JP2005327603A - X線高電圧装置及びac−dcコンバータ - Google Patents

X線高電圧装置及びac−dcコンバータ Download PDF

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Abstract

【課題】三相昇圧型高力率AC−DCコンバータにおいて、交流電源電圧が大きすぎるとIGBT等のスイッチング素子の動作性能が劣化する。これを防ぎたい。
【解決手段】三相 昇圧型高力率AC−DCコンバータは、交流入力側に設けた交流リアクトル1と、その出力側に設けたIGBT2によるフルブリッジ回路3と、このブリッジ回路3の直流出力側に並列に設けたコンデンサ4と、を有する。本発明は、平滑コンデンサ4の両端の直流電圧を監視し、これが直流電圧目標値V未満であれば本来のPWM制御をフルブリッジ回路3の各スイッチング素子(IGBT)に対して行い、出力直流電圧Vdcが直流電圧目標値以上であれば、フルブリッジ回路3を構成しているIGBTのスイッチング動作を停止し、ダイオードのみの動作による全波整流回路とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、昇圧型高力率AC−DCコンバータを有するX線高電圧装置、及びAC−DCコンバータに関する。
図2は、昇圧型高力率AC−DCコンバータの回路例を示す。このコンバータは、三相交流を直流化する回路であって、フルブリッジ型と呼ばれる。図2のコンバータは、三相交流電源100(図ではスター結線で示した)の各相に直列に接続した交流リアクトル1と、正極側Pと負極側Nとを持つ直流出力端P−N及びこの直流出力端P−Nに並列に設けた各相対応のスイッチング回路2u、2v、2wを持つフルブリッジ回路3とを、備える。25は負荷である。
スイッチング回路2u、2v、2wは、それぞれ正極側スイッチング回路20と負極側スイッチング回路21とより成る。このスイッチング回路20と21との接続系路に、それぞれ相対応する交流リアクトル1の出力側が接続されている。スイッチング回路20、21は同一の回路構成であって、自己消弧型スイッチング素子S(IGBTやMOSFET)とそれに並列接続したダイオードDとより成る。
各スイッチング素子Sは、制御回路200によって、目標直流電圧の直流出力及び高力率運転、となるように制御を受ける。これは、スイッチング素子のゲート端子に制御回路200が所定の制御信号を印加することで実現する。
制御回路200の構成例を図3に示す。制御回路200は、電圧増幅器201、電流増幅器202、PWM信号発生回路203、正弦波データテーブル204、減算器205、206、乗算器207を具える。コンバータ3の直流出力V(=Vdc)、直流電流Iをそれぞれ負帰還して、減算器206、205で差分をとる。減算器206では、目標直流電圧VとVとの差分をとり、それを増幅器201で増幅し、正弦波テーブル204の正弦波形の読み出し出力との乗算を乗算器207で行う。正弦波テーブル204は、実際の交流出力を取り込み、正弦波に対応するテーブル値を出力するものである。減算器205では、乗算器207の出力からIを差分し、電流増幅器202で増幅し、PWM信号発生回路203でPWMに従った制御信号を生成し、コンバータ(ブリッジ回路)3のスイッチング素子のゲート制御を行う。
ここで、昇圧型とは、交流リアクトル1の両端の電圧が交流電源100の出力に加算されて、その結果、事実上、ブリッジ回路3に印加する電圧が交流リアクトルの両端電圧分だけ昇圧されていることを指す。この昇圧の目的は、コンバータの後段の負荷の高効率達成である。これを図4のベクトル図によって説明する。
図4は、Xが実軸、Yが虚軸である。高力率例えば力率1を達成するためには、相電圧と電流とが同位相の正弦波であることが必要である。今、各相電圧をeu、ev、ew、各相電流をiu、iv、iw、実効相電圧をEu、Ev、Ew、各相間電圧である線間電圧をVuv、Vvw、Vwuとする。また交流リアクトル1のインダクタンス値をL、L、Lとする(L=L=Lを含む)。
力率1になるには、例えばU相に関してみれば相電圧euと相電流iuとが同位相の正弦波であることが必要となる。そのためには、U相交流リアクトル1の両端にeuより90°位相進みの電圧eu1を発生させればよい。ここで、eu1と電流iuとの関係は次式であり、euはiuより90°位相が進んだ状態である。
Figure 2005327603
U相交流リアクトル1の両端にeuより位相が90°進んだ電圧eu1の発生を実現するには、U相交流リアクトル1からフルブリッジ回路3への接続点の電位eaを、図4のように制御できればよい。即ち、iuとeu1との90°位相差のもとで、iuと同相のeuとなるためには、接続点での電位が図4の点線に示すようにベクトル的にeu1とeuとの点線で示す合成電圧(ea)となればよいとしたものである。この合成電圧(ea)を原点を基準に図4に示せば、第4象限に傾斜した電位eaとなる。
そこで、この時の関係をみるに、先ず電位eaの絶対値|ea|とeuの絶対値|eu|との間で先ず次式が必要となる。
Figure 2005327603
一方、eaはフルブリッジ回路3の上下のスイッチング素子(例えばIGBT)Sup、Sunとの接続点の電位であり、SupとSunとのそれぞれON(普通)時間によって決定できる。その変動範囲は、平滑コンデンサ4のプラス電位(SupがON)からマイナス電位(SunがON)の間である。即ち、eaの変動範囲は、最大でコンバータ出力直流電圧Vdcとなる。
相電流を正弦波に制御するためには、必然的にeaも正弦波であることが必要となる。従って、eaの変動範囲は、2・|ea|(即ち、+|ea|から−|ea|)である。従って、次式が成り立つ。
Figure 2005327603
数2と数3から次式が成り立つ。
Figure 2005327603
従って、力率1の高力率制御のためには、直流電圧Vdcと入力線間電圧Vuvの間には数4の1の関係が必要である。直流電圧Vdcを、これより小さい電圧、即ち
Figure 2005327603
なる電圧Vdcに制御した場合、波形の歪みが生ずるので、数5にならないような制御が必要である。
このように、コンバータの出力直流出力電圧Vdcは交流側の入力線間電圧Vuvの全波整流電圧√2・Vuvよりも高い電圧に昇圧される。また相電流を相電圧と同位相の正弦波に制御することによって、入力力率を1に制御することが可能となる。かくして、このコンバータによれば、皮相電力の低減と電源高調波障害の除去(波形が歪まない故に、交流電源100への回生電力に高調波が含まれないことになる)をはかれる。
尚、かかるAC−DCコンバータに関しての特許文献には、特許文献1、2、3がある。
特開平7−50700号 特開2000−252094号 特開2002−237397号
図2に示す三相昇圧型高力率AC−DCコンバータは、電源設備側からの線間電圧の大小とスイッチング素子の最大定格電圧との兼ね合いが必要である。線間電圧が電源設備側の事情により大きすぎると、スイッチング素子(例えばIGBT)の最大定格電圧以上の電圧がスイッチング素子に印加して性能通り動作しなくなることがある。
特に、国によって電力事情が異なり、使用している電源設備の状況が変わることがあり、その結果、線間電圧がAC−DCコンバータの規定している以上に大きかったりする。
次に、以上の問題点を数値を使って説明する。
図2のAC−DCコンバータにおいて、すべてのスイッチング素子SをOFFにした状態とすると、フルブリッジ回路3は、ダイオードDのみの全波整流回路となる。これは、スイッチング素子Sを取り除いた例と等価である。
この全波整流回路での直流出力電圧Vdcは、入力線間電圧Vuvのピーク値であり、次式となる。
Figure 2005327603
数4−1と数6とを比較するに、三相昇圧型高力率AC−DCコンバータで制御可能な直流出力電圧Vdcの下限値は、全波整流回路の場合の直流出力電圧よりも高い値である。即ち、その比率は下記となる。
Figure 2005327603
次に三相昇圧型高力率AC−DCコンバータを実際に使用する場合について考える。
例えばインバータ式X線高電圧装置において、昇圧型高力率AC−DCコンバータを利用する場合、コンバータ回路およびインバータ回路で使用されるIGBTは絶対最大定格電圧1200Vクラスのものが使用され、この実使用可能な直流電圧は800Vdcである。
一方、システムを接続する電源設備としては、世界各国ヘシステムの納入を考える場合には線間電圧の実効値は最大528Vまで許容する必要がある。
降圧トランスを使用してインバータ式X線高電圧装置への入力線間電圧を低くすることは可能であるが、例えばX線CTシステムの場合には100kVAクラス、またはそれ以上の容量が必要となり、システムの設置面積及び価格の面で好ましくない。降圧トランスなしに線間電圧実効値528Vの電源設備に対応していることが望まれる。
線間電圧実効値が528Vの湯合、三相昇圧型高力率AC−DCコンバータの出力直流電圧の最小値は数4−1より862Vである。これは絶対最大定格電圧1200VクラスのIGBTの実使用可能な上限電圧800Vを越える電圧であるため、絶対最大定格電圧1200VクラスのIGBTは使用できない。実使用可能な電圧がより高い、より高電圧クラスのIGBTを使用する必要があるが、その揚合には他の性能が制限されてくる等の問題が発生する。
このため電源設備の線間電圧が高い場合には、インバータ式X線高電圧装置では、昇圧型高力率AC−DCコンバータを利用せずにダイオードによる全波整流回路とする場合もある。この場合その出力直流電圧は数6より747Vとなり、絶対最大定格電圧1200VクラスのIGBTが使用できる。しかしながら、ダィオードによる全波整流回路であるので力率は悪くなり必要な電源設備容量は大きくなり、電源高調波も増える。また、負荷電流による電圧ドロップのため、その直流電圧は変動することになる。最大負荷時の電圧ドロップを考慮して低い直流電圧に対応したインバータ回路及び後段の回路設計が必要となるとの弊害も生ずる。
本発明の目的は、線間電圧が大きいときでも、安定した直流電圧の出力を可能にする三相昇圧型高力率AC−DCコンバータを使ったX線高電圧装置、及びAC−DCコンバータを提供するものである。
本発明は、三相交流電源からの三相交流を入力とし、目標直流電圧を得るように制御を受けるAC−DCコンバータと、このコンバータ直流出力を交流に変換するインバータと、このインバータ交流出力を昇圧し整流しX線源へ直流高電圧を出力する高電圧発生装置と、を備えるX線高電圧装置において、
上記AC−DCコンバータは、三相交流電源の各相出力端に直列に接続した相対応の交流リアクトルと、
スイッチング制御を行う制御回路と、
正極側と負極側との端子を有する直流出力端子と、この正極側と負極側との間に、並列に接続した相対応のスイッチング回路を持つフルブリッジ回路と、
フルブリッジ回路の出力端に並列に設けた平滑コンデンサと、を備え、
フルブリッジ回路は、
各相対応のスイッチング回路を具え、この各相対応のスイッチング回路が、正極用スイッチング部と負極用スイッチング部との直列回路で形成されており、この正極用スイッチング部及び負極用スイッチング部は、それぞれ自己消弧型スイッチング素子とそれに並列に接続したダイオードとを有するものとし、各相対応のスイッチング回路の正極用スイッチング部と負極用スイッチング部との接続系路に上記対応する相の交流リアクトルの出力端が接続され、全相の全スイッチング回路の全スイッチング素子のOFF状態でダイオードのみが動作する全波整流回路として機能するフルブリッジ回路であり、
上記制御回路は、
目標直流電圧を設定する手段と、この目標直流電圧と上記コンバータの直流出力電圧、及び相電流とを取り込み直流出力電圧が目標直流電圧になるように上記スイッチング素子動作を制御すると共に、目標直流電圧とコンバータの直流出力電圧との大小を比較し直流出力電圧が大きいときに上記全スイッチング素子をOFFにする第1の制御信号を発生してフルブリッジ回路を全波整流回路として機能させ、直流出力電圧が小さいときには各スイッチング素子のスイッチング動作を行わせる第2の制御信号を発生する制御手段と、
を備えるX線高電圧装置を開示する。
更に本発明は、交流入力側に交流リアクトルを備え、IGBTによるフルブリッジ回路を構成し、直流出力側には負荷に並列にコンデンサが接続される。三相昇圧型高力率AC−DCコンバータにおいて、コンバータの出力直流電圧が目標値以上になった場合にはフルブリッジ回路を構成するIGBTのスイッチング動作を停止することによって、出力直流電圧を全波整流回路の場合の直流電圧までの範囲で制御可能としたことを特徴とするAC−DCコンバータを開示する。
更に本発明は三相交流電源からの三相交流を入力とし、目標直流電圧を得るように制御を受けるAC−DCコンバータにおいて、
三相交流電源の各相出力端に直列に接続した相対応の交流リアクトルと、
スイッチング制御を行う制御回路と、
正極側と負極側との端子を有する直流出力端子と、この正極側と負極側との間に、並列に接続した相対応のスイッチング回路を持つフルブリッジ回路と、
フルブリッジ回路の出力端に並列に設けた平滑コンデンサと、を備え、
フルブリッジ回路は、
各相対応のスイッチングの回路を具え、この各相対応のスイッチング回路が、正極用スイッチング部と負極用スイッチング部との直列回路で形成されており、この正極用スイッチング部及び負極用スイッチング部は、それぞれ自己消弧型スイッチング素子とそれに並列に接続したダイオードとを有するものとし、各相対応のスイッチング回路の正極用スイッチング部と負極用スイッチング部との接続系路に上記対応する相の交流リアクトルの出力端が接続され、全相の全スイッチング回路の全スイッチング素子のOFF状態でダイオードのみが動作する全波整流回路として機能するフルブリッジ回路であり、
上記制御回路は、
目標直流電圧を設定する手段と、この目標直流電圧と上記コンバータの直流出力電圧、及び相電流とを取り込み直流出力電圧が目標直流電圧になるように上記スイッチング素子動作を制御すると共に、目標直流電圧とコンバータの直流出力電圧との大小を比較し直流出力電圧が大きいときに上記全スイッチング素子をOFFにする第1の制御信号を発生してフルブリッジ回路を全波整流回路として機能させ、直流出力電圧が小さいときには各スイッチング素子のスイッチング動作を行わせる第2の制御信号を発生する制御手段と、
を備えるものとしたAC−DCコンバータを開示する。
本発明によれば、三相昇圧型高力率AC−DCコンバータにあって、入力線間電圧が大きいときでも、制御可能な直流電圧Vdcの下限値を全波整流回路の場合の直流電圧まで下げることができる。スイッチング動作を断続するために電流波形は若干歪むが、力率についてはほぼ1を達成することが可能である。電源設備の線間電圧が高い揚合においても、負荷電流による変動のない、安定した直流電圧を発生する三相昇圧型高力率AC−DCコンバータを提供することができる。
図1は、本発明の制御回路200の実施の形態を示す図である。図1は図3に幾つかの要素を付加した点に特徴を持つ。
図1と図3で同じ点は、制御回路200が、電圧増幅器201、電流増幅器202、PWM信号発生回路203、正弦波データテーブル204、減算器205、206、乗算器207を具える点である。コンバータ3の直流出力V、直流電流Iをそれぞれ負帰還して、減算器206、205で差分をとる。減算器206では、目標直流電圧VとVとの差分をとり、それを増幅器201で増幅し、正弦波テーブル204の読み出し正弦波値出力との乗算を乗算器207で行う。正弦波テーブル204は、実際の交流出力を取り込み、テーブル値を出力するものである。減算器205では、乗算器205の出力からIを差分し、電流増幅器202で増幅し、PWM信号発生回路203でPWMに従った制御信号を生成し、コンバータ(ブリッジ回路)3のスイッチング素子のゲート制御を行う。
一方、図1で図3に対して新しく付加した要素は、判定回路208、信号発生回路209、スイッチ210である。判定回路208は、減算器206の出力側に設けられ、その差分出力が正か負かを判定する回路である。判定回路208は、減算器206の差分出力が正であれば、その差分出力をそのまま電圧増幅器201に入力し、PWM制御回路203から従来と同じくPWM制御を行うための制御信号を発生させて対応する各スイッチング素子へのPWM制御を行わせる。差分出力が零又は負であれば、信号発生回路209へその結果を送る。信号発生回路209は、判定回路208の零又は負である旨の信号を受け取り、全てのスイッチング素子(例えばIGBT)をOFFにする制御信号を発生する。
図1では、PWM発生回路203の出力側にスイッチ210を設けてあり、このスイッチ210を信号発生回路209の出力でOFFにし、PWM発生回路203の出力を遮断するやり方を採用した。この他のやり方としては、PWM発生回路203に働きかけてその出力を停止させるやり方、回路203の動作を中断させるやり方がある。
次に動作を説明する。
図1において、判定回路208がなければ、制御回路200は、直流出力電圧Vf(例えば平滑コンデンサの両端電圧Vdc)が直流電圧目標値Vから正負どちらに離れていても、その直流電圧目標値になるようにAC−DCコンバータのフルブリッジ回路3がPWM制御を受ける。然るに判定回路208を設けたことで、直流電圧目標値Vよりも直流出力電圧Vが同じか大きいと、PWM制御が除かれて、全スイッチング素子がOFFとなり、フルブリッジ回路3はダイオードだけの三相全波整流回路となる。
PWM制御が生きている状態では、フルブリッジ回路3の出力直流電圧Vdcの下限値が数4−1に示す値であるのに対し、PWM制御を殺している(除いている)状態では数6なる。
このように、図1によれば、電圧フィードバックループにおいて直流電圧Vdcとその目標値とを比較した結果によりまず判定を行う。直流電圧Vdcが目標値に達している、または日標値を越えている場合には全てのスイッチング素子をOFFする。この時コンバータ回路はダイオードによるフルブリッジ全波整流回路となる。すなわち直流電圧VdcはX線源などの負荷をとることによって数6で示される、入力線間電圧の全波整流電圧に向かって減少する。その間に直流電圧目標値を下回った揚合には電流フィードバックループによる高力率制御が実施され、直流電圧Vdcは昇圧される。従って直流電圧Vdcの制御可能な下限値は入力線間電圧の全波整流電圧に限りなく近づく。
図5は本実施例による三相昇圧型高力率AC−DCコンバータを利用したインバ一タ式X線高電圧装置である。本発明による三相昇圧型高力率AC−DCコンバータ5の出力直流電圧Vdcをインバータ回路6の直流電圧として供給している。そしてインバータ回路6の出力は変圧器7で昇圧され、さらに整流回路8で整流してX線管に直流高電圧を供給する。
本実施例によるコンバータを採用することによって、400V系電源設備の線間電圧の実効値が528Vの場合においても、コンバータ5の出力電圧をその全波整流電圧に近い値、例えば直流電圧値750Vに制御することができる。これによりコンバータ5及びインバータ回路6を構成するスイッチング素子として、例えばIGBTとして実使用電圧が800Vである絶対最大定格電圧1200Vクラスのものを使用することが可能である。
本実施例によるコンバータを採用し、入力線間電圧実効値が528V、コンバータ出力
直流電圧Vdcの目標値を750Vとした場合について、出力直流電圧Vdcと相電流
iuの波形を図6(イ)、(ロ)に示す。図7は図6の一部(A)の拡大図で、電圧と電流とを1つの図面で表現した例である。電流波形は歪んでふたこぶ(m)になっているが力率をほぼ1に制御できており、直流電圧は目標値750Vに制御することが出来ている。
ここで、図7の拡大図で動作を説明する。
図7は相電流iuが零であるときと直流電圧Vdcが750Vであるときを、縦軸の中心座標で一致させて表示させた例である。図7で、相電流波形のギザギザの部分1が、IGBTをスイッチング動作させている期間であり、相電流iuが0の期間2では他の2相(V相、W相)間で電流が流れている。直流電圧Vdcが目標値750Vを下回っている場合(D)にはスイッチング動作を実施しており、直流電圧Vdcは昇圧される(a)。目標値750Vを越える(U)とスイッチング動作を停止する(電流波形にギザギザがなくなる3)。スイッチング動作を停止した後も、直流電圧Vdcは上がり続けている(b)。これはリアクタンス1に貯まっているエネルギーがダイオードを通って平滑コンデンサ4に充電されるためである。スイッチング動作を停止した場合には直流電圧は負荷をとることによって下がる(c)。
これに対して従来コンバータにおける同一条件の場合の波形を図8に示す。図8では第一に直流電圧Vdcを目標値750Vに制御できていない。また、電流波形も歪んでおり、図6よりも高周波成分が多いことが分かる。
また、本実施例によれば大きな負荷電流による電圧ドロップによってシステムヘの入力電圧が低下した場合でも、コンバータ5はその出力直流電圧Vdcを目標値と比較して、目標値を下回っている場合には高力率制御するようにスイッチングを開始し、直流電圧Vdcは昇圧される。従って負荷電流に影響されない安定した直流電圧Vdcが得られる。
さらに、入力電圧が小さい場合には常に図4に示した関係を成立することが出来るので従来通りの高力率制御を達成することができる。システムを変更することなしに電圧の異なる電源設備から電源を供給することが可能である。
以上のように本実施例によるコンバータを採用することによって、入力電圧に関わらずに常に最適な直流電圧で動作するインバータ回路を実現することが出来る。
本発明によるコンバータの制御ブロック図である。 昇圧型高力率AC−DCコンバータの回路図である。 従来のコンバータの制御ブロック図である。 高力率制御のベクトル図である。 本発明によるコンバータを利用したインバータ式X線高電圧装置を示す図である。 本発明によるコンバータの直流電圧及び相電流の波形の一例図である。 図6の一部拡大図である。 従来のコンバータの直流電圧及び相電流の波形の一例図である。
符号の説明
1 交流リアクトル
2 スイッチング素子(IGBT)
3 フルブリッジ回路
4 コンデンサ

Claims (3)

  1. 三相交流電源からの三相交流を入力とし、目標直流電圧を得るように制御を受けるAC−DCコンバータと、このコンバータ直流出力を交流に変換するインバータと、このインバータ交流出力を昇圧し整流しX線源へ直流高電圧を出力する高電圧発生装置と、を備えるX線高電圧装置において、
    上記AC−DCコンバータは、三相交流電源の各相出力端に直列に接続した相対応の交流リアクトルと、
    スイッチング制御を行う制御回路と、
    正極側と負極側との端子を有する直流出力端子と、この正極側と負極側との間に、並列に接続した相対応のスイッチング回路を持つフルブリッジ回路と、
    フルブリッジ回路の出力端に並列に設けた平滑コンデンサと、を備え、
    フルブリッジ回路は、
    各相対応のスイッチングの回路を具え、この各相対応のスイッチング回路が、正極用スイッチング部と負極用スイッチング部との直列回路で形成されており、この正極用スイッチング部及び負極用スイッチング部は、それぞれ自己消弧型スイッチング素子とそれに並列に接続したダイオードとを有するものとし、各相対応のスイッチング回路の正極用スイッチング部と負極用スイッチング部との接続系路に上記対応する相の交流リアクトルの出力端が接続され、全相の全スイッチング回路の全スイッチング素子のOFF状態でダイオードのみが動作する全波整流回路として機能するフルブリッジ回路であり、
    上記制御回路は、
    目標直流電圧を設定する手段と、この目標直流電圧と上記コンバータの直流出力電圧、及び相電流とを取り込み直流出力電圧が目標直流電圧になるように上記スイッチング素子動作を制御すると共に、目標直流電圧とコンバータの直流出力電圧との大小を比較し直流出力電圧が大きいときに上記全スイッチング素子をOFFにする第1の制御信号を発生してフルブリッジ回路を全波整流回路として機能させ、直流出力電圧が小さいときには各スイッチング素子のスイッチング動作を行わせる第2の制御信号を発生する制御手段と、
    を備えるX線高電圧装置。
  2. 交流入力側に交流リアクトルを備え、IGBTによるフルブリッジ回路を構成し、直流出力側には負荷に並列にコンデンサが接続される。三相昇圧型高力率AC−DCコンバータにおいて、コンバータの出力直流電圧が目標値以上になった場合にはフルブリッジ回路を構成するIGBTのスイッチング動作を停止することによって、出力直流電圧を全波整流回路の場合の直流電圧までの範囲で制御可能としたことを特徴とするAC−DCコンバータ。
  3. 三相交流電源からの三相交流を入力とし、目標直流電圧を得るように制御を受けるAC−DCコンバータにおいて、
    三相交流電源の各相出力端に直列に接続した相対応の交流リアクトルと、
    スイッチング制御を行う制御回路と、
    正極側と負極側との端子を有する直流出力端子と、この正極側と負極側との間に、並列に接続した相対応のスイッチング回路を持つフルブリッジ回路と、
    フルブリッジ回路の出力端に並列に設けた平滑コンデンサと、を備え、
    フルブリッジ回路は、
    各相対応のスイッチングの回路を具え、この各相対応のスイッチング回路が、正極用スイッチング部と負極用スイッチング部との直列回路で形成されており、この正極用スイッチング部及び負極用スイッチング部は、それぞれ自己消弧型スイッチング素子とそれに並列に接続したダイオードとを有するものとし、各相対応のスイッチング回路の正極用スイッチング部と負極用スイッチング部との接続系路に上記対応する相の交流リアクトルの出力端が接続され、全相の全スイッチング回路の全スイッチング素子のOFF状態でダイオードのみが動作する全波整流回路として機能するフルブリッジ回路であり、
    上記制御回路は、
    目標直流電圧を設定する手段と、この目標直流電圧と上記コンバータの直流出力電圧、及び相電流とを取り込み直流出力電圧が目標直流電圧になるように上記スイッチング素子動作を制御すると共に、目標直流電圧とコンバータの直流出力電圧との大小を比較し直流出力電圧が大きいときに上記全スイッチング素子をOFFにする第1の制御信号を発生してフルブリッジ回路を全波整流回路として機能させ、直流出力電圧が小さいときには各スイッチング素子のスイッチング動作を行わせる第2の制御信号を発生する制御手段と、
    を備えるものとしたAC−DCコンバータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015228728A (ja) * 2014-05-30 2015-12-17 住友電気工業株式会社 変換装置
JP2018206562A (ja) * 2017-06-01 2018-12-27 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線高電圧装置、x線撮影装置、及び判定回路
WO2023068342A1 (ja) * 2021-10-21 2023-04-27 富士フイルム株式会社 制御装置、制御方法、及び制御プログラム

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