JP2005319618A - 三次元造形方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フィラーなどに頼ることなく、物性の優れた造形物を製造することができる三次元造形装置を提供する。
【解決手段】 重合反応性粉末2と重合反応性液体4を重合反応させて三次元造形物を製造する三次元造形装置であって、上下方向に可動自在なテーブル1と、このテーブル1の上に重合反応性粉末2を均一な薄層状に散布する前後・左右方向に可動自在な粉末散布装置3と、この粉末散布装置3により薄層状に散布された重合反応性粉末2に対して重合反応性液体4を発射する前後・左右方向に可動自在な液体発射装置5を備え、重合反応性粉末2と重合反応性液体4が重合反応して形成される高分子樹脂層を積層して三次元造形物を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、三次元造形物を製造するための三次元造形方法及びその装置に関する。
従来の三次元造形方法及びその装置としては、粉末材料に液体を染み込ませ、これに紫外線などを照射して硬化させることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、樹脂としてワックス系の熱溶融性樹脂又は紫外線硬化樹脂を使用し、これらの樹脂にフィラーを混入させる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、石膏粉末に水を反応させることで、硬化した三次元造形物を得る方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−307562号公報 特開平8−318573号公報 特開2000−15613号公報
しかし、特開2002−307562号公報に記載された造形方法においては、樹脂そのものに強度がなく、ガラスや酸化チタンなどのフィラーで強度を上げる方法では、フィラーの強度のみに依存している。即ち、専ら造形物全体の強度はフィラーに依存しているが、逆にフィラーが多過ぎると、フィラーを支える樹脂が少なくなり、かえって造形物全体の強度が下がってしまうという問題があった。そのため、フィラーの量を常にコントロールしなければならなかった。しかも、フィラーのみに頼って重合した樹脂は、一般的に硬くて脆い性質を持ち、耐環境性能も非常に低かった。
また、特開平8−318573号公報に記載された造形方法においては、粉末は液体が固化する時の補強的な役割を果たすだけであり、その配合比が狂うと、造形物の物性が不安定になるという問題があった。
また、特開2000−15613号公報に記載された造形方法においては、硬化した造形物が耐衝撃性に欠けるだけでなく、造形物にそのまま製品としての価値を求めることができないという問題があった。
本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フィラーなどに頼ることなく、物性の優れた造形物を製造することができる三次元造形方法及びその装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決すべく請求項1に係る発明は、重合反応性粉末と重合反応性液体を重合反応させて三次元造形物を製造する三次元造形方法であって、重合反応性粉末を均一な薄層状に散布する粉末散布工程と、薄層状に散布された重合反応性粉末に対して重合反応性液体を発射する液体発射工程と、散布された重合反応性粉末と発射された重合反応性液体が重合反応して高分子樹脂層を形成する樹脂層形成工程とからなり、前記各工程を順次繰り返すことによって、前記高分子樹脂層を積層して三次元造形物を製造するものである。
請求項2に係る発明は、重合反応性粉末と重合反応性液体を重合反応させて三次元造形物を製造する三次元造形方法であって、三次元造形物の形状に倣った壁部を形成するために冷却すると固化する液体を塗布する液体塗布工程と、前記壁部内に重合反応性液体を貯留する液体貯留工程と、貯留された重合反応性液体に重合反応性粉末を散布する粉末散布工程と、重合反応性液体と重合反応性粉末が重合反応して高分子樹脂層を形成する樹脂層形成工程とからなり、前記各工程を順次繰り返すことによって、前記高分子樹脂層を積層して三次元造形物を製造するものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の三次元造形方法において、前記樹脂層形成工程で、重合反応性粉末と重合反応性液体が接触・混合している場合に、室温で反応を開始させ、または加熱して反応を開始させ、或いは電磁波を照射して反応を開始させる。
請求項4に係る発明は、請求項1、2又は3記載の三次元造形方法において、前記液体発射工程又は前記液体貯留工程で、重合反応性液体に光重合開始剤を配合し、更に前記樹脂層形成工程で、光重合開始剤を光開裂反応させる紫外線・赤外線・可視光線などの光線を照射する。
請求項5に係る発明は、請求項1、2、3又は4記載の三次元造形方法において、前記重合反応性粉末及び前記重合反応性液体は、顔料又は染料にて着色されている。
請求項6に係る発明は、重合反応性粉末と重合反応性液体を重合反応させて三次元造形物を製造する三次元造形装置であって、上下方向に可動自在なテーブルと、このテーブルの上に重合反応性粉末を均一な薄層状に散布する前後・左右方向に可動自在な粉末散布装置と、この粉末散布装置により薄層状に散布された重合反応性粉末に対して重合反応性液体を発射する前後・左右方向に可動自在な液体発射装置を備え、重合反応性粉末と重合反応性液体が重合反応して形成される高分子樹脂層を積層して三次元造形物を製造するものである。
請求項7に係る発明は、重合反応性粉末と重合反応性液体を重合反応させて三次元造形物を製造する三次元造形装置であって、上下方向に可動自在なテーブルと、このテーブルの上に三次元造形物の形状に倣った壁部を形成するために冷却すると固化する液体を塗布する前後・左右方向に可動自在な液体塗布装置と、前記壁部内に重合反応性液体を貯留する前後・左右方向に可動自在な液体吐出装置と、貯留された重合反応性液体に重合反応性粉末を散布する前後・左右方向に可動自在な粉末散布装置を備え、重合反応性粉末と重合反応性液体が重合反応して形成される高分子樹脂層を積層して三次元造形物を製造するものである。
請求項8に係る発明は、請求項6又は7記載の三次元造形装置において、前記重合反応性液体に光重合開始剤を配合する配合装置と、この配合装置により配合された光重合開始剤を光開裂反応させる紫外線・赤外線・可視光線などの光線を照射する光源を備えた。
請求項9に係る発明は、請求項6、7又は8記載の三次元造形装置において、前記高分子樹脂層の面を平坦にする切削装置を備えた。
請求項10に係る発明は、請求項6、7、8又は9記載の三次元造形装置において、散在する粉末や切削屑などの不要物を処理する吸引装置を備えた。
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、フィラーなどに頼らず、造形プロセス中にレドックス系重合反応を起こさせることにより、物性の優れた樹脂製の造形物を作り上げることができる。
請求項2に係る発明によれば、冷却すると固化する液体を用いて、目的とする三次元造形物の形状に倣った壁部を形成し、その壁部内で重合反応を起こさせるため、三次元造形物の形状を形成し易い。更に、フィラーなどに頼らず、造形プロセス中にレドックス系重合反応を起こさせることにより、物性の優れた樹脂製の造形物を作り上げることができる。
請求項3に係る発明によれば、反応開始時期を任意に設定することができる。
請求項4に係る発明によれば、重合反応性液体に光重合開始剤を配合し、更に光重合開始剤を光開裂反応させる紫外線・赤外線・可視光線などの光線を照射することにより、重合の反応速度を上げることで、造形速度を早くすることができる。
請求項5に係る発明によれば、重合反応性粉末及び重合反応性液体を顔料又は染料にて着色することにより、容易に三次元造形物を着色することができる。
請求項6に係る発明によれば、フィラーなどに頼らず、造形プロセス中にレドックス系重合反応を起こさせることにより、物性の優れた樹脂製の造形物を製造することができる。
請求項7に係る発明によれば、冷却すると固化する液体を用いて、目的とする三次元造形物の形状に倣った壁部を形成し、その壁部内で重合反応を起こさせるため、三次元造形物の形状を形成し易い。更に、フィラーなどに頼らず、造形プロセス中にレドックス系重合反応を起こさせることにより、物性の優れた樹脂製の造形物を製造することができる。
請求項8に係る発明によれば、重合反応性液体に光重合開始剤を配合し、更に光重合開始剤を光開裂反応させる紫外線・赤外線・可視光線などの光線を照射することにより、重合の反応速度を上げることで、造形速度を早くすることができる。
請求項9に係る発明によれば、高分子樹脂層の面を平坦にする切削装置を設けたことにより、品質のよい三次元造形物を製造することができる。
請求項10に係る発明によれば、散在する粉末や切削屑などの不要物を処理する吸引装置を設けたことにより、それらが三次元造形物に混入することがなく、品質のよい三次元造形物を製造することができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る三次元造形装置の第1実施の形態を示す構成図、図2は同じく三次元造形の作業手順を示すフローチャート、図3は同じく各工程の説明図、図4は本発明に係る三次元造形装置の第2実施の形態を示す構成図、図5は同じく三次元造形の作業手順を示すフローチャート、図6は同じく各工程の説明図である。
本発明に係る三次元造形装置の第1実施の形態は、図1に示すように、平坦なテーブル1と、テーブル1の上に重合反応性粉末2を均一な薄層状に散布する粉末散布装置3と、粉末散布装置3により薄層状に散布された重合反応性粉末2に対して重合反応性液体4を発射する液体発射装置5と、重合反応性液体4に光重合開始剤6を配合する配合装置7と、光重合開始剤6を光開裂反応させる光線を照射する光源8と、樹脂層の面を平坦にする切削装置9と、散在する粉末や切削屑などの不要物を処理する吸引装置10などを備えている。なお、これらの装置1,3,5,7,8,9,10は、密閉された空間(不図示)内に配置されている。
テーブル1は、上下方向(Z軸)が可動自在で、上下方向の任意の位置で位置決めできるように構成されている。粉末散布装置3と液体発射装置5は、テーブル1の上方に配置され、前後方向(X軸)及び左右方向(Y軸)が可動自在に構成されている。テーブル1、粉末散布装置3、液体発射装置5は、夫々NC(数値制御)により、目的とする三次元造形物の形状データに基づいて駆動される。
粉末散布装置3は、前後方向(X軸)及び/又は左右方向(Y軸)に動きながら所望な量の重合反応性粉末2を散布することができる。また、液体発射装置5も、前後方向(X軸)及び/又は左右方向(Y軸)に動きながら所望な量の重合反応性液体4を所望な位置に吐出することができる。
重合反応性粉末2は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)と過酸化ベンゾイルを混合したものである。また、重合反応性液体4は、MMA(メチルメタクリレート)液にジメチルパラトルイジンを溶融させたものである。
重合反応性粉末2と重合反応性液体4は、室温にて接触・混合されると、一般に知られているレドックス系重合反応を起こして硬化する。おおよそ、レドックス系重合反応においては、双方の重量比が厳密に一定である必要がなく、混合比に多少のばらつきがあっても、重合反応後の樹脂は、ほぼ同程度の物性を示す。
配合装置7は重合反応性液体4に光重合開始剤6を配合し、光源8は配合された光重合開始剤6を光開裂反応させる紫外線・赤外線・可視光線などの光線を照射する。ここで、光重合開始剤6としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンや2.2−ジメトキシ−1.2−ジフェニルエタン−1−オンが挙げられるが、要は紫外線・可視光線・赤外線に反応して開裂し、ラジカル重合反応・カチオン重合反応・アニオン重合反応などを起こすものであれば、どんなものでもよい。
切削装置6が重合反応性粉末2と重合反応性液体4が重合反応して形成した樹脂層の面を平坦にするのは、この面に積層される次の樹脂層を円滑に形成するためである。また、吸引装置7が散在する粉末や切削屑(樹脂)などの不要物を吸引処理するのは、これらの不要物が樹脂層に混入することによる品質の低下を防止するためである。
次に、本発明に係る三次元造形装置の第1実施の形態の動作及び三次元造形方法を、図2に示すフローチャートにより説明する。
先ず、ステップSP1において、図3(a)に示すように、1枚の樹脂層を形成するため、粉末散布装置3及び液体発射装置5にとって最適な位置(高さ)にテーブル1を位置決めする(テーブル位置決め工程)。
次いで、ステップSP2において、図3(b)に示すように、テーブル1の上に目的の三次元造形物を得ることができる面積で均一な厚さ(例えば、0.05mm)になるよう粉末散布装置3が動きながら重合反応性粉末2を散布する(粉末散布工程)。
次いで、ステップSP3において、図3(c)に示すように、均一な厚さに散布された重合反応性粉末2のうち、目的の三次元造形物の形状を形成する部分だけに、液体発射装置5が動きながら重合反応性液体4を発射する(液体発射工程)。なお、反応速度を上げるために、重合反応性液体4に光重合開始剤6を配合することもできる。
次いで、ステップSP4において、図3(d)に示すように、重合反応性粉末2に重合反応性液体4が染み込むと同時に、ジメチルパラトルイジンは過酸化ベンゾイルと反応して反応性ラジカルが発生し、重合反応を開始し、硬化した樹脂層W1を形成する(樹脂層形成工程)。なお、重合反応性液体4に光重合開始剤6を配合した場合には、光重合開始剤6を光開裂反応させる紫外線・赤外線・可視光線などの光線を光源8から放射するとよい。
また、硬化した樹脂層W1の面を切削して平坦にする必要があるならば、ステップSP5において、吸引装置7で切削面の周囲を吸引しながら切削装置6で硬化した樹脂層W1の面を切削するのが、好ましい(樹脂層切削工程)。
同様に、ステップSP1〜ステップSP5を順次繰り返すことにより、図3(e)に示すように、樹脂層W2,W3……Wnを積層していく(積層完了工程)。すると、目的とする三次元造形物Wが形成される。積層作業が終了したら、重合反応していない重合反応性粉末2を取り除き、三次元造形物Wを得ることができる。
次に、本発明に係る三次元造形装置の第2実施の形態は、図4に示すように、平坦なテーブル11と、テーブル11の上に冷却すると固化するワックス液12を塗布するワックス塗布装置13と、重合反応性液体4を吐出する液体吐出装置14と、吐出された重合反応性液体4に重合反応性粉末2を散布する粉末散布装置15と、重合反応性液体4に光重合開始剤6を配合する配合装置16と、光重合開始剤6を光開裂反応させる光線を照射する光源17と、樹脂層の面などを平坦にする切削装置18と、散在する粉末や切削屑などの不要物を処理する吸引装置19などを備えている。なお、これらの装置11,13,14,15,16,17,18,19は、密閉された空間(不図示)内に配置されている。
テーブル11は、上下方向(Z軸)が可動自在で、上下方向の任意の位置で位置決めできるように構成されている。ワックス塗布装置13と液体吐出装置14と粉末散布装置15は、テーブル11の上方に配置され、前後方向(X軸)及び左右方向(Y軸)が可動自在に構成されている。テーブル11、ワックス塗布装置13、液体吐出装置14、粉末散布装置15は、夫々NC(数値制御)により、目的とする三次元造形物の形状データに基づいて駆動される。
ワックス塗布装置13は、前後方向(X軸)及び/又は左右方向(Y軸)に動きながら所望な量のワックス液12を吐出して目的の三次元造形物の形状に倣った壁部K1,K2,K3……,Kn(図6)を形成することができる。ワックス液12は、冷却すると固化し、加熱または有機溶剤により容易に溶解する性質を有する。
液体吐出装置14は、前後方向(X軸)及び/又は左右方向(Y軸)に動いてワックス液12が固化して形成された壁部内に重合反応性液体4を吐出して貯留することができる。粉末散布装置15は、前後方向(X軸)及び/又は左右方向(Y軸)に動きながら壁部内に貯留されている重合反応性液体4に対して重合反応性粉末2を散布することができる。
配合装置16は重合反応性液体4に光重合開始剤6を配合し、光源17は配合された光重合開始剤6を光開裂反応させる紫外線・赤外線・可視光線などの光線を照射する。
切削装置18が、冷えて固化したワックス層の面及び重合反応性粉末2と重合反応性液体4が重合反応して形成した樹脂層の面を平坦にするのは、これらの面に積層される次のワックス層及び樹脂層を円滑に形成するためである。また、吸引装置7が散在する粉末や切削屑(ワックス、樹脂)などの不要物を吸引処理するのは、これらの不要物が樹脂層に混入することによる品質の低下を防止するためである。
次に、本発明に係る三次元造形装置の第2実施の形態の動作及び三次元造形方法を、図5に示すフローチャートにより説明する。
先ず、ステップSP11において、図6(a)に示すように、1枚の樹脂層を形成するため、ワックス塗布装置13、液体吐出装置14及び粉末散布装置15にとって最適な位置(高さ)にテーブル11を位置決めする(テーブル位置決め工程)。
次いで、ステップSP12において、図6(b)に示すように、テーブル11の上に目的の三次元造形物の形状に倣う壁部K1が得られるようワックス塗布装置13を動かしながらワックス液12を所定の厚さ(例えば、0.1mm)に塗布する(ワックス塗布工程)。
次いで、ステップSP13において、図6(c)に示すように、ワックス液12が固まって形成された壁部K1の内部に液体吐出装置14が重合反応性液体4を所定の厚さ(例えば、0.05mm)になるまで吐出して貯留する(液体貯留工程)。吐出された重合反応性液体4は、それ自体では重合反応を起こさないため、吐出後も液体のままである。なお、反応速度を上げるために、重合反応性液体4に光重合開始剤6を配合することもできる。
次いで、ステップSP14において、図6(d)に示すように、重合反応性液体4が貯留されている部分に、重合反応性液体4の厚さを含めた合計の厚さが壁部K1の高さ(例えば、0.1mm)になるまで、重合反応性粉末2を散布する(粉末散布工程)。
次いで、ステップSP15において、図6(e)に示すように、重合反応性粉末2に含まれる過酸化ベンゾイルと重合反応性液体4に含まれるジメチルパラトルイジンが接触した瞬間から反応性ラジカルが発生し、重合反応を開始し、硬化した樹脂層W1を形成する(樹脂層形成工程)。なお、重合反応性液体4に光重合開始剤6を配合した場合には、光重合開始剤6を光開裂反応させる紫外線・赤外線・可視光線などの光線を光源17から放射するとよい。
また、硬化した樹脂層W1の面及び冷えて固化したワックス層の面を切削して平坦にする必要があるならば、ステップSP16において、吸引装置19で切削面の周囲を吸引しながら切削装置18で硬化した樹脂層W1の面及び冷えて固化したワックス層の面を切削するのが、好ましい(樹脂層切削工程)。
同様に、ステップSP11〜ステップSP16を順次繰り返すことにより、図6(f)に示すように、ワックス液12で壁部K2,K3……,Knを形成し、過酸化ベンゾイルとジメチルパラトルイジンで重合反応させ、樹脂層W2,W3……,Wnを積層していく(積層完了工程)。すると、目的とする三次元造形物Wが形成される。積層作業が終了したら、固化したワックス液12を加熱または有機溶剤により溶解して取り除き、三次元造形物Wを得ることができる。
本発明では、テーブル1,11を上下方向(Z軸)に可動自在にし、粉末散布装置3,15、液体発射装置5、液体吐出装置14及びワックス塗布装置13は、前後方向(X軸)・左右方向(Y軸)に可動自在にした。
しかし、テーブル1,11を前後方向(X軸)・左右方向(Y軸)・上下方向(Z軸)に可動自在にして、粉末散布装置3,15、液体発射装置5、液体吐出装置14及びワックス塗布装置13を固定することもできる。また、テーブル1,11を固定し、粉末散布装置3,15、液体発射装置5、液体吐出装置14及びワックス塗布装置13を前後方向(X軸)・左右方向(Y軸)・上下方向(Z軸)に可動自在にすることもできる。
本発明の実施の形態では、重合反応性液体4としてジメチルパラトルイジンを含んだMMA液、重合反応性粉末2として過酸化ベンゾイルとPMMAで構成された粉末を用いたが、液体と粉末が合わさることでラジカル等が発生して高分子樹脂を形成するのであれば、それぞれに含まれるものはどんなものでもよい。
例えば、ジメチルパラトルイジン以外の第三級アミンを含んだフェノキシエチルメタクリレート液と、過酸化ベンゾイル以外の反応性有機化酸化物とPMMAで構成された粉末でもよい。また、重合反応性液体4として、N,N−ジメチルアニリンをMMA液に配合してもよい。
また、ジメチルパラトルイジンのような三級アミンの代わりとして、P−トルエンスルフィン酸を適用してもよく、要は液体と粉末が合わさることでラジカル等が発生して重合反応を起こし高分子化するものであれば、レドックス重合反応に拘らず、どんな組み合わせも適用することができる。
更に、共重合により硬化膜の物性をよくするために、MMA液にジメタクリル酸グリコールを配合するなどしてもよく、要は粉末・液体とも、単一成分か複数成分かにこだわる必要はない。
本発明によれば、フィラーなどに頼らず、造形プロセス中にレドックス系重合反応を起こさせることにより、物性の優れた樹脂製の造形物を作り上げることができるだけでなく、そのまま製品として利用することができる。
本発明に係る三次元造形装置の第1実施の形態を示す構成図 第1実施の形態における三次元造形の作業手順を示すフローチャート 第1実施の形態の工程説明図で、(a)はテーブル位置決め工程、(b)は粉末散布工程、(c)は液体発射工程、(d)は樹脂層形成工程、(e)は積層完了工程 本発明に係る三次元造形装置の第2実施の形態を示す構成図 第2実施の形態における三次元造形の作業手順を示すフローチャート 第2実施の形態の工程説明図で、(a)はテーブル位置決め工程、(b)はワックス塗布工程、(c)は液体貯留工程、(d)は粉末散布工程、(e)は樹脂層形成工程、(f)は積層完了工程
符号の説明
1,11…テーブル、2…重合反応性粉末、3,15…粉末散布装置、4…重合反応性液体、5…液体発射装置、6…光重合開始剤、7,16…配合装置、8,17…光源、9,18…切削装置、10,19…吸引装置、12…ワックス液、13…ワックス塗布装置、14…液体吐出装置、K1,K2,K3……,Kn…壁部、W…三次元造形物、W1,W2,W3……,Wn…樹脂層。

Claims (10)

  1. 重合反応性粉末と重合反応性液体を重合反応させて三次元造形物を製造する三次元造形方法であって、重合反応性粉末を均一な薄層状に散布する粉末散布工程と、薄層状に散布された重合反応性粉末に対して重合反応性液体を発射する液体発射工程と、散布された重合反応性粉末と発射された重合反応性液体が重合反応して高分子樹脂層を形成する樹脂層形成工程とからなり、前記各工程を順次繰り返すことによって、前記高分子樹脂層を積層して三次元造形物を製造することを特徴とする三次元造形方法。
  2. 重合反応性粉末と重合反応性液体を重合反応させて三次元造形物を製造する三次元造形方法であって、前記三次元造形物の形状に倣った壁部を形成するために冷却すると固化する液体を塗布する液体塗布工程と、前記壁部内に重合反応性液体を貯留する液体貯留工程と、貯留された重合反応性液体に重合反応性粉末を散布する粉末散布工程と、重合反応性液体と重合反応性粉末が重合反応して高分子樹脂層を形成する樹脂層形成工程とからなり、前記各工程を順次繰り返すことによって、前記高分子樹脂層を積層して三次元造形物を製造することを特徴とする三次元造形方法。
  3. 前記樹脂層形成工程において、重合反応性粉末と重合反応性液体が接触・混合している場合に、室温で反応を開始させ、または加熱して反応を開始させ、或いは電磁波を照射して反応を開始させる請求項1又は2記載の三次元造形方法。
  4. 前記液体発射工程又は前記液体貯留工程において、重合反応性液体に光重合開始剤を配合し、更に前記樹脂層形成工程において、光重合開始剤を光開裂反応させる紫外線・赤外線・可視光線などの光線を照射する請求項1、2又は3記載の三次元造形方法。
  5. 前記重合反応性粉末及び前記重合反応性液体は、顔料又は染料にて着色されている請求項1、2、3又は4記載の三次元造形方法。
  6. 重合反応性粉末と重合反応性液体を重合反応させて三次元造形物を製造する三次元造形装置であって、上下方向に可動自在なテーブルと、このテーブルの上に重合反応性粉末を均一な薄層状に散布する前後・左右方向に可動自在な粉末散布装置と、この粉末散布装置により薄層状に散布された重合反応性粉末に対して重合反応性液体を発射する前後・左右方向に可動自在な液体発射装置を備え、重合反応性粉末と重合反応性液体が重合反応して形成される高分子樹脂層を積層して三次元造形物を製造することを特徴とする三次元造形装置。
  7. 重合反応性粉末と重合反応性液体を重合反応させて三次元造形物を製造する三次元造形装置であって、上下方向に可動自在なテーブルと、このテーブルの上に三次元造形物の形状に倣った壁部を形成するために冷却すると固化する液体を塗布する前後・左右方向に可動自在な液体塗布装置と、前記壁部内に重合反応性液体を貯留する前後・左右方向に可動自在な液体吐出装置と、貯留された重合反応性液体に重合反応性粉末を散布する前後・左右方向に可動自在な粉末散布装置を備え、重合反応性粉末と重合反応性液体が重合反応して形成される高分子樹脂層を積層して三次元造形物を製造することを特徴とする三次元造形装置。
  8. 前記重合反応性液体に光重合開始剤を配合する配合装置と、この配合装置により配合された光重合開始剤を光開裂反応させる紫外線・赤外線・可視光線などの光線を照射する光源を備えた請求項6又は7記載の三次元造形装置。
  9. 前記高分子樹脂層の面を平坦にする切削装置を備えた請求項6、7又は8記載の三次元造形装置。
  10. 散在する粉末や切削屑などの不要物を処理する吸引装置を備えた請求項6、7、8又は9記載の三次元造形装置。
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