JP2008302607A - 三次元造形装置、および三次元造形方法 - Google Patents

三次元造形装置、および三次元造形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008302607A
JP2008302607A JP2007152429A JP2007152429A JP2008302607A JP 2008302607 A JP2008302607 A JP 2008302607A JP 2007152429 A JP2007152429 A JP 2007152429A JP 2007152429 A JP2007152429 A JP 2007152429A JP 2008302607 A JP2008302607 A JP 2008302607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cross
sectional
powder layer
liquid
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007152429A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4888236B2 (ja
Inventor
Kazutoshi Fujisawa
和利 藤澤
Toshio Kumagai
利雄 熊谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2007152429A priority Critical patent/JP4888236B2/ja
Publication of JP2008302607A publication Critical patent/JP2008302607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4888236B2 publication Critical patent/JP4888236B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】十分な透明度を有する部分を有する三次元物体を一体の造形物として形成する。
【解決手段】粉体による粉体層を形成し、粉体を結合させる結合液を供給して三次元物体の断面部材を形成する。こうして形成した断面部材を積層して三次元物体を造形する。断面部材を形成する際に、透明な部分については、粉体層の代わりに、結合液と、結合液を硬化させる硬化液を供給することによって断面部材を形成する。粉体を結合させた場合には粉体同士あるいは粉体と結合液との境に境界面が発生し、境界面で光が乱反射したり屈折するので、十分な透明度や正確な屈折率が得られない。これに対して共に液体の結合液および硬化液を硬化させるのであれば、こうした問題は生じないので、適切な結合液あるいは硬化液を選択することで、透明部分が十分な透明度や正確な屈折率を有する三次元物体を一体の造形物として造形可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、三次元物体を造形する技術に関し、詳しくは、結合液を吐出して粉末材料を結合させることによって、三次元物体を造形する技術に関する。
粉体を結合液で固めながら、三次元物体を造形する技術が知られている。この技術では、次のような操作を繰り返すことによって三次元物体を造形する。先ず、粉体を均一な厚さで薄く敷き詰めて粉体層を形成し、この粉体層の所望部分に結合液を吐出することによって粉体同士を結合させる。この結果、粉体層の中で、結合液が吐出された部分だけが結合して、薄い板状の部材が形成される。本明細書中では、この薄い板状の部材を「断面部材」と呼ぶことにする。次いで、その粉体層の上に更に粉体層を薄く形成し、所望部分に結合液を吐出する。その結果、新たに形成された粉体層の結合液が吐出された部分にも、新たな断面部材が形成される。このとき、粉体層上に吐出した結合液が染み込んで、先に形成された断面部材に到達するので、新たに形成された断面部材は先に形成された断面部材にも結合される。このような操作を繰り返して、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層することによって、三次元物体を造形することができる。
このような三次元造形技術は、造形しようとする物体の三次元形状データさえあれば、粉体を結合させて直ちに造形可能であり、造形に先立って金型を作成するなどの必要がないので、迅速にしかも安価に三次元物体を造形することが可能である。また、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層して造形するので、例えば内部構造を有する複雑な物体であっても、複数の部品に分けることなく一体の造形物として形成することが可能である。
あるいは、粉体層を形成する際に、領域によって粉体の種類を変えることにより、あたかも材質の異なる複数種類の部品を組み立てたような物体を、一体の造形物として形成することも提案されている(特許文献1)。更には、透明な粉体を結合すれば透明な造形物が得られることから(例えば、特許文献2)、粉体層の一部領域を透明な粉体を用いて形成することで、あたかもガラスを嵌めて形成したような物体を、一体の造形物として形成することも可能であると考えられる。
特開2002−307562号公報 特開2005−088392号公報
しかし、これらの提案されている技術では、造形物の一部を透明にすることは可能であるが、十分な透明度を付与することは困難であった。このため、例えば、レンズやプリズムなどの光学部品のように、高い光学特性(例えば、高い透明度や、正確な屈折率など)を有する部材が嵌め込まれたような物体(例えば、光学レンズや光導波路など)を得ようとすると、別途形成した部材(例えば、光学部品など)を嵌め込まなければならなかった。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、一部分が光学部品のように十分な透明度を有する造形物であっても、一体の造形物として形成可能な三次元造形技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の第1の三次元造形装置は次の構成を採用した。すなわち、
粉体を結合液で互いに結合させることによって、三次元物体を造形する三次元造形装置であって、
透明な部分を有する三次元物体の形状データを記憶している形状データ記憶手段と、
前記三次元物体を複数の断面で層状に切断したときに各層で得られる断面データを生成する断面データ生成手段と、
前記粉体を略均一な厚さに敷き詰めて粉体層を形成するとともに、前記結合液を前記断面データに従って該粉体層に供給することにより、前記三次元物体の一層分の断面形状に相当する断面部材を形成する断面部材形成手段と、
前記断面部材が形成された粉体層の上に新たな粉体層を形成し、該新たな粉体層に前記断面データに従って前記結合液を供給することによって、新たな断面部材を形成するとともに該新たな断面部材を先に形成された断面部材の上に順次積層することで、前記三次元物体を造形する三次元物体造形手段と
を備え、
前記断面部材形成手段は、前記断面部材を形成するに際して、前記断面データに基づいて透明と判断された部分については、前記粉体層の代わりに、前記結合液と該結合液を硬化させる硬化液とを供給して該結合液を硬化させることにより、該断面部材を形成する手段であることを要旨とする。
また、上述した三次元造形装置に対応する本発明の第1の三次元造形方法は、
粉体を結合液で互いに結合させることによって、三次元物体を造形する三次元造形方法であって、
透明な部分を有する三次元物体の形状データを記憶している形状データ記憶工程と、
前記三次元物体を複数の断面で層状に切断したときに各層で得られる断面データを生成する断面データ生成工程と、
前記粉体を略均一な厚さに敷き詰めて粉体層を形成するとともに、前記結合液を前記断面データに従って該粉体層に供給することにより、前記三次元物体の一層分の断面形状に相当する断面部材を形成する断面部材形成工程と、
前記断面部材が形成された粉体層の上に新たな粉体層を形成し、該新たな粉体層に前記断面データに従って前記結合液を供給することによって、新たな断面部材を形成するとともに該新たな断面部材を先に形成された断面部材の上に順次積層することで、前記三次元物体を造形する三次元物体造形工程と
を備え、
前記断面部材形成工程は、前記断面部材を形成するに際して、前記断面データに基づいて透明と判断された部分については、前記粉体層の代わりに、前記結合液と該結合液を硬化させる硬化液とを供給して該結合液を硬化させることにより、該断面部材を形成する工程であることを要旨とする。
かかる本発明の第1の三次元造形装置および第1の三次元造形方法においては、造形しようとする三次元物体の形状データを予め記憶しており、その三次元物体を複数の断面で層状に切断したときの各層での断面データを生成可能となっている。そして、粉体を略均一な厚さに敷き詰めて粉体層を形成し、その粉体層に対して断面データに従って結合液を供給する。結合液が供給されると粉体は互いに結合するので、粉体層に断面データに従って結合液を供給することにより、粉体層の厚みに相当する厚さを有し且つ三次元物体のある断面での断面形状を有する部材(断面部材)を形成することができる。そこで、断面部材が形成された粉体層の上に、新たな粉体層を形成し、その粉体層に対して断面データに従って結合液を供給することで、新たな断面部材を形成するとともに先に形成した断面部材の上に積層する。このような操作を繰り返すことにより、三次元物体を造形することができる。ここで、造形しようとする三次元物体に透明な部分が存在する場合には、断面部材を形成するに際して、断面データから透明と判断された部分については、粉体層の代わりに、結合液と、結合液を硬化させる硬化液とを供給して、結合液を硬化させることによって、断面部材の透明な部分を形成する。
個々の粉体は個体であるから、粉体同士を結合液によって結合しても、粉体と粉体との間や、粉体と結合液との間には境界面が発生しており、造形した三次元物体の内部には無数の境界面が存在している。このため、たとえ個々の粉体が透明な材質でできていたとしても、三次元物体の内部にある無数の境界面で光が乱反射してしまい、高い透明度を得ることは困難である。あるいは無数の境界面を通過する際に光が複雑に屈折するため、正確な屈折率を得ることも困難である。これに対して、液体の結合液を、同じく液体の硬化液を用いて硬化させるのであれば境界面が発生することはなく、こうした問題は生じない。本発明の第1の三次元造形装置および第1の三次元造形方法は、このような原理に基づくものであり、断面データに基づいて透明と判断された部分については、粉体層の代わりに、結合液と硬化液とを供給して、結合液を硬化させることによって断面部材を形成し、こうして形成された断面部材を積層することによって三次元物体を造形する。こうすれば、予め適切な硬化液や結合液を選択しておくことで、透明な部分が、高い透明度を有し、あるいは正確な屈折率を有する三次元物体を、一体の造形物として造形することが可能となる。また、三次元物体が表面部分に透明な部分を有する物体であった場合には、表面部分が結合液(および硬化液)によって形成されるので、粉体を用いて形成した場合よりも均質で緻密な表面を得ることが可能となる。
また、かかる本発明の第1の三次元造形装置においては、次のようにして断面部材を形成することとしても良い。先ず、全面に亘って(すなわち、透明であるか否かとは無関係に)粉体層を形成する。次いで、断面データに基づいて透明と判断された部分については、形成された粉体層を除去し、除去した部分に結合液および硬化液を供給することによって、断面部材を形成することとしてもよい。
断面部材を形成するにあたっては、透明な部分があるか否か、透明な部分がある場合には、どの部分が透明であるかは、断面データに基づいて判断することができるから、透明な部分については初めから粉体層を形成せずにおくことも可能である。しかし、初めに、透明な部分を含めて全面に粉体層を形成しておき、その後、透明な部分についてだけ粉体層を除去するようにしてやれば、粉体層を形成する機構をたいへん簡素なものに保っておくことが可能である。加えて、透明な部分には粉体層を形成しないようにするよりも、透明な部分の粉体層を除去する方が容易であり、また、透明な部分とそれ以外の部分とがより明確に区分された粉体層を形成することができる。このため、透明部分の境界(あるいは表面)が綺麗に分かれた三次元物体を得ることが可能となる。
更には、本発明の第1の三次元造形装置においては、次のようにして、透明部分の粉体層を除去するようにしてもよい。先ず、断面データに基づいて透明と判断された部分(すなわち、粉体層を除去する部分)の周囲に結合液を供給して、その部分の粉体同士を結合させる。その後、透明部分の粉体層を除去するようにしても良い。
結合液は正確な位置に供給することができるから、透明部分の粉体層を除去する前に結合液を供給することで、透明部分の粉体は結合させないまま、その周囲の粉体を結合させることができる。そして、その後に透明部分の粉体層を除去してやれば、周囲の粉体を除去することなく、透明部分の粉体層を完全に除去することができる。このため、透明部分は完全に結合液および硬化液のみによって硬化することになるので、透明部分がより透明な三次元物体を得ることが可能となる。
また、前述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の第2の三次元造形装置は次の構成を採用した。すなわち、
粉体による造形物に、光が照射されることによって硬化する光硬化液を供給した後、光を照射して粉体同士を互いに結合させることにより、三次元物体を造形する三次元造形装置であって、
透明な部分を有する三次元物体の形状データを記憶している形状データ記憶手段と、
前記三次元物体を複数の断面で層状に切断したときに各層で得られる断面データを生成する断面データ生成手段と、
前記粉体を略均一な厚さに敷き詰めて粉体層を形成するとともに、前記光硬化液を前記断面データに従って該粉体層に供給した後、光を照射して硬化させることにより、前記三次元物体の一層分の断面形状に相当する断面部材を形成する断面部材形成手段と、
前記断面部材が形成された粉体層の上に新たな粉体層を形成し、該新たな粉体層に前記断面データに従って前記光硬化液を供給して硬化させることによって、新たな断面部材を形成するとともに該新たな断面部材を先に形成された断面部材の上に順次積層することで、前記三次元物体を造形する三次元物体造形手段と
を備え、
前記断面部材形成手段は、前記断面部材を形成するに際して、前記断面データに基づいて透明と判断された部分については、前記粉体層の代わりに前記光硬化液を供給して、該光硬化液に光を照射して硬化させることによって、該断面部材を形成する手段であることを要旨とする。
また、上記の三次元造形装置に対応する本発明の第2の三次元造形方法は、
粉体による造形物に、光が照射されることによって硬化する光硬化液を供給した後、光を照射して粉体同士を互いに結合させることにより、三次元物体を造形する三次元造形方法であって、
透明な部分を有する三次元物体の形状データを記憶している形状データ記憶工程と、
前記三次元物体を複数の断面で層状に切断したときに各層で得られる断面データを生成する断面データ生成工程と、
前記粉体を略均一な厚さに敷き詰めて粉体層を形成するとともに、前記光硬化液を前記断面データに従って該粉体層に供給した後、光を照射して硬化させることにより、前記三次元物体の一層分の断面形状に相当する断面部材を形成する断面部材形成工程と、
前記断面部材が形成された粉体層の上に新たな粉体層を形成し、該新たな粉体層に前記断面データに従って前記光硬化液を供給して硬化させることによって、新たな断面部材を形成するとともに該新たな断面部材を先に形成された断面部材の上に順次積層することで、前記三次元物体を造形する三次元物体造形工程と
を備え、
前記断面部材形成工程は、前記断面部材を形成するに際して、前記断面データに基づいて透明と判断された部分については、前記粉体層の代わりに前記光硬化液を供給して、該光硬化液に光を照射して硬化させることによって、該断面部材を形成する工程であることを要旨とする。
かかる本発明の第2の三次元造形装置および第2の三次元造形方法においては、光が照射されることによって硬化する光硬化液を、粉体層に供給した後、光を照射して粉体同士を結合させることによって、断面部材を形成する。また、形成しようとする断面部材に透明な部分が含まれる場合には、その部分については、粉体層の代わりに光硬化液を供給した後、光を照射して硬化させることによって断面部材を形成する。
こうすれば、透明部分が光硬化液のみによって形成された三次元物体を造形することができる。透明部分は光硬化液のみで形成されているので、高い透明度を得ることができる。また、適切な光硬化液を選択することにより、正確な屈折率を付与することも可能となる。加えて、三次元物体が表面部分に透明な部分を有する物体であった場合には、表面部分が光硬化液によって形成されるので、粉体を用いて形成した場合よりも均質で緻密な表面を得ることが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.装置構成:
B.本実施例の造形方法:
C.変形例:
C−1.第1の変形例:
C−2.第2の変形例:
A.装置構成:
図1は、本実施例の三次元造形装置100の大まかな構成を示した説明図である。図示されているように、三次元造形装置100は、大きな枠体から構成され内部に三次元物体が造形される造形部10と、造形部10内に粉体による粉体層を形成する粉体層形成部20と、粉体同士を結合させる結合液を粉体層に供給する結合液供給部30と、三次元造形装置100の全体の動作を制御するために各種の演算処理を行う演算処理部40などから構成されている。
演算処理部40は、造形しようとする三次元物体の形状データを記憶しておくとともに、三次元物体を複数の断面で層状に切断して、各層での断面データを生成する断面データ生成部42と、得られた断面データに従って造形部10や、粉体層形成部20、結合液供給部30の動作を制御する制御部44などから構成されている。制御部44は、断面データ生成部42から断面データを受け取ると、粉体層形成部20を駆動して造形部10内に粉体層を形成させ、結合液供給部30を駆動して結合液を断面データに従って粉体層に供給する。こうすることにより、造形部10内には、1層分の断面データに対応する断面形状の薄板状の部材(断面部材)が形成される。こうして1層分の断面部材が形成されたら、底面駆動部16を駆動して底面部14を少しだけ低下させる。次いで、断面データ生成部42から次の断面データを受け取って、断面部材を形成した粉体層の上に新たな粉体層を形成し、その上から結合液を供給することにより、新たな断面部材を形成する。このように制御部44は、断面データ生成部42から各層の断面データを受け取ると、造形部10や、粉体層形成部20、結合液供給部30を駆動することにより、1層ずつ断面部材を形成して積層していく。
尚、断面データ生成部42は、CPUやROM、RAM、ハードディスクなどが相互にデータをやり取り可能に構成された周知のコンピュータを用いて構成することができる。また、制御部44は、断面データを変換して、造形部10や粉体層形成部20、結合液供給部30への駆動信号を生成する専用のICチップを用いて構成することができる。もちろん、こうした変換をCPUやROM、RAMなどを用いて実行しても良い。この場合は、断面データ生成部42を構成するコンピュータに制御部44の機能を組み込んで、断面データ生成部42と制御部44とを一体に構成することも可能である。
造形部10は、上方から見ると矩形形状をした枠体12と、枠体12の底面を形成して上下方向に摺動可能な底面部14と、底面部14を上下方向に摺動させる底面駆動部16等から構成されており、枠体12と底面部14との間に形成された空間に三次元物体が造形される。また、底面駆動部16は制御部44からの制御によって、底面部14を正確に上下方向に移動させることが可能となっている。
粉体層形成部20は、粉体が収納されるホッパー22と、ホッパー22の下部で回転することにより粉体を一定量ずつ供給する粉体供給ローラ24と、粉体供給ローラ24から供給された粉体を一定厚さに伸展させて粉体層を形成する伸展ローラ26などから構成されている。粉体は、樹脂や、金属、酸化物など、種々の材質による粉体を用いることが可能であり、透明な粉体を用いることもできるが、本実施例では不透明な粉体を使用している。また、本実施例の粉体層形成部20には、粉体を吸引して粉体層を部分的に除去する吸引ポンプ28も搭載されている。ホッパー22や、粉体供給ローラ24、伸展ローラ26は図1の紙面に直角方向(Y方向)に延びるように形成されており、また粉体層形成部20は全体が、図1の紙面上で左右方向(X方向)に移動可能に構成されている。
粉体層を形成する際には、先ず初めに、粉体層形成部20を図1の左端に移動させる。このとき、形成する粉体層の厚さに相当する分だけ、底面駆動部16を駆動して底面部14の位置を下方(マイナスのY方向)に下げておく。そして、粉体供給ローラ24を回転させて、伸展ローラ26の前方に粉体を供給しながら、粉体層形成部20を右方向(プラスのX方向)に移動させる。伸展ローラ26は、進行方向に対して逆回転させておく。こうすると、伸展ローラ26は、余分な粉体を進行方向に蹴り出すようにしながら移動することになり、その結果、後方には、均一な厚さを有する粉体層が形成される。このとき、粉体の供給速度は、形成する粉体層の厚さおよび粉体層形成部20の移動速度に応じて、適切な供給速度に制御されている。また、伸展ローラ26の回転速度は、粉体層形成部20の移動速度に応じて適切な回転速度に制御されている。こうすることで、余分な粉体を進行方向に蹴り出して、常に適量分ずつの粉体を伸展させることが可能となり、その結果、粉体を過度に踏み固めてしまうことを回避することが可能となる。
また、図1に示されるように、本実施例の粉体層形成部20には、吸引ポンプ28も搭載されている。吸引ポンプ28は、本体と吸引ホースとから構成されており、吸引ホースの先端部は、伸展ローラ26によって形成された粉体層の直ぐ上方に設けられている。また、吸引ポンプ28の本体は、粉体層形成部20とともに左右方向(X方向)にのみ移動可能であるが、吸引ホースの先端部は、紙面に直角方向(Y方向)にも移動することが可能に構成されている。そして、制御部44からの制御によって、吸引ホースの先端部を移動させて粉体を吸引することにより、伸展ローラ26が形成した粉体層を部分的に除去することが可能となっている。
結合液供給部30は、粉体層に向けて結合液を供給する結合液供給ヘッド32と、結合液を収容しておく結合液収容部34などから構成されている。また、本実施例の結合液供給部30には、後述する硬化液を供給する硬化液供給ヘッド36と、硬化液を収容しておく硬化液収容部38も搭載されている。本実施例の結合液供給ヘッド32および硬化液供給ヘッド36には、いわゆるピエゾ駆動方式の液滴吐出ヘッドが採用されている。ピエゾ駆動方式の液滴吐出ヘッドは、微細なノズル穴が設けられた圧力室を液体で満たしておき、ピエゾ素子を用いて圧力室の側壁を撓ませることによって、圧力室の容積減少分に相当する体積の液体を液滴として吐出することが可能である。本実施例の結合液供給部30では、結合液収容部34に収容された結合液を、結合液供給ヘッド32の圧力室に導いてピエゾ素子を駆動することにより、結合液を液滴状にして吐出することが可能となっている。同様に、硬化液供給ヘッド36からは、硬化液収容部38に収容された硬化液を液滴状にして吐出することが可能となっている。
ここで結合液としては、モノマーと、モノマーが結合したオリゴマーとを主成分とする液体の樹脂材料が用いられている。また、結合液供給ヘッド32から液滴として吐出可能な程度の低粘度となるように、結合液のモノマーは比較低分子量のモノマーが選択されており、更に1つのオリゴマーに含まれるモノマーの分子数も数分子程度に調整されている。そして、結合液は、それ単独では安定であるため、結合液収容部34や結合液供給ヘッド32の内部で硬化することなく、液滴として吐出することができるが、重合開始剤に接触すると、モノマーが互いに重合してオリゴマーに成長し、またオリゴマー同士もところどころで重合して、比較的速やかに硬化して固体となる性質を有している。本実施例の三次元造形装置100では、粉体の表面に重合開始剤がコーティングされており、粉体層に結合液の液滴を供給すると、結合液が粉体層の内部に浸透するとともに、粉体表面の重合開始剤に接触して速やかに硬化する。その結果、結合液が吐出された部分では、粉体同士が硬化した結合液によって結合された状態となる。
一方、硬化液は、重合開始剤と若干の溶媒とを主成分とする液体が用いられている。従って、硬化液と結合液とを同時に(あるいは別々に)供給すると、硬化液に含まれる重合開始剤によって、結合液のモノマーおよびオリゴマーが重合を開始して、結合液(正確には結合液と硬化液との混合物)を硬化させることができる。
また、結合液供給部30は、制御部44の制御の元で、粉体層形成部20とは独立して、X方向(図1の紙面上で左右方向)およびY方向(図1の紙面に垂直方向)に移動させることが可能となっている。
B.本実施例の三次元物体の造形方法:
以上に示した構成を有する本実施例の三次元造形装置100は、造形しようとする三次元物体の一部に透明な部分が含まれている場合に、その透明な部分を高い透明度で(あるいは正確な屈折率を付与して)形成することが可能である。以下では、本実施例の三次元造形装置100が、透明な部分を有する三次元物体を造形する方法について説明する。
図1を用いて前述したように、三次元物体を造形するに際しては、造形しようとする物体の三次元形状データを予め記憶しておく必要がある。そして、三次元物体を複数の断面で層状に切断して得られる断面データを、各層について生成する。
図2は、造形しようとする三次元物体の形状データから、各断面での断面データを生成する様子を概念的に示した説明図である。図2(a)は、三次元物体の形状データを概念的に表したものであり、図2(b)は、三次元物体を層状に切断して得られた断面データを概念的に表している。図2(a)に示されているように、造形しようとする三次元物体は、中央部が若干絞られた茶筒形状をしており、茶筒形状の上面および下面の中央には丸い大きな窓が形成されている。そして、茶筒形状の内部には、中央部の若干絞られた部分に、レンズ形状の透明な部分が設けられている。また、レンズ形状の部分以外は不透明になっている。
このような三次元物体を上面(あるいは下面)に平行な複数の断面で層状に切断すると、図2(b)に示すような断面データを得ることができる。断面を取る間隔(換言すれば、それぞれの層の厚さ)は必ずしも等間隔である必要はないが、ここでは等間隔であるものとする。尚、図2(b)では、図示が煩雑となることを避けるために、断面を適宜間引いた状態で表示されている。図2(a)を用いて上述したように三次元物体には、透明な部分が設けられているから、断面を取る位置によって透明な部分が現れる。図2(b)では、断面データの不透明な部分を、細かい斜線を付すことによって表しており、透明な部分を、粗い斜線を付すことによって表している。本実施例の断面データ生成部42は、このようにして、三次元物体の形状データから各断面での断面データを生成し、そして生成した断面データを、一層分ずつ制御部44に供給する。すると制御部44は、断面データを受け取ると、以下のようにして、造形部10内に三次元物体の断面を一層分ずつ形成していく。
図3は、透明部分が含まれていない位置(例えば、図2(b)に示した断面位置A)での三次元物体の断面を、断面データに従って形成する様子を概念的に示した説明図である。透明部分が含まれていない断面位置では、粉体層形成部20を紙面上で左から右方向(プラスのX方向)に移動させることによって、粉体層を形成していく。すなわち、粉体供給ローラ24を回転させてホッパー22内の粉体を一定速度で供給し、伸展ローラ26を進行方向とは逆方向に回転させて、余分な粉体を前方に蹴り出すようにしながら、適量の粉体を伸展ローラ26で均一な厚さに押し伸ばすことによって粉体層を形成する。また、断面データで不透明部分と指定されている箇所では、結合液供給ヘッド32から結合液を吐出して粉体層の粉体を互いに結合させることにより、三次元物体の断面を形成する。図3では、結合液が吐出されて粉体が互いに結合した部分を、細かい斜線を付して表している。
結合液供給ヘッド32から結合液を吐出するか否かは、断面データ生成部42から供給される断面データに基づいて容易に判断することができる。例えば、図3(a)に例示したように、形成すべき断面の存在しない位置に結合液供給ヘッド32がある場合には、結合液を吐出しない。また、図3(b)に例示したように、形成すべき断面が存在する位置に結合液供給ヘッド32がある場合には、粉体層に向かって結合液を吐出する。形成すべき断面が存在するか否かは、断面データ生成部42から受け取った断面データに基づいて直ちに判断することができる。また、図3(b)に示すように、結合液が吐出されて断面が形成された上に粉体層が形成され、その粉体層に結合液を吐出すると、結合液は粉体層の中に染み込んで行き、先に形成された断面に到達して硬化するので、新たに形成された断面が下側の先に形成された断面と一体に結合される。このように、三次元物体の透明な部分を含まない箇所については、粉体層を形成して、断面データに従って結合液を吐出することにより、粉体同士を結合させた断面を積層していく。
一方、断面データ生成部42から受け取った断面データに透明部分が含まれていた場合(例えば、図2(b)に示した断面位置Bでの断面データの場合)には、次のようにして、三次元物体の断面を形成する。
図4は、透明部分が含まれている位置での三次元物体の断面を、断面データに従って形成する様子を概念的に示した説明図である。透明部分を含んだ断面を形成する場合でも、粉体層形成部20を紙面上で左から右方向(プラスのX方向)に移動させることによって、一旦は粉体層を形成する。しかし、断面データで透明部分と指定されている箇所については、吸引ポンプ28を用いて粉体を吸引することにより、粉体層を除去してしまう。
図4(a)には、粉体層を形成した後、吸引ポンプ28を用いて粉体を吸引することにより、粉体層を除去している様子が概念的に示されている。次いで、粉体層を除去した部分には、硬化液供給ヘッド36から硬化液を吐出し、結合液供給ヘッド32からは結合液を吐出する。図4(b)には、粉体層を除去した箇所に、硬化液供給ヘッド36から硬化液を吐出するとともに、結合液供給ヘッド32からは結合液を吐出している様子が概念的に示されている。前述したように、硬化液には重合開始剤が含まれているので、吐出された結合液は重合して、その結果、結合液と硬化液との混合物が硬化した透明な固体層が形成される。図4では、このようにして粉体を用いずに、結合液および硬化液によって形成された透明な部分を、粗い斜線を付して表している。一方、不透明な断面を形成する部分については、図3を用いて説明した方法と同様にして結合液を吐出することにより、粉体同士を結合させて断面を形成する。断面データ生成部42から受け取った断面データに透明部分が含まれている場合には、このようにして透明部分の粉体層を除去した後、その部分には硬化液と結合液とを吐出して硬化させ、不透明な部分については結合液を吐出して粉体を結合させることによって断面を形成する。こうして形成した断面を積層することによって、透明な部分は粉体を用いずに三次元物体を造形することが可能となる。
そして、断面データ生成部42で生成した全ての断面データについて、断面を形成して積層し終えたら、造形部10に積層された粉体層の中から造形物を取り出してやる。すると、結合液によって結合されていない粉体はこぼれ落ちてしまうので、粉体による断面を積層して形成された三次元物体(例えば、図3(a)に示すような物体)を得ることができる。また、透明部分の表面が平滑でない場合には、必要に応じて表面を研磨してやればよい。こうして得られた三次元物体は、透明な部分は粉体を用いず、結合液および硬化液のみを用いて造形されているので、十分な透明度を確保することが可能であり、また正確な屈折率を実現することが可能となる。
もちろん、前述したように粉体には種々の材質の粉体を用いることが可能であり、透明な粉体を用いれば、透明な造形物を得ることも可能である。しかし、如何に透明な粉体を用いたとしても、あるいは粉体と結合液との組合せを調整しても、実現可能な透明度には限界があり、また、正確な屈折率を有する造形物を得ることはできなかった。以下では、この理由について説明する。
図5は、粉体同士が結合液によって結合している様子を概念的に示した説明図である。言うまでもなく、粉体層を形成している粉体は固体であり、粉体同士の間には隙間があるから、粉体層に結合液を供給すると、結合液は粉体間の隙間に染み込んでいく。そして、予め粉体の表面に塗布されていた重合開始剤と接触すると、結合液は重合して硬化し、その結果、粉体は硬化した結合液によって一体に結合される。しかし、個々の粉体と硬化した結合液との間には、境界面が残ってしまう。また、図5では、粉体が球形であるものとして表しているが、当然ながら粉体は球形ではなく複雑な表面形状を有している。このため、たとえ粉体および硬化した結合液の何れも透明であったとしても、粉体と結合液との境界面で光が乱反射するために白みを帯びてしまい、高い透明度を確保することは困難である。また、境界面で光が乱反射するために、正確な屈折率を実現することも困難である。図5では、粉体と結合液との境界面で光が反射する様子が、破線の矢印によって模式的に表されている。
もちろん、粉体の材質と結合液との組合せを調整することで境界面を目立たなくすることは可能であり、これにより透明度を向上させることも可能である。しかし、境界面を完全に無くすことは不可能であり、加えて、造形物の内部には無数の境界面が存在しているため、透明度の向上にも限界がある。また、内部に無数の境界面が存在している以上、正確な屈折率を得ることも困難である。
これに対して、本実施例の三次元造形装置100では、硬化液と結合液とを混合することによって硬化させている。硬化液も結合液も液体であるため、明確な境界は発生せず、従って造形物の内部で光が乱反射することもない。このため、光学部品としても使用できる程度の十分な透明度を実現することが可能となる。また、結合液および、場合によっては硬化液を適切に選択することで、造形物に所望の屈折率を付与することも可能となる。
C.変形例:
上述した本実施例の三次元造形装置100には、種々の変形例が存在している。以下では、これら変形例について簡単に説明する。
C−1.第1の変形例:
上述した実施例では、粉体層を形成後、透明な部分の粉体層を除去した後、結合液、あるいは硬化液を吐出して、三次元物体の断面を形成するものとして説明した。しかし、粉体層を形成後、透明な部分の粉体層を除去する前に、除去しようとする部分の周囲に結合液を吐出して粉体を固めた後、透明部分の粉体層を除去することとしても良い。
図6には、こうした第1の変形例の方法によって、透明部分を含んだ断面を形成する様子が示されている。前述した図4と同様に、粗い斜線を付した部分は三次元物体の透明な部分を表しており、細かい斜線を付した部分は不透明な部分を表している。第1の変形例においても、先ず初めは粉体層形成部20および結合液供給部30をプラスのX方向に移動させながら粉体層を形成する。しかし、透明部分の粉体層を除去する前に、結合液を吐出して不透明部分の粉体を結合させる。また、このとき、透明部分の周囲にも結合液を吐出して粉体を結合させておく。図6(a)は、粉体層形成部20および結合液供給部30をプラスのX方向に移動させながら粉体層を形成するとともに、結合液を吐出して粉体を結合させている様子を表している。
こうして結合液を吐出して粉体層を結合したら、粉体層形成部20および結合液供給部30をマイナスのX方向に移動させて初期位置に戻した後、再びプラスのX方向に移動させる。図6(b)には、結合液を吐出して硬化させた粉体層の上を、再びプラスのX方向に、粉体層形成部20および結合液供給部30を移動させている様子を表している。そして、2回目に移動する際には、吸引ポンプ28を作動させて透明部分の粉体層を除去するとともに、粉体層を除去した部分に、結合液供給ヘッド32および硬化液供給ヘッド36からそれぞれ結合液および硬化液を吐出して、結合液および硬化液の混合物による透明な硬化層を形成する。図6(c)には、透明部分の粉体層を吸引ポンプ28によって除去するとともに、結合液供給ヘッド32および硬化液供給ヘッド36から結合液および硬化液を吐出して、透明な硬化層を形成している様子が概念的に示されている。
尚、粉体層を形成した上を、粉体層形成部20を移動させる場合には、粉体層の形成時とは伸展ローラ26を逆方向に回転させながら移動させても良い。例えば、図6(a)では、粉体層を形成しながら移動しているので、伸展ローラ26は移動方向とは逆方向(図面上では反時計方向)に回転させながら移動させるのに対して、粉体層が形成された上を移動する場合には、図6(b)あるいは図(c)に示すように、移動方向と順方向(図面上では時計方向)に伸展ローラ26を回転させながら移動させても良い。このとき、伸展ローラ26は自由に回転するようにしても良いし、あるいは、伸展ローラ26の表面と粉体層との間に速度差が生じないように、粉体層形成部20の移動速度に合わせて伸展ローラ26を回転させても良い。こうすれば、既に形成した粉体層の表面を、伸展ローラ26によって荒らす虞がなく、逆に伸展ローラ26で再度整えることにより、厚さが均一でな滑らかな表面の粉体層を得ることが可能となる。
以上のような第1の変形例の方法によっても、三次元物体の透明な部分は、粉体を用いずに結合液および硬化液を硬化させて形成することが出来るので、透明な部分に高い透明度を付与することが可能となり、また、結合液や硬化液などを適切に選択することで、正確な屈折率を付与することも可能となる。加えて、第1の変形例においては、透明部分の周囲を結合液で硬化させてから粉体層を除去しているので、透明部分の輪郭近傍でも粉体を完全に除去することができる。その結果、透明部分の全範囲に亘って、高い透明度を確保することが可能となり、また正確な屈折率を付与することも可能となる。
C−2.第2の変形例:
上述した実施例では、重合開始剤と接触することによって重合する結合液を用いるものとして説明したが、いわゆる光硬化樹脂を主成分とする結合液を用いることも可能である。尚、以下では、光硬化樹脂を主成分とする結合液を、光硬化液と称するものとする。光硬化液も、前述した結合液と同様に、モノマーや、数個のモノマーが重合したオリゴマーを主成分とするが、光硬化液のモノマーやオリゴマーは、特定の波長の光(代表的には紫外光)が照射されると重合を開始するようになっている。結合液の代わりに光硬化液を用いれば、結合液および硬化液の2種類の液体の代わりに、光硬化液を用いて透明部分を造形することが可能となる。
図7は、第2の変形例によって三次元物体を造形する様子を概念的に示した説明図である。第2の変形例では、結合液供給ヘッド32や硬化液供給ヘッド36、結合液収容部34、硬化液収容部38は搭載されておらず、その代わりに、光硬化液を吐出する光硬化液吐出ヘッド33、光硬化液を収容する光硬化液収容部35、および光硬化液を硬化させるために紫外光を照射する光照射部50が搭載されている。第2の変形例においても、三次元物体の断面を形成するにあたっては、先ず初めに粉体層を形成する。そして、不透明な断面部分には光硬化液吐出ヘッド33から光硬化液を吐出する。すると、吐出された光硬化液は粉体層の粉体と粉体との間に染み込んでいくので、そこに光照射部50を用いて紫外光を照射して光硬化液を硬化させ、粉体同士を結合させる。図7(a)には、透明部分の粉体層を除去するとともに、不透明部分には光硬化液を吐出して、そこに紫外光を照射する様子が概念的に示されている。
次いで、粉体層を除去した部分に光硬化液吐出ヘッド33を移動させ、光硬化液を吐出して、そこに紫外光を照射して、光硬化液を硬化させる。図7(b)には、粉体層を除去した部分に光硬化液を吐出し、光硬化液による硬化層を形成している様子が概念的に示されている。こうすることにより、三次元物体の透明部分を、光硬化液のみを用いて造形することが可能となる。また、透明部分は単一の光硬化液のみを用いて形成することができるため、結合液および硬化液を混合して形成した透明部分よりも、より一層均一で且つ透明に造形することが可能となる。更に加えて、吐出する液体も光硬化液のみで良いので、液滴を吐出する機構も簡素なものとすることが可能となる。
以上、本実施例の三次元造形装置100について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
例えば、上述した実施例では、三次元物体の内部に透明な部分が設けられているものとして説明したが、透明な部分は必ずしも物体の内部に設けられている必要はなく、例えば、物体の表面に透明な部分が設けられているようにしても良い。このような場合でも、物体表面を、粉体を用いずに形成しておけば、粉体を用いて形成するよりも均質に且つ緻密に形成することができるので、表面が綺麗に仕上がった高級感のある三次元物体を造形することが可能となる。
本実施例の三次元造形装置の大まかな構成を示した説明図である。 造形しようとする三次元物体の形状データから各断面での断面データを生成する様子を示した説明図である。 透明部分が含まれていない位置での断面部材を断面データに従って形成する様子を示した説明図である。 透明部分が含まれている位置での断面部材を断面データに従って形成する様子を示した説明図である。 粉体同士が結合液によって結合している様子を示した説明図である。 第1の変形例の方法によって透明部分を含んだ断面部材を形成する様子を示した説明図である。 第2の変形例によって透明部分を含んだ断面部材を形成する様子を示した説明図である。
符号の説明
10…造形部、 12…枠体、 14…底面部、 16…底面駆動部、
20…粉体層形成部、 22…ホッパー、 24…粉体供給ローラ、
26…伸展ローラ、 28…吸引ポンプ、 30…結合液供給部、
32…結合液供給ヘッド、 33…光硬化液吐出ヘッド、
34…結合液収容部、 35…光硬化液収容部、 36…硬化液供給ヘッド、
38…硬化液収容部、 40…演算処理部、 42…断面データ生成部、
44…制御部、 50…光照射部、 100…三次元造形装置

Claims (6)

  1. 粉体を結合液で互いに結合させることによって、三次元物体を造形する三次元造形装置であって、
    透明な部分を有する三次元物体の形状データを記憶している形状データ記憶手段と、
    前記三次元物体を複数の断面で層状に切断したときに各層で得られる断面データを生成する断面データ生成手段と、
    前記粉体を略均一な厚さに敷き詰めて粉体層を形成するとともに、前記結合液を前記断面データに従って該粉体層に供給することにより、前記三次元物体の一層分の断面形状に相当する断面部材を形成する断面部材形成手段と、
    前記断面部材が形成された粉体層の上に新たな粉体層を形成し、該新たな粉体層に前記断面データに従って前記結合液を供給することによって、新たな断面部材を形成するとともに該新たな断面部材を先に形成された断面部材の上に順次積層することで、前記三次元物体を造形する三次元物体造形手段と
    を備え、
    前記断面部材形成手段は、前記断面部材を形成するに際して、前記断面データに基づいて透明と判断された部分については、前記粉体層の代わりに、前記結合液と該結合液を硬化させる硬化液とを供給して該結合液を硬化させることにより、該断面部材を形成する手段である三次元造形装置。
  2. 請求項1に記載の三次元造形装置であって、
    前記断面部材形成手段は、前記粉体層を形成後、前記断面データに基づいて透明と判断された部分に形成された粉体層を除去した後、該除去した部分に前記結合液および前記硬化液を供給することによって、前記断面部材を形成する手段である三次元造形装置。
  3. 請求項2に記載の三次元造形装置であって、
    前記断面部材形成手段は、前記断面データに基づいて透明と判断された部分の前記粉体層を除去するに先立って、除去する部分の周囲に前記結合液を供給した後、該粉体層を除去する手段である三次元造形装置。
  4. 粉体による造形物に、光が照射されることによって硬化する光硬化液を供給した後、光を照射して粉体同士を互いに結合させることにより、三次元物体を造形する三次元造形装置であって、
    透明な部分を有する三次元物体の形状データを記憶している形状データ記憶手段と、
    前記三次元物体を複数の断面で層状に切断したときに各層で得られる断面データを生成する断面データ生成手段と、
    前記粉体を略均一な厚さに敷き詰めて粉体層を形成するとともに、前記光硬化液を前記断面データに従って該粉体層に供給した後、光を照射して硬化させることにより、前記三次元物体の一層分の断面形状に相当する断面部材を形成する断面部材形成手段と、
    前記断面部材が形成された粉体層の上に新たな粉体層を形成し、該新たな粉体層に前記断面データに従って前記光硬化液を供給して硬化させることによって、新たな断面部材を形成するとともに該新たな断面部材を先に形成された断面部材の上に順次積層することで、前記三次元物体を造形する三次元物体造形手段と
    を備え、
    前記断面部材形成手段は、前記断面部材を形成するに際して、前記断面データに基づいて透明と判断された部分については、前記粉体層の代わりに前記光硬化液を供給して、該光硬化液に光を照射して硬化させることによって、該断面部材を形成する手段である三次元造形装置。
  5. 粉体を結合液で互いに結合させることによって、三次元物体を造形する三次元造形方法であって、
    透明な部分を有する三次元物体の形状データを記憶している形状データ記憶工程と、
    前記三次元物体を複数の断面で層状に切断したときに各層で得られる断面データを生成する断面データ生成工程と、
    前記粉体を略均一な厚さに敷き詰めて粉体層を形成するとともに、前記結合液を前記断面データに従って該粉体層に供給することにより、前記三次元物体の一層分の断面形状に相当する断面部材を形成する断面部材形成工程と、
    前記断面部材が形成された粉体層の上に新たな粉体層を形成し、該新たな粉体層に前記断面データに従って前記結合液を供給することによって、新たな断面部材を形成するとともに該新たな断面部材を先に形成された断面部材の上に順次積層することで、前記三次元物体を造形する三次元物体造形工程と
    を備え、
    前記断面部材形成工程は、前記断面部材を形成するに際して、前記断面データに基づいて透明と判断された部分については、前記粉体層の代わりに、前記結合液と該結合液を硬化させる硬化液とを供給して該結合液を硬化させることにより、該断面部材を形成する工程である三次元造形方法。
  6. 粉体による造形物に、光が照射されることによって硬化する光硬化液を供給した後、光を照射して粉体同士を互いに結合させることにより、三次元物体を造形する三次元造形方法であって、
    透明な部分を有する三次元物体の形状データを記憶している形状データ記憶工程と、
    前記三次元物体を複数の断面で層状に切断したときに各層で得られる断面データを生成する断面データ生成工程と、
    前記粉体を略均一な厚さに敷き詰めて粉体層を形成するとともに、前記光硬化液を前記断面データに従って該粉体層に供給した後、光を照射して硬化させることにより、前記三次元物体の一層分の断面形状に相当する断面部材を形成する断面部材形成工程と、
    前記断面部材が形成された粉体層の上に新たな粉体層を形成し、該新たな粉体層に前記断面データに従って前記光硬化液を供給して硬化させることによって、新たな断面部材を形成するとともに該新たな断面部材を先に形成された断面部材の上に順次積層することで、前記三次元物体を造形する三次元物体造形工程と
    を備え、
    前記断面部材形成工程は、前記断面部材を形成するに際して、前記断面データに基づいて透明と判断された部分については、前記粉体層の代わりに前記光硬化液を供給して、該光硬化液に光を照射して硬化させることによって、該断面部材を形成する工程である三次元造形方法。
JP2007152429A 2007-06-08 2007-06-08 三次元造形装置、および三次元造形方法 Expired - Fee Related JP4888236B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007152429A JP4888236B2 (ja) 2007-06-08 2007-06-08 三次元造形装置、および三次元造形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007152429A JP4888236B2 (ja) 2007-06-08 2007-06-08 三次元造形装置、および三次元造形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008302607A true JP2008302607A (ja) 2008-12-18
JP4888236B2 JP4888236B2 (ja) 2012-02-29

Family

ID=40231730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007152429A Expired - Fee Related JP4888236B2 (ja) 2007-06-08 2007-06-08 三次元造形装置、および三次元造形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4888236B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012030389A (ja) * 2010-07-28 2012-02-16 Seiko Epson Corp 造形方法
JP2014088046A (ja) * 2014-02-06 2014-05-15 Seiko Epson Corp 造形方法
JP2014529523A (ja) * 2011-08-26 2014-11-13 ディジタル メタル アーベー 多材料から構成される自由造形可能な微細部品の積層造形法
JP2015093433A (ja) * 2013-11-12 2015-05-18 セイコーエプソン株式会社 三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2017524579A (ja) * 2014-05-04 2017-08-31 エオプレックス・リミテッドEoplex Limited 複数素材三次元プリンタ
US20180126649A1 (en) 2016-11-07 2018-05-10 Velo3D, Inc. Gas flow in three-dimensional printing
CN108436082A (zh) * 2014-06-20 2018-08-24 维洛3D公司 用于三维打印的设备、系统和方法
US10272525B1 (en) 2017-12-27 2019-04-30 Velo3D, Inc. Three-dimensional printing systems and methods of their use
US10286452B2 (en) 2016-06-29 2019-05-14 Velo3D, Inc. Three-dimensional printing and three-dimensional printers
US10286603B2 (en) 2015-12-10 2019-05-14 Velo3D, Inc. Skillful three-dimensional printing
US10315252B2 (en) 2017-03-02 2019-06-11 Velo3D, Inc. Three-dimensional printing of three-dimensional objects
US10357957B2 (en) 2015-11-06 2019-07-23 Velo3D, Inc. Adept three-dimensional printing
US10434573B2 (en) 2016-02-18 2019-10-08 Velo3D, Inc. Accurate three-dimensional printing
US10449696B2 (en) 2017-03-28 2019-10-22 Velo3D, Inc. Material manipulation in three-dimensional printing
US10611092B2 (en) 2017-01-05 2020-04-07 Velo3D, Inc. Optics in three-dimensional printing
US11691343B2 (en) 2016-06-29 2023-07-04 Velo3D, Inc. Three-dimensional printing and three-dimensional printers

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012030389A (ja) * 2010-07-28 2012-02-16 Seiko Epson Corp 造形方法
JP2014529523A (ja) * 2011-08-26 2014-11-13 ディジタル メタル アーベー 多材料から構成される自由造形可能な微細部品の積層造形法
WO2015072134A1 (en) * 2013-11-12 2015-05-21 Seiko Epson Corporation Manufacturing method of three-dimensional structure and three-dimensional structure
JP2015093433A (ja) * 2013-11-12 2015-05-18 セイコーエプソン株式会社 三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2014088046A (ja) * 2014-02-06 2014-05-15 Seiko Epson Corp 造形方法
JP2017524579A (ja) * 2014-05-04 2017-08-31 エオプレックス・リミテッドEoplex Limited 複数素材三次元プリンタ
US10493564B2 (en) 2014-06-20 2019-12-03 Velo3D, Inc. Apparatuses, systems and methods for three-dimensional printing
US10507549B2 (en) 2014-06-20 2019-12-17 Velo3D, Inc. Apparatuses, systems and methods for three-dimensional printing
CN108436082A (zh) * 2014-06-20 2018-08-24 维洛3D公司 用于三维打印的设备、系统和方法
JP2018150624A (ja) * 2014-06-20 2018-09-27 ヴェロ・スリー・ディー・インコーポレイテッド 3次元印刷のための装置、システム、および、方法
US10357957B2 (en) 2015-11-06 2019-07-23 Velo3D, Inc. Adept three-dimensional printing
US10286603B2 (en) 2015-12-10 2019-05-14 Velo3D, Inc. Skillful three-dimensional printing
US10688722B2 (en) 2015-12-10 2020-06-23 Velo3D, Inc. Skillful three-dimensional printing
US10434573B2 (en) 2016-02-18 2019-10-08 Velo3D, Inc. Accurate three-dimensional printing
US10286452B2 (en) 2016-06-29 2019-05-14 Velo3D, Inc. Three-dimensional printing and three-dimensional printers
US11691343B2 (en) 2016-06-29 2023-07-04 Velo3D, Inc. Three-dimensional printing and three-dimensional printers
US10661341B2 (en) 2016-11-07 2020-05-26 Velo3D, Inc. Gas flow in three-dimensional printing
US20180126649A1 (en) 2016-11-07 2018-05-10 Velo3D, Inc. Gas flow in three-dimensional printing
US10611092B2 (en) 2017-01-05 2020-04-07 Velo3D, Inc. Optics in three-dimensional printing
US10315252B2 (en) 2017-03-02 2019-06-11 Velo3D, Inc. Three-dimensional printing of three-dimensional objects
US10442003B2 (en) 2017-03-02 2019-10-15 Velo3D, Inc. Three-dimensional printing of three-dimensional objects
US10369629B2 (en) 2017-03-02 2019-08-06 Veo3D, Inc. Three-dimensional printing of three-dimensional objects
US10357829B2 (en) 2017-03-02 2019-07-23 Velo3D, Inc. Three-dimensional printing of three-dimensional objects
US10888925B2 (en) 2017-03-02 2021-01-12 Velo3D, Inc. Three-dimensional printing of three-dimensional objects
US10449696B2 (en) 2017-03-28 2019-10-22 Velo3D, Inc. Material manipulation in three-dimensional printing
US10272525B1 (en) 2017-12-27 2019-04-30 Velo3D, Inc. Three-dimensional printing systems and methods of their use

Also Published As

Publication number Publication date
JP4888236B2 (ja) 2012-02-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4888236B2 (ja) 三次元造形装置、および三次元造形方法
JP5272519B2 (ja) 三次元造形装置、および三次元造形方法
JP5830327B2 (ja) 三次元造形装置、三次元造形方法、三次元造形装置用の設定データ作成装置、三次元造形装置用の設定データ作成プログラム並びにコンピュータで読み取り可能な記録媒体
JP4888257B2 (ja) 三次元造形装置、および三次元造形方法
KR102162854B1 (ko) 3d 인쇄 디바이스를 사용하여 대상물을 생산하는 방법 및 디바이스
US10486364B2 (en) System and method for forming integrated interfaces within a three-dimensionally printed object with different build materials
CN104842565A (zh) 一种快速液体界面3d打印系统
JP2009107244A (ja) 三次元造形装置、三次元造形方法
CN107303728A (zh) 使用制好的支撑物的优化的三维打印
US20160257072A1 (en) Three-dimensionally shaped article production apparatus and three-dimensionally shaped article
US20170165931A1 (en) Method for manufacturing a lens structure
WO2015190168A1 (ja) 三次元造形装置および三次元造形方法
JP2013067118A (ja) 三次元造形装置、三次元造形方法、三次元造形装置用の設定データ作成装置、三次元造形装置用の設定データ作成プログラム並びにコンピュータで読み取り可能な記録媒体
WO2016103973A1 (ja) 三次元造形装置、三次元造形方法および造形材
WO2007023724A1 (ja) 光造形装置および光造形方法
JP3155110B2 (ja) 三次元形状の形成方法
JP4161590B2 (ja) マイクロレンズの製造方法、マイクロレンズ、光学膜、プロジェクション用スクリーン、及びプロジェクターシステム
JP2009101651A (ja) 三次元造形装置、および三次元造形方法
JP2016055603A (ja) 三次元造形方法および三次元造形装置
JP2021066026A (ja) 印刷方法および印刷装置
JP4923159B2 (ja) 光造形装置
JP2009039891A (ja) 三次元造形装置、および三次元造形方法
CN109203468A (zh) 一种快速光固化3d打印装置
JP2012066594A (ja) 三次元造形装置、および三次元造形方法
JP6597225B2 (ja) 立体物造形装置、立体物造形方法、及び、立体物造形装置の制御プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111115

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4888236

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees