠き部分を設ける位置は、図13で見て中央位置や端部位置などいかなる位置であってもよい。また切欠き部分の代りに、リブ25の厚み方向に貫通する孔を設けてもよい。
またシール材として各種のパッキン,リップシールなど公知のシール材を使用できる。
また濾紙15としてセルロースなど公知の材質を用いた濾過材を使用できる。また濾紙15のほか、濾布等の公知のものを本発明にかかる「濾過材」として使用できる。更に濾過スクリーン部材20a(20b)と本発明にかかる「濾過材」とが一体であってもよい。例えば本発明にかかる「濾過材」として、焼結金網を使用することができる。この焼結金網を、濾過スクリーン部材20a(20b)に溶接してもよい。
次に原液入口51と濾液出口42の配置位置は適宜変更できる。例えば、濾液出口42を図1で見て濾過装置1の上方位置に取付けてもよい。濾過装置1内部の底面部付近に開口した配管を濾液出口42に連通させておき、気体圧を利用してこの配管内に濾液を通して外部に排出することができる。
濾過装置の正面一部切断図である。 濾過装置の側面図である。 濾過装置本体の断面図である。 外周リング部材の正面図である。 図4のV−V線断面図である。 連結通路の断面図である。 外周リング部材の外周部分の断面図である。 外周濾枠部材の正面図である。 図8のIX−IX線の断面図である。 外周濾枠部材の外周部分の断面図である。 濾過スクリーン部材の正面図である。 図11の濾過スクリーン部材の横断面図である。 図11の濾過スクリーン部材の縦断面図である。 濾過スクリーン部材の別の例の断面図である。 留金部材の正面図である。 留金部材の断面図である。 濾過装置とその周辺部材との関係図である。
符号の説明
1 濾過装置
2 濾過装置本体
3 固定部材
4 基板
5 支柱
6 レール部材
7 取手部材
8,8a Oリング
9 ピン
10 枠体部材
11 原液通路
12 濾液通路
13 気体供給通路
15 濾紙
20a 第一の濾過スクリーン部材
20b 第二の濾過スクリーン部材
20c 第三の濾過スクリーン部材
21 留金部材
21a 中央部分
25,35 リブ
25a 一方の長尺側の側部
25b 他方の長尺側の側部
25c 短尺側の側部
27 連通路
30 閉止部材
32 閉止部材の濾液出口
33,36 連結通路
37 ボルト
40 外周リング部材
40a 外周リング部材の外周面
40b 外周リング部材の内周面
41 取付座
42 濾液出口
43 丸棒部材
44 第一の連結通路
44a 一方の開放端
44b 他方の開放端
44c 溝部
45 フランジ部位
46 フランジ部位の第一の面
47 フランジ部位の第二の面
46a 凹部
50 外周濾枠部材
50a 外周濾枠部材の外周面
50b 外周濾枠部材の内周面
51 原液入口
52 気体供給口
53 第二の連結通路
54 第三の連結通路
55 階段部位
56 階段部位の第一の面
57 階段部位の第二の面
58 ピン挿入孔
59 シール部材収納部
59a シール部材収納部の底面部
60 濾過液側室
70 原液側室
80 原液タンク
81 第一の配管
82 濾過ポンプ
83 バイパス弁
85 濾液タンク
86 第二の配管
87 第三の配管
88 ベント配管
89 第四の配管
90a,90b,90c,90d,90e 双方向弁

Claims (7)

  1. 枠体部材により画定されて密閉形成された室の中に、離間して配置された二枚の濾過スクリーン部材により該濾過スクリーン部材間の内側が濾過液側室として形成され、該濾過スクリーン部材間の外側が原液側室として区画形成されており、前記枠体部材には前記原液側室に濾過原液を供給する原液入口及び前記濾過液側室の濾過液を吐出する濾液出口が設けられていると共に前記濾過スクリーン部材の端部が取付けられており、前記原液側室に供給された濾過原液を濾過スクリーン部材により濾過して濾過液側室に濾過液を取出すようにした濾過装置であって、
    前記濾過液側室を形成する二枚の濾過スクリーン部材間にはリブが橋架配設されていると共に、
    該二枚の濾過スクリーン部材はそれぞれ独立して前記枠体部材から分解可能状態として枠体部材に組付けられており、分解時にそれぞれ独立して洗浄可能とされていることを特徴とする分解洗浄可能な濾過装置。
  2. 請求項1に記載の分解洗浄可能な濾過装置であって、
    前記二枚の濾過スクリーン部材と前記リブとは分解可能な独立した部材として組立て可能に形成されていることを特徴とする分解洗浄可能な濾過装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の分解洗浄可能な濾過装置であって、
    前記リブは、前記濾過液側室を区切る複数の板状部材で形成され、該板状部材のリブにはその区切られた室を連通する連通路が形成されていることを特徴とする分解洗浄可能な濾過装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の分解洗浄可能な濾過装置であって、
    該濾過装置は概略円筒形状で形成されており、該筒形状箇所を構成する枠体部材は、前記原液側室の外周を画定する外周濾枠部材と、前記濾過液側室の外周を画定する外周リング部材とから構成されており、前記濾過スクリーン部材の端部は該外周濾枠部材と外周リング部材との間に挟持されて取付けられており、外周濾枠部材に原液入口が設けられていると共に外周リング部材に濾液出口が設けられていることを特徴とする分解洗浄可能な濾過装置。
  5. 請求項4に記載の分解洗浄可能な濾過装置であって、
    前記外周濾枠部材と外周リング部材とには筒形状の長さ方向で見て対面形成される対向箇所が全周に亘って形成されており、
    該対向箇所にシール部材が全周に亘って介在されていることを特徴とする分解洗浄可能な濾過装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の分解洗浄可能な濾過装置であって、
    前記原液側室及び濾過液側室は複数形成されており、該複数の原液側室への各原液入口は第1の連通手段により連通されていると共に、該複数の濾過液側室からの濾液出口は第2の連通手段により連通されており、
    該原液側室には、前記原液側室に加圧気体を供給する気体供給通路が設けられていることを特徴とする分解洗浄可能な濾過装置。
  7. 請求項6に記載の分解洗浄可能な濾過装置であって、
    前記濾過装置を載置した状態において、前記原液入口及び濾液出口は下方位置に配置され、前記気体供給通路は上方位置に配置されていることを特徴とする分解洗浄可能な濾過装置。
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