JP2005325762A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内燃機関の個体間のばらつきや、吸気脈動による吹き返し等の影響による吸入空気量のずれの発生をなくすこと。
【解決手段】 内燃機関1の個体間のばらつきや、吸気脈動による吹き返し等の影響を受けることによって、熱線式エアフローメータ21により検出される吸入空気量GAと要求吸入空気量とのずれが発生し、内燃機関1からの排出ガスに対する酸素センサ25からの電圧VOX1に基づき空燃比F/B(フィードバック)制御するときの空燃比F/B補正量に基づく空燃比ずれ量が所定値より大きくなり、このときリッチ側へのずれであれば吸入空気量GAに対するMax(上限)ガード値が減少され、リーン側へのずれであれば吸入空気量GAに対するMaxガード値が増大される。これにより、吸入空気量GAのずれの発生をなくすことができ、空燃比制御における精度を向上することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸入空気量の検出値に基づき内燃機関に噴射供給される燃料量を空燃比フィードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置に関するものである。
従来、内燃機関に導入される吸入空気量を熱線式エアフローメータにて検出し、その検出値を用いて内燃機関に噴射供給する燃料量を空燃比フィードバック制御する際、例えば、スロットルバルブの全開付近で吸気脈動の影響を受けると吸気逆流が発生し、このときの吸入空気量が実際より増大して検出され、それに見合う燃料量の加算によって空燃比がリッチ側にずれてしまうという現象が知られている。
これに対処する先行技術文献として、特開昭62−96751号公報、特開平5−248908号公報、特許第2858289号公報にて開示されたものが知られている。
このうち、特開昭62−96751号公報には、大気圧がシーレベルと異なる場合や大気温度が常温と異なる場合においても空燃比を正確に制御する技術が示されている。熱線式エアフローメータ(エアフローセンサ)の出力が吸気脈動による吹き返し等により実際より大きくなった場合にこれを所定の上限値に制限すると共に、空気密度が基準と異なる場合にはこれを補正するものである。
また、特開平5−248908号公報には、推定した真の吸入空気量の上限値を制限することにより、加速時の真の吸入空気量を誤ることなく逆流リッチを防止する技術が示されている。つまり、加速時に熱線式エアフローメータを通過する吸入空気は一時的にサージタンクの容積を満たす空気も含まれるために、スロットル全開定常時の真の吸入空気量を上回る空気量が流れる。この場合は、低回転スロットル全開時の吸気脈動による吹き返し等とは異なり、熱線式エアフローメータで検出した空気量が全て内燃機関へ流れているため、検出される吸入空気量を上限値で制限してしまうと推定した真の吸入空気量に誤りが生じることに対処するとしている。
そして、特許第2858289号公報には、内燃機関の運転状態が吸気脈動による吸気逆流が発生する運転領域であると判別されたときに、対応する運転領域の吸入空気量相当量を、吸気逆流が発生しない運転領域のときに吸入空気量に基づいて設定される補正量により補正した値を吸入空気量の検出値として、吸気逆流の影響を排除して、内燃機関の吸入空気量検出精度を向上する技術が示されている。
特開昭62−96751号公報(第1頁〜第3頁) 特開平5−248908号公報(第2頁) 特許第2858289号公報(第1頁〜第2頁)
前述のものでは、内燃機関に噴射供給する燃料量を空燃比フィードバック制御によって補正する際、機関回転速度毎に吸入空気量に対する上限値を設けて、吸気脈動による吸入空気量の過度の増大を防止するとしている。
しかしながら、内燃機関の個体間のばらつきによって、要求吸入空気量のずれが発生することが考えられる。ここで、例えば、要求吸入空気量が設定された上限値より少ないものではリッチ側へのずれが生じ、要求吸入空気量が設定された上限値より多いものではリーン側へのずれが生じることとなる。
そして、空燃比フィードバック制御時では、空燃比フィードバック補正量のずれが大きくなり他モード移行時等における制御性が悪化し、高負荷燃料増量領域(パワー燃料増量領域)にあってはリッチ側へのずれで燃費を悪化させたり、リーン側へのずれで排気温上昇等によって触媒の損傷を招いたりするという問題があった。
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、内燃機関の個体間のばらつきや、吸気脈動による吸入空気量のずれの発生をなくし、空燃比制御における精度を向上可能な内燃機関の空燃比制御装置の提供を課題としている。
請求項1の内燃機関の空燃比制御装置によれば、内燃機関に吸気通路を通過して供給される吸入空気量を制御するスロットルバルブの全開または全開付近を、スロットル開度検出手段により検出したときには、内燃機関に噴射供給される燃料量に対して、酸素濃度検出手段による内燃機関からの排出ガスの酸素濃度に基づき空燃比フィードバック制御手段により空燃比フィードバック補正量に基づく空燃比ずれ量に応じて、空気量上限値変更手段で空気量検出手段により検出される吸入空気量の上限値が変更される。これにより、吸入空気量の検出値に基づき内燃機関に噴射供給する燃料量を空燃比フィードバック制御によって補正する際、内燃機関の個体間のばらつきや、吸気脈動による吹き返し等の影響が考慮され、空気量検出手段により検出される吸入空気量の上限値の最適化が図られることで、その吸入空気量と要求吸入空気量とのずれの発生をなくすことができ、空燃比制御における精度が向上される。
請求項2の内燃機関の空燃比制御装置では、酸素濃度検出手段が内燃機関からの排出ガスの理論空燃比近傍で出力が急変する酸素センサとされることで、空燃比フィードバック制御領域または燃料増量のない領域における内燃機関からの排出ガスの酸素濃度が良好に検出される。
請求項3の内燃機関の空燃比制御装置では、酸素濃度検出手段が内燃機関からの排出ガスの空燃比をリニアに検出する空燃比センサとされることで、空燃比フィードバック制御領域のみならず、高負荷燃料増量領域にあっても内燃機関からの排出ガスの酸素濃度が良好に検出される。
請求項4の内燃機関の空燃比制御装置における空気量上限値変更手段では、空燃比フィードバック制御領域または燃料噴射制御手段による高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量の実行以前における空燃比フィードバック補正量を用いて空燃比ずれ量を算出するものである。つまり、酸素濃度検出手段により喩え、理論空燃比近傍しか分からないときでも、空燃比フィードバック制御領域または高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量の実行以前における空燃比フィードバック補正量を用いることで空燃比ずれ量が算出される。これにより、酸素濃度検出手段を用いたときの空燃比ずれ量が適切に算出される。
請求項5の内燃機関の空燃比制御装置における空気量上限値変更手段では、前記高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量の実行以前が、前記空燃比フィードバック制御領域から前記高負荷燃料増量領域への移行に伴うディレイ期間中とされるため、酸素濃度検出手段による検出値が有効であり、このときの空燃比ずれ量が適切に算出される。
請求項6の内燃機関の空燃比制御装置における空気量上限値変更手段では、高負荷燃料増量領域に対応する空気量検出手段による吸入空気量の上限値が、燃料増量のない領域の空燃比ずれ量に応じて変更される。これにより、喩え、酸素濃度検出手段で変更ができない高負荷燃料増量領域における空気量検出手段による吸入空気量に対する上限値が、燃料増量のない領域の空燃比ずれ量に応じて適宜、変更されることで最適化される。
請求項7の内燃機関の空燃比制御装置によれば、内燃機関に吸気通路を通過して供給される吸入空気量を制御するスロットルバルブの全開または全開付近が、スロットル開度検出手段により検出され、かつ燃料噴射制御手段により高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量が実行されているときには、そのときの燃料増量値から推定される空燃比と、空燃比センサからの出力値との比較による空燃比ずれ量に応じて、空気量上限値変更手段で空気量検出手段により検出される吸入空気量の上限値が変更される。つまり、スロットル開度検出手段によりスロットルバルブの全開または全開付近が検出され、かつ燃料噴射制御手段により高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量が実行されているときであっても、空燃比センサによれば実際の空燃比が分かるため、その出力値に基づく空燃比と、そのときの燃料増量値から推定される空燃比との比較による空燃比ずれ量に応じて、高負荷燃料増量領域に対応する空気量検出手段による吸入空気量の上限値が変更される。これにより、高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量の実行中における内燃機関の個体間のばらつきや、吸気脈動による吹き返し等の影響が考慮され、空気量検出手段により検出される吸入空気量の上限値の最適化が図られることで、その吸入空気量と要求吸入空気量とのずれの発生をなくすことができ、空燃比制御における精度が向上される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1にかかる内燃機関の空燃比制御装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
図1において、内燃機関1は例えば、4サイクル4気筒の火花点火式として構成され、その吸入空気は上流側からエアクリーナ2、吸気通路3、スロットルバルブ4、サージタンク5及びインテークマニホルド6を通過し、インテークマニホルド6内でインジェクタ(燃料噴射弁)7から噴射された燃料と混合され、所定空燃比の混合気として各気筒に分配供給される。また、内燃機関1の各気筒に設けられた点火プラグ8に直接、接続されたイグナイタ9には、後述のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)30からの点火信号が入力され、各気筒の混合気が点火プラグ8の火花点火によって所定タイミングにて燃焼される。
そして、燃焼後の排出ガスはエキゾーストマニホルド11及び排気通路12を通過し、排気通路12に設けられ、白金やロジウム等の触媒成分とセリウムやランタン等の添加物を担持した三元触媒13にて有害成分であるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx (窒素酸化物)等が浄化され大気中に排出される。
また、エアクリーナ2の下流側の吸気通路3には熱線式エアフローメータ21が設けられ、この熱線式エアフローメータ21にてエアクリーナ2を通過する単位時間当たりの吸入空気量GA〔g/sec:グラム毎秒〕が検出される。この熱線式エアフローメータ21にあっては、周知のように、吸気通路3に吸気脈動の影響によって吸気逆流が発生すると、エアクリーナ2を通過する吸入空気の流れ方向だけでなく、その逆の流れ方向における空気量も検出値として加算され、結果として、吸入空気量が実際より増大して検出されるという特性を有する。そして、スロットルバルブ4にはスロットル開度センサ22が設けられ、このスロットル開度センサ22にてスロットル開度TA〔°〕に応じたアナログ信号が検出される。
また、内燃機関1のシリンダブロックには水温センサ23が設けられ、この水温センサ23にて内燃機関1の冷却水温THW〔℃〕が検出される。加えて、内燃機関1のクランクシャフト(図示略)にはクランク角センサ24が設けられ、このクランク角センサ24からのクランク角信号に基づき内燃機関1の機関回転速度NE〔rpm〕が検出される。更に、排気通路12の三元触媒13の上流側には、内燃機関1からの排出ガスの酸素濃度に応じた電圧VOX1〔V:ボルト〕を出力する酸素センサ25が設けられている。
内燃機関1の運転状態を制御するECU30は、周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU31、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM32、各種データ等を格納するRAM33、B/U(バックアップ)RAM34、入出力回路35及びそれらを接続するバスライン36等からなる論理演算回路として構成されている。
このECU30には、入出力回路35を介して熱線式エアフローメータ21からの吸入空気量GA、スロットル開度センサ22からのスロットル開度TA、水温センサ23からの冷却水温THW、クランク角センサ24からの機関回転速度NE、酸素センサ25からの電圧VOX1等の各種センサ信号が入力され、それらに基づいてインジェクタ7に対する燃料噴射量TAU、イグナイタ9に対する点火時期Ig等が算出され、入出力回路35を介してインジェクタ7、イグナイタ9等にそれぞれ制御信号が出力される。
また、ECU30によって空燃比フィードバック制御が実行され、酸素センサ25で検出される内燃機関1からの排出ガスの酸素濃度に対応する電圧VOX1によって、排出ガスのリーン状態やリッチ状態、また、リーンからリッチまたはリッチからリーンへの反転時点が判定され、内燃機関1に供給される混合気が理論空燃比となるよう燃料噴射量TAUが調整される。
次に、本発明の実施例1にかかる内燃機関の空燃比制御装置で使用されているECU30内のCPU31の空燃比制御における吸入空気量のMaxガード値(上限値)演算の処理手順を示す図2のフローチャートに基づき、図3を参照して説明する。ここで、図3は図2の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイムチャートである。なお、このMaxガード値演算ルーチンは所定時間毎にCPU31にて繰返し実行される。
図2において、まず、ステップS101では、スロットルバルブ4の開度が全開または全開付近であるかが判定される。ステップS101の判定条件が成立、即ち、スロットル開度センサ22にて検出されたスロットル開度TAによりスロットルバルブ4が全開または全開付近で、図3に示す吸気脈動発生領域にあるときにはステップS102に移行し、空燃比F/B(フィードバック)制御領域にあるかが判定される。ステップS102の判定条件が成立、即ち、内燃機関1に対して機関回転速度NEと負荷(スロットル開度TA等)とに基づきストイキ(理論空燃比)となるよう制御する空燃比F/B制御領域であるときには後述のステップS104に移行する。
一方、ステップS102の判定条件が成立せず、即ち、空燃比F/B制御領域でないときには、内燃機関1の機関回転速度NEと負荷(スロットル開度TA等)とに基づく高負荷燃料増量領域であるとしてステップS103に移行する。ステップS103では、ディレイ期間中であるかが判定される。ステップS103の判定条件が成立、即ち、空燃比F/B制御領域から高負荷燃料増量領域への移行に伴うディレイ期間中であるときにはステップS104に移行する。
ステップS104では、周知のように、空燃比F/B制御における空燃比F/B補正係数FAFの1.0(ストイキ:理論空燃比)からのずれに基づく空燃比ずれ量が算出される。次にステップS105に移行して、ステップS104で算出された空燃比ずれ量が所定値以上であるかが判定される。ステップS105の判定条件が成立、即ち、空燃比ずれ量が所定値以上と大きいときにはステップS106に移行し、空燃比ずれ量がリッチ側にずれているかが判定される。
ステップS106の判定条件が成立、即ち、空燃比ずれ量が所定値以上と大きくリッチ側にずれているときにはステップS107に移行し、要求吸入空気量に対する実際の吸入空気量が熱線式エアフローメータ21にて検出値として過多に検出されており、これは吸気脈動の影響であるとして吸入空気量に対するMaxガード値が減少され、本ルーチンを終了する。一方、ステップS106の判定条件が成立せず、即ち、空燃比ずれ量が所定値以上と大きくリーン側にずれているときにはステップS108に移行し、要求吸入空気量に対する実際の吸入空気量が熱線式エアフローメータ21にて検出値として過少に検出されており、このときには吸気脈動の影響はなく余裕があるとして、吸入空気量に対するMaxガード値が増大され、本ルーチンを終了する。
一方、ステップS101の判定条件が成立せず、即ち、スロットル開度センサ22にて検出されたスロットル開度TAに基づくスロットルバルブ4の開度が全開または全開付近でないとき、またはステップS103の判定条件が成立せず、即ち、パワー増量領域にあるとき、またはステップS105の判定条件が成立せず、即ち、空燃比ずれ量が所定値未満と小さいときには、熱線式エアフローメータ21にて検出される吸入空気量が適正であり、この吸入空気量に対するMaxガード値を変更する必要がないため何もすることなく本ルーチンを終了する。
このように、本実施例の内燃機関の空燃比制御装置は、内燃機関1の吸気通路3に配設され、吸気通路3に導入される吸入空気量GAを検出する空気量検出手段としての熱線式エアフローメータ21と、吸気通路3に配設され、その吸気通路3を通過して内燃機関1に供給される吸入空気量を制御するスロットルバルブ4と、スロットルバルブ4のスロットル開度TAを検出するスロットル開度検出手段としてのスロットル開度センサ22と、スロットルバルブ4の下流側の吸気通路3内に配設され、内燃機関1に燃料を噴射供給するインジェクタ(燃料噴射弁)7と、内燃機関1の排気通路12に配設され、内燃機関1からの排出ガスの酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、内燃機関1の運転状態に応じてインジェクタ7から噴射供給される燃料量を制御するECU30にて達成される燃料噴射制御手段と、前記燃料噴射制御手段により噴射供給される燃料量に対して前記酸素濃度検出手段からの出力値に基づき空燃比F/B(フィードバック)制御を実行するECU30にて達成される空燃比F/B制御手段と、スロットル開度センサ22によりスロットルバルブ4の全開または全開付近を検出したときには、空燃比F/B補正係数FAFに基づく空燃比ずれ量に応じて、熱線式エアフローメータ21により検出される吸入空気量GAの上限値としてのMaxガード値を変更するECU30にて達成される空気量上限値変更手段とを具備するものである。また、本実施例の内燃機関の空燃比制御装置の酸素濃度検出手段は、内燃機関1からの排出ガスの理論空燃比近傍で出力が急変する出力値として電圧VOX1を検出する酸素センサ25とするものである。
つまり、内燃機関1の吸気通路3を通過して内燃機関1に供給される吸入空気量GAを制御するスロットルバルブ4の全開または全開付近を、スロットル開度センサ22によるスロットル開度TAにて検出したときには、内燃機関1に噴射供給される燃料量に対して、内燃機関1からの排出ガスの理論空燃比近傍で出力が急変する酸素センサ25からの電圧VOX1に基づく空燃比F/B補正係数FAFの空燃比ずれ量に応じて、熱線式エアフローメータ21により検出される吸入空気量GAのMaxガード値が変更される。
即ち、内燃機関1の個体間のばらつきや、吸気脈動による吹き返し等の影響を受けることによって、熱線式エアフローメータ21により検出される吸入空気量GAと要求吸入空気量とのずれが発生し、内燃機関1からの排出ガスに対する酸素センサ25からの電圧VOX1に基づく空燃比F/B補正係数FAFの空燃比ずれ量が所定値より大きくなり、このときリッチ側へのずれであれば吸入空気量GAに対するMaxガード値が減少され、リーン側へのずれであれば吸入空気量GAに対するMaxガード値が増大される。これにより、内燃機関の個体間のばらつきによる吸入空気量GAのずれの発生をなくすことができ、空燃比制御における精度を向上することができる。
また、本実施例の内燃機関の空燃比制御装置のECU30にて達成される空気量上限値変更手段は、空燃比F/B制御領域または前記燃料噴射制御手段による高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量の実行以前における空燃比F/B補正係数FAFを用いて空燃比ずれ量を算出するものである。そして、本実施例の内燃機関の空燃比制御装置のECU30にて達成される空気量上限値変更手段は、高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量の実行以前を、空燃比F/B制御領域から高負荷燃料増量領域への移行に伴うディレイ期間中とするものである。つまり、酸素センサ25からの電圧VOX1では、理論空燃比近傍しか分からないため、空燃比F/B制御領域または高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量の実行以前における空燃比F/B補正係数FAFを用いることで空燃比ずれ量が算出される。なお、この高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量の実行以前とは、空燃比F/B制御領域から高負荷燃料増量領域への移行に伴うディレイ期間中である。これにより、酸素センサ25を用いたときの空燃比ずれ量を適切に算出することができる。
そして、本実施例の内燃機関の空燃比制御装置のECU30にて達成される空気量上限値変更手段は、高負荷燃料増量領域に対応する熱線式エアフローメータ21による吸入空気量GAのMaxガード値を、燃料増量のない領域の空燃比ずれ量に応じて変更するものである。これにより、本来、酸素センサ25からの電圧VOX1では変更ができない高負荷燃料増量領域における熱線式エアフローメータ21による吸入空気量GAに対するMaxガード値を、燃料増量のない領域の空燃比ずれ量に応じて適宜、変更して最適化することができる。
ところで、上記実施例では、酸素濃度検出手段として内燃機関1からの排出ガスの理論空燃比近傍で出力が急変する酸素センサ25を用いているが、内燃機関1からの排出ガスの空燃比をリニアに検出する空燃比センサを用いても、熱線式エアフローメータ21による吸入空気量GAに対するMaxガード値を変更することができ、同様の作用・効果が期待できる。
(実施例2)
図4は本発明の実施例2にかかる内燃機関の空燃比制御装置で使用されているECU30内のCPU31の空燃比制御における吸入空気量のMaxガード値演算の処理手順を示す図4のフローチャートに基づき、上述の図3を参照して説明する。なお、このMaxガード値演算ルーチンは所定時間毎にCPU31にて繰返し実行される。
ここで、本実施例にかかる内燃機関の空燃比制御装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図は、上述の実施例1の図1において、排気通路12の三元触媒13の上流側に設けられた酸素センサ25に替え、内燃機関1からの排出ガスの空燃比(A/F)に応じたリニアな電圧VOX2〔V〕を検出する空燃比センサ25′が設けられている点が相違するのみであるため、その図と共に、詳細な説明を省略する。
図4において、まず、ステップS201では、スロットルバルブ4の開度が全開または全開付近であるかが判定される。ステップS201の判定条件が成立、即ち、スロットル開度センサ22にて検出されたスロットル開度TAに基づくスロットルバルブ4が全開または全開付近で、図3に示す吸気脈動発生領域にあるときにはステップS202に移行し、空燃比F/B制御領域にあるかが判定される。ステップS202の判定条件が成立、即ち、内燃機関1に対して機関回転速度NEと負荷(スロットル開度TA等)とに基づきストイキとなるよう制御する空燃比F/B制御領域であるときにはステップS203に移行する。ステップS203では、空燃比F/B制御において周知のように算出される空燃比F/B補正係数FAFに基づく空燃比ずれ量が算出される。
一方、ステップS202の判定条件が成立せず、即ち、空燃比F/B制御領域でないときには、内燃機関1の機関回転速度NEと負荷(スロットル開度TA等)とに基づく高負荷燃料増量領域であるとしてステップS204に移行する。ステップS204では、高負荷燃料増量領域における燃料増量値がマップ(図示略)等に基づき算出され、その燃料増量値から推定される推定空燃比が算出される。次にステップS205に移行して、空燃比センサ25′からの電圧VOX2に基づく空燃比が算出される。次にステップS206に移行して、ステップS204で算出された推定空燃比とステップS205で算出された高負荷燃料増量領域における空燃比との比較に基づき空燃比ずれ量が算出される。
ステップS203またはステップS206の処理ののちステップS207に移行し、算出された空燃比ずれ量が所定値以上であるかが判定される。ステップS207の判定条件が成立、即ち、空燃比ずれ量が所定値以上と大きいときにはステップS208に移行し、空燃比ずれ量がリッチ側にずれているかが判定される。ステップS208の判定条件が成立、即ち、空燃比ずれ量が所定値以上と大きくリッチ側にずれているときにはステップS209に移行し、要求吸入空気量に対する実際の吸入空気量が熱線式エアフローメータ21にて検出値として過多に検出されており、これは吸気脈動の影響であるとして吸入空気量に対するMaxガード値が減少され、本ルーチンを終了する。
一方、ステップS208の判定条件が成立せず、即ち、空燃比ずれ量が所定値以上と大きくリーン側にずれているときにはステップS210に移行し、要求吸入空気量に対する実際の吸入空気量が熱線式エアフローメータ21にて検出値として過少に検出されており、このときには吸気脈動の影響はなく余裕があるとして、吸入空気量に対するMaxガード値が増大され、本ルーチンを終了する。
一方、ステップS201の判定条件が成立せず、即ち、スロットル開度センサ22にて検出されたスロットル開度TAに基づくスロットルバルブ4の開度が全開または全開付近でないとき、またはステップS207の判定条件が成立せず、即ち、空燃比ずれ量が所定値未満と小さいときには、熱線式エアフローメータ21にて検出される吸入空気量が適正であり、この吸入空気量に対するMaxガード値を変更する必要がないため何もすることなく本ルーチンを終了する。
このように、本実施例の内燃機関の空燃比制御装置は、内燃機関1の吸気通路3に配設され、吸気通路3に導入される吸入空気量GAを検出する空気量検出手段としての熱線式エアフローメータ21と、吸気通路3に配設され、その吸気通路3を通過して内燃機関1に供給される吸入空気量を制御するスロットルバルブ4と、スロットルバルブ4のスロットル開度TAを検出するスロットル開度検出手段としてのスロットル開度センサ22と、スロットルバルブ4の下流側の吸気通路3内に配設され、内燃機関1に燃料を噴射供給するインジェクタ7と、内燃機関1の排気通路12に配設され、内燃機関1からの排出ガスの空燃比をリニアな出力値として電圧VOX2を検出する空燃比センサ25′と、内燃機関1の運転状態に応じてインジェクタ7から噴射供給される燃料量を制御するECU30にて達成される燃料噴射制御手段と、スロットル開度センサ22によりスロットルバルブ4の全開または全開付近を検出し、かつ前記燃料噴射制御手段により高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量を実行しているときには、そのときの燃料増量値から推定される空燃比と、空燃比センサ25′からの電圧VOX2に基づく空燃比との比較による空燃比ずれ量に応じて、熱線式エアフローメータ21による吸入空気量GAの上限値としてのMaxガード値を変更するECU30にて達成される空気量上限値変更手段とを具備するものである。
つまり、空燃比センサ25′からの電圧VOX2によれば、高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量を実行しているときでも空燃比が分かるため、その電圧VOX2に基づく空燃比と、そのときの燃料増量値から推定される空燃比との比較による空燃比ずれ量に応じて、高負荷燃料増量領域に対応する熱線式エアフローメータ21による吸入空気量GAのMaxガード値が変更され最適化される。
即ち、内燃機関1の個体間のばらつきや、吸気脈動による吹き返し等の影響を受けることによって、熱線式エアフローメータ21により検出される吸入空気量GAと要求吸入空気量とのずれが発生し、燃料増量値から推定される空燃比と、内燃機関1からの排出ガスに対する酸素センサ25′からの電圧VOX2に基づく空燃比との空燃比ずれ量が所定値より大きくなり、このときリッチ側へのずれであれば吸入空気量GAに対するMaxガード値が減少され、リーン側へのずれであれば吸入空気量GAに対するMaxガード値が増大される。これにより、高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量の実行中であっても最適なMaxガード値が得られ、内燃機関の個体間のばらつきによる吸入空気量GAのずれの発生をなくすことができ、空燃比制御における精度を向上することができる。
図1は本発明の実施例1にかかる内燃機関の空燃比制御装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。 図2は本発明の実施例1にかかる内燃機関の空燃比制御装置で使用されているECU内のCPUの空燃比制御における吸入空気量のMaxガード値演算の処理手順を示すフローチャートである。 図3は図2の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイムチャートである。 図4は本発明の実施例2にかかる内燃機関の空燃比制御装置で使用されているECU内のCPUの空燃比制御における吸入空気量のMaxガード値演算の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
3 吸気通路
4 スロットルバルブ
21 熱線式エアフローメータ
22 スロットル開度センサ
24 クランク角センサ
25 酸素(O2 )センサ
30 ECU(電子制御ユニット)

Claims (7)

  1. 内燃機関の吸気通路に配設され、前記吸気通路に導入される吸入空気量を検出する空気量検出手段と、
    前記吸気通路に配設され、その吸気通路を通過して前記内燃機関に供給される吸入空気量を制御するスロットルバルブと、
    前記スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度検出手段と、
    前記スロットルバルブの下流側の前記吸気通路内に配設され、前記内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、
    前記内燃機関の排気通路に配設され、前記内燃機関からの排出ガスの酸素(O2 )濃度を検出する酸素濃度検出手段と、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記燃料噴射弁から噴射供給される燃料量を制御する燃料噴射制御手段と、
    前記燃料噴射制御手段により噴射供給される燃料量に対して前記酸素濃度検出手段からの出力値に基づき空燃比フィードバック制御を実行する空燃比フィードバック制御手段と、
    前記スロットル開度検出手段により前記スロットルバルブの全開または全開付近を検出したときには、空燃比フィードバック補正量に基づく空燃比ずれ量に応じて、前記空気量検出手段により検出される吸入空気量の上限値を変更する空気量上限値変更手段と
    を具備することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 前記酸素濃度検出手段は、前記内燃機関からの排出ガスの理論空燃比近傍で出力が急変する酸素センサであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記酸素濃度検出手段は、前記内燃機関からの排出ガスの空燃比をリニアに検出する空燃比センサであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 前記空気量上限値変更手段は、空燃比フィードバック制御領域または前記燃料噴射制御手段による高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量の実行以前における前記空燃比フィードバック補正量を用いて空燃比ずれ量を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 前記空気量上限値変更手段は、前記高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量の実行以前を、前記空燃比フィードバック制御領域から前記高負荷燃料増量領域への移行に伴うディレイ期間中とすることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  6. 前記空気量上限値変更手段は、前記高負荷燃料増量領域に対応する前記空気量検出手段による吸入空気量の上限値を、燃料増量のない領域の空燃比ずれ量に応じて変更することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  7. 内燃機関の吸気通路に配設され、前記吸気通路に導入される吸入空気量を検出する空気量検出手段と、
    前記吸気通路に配設され、その吸気通路を通過して前記内燃機関に供給される吸入空気量を制御するスロットルバルブと、
    前記スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度検出手段と、
    前記スロットルバルブの下流側の前記吸気通路内に配設され、前記内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、
    前記内燃機関の排気通路に配設され、前記内燃機関からの排出ガスの空燃比をリニアに検出する空燃比センサと、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記燃料噴射弁から噴射供給される燃料量を制御する燃料噴射制御手段と、
    前記スロットル開度検出手段により前記スロットルバルブの全開または全開付近を検出し、かつ前記燃料噴射制御手段により高負荷燃料増量領域に対応する燃料増量を実行しているときには、そのときの燃料増量値から推定される空燃比と、前記空燃比センサからの出力値との比較による空燃比ずれ量に応じて、前記空気量検出手段により検出される吸入空気量の上限値を変更する空気量上限値変更手段と
    を具備することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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