JP2005325412A - 炭材内装塊成化原料およびその製造方法 - Google Patents

炭材内装塊成化原料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【要 約】
【課 題】 種々の原料を使用しても安定した特性が得られ、竪型炉内で容易に溶融して還元される炭材内装塊成化原料とその製造方法を提供する。
【解決手段】 粉状鉄鉱石とフラックスとが石炭を介して結合してなる炭材内装塊成化原料を使用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高炉,キュポラ等の竪型炉に装入される塊状に加工された原料(以下、塊成化原料という)に関するものであり、詳しくはその内部に石炭を含有する塊成化原料(以下、炭材内装塊成化原料という)に関するものである。
高炉やキュポラ等の竪型炉で使用される塊成化原料として、石炭と粉状鉄鉱石を混合して成形されたペレットあるいはブリケットと呼ばれる炭材内装塊成化原料がある。これらの炭材内装塊成化原料は、竪型炉内あるいは搬送途中で崩壊しないように、所定の強度を付与する必要がある。そこで炭材内装塊成化原料には、石炭と粉状鉄鉱石を強固に結合させるためにバインダーが添加される。
つまり通常の炭材内装塊成化原料は、石炭と粉状鉄鉱石に加えてバインダーを添加して混合し、さらに塊状に加工したものである。バインダーとしてセメント類が広く使用されているが、そのようなバインダーを含有する炭材内装塊成化原料を使用すると、竪型炉内のスラグが増加して通液性が損なわれるばかりでなく、セメント類に含まれる結晶水が蒸発分解する際の吸熱作用によって炉内温度が低下して粉状鉄鉱石の還元反応に遅れが生じる。
そのため、バインダーを添加せず、炭材と粉状鉄鉱石からなる炭材内装塊成化原料を製造する技術が検討されている。
たとえば特許文献1には、粉状鉄鉱石と粘結炭の混合物を熱間で成形した後、脱ガスすることによって、バインダーを添加せずに高強度の炭材内装塊成化原料を製造する技術が開示されている。一方、特許文献2,非特許文献1には、粘結炭よりも劣質の石炭を使用して安価な炭材内装塊成化原料を製造する技術が開示されている。
このように、炭材内装塊成化原料の特性と使用する石炭の特性との関係について、調査研究は種々行なわれている。
炭材内装塊成化原料が、高炉やキュポラ等の竪型炉で使用されることを考慮すると、竪型炉内あるいは搬送途中で崩壊しないように十分な強度を付与する必要がある。ところが炭材内装塊成化原料には、竪型炉内に装入されて下方へ降下しながら加熱される段階で容易に溶融して、炉内に充填された原料(たとえばコークス等)の間隙を流れ落ちるという特性も要求される。
そこで本発明者らは、図4に示すような荷重軟化実験装置を用いて、高温雰囲気における炭材内装塊成化原料の荷重軟化実験を行なった。
荷重軟化実験を行なうにあたって、直径100mm の黒鉛るつぼ1に炭材内装塊成化原料とコークスを充填した。充填方法は、図5に拡大して示す通り、黒鉛るつぼ1の下部に粒径15〜25mmのコークス2を装入し、その上に粒径15〜25mmの炭材内装塊成化原料3を装入し、さらに黒鉛るつぼ1の上部にコークス2を装入して、合計3層に充填した。
次いでパンチ棒4を用いて黒鉛るつぼ1上部のコークス2に上方から荷重Fを付与しながら、加熱装置5で黒鉛るつぼ1を昇温した。このとき、炭材内装塊成化原料3とコークス2が竪型炉に装入されて下方へ降下しながら加熱される状態を荷重軟化実験装置で再現するために、荷重Fを徐々に増加させ、かつ黒鉛るつぼ1の温度を徐々に上昇させた。
さらに、ガス混合装置6を用いてN2 ,CO,CO2 を混合したガスを、黒鉛るつぼ1の下方から供給した。なお黒鉛るつぼ1の底部には、還元ガスGを供給するための貫通孔9が設けられている。
このようにして荷重軟化実験装置を用いて、炭材内装塊成化原料3が竪型炉に装入されて溶融,滴下するまでの過程を調査研究した。この荷重軟化実験では、黒鉛るつぼ1内で炭材内装塊成化原料3の還元が進行するにつれて、パンチ棒4が下方へ移動していき、炭材内装塊成化原料3の溶融が始まったときに、パンチ棒4が急激に下降する。
溶融した炭材内装塊成化原料3は液滴となって貫通孔9を流下して滴下し、液滴捕集装置10で回収される。この温度が滴下温度である。回収された滴下物は、還元反応の進行状況の分析等に供される。
本発明者らが、種々の粉状鉄鉱石と石炭を用いて炭材内装塊成化原料3を製造して、荷重軟化実験を行なったところ、粉状鉄鉱石の種類に応じて炭材内装塊成化原料3の滴下温度が変化した。具体的には、炭材内装塊成化原料3の滴下温度は、高いものは1530〜1540℃程度,低いものは1450〜1460℃程度であり、約 100℃の差が生じた。つまり、石炭のみならず粉状鉄鉱石の種類も、炭材内装塊成化物の特性に多大な影響を及ぼす。
炭材内装塊成化原料3が低温で溶融,滴下すれば、竪型炉内に炭材内装塊成化原料3が装入された後、早期に溶融して炉内に充填された原料の間隙を容易に流れ落ちるので、コークス2と接触する期間が延長される。その結果、炭材内装塊成化原料3中の粉状鉄鉱石の還元反応や生成した鉄の浸炭反応の進行を促進させることができる。
ところが炭材内装塊成化原料3の製造工程で特定の種類の粉状鉄鉱石のみを使用することは困難であり、種々の粉状鉄鉱石が混入するのは避けられない。したがって竪型炉の操業において、炭材内装塊成化原料3の溶融,滴下する温度が 100℃程度の温度範囲で変動し、炉内の状況が不安定になる。
特開平11-92833号公報 特許第3502008 号公報 CAMP−ISIJ,vol.16(2003), p95
本発明は上記のような問題を解消し、種々の粉状鉄鉱石を使用しても安定した特性が得られ、竪型炉内で容易に溶融して還元,浸炭される炭材内装塊成化原料とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、粉状鉄鉱石の種類によって炭材内装塊成化原料の溶融,滴下する温度が異なる原因について検討した。
竪型炉内の還元反応を再現するために、直径5mmのアルミナるつぼ上に 0.7〜1mmに整粒した粉状鉄鉱石を置き、COガス雰囲気中で 120K/min の昇温速度で1100℃まで加熱して還元反応を進行させた後、室温まで急冷した。粉状鉄鉱石は表1に示すNo. 1〜7を使用し、No. 4の粉状鉄鉱石はCaCO3 をコーティングしたものについても同様の処理を施した。さらに市販の還元鉄粉を用いて同様の処理を行なった。得られた試料を樹脂に埋め込んで研磨し、EPMAにてSi,Al原子の分布を調査した。
さらに、アルミナるつぼ内にカーボン粉を敷き、その上に粉状鉄鉱石あるいは還元鉄粉を置いてCOガス雰囲気中で 120K/min の昇温速度で溶融するまで加熱しながら、高温レーザー顕微鏡で観察し、溶融温度を調査した。
Figure 2005325412
その結果は図1に示す通りである。図1から明らかなように、No. 1〜7の粉状鉄鉱石のうち、ヘマタイト系の粉状鉄鉱石は、粒子表面でSiO2 ,Al2 3 の濃化が認められ、しかも溶融温度が高い。一方、ピソライト系やマグネタイト系の粉状鉄鉱石では、SiO2 ,Al2 3 の表面濃化は発生せず、溶融温度は低い。
SiO2 ,Al2 3 の濃化現象が生じる原因は定かではないが、粉状鉄鉱石の粒子の表面にSiO2 ,Al2 3 が濃化すると、粉状鉄鉱石に接触する石炭からの炭素の移動が妨げられ、粉状鉄鉱石の還元反応が損なわれる恐れがある。しかも、SiO2 ,Al2 3 の溶融温度が高温であるから、粉状鉄鉱石が溶融し難くなる。
図1に示したSiO2 ,Al2 3 をコーティングした還元鉄粉の溶融温度は、SiO2 ,Al2 3 の表面濃化の影響を調査するために行なった実験で得られたデータである。図1から明らかなように、還元鉄粉の溶融温度は約1400Kであるのに対して、SiO2 およびAl2 3 をコーティングした還元鉄粉は1800Kを超えても溶融しなかった。ところがSiO2 ,Al2 3 をコーティングした還元鉄粉にCaCO3 をコーティングした試料の溶融温度は約1550Kである。
さらに、No. 4の粉状鉄鉱石の表面にCaCO3 をコーティングした試料の溶融温度は、図1に示す通り約1550Kである。一方、No. 4の粉状鉄鉱石の溶融温度は約1700Kである。
したがってSiO2 ,Al2 3 の表面濃化が生じた粉状鉄鉱石であっても、CaCO3 をコーティングすることによって溶融温度を低下できることが分かる。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、粉状鉄鉱石とフラックスとが石炭を介して結合してなる炭材内装塊成化原料である。
本発明の炭材内装塊成化原料においては、粉状鉄鉱石の表面にフラックスを付着させて擬似粒子を形成し、さらに石炭を介して擬似粒子を結合することが好ましい。さらに、粉状鉄鉱石が粒径 0.1〜1mmの粒子を90質量%以上含有し、フラックスが粒径 100μm以下の粒子を90質量%以上含有することが好ましい。石炭は粒径 500μm以下の粒子を90質量%以上含有することが好ましい。
また本発明は、粉状鉄鉱石とフラックスと石炭とを混合して原料混合粉とし、原料混合粉を石炭の軟化温度以上に加熱して石炭を軟化または溶融した後、原料混合粉を塊成化して炭材内装塊成化物とする炭材内装塊成化原料の製造方法である。
本発明の炭材内装塊成化原料の製造方法においては、粉状鉄鉱石とフラックスとを混練して擬似粒子とし、擬似粒子と石炭とを混合して原料混合粉とすることが好ましい。さらに、粉状鉄鉱石が粒径 0.1〜1mmの粒子を90質量%以上含有し、フラックスが粒径 100μm以下の粒子を90質量%以上含有することが好ましい。石炭は粒径 500μm以下の粒子を90質量%以上含有することが好ましい。
本発明によれば、種々の粉状鉄鉱石を含有する炭材内装塊成化原料の溶融性を向上することができる。その結果、高炉等の竪型炉で使用するときに、炭材内装塊成化原料が炉内で容易に溶融して、炉内に充填された原料の間隙を流れ落ちるので、炉内の通気性,通液性や圧損等の変動を抑制し、安定した操業を維持できる。
鉄の融点は1536℃であるが、炭素が鉄に固溶すると溶融温度が低下することは良く知られている。たとえば炭素が2質量%固溶した鉄の溶融温度は1250℃である。つまり、粉状鉄鉱石の還元過程において、周囲の石炭から炭素が鉄中に移動して固溶することによって、鉄の溶融温度が低下する。その結果、粉状鉄鉱石が溶融しやすくなる。一方、表面にSiO2 ,Al2 3 等の脈石成分が濃化した粉状鉄鉱石は、これら脈石成分が炭素の移動を妨げるため、鉄中に炭素が固溶し難いので、粉状鉄鉱石の融点は低下し難い。このことは粉状鉄鉱石の溶融が遅れることを意味する。
また炭材内装塊成化原料を容易に溶融させるためには、粉状鉄鉱石の溶融を促進する必要がある。粉状鉄鉱石には鉄の他に脈石分(主にSiO2 ,Al2 3 等)が含まれるので、粉状鉄鉱石の溶融を促進するためには、鉄のみならず脈石分の溶融温度を低下する必要がある。
まず粉状鉄鉱石中の脈石分の溶融促進について説明する。
本発明では、脈石分の溶融温度を低下して、溶融を促進するために、炭材内装塊成化原料にフラックスを添加する。フラックスはCaOを含有するもの(たとえば生石灰等),あるいは分解してCaOを発生するもの(たとえば石灰石等)を使用するのが好ましい。それらのフラックスを使用すると、脈石分と反応してCaO−SiO2 −Al2 3 系スラグが生成される。その結果、ヘマタイト系粉状鉄鉱石の表面に形成されるSiO2 ,Al2 3 の濃化層の溶融温度を低下できる。
一方、マグネタイト系粉状鉄鉱石では、SiO2 ,Al2 3 の表面濃化は発生しない。
このようにして、炭材内装塊成化原料を製造するにあたって、ヘマタイト系粉状鉄鉱石,ピソライト系粉状鉄鉱石,マグネタイト系粉状鉄鉱石のいずれを使用しても、SiO2 ,Al2 3 の濃化層による炭材と鉄との接触阻害を防止できる。その結果、粉状鉄鉱石に接触する石炭から、炭素が容易に移動する。
次に粉状鉄鉱石中の鉄の溶融促進について説明する。
本発明では、炭材内装塊成化原料を製造するにあたって、セメント等のバインダーは添加しない。炭材内装塊成化原料を構成する粉状鉄鉱石とフラックスと石炭とを結合するために、軟化温度の低い石炭を活用する。つまり、軟化した石炭を介して粉状鉄鉱石とフラックスを付着させた後、冷却することによって強固に結合する。なお、石炭の軟化温度とは、石炭が半溶融状態になる温度(約 300℃)を指す。
このようにして本発明の炭材内装塊成化原料では、粉状鉄鉱石とフラックスとが石炭を介して結合されており、粉状鉄鉱石と石炭が接触している。しかも上記した通り、粉状鉄鉱石表面におけるSiO2 ,Al2 3 の濃化の影響はないので、炭素が石炭から粉状鉄鉱石へ容易に移動して鉄中に固溶する。その結果、鉄の溶融温度が低下する。
その炭材内装塊成化原料を製造するにあたって、粉状鉄鉱石とフラックスと石炭とを混合し、得られた混合粉体(以下、原料混合粉という)を石炭の軟化温度以上に加熱する。このとき、石炭の溶融温度まで加熱しても良い。その結果、原料混合粉中の石炭が軟化あるいは溶融し、粉状鉄鉱石とフラックスを付着させて塊成化処理を施す。このようにして原料混合粉を塊成化したものが炭材内装塊成化原料である。
以上に説明した通り、本発明の炭材内装塊成化原料では、粉状鉄鉱石中の鉄および脈石分の溶融温度が低下するので、粉状鉄鉱石の溶融が促進され、その結果、竪型炉内で炭材内装塊成化原料が容易に溶融する。
粉状鉄鉱石中の脈石分の溶融をさらに促進するために、予め粉状鉄鉱石とフラックスを混練して、粉状鉄鉱石の表面にフラックスを付着させて擬似粒子を形成し、その擬似粒子に石炭を混合して原料混合粉としても良い。この原料混合粉を石炭の軟化温度以上に加熱して塊成化することによって、石炭を介して擬似粒子が結合した炭材内装塊成化原料が得られる。このようにして製造した炭材内装塊成化原料は、粉状鉄鉱石とフラックスの接触面積が拡大されるので、脈石分の溶融温度を低下するというフラックスの作用を顕著に発揮することができる。
粉状鉄鉱石とフラックスとの付着性を向上するために、粉状鉄鉱石は粒径 0.1〜1mmの粒子を90質量%以上含有し、フラックスが粒径 100μm以下の粒子を90質量%以上含有することが好ましい。このような粒度分布の粉状鉄鉱石とフラックスを使用することによって、比較的粗大な粉状鉄鉱石の表面に、比較的微細なフラックスが付着し易くなり、粒子表面に濃化した脈石分の溶融温度を低下する作用を一層顕著に発揮することができる。またメカノフュージョン等の機械的操作を採用して、フラックスを粉状鉄鉱石の表面にコーティングしても良い。粉状鉄鉱石の表面にフラックスを付着あるいはコーティングするのは、ヘマタイト系粉状鉄鉱石(すなわちSiO2 ,Al2 3 の表面濃化が発生する粉状鉄鉱石)に適用するのが好ましい。
一方、石炭は、粗大なものを使用すると、原料混合粉を加熱して、石炭を軟化あるいは溶融するのに長時間を要する。したがって石炭は、粒径 500μm以下の粒子を90質量%以上含有することが好ましい。
なお、塊成化とは原料混合粉を塊状に加工することを意味しており、その方法は、従来から知られているペレットやブリケットを製造する技術が使用できる。
塊成化原料における鉄鉱石,石炭,フラックスの配合比率は、鉄鉱石の性状により調製する必要がある。まず、石炭の配合量は、鉄鉱石中の酸化鉄を還元するのに必要な炭素量の 1.5〜2倍程度の炭素分を含む量とする。また、フラックスの配合比率は、鉄鉱石と石炭に含まれる脈石成分に対し、その脈石と混合したときに塩基度(SiO2 / Al23 の質量比)が1〜1.5 程度となる量のCaOを含む、あるいは当該量のCaOを生成するCaCO3 等を含むフラックス量とする。このような配合比率で鉄鉱石,石炭,フラックスを配合してペレットやブリケット等の炭材内装塊成化原料とすることで、高温還元雰囲気において炭材内装塊成化原料中の鉄分,脈石分の溶融,滴下を良好とすることができる。
表1に示す粉状鉄鉱石のうち、SiO2 ,Al2 3 の表面濃化が生じる粉状鉄鉱石(No. 4)と石炭とフラックスを混合して原料混合粉とした。石炭は低灰分かつ高流動性の豪州産石炭を使用し、フラックスは石灰石を使用した。その原料混合粉を加熱して石炭を軟化させて塊成化し、さらに冷却してブリケット(すなわち炭材内装塊成化原料)を製造した。さらに、SiO2 ,Al2 3 の表面濃化が生じない粉状鉄鉱石(No. 2)についても、同様に、ブリケットを製造した。各々の配合比率は表2に示す通りである。
なお、いずれの配合においても、粉状鉄鉱石は篩目1mmの篩を通過したものを 0.1mmの篩目の篩で 0.1mm以下のものを除去したものを使用した。また、石炭は篩目0.5mm ,石灰石は篩目0.1mm の篩を通過したものを調製して使用した。これらの原料を各配合時にそれぞれサンプリングし、粒径を測定したところ、粉状鉄鉱石は 0.1〜1mmのものが90〜94質量%,フラックスは 0.1mm以下のものが90〜93質量%,石炭は 0.5mm以下のものが90〜94質量%であった。
Figure 2005325412
混合原料粉の混合は、いずれもV型ブレンダーを用いて20分間行なった。ただし配合C,Gにおける石灰石と粉状鉄鉱石の事前混合は、粉状鉄鉱石の表面に石灰石を付着させるための処理であり、10分間のペレタイジングを行なった。配合D,Hにおける石灰石のコーティングは、メカノヒュージョンによって粉状鉄鉱石の表面をCaCO3 でコーティングした。
表2に示す8種類のブリケットを、図4に示す荷重軟化実験装置の黒鉛るつぼ1に充填して、荷重軟化実験を行なった。ブリケットの充填方法は図5に示す通りである。荷重軟化実験における昇温パターンは図2に示す通りとし、還元ガス供給パターンは図3に示す通りとした。
このようにして荷重軟化実験を行ない、液滴捕集装置10に滴下が始まる温度(以下、滴下開始温度という)を測定した。さらに、鉄の滴下率を測定した。その結果は図6,7に示す通りである。なお、滴下率とは、液滴捕集装置に滴下したメタル質量/原料中のFe分質量で算出される値である。
図6,7から明らかなように、粉状鉄鉱石 No.4を使用したブリケット(すなわち炭材内装塊成化原料)の滴下開始温度は、比較例(配合A)が約1530℃であったのに対して、発明例(配合B,C,D)は1430℃以下であり、発明例の方が滴下開始温度は低かった。しかも鉄の滴下率も、発明例(配合B,C,D)の方が高かった。
また粉状鉄鉱石 No.2を使用したブリケット(すなわち炭材内装塊成化原料)の滴下開始温度は、発明例(配合F,G,H)は1430℃以下、鉄の滴下率は、発明例(配合F,G,H)は20%以上であり、粉状鉄鉱石 No.4を使用したブリケットと同等であった。
このことは、SiO2 ,Al2 3 の表面濃化が生じる粉状鉄鉱石(No. 4)を用いて製造したブリケットであっても、本発明を適用することによって、SiO2 ,Al2 3 の表面濃化が生じない粉状鉄鉱石から製造したブリケットと同等の溶融性を得られることを示している。またSiO2 ,Al2 3 の表面濃化が生じない粉状鉄鉱石(No. 2)を用いてブリケットを製造する際に本発明を適用しても、同様の滴下開始温度,滴下率を示しており、本発明によって竪型炉内で容易に溶融して還元,浸炭される炭材内装塊成化原料とすることができる。
さらに、SiO2 ,Al2 3 の表面濃化が生じる粉状鉄鉱石と表面濃化が生じない粉状鉄鉱石とが混在する原料から炭材内装塊成化原料を製造する際に本発明を適用することによって、粉状鉄鉱石の特性の差異に関わらず、安定した溶融性を有する炭材内装塊成化原料が得られる。
粉状鉄鉱石の溶融温度の分布を示すグラフである。 荷重軟化実験の昇温パターンを示すグラフである。 荷重軟化実験の還元ガス供給パターンを示すグラフである。 荷重軟化実験装置の要部を模式的に示す断面図である。 荷重軟化実験装置の黒鉛るつぼを拡大した断面図である。 荷重軟化実験の滴下開始温度の分布を示すグラフである。 荷重軟化実験の滴下率の分布を示すグラフである。
符号の説明
1 黒鉛るつぼ
2 コークス
3 炭材内装塊成化原料
4 パンチ棒
5 加熱装置
6 ガス混合装置
7 熱電対
8 炉芯管
9 貫通孔
10 液滴捕集装置
F 荷重
G 還元ガス

Claims (8)

  1. 粉状鉄鉱石とフラックスとが石炭を介して結合してなることを特徴とする炭材内装塊成化原料。
  2. 前記粉状鉄鉱石の表面に前記フラックスが付着して擬似粒子を形成し、さらに前記石炭を介して前記擬似粒子が結合してなることを特徴とする請求項1に記載の炭材内装塊成化原料。
  3. 前記粉状鉄鉱石が粒径 0.1〜1mmの粒子を90質量%以上含有し、前記フラックスが粒径 100μm以下の粒子を90質量%以上含有することを特徴とする請求項1または2に記載の炭材内装塊成化原料。
  4. 前記石炭が粒径 500μm以下の粒子を90質量%以上含有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の炭材内装塊成化原料。
  5. 粉状鉄鉱石とフラックスと石炭とを混合して原料混合粉とし、前記原料混合粉を前記石炭の軟化温度以上に加熱して前記石炭を軟化または溶融した後、前記原料混合粉を塊成化して炭材内装塊成化物とすることを特徴とする炭材内装塊成化原料の製造方法。
  6. 前記粉状鉄鉱石と前記フラックスとを混練して擬似粒子とし、前記擬似粒子と前記石炭とを混合して前記原料混合粉とすることを特徴とする請求項5に記載の炭材内装塊成化原料の製造方法。
  7. 前記粉状鉄鉱石が粒径 0.1〜1mmの粒子を90質量%以上含有し、前記フラックスが粒径 100μm以下の粒子を90質量%以上含有することを特徴とする請求項5または6に記載の炭材内装塊成化原料の製造方法。
  8. 前記石炭が粒径 500μm以下の粒子を90質量%以上含有することを特徴とする請求項5、6または7に記載の炭材内装塊成化原料の製造方法。
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