JP2005328371A - 超電導回路 - Google Patents

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悟 平野
Hideo Suzuki
秀雄 鈴木
Nobuyuki Yoshikawa
信行 吉川
Keiichi Tanabe
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Abstract

【課題】 単一磁束量子パルスのパルス間隔を均一化することができる超電導回路を提供することを課題とする。
【解決手段】 第1のジョセフソン転送ライン回路(104)と、第2のジョセフソン転送ライン回路(105)と、第3のジョセフソン転送ライン回路(106)とを有する超電導回路が提供される。第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路は、ジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含み、入力された単一磁束量子パルスを転送する。第2のジョセフソン転送ライン回路は、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路の間に接続され、ジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含み、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路に比べて入力単一磁束量子パルスを鈍化又は遅延して転送することによりそのパルス間隔を均一化して出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超電導回路に関し、特にジョセフソン転送ライン回路を含む超電導回路に関する。
超電導接合(ジョセフソン接合)素子を用いた超電導回路は、100GHzを越える高速性、ゲートあたりnWのオーダの低消費電力を特長とする論理回路である。このため、ハイエンドルーター用やインターコネクト用スイッチ、無線通信用や計測用の高精度・広帯域A/Dコンバータ等に応用が期待されている。
超電導回路は、高速動作が可能である。超電導回路を高速動作させるためには、高周波数のクロック信号が必要である。クロック信号を超電導回路の外部から、通常、半導体回路で生成されたクロック信号を超電導回路に入力し、超電導回路内で逓倍し、高周波数の単一磁束量子パルスのクロック信号を生成する。
しかし、超電導ラダー回路等を用いて、逓倍されたクロック信号(単一磁束量子パルス)は、パルス間隔が一定でなく、その間隔を制御することは難しい。このような不均一間隔のパルスを超伝導回路のクロック信号として用いると、超伝導回路の性能を劣化させたり、回路の動作マージンの低下、ひいては誤動作を引き起こすことになる。
また、下記の非特許文献1及び2が公開されている。
V.K. Kaplunenko,"Fluxon Interaction in an Overdamped Josephson Transmission Line", Appl. Phys. Lett., vol. 66(24), pp. 3365-3367, 1995. Y. M. Zhang, V. Borzenets, V. K. Kaplunenko, N. B. Dubash, "Underdamped long Josephson junction coupled to overdamped single-flux-quantum circuit", Applied Phys. Lett., vol. 71, pp. 1863-1865, September 1997.
本発明の目的は、単一磁束量子パルスのパルス間隔を均一化することができる超電導回路を提供することである。
本発明の一観点によれば、第1のジョセフソン転送ライン回路と、第2のジョセフソン転送ライン回路と、第3のジョセフソン転送ライン回路とを有する超電導回路が提供される。第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路は、ジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含み、入力された単一磁束量子パルスを転送する。第2のジョセフソン転送ライン回路は、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路の間に接続され、ジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含み、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路に比べて入力単一磁束量子パルスを鈍化又は遅延して転送することによりそのパルス間隔を均一化して出力する。
第2のジョセフソン転送ライン回路で単一磁束量子パルスを転送することにより、単一磁束量子パルスを鈍化又は遅延することができる。第2のジョセフソン転送ライン回路にパルスが入ってくることで、その次のパルスとの間の斥力が強まる。また、第2のジョセフソン転送ライン回路内で単一磁束量子パルスを鈍化又は遅延することにより、単一磁束量子パルス間の斥力が強くなり、単一磁束量子パルスの間隔を均一化することができる。
(第1の実施形態)
図1(A)は本発明の第1の実施形態による超電導回路の構成例を示し、図1(B)はその動作波形を示す。パルス発生回路101は、例えば外部の基準発振器であり、矩形パルスS1を生成する。DC/SFQ回路102は、矩形パルスS1の立ち上がり時に単一磁束量子(SFQ:single flux quantum)パルスS2を生成する。逓倍回路103は、単一磁束量子パルスS2の周波数を例えば4倍に逓倍し、逓倍した単一磁束量子パルスS3を生成する。単一磁束量子パルスS3は、逓倍された4つのパルスの組みの中では等間隔になるが、4つのパルスの組みの間では間隔が広くなったり狭くなってしまい、全体的に不均一なパルス間隔になってしまう。第1のジョセフソン転送ライン(JTL:Josephson Transmission Line)回路104は、単一磁束量子パルスS3を転送する。
第2のジョセフソン転送ライン回路105は、不均一な単一磁束量子パルスS3を鈍化しかつパルス間隔を均一化して出力するようにその単一磁束量子パルスを転送し、単一磁束量子パルスS4を出力する。出力単一磁束量子パルスS4は、入力単一磁束量子パルスS3に比べ、鈍化し、パルス間隔が均一化している。複数の単一磁束量子パルスの間では、相互に斥力が働く。単一磁束量子パルスの間隔が狭いほど、斥力が強くなる。また、単一磁束量子パルスを鈍化させると、単一磁束量子パルス間の斥力が強くなる。また、第2のジョセフソン転送ライン回路105に入力されたパルスは、ジョセフソン転送ラインから減速の力を受け、このことによっても次のパルスとの間の斥力が増す。その結果、単一磁束量子パルスの間隔が均一化される。第2のジョセフソン転送ライン回路105の構成は、後に図6(A)〜(C)を参照しながら説明する。
第3のジョセフソン転送ライン回路106は、鈍化した単一磁束量子パルスS4を急峻化して出力するようにその単一磁束量子パルスを転送し、単一磁束量子パルスS5を出力する。単一磁束量子パルスS5は、単一磁束量子パルスS4に比べ、急峻化し、整形されており、パルス間隔の均一化を維持している。この単一磁束量子パルスS5は、パルス間隔が均一化された高周波数のクロック信号として使用することができる。第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106の構成は、後に図6(A)〜(C)を参照しながら説明する。一般の超電導回路において、通常使用されているジョセフソン転送ライン回路は、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106のタイプである。
本実施形態では、パルスを遅延及び鈍化させる第2のジョセフソン転送ライン回路105の両端に、パルスを鈍化させずに転送するための第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106を設ける。これにより、第1及び第2のジョセフソン転送ライン回路104及び105を通過するパルスが、減速の力を受けて、次のパルスとの斥力が増す。また、第2のジョセフソン転送ライン回路105内でパルスが広がることにより、パルス間隔に対して相対的に斥力が増す。その結果、出力パルスS5を均一化させることができる。第2のジョセフソン転送ライン回路105は、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106に比べて入力単一磁束量子パルスを鈍化又は遅延して転送することによりそのパルス間隔を均一化して出力することができる。
図2(A)は、ジョセフソン接合素子201及び超電導リング202を用いた単一磁束量子パルスを生成するための回路原理を示す。超電導リング202を含む超電導回路は、例えばニオブの線で構成される。ジョセフソン接合素子201は、例えばニオブ線のギャップに薄いアルミニウム酸化膜を設けた接合素子である。
ジョセフソン接合素子201を含む超電導リング202に電流Iを流すと、電流Iが接合の臨界電流Icを超えていると、リング内に磁束量子1個が発生する。このとき、接合は瞬間的に電圧状態になり、単一磁束量子パルスと呼ばれる短い電圧パルスを発生させる。また、磁束量子1個がリング内に存在する場合、リングには電流Ie(=φ0/L)が流れている。ここで、Lはリングのインダクタンスである。電流IがIc−Ieを超えると、接合は電圧状態になり、同様に短いパルスを発生させ、磁束量子は外に排出される。これにより、超電導リング202内に単一磁束量子φ0が発生する。これにより、ジョセフソン接合素子201の両端に、単一磁束量子パルス(図2(B))と呼ばれる短い電圧パルスを発生させることができる。
ジョセフソン接合素子201は、オーバーダンプ接合であり、図2(C)に示す電流−電圧特性を有する。縦軸がジョセフソン接合素子201に流れる電流Iであり、横軸がジョセフソン接合素子201の両端に発生する電圧である。電流Iが臨界電流Icより小さいときには電圧Vは0であり、電流Iが臨界電流Ic以上になると電圧Vが発生する。
図2(B)は、ジョセフソン接合素子201に発生する単一磁束量子パルスを示す。単一磁束量子パルスは、振幅がVg、パルス幅がτであり、次式の関係を有する。ここで、φ0は、単一磁束量子であり、2.07×10-15Wbの定数である。
τ×Vg=φ0
単一磁束量子パルスは、振幅Vg及びパルス幅τを変化させることができるが、それらの積は一定値φ0になる。図1(A)において、第2のジョセフソン転送ライン回路105で単一磁束量子パルスを鈍化したり、第3のジョセフソン転送ライン回路106で単一磁束量子パルスを急峻化したりしても、単一磁束量子パルスS3、S4及びS5のパルス内の面積(τ×Vg)は変わらない。例えば、単一磁束量子パルスS2,S4及びS5は、振幅Vgが1mVとすると、パルス幅τが2psである。
図3は、図2の回路原理に基づいた図1の第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路104〜106の基本的共通構成例を示す。第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路104〜106の違いは、後に図6(A)〜(C)を参照しながら説明する。
1つのジョセフソン転送ライン回路は、ジョセフソン接合素子301及び超電導インダクタ302を含むユニット回路が複数接続されており、単一磁束量子パルスを転送する。1つのジョセフソン転送ライン回路は、超電導インダクタ302が各ジョセフソン接合素子301間に接続される。各ジョセフソン接合素子301には、バイアス電流Ibが供給される。バイアス電流Ibは、臨界電流Ic(図2(C))よりも小さい電流である。単一磁束量子パルスが初段のジョセフソン接合素子301に入力されると、臨界電流Icよりも大きい電流がジョセフソン接合素子301に流れ、そのジョセフソン接合素子301が単一磁束量子パルスを発生する。すると、次段のジョセフソン接合素子301に電流が流れ、そのジョセフソン接合素子301が単一磁束量子パルスを発生する。以下、同様にして、単一磁束量子パルスが転送される。例えば、1つのジョセフソン転送ライン回路は、10〜150段のユニット回路を有する。
図4(A)は超電導論理和(OR)回路の構成例を示し、図4(B)はその動作を説明するための波形例である。超電導OR回路は、図1(A)の回路で生成された単一磁束量子パルスS5をクロック信号CLKとして用い、2つの入力信号INA及びINBの論理和信号を出力信号OUTとして出力する。超電導OR回路は、ジョセフソン接合素子401及び超電導インダクタ402を用いて構成することができ、直流バイアス電流BIASが供給される。クロック信号CLKは、高周波数の単一磁束量子パルスであり、パルス間隔(周期)Tが例えば10ps以下で均一化されている。出力信号OUTは、クロック信号CLKに同期して、2つの入力信号INA又はINBのいずれかで単一磁束量子パルスが発生していれば、単一磁束量子パルスが生成される。なお、クロック信号CLKは、論理積(AND)回路等の他の論理回路に使用することもできる。接合の品質を向上させることができれば、単一磁束量子パルスの幅は大変短くできるため(1ps以下)、論理回路のクロック周波数の最大は100GHz以上と半導体では及ばない高速動作が可能である。
図5(A)は、図1(A)の逓倍回路103の一例としてコンパレータ型逓倍回路の構成例を示す。この場合は、図1(A)のDC/SFQ回路102は不要である。超電導インダクタ501及び511が直列に接続され、入力信号INが入力される。ジョセフソン接合素子503、超電導インダクタ502及びジョセフソン接合素子504は直列に接続される。超電導インダクタ501及び502は、磁気結合される。入力信号INとして図1(B)の矩形パルスS1が入力されると、超電導インダクタ502には入力信号INのパルスの立ち上がり時及び立ち下がり時に電流が流れる。ジョセフソン接合素子503は、入力信号INの立ち上がり時に単一磁束量子パルスを発生する。ジョセフソン接合素子504は、入力信号INの立ち下がり時に単一磁束量子パルスを発生する。コンフルエンスバッファ(confluence buffer)505は、ジョセフソン接合素子503及び504が発生する単一磁束量子パルスを合流させて論理和として出力する。これにより、入力信号INの1つのパルスに対して、2つの単一磁束量子パルスが生成される。この時発生するパルスの間隔は、入力信号の周波数と、パルスのデューティ比で決まる。
同様に、ジョセフソン接合素子513、超電導インダクタ512及びジョセフソン接合素子514は直列に接続される。超電導インダクタ511及び512は、磁気結合される。入力信号INとして図1(B)の矩形パルスS1が入力されると、超電導インダクタ512には入力信号INのパルスの立ち上がり時及び立ち下がり時に電流が流れる。ジョセフソン接合素子513は、入力信号INの立ち上がり時に単一磁束量子パルスを発生する。ジョセフソン接合素子514は、入力信号INの立ち下がり時に単一磁束量子パルスを発生する。コンフルエンスバッファ515は、ジョセフソン接合素子513及び514が発生する単一磁束量子パルスを合流させて論理和として出力する。これにより、入力信号INの1つのパルスに対して、2つの単一磁束量子パルスが生成される。
ジョセフソン転送ライン回路516は、コンフルエンスバッファ515の出力信号を遅延させる。コンフルエンスバッファ517は、コンフルエンスバッファ505の出力信号及びジョセフソン転送ライン回路516の出力信号を合流させて論理和として出力信号OUTを出力する。出力信号OUTは、入力信号INの1つのパルスに対して4つの単一磁束量子パルスが所定間隔で発生する。入力信号INとして図1(B)の矩形パルスS1を入力すれば、入力信号INの周波数を4倍に逓倍したパルスS3に示すような出力信号OUTが出力される。
しかし、出力信号OUTは、図1(B)のパルスS3に示すように、逓倍された4つのパルスの組みの中では等間隔になるが、4つのパルスの組みの間では入力信号のデューティ比と、回路内での遅延によって間隔が広くなったり狭くなってしまい、全体的に不均一なパルス間隔になってしまう。また、入力信号INのパルス幅及びジョセフソン転送ライン回路516の影響を受け、出力信号OUTのパルス間隔を均一にすることが困難である。
図5(B)は、図1(A)の逓倍回路103の他の例としてラダー型逓倍回路の構成例を示す。DC/SFQ回路521は、図1(A)のDC/SFQ回路102に相当し、入力信号INのパルスの立ち上がり時に単一磁束パルスを生成する。例えば、入力信号INが図1(B)の矩形パルスS1の場合には、単一磁束量子パルスS2が生成される。
第1のパスでは、単一磁束量子パルスA1はDC/SFQ回路521の出力信号がスプリッタ522により分岐された信号であり、コンフルエンスバッファ523を介して出力信号OUTとなる。スプリッタ522は、入力された単一磁束量子パルスを2つに分岐して入力信号と同じパルスを出力する。コンフルエンスバッファ523は、上記のように、2つの入力信号を合流させて出力する。
第2のパスでは、単一磁束量子パルスA2はDC/SFQ回路521の出力信号が2つのスプリッタ522及び1つのジョセフソン転送ライン回路524を介して遅延された信号であり、さらに2つのコンフルエンスバッファ523及び1つのジョセフソン転送ライン回路524を介して遅延されて出力信号OUTとなる。
第3のパスでは、単一磁束量子パルスA3はDC/SFQ回路521の出力信号が3つのスプリッタ522及び2つのジョセフソン転送ライン回路524を介して遅延された信号であり、さらに3つのコンフルエンスバッファ523及び2つのジョセフソン転送ライン回路524を介して遅延されて出力信号OUTとなる。
第4のパスでは、単一磁束量子パルスA4はDC/SFQ回路521の出力信号が4つのスプリッタ522及び3つのジョセフソン転送ライン回路524を介して遅延された信号であり、さらに4つのコンフルエンスバッファ523及び3つのジョセフソン転送ライン回路524を介して遅延されて出力信号OUTとなる。
上記のように、第1〜第4のパスを通過した単一磁束量子パルスは、ジョセフソン転送ライン回路524により遅延調整され、合流した4つの単一磁束量子パルスの出力信号OUTとなる。この場合も、入力信号INとして図1(B)の矩形パルスS1を入力すれば、入力信号INの周波数を4倍に逓倍したパルスS3に示すような出力信号OUTが出力される。しかし、この場合も、出力信号OUTのパルス間隔を均一にすることが困難である。
図6(A)は、図1(A)の第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路104〜106の構成例を示す。図3と同様に、1つのジョセフソン転送ライン回路は、ジョセフソン接合素子301及び超電導インダクタ302を含むユニット回路が複数接続されており、単一磁束量子パルスを転送する。1つのジョセフソン転送ライン回路は、超電導インダクタ302が各ジョセフソン接合素子301間に接続される。各ジョセフソン接合素子301には、バイアス電流Ibが供給される。
ジョセフソン転送ライン回路は、複数の連続単一磁束量子パルスを転送すると、それぞれの単一磁束量子パルスはジョセフソン転送ライン回路内で斥力が働く。単一磁束量子パルスは、鈍化するほど斥力が強くなる。図1(A)の第2のジョセフソン転送ライン回路105は、単一磁束量子パルスを鈍化することにより斥力を強くし、単一磁束量子パルスの間隔を均一化することができる。図2(B)に示すように、単一磁束量子パルスの振幅Vgを小さくし、パルス幅τを大きくすることにより、単一磁束量子パルスを鈍化することができる。振幅Vg及びパルス幅τの積は一定値φ0である。
また、単一磁束量子パルスが鈍化したままでは、クロック信号として使用するのに適していない。そのため、図1(A)の第3のジョセフソン転送ライン回路106は、鈍化した単一磁束量子パルスを急峻化する(元のパルス形状に戻す)。図2(B)に示すように、単一磁束量子パルスの振幅Vgを大きくし、パルス幅τを小さくすることにより、単一磁束量子パルスを急峻化することができる。
以上のように、単一磁束量子パルスの斥力相互作用を大きくするためには、パルス幅に対してパルス周期を小さくするほど(パルス間距離を短くすれば)、斥力の相互作用を大きくすることができる。その方法として第2のジョセフソン転送ライン回路105に以下の工夫を施すことで、単一磁束量子パルスを鈍化させ、実効的にパルス周期に対するパルス間距離を短くすることができる。また、第3のジョセフソン転送ライン回路106は、単一磁束量子パルスを急峻化させることができる。
図6(A)において、バイアス電流Ibを小さくすることにより単一磁束量子パルスを鈍化させ、バイアス電流Ibを大きくすることにより単一磁束量子パルスを急峻化させることができる。
また、超電導インダクタ302のインダクタンスを大きくすることにより単一磁束量子パルスを鈍化させ、超電導インダクタ302のインダクタンスを小さくすることにより単一磁束量子パルスを急峻化させることができる。
図6(B)は、図1(A)の第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路104〜106の他の構成例を示す。図6(A)の構成に、ダンピング抵抗601が付加される。ダンピング抵抗601は、各ジョセフソン接合素子301に並列に接続される。
次式のマッカンバ係数βを小さくすることにより単一磁束量子パルスを鈍化させ、マッカンバ係数βを大きくすることにより単一磁束量子パルスを急峻化させることができる。ここで、Icはジョセフソン接合素子301の臨界電流、Cはジョセフソン接合素子301の容量、Rnはジョセフソン接合素子301及びダンピング抵抗601の並列回路の常伝導抵抗値、φ0は単一磁束量子(2.07×10-15Wb)である。
β=2πIcCRn2/φ0
具体的には、ダンピング抵抗601の抵抗値を小さくすることにより単一磁束量子パルスを鈍化させ、ダンピング抵抗601の抵抗値を大きくすることにより単一磁束量子パルスを急峻化させることができる。
図6(C)は、図1(A)の第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路104〜106の他の構成例を示す。図6(A)の構成に、超電導インダクタ602が付加される。各ジョセフソン接合素子301には共通超電導インダクタ602が直列接続される。その各直列接続間には、超電導インダクタ302が接続される。
超電導インダクタ602のインダクタンスを大きくすることにより単一磁束量子パルスを鈍化させ、超電導インダクタ602のインダクタンスを小さくすることにより単一磁束量子パルスを急峻化させることができる。
図6(A)〜(C)のジョセフソン転送ライン回路の構造では、回路内でのパルスの転送時間が遅くなる。このため、通常のジョセフソン転送ライン回路から図6(A)〜(C)のジョセフソン転送ライン回路にパルスが進入してきたとき、パルスは回路より減速の力を受け、このため次パルスとの間の斥力が大きくなる。
以上の条件をまとめると、以下の(1)〜(7)のようになる。
(1)図6(A)において、第2のジョセフソン転送ライン回路105はバイアス電流Ibを小さくして単一磁束量子パルスを鈍化させ、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106はバイアス電流Ibを大きくして単一磁束量子パルスを急峻化させる。例えば、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106のバイアス電流Ibは臨界電流Icの80%とし、第2のジョセフソン転送ライン回路105のバイアス電流Ibは臨界電流Icの80%より十分小さく(例えば27%)する。
(2)図6(A)において、第2のジョセフソン転送ライン回路105は超電導インダクタ302のインダクタンスLを大きくして単一磁束量子パルスを鈍化させ、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106は超電導インダクタ302のインダクタンスLを小さくして単一磁束量子パルスを急峻化させる。例えば、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106のインダクタンスLはφ0/(2×Ic)とし、第2のジョセフソン転送ライン回路105のインダクタンスLはφ0/(2×Ic)より大きくかつφ0/Icより小さくする。
(3)図6(B)において、第2のジョセフソン転送ライン回路105はマッカンバ係数βを小さくして単一磁束量子パルスを鈍化させ、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106はマッカンバ係数βを大きくして単一磁束量子パルスを急峻化させる。例えば、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106のマッカンバ係数βは約1とし、第2のジョセフソン転送ライン回路105のマッカンバ係数βは1より小さくする。
(4)図6(B)において、第2のジョセフソン転送ライン回路105はダンピング抵抗601の抵抗値を小さくして単一磁束量子パルスを鈍化及び高遅延化させ、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106はダンピング抵抗601の抵抗値を大きくして単一磁束量子パルスを急峻化させる。
(5)図6(C)において、第2のジョセフソン転送ライン回路105は超電導インダクタ602のインダクタンスLmを大きくして単一磁束量子パルスを鈍化及び高遅延化させ、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106は超電導インダクタ602のインダクタンスLmを小さくして単一磁束量子パルスを急峻化させる。例えば、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106のインダクタンスLmは{φ0/(2×Ic)}−Lとし、第2のジョセフソン転送ライン回路105のインダクタンスLmは{φ0/(2×Ic)}−Lより大きくかつφ0/Ic−Lより小さくする。ここで、Lは超電導インダクタ302のインダクタンスであり、第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路104〜106のインダクタンスLは同じである。
(6)第2のジョセフソン転送ライン回路105は図6(C)のように超電導インダクタ602を含む回路とすることにより単一磁束量子パルスを鈍化させ、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106は図6(A)のように超電導インダクタ602がない回路とすることにより単一磁束量子パルスを急峻化させることができる。第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路104〜106は、超電導インダクタ302のインダクタンスLが同じである。
(7)上記の(1)〜(6)を組み合わせて、第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路104〜106を構成する。
上記(1)〜(7)の第2のジョセフソン転送ライン回路105を構成することにより、少ない段数で、単一磁束量子パルスを鈍化させてパルス間隔を均等にすることができる。また、第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106は、単一磁束量子パルスを急峻化させることができる。
図7(A)は、図1(A)の第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路104〜106の構成例を示す。ジョセフソン転送ライン回路701は、例えば10段のユニット回路を有し、バイアス電流Ib=0.8×Icであり、図1(A)の第1のジョセフソン転送ライン回路104に相当する。ジョセフソン転送ライン回路702は、例えば150段のユニット回路を有し、バイアス電流Ib=0.27×Icであり、図1(A)の第2のジョセフソン転送ライン回路105に相当する。ジョセフソン転送ライン回路703は、例えば10段のユニット回路を有し、バイアス電流Ib=0.8×Icであり、図1(A)の第3のジョセフソン転送ライン回路106に相当する。
ジョセフソン転送ライン回路702のバイアス電流Ibは、ジョセフソン転送ライン回路701及び703のものよりも小さい。ジョセフソン転送ライン回路701及び703は、バイアス電流Ibが通常バイアス電流であるので単一磁束量子パルスを急峻化させることができる。ジョセフソン転送ライン回路702は、バイアス電流Ibが小さいので単一磁束量子パルスを鈍化させてパルス間隔を均一化することができる。
ジョセフソン転送ライン回路702は、バイアス電流Ibが小さいので、前後の回路から電流が流入しやすい等の影響を受ける。これを防ぐために、ジョセフソン転送ライン回路702の両端にジョセフソン転送ライン回路701及び703をバッファとして設けることが好ましい。
図7(B)及び(C)は、図7(A)の回路のシミュレーション結果を示す。図7(B)は、ジョセフソン転送ライン回路701に入力される入力信号INであり、図1(B)のパルスS3に相当する。入力信号INは、組みになる4つのパルス間の間隔は40psであり、4つのパルス組みの間の間隔が80psとなる連続な単一磁束量子パルスである。図7(C)は、ジョセフソン転送ライン回路703から出力される出力信号OUTであり、図1(B)のパルスS5に相当する。出力信号OUTは、パルス間隔が均一化されており、50ps±1ps間隔(20GHz)で単一磁束量子パルスが出力されている。
図8(A)及び(B)は、図1(A)の第2のジョセフソン転送ライン回路105のバイアス電流Ib及び段数Nの関係を説明するための図である。図8(A)に示すように、ジョセフソン転送ライン回路801、802及び803の直列回路に、入力信号INが入力され、出力信号OUTが出力される。ジョセフソン転送ライン回路801、802及び803は、図7(A)のジョセフソン転送ライン回路701、702及び703に対応する。ジョセフソン転送ライン回路801は、例えば10段のユニット回路を有し、バイアス電流が0.8×Icである。ジョセフソン転送ライン回路802は、N段のユニット回路を有し、バイアス電流がIbである。ジョセフソン転送ライン回路803は、例えば10段のユニット回路を有し、バイアス電流が0.8×Icである。
図8(B)は、ジョセフソン転送ライン回路802のユニット回路の段数N、バイアス電流Ib及びマッカンバ係数βの関係を示す。横軸がジョセフソン転送ライン回路802のユニット回路の段数Nを示し、縦軸がジョセフソン転送ライン回路802のIb/Icを示す。ただし、臨界電流Ic=0.1mAである。□印はマッカンバ係数β=1を示し、△印はマッカンバ係数β=0.72を示し、○印はマッカンバ係数β=0.61を示す。図8(B)は、パルス間隔を均一化できる段数Nとバイアス電流Ibを示すグラフである。
図6(B)のダンピング抵抗601の抵抗値を小さくし、マッカンバ係数βを1より小さくすると、パルス間隔を均一化させる段数Nを減らし、バイアス電流Ibのマージンを増やすことができる。ダンピング抵抗601を付加し、マッカンバ係数βを小さくすると、バイアス電流Ibを大きめに設定でき、電流マージンは最大±10%程度が得られる。パルス間隔が広い単一磁束量子パルスを均一化するには、さらに多段化が必要になる。
(第2の実施形態)
図9(A)は本発明の第2の実施形態による超電導回路の構成例を示し、図9(B)はその動作波形を示す。図9(A)において、DC/SFQ回路901は、矩形パルスS11の立ち上がり時に単一磁束量子パルスを生成して信号S12を出力する。逓倍回路902は、図5(B)に示すラダー型逓倍回路であり、スプリッタ522、コンフルエンスバッファ523及びジョセフソン転送ライン回路524により構成される。逓倍回路902は、信号S12を逓倍して信号S13を出力する。ジョセフソン転送ライン回路903は、図1の第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路104及び106のように通常のジョセフソン転送ライン回路でよく、好ましくは図1の第2のジョセフソン転送ライン回路105であり、信号S13を転送して信号S14を出力する。トグルフリップフロップ(T−FF)904は、分周回路であり、入力信号S14を2つの出力端子に交互に切り替えて出力する。その一方の出力信号S15は、入力信号S14の周波数を1/2に分周した信号である。トグルフリップフロップ905も、同様に、入力信号S15の周波数を1/2に分周して信号S16を出力する。この信号S16をクロック信号として使用することができる。
単一磁束量子パルス列は、パルス周期が短いとパルス相互間の斥力が強くなる。そこで、逓倍回路902において、周波数が十分に高くなるように逓倍する。信号S12の周波数をfiとし、信号S16の周波数をfoとしたとき、fo=P×fiの信号S16を生成する場合を考える。この場合、逓倍回路902は、信号12の周波数をP×M倍に逓倍して信号S13を出力する。Mは例えば4である。具体的には、逓倍回路902は、P×2M段のラダー回路を有する。信号S13は、信号S16の所望の周波数f0のM倍の十分に高い周波数(短い周期)を有する。ジョセフソン転送ライン回路903は、M×foの高周波数の信号S13を転送すると、周波数foの信号S16を転送する場合に比べ、パルス相互間の斥力が強くなり、パルス間隔が均一化される。信号S14は、パルス間隔が均一化されている信号である。トグルフリップフロップ904,905は、信号S14の周波数を1/Mに分周して出力する。Mは例えば4である。この結果、信号S16は、信号S12の周波数fiのP倍の周波数foになり、均一なパルス列を得ることができる。
例えば、信号S12は、5GHzである。ジョセフソン転送ライン回路903が第2のジョセフソン転送ライン回路105の場合には、信号S13は例えば40GHz以上である。ジョセフソン転送ライン回路903が第3のジョセフソン転送ライン回路106の場合には、信号S13は例えば80GHz以上である。
なお、ジョセフソン転送ライン回路903の代わりに、図1のジョセフソン転送ライン回路104〜106を設けてもよいし、図7のジョセフソン転送ライン回路701〜703を設けてもよい。
以上のように、第1及び第2の実施形態によれば、単一磁束量子パルス列を鈍化又は高周波数に逓倍することにより、パルス相互間の斥力が強くなり、ジョセフソン転送ライン回路でパルスを転送することにより、パルス間隔を均一化することができる。パルス間隔を均一化することにより、単一磁束量子パルスをクロック信号として使用した場合に、超伝導回路の性能を向上させ、回路の動作マージンの増大、ひいては動作の信頼性を向上させることができる。例えば、超電導アナログデジタルコンバータ(ADC)では、クロック信号のジッタが、入力信号の上限帯域や変換精度に大きく利いてくる。
上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の実施形態は、例えば以下のように種々の適用が可能である。
(付記1)
ジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含み、入力された単一磁束量子パルスを転送する第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路と、
前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路の間に接続され、ジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含み、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路に比べて入力単一磁束量子パルスを鈍化又は遅延して転送することによりそのパルス間隔を均一化して出力する第2のジョセフソン転送ライン回路と
を有する超電導回路。
(付記2)
前記第2のジョセフソン転送ライン回路に供給されるバイアス電流は、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路に供給されるバイアス電流よりも小さい付記1記載の超電導回路。
(付記3)
前記第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路は、それぞれジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含むユニット回路が複数接続されている付記2記載の超電導回路。
(付記4)
前記第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路は、それぞれ超電導インダクタが各ジョセフソン接合素子間に接続され、
前記第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路内の各ジョセフソン接合素子に前記バイアス電流が供給される付記3記載の超電導回路。
(付記5)
前記第2のジョセフソン転送ライン回路に供給されるバイアス電流は、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路に供給されるバイアス電流よりも小さい付記2記載の超電導回路。
(付記6)
前記第2のジョセフソン転送ライン回路内の超電導インダクタは、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路内の超電導インダクタよりもインダクタンスが大きい付記1記載の超電導回路。
(付記7)
前記第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路は、それぞれジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含むユニット回路が複数接続されている付記6記載の超電導回路。
(付記8)
前記第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路は、それぞれ超電導インダクタが各ジョセフソン接合素子間に接続されている付記7記載の超電導回路。
(付記9)
前記第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路は、それぞれ各ジョセフソン接合素子に第1の超電導インダクタが直列接続され、その各直列接続間に第2の超電導インダクタが接続されている付記7記載の超電導回路。
(付記10)
前記第2のジョセフソン転送ライン回路内の前記第1の超電導インダクタは、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路内の前記第1の超電導インダクタよりもインダクタンスが大きい付記9記載の超電導回路。
(付記11)
前記第2のジョセフソン転送ライン回路内の前記第2の超電導インダクタは、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路内の前記第2の超電導インダクタとインダクタンスが同じである付記10記載の超電導回路。
(付記12)
前記第2のジョセフソン転送ライン回路は、各ジョセフソン接合素子に第1の超電導インダクタが直列接続され、その各直列接続間に第2の超電導インダクタが接続され、
前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路は、各ジョセフソン接合素子に第1の超電導インダクタが直列接続されないで、各ジョセフソン接合素子間に第2の超電導インダクタが接続されている付記7記載の超電導回路。
(付記13)
前記第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路の前記第2の超電導インダクタは、インダクタンスが同じである付記12記載の超電導回路。
(付記14)
前記第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路は、それぞれジョセフソン接合素子に並列に接続される抵抗を含む付記1記載の超電導回路。
(付記15)
前記第2のジョセフソン転送ライン回路内の前記抵抗は、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路内の前記抵抗よりも小さい付記14記載の超電導回路。
(付記16)
前記第2のジョセフソン転送ライン回路のマッカンバ係数は、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路のマッカンバ係数よりも小さい付記1記載の超電導回路。
(付記17)
さらに、単一磁束量子パルスを逓倍するための逓倍回路を有し、
前記第1のジョセフソン転送ライン回路は、前記逓倍された単一磁束量子パルスを転送する付記1記載の超電導回路。
(付記18)
さらに、前記第3のジョセフソン転送ライン回路により出力された単一磁束量子パルスを分周するための分周回路を有する付記17記載の超電導回路。
(付記19)
単一磁束量子パルスを逓倍するための逓倍回路と、
ジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含み、前記逓倍された単一磁束量子パルスを転送するジョセフソン転送ライン回路と、
前記ジョセフソン転送ライン回路により出力された単一磁束量子パルスを分周するための分周回路と
を有する超電導回路。
(付記20)
前記ジョセフソン転送ライン回路は、入力された単一磁束量子パルスを鈍化又は遅延しかつパルス間隔を均一化して出力するようにその単一磁束量子パルスを転送する付記19記載の超電導回路。
(付記21)
単一磁束量子パルスを出力するための出力回路と、
ジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含み、前記単一磁束量子パルスを鈍化又は遅延しかつパルス間隔を均一化して出力するようにその単一磁束量子パルスを転送するジョセフソン転送ライン回路と
を有する超電導回路。
(付記22)
前記出力回路は、単一磁束量子パルスを逓倍するための逓倍回路を含む付記21記載の超電導回路。
図1(A)は本発明の第1の実施形態による超電導回路の構成例を示すブロック図、図1(B)はその動作波形を示すタイミングチャートである。 図2(A)〜(C)は単一磁束量子パルスを生成するための回路原理を説明するための図である。 ジョセフソン転送ライン回路の基本構成例を示す回路図である。 図4(A)は超電導論理和(OR)回路の構成例を示す回路図、図4(B)はその動作を説明するための波形図である。 図5(A)及び(B)は逓倍回路の構成例を示す回路図である。 図6(A)〜(C)はジョセフソン転送ライン回路の構成例を示す回路図である。 図7(A)は3つのジョセフソン転送ライン回路の構成例を示すブロック図、図7(B)は入力信号の波形図、図7(C)は出力信号の波形図である。 図8(A)及び(B)はジョセフソン転送ライン回路の段数及びバイアス電流の関係を説明するための図である。 図9(A)は本発明の第2の実施形態による超電導回路の構成例を示す回路図、図9(B)はその動作波形を示すタイミングチャートである。
符号の説明
101 パルス発生回路
102 DC/SFQ回路
103 逓倍回路
104 第1のジョセフソン転送ライン(JTL)回路
105 第2のジョセフソン転送ライン(JTL)回路
106 第3のジョセフソン転送ライン(JTL)回路

Claims (10)

  1. ジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含み、入力された単一磁束量子パルスを転送する第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路と、
    前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路の間に接続され、ジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含み、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路に比べて入力単一磁束量子パルスを鈍化又は遅延して転送することによりそのパルス間隔を均一化して出力する第2のジョセフソン転送ライン回路と
    を有する超電導回路。
  2. 前記第2のジョセフソン転送ライン回路に供給されるバイアス電流は、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路に供給されるバイアス電流よりも小さい請求項1記載の超電導回路。
  3. 前記第2のジョセフソン転送ライン回路内の超電導インダクタは、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路内の超電導インダクタよりもインダクタンスが大きい請求項1記載の超電導回路。
  4. 前記第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路は、それぞれジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含むユニット回路が複数接続されている請求項3記載の超電導回路。
  5. 前記第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路は、それぞれ各ジョセフソン接合素子に第1の超電導インダクタが直列接続され、その各直列接続間に第2の超電導インダクタが接続され、
    前記第2のジョセフソン転送ライン回路内の前記第1の超電導インダクタは、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路内の前記第1の超電導インダクタよりもインダクタンスが大きい請求項4記載の超電導回路。
  6. 前記第1〜第3のジョセフソン転送ライン回路は、それぞれジョセフソン接合素子に並列に接続される抵抗を含み、
    前記第2のジョセフソン転送ライン回路内の前記抵抗は、前記第1及び第3のジョセフソン転送ライン回路内の前記抵抗よりも小さい請求項1記載の超電導回路。
  7. 単一磁束量子パルスを逓倍するための逓倍回路と、
    ジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含み、前記逓倍された単一磁束量子パルスを転送するジョセフソン転送ライン回路と、
    前記ジョセフソン転送ライン回路により出力された単一磁束量子パルスを分周するための分周回路と
    を有する超電導回路。
  8. 前記ジョセフソン転送ライン回路は、入力された単一磁束量子パルスを鈍化又は遅延しかつパルス間隔を均一化して出力するようにその単一磁束量子パルスを転送する請求項7記載の超電導回路。
  9. 単一磁束量子パルスを出力するための出力回路と、
    ジョセフソン接合素子及び超電導インダクタを含み、前記単一磁束量子パルスを鈍化又は遅延しかつパルス間隔を均一化して出力するようにその単一磁束量子パルスを転送するジョセフソン転送ライン回路と
    を有する超電導回路。
  10. 前記出力回路は、単一磁束量子パルスを逓倍するための逓倍回路を含む請求項9記載の超電導回路。
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