JP2005325735A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠心分離式油分離機構において、幅広い圧縮機回転数にて高い潤滑油分離効率を確保したうえで高速域でも圧縮機の信頼性を高める潤滑油分離装置を提供する。
【解決手段】分離室51の側壁に導入孔案内溝部55と、導入孔案内溝部55に挿入した移動導入孔部56と弾性部材としてのスプリング57と、移動導入孔部56を保持すると共に、上部に高圧連通室61を構成する上部蓋63と、下部に低圧連通室59を構成する下部蓋64とを備え、スプリング57の力と、高圧連通室61と低圧連通室59との差圧による力との釣り合いにより移動導入孔部56の位置を制御する機構として、分離室51の側壁に構成される導入孔53の開口位置を可変とするようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体の圧縮を行う圧縮機に関するもので、空気調和装置、特に自動車用空調装置などに用いられる圧縮機に関するものである。
従来、この種の圧縮機を用いた空調装置は、圧縮機構摺動部を潤滑する潤滑油の一部が圧縮された流体と共に圧縮機から吐出され、冷凍サイクル中を循環することとなる。
流体と共に吐出される潤滑油の量がサイクル中に多く吐出されるほどシステム効率(熱効率)が低下することは従来からよく知られている。
かかる事情から、システム効率の向上を図るため、圧縮機構により圧縮された流体から、そこに含まれる潤滑油を極力分離した後、この流体を冷凍サイクル中に吐出するようにしている。そのような例として、圧縮機構の吐出側に、圧縮された流体から潤滑油を分離する遠心分離式の分離室を設けた圧縮機が公知となっている(例えば特許文献1参照)。
かかる圧縮機では、圧縮機構により圧縮され潤滑油を含む高圧の冷媒ガスを分離室へ導入する位置固定の導入孔により、冷媒ガスが分離室に導かれ、略円柱状の分離室内を旋回し、旋回による遠心力により冷媒ガスに含まれるミスト状の潤滑油が分離室内壁に接触することで冷媒ガスから分離されるようになっている。
特開2003−90286号公報
しかしながら、前記従来の構成では、上述の特許文献に開示されているものに限らず、圧縮機構から吐出される流体を前記分離室内に導く導入孔は所定の位置に開口するように構成されている。
一方、一般的に理想とする潤滑油分離効率特性は、圧縮機の回転数が中速以下においては十分な潤滑油分離効率を発揮しシステム効率を向上させることが期待される。さらに圧縮機の回転数が高速の領域においては、潤滑油の分離効率が低くても冷媒循環量が十分であるためシステムの冷房能力としては十分であることが多く、逆に意図的に潤滑油分離効率を低めサイクル中の潤滑油の循環量を高めることで圧縮機の信頼性をさらに高めることが望まれる。
発明者等は上記特許に記載されるような所定の位置で開口する導入孔にて構成される圧縮機にて、潤滑油の分離効率について試験検討したところ、圧縮機の回転数に対する理想とする潤滑油分離効率に対して、期待する十分な潤滑油の分離効率の特性を得ることは困難であった。
そこで、発明者等は幅広い圧縮機回転数で理想的な潤滑油の分離効率を得ることができなかった原因を調査研究したところ、以下の点が明らかになった。
すなわち、上記従来の潤滑油分離機構では、圧縮機構により圧縮され潤滑油を含む高圧の冷媒ガスが遠心分離式の分離室に導かれ、略円柱状の分離室内を旋回し、旋回による遠心力により冷媒ガスに含まれるミスト状の潤滑油が分離室内壁に接触することで冷媒ガスから分離されるようになっている。
よって、圧縮機の回転数が中速以下の場合、分離室での旋回による遠心力により潤滑油を効率よく分離するが、分離室の下方に溜まっている潤滑油の一部が旋回する冷媒ガスの動圧で吐出配管側に持ち出され、結果的に潤滑油分離効率をやや悪化させる。また、圧縮機回転数が高速の場合、分離室での旋回による遠心力により潤滑油を分離するが、分離室の下方に溜まっている潤滑油が旋回する冷媒ガスの動圧で吐出配管側に持ち出され、結果的に潤滑油の分離効率を低下させる。
このとき、導入孔が所定の位置に固定して開口している従来の圧縮機では、中速以下で潤滑油分離効率を高めるように、分離室の下方に溜まっている潤滑油から遠ざけるように極力上方に導入孔を開口すると、圧縮機回転数が高速の場合でも、分離室の下方に溜まっている潤滑油が旋回する冷媒ガスの動圧で吐出配管側に持ち出されにくくなり、結果的に潤滑油の分離効率を向上させ過ぎ、圧縮機の信頼性面では好ましくない。
逆に圧縮機回転数が高速の場合、分離室の下方に溜まっている潤滑油が旋回する冷媒ガスの動圧で吐出配管側に持ち出されやすくし、圧縮機の信頼性面を好ましくするために、分離室の下方に溜まっている潤滑油に近づけるように極力下方に導入孔を開口すると、圧縮機回転数が中速以下の場合でも、分離室の下方に溜まっている潤滑油が旋回する冷媒ガスの動圧で吐出配管側に持ち出されやすくなり、結果的に潤滑油分離効率が低下してシステム効率を高めることは期待できない。
つまり所定の位置に固定して導入孔が構成される潤滑油分離機構では、圧縮機の回転数に対する理想とする分離効率に対して、期待する十分な潤滑油の分離効率の特性を得ることは困難であるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、幅広い圧縮機回転数で理想的な潤滑油の分離効率に近づけること可能とした潤滑油分離機構を備えた圧縮機を提供することを目的としている。
なお、ここでいう圧縮機回転数の「低速」、「中速」、「高速」の定義については、使用形態や条件によって変わるものであり、それぞれの概念による。例えば、後述する自動車用空調装置において説明すると、実際の圧縮機の回転数は自動車のギア比や、どのギアを選択しているか、またプーリー比などで一概に決められるものではないが、おおよその想定として、低速は、自動車のアイドリングから時速30km程度の走行まで、中速は、それを超えて一般市街地での時速60km程度の走行まで、高速は、それ以上で高速道路等の走行時程度、における空調装置の運転による状態としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機は、冷媒ガスを分離室に導く導入孔の開口部位置が可変であることを特徴としている。すなわち、分離室の側壁に形成された導入孔の開口位置が圧縮機の回転数に応じて変化し、その結果、導入孔を通過して導かれる冷媒ガスが分離室にて旋回し、旋回する冷媒ガスの動圧で吐出配管側に持ち出される分離室の下方に溜まって潤滑油の量が変化する。
例えば、中速以下の圧縮機回転数の領域では、導入孔の位置は貯油面から相対的に高い位置に制御すると、旋回する冷媒ガスの動圧で吐出配管側に持ち出される潤滑油の量が少なく抑制されるため、高い潤滑油分離効率となり、結果的にシステム効率が向上する。
また、高速以上の圧縮機回転数の領域では、導入孔の開口位置はその制御範囲の下方の位置となるよう制御すると、旋回する冷媒ガスの動圧で吐出配管側に持ち出される潤滑油
の量が多くなるため、低い潤滑油分離効率となり、結果的に圧縮機の信頼性はより向上する。つまり、高速以上の圧縮機回転数ではシステムの冷房能力は十分に確保されている場合が多く、このような場合にはシステム効率を向上させることよりも、意図的に潤滑油分離効率を低下させることにより、システム中を循環する潤滑油を増加させ、圧縮機の信頼性確保を図ることを特徴としている。
本発明の圧縮機は、導入孔の位置を可変とすることにより、運転条件に応じて潤滑油分離効率を調整することができる。すなわち、中速以下の圧縮機回転数の領域では潤滑油分離効率を高めてシステム効率を向上させることができ、またシステムの冷房能力は十分に確保されているような高速以上の圧縮機回転数の領域では潤滑油分離効率を意図的に低下させることで、圧縮機の信頼性をさらに向上させることができる。
第1の発明は、潤滑油を含む流体を圧縮する圧縮機構と、前記圧縮機構により圧縮された流体が導入されて旋回し、この旋回による遠心力により前記流体に含まれる潤滑油の少なくとも一部が分離される分離室を備えた圧縮機であって、前記分離室へ流体を導入する導入孔の位置を変化させる移動機構を備えたことを特徴とするものである。これにより、運転条件に応じて導入孔の位置を変化させて潤滑油分離効率を調整することができる。
第2の発明は、第1の発明において、導入孔の位置が圧縮機の高圧部と低圧部の圧力差に応じて変化する移動機構を備えたことを特徴とするもので、高圧部と低圧部の圧力差により運転条件を判断することができ、適切な導入孔の位置を設定することができる。
第3の発明は、第1の発明において、導入孔の位置が圧縮機の回転数に応じて変化する移動機構を備えたことを特徴とするもので、回転数は、回転数に伴う流体の状態により潤滑油分離効率が変化する重要な要素であり、適切な導入孔の位置を設定する基準とすることができる。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、移動機構は、分離室の側壁に案内溝と、該案内溝に挿入した移動導入孔部と弾性部材と、前記移動導入孔部を保持すると共に、上部に高圧連通室と下部に低圧連通室を構成する蓋とを備え、前記弾性部材の力と、前記高圧連通室と前記低圧連通室との差圧による力との釣り合いにより前記移動導入孔部の位置を制御する機構としたことを特徴とするものである。これにより、運転条件に応じた圧力差を利用して適切な導入孔の位置を設定することができる。
第5の発明は、移動機構は、圧縮機の回転数が中速の場合に、導入孔が移動可能な範囲の最上部となるように設定したことを特徴とするもので、中速の場合にもっとも潤滑油分離効率を高くすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は本出願にかかる発明の一部が適用された圧縮機の縦断面図であり、図2は図1のA−A断面図(作動室断面図)、図3は図1のC部詳細B−B断面図(高圧ケースを作動室側から見た図)である。図に示した圧縮機は、いわゆるベーンロータリタイプの圧縮機であり、図示したように、円筒状の内壁を有するシリンダ1内に略円柱状のロータ2が配置されている。ロータ2はその外周の一部がシリンダ1の内壁と微少隙間を形成する位置に配置されている。ロータ2には複数のべ一ンスロット3が設けられ、それぞれのべ一ンスロット3内にはベーン4が摺動自在に挿入されている。ロータ2は回転自在に軸支され
た駆動軸5と一体的に形成されている。シリンダ1及びロータ2はロータ2の回転軸方向において前部側板6及び後部側板7の間に挟み込まれており、シリンダ1の両端はこれらにより閉塞されシリンダ内に流体圧縮のための作動室8が形成されている。
作動室8には吸入孔9及び吐出孔10が連通し、冷媒ガス等の気流体は吸入孔9から作動室8に吸入されて圧縮された後、吐出孔10から吐出される。吐出孔10の出口には、例えばリード弁からなる吐出弁11が配設されている。後部側板7の後部側には高圧ケース12が取り付けられており、高圧ケース12には作動室8にて圧縮された冷媒ガスに含まれるミスト状の潤滑油を分離、収集する分離室51が設けられている。
作動室8にて圧縮され吐出孔10から吐出された気流体はシリンダ1、後部側板7及び高圧ケース12に連続して設けられた案内通路13により案内され、分離室51の側壁に形成された導入孔53を介して分離室51内に導入される。分離室51の上部には分離室にて潤滑油が分離された冷媒ガスを排気するガス排出孔58が開口し、分離室51の下部には分離室にて冷媒ガスから分離、収集された潤滑油の排出される排油孔54が開口している。
分離室51からガス排出孔58を介して排出される冷媒ガスは冷凍サイクルを循環し、やがて上述した吸入孔9に帰還し、再び圧縮されてサイクルを循環する。分離室51下部に開口した排油孔54は高圧ケース12及び後部側板7の相互間に形成された貯油室52に連通する。従って、分離室にて冷媒ガスから分離、収集された潤滑油は、排油孔54を通じて貯油室52に貯留される。
貯油室52に貯留された潤滑油は、給油通路18を介して圧縮機構を構成するロータ2、ベーン4、シリンダ1内壁等に供給され各部を潤滑すると共に、ベーン背圧室17に供給され、その圧力によりベーン4をロータ2の外側へ付勢する働きをする。
潤滑油の給油は貯油室52から圧縮機構に潤滑油を供給する給油通路18を介して行われ、給油通路18にはベーン背圧調整装置16を介して貯油室に貯留されている潤滑油が供給される。ベーン背圧調整装置16は圧縮機構へ供給する潤滑油の給油圧力や給油量を圧縮機構周辺の冷媒ガス圧力に応じて制御する。
ところで、分離室51の側壁に構成された導入孔53の開口位置は図4に示すように導入孔案内溝部55内を摺動可能なように挿入された移動導入孔部56により、開口位置が可変制御される。図6は図4のE部拡大図、図5は移動導入孔部56を組み付け前の図4のE部拡大図である。また図7は移動導入孔部56を組み付け前の図4のF矢視拡大図である。図7に示すように導入孔案内溝部55が分離室の側壁に開口され、移動導入孔部56が挿入、移動可能な案内溝を構成している。図6に示すように導入孔案内溝部55に移動導入孔部56を挿入しその上部をスプリング57に固定する。
さらに上部蓋63と下部蓋64にて移動導入孔部56を押さえ込むとともに、上部に高圧連通室61、下部に低圧連通室59を構成する。上部の高圧連通室61は、上部蓋63に構成された高圧連通穴62により高圧室14と連通している。また、下部の低圧連通室59は、高圧ケース12に構成された低圧連通穴60により作動室8の低圧部と連通している。
以下、本実施の形態における圧縮機の動作について説明する。
車載エンジンなどの駆動源から動力伝達を受けて駆動軸5及びロータ2が、図2において時計方向に回転すると、これに伴い低圧の冷媒ガスが吸入孔9より作動室8内に流入す
る。ロータ2の回転に伴い圧縮された高圧の冷媒ガスは吐出孔10より吐出弁11を押し上げて案内通路13内に流入する。更に、高圧の冷媒ガスは導入孔53を通り分離室51内に導入され、分離室にて冷媒ガスに含まれる潤滑油が分離、収集される。
ところで、分離室51はいわゆる遠心分離式のオイルセパレータであり、図1に示したように、互いに結合された円柱状空間部と逆円錐状空間部とから構成される。導入孔53は分離室51の円柱状空間部中心軸から偏心して設けられ、分離室内に導入される冷媒ガスを円柱状空間部の接線方向に導くように、すなわち、冷媒ガスを円柱状空間部の内周面49に沿って分離室51内に導入し得るように設けられている。したがって、分離室51内に導入された冷媒ガスは分離室内で周方向に旋回し、旋回による遠心力の働きにより比重の大きい潤滑油が分離室内壁に接触して冷媒ガスから分離される。
分離された潤滑油は内周面49に沿って下方に移動し、逆円錐状空間部により中央部に凝集される。
ここで、本発明のようにスプリング57等で締結された移動導入孔部56を有する場合は、図6に示すように移動導入孔部に作用する力はスプリング57による力Gと、移動導入孔部56が挿入されている導入孔案内溝部55の上下の空間である高圧連通室61と低圧連通室59の差圧による力Pであり、力が釣り合ったところで、前記移動導入孔部56は安定する。この場合、導入孔53の開口位置が中速にて最適値に近い位置となるようスプリング57等の仕様を設定しておく。つまり、圧縮機の回転数が中速以下の場合は、圧縮機の高い潤滑油分離能力によりシステム中に循環する潤滑油の量を抑え、システム能力を高めることが望まれる。
また、導入孔の開口位置が貯油室の油面から遠い程、つまり導入孔の開口位置が上方であるほど旋回する冷媒ガスの動圧で吐出配管側に持ち出される潤滑油の量が少なく抑制されるため、高い潤滑油分離効率となり、結果的にシステム効率が向上する。よって、圧縮機の回転数が中速の場合に移動導入孔部56が移動可能な範囲の最上部となるようにスプリング57等の仕様を設定しておけば、圧縮機の回転数が中速の場合はもちろんであるが、より圧縮機回転数が低速の場合も移動導入孔部56が移動可能な範囲の最上部に留まることとなる。つまり圧縮機回転数が低下すると高圧連通室61と連通している高圧室14の圧力は低下し、低圧連通室59と連通している作動室8の低圧部の圧力は上昇することとなる。
よって、より圧縮機回転数が低速の場合は、差圧による力Pは圧縮機回転数が中速の場合より小さくなり、移動導入孔部56は圧縮機回転数が中速の場合より上方へ移動しようとするが、すでに移動導入孔部56が移動可能な範囲の最上部となるようにスプリング57等の仕様を設定しているため、移動導入孔部56は最上部に留まることとなる。
また圧縮機の回転数が高速の場合は、高圧連通室61と連通している高圧室14の圧力は上昇し、低圧連通室59と連通している作動室8の低圧部の圧力は低下することとなる。よって差圧による力Pは大きくなり移動導入孔部56は下方へ移動しようとする。つまり圧縮機の回転数が高速の場合は、圧縮機の回転数が中速の場合に適正な位置に制御された移動導入孔部56の位置より下方の位置にて、移動導入孔部56は安定することとなり、旋回する冷媒ガスは貯油室と連通した旋回室内の油面までの距離が短くなり、結果として旋回する冷媒ガスの動圧で潤滑油を掻き上げ吐出配管側に持ち出される潤滑油の量が多くなり、低い潤滑油分離効率となりサイクル中に多くの潤滑油が循環するため、潤滑油を多く含んだ冷媒を圧縮機は吸入し、圧縮機の信頼性確保に貢献する。
この圧縮機の回転数とサイクル中の潤滑油循環率(以下OCRという)について少し詳
細に説明する。なお、本実施の形態における圧縮機の実際の回転数については、低速を約1,500r/min以下、中速を約3,000r/min以下、それ以上を高速としている。
従来の開口位置が固定された導入孔の場合、その開口位置を中速にて設定すれば、つまり導入孔を通過する冷媒ガスの位置を、貯油室と連通した旋回室内の油面までの距離が極力長く確保するようにすれば、結果として旋回する冷媒ガスの動圧で潤滑油を掻き上げ吐出配管側に持ち出される潤滑油の量が少なくなり、高い潤滑油分離効率となりサイクル中に吐き出される潤滑油は減少し、サイクル効率が向上する。
さらに圧縮機回転数が増加すると、導入孔を通過する冷媒ガスの流速はさらに増加し、遠心力は十分得られるが、分離室の下方に存在するすでに分離された潤滑油が、高速の冷媒ガスの動圧の影響等によりガス排出孔へと掻き出される。そのため潤滑油分離効率は低下し、OCRが高くなる。
一方、本発明による導入孔の開口位置が可変である潤滑油分離機構においては、導入孔の位置を可変とすることで、導入孔を通過し旋回室を旋回する冷媒ガスの位置と、貯油室と連通した旋回室内の油面までの距離を、圧縮機回転数に応じて、移動導入孔部の可動範囲において制御する。つまり、圧縮機回転数が中速以下の場合、移動導入孔部56が移動可能な範囲の最上部となるようにスプリング57等の仕様を設定しておけば、導入孔を通過し旋回室を旋回する冷媒ガスの位置と、貯油室と連通した旋回室内の油面までの距離は、十分確保されるため潤滑油分離効率は向上し、OCRは低くなる。
さらに圧縮機回転数が増加すると、高圧連通室61と連通している高圧室14の圧力は上昇し、低圧連通室59と連通している作動室8の低圧部の圧力は低下することとなる。よって差圧による力Pは大きくなり移動導入孔部56は下方へ移動しようとする。つまり圧縮機の回転数が高い場合は、圧縮機の回転数が中速の場合に適正な位置に制御された移動導入孔部56の位置より下方の位置にて、移動導入孔部56は安定することとなり、旋回する冷媒ガスは貯油室と連通した旋回室内の油面までの距離が短くなり、結果として旋回する冷媒ガスの動圧で潤滑油を掻き上げ吐出配管側に持ち出される潤滑油の量が多くなり、低い潤滑油分離効率となりサイクル中に多くの潤滑油が循環するため、潤滑油分離効率は従来の開口位置固定の場合よりさらに低下し、OCRは高くなる。
よって、一定の開口位置である導入孔の場合と、本発明による導入孔の開口位置が可変な場合の、圧縮機回転数とOCRの関係は図8に示す特性図のようになり、両者の差がつき始めるのは約3,000r/minを超えてからで、約4,000r/minを超えればより明確となる。
なお、本実施の形態では、移動導入孔部の移動構造として圧力等を利用した場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、圧縮機の回転数によって移動させる機構のほか、温度やその他の形式でも可能である。
なお、本実施の形態では、圧縮機としてスライディングベーン型ロータリ圧縮機を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなくローリングピストン型、スクロール型等その他の圧縮機の潤滑油分離装置にも適用可能である。
以上のように本発明にかかる圧縮機では、幅広い圧縮機回転数にて高い潤滑油分離効率を発揮でき、さらに高速回転での圧縮機の信頼性を確保可能となるので、家庭用空調装置等の用途にも適用できる。
本出願にかかる発明の一部が適用された実施例を示す圧縮機の縦断面図 図1に示す圧縮機のA−A断面図(作動室断面図) 図1に示す圧縮機のC部詳細B−B断面図 図3のD−D断面図 図4のE部の拡大図(移動導入孔部を組み付け前) 図4のE部の拡大図 図4のF矢視拡大図(移動導入孔部を組み付け前) 導入孔開口位置が一定の場合と可変の場合の、圧縮機回転数と冷凍サイクル中の潤滑油循環率の関係を表す特性図
符号の説明
1 シリング
2 ロー夕
4 ベーン
8 作動室
51 分離室
53 導入孔
55 導入孔案内溝部
56 移動導入孔部
57 スプリング
59 低圧連通室
60 低圧連通穴
61 高圧連通室
62 高圧連通穴
63 上部蓋
64 下部蓋

Claims (5)

  1. 潤滑油を含む流体を圧縮する圧縮機構と、前記圧縮機構により圧縮された流体が導入されて旋回し、この旋回による遠心力により前記流体に含まれる潤滑油の少なくとも一部が分離される分離室を備えた圧縮機であって、前記分離室へ流体を導入する導入孔の位置を変化させる移動機構を備えたことを特徴とする圧縮機。
  2. 導入孔の位置が圧縮機の高圧部と低圧部の圧力差に応じて変化する移動機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 導入孔の位置が圧縮機の回転数に応じて変化する移動機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  4. 移動機構は、分離室の側壁に案内溝と、該案内溝に挿入した移動導入孔部と弾性部材と、前記移動導入孔部を保持すると共に、上部に高圧連通室と下部に低圧連通室を構成する蓋とを備え、前記弾性部材の力と、前記高圧連通室と前記低圧連通室との差圧による力との釣り合いにより前記移動導入孔部の位置を制御する機構としたことを特徴とする請求項1又は2記載の圧縮機。
  5. 移動機構は、圧縮機の回転数が中速の場合に、導入孔が移動可能な範囲の最上部となるように設定したことを特徴とする請求項1から4記載の圧縮機。

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