JP2005328144A - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 画像読取装置2により供給される画像データに対して、制御部11はHDD12に記憶されたプログラムPRGを実行することで限定色化処理を行う。限定色化処理を行う際に、制御部11は画像データに含まれる各画素のうち、グレー軸から所定の距離未満にある画素については彩度を低下させる処理を行い、その後注目画素に対して、カラーテーブルTBLに含まれる代表色のうち、注目画素との色差が最小となる代表色の色に変換を行う。
【選択図】 図1
Description
限定色化処理において用いられる手法としては、例えば徹底探索法(Exhaustive search method)がある。これは、各画素をすべての代表色と比較し、その色差、すなわちある色空間における注目画素と代表色との距離が最小となる代表色に変換するものである(例えば非特許文献1参照)。
図8は、ある原稿の一部分と、この部分を読み取ることで得られた画像データを例示した拡大図である。同図において、原稿は一様に白である。このとき、画像データの画素Pは白として記録されているが、画素PNはノイズが混入したために、例えば濃度10%のグレーとして記録されている。このような画像データに対して、例えば白(W)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の8色を代表色として用いた限定色化処理を施すと、画素PNはその色差が最小となる代表色、すなわち白に変換され、結果として原稿が本来有していた色を復元し、ノイズ成分を除去することが可能となっている。また、裏写り成分についても、限定色化処理によって同様に除去することができる。
したがって、このような目的で限定色化処理を行う場合には、用いられる代表色は、原稿の色(用紙の色)と用いられている色材(トナー等)の色を含んだ数色〜十数色程度が好適であり、この代表色の最適な組合せは実験的ないし経験的に求めることができる(以下、このような複数の代表色のことを総称して「カラーテーブル」と呼ぶ)。
第一には、ある色空間にカラーテーブルを構成する代表色を配置したとすると、代表色が少ない場合には無彩色の軸に対する対称性を維持することが困難となる点が挙げられる。一例としてRGB色空間で説明すると、無彩色の軸とはRGB色空間上でR=G=Bとなる座標点を結んだ直線で表されるが、上述のように代表色が著しく少ない場合には、代表色がこの直線に対して均等に配置される可能性は低くなる。その結果、このようなカラーテーブルを用いて限定色化処理が行われた画像データは、グレーバランスが崩れる可能性が高くなる。
図9はこの問題を説明するために示した、ある色空間における3つの代表色の模式図である。同図において、CK,CW,及びCBrは、それぞれ黒、白、ブラウンの代表色を示しており、Pは限定色化処理を行うべき画素を示している。また、線分lは代表色CK,CWを結ぶ直線であり、この線分lは無彩色を示している。画素Pは線分lの近傍にあるから、この画素Pは人間の目に「わずかにブラウンがかったグレー」として知覚される色である。しかし、この画素Pに対して、上述のように単純に代表色との距離だけを基準とした限定色化処理を行うと、この画素Pはブラウンに変換されてしまうこととなり、人間の知覚とのずれを生む。加えて、このようにRGB色空間上で線分lの近傍にある画素、すなわち視覚的に無彩色に近い画素が有彩色に変換されることにより、グレーバランスが崩れることとなる。
このような画像処理装置によれば、画像データに限定色化処理を施す際に、グレーに近い色相の画素が有彩色に変換されてしまうことを防ぐことができ、グレーバランスを良好に保持することが可能となる。
これにより、グレーに近い色相の画素が無彩色の代表色に変換されるため、グレーバランスを良好に保持することが可能となる。
これにより、ある画素の彩度を低下させる際に、色相及び明度を変化させることなく彩度のみを低下させることが可能となる。
より好適には、前記複数の代表色は、白及び黒の代表色を含む。
また、さらに好適には、前記複数の代表色は、白、黒、及びグレーの代表色を含む。
これにより、グレーに近い色相の画素が無彩色の代表色に変換されるため、グレーバランスを良好に保持することが可能となる。
あるいは、本発明の画像処理装置は、前記彩度低下手段は、あらかじめ記憶された無彩色を示すデータを用いてグレー軸を決定し、前記座標点が該グレー軸から所定の距離未満にある場合には、該画素の色の彩度を低下させることも可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1の構成を示したブロック図である。同図に示されているように、本実施形態の画像処理装置1は、制御部11と、HDD(Hard Disk Drive)12と、入力IF(Interface)13と、出力IF14とを備えたコンピュータである。画像処理装置1は画像読取装置2と画像形成装置3とに接続されている。
図2は本実施形態におけるカラーテーブルTBLを模式的に示した図である。同図に示されているように、カラーテーブルTBLはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、水色(Lb)、橙(O)、黄緑(Yg)、茶(Br)、濃緑(Dg)、藍(Db)、白(W)、黒(K)の14色の代表色によって構成されており、これらの色を示すRGB値がHDD12に記憶されている。なお、これらの代表色を示すRGB値を、以下においてはそれぞれC0,C1,C2,…,C13と表記する。
続いて、上述の構成のもとで画像処理装置1が実行する画像処理について説明する。なお、本処理は、画像処理装置1の制御部11がプログラムPRGを実行することにより実現される処理である。
図3は、本実施形態の画像処理装置1が実行する画像処理を示したフローチャートである。同図に示されているように、まず、画像処理装置1の制御部11は、画像読取装置2から供給される画像データを入力IF13を介して取得する(ステップS1)。このとき画像読取装置2から供給される画像データには、AD変換やガンマ変換、またはシェーディング補正等の各種の処理が施されている。そして、制御部11はこの画像データに対して限定色化処理を行う(ステップS2)。
図4はこの限定色化処理を示したフローチャートである。同図に示されているように、まず、制御部11はHDD12に記憶されているカラーテーブルTBLを参照し、この代表色のRGB値C0,C1,C2,…,C13をRAM113に一時記憶する(ステップS201)。続いて制御部11は、これらの代表色の中から明度が最大となる代表色を特定し、これをmax(Cn)とする(ステップS202)。
そして、制御部11はこの差分を所定の閾値ThWと比較し、ThW>DWであればこの代表色max(Cn)を白であると見なし、白色フラグFlagWの値を「1」とする。一方、ThW≦DWであればこの代表色max(Cn)を白色ではないと見なし、白色フラグFlagWの値を「0」とする。本実施形態においては、max(Cn)は白であるから、白色フラグFlagWの値は「1」である。
そして、制御部11はこの差分を所定の閾値ThKと比較し、ThK>DKであればこの代表色min(Cn)を黒であると見なし、黒色フラグFlagKの値を「1」とする。一方、ThK≦DKであればこの代表色min(Cn)を黒色ではないと見なし、黒色フラグFlagKの値を「0」とする。本実施形態においては、min(Cn)は黒であるから、黒色フラグFlagKの値は「1」である。
図5は画素Pの彩度を低下させる処理を説明するための図である。同図に示されているように、制御部11は、RGB色空間において画素Pを画素P’の位置に移動させる処理を行う。このとき、画素P’は画素Pからグレー軸Gへ下ろされた垂線上にある。つまり、画素Pから画素P’への変換は、画素Pの色相及び明度を変化させることなく彩度のみを低下させる色変換である。また、画素P’とグレー軸Gの間の距離は「aDG」、すなわち画素Pとグレー軸Gとの距離DGのa倍(0<a<1)となっている。この定数aはあらかじめROM112に記憶されており、その値は任意である。定数aが大きいほど画素Pの彩度の低下は緩やかであり、定数aを小さくすれば画素Pの彩度を低下させる度合いを大きくすることができる。
このように画素Pの色が変換されたら、制御部11は画像データのすべての画素について上述の処理を行ったか否かを判断し(ステップS213)、未処理の画素が残っている間は(ステップS213;NO)上述の処理をステップS206から繰り返し、すべての画素について上述の処理を終了させたら(ステップS213;YES)、本処理を終了させて図3のフローチャートに戻る。
図6及び図7は、本実施形態の限定色化処理の作用を説明するために例示した図である。図6において、画素P1はグレー軸Gとの距離が閾値Dth未満であり、画素P2はグレー軸Gとの距離がDth以上である。また、同図に示された状態においては、画素P1,P2ともにその色差(すなわち色空間上の距離)が最小となる代表色はCnである。
これらの画素P1,P2に対して上述の限定色化処理を行った場合、画素P1についてはステップS209における判断結果が肯定的となり、画素P2についてはステップS209における判断結果が否定的となる。そのため、画素P1はステップS210の彩度の低下が行われて、図7の画素P1’に示される位置に移動する。この図7の状態で画素P1’及び画素P2と代表色の色差を比較すると、画素P1’は代表色C12との色差が最小となり、画素P2は代表色Cnとの色差が最小となる。よって、画素P1’はステップS212において代表色C12に変換され、画素P2は代表色Cnに変換される。
このように、本実施形態の限定色化処理によれば、グレー軸との距離が閾値Dth未満の画素、すなわち低彩度の色を示す画素については、彩度の低下を行うことによって無彩色に変換されやすくなる。そのため、グレーに近い低彩度の色が限定色化処理を行うことで有彩色に変換されてしまうことを妨げ、グレーバランスが崩れるのを防ぐことが可能となる。
ステップS2の限定色化処理が終了したら、続いて制御部11は色空間の変換を行う(ステップS3)。本実施形態においては、ここまで用いていたRGB色空間から画像形成装置2で用いられるCMYK色空間へと変換が行われる。その後、制御部11は画像データのハーフトーン領域に対してスクリーン処理を行う(ステップS4)。スクリーン処理が終了したら、制御部11は出力IF14を介してこの画像データを画像形成装置3へと出力する(ステップS5)。
まず、本実施形態の画像処理装置1が上述の限定色化処理を行うことで、画像データのデータ量を低減させつつ、画像データに混入した裏写り成分やノイズ成分を良好に除去ないし低減させることが可能となり、画像品質の劣化を抑えることが可能となる。
加えて、本実施形態の限定色化処理によれば、代表色に白及び黒と見なされる色が含まれている場合にはグレー軸を算出し、このグレー軸の近傍に位置するような画素、すなわち低彩度の画素に対して彩度を低下させる変換を行ってからカラーテーブルTBLの代表色との色差を算出するので、低彩度の画素は無彩色に変換されやすくなる。その結果、少ない色数で限定色化処理を行った場合においても、従来のようにグレーバランスが崩れることがなく、より高品質な画像データを得ることが可能となった。
また、本実施形態の限定色化処理によれば、画像読取装置の色収差やMTF(Modulation Transfer Function)特性、あるいは色変換特性等によってグレーバランスの崩れた画像データが入力されてきた場合においても、グレー軸付近の低彩度の画素をグレー軸上の無彩色に変換されやすくすることができるため、画像データのグレーバランスをある程度正常に戻すことが可能となる。
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限られるものではなく、種々の変形が可能である。以下にその例を示す。
上述の実施形態においては、画像処理装置1には画像読取装置2から画像データが入力され、処理後の画像データを画像形成装置3に出力すると説明した。しかし、本発明の画像処理装置はこのような態様には限定されず、例えば一般のコンピュータから画像データが入力される態様であってもよく、また画像データを記憶装置等に出力する態様であってもよい。また、このような場合においては、図3に示されたフローチャートの各ステップのうち、色空間変換(ステップS3)やスクリーン処理(ステップS4)は適宜省略することも可能である。
また、上述の実施形態においては、本発明は画像処理装置1によって実施されると説明したが、本発明は、例えば上述の実施形態における画像処理装置1,画像読取装置2,及び画像形成装置3の機能を機能を併せ持った、いわゆる複写機等の画像形成装置によって実施されることももちろん可能である。
なお、これらの代表色はグレー軸上に存在すると説明したが、必ずしもグレー軸上に存在する必要はなく、代表色がグレー軸の近傍に存在するものであっても、本発明の所期の効果を奏するものである。
Claims (9)
- 画像を表す画像データを取得する画像取得手段と、
複数の代表色を記憶する記憶手段と、
ある色空間において前記取得された画像データに含まれる各画素の色を示す座標点が、該色空間において複数の無彩色を連ねて表されるグレー軸から所定の距離未満にある場合には、該画素の色の彩度を低下させる彩度低下手段と、
前記取得された画像データに含まれる各画素の色または前記彩度低下手段により彩度を低下された各画素の色を、前記複数の代表色のそれぞれと比較し、その色差が最小となる代表色に変換する色変換手段と
を備える画像処理装置。 - 前記彩度低下手段は、
前記複数の代表色に無彩色の代表色が含まれる場合には、この無彩色の代表色に基づいてグレー軸を決定し、前記座標点が該グレー軸から所定の距離未満にある場合には、該画素の色の彩度を低下させる
請求項1記載の画像処理装置。 - 前記彩度低下手段は、
前記画素の色を、該画素の色を示す座標点と前記グレー軸とを結ぶ垂線上の座標点によって示される色に変換することで、該画素の色の彩度を低下させる
請求項1記載の画像処理装置。 - 前記複数の代表色は、白及び黒の代表色を含む
請求項2記載の画像処理装置。 - 前記複数の代表色は、白、黒、及びグレーの代表色を含む
請求項2記載の画像処理装置。 - 前記彩度低下手段は、
前記画像取得手段により取得された画像データに基づいてグレー軸を決定し、前記座標点が該グレー軸から所定の距離未満にある場合には、該画素の色の彩度を低下させる
請求項1記載の画像処理装置。 - 前記彩度低下手段は、
あらかじめ記憶された無彩色を示すデータを用いてグレー軸を決定し、前記座標点が該グレー軸から所定の距離未満にある場合には、該画素の色の彩度を低下させる
請求項1記載の画像処理装置。 - 画像処理装置が、
画像を表す画像データを取得する画像取得ステップと、
ある色空間において前記取得された画像データに含まれる各画素の色を示す座標点が、該色空間において複数の無彩色を連ねて表されるグレー軸から所定の距離未満にある場合には、該画素の色の彩度を低下させる彩度低下ステップと、
前記取得された画像データに含まれる各画素の色または前記彩度低下ステップにおいて彩度を低下された各画素の色を、あらかじめ記憶された複数の代表色のそれぞれと比較し、その色差が最小となる代表色に変換する色変換ステップと
を備える画像処理方法。 - コンピュータを、
画像を表す画像データを取得する画像取得手段と、
複数の代表色を記憶手段に記憶させる制御手段と、
ある色空間において前記取得された画像データに含まれる各画素の色を示す座標点が、該色空間において複数の無彩色を連ねて表されるグレー軸から所定の距離未満にある場合には、該画素の色の彩度を低下させる彩度低下手段と、
前記取得された画像データに含まれる各画素の色または前記彩度低下手段により彩度を低下された各画素の色を、前記複数の代表色のそれぞれと比較し、その色差が最小となる代表色に変換する色変換手段と
して機能させるためのプログラム。
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