JP2005324207A - コールドクルーシブル炉を用いた金属インゴットの製造方法およびコールドクルーシブル炉 - Google Patents

コールドクルーシブル炉を用いた金属インゴットの製造方法およびコールドクルーシブル炉 Download PDF

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Abstract

【課題】 コールドクルーシブル炉を用いて金属インゴットを製造する方法において、引け巣(頭頂部に生じる空洞)を可及的に小さくすることができるようにする。
【解決手段】 非酸素雰囲気下にて、水冷銅るつぼ16の周囲に高周波コイル18が配置されたコールドクルーシブル炉を用いて金属原料46を溶解した後に、そのるつぼ16内にて溶融金属48を凝固させて金属インゴット22を製造する方法において、溶融金属48の凝固工程(c)で、溶融金属48の頭頂部を非移送形プラズマトーチ28を用いて加熱する。このようにすると、頭頂部の表面の凝固が遅らせられる。従って、引け巣50を小さくすることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、コールドクルーシブル炉を用いた金属インゴットの製造方法、および、その製造方法に好適に用いることができるコールドクルーシブル炉に関する。
コールドクルーシブル炉は、水冷銅るつぼの周囲に高周波コイルを配置して、水冷銅るつぼ内に装入した金属を電磁誘導作用により溶解するものであり、水冷銅るつぼには、コイルから発生した磁場をるつぼ内へ侵入させるために、径方向に貫通する垂直方向のスリットが複数設けられている。
上記コールドクルーシブル炉を用いて金属を溶解する場合、水冷銅るつぼ内に装入された金属は、高周波コイルを流れる電流に起因して渦電流が生じて、ジュール熱により加熱されて溶融させられる。加えて、溶融金属すなわち溶湯には、高周波コイルの軸心方向、すなわちるつぼ中心方向にローレンツ力が働くので、溶融金属がるつぼに接触することが少ない。そのため、るつぼ材による汚染が少ないという利点がある。また、溶湯が撹拌されるため偏析が少なく、しかも、雰囲気ガスの選択範囲が広いという利点もある。この利点のために、Tiおよびその合金などの高活性金属や、高純度金属のインゴットを製造する場合に用いられる。
このコールドクルーシブル炉を用いて溶解した金属を凝固させる方法としては、水冷銅るつぼを傾けて鋳型に溶融した金属を流し込む方法、予めるつぼの底に設けた穴から鋳型に溶融した金属を流し込む方法、および、溶解に使用したるつぼをそのまま鋳型として使用する方法などがある。
上記3つの方法のうち、3番目の方法は不純物の混入が少ないという利点があるが、この方法によって凝固させたインゴットには、頭部中央に引け巣と呼ばれる空洞が生じるという問題がある。上記引け巣が生じている部分は、後加工において不都合を生じないようにするために切り落としてしまうので、歩留まりの低下を招いていた。
この引け巣が生じる理由は、雰囲気ガスと水冷銅るつぼに接している表面が先に凝固し、水冷銅るつぼから遠くなる径方向中心側ほど遅くに凝固するからである。すなわち、表面が凝固した後に内部が凝固し、その内部の凝固の際の体積収縮によって、空洞すなわち引け巣が、径方向中心の、水冷銅るつぼより冷却の遅い雰囲気ガスと接している上部に生じるのである。
上記引け巣を少なくするために、溶融金属の凝固工程において、高周波コイルを水冷銅るつぼに対して相対移動させて、高周波コイルにより溶融金属の頭頂部を加熱することによって、頭頂部の表面が凝固するのを遅らせる方法が提案されている(たとえば、特許文献1)。
特開2002−346700号公報
しかし、特許文献1の方法の場合には、頭頂部付近のみでなく、溶融金属の上部の広い範囲が加熱されてしまうので、十分に引け巣を小さくすることはできなかった。また、高周波コイルと水冷銅るつぼとの相対位置を変化させる必要があるので、高周波コイルおよび水冷銅るつぼの一方または両方を移動させる設備が必要となるという問題もある。
ここで、アーク放電により頭頂部を局所的に加熱することが考えられるが、アーク放電による加熱の場合には、電極構成材料によるインゴットの汚染の問題があるため、インゴットと全く同じ材質の電極を用意する必要があり、現実的でない。また、バーナーを用いて頭頂部を加熱することも考えられるが、高活性金属のインゴットを製造する場合には、非酸素雰囲気とされるので、燃料を燃焼させることができない。また、鋳鉄のインゴットを製造する場合には、溶融金属からの熱により発火する保温材を上面に載置して、その保温材を燃焼させることによって上部の凝固を遅らせる方法が行われているが、非酸素雰囲気では、その方法を用いることもできない。従って、非酸素雰囲気下にて、コールドクルーシブル炉を用いて金属インゴットを製造する方法においては、前記特許文献1の方法が、引け巣を少なくする方法として現在知られている唯一の方法であるが、特許文献1の方法では、前述のように、引け巣を十分に小さくできない等の問題点がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、コールドクルーシブル炉を用いて金属インゴットを製造する方法において、引け巣を可及的に小さくすることができるようにすること、および、その方法に好適に用いることができるコールドクルーシブル炉を提供することにある。
かかる目的を達成するための第1発明は、非酸素雰囲気下にて、水冷銅るつぼの周囲に高周波コイルが配置されたコールドクルーシブル炉を用いて金属原料を溶解した後に、そのるつぼ内にて溶融金属を凝固させて金属インゴットを製造する方法であって、前記溶融金属の凝固工程で、その溶融金属の頭頂部を、非移送形または高周波励起形プラズマアーク発生装置を用いて局所的に加熱して、その頭頂部の凝固を遅らせることを特徴とする。
第2発明は、第1発明の金属インゴットの製造方法であって、前記プラズマアーク発生装置による加熱に加えて、前記高周波コイルを前記水冷銅るつぼに対して上下方向に相対移動させて、前記溶融金属の頭頂部ほど電磁誘導によって生じる発熱が大きくなる位置とした状態で、その高周波コイルに通電することによって、前記溶融金属の頭頂部の凝固を遅らせることを特徴とする。
第3発明は、水冷銅るつぼの周囲に高周波コイルが配置されているコールドクルーシブル炉であって、前記水冷銅るつぼの上部に、そのるつぼ内にて溶解させられた溶融金属の頭頂部を局所的に加熱可能な非移送形または高周波励起形プラズマアーク発生装置が備えられていることを特徴とする。
第4発明は、第3発明のコールドクルーシブル炉において、前記高周波コイルが前記水冷銅るつぼに対して上下方向に相対移動可能に構成されていることを特徴とする。
上記第1発明よれば、溶融金属の凝固工程において、頭頂部が非移送形または高周波励起形プラズマアーク発生装置にて局所的に加熱されて、その加熱がない場合よりも頭頂部の表面の凝固が遅らせられるので、引け巣を小さくすることができる。
また、第2発明によれば、プラズマアーク発生装置による加熱に加えて、高周波コイルによる電磁誘導作用によっても溶融金属の頭頂部の凝固が遅らせられるので、頭頂部の凝固が一層遅くなる。従って、一層、引け巣を小さくすることができる。
第3発明は第1発明を実施するための装置であり、第3発明の装置を用いて第1発明のようにして金属インゴットを製造すれば、引け巣を小さくすることができる。
第4発明は第2発明を実施するための装置であり、第4発明の装置を用いて第2発明のようにして金属インゴットを製造すれば、一層、引け巣を小さくすることができる。
図1は、本発明の一実施例であるコールドクルーシブル炉10の概略構成を示す図である。上記コールドクルーシブル炉10は、雰囲気調整装置12によってアルゴン雰囲気などの非酸素雰囲気とすることが可能な容器14内に、水冷銅るつぼ(以下、単にるつぼという)16、高周波コイル18、昇降装置20などが収容されている。
るつぼ16は、従来のコールドクルーシブル炉に用いられているものを用いることができ、図示していないが、高周波コイル18に交流電流が流されたときに、その高周波コイル18に生じる磁場をるつぼ16内に侵入させるために、径方向に貫通する垂直方向のスリットが、周方向に多数本形成されているとともに、冷却水を流すための通路が形成されている。
また、るつぼ16は、従来のものと同様に、底部16aとその底部16a上に載置される円筒状の外周壁部16bとから構成されており、外周壁部16bの内面は、上方ほど緩やかに径が増加するテーパ面とされている。そして、るつぼ16内にて製造された金属インゴット22をるつぼ16から取り出す際には、底部16aを外して、下方から金属インゴット22を押し出す。
なお、るつぼ16の底部16a、外周壁部16bは、銅を主に用いるが、電気伝導度、熱伝導度が銅と同等以上であれば、他の金属や合金も用いることができる。また、溶融金属との反応が生じない耐火物を用いることもできる。
高周波コイル18は、外周壁部16bの外周に巻回された角型または丸型のパイプ状導電部材であり、内部に冷却水が流通させられるようになっている。昇降装置20は、たとえば、油圧シリンダなどを備えており、るつぼ16を昇降させて、るつぼ16と高周波コイル18との相対位置を変化させる。
さらに、コールドクルーシブル炉10は、上記るつぼ16の上部開口に載置される蓋24を備えている。この蓋24には、昇降装置26を介して、るつぼ16側に突き出すように、プラズマアーク発生装置であるプラズマトーチ28が固定されている。また、蓋24の上面には、原料を追装するための追装装置29が設けられている。
図1の昇降装置26は、上下方向に移動可能とされたラック30と、そのラック30と噛み合うピニオン32とを備えており、ピニオン32が図示しないモータにより回転させられることにより、ラック30が上下方向に移動させられる。なお、昇降装置26は、図1のものに限られず、シリンダ機構を有するもの等、公知の種々の昇降装置を用いることができる。
図2は、上記プラズマトーチ28の構成を説明する要部断面図である。プラズマトーチ28は、ケース34内に筒体36が収容されており、その筒体36の上端から下方に突き出すようにタングステン電極などの陰極38が設けられ、筒体36の下端には、陽極となる導体板40が固定されている。そして、一端が筒体36内に突き出す配管42からプラズマガスが筒体36内に供給される。このように構成されたプラズマトーチ28は非移送形(非移行形)であり、陰極38と導体板40との間でプラズマアーク44が発生させられる。プラズマトーチ28は、このプラズマアーク44が頭頂部に吹き付けられるように、るつぼ16の中心の真上に設けられている。なお、プラズマトーチの形式としては、非移送形の他に、プラズマトーチが一方の電極となり、他方の電極が被加熱物とされるオープンアーク形および移行形があるが、良導電体である銅製のるつぼ16を有するコールドクルーシブル炉10では、それらオープンアーク形および移行形は用いることができない。
次に、図1のコールドクルーシブル炉10を用いた、本発明の第1の金属インゴットの製造方法を説明する。この第1の金属インゴットの製造方法は、原料装入工程と、溶解工程と、凝固工程とを備えている。
まず、原料装入工程では、図3(a)に示すように、るつぼ16に、金属インゴット22を製造するための所定の金属原料46を装入する。この金属原料46に特に限定はないが、Tiおよびその合金、Zrおよびその合金、Vおよびその合金、Nbおよびその合金、Taおよびその合金などが用いられる。また、必要に応じて、次述する溶解工程中にも、追装装置29を用いて金属およびその他の化合物などの原料を追装することもできる。
続く溶解工程では、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気とされた状態で、高周波コイル18に所定の高周波(たとえば、15kHz)の電流を流して、金属原料46を溶解させ、図3(b)に示すように、溶融金属48とする。なお、溶融金属48は、外周壁部16bから離隔する方向にローレンツ力を受けて、図3(b)に示されるように、頭頂部が盛り上がる。
続く凝固工程では、プラズマトーチ28から溶融金属48にプラズマアーク44を吹き付けて溶融金属48の頭頂部を局所的に加熱しつつ、高周波コイル18の電流を所定のパターンに従って低下させる。この低下のさせ方は、材料の特性に応じて、徐々にであってもよいし、瞬時にゼロまで低下させてもよい。また、徐々に低下させる場合、連続的に低下させてもよいし、段階的に低下させてもよい。
高周波コイル18の電流が低下させられると、渦電流による発熱が減少して、溶融金属48が冷却される。なお、高周波コイル18の電流を低下させて溶融金属48に生じるローレンツ力が低下すると、溶融金属48の頭頂部が低下するので、プラズマトーチ28による溶融金属48の頭頂部の加熱効率を向上させるために、図3(c)に示すように、昇降装置26によってプラズマトーチ28を下降させて、プラズマトーチ28と溶融金属48の頭頂部との距離を短くする。
上記プラズマトーチ28の出力は、溶融金属48の頭頂部表面を溶融状態に維持できるような出力とされることが好ましく、そのような出力である場合には、溶融金属48の頭頂部表面以外の部分が凝固した後に、プラズマトーチ28の出力を低下させて頭頂部を凝固させる。ただし、プラズマトーチ28の出力は、溶融金属48の頭頂部表面を溶融状態に維持できる出力よりも低い出力であってもよい。そのような出力であっても、溶融金属48の頭頂部表面の凝固を遅らせることはできるからである。また、そのように低い出力の場合には、凝固が完全に終了するまでプラズマトーチ28による加熱を継続してもよいし、凝固が完全に終了する前に加熱を終了してもよい。また、プラズマトーチ28の出力は、溶融金属48の頭頂部が溶融状態である期間、一定値とされてもよいし、徐々に低下させられるようになっていてもよい。図3(d)は、このようにプラズマトーチ28からの加熱によって頭頂部の凝固が遅らせられて製造された金属インゴット22を示している。図3(d)の金属インゴット22には、頭頂部に引け巣50が生じているが、頭頂部の凝固が他の部分よりも遅らせられているので、この引け巣50の大きさは、比較的小さくなっている。
このように、図3に示す方法によれば、溶融金属48の凝固工程において、頭頂部がプラズマトーチ28にて局所的に加熱されて、その加熱がない場合よりも頭頂部の表面の凝固が遅らせられるので、引け巣50を小さくすることができる。
次に、本発明の第2の金属インゴットの製造方法を説明する。前述の図3に示す方法では、るつぼ16を昇降させる昇降装置20を使用していなかった(従って、前述の方法では昇降装置20は不要であった)が、第2の製造方法は、その昇降装置20を使用する方法である。
本発明の第2の製造方法は、第1の製造方法と同様に、原料装入工程と、溶解工程と、凝固工程とを備えており、凝固工程のみが第1の製造方法と異なる。図4は、第2の製造方法における工程図であり、(a)〜(d)は、それぞれ図3の(a)〜(d)に対応する。
第2の製造法において、凝固工程では、図4には図示していない昇降装置20により、溶融金属48の頭頂部ほど電磁誘導によって生じる発熱が大きくなるように、すなわち、頭頂部ほど電磁誘導によって生じる渦電流が大きくなるように、るつぼ16を下降させる。そして、その状態で高周波コイル18による加熱を継続しつつ、第1の製造方法の場合と同様に、プラズマトーチ28からプラズマアーク44を吹き付けることによる溶融金属48の頭頂部の局所加熱も行う。
ここで、高周波コイル18の電磁誘導作用は、高周波コイル18の軸方向の中心において最も大きいことから、高周波コイル18の軸方向中心が溶融金属48の頭頂部よりも上となるように、るつぼ16が下降させられれば、溶融金属48の頭頂部ほど電磁誘導によって生じる発熱を大きくすることができるが、凝固工程においては高周波コイル18による加熱も頭頂部に局限されることが好ましい。従って、図4(c)に示すように、高周波コイル18の軸方向中心が溶融金属48の頭頂部よりも高くなるように、るつぼ16が下降させられることが好ましい。ただし、るつぼ16の位置が低すぎて、高周波コイル18と溶融金属48との距離が遠くなりすぎると、高周波コイル18による加熱の効果が低下してしまう。また、高周波コイル18による加熱は、高周波コイル18を流れる電流の大きさも関係する。従って、凝固工程における高周波コイル18とるつぼ16との相対位置は、高周波コイル18の電流値などが考慮されて実験に基づいて決定される。
また、この凝固工程における高周波コイル18の電流値は、徐々に低下させてもよいし、所定の電流値まで低下させた後、その電流値を維持するようにしてもよい。要するに、高周波コイル18による電磁誘導作用によって、この電磁誘導作用がない場合よりも溶融金属48の頭頂部の凝固が遅らせられるようになっていれば、どのような電流値であってもよく、また、どのような制御パターンであってもよい。
また、この第2の製造方法の凝固工程でも、プラズマトーチ28は昇降装置26によって下降させられた状態で溶融金属48の頭頂部を加熱する。このプラズマトーチ28の出力は、第1の製造方法の場合と同様に、溶融金属48の頭頂部表面を溶融状態に維持できる出力であっても、また、それ以下あってもよい。なお、溶融金属48の頭頂部表面を溶融状態に維持する場合であっても、第2の製造方法の場合には、高周波コイル18によっても溶融金属48の頭頂部は加熱されているので、プラズマトーチ28の出力は第1の製造方法の場合よりは小さくなる。
プラズマトーチ28の出力の変化パターンも、第1の製造方法の場合と同様に、溶融金属48の頭頂部が溶融状態である期間、一定値とされてもよいし、徐々に低下させられるようになっていてもよい。
図4(d)は、このようにプラズマトーチ28からの加熱、および高周波コイル18からの加熱によって頭頂部の凝固が遅らせられて製造された金属インゴット52を示している。図4(d)の金属インゴット52には、引け巣は生じていない。なお、第2の製造方法によっても引け巣が生じる場合もあるが、生じてもその大きさを極めて小さく抑えることができる。
このように、第2の製造方法によれば、プラズマトーチ28による加熱に加えて、高周波コイル18による電磁誘導作用によっても溶融金属48の頭頂部の凝固が遅らせられるので、頭頂部の凝固が一層遅くなる。従って、引け巣が生じないか、生じても、一層、小さいものとすることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
たとえば、前述の実施例では、プラズマアーク発生装置として、非移行形のプラズマトーチ28を備えていたが、それに代えて、高周波励起形のプラズマアーク発生装置を用いてもよい。これは、電極を使用しないで高周波(たとえば数MHz以上)励起によってプラズマアークを発生させる装置であり、電極を使用しない、すなわち、金属原料46を電極とする必要がないので、非移行形のプラズマトーチ28に代えて用いることができ、高周波励起形のプラズマアーク発生装置を用いた場合にも、非移行形プラズマトーチ28を用いた場合と同様の効果が得られる。
また、図1のコールドクルーシブル炉10では、るつぼ16が昇降させられることによって、るつぼ16と高周波コイル18との相対位置が変化させられていたが、るつぼ16の位置は固定されて高周波コイル18を昇降させることにより両者の相対位置を変化させてもよいし、るつぼ16および高周波コイル18の双方を昇降させることにより両者の相対位置を変化させてもよい。
また、図1のコールドクルーシブル炉10は、プラズマトーチ28を昇降させる昇降装置26が備えられていたが、プラズマトーチ28の出力を大きくすることなどにより、プラズマトーチ28を下降させなくても溶融金属48の頭頂部の凝固を十分に遅らせることができれば、昇降装置26は設けられなくてもよい。
また、図1のコールドクルーシブル炉10は、雰囲気調整可能な容器14内に水冷銅るつぼ16などが収容されていたが、容器14は設けられず、図5に示すコールドクルーシブル炉60のように、雰囲気調整装置62により水冷銅るつぼ16内の雰囲気のみが調整されるようになっていてもよい。
本発明の一実施例であるコールドクルーシブル炉の概略構成を示す図である。 図1のプラズマトーチの構成を説明する要部断面図である。る。 本発明の第1の金属インゴットの製造方法における工程図である。 本発明の第2の金属インゴットの製造方法における工程図である。 図1とは別の本発明のコールドクルーシブル炉の概略構成を示す図である。
符号の説明
10:コールドクルーシブル炉
16:水冷銅るつぼ
18:高周波コイル
22:金属インゴット
28:プラズマトーチ(プラズマアーク発生装置)
46:金属原料
48:溶融金属
50:引け巣
52:金属インゴット
60:コールドクルーシブル炉

Claims (4)

  1. 非酸素雰囲気下にて、水冷銅るつぼの周囲に高周波コイルが配置されたコールドクルーシブル炉を用いて金属原料を溶解した後に、該るつぼ内にて溶融金属を凝固させて金属インゴットを製造する方法であって、
    前記溶融金属の凝固工程で、該溶融金属の頭頂部を、非移送形または高周波励起形プラズマアーク発生装置を用いて局所的に加熱して、該頭頂部の凝固を遅らせることを特徴とする金属インゴットの製造方法。
  2. 前記溶融金属の凝固工程において、
    前記プラズマアーク発生装置による加熱に加えて、
    前記高周波コイルを前記水冷銅るつぼに対して上下方向に相対移動させて、前記溶融金属の頭頂部ほど電磁誘導によって生じる発熱が大きくなる位置とした状態で、該高周波コイルに通電することによって、
    前記溶融金属の頭頂部の凝固を遅らせることを特徴とする請求項1の金属インゴットの製造方法。
  3. 水冷銅るつぼの周囲に高周波コイルが配置されているコールドクルーシブル炉であって、
    前記水冷銅るつぼの上部に、該るつぼ内にて溶解させられた溶融金属の頭頂部を局所的に加熱可能な非移送形または高周波励起形プラズマアーク発生装置が備えられていることを特徴とするコールドクルーシブル炉。
  4. 前記高周波コイルが前記水冷銅るつぼに対して上下方向に相対移動可能に構成されていることを特徴とする請求項3のコールドクルーシブル炉。
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