以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の一実施形態におけるICカードを用いた料金支払システムを適用するビジネス例を示す。図1は、本発明の一実施形態におけるICカードを用いた料金支払システムを適用するビジネス例を示す図である。図1に示すように、本実施形態における料金支払システムは、ICカードを利用するタクシーの料金支払システムであり、タクシーの料金支払システムを適用したビジネス例である。
図1において、1は、ICカードであり、非接触で無線通信により外部からデータの読み出し及びデータの書込みが可能なメモリIC(記録媒体)を内蔵する例えばプラスチック製のカードである。また、ICカード1は、ICカード利用企業50が発行したICカードであり、各ICカードに固有のカードIDとタクシー利用に必要な情報を少なくとも記録している。10は、タクシーであり、ICカード1と無線通信を行うことで、タクシー料金の決済を行う装置(後述する図2のICカード処理端末12)を搭載している。
20は、タクシー営業所であり、タクシー10が必ず立ち寄る場所であって、複数存在する。このタクシー営業所20には、タクシー10が搭載するICカード1によるタクシー料金の決済を行う装置から、ICカード1を利用して決済された決済情報を取得する装置(後述する図2の情報収集処理装置21)が設置されている。また、タクシー営業所20に設置される上記装置は、取得した決済情報を後述する集計処理装置30へ送信する機能も有する。
30は、集計処理装置であり、複数のタクシー営業所20から決済情報を受信して、受信した決済情報を所定の期間で集計して、ICカード1を発行したICカード利用企業50に対してICカード1を利用したタクシー料金の請求を行う。
また、ICカード利用企業50は、ICカード1の記録媒体にタクシー10を利用するために必要な情報を記録する処理を行う装置(後述する図3のICカード処理装置52)を有する。また、ICカード利用企業50は、利用者が使用済みのICカード1からタクシーの利用実績に関する情報(利用実績情報)を取得する装置(後述する図3のICカード処理装置52)を有する。これにより、ICカード利用企業50において、集計処理装置30から受信した請求情報と、上記の利用実績情報を比較して、請求が利用実績に応じたものかを確認することができる。尚、ICカード利用企業50と、タクシー営業所20を保有するタクシー会社は、ICカードによるタクシー料金支払を可能とする契約を予め結んでいる。
以上の構成により、タクシー10の利用者が、タクシー料金を、ICカード1を用いて支払うことができる料金支払システムを利用したビジネスが実現する。このビジネスの特徴は、ICカード1を利用してタクシー10内で決済の処理を行い、後日、ICカード1の利用による決済情報に応じてタクシー料金を請求する点である。すなわち、タクシー10内での決済の処理のために外部と通信する必要が無い点である。これにより、従来のように決済の処理の際に、ICカード1に記録されている情報の認証処理などを依頼するため遠隔地に設置された外部装置との通信を行う必要がなく、タクシー10が外部装置と通信不可能な状態であっても決済処理を行うことができる。
また、上記ビジネスの別の特徴として、サービスを利用するために必要な情報をICカード1に記憶することで、サービスが利用でき、利用金額については特に制限を設けていない点である。これにより、従来のように予めICカード1に電子マネー(又はサービスの対価となるポイントなど)を記録(チャージ)して使用している場合と比べても、支払うべきタクシー料金に対して不足してしまうということがないので、利用者にとっては安心して利用できる。尚、法外な金額やICカード利用企業50内の規定を超えるような金額が請求されることを防ぐため、予め利用可能な金額の上限を設定することも可能である。
次に、図1に示したビジネス例を実現するための本発明の一実施形態である料金支払システムの構成について説明する。まず、本実施形態の料金支払システムを構成する図1に示したタクシー10、タクシー営業所20が備えるシステム構成例について説明する。
図2は、本発明の一実施形態におけるICカード処理端末(記録媒体処理装置)を含むICカードを利用した料金支払システムの概略構成を示す図である。図2に示すように、タクシー10は、料金計算装置11及びICカード処理端末12を備える。料金計算装置11は、タクシー10を利用する客(利用者)の乗車から降車までの間の料金(タクシーの運賃)を計算する機能を有する。また、料金計算装置11は、料金に関する情報をICカード処理端末12へ通知する機能も有する。
ICカード処理端末12は、データベース13を備え、ICカード1の認証及び料金計算装置11から通知された料金の決済を行う。また、タクシー10がタクシー営業所20に立ち寄った際に、タクシー営業所20内に設置されている情報収集処理装置21へ決済に関する情報を送信する機能も有する。また、データベース13は、ICカード処理端末12がICカード1の認証を行う際に利用する認証情報を格納する認証情報データベース13aと、ICカード処理端末12が行った決済に関する情報(決済情報)を格納する決済情報データベース13bとを備える。尚、ICカード処理端末12及びデータベース13の詳細な構成については、図4を用いて後述する。
タクシー営業所20内に設置されている情報収集処理装置21は、タクシー10内に設置されているICカード処理端末12と通信を行い、上記決済情報を収集して、集計処理装置30へ収集した決済情報を送信する。これにより、集計処理装置30は、決済情報の受信を終えると、情報収集処理装置21へ決済情報の削除指示を返信する。情報収集処理装置21は、受信した決済情報の削除指示をICカード処理端末12へ送信する。この削除指示に応じて、ICカード処理端末12は、決済情報データベース13bに格納されている集計処理装置30へ送信済みの決済情報を削除する。
また、集計処理装置30は、複数のタクシー営業所20に各々設置された情報収集処理装置21より受信した決済情報をデータベース31に記録して、所定のタイミングでデータベース31より決済情報を参照して企業別の集計を行い、集計結果を基に図1に示したICカード利用企業50内の装置(後述する図3の情報管理装置51)へタクシー料金の請求情報を送信する。尚、本実施形態における集計処理装置30が、上述した集計処理を行う所定のタイミングは、所定期間毎であるが、これに限定されるものではなく、所定件数の決済情報が累積したタイミングや、指定された時刻のタイミングなどであってもよい。
以上、図2を用いて説明した構成により、ICカード1によるタクシー料金の支払システムを実現している。図2に示す支払システムによれば、ICカード1を利用したタクシー料金の決済処理は、ICカード処理端末12が行うので、従来のように遠隔地の認証センター等によるICカードの認証が必要なく(=認証センター等と無線通信等で通信する必要がない)、決済処理を確実に迅速に行うことができる。更には、タクシー営業所20において情報収集処理装置21がICカード処理端末12から決済情報を取得する構成であるので、ICカード処理端末12から情報収集処理装置21への決済情報の受け渡しが確実に行われ、セキュリティを高めることもできる。
尚、本実施形態において、ICカード1とICカード処理端末12間の通信は無線通信であるが、この限りではなく、ICカード1に通信用の端子を設けてICカード処理端末12と有線通信を行ってもよい。また、本実施形態において料金計算装置11とICカード処理端末12間の通信は有線通信であるが、無線通信を行っても良い。更には、料金計算装置11とICカード処理端末12間で通信を行わずに、料金計算装置11が算出した金額を手入力等でICカード処理端末12に入力する構成であってもよい。但し、この場合には、ICカード処理端末12は、金額を入力するための入力手段を備える必要がある。
また、本実施形態においてICカード処理端末12と情報収集処理装置21間の通信は無線通信であるが、この限りではなく、例えばICカード処理端末12を持ち運び可能にして情報収集処理装置21の近くまで移動させて通信線で互いを接続することで、有線通信を行ってもよい。また、本実施形態において、情報収集処理装置21と集計処理装置30間の通信は、インターネットなどの通信ネットワークを介した通信であるが、この限りではなく、無線通信を用いてもよい。但し、決済に関する情報をやり取りするので、通信のセキュリティレベルはより高いレベルであることが望ましい。
次に、本実施形態の料金支払システムを構成する図1に示したICカード利用企業50が備える装置構成例について説明する。図3は、本実施形態におけるICカード利用企業50が備える装置構成例を示す図である。図3に示すように、ICカード利用企業50は、情報管理装置51、ICカード処理装置52及びデータベース53を有する。また、データベース53は、発行済みのICカード1に関する情報(ICカード情報)を格納するICカード情報データベース53aと、ICカード1の利用実績に関する情報(利用実績情報)を格納する利用履歴情報データベース53bを備える。
情報管理装置51は、上述した集計処理装置30からICカード1の利用に応じたタクシー料金の請求情報を受信して、請求に応じた支払処理などを行う。その際に、情報管理装置51は、データベース53の利用履歴情報データベース53bより利用実績情報を参照して、請求されたタクシー料金が実際に利用されたものであるか否かを確認する。
ICカード処理装置52は、ICカード1の発行処理や、発行したICカード1へタクシー利用に必要な情報の書込み処理や、タクシー料金の支払に利用されたICカード1から「利用実績情報」を取得したりする処理などを行う。具体的には、ICカード処理装置52は、ICカード1からICカードID及び「利用実績情報」を少なくとも取得して、データベース53の利用履歴情報データベース53bに「利用実績情報」をICカードIDに関連付けて格納する。
データベース53のICカード情報データベース53aに格納される情報としては、ICカード1を特定するICカードIDに関連付けて、ICカードIDで特定されるICカード1を利用する利用者に関する情報である利用者情報や、ICカードIDで特定されるICカード1に記録した利用フラグに関する情報などがある。また、データベース53の利用履歴情報データベース53bに格納される情報としては、上述したICカードIDに関連付けて、ICカードIDで特定されるICカード1からICカード処理装置52が取得した「利用実績情報」を格納する。尚、「利用実績情報」の具体例については、後述する。
以上に示したように、図3に示すICカード利用企業50の装置構成により、ICカード利用企業50において、ICカード1の発行や、ICカード1へのサービス利用のための情報の書込み処理や、使用後のICカード1から「利用実績情報」の取得処理を行い、ICカード1の管理を行なうことができる。また、ICカード利用企業50において、集計処理装置30からのタクシー料金の請求がきた場合に、その請求が実際の利用に応じたものであるか上記「利用実績情報」を参照することで確認することができる。
次に、タクシー料金の支払に利用する前にICカード1に記録される情報例と、タクシー料金の支払に利用した後にICカード1に記録される情報例について説明する。
図6(a)及び図6(b)は、本実施形態におけるICカード1に記録される情報例を示す図である。特に、図6(a)がタクシーの料金支払に使用する前のICカード1に記録される情報例を示し、図6(b)がタクシーの料金支払に使用した後のICカード1に記録される情報例を示している。図6(a)、図6(b)に示すように、ICカード1は、タクシーの料金支払に使用する前後で格納する情報が変化する。
まず、タクシーの料金支払に使用する前のICカード1に記録される情報について説明する。図6(a)に示すように、ICカード1には、各ICカード1を識別するための情報であるICカードIDが格納されている。次に、ICカード1には、ICカード1を用いて特定のサービスを利用可能とするための情報である利用フラグが格納されている。本実施形態の利用フラグは、タクシーの料金支払サービスを利用可能とするための利用フラグである。また、利用フラグには、利用フラグを識別するための情報である「利用フラグID」、ICカード1を利用した場合の請求先となる企業を特定する情報である「利用企業ID」、利用フラグの利用可能か日時や期間を特定する情報である「利用期限」が含まれている。
以上に示したように、使用前のICカード1には、ICカード利用企業50のICカード処理装置52による書込み処理により、図6(a)に示す情報が格納される。但し、ICカードIDについては、ICカード処理装置52による書込み処理された情報ではなく、ICカード1の製造時に付与された変更不可能な読み出し専用の情報であってもよい。尚、上述した利用フラグを構成する情報は、予め暗号化処理等を施すことにより悪意のある第三者から改竄や不正使用されないような状態で記録されていることが好ましい。また、利用フラグを構成する情報が暗号化処理されている場合には、タクシー10内のICカード処理端末12は、暗号化された利用フラグを復号化処理する機能を更に有する。
次に、タクシーの料金支払に使用した後のICカード1に記録される情報について説明する。図6(b)に示すように、使用後のICカード1は、図6(a)に示したICカードID及び利用フラグの他に、ICカード1を利用した実績に関する情報である「利用実績情報」を更に格納する。この「利用実績情報」は、ICカード1を使用した日時に関する情報である「利用日時」、ICカード1を使用して決済したタクシー料金に関する情報である「利用金額」、使用した利用フラグに関する情報である「利用フラグ情報」及びICカード1を用いて利用したサービスの提供者に関する情報(本実施形態ではタクシー10又はタクシー10の保有する法人を特定する情報など)である「サービス提供者情報」から構成されている。
尚、本実施形態においては使用した後のICカード1の利用フラグを削除しないが、ICカード処理端末12は利用実績情報をICカード1に書き込む際に、ICカード1に格納されているサービス利用済みの利用フラグを削除する場合もあり、この場合には、図6(b)と異なり、使用後のICカード1には利用フラグが記録されていない情報構成となる。また、ICカード処理端末12が、使用した利用フラグをICカード1から削除する処理を行う。
また、上述した「利用フラグ情報」には、使用した利用フラグを特定する情報である「利用フラグID」や上述した「利用企業ID」が含まれる。尚、本実施形態においては、ICカード1を用いて利用可能なサービスがタクシーの料金支払サービスのみなので、上述した「利用フラグ情報」は必須の情報ではないが、ICカード1を用いて利用可能なサービスが複数種類ある場合(=利用フラグが複数種類ある場合)には、上述した「利用フラグ情報」は必須の情報となる。また、1種類の利用フラグに多種類のサービスが対応している場合には、図6(b)に示した「利用フラグ情報」に、サービスを特定する情報を更に含むようにしてもよい。例えば、小型タクシーの利用と中型タクシーの利用とを異なるサービスの利用として区別したい場合には、それらを区別する情報を「利用フラグ情報」に含めてもよい。
また、上述した「サービス提供者情報」としては、本実施形態においてはICカード処理端末12を特定する情報である端末IDが格納される。この、ICカード処理端末12は、各タクシー10に搭載されている端末なので、ICカード処理端末12が特定されれば、タクシー10やタクシー10を保有する法人などサービスを提供する側の情報が特定できる。尚、「サービス提供者情報」としては、ICカード1を利用できるサービスを提供する提供者を特定する情報であれば種々の情報を格納してよい。
以上に示したように、使用後のICカード1には、タクシー10のICカード処理端末12による書込み処理により、図6(b)に示す「利用実績情報」が更に格納される。これにより、ICカード利用企業50のICカード処理装置52は、ICカード1から「利用実績情報」を取得することができるので、ICカード1を用いて実際に利用したサービスに関する情報やそのサービスの対価に関する情報などを管理することができる。
次に、図2に示したICカード処理端末12の詳細な機能構成について説明する。
図4は、図2に示したICカード処理端末12の詳細な機能構成例を示す図である。図4に示すように、ICカード処理端末12は、制御部120、料金情報取得部121、データベース13、ICカードI/F(インターフェース)部122、情報読み出し部123、認証処理部124、決済処理部125、情報書込み処理部126、データベース処理部127及び通信処理部128から構成されている。
制御部120は、ICカード処理端末12内のデータの流れや、各処理部の制御を行う。料金情報取得部121は、料金計算装置11からタクシー料金に関する情報を取得する。ICカードI/F部122は、ICカード1と無線通信を行い、ICカード1から情報の読み出しや、ICカード1への情報の書込み処理を行う。
情報読み出し部123は、ICカードI/F部122を介してICカード1からICカードIDや利用フラグなどの情報を読み出す。具体的には、情報読み出し部123は、ICカード1が所定の位置にかざされると、ICカードI/F部122を介してICカード1からICカードID及び利用フラグを読み出す処理を行う。また、情報読み出し部123がICカードI/F部122を介してICカード1から読み出す利用フラグが複数ある場合には、全ての利用フラグを取得してもよいし、各利用フラグの一部の情報を検索して特定の利用フラグを取得してもよい。尚、利用フラグが暗号化されている場合には、例えば情報読み出し部123が暗号化された利用フラグの復号化処理を行う。
認証処理部124は、情報読み出し部123が読み出した利用フラグと、認証情報データベース13aより参照する認証情報とを基に、ICカード1に記録されている利用フラグが有効な(タクシー料金の支払サービスに利用可能な)情報であるか認証する処理を行う。認証方法としては、例えば、認証情報データベース13aに利用フラグに含まれる利用フラグIDと利用企業IDを記録しておき、認証処理部124が、認証情報データベース13aに記録されている利用フラグID及び利用企業IDと、情報読み出し部123がICカード1から読み出した利用フラグに含まれる利用フラグID及び利用企業IDとが一致するか否かにより認証を行う認証方法などが考えられるが、種々の認証方法を適用可能である。また、認証処理部124は、図6(a)に示したように利用フラグに利用期限に関する情報が含まれている場合には、利用期限内であるか否かを確認する処理も行う。この時、認証処理部124は、利用期限内であれば認証するが、利用期限内でなければ認証しない。
決済処理部125は、認証処理部124がICカード1を認証した場合に、料金情報取得部121が取得したタクシー料金の決済処理を行う。具体的には、決済処理部125は、認証処理部124がICカード1を認証した場合に、上述した決済情報を生成して出力する。
情報書込み処理部126は、ICカードI/F部122を介して、ICカード1へ例えば図6(b)に示した「利用実績情報」を書き込む処理を行う。具体的には、情報書込み処理部126は、決済処理部125が出力した決済情報から必要な情報を抜き出して「利用実績情報」としてICカード1へ書き込む。また、情報書込み処理部126は、ICカード1への書込み処理が正常に終了した場合には、決済処理が終了した旨を利用者やタクシー10の運転手に伝えるための信号(以下、伝達信号とする)を出力する。この伝達信号を受けてICカード処理端末12は、例えば発光素子(図示せず)の点滅やスピーカ(図示せず)からの電子音の発音などを行い決済が終了したことを利用者やタクシー10の運転手に伝える。
尚、情報書込み処理部126は、ICカードI/F部122を介して、ICカード1へ「利用実績情報」を書き込む処理を行う際に、サービスの利用に用いた使用済みの利用フラグを削除してもよい。これにより、使用後のICカード1を不正に入手した第3者が利用フラグの解析や不正コピーなどを行うことを防ぐことができる。
尚、図4には示していないが、ICカード処理端末12は、決済処理の終了や決済情報などを利用者やタクシー10の運転手に伝えるための手段(伝達手段)を備えている。この伝達手段としては、例えば、上述した発光素子や電子音を出力するスピーカの他にも、液晶パネルなどが考えられる。
データベース処理部127は、決済処理部125が出力する決済情報を決済情報データベース13bに記録する処理を行う。通信処理部128は、情報収集処理装置21と通信を行う。また、データベース処理部127は、通信処理部128を介して情報収集処理装置21から決済情報の要求を受信した場合には、決済情報データベース13bから要求に応じた決済情報を読み出して、通信処理部128を介して情報収集処理装置21へ読み出した決済情報を送信する処理を行う。また、データベース処理部127は、通信処理部128を介して情報収集処理装置21から決済情報の削除要求を受信した場合には、決済情報データベース13bから要求に応じた決済情報を削除する処理を行う。これにより、情報収集処理装置21に転送済みの決済情報(=不要となった決済情報)を削除することができ、メモリ領域を効率良く使用することができる。
次に、データベース13の決済情報データベース13bに格納される決済情報の構成例について説明する。図5は、本実施形態における決済情報データベース13bに格納される決済情報の構成例を示す図である。図5に示すように、決済情報は、決済処理を行った日時を特定する情報である「決済日時」、決済に利用したICカード1を特定する情報であるICカードID、そのICカード1より読み出した利用フラグに関する情報である「利用フラグ情報」、決済した利用金額などの情報から構成されている。
尚、決済情報データベース13bに格納する決済情報としては、図5に示した情報以外にも、利用したサービスに関する情報や、サービスを提供した提供者に関する情報を更に含めてもよい。
次に、図3に示したICカード処理装置52の詳細な機能構成について説明する。
図7は、図3に示したICカード処理装置52の詳細な機能構成例を示す図である。図7に示すように、ICカード処理装置52は、制御部520、データベースアクセス部521、ICカードI/F(インターフェース)部522、情報読み出し部523、認証処理部524、情報書込み処理部525及び要求受付処理部526から構成されている。
制御部520は、ICカード処理装置52内のデータの流れや、各処理部の制御を行う。データベースアクセス部521は、データベース53にアクセスすることで、データベース53内のICカード情報データベース53aや利用履歴情報データベース53bに対して情報の書込み処理や情報の読み出し処理を行う。尚、データベースアクセス部521の具体的な処理については後述する。ICカードI/F部522は、ICカード1と無線通信を行い、ICカード1から情報の読み出しや、ICカード1への情報の書込み処理を行う。
情報読み出し部523は、ICカードI/F部522を介してICカード1からICカードIDや図6(b)に示した「利用実績情報」などの情報を読み出す。尚、利用実績情報が暗号化されている場合には、例えば情報読み出し部523が暗号化された利用実績情報の復号化処理を行う。また、情報読み出し部523がICカード1から読み出した「利用実績情報」は、データベースアクセス部521を介して利用履歴情報データベース53bに、ICカード1のICカードIDに関連付けて格納される。
認証処理部524は、情報読み出し部523が読み出したICカードIDなどの情報を基に、データベースアクセス部521を介してICカード情報データベース53aよりICカード情報を参照して、ICカード1がICカード利用企業50で発行されたICカードであるか認証する処理を行う。認証方法としては、例えば、ICカード情報データベース53aに、情報読み出し部523が読み出したICカードIDが有効なICカードIDとして記録されているか否かにより認証を行う認証方法などが考えられるが、種々の認証方法を適用可能である。
情報書込み処理部525は、ICカードI/F部122を介して、ICカード1へタクシーの料金支払に必要な情報を書き込む処理を行う。具体的には、情報書込み処理部525は、例えば図6(a)に示した利用フラグをICカード1へ書き込む処理を行う。また、情報書込み処理部525は、ICカード発行処理時に、ICカード1に発行に必要な情報を書き込む処理を行う。
要求受付処理部526は、ICカード1の発行や、ICカード1への利用フラグの記録などの要求を利用者から受け付ける。具体的には、要求受付処理部526は、例えば、液晶タッチパネル(図示せず)に記録可能な利用フラグの種類や利用回数などの一覧を選択肢として表示することで、利用者に選択を促し、利用者がいずれかを選択したことで、ICカード1への利用フラグの書込み要求を受け付ける。例えば、利用者がICカード1をタクシーの料金の支払に利用可能とするための利用フラグを選択した場合には、要求受付処理部526は、その利用フラグをICカード1に書き込む要求を受け付ける。
以上に示した構成により、ICカード処理装置52は、ICカード1の発行や、使用前のICカード1へのタクシーの料金支払に必要な情報(利用フラグ)の書込み処理や、使用後のICカード1から「使用実績情報」を読み出す処理などを実現する。
尚、上述した実施形態において、図4に示したICカード処理端末12及び図7に示したICカード処理装置52の各処理部は、メモリ及びCPU(中央演算装置)により構成され、各処理部の機能を実現する為のプログラムをメモリに読み込んでCPUが実行することによりその機能を実現させるものであるが、これに限定されるものではなく、各処理部の一部の処理又は全部の処理を専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。
また、上記メモリは、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CD−ROM等の読み出しのみが可能な記録媒体、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせによるコンピュータ読み取り、書込み可能な記録媒体より構成されるものとする。
次に、図1〜図7を用いて説明したタクシー料金の料金支払システムの動作について説明する。図1に示したビジネス例において、ICカード1の決済処理に関わる処理には大きく4つに分類できる。1つ目は、タクシー10において決済処理を行う処理、2つ目は、タクシー営業所20において決済情報を収集して、収集した決済情報を集計処理装置30へ送信することで、集計処理装置30のデータベース31に決済情報を記録して集計する処理、3つ目は、ICカード利用企業50において、ICカード1に利用フラグを記録する処理、4つ目は、ICカード利用企業50において集計処理装置30からの請求に応じた支払処理を行う処理である。以下、これらの4つの処理について順に説明する。
まずは、1つ目の、タクシー10において決済処理を行う処理について説明する。図8は、タクシー10のICカード処理端末12が、決済処理を行う動作を示す図である。以下、図4に示したICカード処理端末12を用いて図8を説明する。尚、図8の処理は、図6(a)に示したタクシー料金支払の利用フラグが記録されたICカード1を持つ利用者が、タクシー10を利用後の精算時に開始される処理である。
図8に示すように、まず、ステップS1において、料金情報取得部121は、料金計算装置11からタクシー料金に関する情報である料金情報を取得する。ここで、ICカード処理端末12は、例えば、利用者へICカード1を所定の場所(ICカード処理端末12と通信可能となる場所)にかざすよう促すメッセージの表示や発音を行ってよい。又は、タクシー10の運転手が利用者(客)へICカード1を特定の場所にかざすよう口頭でお願いしてもよい。これにより、ICカード1は、料金を支払う目的で、ICカード処理端末12と通信可能となる所定の場所にかざされる。
次に、ステップS2において、情報読み出し部123は、ICカードI/F部122を介してICカード1からタクシー料金の支払に必要な情報を読み出す。具体的には、情報読み出し部123は、ICカード1から図6(a)に示したICカードID及び利用フラグの情報を読み出す。
次に、ステップS3において、認証処理部124は、情報読み出し部123がICカード1から読み出した情報と、認証情報データベース13aから参照する認証情報とを基に、ICカード1に記録された利用フラグが有効なものか否かにより認証するか否かを判断する。ここで、認証処理部124が認証した場合(ステップS3のYES)には、ステップS4へ進み、認証処理部124が認証しなかった場合(ステップS3のNO)には、ステップS8へ進む。
次に、ステップS4において、決済処理部125は、認証処理部124において認証されたICカード1の利用フラグや、料金情報取得部121が取得した料金情報などを基に、決済処理を行うことで決済情報を生成する。次に、ステップS5において、情報書込み処理部126は、決済処理部125が生成した決済情報等を利用実績情報として、ICカードI/F部122を介してICカード1に記録する。
次に、ステップS6に進み、情報書込み処理部126は、ICカード1に利用実績情報を書き込む処理を正常に終了することができたか否かを判断する。ここで、書込み処理を正常に終了したと判断した場合(ステップS6のYES)には、ステップS7へ進み、書込み処理を正常に終了しなかったと判断した場合(ステップS6のNO)には、ステップS8へ進む。
次に、ステップS7において、ICカード処理端末12は、決済できた旨を利用者(客)やタクシー10の運転手に通知する。また、データベース処理部127は、決済処理部125が出力した決済情報を決済情報データベース13bに記録する。以上により、ICカード処理端末12による決済処理を終了する。また、ステップS8においては、ICカード処理端末12は、決済できなかった(未決済である)旨を利用者(客)やタクシー10の運転手に通知して、決済処理を終了する。
以上に示したように、本実施形態における決済システムにおいては、ICカード処理端末12内の処理でICカード1の利用に応じた決済処理が完了するので、従来のように、遠隔地に設置されたICカードに関する情報を管理するセンターコンピュータに認証処理などを問い合わせることがないので、決済処理の迅速化や、確実な決済処理(センターコンピュータと通信できないことで決済できなくなることがない)などを実現することができる。
次に、上記2つ目の処理である、タクシー営業所20において決済情報を収集して、収集した決済情報を集計処理装置30に送り、集計処理装置30にて送られた決済情報を記録し集計する処理について説明する。図9は、タクシー営業所20において決済情報を収集して集計処理装置30にて集計する処理フローを示す図である。尚、図9の処理は、タクシー10が勤務中や勤務終了後にタクシー営業所20に戻った際に開始される処理である。
図9に示すように、まず時刻t1において、タクシー営業所20に設置された情報収集処理装置21が、タクシー10内のICカード処理端末12と無線による通信を開始する。次に、時刻t2において、情報収集処理装置21は、ICカード処理端末12に決済情報を要求する。この要求に応じて、時刻t3において、ICカード処理端末12は、決済情報を情報収集処理装置21へ送信する。これにより、時刻t4において、情報収集処理装置21は、ICカード処理端末12から決済情報を受信する。
次に、時刻t5において、情報収集処理装置21は、ICカード処理端末12から受信した決済情報を、集計処理装置30へ送信する。これにより、時刻t6において、集計処理装置30は、決済情報を受信して、受信した決済情報をデータベース31に記録する処理を行う。次に、時刻t7において、集計処理装置30は、データベース31に記録済みの決済情報を削除するよう指示する削除指示を情報収集処理装置21へ送信する。
これにより、時刻t8において、情報収集処理装置21は、集計処理装置30から決済情報の削除指示を受信する。次に、時刻t9において、情報収集処理装置21は、受信した削除指示をICカード処理端末12へ転送する。これにより、削除指示を受信したICカード処理端末12のデータベース処理部127は、時刻t10において、削除指示に応じて決済情報データベース13bから決済情報を削除する。
また、時刻t11において、集計処理装置30は、データベース31に記録した決済情報を参照して、例えば企業別にタクシー料金の請求額を求める集計処理を行う。尚、この時刻t11のタイミングは、定期的なタイミングなど任意のタイミングでよく、例えば、後述する図10で示した集計処理装置30が情報管理装置51と通信を開始するタイミングなどが好適である。
以上に示した処理により、情報収集処理装置21は、ICカード処理端末12から決済情報を収集して、集計処理装置30へ送信するので、集計処理装置30のデータベース31に複数のタクシー営業所20からの決済情報を記録することができる。また、集計処理装置30は、データベース31に記録済みの決済情報については、削除指示をICカード処理端末12へ送信する。このようにすることで、集計処理装置30に記録された決済情報のみがICカード処理端末12の決済情報データベース13bから削除され、まだ集計処理装置30のデータベース31に記録されていない決済情報は削除されないので、ICカード処理端末12から集計処理装置30までの決済情報の受け渡しを確実に行うことができる。また、集計処理装置30は、所定のタイミングで、データベース31に記録した決済情報を集計して、ICカード利用企業50に請求する金額を算出することができる。また、従来のタクシーチケットを利用した支払方法等と本実施形態を比べると、上述したICカード1を利用した決済情報は、収集及び集計が迅速かつ確実であり、更に、正確でもある。
次に、上記3つ目の処理である、ICカード利用企業50においてICカード1に利用フラグを記録する処理について説明する。図10は、ICカード利用企業50においてICカード1に利用フラグを記録する処理フローを示す図である。尚、図10に示す処理は、既に発行済みのICカード1(ICカードIDを有する)に対して、特定のサービス(ここではタクシーの料金支払)を利用するための情報である利用フラグを記録する処理である。
図10に示すように、まず、ステップS80において、要求受付処理部526は、利用者の選択に応じて、ICカード1をタクシーの料金支払に利用するための利用フラグを書き込む要求を受け付ける。ここで、ICカード処理装置52は、ICカード1をICカード処理装置52と通信可能となる所定の場所に設置するよう利用者に促す。これにより、ICカード1は、ICカード処理装置52と通信可能となる所定の場所に設置される。
次に、ステップS81において、情報読み出し部523は、ICカードI/F部522を介してICカード1からICカード1の認証に必要な情報を読み出す。具体的には、情報読み出し部523は、ICカード1からICカードIDを読み出す。
次に、ステップS82において、認証処理部524は、情報読み出し部523がICカード1から読み出したICカードIDと、データベースアクセス部521を介してICカード情報データベース53aから参照する上記ICカードIDで特定されるICカード情報とを基に、ICカード1が有効なものであるかを認証する。ここで、認証処理部524が認証した場合(ステップS82のYES)には、ステップS83へ進み、認証処理部524が認証しなかった場合(ステップS82のNO)には、ステップS86へ進む。
次に、ステップS83において、情報書込み処理部525は、要求受付処理部526が受け付けた要求に応じて、ICカードI/F部122を介してICカード1にタクシーの料金を支払可能とする利用フラグを書き込む処理を行う。
次に、ステップS84に進み、情報書込み処理部525は、ICカード1に利用フラグを書き込むことができたか否かを判断する。ここで、正常に書込み処理を終えたと判断した場合(ステップS84のYES)には、ステップS85へ進み、正常に書込み処理を終えなかったと判断した場合(ステップS84のNO)には、ステップS86へ進む。
次に、ステップS85において、ICカード処理装置52は、利用者が選択した利用フラグの書込み処理を終えた旨を利用者に通知する。また、データベースアクセス部521は、ステップS83でICカード1に記録した利用フラグに関する情報をICカード情報データベース53aに記録する。以上により、ICカード処理装置52による利用フラグの書込み処理を終了する。また、ステップS86においては、ICカード処理装置52は、利用フラグの書込み処理ができない旨を利用者に通知して、利用フラグの書込み処理を終了する。
以上に示したように、本実施形態における決済システムにおいては、ICカード処理装置52が、ICカード1に利用フラグを記録する処理を行う。これにより、利用者は、ICカード1を利用することで、タクシーの料金の支払を済ませることができる。尚、ICカード1を紛失した場合などを考慮すると、利用フラグは暗号化されたものであり、かつ、利用期限が設定されていることが好ましい。
次に、上記4つ目の処理である、ICカード利用企業50において集計処理装置30からの請求に応じた支払処理を行う処理について説明する。図11は、ICカード利用企業50において集計処理装置30からの請求に応じた支払処理を行う処理フローを示す図である。尚、図11の処理は、集計処理装置30が例えば定期的なタイミングで開始する処理である。
図11に示すように、まず、時刻t21において、集計処理装置30と、情報管理装置51とが通信を開始する。次に、時刻t22において、集計処理装置30は、集計した請求金額を含む請求情報を情報管理装置51へ送信する。これにより、時刻t23において、情報管理装置51は、請求情報を受信する。
次に、時刻t24において、情報管理装置51は、データベース53の利用履歴情報データベース53bから、時刻t23で受信した請求情報に対応する利用実績情報を参照する。次に、時刻t25において、情報管理装置51は、時刻t24で参照した利用実績情報を用いて、時刻t23で受信した請求情報が、実際の利用に基づくものであるか確認する処理を行う。ここで確認できた場合には、時刻t27において、情報管理装置51は、請求情報に応じた支払処理を行う。
次に、時刻t28において、情報管理装置51は、支払処理したことを示す情報である支払情報を集計処理装置30へ送信する。尚、情報管理装置51が支払情報を送付する送付先は、上述した集計処理装置30に限定されるものではなく、予め定められた送付先があれば、そこへ支払情報を送付してもよい。また、時刻t26において、データベース53は、参照済みの利用実績情報を利用履歴情報データベース53bから削除する。
以上に示したように、図11の処理により、ICカード利用企業50は、ICカード1の利用による集計処理装置30からの請求が、実際の利用実績と合致するか否かを確認することができる。
尚、上述した実施形態においては、ICカード1は、非接触型のICカードであったが、この限りではなく、接触型のICカードや、携帯電話などに着脱可能なメモリカードであってもよく、携帯可能であって外部からデータの読み書き可能な記録媒体であればよい。また、上述した実施形態ではICカード1に記録される利用フラグに含まれる「利用企業ID」は、ICカード1を利用した場合の請求先となる企業を特定する情報であったが、この限りではなく、ICカード1に利用フラグを書き込む権限を有する企業を特定する情報や、ICカード1を保有する保有者の所属する企業を特定する情報であってもよく、それらの組合せであってもよい。また、上述した実施形態ではICカード1に記録される利用フラグに含まれる「利用期限」は、利用フラグの利用可能か日時や期間を特定する情報であったが、この限りではなく、利用フラグによりサービス(タクシーの料金支払サービス)を利用可能な回数を特定する情報や、利用回数と利用日時の双方を特定する情報であってもよい。この場合には、サービスを利用する度に、利用可能な回数が減算される。
また、上述した実施形態では、集計処理装置30は、決済情報に基づいて集計することで請求金額を算出していたが、この処理の際に、顧客となる利用企業のICカード1を用いた決済の利用頻度に応じて、所定の割引率で請求金額を割り引くように処理してもよい。これにより、ICカード1の利用を促進することができる。
また、上述した実施形態では、利用者がICカード1をICカード処理端末12と通信可能な位置にかざすタイミングは、タクシー10の料金が決まった後(サービス利用後)であったが、この限りではなく、例えば、タクシー10に乗車時(すなわちサービス利用前)にICカード1を利用できるか否かを確認するためにICカード1をICカード処理端末12と通信可能な位置にかざしてもよい。この場合には、ICカード処理端末12は利用フラグによる認証処理のみを行い、検証結果を利用者やタクシー10の運転手に伝える。また、予めサービスの料金が決まっている場合(例えば市内であれば料金均一など)には、このICカード1を利用できるか否かを確認するタイミング(サービス利用前のタイミング)で、ICカード処理端末12が決済処理を行ってもよい。
また、上述した実施形態の支払システムはタクシーの支払にICカード1を利用するビジネスを想定したが、他の応用例としては、例えば自動販売機の支払にICカードを利用するビジネスなどが考えられる。この場合には、自動販売機内に、上述したタクシー10内にあるICカード処理端末12と同等の機能の装置(以下、ICカード処理装置Aとする)を設置する。また、自動販売機に物品(ジュースやタバコなど)を補充する者が、上述した情報収集処理装置21と同等の機能を有する携帯装置(以下、携帯装置Aとする)を用いて、各自動販売機内のICカード処理装置AからICカードの利用実績情報を回収するという応用例が考えられる。これにより、各自動販売機に設置されるICカード処理装置Aは、決済処理を行う際に、ICカードを認証するために遠隔地に設置されたセンターコンピュータ等と通信する機能を持つ必要がないので、低コストで提供可能であるという利点がある。
また、図4に示したICカード処理端末12及び図7に示したICカード処理装置52の各処理部は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送する伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現する為のものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。