JP2005323171A - 送信装置、誤り訂正装置、ネットワーク接続装置およびパケット中継方法 - Google Patents

送信装置、誤り訂正装置、ネットワーク接続装置およびパケット中継方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 受信側でデータパケットが欠損した場合でも、データパケットを復元できるようにパケットを送信すると共に、誤り訂正符号の冗長度を低減した誤り訂正装置およびパケット中継方法を提供すること。
【解決手段】 複数のデータパケットP10〜P89をマトリクス状に配置し、マトリクスに基づいて水平パリティパケットHP〜HPおよび垂直パリティパケットVP〜VPを生成する。そして、水平パリティパケットにおいては、たとえばHPとHPとから新たに水平パリティパケットHP’を生成する。また、垂直パリティパケットにおいては、たとえばVPとVPとから新たに垂直パリティパケットVP’を生成する。したがって、誤り訂正符号の冗長度を低減することが可能となる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、通信における誤り訂正技術に関し、特に、パケット全体が消失した場合であっても復元が可能なようにパケットを送信する送信装置、消失したパケットを復元する誤り訂正装置、誤り訂正符号を含んだパケットを中継するネットワーク接続装置およびパケット中継方法に関する。
近年、インターネットが広く普及しており、利用者は世界各地で運営されているサイトの様々な情報にアクセスし、その情報を入手することが可能である。それに伴って、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、FTTH(Fiber To The Home)などのブロードバンドアクセスに対する要望も急速に高まってきている。
このような通信において、パケットのビット誤りに対してはリードソロモン符号やハミング符号などでビット誤りを訂正し、パケット全体の消失に対しては再送などによってパケットの復元が行なわれていた。これに関連する技術として、特開2000−307438号公報に開示された発明がある。
この特開2000−307438号公報に開示された誤り訂正符号化・復号化方法においては、データを横方向で並列状態のマトリクスに並べ替え、このマトリクスの各横列ブロックおよび各縦列ブロックに対して、それぞれチェックビットを付加してブロック符号を生成することにより、情報ビットについて2重に符号化を行なうものである。
特開2000−307438号公報
上述した特開2000−307438号公報に開示された誤り訂正符号化・復号化方法を用いた場合、ビット誤り訂正の能力を向上させることができる。しかし、パケット全体が消失した場合には、これを復元することができず、パケットの再送によってこれに対応しなければならない。したがって、パケットの伝送速度が低下するといった問題点があった。
また、受信専用の装置においては、再送要求を送ることができず、パケットの復元が不可能であるといった問題点もあった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、第1の目的は、受信側でデータパケットが欠損した場合でも、データパケットを復元できるようにパケットを送信すると共に、誤り訂正符号の冗長度を低減した送信装置を提供することである。
第2の目的は、受信したデータパケットが欠損した場合でも、データパケットを復元することが可能な誤り訂正装置を提供することである。
第3の目的は、パケットを中継すると共に、誤り訂正符号による冗長度の増加によって輻輳が悪化するのを防止したネットワーク接続装置およびパケット中継方法を提供することである。
本発明のある局面に従えば、パケット単位でデータおよび誤り訂正符号を送信する送信装置であって、複数のデータパケットをマトリクス状に配置し、マトリクスに基づいて少なくとも水平方向または垂直方向のパリティパケットを生成し、生成された複数のパリティパケットから新たなパリティパケットを生成するためのパリティパケット生成手段と、データパケットおよびパリティパケット生成手段によって生成された新たなパリティパケットを送信するための送信手段とを含む。
好ましくは、パリティパケット生成手段は、複数の水平方向のパリティパケットまたは複数の垂直方向のパリティパケットから新たなパリティパケットを生成する。
好ましくは、送信手段は、データパケット、データパケットから生成されたパリティパケットおよび複数のパリティパケットから生成された新たなパリティパケットに対し、パケット破棄に関する優先度を付加して送信する。
本発明の別の局面に従えば、パケット単位でデータおよび誤り訂正符号を受信する誤り訂正装置であって、パケットを受信するための受信手段と、受信手段によって受信されたデータパケットにビット誤りが発生した場合には、当該データパケットを破棄し、受信手段によって受信された少なくとも水平方向または垂直方向のパリティパケットと、破棄したデータパケット以外のデータパケットとに基づいて欠損したデータパケットを復元するための復元手段とを含む。
好ましくは、復元手段は、受信手段によって受信されたデータパケットをマトリクス状に配置し、マトリクスの水平方向および垂直方向におけるデータパケットの欠損数を生成するためのマトリクス生成手段と、マトリクス生成手段によって生成されたマトリクスにおけるパケット欠損数が1となっている行の組または列の組の対応するパリティパケットに基づいてパリティを計算し、パケット欠損数を更新しながら欠損したデータパケットを復元するためのパリティ計算手段とを含む。
本発明のさらに別の局面に従えば、データパケット、データパケットから生成されたパリティパケットおよび複数のパリティパケットから生成された新たなパリティパケットに優先度を付けて中継するネットワーク接続装置であって、パケットを受信するための受信手段と、受信手段によって受信されたパケット量に応じて、通信路のトラフィックを判定するためのトラフィック判定手段と、トラフィック判定手段による判定結果に応じて優先度が低いパケットを破棄するか否かを判定し、破棄するパケット以外のパケットを出力するパケット処理手段と、パケット処理手段から出力されたパケットを送信するための送信手段とを含む。
本発明のさらに別の局面に従えば、データパケット、データパケットから生成されたパリティパケットおよび複数のパリティパケットから生成された新たなパリティパケットに優先度を付けて中継するパケット中継方法であって、パケットを受信するステップと、受信されたパケット量に応じて、通信路のトラフィックを判定するステップと、判定結果に応じて優先度が低いパケットを破棄するか否かを判定し、破棄するパケット以外のパケットを送信するステップとを含む。
本発明のある局面によれば、パリティパケット生成手段が、生成された複数のパリティパケットから新たなパリティパケットを生成するので、誤り訂正符号の冗長度を低減することが可能となった。
また、パリティパケット生成手段は、複数の水平方向のパリティパケットまたは複数の垂直方向のパリティパケットから新たなパリティパケットを生成するので、誤り訂正符号の冗長度をより適切に低減することが可能となった。
また、送信手段が、データパケット、データパケットから生成されたパリティパケットおよび複数のパリティパケットから生成された新たなパリティパケットに対し、パケット破棄に関する優先度を付加して送信するので、受信側で優先度に応じてパケットを破棄することにより、誤り訂正符号による冗長度の増加によって輻輳が悪化するのを防止することが可能となった。
本発明の別の局面によれば、受信手段によって受信されたデータパケットにビット誤りが発生した場合には、復元手段が、当該データパケットを破棄し、受信手段によって受信された少なくとも水平方向または垂直方向のパリティパケットと、破棄したデータパケット以外のデータパケットとに基づいて欠損したデータパケットを復元するので、冗長度を低減した誤り訂正符号を用いてパケットを復元することが可能となった。
また、パリティ計算手段は、マトリクス生成手段によって生成されたマトリクスにおけるパケット欠損数が1となっている行の組または列の組の対応するパリティパケットに基づいてパリティを計算し、パケット欠損数を更新しながら欠損したデータパケットを復元するので、欠損したデータパケットを容易に復元することが可能となった。
本発明のさらに別の局面によれば、パケット処理手段が、トラフィック判定手段による判定結果に応じて優先度が低いパケットを破棄するか否かを判定し、破棄するパケット以外のパケットを出力するので、誤り訂正符号による冗長度の増加によって輻輳が悪化するのを防止することが可能となった。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態における誤り訂正装置は、本出願人が出願した特願2003−59812号に記載の誤り訂正方法を利用するものである。まず、この文献に記載の誤り訂正方法について簡単に説明する。なお、詳細はこの文献を参照されたい。
図1は、特願2003−59812号に開示したパリティパケットの生成方法を概念的に示す図である。n個のパケット1〜nは、水平方向にm個、垂直方向にk個のマトリクス状に並べられる。そして、水平方向に並べられた各パケット内の対応するビットのパリティ(以下、水平パリティと呼ぶ。)が計算され、対応するビットに格納したパリティパケットが生成される。たとえば、パケット1〜mの各パケットの対応するビットのパリティが計算され、それらのパリティが格納されたパリティパケットHP1が生成される。水平パリティパケットは、行数に対応してk個だけ生成される。
また、垂直方向に並べられた各パケット内の対応するビットのパリティ(以下、垂直パリティと呼ぶ。)が計算され、対応するビットに格納したパリティパケットが生成される。たとえば、パケットm,2m,3m,…,nの各パケットの対応するビットのパリティが計算され、それらのパリティが格納されたパリティパケットVPmが生成される。垂直パリティパケットは、列数に対応してm個だけ生成される。
図2は、パケットの復元方法を概念的に説明するための図である。図2においては、9個のパケット(1)〜(9)から、水平パリティパケットHP1〜HP3および垂直パリティパケットVP1〜VP3が生成された場合を示している。たとえば、パケット(1)が欠損した場合でも、パケット(2)、(3)および水平パリティパケットHP1の対応するビットのパリティ(排他的論理和(以下、EX−ORとも呼ぶ。))を計算することによって、パケット(1)を復元することができる。
また、パケット(1)〜(3)が全て欠損した場合でも、パケット(4)、(7)および垂直パリティパケットVP1の対応するビットのパリティ(EX−OR)を計算することによって、パケット(1)を復元することができる。同様にして、パケット(5)、(8)および垂直パリティパケットVP2によってパケット(2)が復元でき、パケット(6)、(9)および垂直パリティパケットVP3によってパケット(3)が復元できる。
このように、バースト欠損が発生した場合でも、連続的に欠損したパケットがm個以下であれば、復元できることが分かる。
図3は、図1を用いて説明したデータパケットから生成された水平パリティパケットおよび垂直パリティパケットの一例を示す図である。図3においては、データパケットP10〜P89から8個の水平パリティパケットHP〜HPと、10個の垂直パリティパケットVP〜VPとが生成された場合を示している。ここで、水平パリティパケットおよび垂直パリティパケットは次式によって表わすことができる。なお、i=1,…,8とし、j=0,…,9とする。
Figure 2005323171
図3に示す誤り訂正符号の冗長度は、(8+10)/80×100%=22.5%となる。
図4は、本発明の第1の実施の形態における誤り訂正装置のパリティパケットの冗長度を低減する方法の一例を説明するための図である。水平パリティパケットにおいては、4のmod(余り)が同じ値の水平パリティパケットのEX−ORを計算して新たな水平パリティパケットとする。また、垂直パリティパケットにおいては、5のmodが同じ値の垂直パリティパケットのEX−ORを計算して新たな垂直パリティパケットとする。すなわち、新たな水平パリティパケットHP’〜HP’は次式によって表わされる。
Figure 2005323171
また、新たな垂直パリティパケットVP’〜VP’は次式によって表わされる。
Figure 2005323171
水平パリティパケットの組合わせまたは垂直パリティパケットの組合わせは、図4に示す組合わせに限定されるものではないが、バースト的な欠損に有利となるようにmodが同じ値のパリティパケットから新たなパリティパケットを生成している。
このように、2つの水平パリティパケットのEX−ORを計算して1つの水平パリティパケットとし、2つの垂直パリティパケットのEX−ORを計算して1つの垂直パリティパケットとすることによって、誤り訂正符号の冗長度は、(4+5)/80×100%=11.25%となる。
なお、3つ以上の水平パリティパケットのEX−ORを計算して1つの水平パリティパケットとし、3つ以上の垂直パリティパケットのEX−ORを計算して1つの垂直パリティパケットとしてもよい。この場合は、さらに訂正符号の冗長度を低減させることができるが、誤り訂正能力が低下することになる。
図5は、本発明の第1の実施の形態における誤り訂正装置(送信側)の機能的構成を示すブロック図である。この誤り訂正装置は、送信すべきデータパケットを生成するデータパケット生成部11と、水平パリティおよび垂直パリティを計算した後、複数の水平パリティまたは複数の垂直パリティから新たな水平パリティまたは垂直パリティを計算するパリティ計算部12と、パケットのヘッダ部を生成するヘッダ生成部13と、IP(Internet Protocol)パケットを生成するIPパケット生成部14と、イーサネット(登録商標)パケットを生成するイーサネット(登録商標)パケット生成部15と、イーサネット(登録商標)パケット生成部15によって生成されたパケットを送信する送信部16と、計算中の水平パリティを一時的に格納する水平パリティレジスタ17−1〜17−kと、計算中の垂直パリティを一時的に格納する垂直パリティレジスタ18−1〜18−mとを含む。
データパケット生成部11は、アプリケーションレベルにおけるデータパケットの生成を行なう。したがって、本実施の形態における誤り訂正装置は、データパケット生成部11がなくてもよい。その場合は、アプリケーションプログラムから直接パリティ計算部12にデータパケットが入力されることになる。
パリティ計算部12は、シーケンス番号の順番にデータパケットを入力し、k個の水平パリティおよびm個の垂直パリティを計算する。算出されたk個の水平パリティはそれぞれ水平パリティレジスタ17−1〜17−kに格納され、m個の垂直パリティはそれぞれ垂直パリティレジスタ18−1〜18−mに格納される。さらに、パリティ計算部12は、水平パリティレジスタ17−1〜17−kに格納された複数の水平パリティから新たな水平パリティを計算し、垂直パリティレジスタ18−1〜18−mに格納された複数の垂直パリティから新たな垂直パリティを計算する。
図6は、イーサネット(登録商標)パケットの構成例を示す図である。イーサネット(登録商標)パケットは、ヘッダとデータ(IPパケット)とを含む。また、IPパケットは、IPヘッダと、データとを含む。さらには、IPパケット内のデータは、ヘッダ(シーケンス番号を含む)と、データとを含む。
ヘッダ生成部13は、図6に示すIPパケット内のデータ(シーケンス番号、データ)を生成する。また、IPパケット生成部14は、図6に示すIPパケットを生成する。また、イーサネット(登録商標)パケット生成部15は、図6に示すイーサネット(登録商標)パケットを生成する。
図7は、本発明の第1の実施の形態における誤り訂正装置(送信側)の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、データパケット生成部11は、送信すべきデータパケットを生成する(S11)。
次に、パリティ計算部12は、水平パリティレジスタ17−1〜17−kのうち対応する水平パリティレジスタに格納される値と、データパケット生成部11によって生成されたデータパケットとの対応するビットのEX−ORを計算し、水平パリティレジスタの対応するビットに順次格納する。また、パリティ計算部12は、垂直パリティレジスタ18−1〜18−mのうち対応する垂直パリティレジスタに格納される値と、データパケット生成部11によって生成されたデータパケットとの対応するビットのEX−ORを計算し、垂直パリティレジスタの対応するビットに順次格納する(S12)。なお、水平パリティレジスタ17−1〜17−kおよび垂直パリティレジスタ18−1〜18−mは、初期値として0が設定されているものとする。
次に、ヘッダ生成部13、IPパケット生成部14およびイーサネット(登録商標)パケット生成部15は、データパケット生成部11によって生成されたデータパケットに対応したイーサネット(登録商標)パケットを生成する。そして、送信部16は、そのイーサネット(登録商標)パケットを送信先へ送信する(S13)。
次に、パリティ計算部12は、水平パリティの計算が終了したか否かを判定する(S14)。たとえば、図4に示す水平パリティHP’を計算する場合、水平パリティHPおよびHPの計算が終了して水平パリティレジスタ17−1および17−4にその計算結果を格納したときに、水平パリティの計算が終了したと判定される。
水平パリティの計算が終了していれば(S14,Yes)、パリティ計算部12は計算が終了した2つの水平パリティ、たとえばHPおよびHPから新たな水平パリティHP’を計算する。そして、ヘッダ生成部13、IPパケット生成部14およびイーサネット(登録商標)パケット生成部15は、パリティ計算部12によって計算された新たな水平パリティに対応したイーサネット(登録商標)パケットを生成する。そして、送信部16は、その水平パリティパケットを送信先へ送信し(S15)、ステップS16へ処理が進む。また、水平パリティの計算が終了していないと判定されれば(S14,No)、そのままステップS16へ進む。
次に、パリティ計算部12は、垂直パリティの計算が終了したか否かを判定する(S16)。たとえば、図4に示す垂直パリティVP’を計算する場合、垂直パリティVPおよびVPの計算が終了して垂直パリティレジスタ18−1および18−6にその計算結果を格納したときに、垂直パリティの計算が終了したと判定される。
垂直パリティの計算が終了していれば(S16,Yes)、パリティ計算部12は計算が終了した2つの垂直パリティ、たとえばVPおよびVPから新たな垂直パリティVP’を計算する。そして、ヘッダ生成部13、IPパケット生成部14およびイーサネット(登録商標)パケット生成部15は、パリティ計算部12によって計算された新たな垂直パリティに対応したイーサネット(登録商標)パケットを生成する。そして、送信部16は、その垂直パリティパケットを送信先へ送信し(S17)、ステップS18へ処理が進む。また、垂直パリティの計算が終了していないと判定されれば(S16,No)、そのままステップS18へ進む。
最後に、全てのパケットの送信が終了したか否かが判定される(S18)。未だ送信されていないパケットがあれば(S18,No)、ステップS11に戻って以降の処理を繰返す。また、未だ送信されていないパケットがなければ(S18,Yes)、処理を終了する。
図8は、本発明の第1の実施の形態における誤り訂正装置(受信側)の機能的構成を示すブロック図である。この誤り訂正装置は、イーサネット(登録商標)パケット(データパケット、パリティパケット)を受信する受信部21と、受信部21によって受信されたデータパケットからパケットの欠損数を示すマトリクスを生成するマトリクス生成部22と、マトリクス生成部22によって生成されたマトリクスを参照してパリティを計算するパリティ計算部23と、マトリクス生成部22によって生成されたマトリクスを参照してパケットの欠損数を判定すると共に、パケットの欠損数を更新する欠損数判定部24とを含む。
図9は、マトリクス生成部22によって生成されたマトリクスの一例を示す図である。このマトリクスは図3および図4に対応しており、80個のデータパケットのうちどのパケットが欠損しているか、1行のうち幾つデータパケットが欠損しているか、および1列のうち幾つデータパケットが欠損しているかを示している。たとえば、第1行、第3列のパケットなどの3つのパケットが欠損していることを示している。また、第1行においては2つのデータパケットが欠損し、第3列においては1つのデータパケットが欠損していることを示している。
たとえば、図9のパケットP12の欠損は、第1行のデータパケットが2つ欠損しているので水平パリティパケットを用いて復元することはできないが、第2列のデータパケットの欠損数と第7列のデータパケットの欠損数との合計が1つであるので、第2列の他のデータパケット、第7列のデータパケットおよび垂直パリティパケットVP’によって復元が可能である。
図10は、本発明の第1の実施の形態における誤り訂正装置(受信側)の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートは、誤り訂正の一例として図4に示す方法によって水平パリティパケットおよび垂直パリティパケットが生成された場合についてのものである。
まず、受信部21は、イーサネット(登録商標)パケット(データパケット、パリティパケット)を受信する(S21)。受信したパケットは、図示しないRAM(Random Access Memory)などに格納される。
次に、マトリクス生成部22は、受信部21によって受信されたデータパケットに基づいて、図9に示すマトリクスを生成する(S22)。そして、変数iおよびjのそれぞれに初期値として1および0が設定される(S23)。
次に、欠損数判定部24は、第i行のパケット欠損数と第i+4行のパケット欠損数との合計が1つであるか否かを判定する(S24)。パケット欠損数の合計が1つでない場合には(S24,No)、ステップS26へ処理が進む。また、パケット欠損数の合計が1つの場合には(S24,Yes)、パリティ計算部23は、第i行と第i+4行との他のデータパケットおよび水平パリティパケットHP’の対応するビットのパリティを計算し、欠損したデータパケットの対応するビットを復元することにより、欠損したデータパケット全体を復元する。そして、復元したデータパケットに対応するマトリクスの情報(当該パケットが欠損していることを示す情報)を更新すると共に、当該データパケットに対応する行および列の欠損数をそれぞれデクリメントする(S25)。
次に、変数iが行の総数の1/2である4と等しいか否かが判定される(S26)。変数iが4と等しくなければ(S26,No)、変数iをインクリメントし(S27)、ステップS24に戻って以降の処理を繰返す。また、変数iが4と等しければ(S26,Yes)、ステップS28へ進む。
次に、欠損数判定部24は、第j列のパケット欠損数と第j+5列のパケット欠損数との合計が1であるか否かを判定する(S28)。パケット欠損数の合計が1でない場合には(S28,No)、ステップS30に処理が進む。また、パケット欠損数の合計が1の場合には(S28,Yes)、パリティ計算部23は、第j列と第j+5列との他のデータパケットおよび垂直パリティパケットVP’の対応するビットのパリティを計算し、欠損したデータパケットの対応するビットを復元することにより、欠損したデータパケット全体を復元する。そして、復元したデータパケットに対応するマトリクスの情報(当該パケットが欠損していることを示す情報)を更新すると共に、当該データパケットに対応する行および列の欠損数をそれぞれデクリメントする(S29)。
次に、変数jが(列の総数の1/2−1)である4と等しいか否かが判定される(S30)。変数jが4と等しくなければ(S30,No)、変数jをインクリメントし(S31)、ステップS28に戻って以降の処理を繰返す。また、変数jが4と等しければ(S30,Yes)、欠損数判定部24は、パケットの欠損数の合計が1である行の組または列の組があるか否かを判定する(S32)。
パケットの欠損数の合計が1の行の組または列の組がある場合には、変数iおよびjをそれぞれ1および0に初期化し(S23)、ステップS24以降の処理を繰返す。また、パケットの欠損数の合計が1の行の組または列の組がない場合には、処理を終了する。なお、第i行の欠損数と第i+4行の欠損数との合計が2以上である場合、または第j列の欠損数と第j+5列の欠損数との合計が2以上である場合には、復元できないパケットが存在することになる。
以上説明したように、本実施の形態における誤り訂正装置によれば、データパケットに対応した水平パリティパケットおよび垂直パリティパケットを生成した後、複数の水平パリティパケットまたは垂直パリティパケットから新たな水平パリティパケットまたは新たな垂直パリティパケットを生成して送信するようにしたので、受信側においてデータパケットの欠損が発生した場合でも、当該データパケットを復元することができると共に、誤り訂正符号の冗長度を低減することが可能となった。
また、本発明の実施の形態における誤り訂正装置によれば、データパケットの欠損が発生した場合には、当該データパケットを破棄した後、水平パリティパケットおよび垂直パリティパケットを用いて欠損したデータパケットを復元するようにしたので、簡単な構成でデータパケットの復元が可能になると共に、連続的に発生するバースト欠損が発生した場合でもデータパケットを復元することが可能となった。
(第2の実施の形態)
図11は、本発明の第2の実施の形態におけるネットワーク接続装置の処理の概略を説明するための図である。このネットワーク接続装置30は、第1の実施の形態において説明した誤り訂正装置から送信されたパケットを端末装置などに中継するものである。なお、ルータやブリッジなどのデータを中継する装置を総称して、ネットワーク接続装置と呼ぶことにする。
第1の実施の形態において説明したデータパケットP10〜P89を優先度1とし、2つの水平パリティパケットから生成された水平パリティパケットHP’〜HP’および2つの垂直パリティパケットから生成された垂直パリティパケットVP’〜VP’を優先度2とし、元の水平パリティパケットHP〜HP(またはHP〜HP)および元の垂直パリティパケットVP〜VP(またはVP〜VP)を優先度3とする。
通常状態において、ネットワーク接続装置30は、優先度1〜3の全てのパケットを中継する。ネットワーク接続装置30は、受信するパケット量に基づいてトラフィックを算出し、通信路の許容帯域とトラフィックとを比較することによって輻輳が発生しているか否かを判定する。輻輳が発生している場合には、ネットワーク接続装置30が優先度3のパケットを破棄することにより輻輳の軽減を図る。なお、通常状態においては優先度1〜3のパケットが中継されるので、誤り訂正能力を高く維持することができる。一方、輻輳状態においては優先度1〜2のパケットのみが中継されるので誤り訂正能力は低下するが、許容帯域に応じた誤り訂正が可能となる。
図12は、本発明の第2の実施の形態におけるネットワーク接続装置30の概略構成を示すブロック図である。このネットワーク接続装置30は、インターネットに接続され、物理層を制御するPHY(PHYsical layer device)部31と、PHY部31を介して受信したパケット量からトラフィックを判定するトラフィック判定部32と、トラフィック判定部32による判定結果に応じてパケットを処理するパケット処理部33と、端末装置との間におけるフレーム転送を制御するMAC(Media Access Control)部34とを含む。
トラフィック判定部32は、PHY部31を介して受信したパケット量に基づいてトラフィックを算出し、通信路の許容帯域とトラフィックとを比較することによって輻輳が発生しているか否かを判定する。トラフィック判定部32によって輻輳が発生していないと判定された場合、パケット処理部33は優先度1〜3の全てのパケットをMAC部34を介して端末へ送信する。
また、トラフィック判定部32によって輻輳が発生していると判定された場合、パケット処理部33は優先度1〜2のパケットのみをMAC部34を介して端末へ送信する。
以上の説明においては、優先度を1〜3としたが、3つ以上の水平パリティパケットから生成された新たな水平パリティパケットおよび3つ以上の垂直パリティパケットから生成された新たな垂直パリティパケットをデータパケットの次の優先度とし、パケットを4つ以上の優先度に分けて輻輳の状態に応じて優先度の低いパケットを破棄するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態におけるネットワーク接続装置においては、第1の実施の形態において説明したパケットを複数の優先度に分け、輻輳状態に応じて優先度の低いパケットを破棄するようにしたので、誤り訂正符号による冗長度の増加によって輻輳が悪化するのを防止することが可能となった。
また、異なる種類のパリティパケットに同じ優先度を設定しないように、すなわち、パリティパケットの種類に応じて異なる優先度を設定することにより、誤り訂正機能を低下させることなく、パケットの破棄をより効率的に行なうことが可能となる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
特願2003−59812号に開示したパリティパケットの生成方法を概念的に示す図である。 パケットの復元方法を概念的に説明するための図である。 図1を用いて説明したデータパケットから生成された水平パリティパケットおよび垂直パリティパケットの一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における誤り訂正装置のパリティパケットの冗長度を低減する方法の一例を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態における誤り訂正装置(送信側)の機能的構成を示すブロック図である。 イーサネット(登録商標)パケットの構成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における誤り訂正装置(送信側)の処理手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における誤り訂正装置(受信側)の機能的構成を示すブロック図である。 マトリクス生成部22によって生成されたマトリクスの一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における誤り訂正装置(受信側)の処理手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態におけるネットワーク接続装置の処理の概略を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態におけるネットワーク接続装置30の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
11 データパケット生成部、12 パリティ計算部、13 ヘッダ生成部、14 IPパケット生成部、15 イーサネット(登録商標)パケット生成部、16 送信部、17−1〜17−k 水平パリティレジスタ、18−1〜18−m 垂直パリティレジスタ、21 受信部、22 マトリクス生成部、23 パリティ計算部、24 欠損数判定部、30 ネットワーク接続装置、31 PHY部、32 トラフィック判定部、33 パケット処理部、34 MAC部。

Claims (7)

  1. パケット単位でデータおよび誤り訂正符号を送信する送信装置であって、
    複数のデータパケットをマトリクス状に配置し、該マトリクスに基づいて少なくとも水平方向または垂直方向のパリティパケットを生成し、生成された複数のパリティパケットから新たなパリティパケットを生成するためのパリティパケット生成手段と、
    前記データパケットおよび前記パリティパケット生成手段によって生成された新たなパリティパケットを送信するための送信手段とを含む、送信装置。
  2. 前記パリティパケット生成手段は、複数の水平方向のパリティパケットまたは複数の垂直方向のパリティパケットから新たなパリティパケットを生成する、請求項1記載の送信装置。
  3. 前記送信手段は、データパケット、該データパケットから生成されたパリティパケットおよび複数のパリティパケットから生成された新たなパリティパケットに対し、パケット破棄に関する優先度を付加して送信する、請求項1または2記載の送信装置。
  4. パケット単位でデータおよび誤り訂正符号を受信する誤り訂正装置であって、
    パケットを受信するための受信手段と、
    前記受信手段によって受信されたデータパケットにビット誤りが発生した場合には、当該データパケットを破棄し、前記受信手段によって受信された少なくとも水平方向または垂直方向のパリティパケットと、破棄したデータパケット以外のデータパケットとに基づいて欠損したデータパケットを復元するための復元手段とを含む、誤り訂正装置。
  5. 前記復元手段は、前記受信手段によって受信されたデータパケットをマトリクス状に配置し、該マトリクスの水平方向および垂直方向におけるデータパケットの欠損数を生成するためのマトリクス生成手段と、
    前記マトリクス生成手段によって生成されたマトリクスにおけるパケット欠損数が1となっている行の組または列の組の対応するパリティパケットに基づいてパリティを計算し、パケット欠損数を更新しながら欠損したデータパケットを復元するためのパリティ計算手段とを含む、請求項4記載の誤り訂正装置。
  6. データパケット、該データパケットから生成されたパリティパケットおよび複数のパリティパケットから生成された新たなパリティパケットに優先度を付けて中継するネットワーク接続装置であって、
    パケットを受信するための受信手段と、
    前記受信手段によって受信されたパケット量に応じて、通信路のトラフィックを判定するためのトラフィック判定手段と、
    前記トラフィック判定手段による判定結果に応じて優先度が低いパケットを破棄するか否かを判定し、破棄するパケット以外のパケットを出力するパケット処理手段と、
    前記パケット処理手段から出力されたパケットを送信するための送信手段とを含む、ネットワーク接続装置。
  7. データパケット、該データパケットから生成されたパリティパケットおよび複数のパリティパケットから生成された新たなパリティパケットに優先度を付けて中継するパケット中継方法であって、
    パケットを受信するステップと、
    前記受信されたパケット量に応じて、通信路のトラフィックを判定するステップと、
    前記判定結果に応じて優先度が低いパケットを破棄するか否かを判定し、破棄するパケット以外のパケットを送信するステップとを含む、パケット中継方法。
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