JP2005319355A - 液滴吐出方法、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法 - Google Patents

液滴吐出方法、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 複数の液滴吐出ヘッドを用いた場合でも、歩留まりの向上、ランニングコストの低減、生産性の向上を図ることのできる液滴吐出方法、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 所定のビットマップに基づいて複数の液滴吐出ヘッドの各ノズルから液滴を吐出してワークに所定のパターンを描画する液滴吐出方法において、複数の液滴吐出ヘッドの各々について寿命を監視し(ステップST9)、複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときには、別のビットマップを作成し(ステップST5)、寿命に達した液滴吐出ヘッドを除く使用可能液滴吐出ヘッドによってパターンの描画を行う(ステップST7)。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ヘッドのノズルから液滴を吐出することによりワークに所定のパターンを描画する液滴吐出方法、液滴吐出装置、および電気光学装置の製造方法に関するものである。
液滴吐出ヘッドから液状体を吐出して基板などのワーク上の所定位置に所定量の液状体(液状体)をドット状に配置して所定のパターンを描画する液滴吐出装置が考え出されている。この場合、1つのヘッドユニットに複数の液滴吐出ヘッドを搭載することにより、基板上の大面積に対して液滴を滴下して所要時間の短縮、および滴下位置の微細化(高解像度化)などを図った液滴吐出装置も考え出されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−159786号公報
液滴吐出装置において、複数の液滴吐出ヘッドを用いた場合、液滴吐出ヘッドの各々では、配置位置の違いなどにより使用頻度が異なり、複数の液滴吐出ヘッドの一部のみが寿命に到達し、吐出不良を起こすことがある。しかしながら、従来は、液滴の吐出不良が生じたか否かをワークに対する液滴の着弾位置を観測して判断しているので、複数の液滴吐出ヘッドの一部でも寿命に到達して吐出不良を起こすと、歩留まりが低下してしまうという問題点がある。
また、従来の液滴吐出装置では、1つの液滴吐出ヘッドが吐出不良となった場合、ヘッドユニットにおいて全ての液滴吐出ヘッドを新たなものに交換するという運用が行われているため、ヘッドの交換が頻繁に行われている。それ故、ランニングコストが嵩むとともに、生産性が低いという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、複数の液滴吐出ヘッドを用いた場合でも、歩留まりの向上、ランニングコストの低減、生産性の向上を図ることのできる液滴吐出方法、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解消するために、本発明では、所定のビットマップに基づいて複数の液滴吐出ヘッドの各ノズルから液滴を吐出してワークに所定のパターンを描画する液滴吐出方法において、前記複数の液滴吐出ヘッドの各々について寿命を監視し、前記複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときには、別のビットマップに基づいて、前記寿命に達した液滴吐出ヘッドを除く使用可能液滴吐出ヘッドによって前記パターンの描画を行うことを特徴とする。
本発明では、複数の液滴吐出ヘッドを用いているため、配置位置などにより液滴吐出ヘッドの使用頻度が異なり、複数の液滴吐出ヘッドの一部のみが寿命に到達し、吐出不良を起こすことがあるが、複数の液滴吐出ヘッドの各々について寿命を監視し、寿命に到達した液滴吐出ヘッドについては、使用を停止する。従って、寿命に到達した液滴吐出ヘッドでの吐出不良が原因でワークの歩留まりが低下することを防止できる。また、複数の液滴吐出ヘッドの各々について寿命を監視するので、寿命に到達した液滴吐出ヘッドのみを交換することもできる。さらに、本発明では、本発明では、寿命に到達した液滴吐出ヘッドに使用を停止する一方、別のビットマップに基づいて、残りの使用可能液滴吐出ヘッドでパターンの描画を行う。従って、寿命に到達した液滴吐出ヘッドが発生した場合でも、パターンの描画を継続することができるので、ワークの生産性を向上することができる。
本発明において、前記複数の液滴吐出ヘッドの各々について寿命を監視するにあたっては、前記複数の液滴吐出ヘッドの各々について動作履歴を監視し、当該動作履歴の監視結果に基づいて前記液滴吐出ヘッドが寿命に到達したか否かを判断することが好ましい。このように構成すれば、複数の液滴吐出ヘッドの各々に対して実態に対応した寿命の判定を行うことができる。すなわち、液滴吐出ヘッドの動作履歴によれば、液滴吐出ヘッドがどのような使用態様でどれだけ使用されてきたか正確に把握して管理することができ、かかる動作履歴に基づいて液滴吐出ヘッドが受けたダメージ量を算出できる、従って、液滴吐出ヘッドの寿命を一律に設定しておく場合と違って、使用状態が過酷で短期間のうちに寿命に達したものについても確実に検出できる。逆に、使用状態が緩くて寿命に達したものを使用不可としてしまうことも防止できる。
ここで、前記動作履歴は、前記液滴吐出ヘッドにおいて液滴が吐出された回数の積算値であるショット数のデータ、前記液滴吐出ヘッドが使用された時間を積算した使用時間のデータ、前記液滴吐出ヘッドについての駆動電圧又は駆動電流波形を示すデータ、および前記液滴吐出ヘッドに供給される液状体の種類を示すデータのうちの少なくとも1つに基づくデータである。すなわち、ショット数が多くなるほど、液滴吐出ヘッドが受けている機械的ダメージが大きいと判断できる。また、使用時間が長いほど、液滴吐出ヘッドに供給されている液状体の化学変化などが大きくなり、液滴吐出ヘッドにおける化学的又は機械的なダメージが大きいと判断できる。上記ダメージ量は、液滴吐出ヘッドの駆動電圧又は駆動電流波形と液状体の種類とによっても変わってくるので、その駆動電圧又は駆動電流波形と液状体の種類とを考慮して前記寿命を判断することで、吐出不良となる直前の液滴吐出ヘッドを確実に見つけ出すことができる。
本発明において、別のビットマップについては予め形成しておき、メモリに記憶させておいてもよいが、前記複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときに、いずれの液滴吐出ヘッドに寿命が発生したかを示すヘッド情報に基づいて前記別のビットマップを作成し、当該別のビットマップに基づいて、前記使用可能液滴吐出ヘッドを動作させて前記パターンの描画を行ってもよい。
本発明において、前記複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときには、前記使用可能液滴吐出ヘッドの数を確認し、前記使用可能液滴吐出ヘッドの数が所定数以上のときには、当該使用可能液滴吐出ヘッドによって前記パターンを描画し続け、前記使用可能液滴吐出ヘッドの数が所定数を下回るときには、前記パターンの描画を停止して前記複数の液滴吐出ヘッドの全てを交換することが好ましい。このように構成すると、生産性を考慮したタイミングでパターンの描画を中断することができる。
本発明に係る液滴吐出方法は、電気光学装置の製造に利用できる。すなわち、有機EL装置、液晶表示装置またはプラズマ表示装置などの電気光学装置をなす基板に対して、所定の構成要素を液滴吐出方法で形成するるときに、吐出不良によってその基板が不良製品となることを、事前に回避することができる。それ故、画像の品位が高く、信頼性の高い電気光学装置を低コストで製造することができる。とりわけ、電気光学装置が大画面化すればするほど、大面積の基板を用いることになるので、その歩留まりの向上は、電気光学装置の低コスト化に大きく寄与することになる。
本発明に係る液滴吐出方法を実施するために、本発明では、液滴を吐出可能なノズルを備えた複数の液滴吐出ヘッドと、該複数の液滴吐出ヘッドとワークとを相対移動させる移動手段と、前記複数の液滴吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動に連動し、所定のビットマップに基づいて前記複数の液滴吐出ヘッドの各ノズルから液滴を吐出させて前記ワークに所定のパターンを描画するヘッド駆動手段とを有する液滴吐出装置において、前記複数の液滴吐出ヘッドの各々について寿命を監視するヘッド寿命監視手段と、前記複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときには、別のビットマップに基づいて、前記寿命に達した液滴吐出ヘッドを除く使用可能液滴吐出ヘッドによって前記パターンの描画を行わせるヘッド制御手段とを有することを特徴とする。
本発明において、前記ヘッド寿命監視手段は、前記複数の液滴吐出ヘッドの各々について寿命を監視するにあたっては、例えば、前記複数の液滴吐出ヘッドの各々について動作履歴を監視し、当該動作履歴の監視結果に基づいて前記液滴吐出ヘッドが寿命に到達したか否かを判断する。ここで、前記動作履歴は、例えば、前記液滴吐出ヘッドにおいて液滴が吐出された回数の積算値であるショット数のデータ、前記液滴吐出ヘッドが使用された時間を積算した使用時間のデータ、前記液滴吐出ヘッドについての駆動電圧又は駆動電流波形を示すデータ、および前記液滴吐出ヘッドに供給される液状体の種類を示すデータのうちの少なくとも1つに基づくデータである。
本発明において、前記ヘッド制御手段は、前記ビットマップを形成するビットマップ形成手段を有し、前記ヘッド寿命監視手段は、前記複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときには、いずれの液滴吐出ヘッドが寿命に到達したかを示すヘッド情報を前記ビットマップ形成手段に出力し、前記ビットマップ形成手段は、前記ヘッド情報に基づいて、前記使用可能液滴吐出ヘッドによって前記パターンの描画を行うための前記別のビットマップを形成する。
本発明において、前記ヘッド制御手段は、前記複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときには、前記使用可能液滴吐出ヘッドの数を確認し、前記使用可能液滴吐出ヘッドの数が所定数以上のときには、当該使用可能液滴吐出ヘッドによって前記パターンを描画し続けさせ、前記使用可能液滴吐出ヘッドの数が所定数を下回るときには、前記パターンの描画を停止することが好ましい。
図面を参照して、本発明の実施形態に係る液滴吐出方法および液滴吐出装置の一例を説明する。
(液滴吐出装置の全体構成)
本発明の実施形態に係る液滴吐出装置の全体構成について、図1および図2を参照して説明する。図1および図2は、本発明の実施形態に係る液滴吐出装置の全体構成を示す斜視図、およびこの液滴吐出装置の要部を示す部分斜視図である。
図1および図2において、液滴吐出装置10は、各種の液状体を基板などのワーク上の所望位置に液滴として吐出するものである。液滴吐出装置10は、液状体を各種ワーク上に液滴として吐出するノズルを備える複数の液滴吐出ヘッド22と、これらの液滴吐出ヘッド22を保持する共通のキャリッジ26とを有している。また、液滴吐出装置10は、液滴吐出ヘッド22の位置を制御するヘッド位置制御装置17と、ワークとしての基板12の位置を制御する基板位置制御装置18と、液滴吐出ヘッド22を基板12に対して主走査移動させる主走査駆動手段としての主走査駆動装置19と、液滴吐出ヘッド22を基板12に対して副走査移動させる副走査駆動手段としての副走査駆動装置21と、基板12を液滴吐出装置10内の所定の作業位置へ供給する基板供給装置23と、液滴吐出装置10の全般の制御を司るコントロール装置24とを有しており、ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、および副走査駆動装置21によって、液滴吐出ヘッド22(キャリッジ26)と基板12とを相対移動させる移動手段が構成されている。ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、および副走査駆動装置21はベース9の上に設置され、それらの各装置は必要に応じてカバー14によって覆われる。
図2に示すように、ヘッド位置制御装置17は、液滴吐出ヘッド22を面内回転させるαモータ44と、液滴吐出ヘッド22を副走査方向Yと平行な軸線回りに揺動回転させるβモータ46と、液滴吐出ヘッド22を主走査方向と平行な軸線回りに揺動回転させるγモータ47と、そして液滴吐出ヘッド22を上下方向へ平行移動させるZモータ48とを備えている。基板位置制御装置18は、基板12を載せるテーブル49と、そのテーブル49を矢印θのように面内回転させるθモータ51とを備えている。主走査駆動装置19は、主走査方向Xへ延びるXガイドレール52と、パルス駆動されるリニアモータを内蔵したXスライダ53とを備えている。Xスライダ53は、内蔵するリニアモータが作動するときにXガイドレール52に沿って主走査方向へ平行移動する。副走査駆動装置21は、副走査方向Yへ延びるYガイドレール54と、パルス駆動されるリニアモータを内蔵したYスライダ56とを備えている。Yスライダ56は、内蔵するリニアモータが作動するときにYガイドレール54に沿って副走査方向Yへ平行移動する。
Xスライダ53およびYスライダ56内においてパルス駆動されるリニアモータは、該モータに供給するパルス信号によって出力軸の回転角度制御を精細に行うことができ、従って、Xスライダ53に支持された液滴吐出ヘッド22の主走査方向X上の位置やテーブル49の副走査方向Y上の位置などを高精細に制御できる。なお、液滴吐出ヘッド22やテーブル49の位置制御は、パルスモータを用いた位置制御に限られず、サーボモータを用いたフィードバック制御や、その他任意の制御方法によって実現することもできる。
再び図1において、基板供給装置23は、基板12を収容する基板収容部57と、基板12を搬送するロボット58とを備えている。ロボット58は、床、地面などといった設置面に置かれる基台59と、基台59に対して昇降移動する昇降軸61と、昇降軸61を中心として回転する第1アーム62と、第1アーム62に対して回転する第2アーム63と、第2アーム63の先端下面に設けられた吸着パッド64とを備えており、吸着パッド64は、空気吸引などによって基板12を吸着できる。
主走査駆動装置19によって駆動されて主走査移動する液滴吐出ヘッド22の軌跡下であって副走査駆動装置21の一方の脇位置には、キャッピング装置76およびクリーニング装置77が配置され、他方の脇位置には電子天秤78が配置されている。クリーニング装置77は、液滴吐出ヘッド22を洗浄するための装置である。電子天秤78は、液滴吐出ヘッド22内の個々のノズルから吐出される液滴8の重量をノズル毎に測定する機器である。キャッピング装置76は、液滴吐出ヘッド22が待機状態にあるときにノズルの乾燥を防止するための装置である。
液滴吐出ヘッド22の近傍には、その液滴吐出ヘッド22と一体に移動する関係でヘッド用カメラ81が配置されている。また、ベース9上に設けた支持装置(図示せず)には基板用カメラ82が配置され、基板用カメラ82は、基板12を撮影可能である。
(液滴吐出ヘッドの構成)
図3、図4および図5を参照して、本形態の液滴吐出装置10に用いた液滴吐出ヘッド22を説明する。図3および図4はそれぞれ、複数の液滴吐出ヘッド22を保持するキャリッジ26などを模式的に示す平面図、および液滴吐出ヘッド22の構成を示す説明図である。図5(A)、(B)はそれぞれ、液滴吐出ヘッド22の内部構造を模式的に示す説明図である。なお、図3(A)には、通常の描画動作を示し、図3(B)、(C)には、後述するように、液滴吐出ヘッド22の一部が寿命に到達したときの描画動作を示してある。
図3(A)に示すように、複数の液滴吐出ヘッド22は、共通のキャリッジ26に保持されている。本形態では、複数の液滴吐出ヘッド22として、キャリッジ26には3つの液滴吐出ヘッド22a、22b、22cが保持されているものとして示してあるが、さらに多数の液滴吐出ヘッドが搭載される場合もある。
図4に示すように、複数の液滴吐出ヘッド22は各々、多数のノズル27を列状に並べることによって形成されたノズル列28を備えている。ノズル27の数は、例えば180個であり、ノズル27の孔径は例えば28μmであり、ノズル27間のノズルピッチは例えば141μmである。なお、液滴吐出ヘッド22の基板12に対する主走査方向Xおよびそれに直交する副走査方向Yは図示の通りである。すなわち、液滴吐出ヘッド22は、そのノズル列28が主走査方向Xと交差する方向へ延びるように位置設定され、この主走査方向Xへ平行移動する間に、液状体である液状体を複数のノズル27から選択的に吐出することにより、基板12内の所定位置に液状体を着弾させる。また、液滴吐出ヘッド22は副走査方向Yへ所定距離だけ平行移動することにより、液滴吐出ヘッド22による主走査位置を所定の間隔でずらせることができる。
図5(A)、(B)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、例えば、ステンレス製のノズルプレート29と、それに対向する振動板31と、それらを互いに接合する複数の仕切部材32とを有する。ノズルプレート29と振動板31との間には、仕切部材32によって複数の液状体室33と液溜り34とが形成される。複数の液状体室33と液溜り34とは通路38を介して互いに連通している。振動板31の適所には液状体供給孔36が形成され、この液状体供給孔36に液状体供給装置37が接続される。この液状体供給装置37は吐出されることとなる液状体Mを液状体供給孔36へ供給する。供給された液状体Mは液溜り34に充満し、さらに通路38を通って液状体室33に充満する。
ノズルプレート29には、液状体室33から液状体Mをジェット状(液滴)に噴射するためのノズル27が設けられている。また、振動板31の液状体室33を形成する面の裏面には、この液状体室33に対応させて液状体加圧体39が取り付けられている。この液状体加圧体39は、図5(B)に示すように、圧電素子41ならびにこれを挟持する一対の電極42aおよび42bを備えている。圧電素子41は電極42aおよび42bへの通電によって矢印Cで示す外側へ突出するように撓み変形し、これにより液状体室33の容積が増大する。すると、増大した容積分に相当する液状体Mが液溜り34から通路38を通って液状体室33へ流入する。
次に、圧電素子41への通電を解除すると、この圧電素子41と振動板31とは共に元の形状へ戻る。これにより、液状体室33も元の容積に戻るため、液状体室33の内部にある液状体Mの圧力が上昇し、ノズル27から基板12へ向けて液状体Mが液滴8となって噴出する。なお、ノズル27の周辺部には、液滴8の飛行曲がりやノズル27の孔詰まりなどを防止するために、例えばNi−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥液状体層43が設けられる。
(制御系の構成)
図6は、図1に示す液滴吐出装置の制御系を示すブロック図である。なお、図6に示す例では、制御系をコンピュータ本体部側に構成した例を示してあるが、その一部については、液滴吐出装置本体側に構成してもよい。
図1に示すコントロール装置24は、プロセッサを収容したコンピュータ本体部66と、入力装置67としてのキーボードと、表示装置としてのCRT(Cathode−Ray Tube)ディスプレイ68とを有している。上記プロセッサは、図6に示すように、演算などの処理を行うCPU(Central Processing Unit/ヘッド制御手段)69と、各種情報を記憶するメモリすなわち情報記憶媒体71とを有しており、図1を参照して説明したヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、副走査駆動装置21、および液滴吐出ヘッド22内の圧電素子41(図5を参照)を駆動するヘッド駆動回路72などは、入出力インターフェース73およびバス74を介してCPU69に接続されている。ヘッド駆動回路72は、複数の液滴吐出ヘッド22と基板12との相対移動に連動し、所定のビットマップに基づいて複数の液滴吐出ヘッド22の各ノズル27から液滴を吐出させて基板12に所定のパターンを描画するヘッド駆動手段を構成している。なお、基板供給装置23、入力装置67、CRTディスプレイ68、電子天秤78、クリーニング装置77およびキャッピング装置76なども、入出力インターフェース73およびバス74を介してCPU69に接続されている。
情報記憶媒体71としてのメモリは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などといった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROM読取り装置、ディスク型記憶媒体などといった外部記憶装置などを含む概念であり、機能的には、液滴吐出装置10の動作の制御手順が記述されたプログラムソフトを記憶する記憶領域、液状態の基板12上における吐出位置(ビットマップ)を座標データとして記憶するためのビットマップ記憶領域(吐出位置データ)715、副走査方向Yへの基板12の副走査移動量を記憶するための記憶領域、CPU69のためのワークエリアやテンポラリファイルなどとして機能する領域などの各種記憶領域が設定されている。
CPU69は、情報記憶媒体71であるメモリ内に記憶されたプログラムソフトに従って、基板12に表面の所定位置に液状体を吐出するための制御を行うものである。具体的な機能実現部として、クリーニング処理を実現するための演算を行うクリーニング演算部、キャッピング処理を実現するためのキャッピング演算部、電子天秤を用いた重量測定を実現するための演算を行う重量測定演算部、および液滴吐出によって所定のパターンを描画するための演算を行う描画演算部などを備えている。
この描画演算部を詳しく分割すれば、液滴吐出ヘッド22を描画のための初期位置へセットするための描画開始位置演算部、液滴吐出ヘッド22を主走査方向Xへ所定の速度で走査移動させるための制御を演算する主走査制御演算部、基板12を副走査方向Yへ所定の副走査量だけずらせるための制御を演算する副走査制御演算部、および液滴吐出ヘッドの複数のノズル27のうちのいずれを作動させて液状体を吐出するかを制御するためビットマップを形成するための演算を行うビットマップ演算部(ノズル吐出制御演算部)695などといった各種の機能演算部を有している。
さらに本形態では、情報記憶媒体71としてのメモリには、複数の液滴吐出ヘッド22の各々の動作履歴を記憶しておく動作履歴記憶領域716が設定されており、この動作履歴記憶領域716には、動作履歴として、液滴吐出ヘッド22により描画対象の基板に液状体塗布が行われる際に生じるデータであって、液滴吐出ヘッド22において液滴が吐出された回数の積算値であるショット数が記憶される。
また、CPU69には、動作履歴記憶領域716に記憶されている液滴吐出ヘッド22毎の動作履歴に基づいて、複数の液滴吐出ヘッド22のうち、いずれが寿命に到達したかを監視するヘッド寿命監視部696が構成されている。このヘッド寿命監視部696は、その液滴吐出ヘッド22が今後有効に(正常に)液滴を吐出できる回数である残有効ショット数を算出し、この残有効ショット数でヘッド寿命を監視する。すなわち、残有効ショット数は、液滴吐出ヘッド22の現時点における寿命を示すデータとみることができる。
この残有効ショット数の算出方法例について、次に述べる。実際に液滴吐出装置10の構成要素となる液滴吐出ヘッド22と同一に製造した試験用の液滴吐出ヘッド22について、耐久試験を行う。具体的には試験用の液滴吐出ヘッド22を用いて、液滴の連続吐出を行い、このときのショット数に対する液状体吐出特性を測定する。液状体吐出特性としては、吐出された液滴の飛行曲がり、液状体重量などが挙げられる。例えば、液滴の飛行曲がりが許容値を超えたとき、又は液状体重量が許容範囲から外れたときのショット数をその液滴吐出ヘッド22の「有効ショット数」とする。この有効ショット数は、液滴吐出ヘッド22についての平均寿命とみることができる。そして「有効ショット数」から、実際に製品基板を製造するために液滴吐出装置10で使用されている液滴吐出ヘッド22の「ショット数」を、引き算した結果が、前記「残有効ショット数」となる。従って、ショット数(積算値)又は残有効ショット数が所定値(基準値)に達した液滴吐出ヘッド22については、寿命に到達したと判定することができる。従って、ヘッド寿命監視部696は、複数の液滴吐出ヘッド22のうちのいずれが寿命に達したかを監視することができ、いずれの液滴吐出ヘッド22が寿命に到達したかを示すヘッド情報を出力したとき、その結果については、CRTディスプレイ68に表示することができる。
なお、上記動作履歴データとしては、液滴吐出ヘッド22が使われている時間の積算時間である使用時間と、該液滴吐出ヘッドについての駆動電圧又は駆動電流波形と、前記液滴吐出ヘッドに供給される液状体の種類を示すデータとを加え、これらのデータも含めてヘッド寿命監視部696が寿命を判定するように構成してもよい。ここで、使用時間は、例えば、液滴吐出ヘッド22にワークが供給されている状態の期間、又は液滴吐出装置10に液滴吐出ヘッド22が備え付けられてからの経過時間とする。
さらに、本形態では、ヘッド寿命監視部696が複数の液滴吐出ヘッド22の中に寿命に到達したものが発生したと判定し、かつ、ヘッド寿命監視部696がいずれの液滴吐出ヘッド22が寿命に到達したかを示すヘッド情報を出力したとき、CPU69においては、ビットマップ演算部695が、複数の液滴吐出ヘッド22のうち、寿命に達した液滴吐出ヘッド22を除く使用可能液滴吐出ヘッド22によってパターンの描画を行うための別のビットマップを形成し、この別のビットマップが、情報記憶媒体71としてのメモリのビットマップ記憶領域(吐出位置データ)715に記憶されるように構成されている。このような処理は、複数の液滴吐出ヘッド22の中に新たに寿命に到達したものが発生するたびに行われる。従って、CPU69は、寿命に到達した液滴吐出ヘッドについては使用を停止し、新たに作成された別のビットマップに基づいて、残りの使用可能液滴吐出ヘッド22でパターンの描画を行う。
(描画動作)
図3、図6および図7などを参照して、本形態の液滴吐出装置10において、基板12に所定のパターンを描画する動作を説明する。
図7は、図1に示す液滴吐出装置10の動作を示すフローチャート図である。図7において、図1に示す液滴吐出装置10を用いて基板12にパターンの形成を開始する際には(ステップST1)、まず、新しい液滴吐出ヘッド22を新たなキャリッジ26に組み付けた後(ステップST2)、このキャリッジ26を液滴吐出装置10に搭載する(ステップST3)。この場合には、ヘッド寿命監視部696は、動作履歴記憶領域716に記憶されているデータが初期化された状態にあるので、全ての液滴吐出ヘッド22が使用可能である旨を出力する(ステップST4)。従って、ビットマップ演算部695は、全ての液滴吐出ヘッド22を用いて基板12にパターンを形成するためのビットマップを作成し、ビットマップ記憶領域(吐出位置データ)715に記憶させる(ステップST5)。
次に、CPU69は、ビットマップを展開し(ステップST6)、描画動作を行わせる(ステップST7)。すなわち、図3(A)に示すように、キャリッジ26が移動するとともに、各液滴吐出ヘッド22(液滴吐出ヘッド22a、22b、22c)のノズル27から液状体の液滴が吐出される。その結果、基板12には、所定のパターンが形成される。このようにして、描画の1サイクルが終わると、動作履歴記憶領域716に記憶されている動作履歴が書き換えられる(ステップST8)。
次に、ヘッド寿命監視部696は、動作履歴記憶領域716に記憶されている動作履歴に基づいて、複数の液滴吐出ヘッド22の中に寿命に到達したものがあるか否かを判断する(ステップST9)。ここで、寿命に到達した液滴吐出ヘッド22がないときには、ステップST7に戻って、上記の動作を繰り返す。
これに対して、ステップST9で、ヘッド寿命監視部696が複数の液滴吐出ヘッド22の中に寿命に到達したものがあると判断したときには、寿命に達した液滴吐出ヘッド22を除く使用可能液滴吐出ヘッド22の数が1以上か否かを判断する(ステップST10)。その結果、使用可能液滴吐出ヘッド22の数が1以上である場合には、いずれの液滴吐出ヘッド22が寿命に到達したかのヘッド情報を出力し(ステップST11)、ステップST5に移る。従って、ビットマップ演算部695は、寿命に達した液滴吐出ヘッド22を除く使用可能液滴吐出ヘッド22で基板12にパターンを形成するためのビットマップを作成し、ビットマップ記憶領域(吐出位置データ)715に記憶させ(ステップST5)、再び、描画動作を行う(ステップST7)。例えば、図3(B)に示すように、液滴吐出ヘッド22a、22b、22cのうち、液滴吐出ヘッド22cが寿命に到達した場合には、液滴吐出ヘッド22cの使用を停止し、液滴吐出ヘッド22a、22bのみでパターンを形成した後、図3(C)に示すように、液滴吐出ヘッド22aのみでパターンを形成する。
このような動作を繰り返すうちに、ステップST10において、使用可能液滴吐出ヘッド22の数が1未満であると判断されたときには、ステップST2で、新しい液滴吐出ヘッド22を新たなキャリッジ26に組み付けた後、このキャリッジ26を液滴吐出装置10に搭載し(ステップST3)、以降の動作を繰り返す。
(本形態の効果)
以上説明したように、本形態の液滴吐出装置10では、複数の液滴吐出ヘッド22を用いているため、配置位置などにより液滴吐出ヘッド22の使用頻度が異なり、複数の液滴吐出ヘッド22の一部のみが寿命に到達し、吐出不良を起こすことがあるが、複数の液滴吐出ヘッド22の各々について寿命を監視し、寿命に到達した液滴吐出ヘッド22については、使用を停止する。従って、寿命に到達した液滴吐出ヘッド22での吐出不良が原因でワークの歩留まりが低下することを防止できる。
しかも本形態では、寿命に到達した液滴吐出ヘッド22の使用を停止する一方、別のビットマップに基づいて、残りの使用可能液滴吐出ヘッド22でパターンの描画を行う。従って、寿命に到達した液滴吐出ヘッド22が発生した場合でも、パターンの描画を継続することができるので、ワークの生産性を向上することができる。
また、複数の液滴吐出ヘッド22の各々について寿命を監視するので、寿命に到達した液滴吐出ヘッド22のみを交換することもできる。
さらに本形態では、液滴吐出ヘッド22の動作履歴に基づいて寿命に到達したか否かを判断する。すなわち、動作履歴により液滴吐出ヘッド22がどのような使用態様でどれだけ使用されてきたか正確に把握して管理することができる。そして、動作履歴に基づいて液滴吐出ヘッド22が受けたダメージ量を算出でき、その液滴吐出ヘッドが不良動作しだす時期である製品寿命に近いか否かなどを判断することができる。それ故、本形態の液滴吐出装置10によれば、液滴吐出ヘッド22が不良となって吐出位置が外れるなどして製品基板に不良を出す前に、吐出不良となる直前の液滴吐出ヘッド22を確実に見つけ出し、それに対応することができる。また、各液滴吐出ヘッド22a、22b、22cを寿命一杯まで有効利用することができるという利点もある。
(その他の実施の形態)
なお、上記形態では、その都度、ビットマップの形成を行う例であったが、予め、複数のビットマップを形成しておき、メモリに記憶させておいてもよい。また、上記形態では、液滴吐出ヘッド22の数が3であったが、さらに多数の液滴吐出ヘッド22を設けてもよい。また、上記形態では、使用可能液滴吐出ヘッド22の数が1以上である場合にパターンの描画を継続する構成であったが、生産性を考慮して最適な数に設定すればよい。
(電気光学装置の製造方法)
次に、本形態の液滴吐出装置10を用いて製造される電気光学装置の製造方法について、図8から図10を参照して説明する。本製造方法では、電気光学装置の一つである有機EL装置を挙げている。この有機EL装置は、アクティブマトリックス型の表示装置をなすものである。図8から図10は、EL表示素子を用いたアクティブマトリックス型の表示装置をなす有機EL装置の製造工程の手順を示す製造工程断面図である。
(前処理)
まず、図8(A)に示すように、透明の表示基板502に対して、必要に応じて、テトラエトキシシラン(tetraethoxysilane:TEOS)や酸素ガスなどを原料ガスとしてプラズマCVD(Chemical VaporDeposition)法により、厚さ寸法が約2000〜5000オングストロームのシリコン酸化膜である図示しない下地保護膜を形成する。次に、表示基板502の温度を約350℃に設定し、下地保護膜の表面にプラズマCVD法により厚さ寸法が約300〜700オングストロームの非晶質のシリコン膜である半導体膜520aを形成する。この後、半導体膜520aに対して、レーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程を実施し、半導体膜520aをポリシリコン膜に結晶化する。ここで、レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が約400nmのラインビームを用い、出力強度が約200mJ/cm2である。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の約90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームが走査される。
そして、図8(B)に示すように、半導体膜520aをパターニングして島状の半導体膜520bを形成する。この半導体膜520bが設けられた表示基板502の表面に、TEOSや酸素ガスなどを原料ガスとしてプラズマCVD法により厚さ寸法が約600〜1500オングストロームのシリコン酸化膜あるいは窒化膜であるゲート絶縁膜521aを形成する。なお、半導体膜520bは、カレント薄膜トランジスタ510のチャネル領域およびソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においてはスイッチング薄膜トランジスタ509のチャネル領域およびソース・ドレイン領域となる図示しない半導体膜も形成されている。すなわち、図8(A)、(B)に示す製造工程では二種類のスイッチング薄膜トランジスタ509およびカレント薄膜トランジスタ510が同時に形成されるが、同じ手順で形成されるため、以下の説明では、カレント薄膜トランジスタ510についてのみ説明し、スイッチング薄膜トランジスタ509については説明を省略する。
この後に、図8(C)に示すように、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜である導電膜をスパッタ法により形成した後にパターニングし、ゲート電極510Aを形成する。この状態で、高温度のリンイオンを打ち込み、半導体膜520bにゲート電極510Aに対して自己整合的にソース・ドレイン領域510a、510bを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域510cとなる。
次に、図8(D)に示すように、層間絶縁膜522を形成した後、コンタクトホール523、524を形成し、これらコンタクトホール523、524内に中継電極526、527を埋め込み形成する。
さらに、図8(E)に示すように、層間絶縁膜522上に、信号線504、共通給電線505および走査線(図8中には図示しない)を形成する。このとき、信号線504、共通給電線505および走査線の各配線は、配線として必要な厚さ寸法にとらわれることなく、十分に厚く形成する。具体的には、各配線を例えば1〜2μm程度の厚さ寸法に形成するとよい。ここで、中継電極527と各配線とは、同一工程で形成されていてもよい。このとき、中継電極526は、後述するITO膜により形成される。
そして、各配線の上面を覆うように層間絶縁膜530を形成し、中継電極526に対応する位置にコンタクトホール532を形成する。このコンタクトホール532内を埋めるようにITO膜を形成し、このITO膜をパターニングして、信号線504、共通給電線505および走査線に囲まれた所定位置に、ソース・ドレイン領域510aに電気的に接続する画素電極511を形成する。
ここで、図8(E)では、信号線504および共通給電線505に挟まれた部分が、光学材料が選択的に配置される所定位置に相当するものである。そして、その所定位置とその周囲との間には、信号線504や共通給電線505によって段差535が形成される。具体的には、所定位置の方がその周囲よりも低く、凹型の段差535が形成される。
(EL発光材料の吐出)
次に、上述の前処理が実施された表示基板502に液滴吐出方式により、機能性液状体であるEL発光材料を吐出する。すなわち、図9(A)に示すように、前処理が実施された表示基板502の上面を上方に向けた状態で、発光素子140の下層部分に当たる正孔注入層513Aを形成するための機能性液状体としての溶媒に溶かされた溶液状の前駆体である光学材料540Aを、上述した液滴吐出装置10を用いて吐出し、段差535で囲まれた所定位置の領域内に選択的に塗布する。
この吐出により正孔注入層513Aを形成するための光学材料540Aとしては、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1、1−ビス−(4−N、N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウムなどが用いられる。
なお、この吐出の際、流動性を有した液状体の光学材料540Aは、流動性が高いので平面方向に広がろうとするが、塗布された位置を取り囲むように段差535が形成されているため、光学材料540Aの1回当たりの吐出量を極端に大量にしなければ、光学材料540Aは段差535を越えて所定位置の外側に広がることは防止される。
そして、図9(B)に示すように、加熱又は光照射などにより液状の光学材料540Aの溶媒を蒸発させ、画素電極511上に固形の薄い正孔注入層513Aを形成する。この図9(A)、(B)を必要回数繰り返し、図9(C)に示すように、十分な厚さ寸法の正孔注入層513Aを形成する。
次に、図10(A)に示すように、表示基板502の上面を上に向けた状態で、発光素子513の上層部分に有機半導体膜513Bを形成するための機能性液状体としての溶媒に溶かされた溶液状の有機蛍光材料である光学材料540Bを、上述した各液滴吐出装置10を用いて吐出し、これを段差535で囲まれた所定位置である領域内に選択的に塗布する。なお、この光学材料540Bについても、上述した光学材料540Aの吐出と同様に、段差535を越えて所定位置の外側に広がることは防止される。
この吐出により有機半導体膜513Bを形成するための光学材料540Bとしては、シアノポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアルキルフェニレン、2、3、6、7−テトラヒドロ−11−オキソ−1H・5H・11H(1)ペンゾビラノ[6、7、8−ij]−キノリジン−10−カルボン酸、1、1−ビス−(4−N、N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、2−13・4'−ジヒドロキシフェニル)−3、5、7−トリヒドロキシー1―ベンゾピリリウムパークロレート、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム、2、3・6・7−テトラヒドロ−9−メチル−11−オキソ−1H・5H・11H(1)ベンゾピラノ[6、7、8−ij]−キノリジン、アロマティックジアミン誘導体(TDP)、オキシジアゾールダイマ(OXD)、オキシジアゾール誘導体(PBD)、ジスチルアリーレン誘導体(DSA)、キノリノール系金属錯体、ベリリウムーベンゾキノリノール錯体(Bebq)、トリフェニルアミン誘導体(MTDATA)、ジスチリル誘導体、ピラゾリンダイマ、ルブレン、キナクリドン、トリアゾール誘導体、ポリフェニレン、ポリアルキルフルオレン、ポリアルキルチオフェン、アゾメチン亜鉛錯体、ポリフイリン亜鉛錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、フェナントロリンユウロピウム錯体などが用いられる。
次に、図10(B)に示すように、加熱又は光照射などにより、光学材料540Bの溶媒を蒸発させ、正孔注入層513A上に、固形の薄い有機半導体膜513Bを形成する。この図10(A)、(B)を必要回数繰り返し、図10(C)に示すように、十分な厚さ寸法の有機半導体膜513Bを形成する。正孔注入層513Aおよび有機半導体膜513Bによって、発光素子513が構成される。最後に、図10(D)に示すように、表示基板502の表面全体、若しくはストライプ状に反射電極512を形成し、表示装置501を製造する。
このように本実施形態の製造方法によれば、液滴吐出方式を用いているので、有機EL装置の製造工程において無駄となる材料を低減することができ、低コストで高品質な有機EL装置を製造することができる。また、本実施形態の製造方法によれば、複数の液滴吐出ヘッド20a、20b、20cを備えた液滴吐出装置10を用いて製造するので、大画面の表示装置をなす有機EL装置(基板)について、より迅速にかつ高解像度に製造することができる。そして、液滴吐出装置10は各液滴吐出ヘッド20a、20b、20cについて吐出不良を回避しながら寿命一杯まで有効利用することができるので、かかる大画面の有機EL装置について、高品質に且つ低コストで製造することができる。
(その他の適用例)
なお、上記形態では、本形態の液滴吐出装置10を有機EL装置の製造工程に用いた例であったが、液晶表示装置のカラーフィルタの形成に用いるなど、有機EL装置に限らず、液晶表示装置やプラズマ表示装置などの電気光学装置を製造する工程で用いてもよい。
(電子機器)
次に、上記実施形態に係る有機EL装置の製造方法を用いて製造された有機EL装置を備えた電子機器について説明する。図11(A)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図11(A)において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記実施形態の有機EL装置からなる表示部を示している。図11(B)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図11(B)において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記実施形態の有機EL装置からなる表示部を示している。図11(C)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図11(C)において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記実施形態の有機EL装置からなる表示部を示している。
図11(A)〜(C)に示す電子機器はいずれも、上記実施形態の液滴吐出装置10を用いて製造されているので、高品質な画像を表示でき不具合が発生しないなど高性能としながら、低価格で提供することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
本発明の実施形態に係る液滴吐出装置の全体構成を示す斜視図である。 図1に示す液滴吐出装置の要部を含む部分斜視図である。 図1に示す液滴吐出装置に用いたヘッドユニットを模式的に示す平面図である。 図1に示す液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドの構成を模式的に示す説明図である。 図4に示す液滴吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す説明図である。 図1に示す液滴吐出装置の制御系を示すブロック図である。 図1に示す液滴吐出装置の動作を示すフローチャート図である。 有機EL装置の製造工程の手順を示す断面図である。 有機EL装置の製造工程の手順を示す断面図である。 有機EL装置の製造工程の手順を示す断面図である。 有機EL装置を備えた電子機器を示す斜視図である。
符号の説明
10 液滴吐出装置、12 基板(ワーク)、22、22a、22b、22c 液滴吐出ヘッド、26 キャリッジ(ヘッドユニット)、69 CPU(ヘッド制御手段)、72 ヘッド駆動回路(ヘッド駆動手段)696 ヘッド寿命監視部、716 動作履歴記憶領域、695 ビットマップ演算部、715 ビットマップ記憶領域

Claims (11)

  1. 所定のビットマップに基づいて複数の液滴吐出ヘッドの各ノズルから液滴を吐出してワークに所定のパターンを描画する液滴吐出方法において、
    前記複数の液滴吐出ヘッドの各々について寿命を監視し、
    前記複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときには、別のビットマップに基づいて、前記寿命に達した液滴吐出ヘッドを除く使用可能液滴吐出ヘッドによって前記パターンの描画を行うことを特徴とする液滴吐出方法。
  2. 請求項1において、前記複数の液滴吐出ヘッドの各々について寿命を監視するにあたっては、前記複数の液滴吐出ヘッドの各々について動作履歴を監視し、当該動作履歴の監視結果に基づいて前記液滴吐出ヘッドが寿命に到達したか否かを判断することを特徴とする液滴吐出方法。
  3. 請求項2において、前記動作履歴は、前記液滴吐出ヘッドにおいて液滴が吐出された回数の積算値であるショット数のデータ、前記液滴吐出ヘッドが使用された時間を積算した使用時間のデータ、前記液滴吐出ヘッドについての駆動電圧又は駆動電流波形を示すデータ、および前記液滴吐出ヘッドに供給される液状体の種類を示すデータのうちの少なくとも1つに基づくデータであることを特徴とする液滴吐出方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときには、いずれの液滴吐出ヘッドに寿命が発生したかを示すヘッド情報に基づいて前記別のビットマップを作成し、当該別のビットマップに基づいて、前記使用可能液滴吐出ヘッドを動作させて前記パターンの描画を行うことを特徴とする液滴吐出方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときには、前記使用可能液滴吐出ヘッドの数を確認し、
    前記使用可能液滴吐出ヘッドの数が所定数以上のときには、当該使用可能液滴吐出ヘッドによって前記パターンを描画し続け、前記使用可能液滴吐出ヘッドの数が所定数を下回るときには、前記パターンの描画を停止して前記複数の液滴吐出ヘッドの全てを交換することを特徴とする液滴吐出方法。
  6. 液滴を吐出可能なノズルを備えた複数の液滴吐出ヘッドと、
    該複数の液滴吐出ヘッドとワークとを相対移動させる移動手段と、
    前記複数の液滴吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動に連動し、所定のビットマップに基づいて前記複数の液滴吐出ヘッドの各ノズルから液滴を吐出させて前記ワークに所定のパターンを描画するヘッド駆動手段とを有する液滴吐出装置において、
    前記複数の液滴吐出ヘッドの各々について寿命を監視するヘッド寿命監視手段と、
    前記複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときには、別のビットマップに基づいて、前記寿命に達した液滴吐出ヘッドを除く使用可能液滴吐出ヘッドによって前記パターンの描画を行わせるヘッド制御手段とを有することを特徴とする液滴吐出装置。
  7. 請求項6において、前記ヘッド寿命監視手段は、前記複数の液滴吐出ヘッドの各々について寿命を監視するにあたっては、前記複数の液滴吐出ヘッドの各々について動作履歴を監視し、当該動作履歴の監視結果に基づいて前記液滴吐出ヘッドが寿命に到達したか否かを判断することを特徴とする液滴吐出装置。
  8. 請求項7において、前記動作履歴は、前記液滴吐出ヘッドにおいて液滴が吐出された回数の積算値であるショット数のデータ、前記液滴吐出ヘッドが使用された時間を積算した使用時間のデータ、前記液滴吐出ヘッドについての駆動電圧又は駆動電流波形を示すデータ、および前記液滴吐出ヘッドに供給される液状体の種類を示すデータのうちの少なくとも1つに基づくデータであることを特徴とする液滴吐出装置。
  9. 請求項6ないし8のいずれかにおいて、前記ヘッド制御手段は、前記ビットマップを形成するビットマップ形成手段を有し、
    前記ヘッド寿命監視手段は、前記複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときには、いずれの液滴吐出ヘッドが寿命に到達したかを示すヘッド情報を前記ビットマップ形成手段に出力し、
    前記ビットマップ形成手段は、前記ヘッド情報に基づいて、前記使用可能液滴吐出ヘッドによって前記パターンの描画を行うための前記別のビットマップを形成することを特徴とする液滴吐出装置。
  10. 請求項6ないし9のいずれかにおいて、前記ヘッド制御手段は、前記複数の液滴吐出ヘッドの中に寿命に到達したものが発生したときには、前記使用可能液滴吐出ヘッドの数を確認し、前記使用可能液滴吐出ヘッドの数が所定数以上のときには、当該使用可能液滴吐出ヘッドによって前記パターンを描画し続けさせ、前記使用可能液滴吐出ヘッドの数が所定数を下回るときには、前記パターンの描画を停止することを特徴とする液滴吐出装置。
  11. 請求項1ないし5のいずれかに規定する液滴吐出方法を用いて電気光学装置を製造することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020040037A (ja) * 2018-09-12 2020-03-19 株式会社東芝 液滴塗布装置、および液滴塗布方法

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