JP2005318493A - 光受信器及び光受信方法 - Google Patents

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浩司 秋本
Kenji Kudome
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Abstract

【課題】光無線LAN機器の小型化及び低コスト化を可能とし、かつ高速に光軸調整することが可能な光受信器を提供することを課題とする。
【解決手段】光受信器は、列状に並んで配置された複数の受光素子を、信号光を集光するレンズのレンズ面と略平行な該レンズの集光面で移動するとともに、スイッチ回路により、前記複数の受光素子から出力された電気信号から、最も信号強度の強い1つないしは複数の電気信号を選択して取り出す構成とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、空間に出射された信号光を受信する光無線通信用の光受信器及び光受信方法に関するものである。
赤外光等の信号光により信号を送受信する光無線LANは、マイクロ波を用いる無線LAN(例えば、無線周波数2.4GHz帯を用いるIEEE802.11b規格、あるいは5GHz帯を用いるIEEE802.11a規格など)に比べて、より高速な通信が実現できる。実際、製品としては、現在までに、100Mbpsでのデータ転送が可能な光無線LANシステムが存在する(日本ビクター株式会社製VIPSLAN−100)。一方、光有線LANでは、データ転送速度が1Gbpsを越えるLAN技術も実用化されており(例えば、ギガビット・イーサネット(登録商標)など)、これらの技術を光無線LANに適用すれば、光無線LANにおいてもギガビット級のデータ転送速度が期待できる。
光無線LANシステムの一例を図1に示す。図1は、光無線LANシステムにおける通信装置の配置例である。81及び82は通信端末、83はアクセスポイント、84及び85は端末装置、86及び87は机、Eは信号光である。
1つの部屋の天井にアクセスポイント83が配置されている。アクセスポイント83は、光無線通信において親機として用いられる。信号光Eは、直進性の強い光が用いられている。信号光Eとして直進性が強い光を用いるため、アクセスポイント83は見通しのよい天井等に取り付けられる。一方、アクセスポイント83が親機であるのに対して、端末装置84及び85は子機となる。端末装置84及び85はアクセスポイント83と信号光Eを送受信する。端末装置84及び85はそれぞれ、通信端末の近傍に配置され、通信端末81及び82と接続される。
図1では、机86の上には通信端末81及び端末装置84が配置され、机87の上には通信端末82及び端末装置85が配置されている。ここで、アクセスポイントと端末装置との位置関係は、常に一定であるとは限らない。図1の例では、アクセスポイント83から出射された信号光Eが、端末装置84及び85で受信される様子を描いているが、位置の異なる端末装置84と端末装置85では、それぞれで受信される信号光Eの入射方向が異なる。このように、アクセスポイント83と端末装置84及び85との位置関係の違いは、信号光Eが端末装置84及び85に備わる光受信器へ入射する入射方向の違いとなって現れる。また、端末装置84及び85が移動しても、端末装置84及び85へ入力される信号光Eの入射方向は変化する。
端末装置84及び85の位置が変わっても、端末装置84及び85とアクセスポイント83との通信を継続するためには、端末装置は、信号光Eの入射方向に対して感度が高くなるよう信号光Eを走査して光軸調整する必要がある。このように、光無線LAN機器は、信号光Eを走査して光軸調整する駆動機構を備えている。この光軸調整する従来技術としては、例えば、光無線伝送装置、インタフェース及び携帯型情報端末(例えば、特許文献1参照。)がある。
上記従来技術における、端末装置84及び85の構成例を図2に示す。91は台座、92は回転台座、93は支柱、94は支持棒、95は光送受信器、96は光送信器用レンズ、97は光受信器用レンズである。光送受信器95は、光送信器用レンズ96、光受信器用レンズ97、光送信器(不図示)及び光受信器(不図示)を備える。光送信器用レンズ96は光送信器(不図示)が送信する信号光Eを図1に示したアクセスポイント83へ集光させる機能を有する。光受信器用レンズ97は、図1に示したアクセスポイント83からの信号光Eを光受信器(不図示)に集光させる機能を有する。
光送受信器95は、支持棒94の中央に固定されている。また2つの支柱93が、円盤形の回転台座92上に中心対称にして固定されている。光送受信器95が固定された支持棒94の両端は、光送受信器95が中空に浮くように、2つの支柱93によって支えられている。支持棒94は、支柱93内部に取り付けられたモータ98(不図示)により回転方向Iに回転される。支持棒94は台座91の台座面と略平行な平面上にある。この支持棒94が回転方向Iに回転することにより、光送受信器95を回転台座92の台座面と略平行な軸を中心にして回転させる。回転台座92は台座91の上にあり、台座91の内部に備わるモータ99(不図示)により回転方向Jに回転台座92を回転させる。回転台座92が回転することにより、光送受信器95を回転台座92の台座面に対して平行及び垂直な2軸を中心に回転させる。
特開平10−133791号公報。
従来の光受信器は、上記のように、少なくとも受光素子(不図示)及び光受信器用レンズ97の備わる光受信器を2つの異なる駆動部を用いて回転させることにより信号光Eを走査して光軸調整し、信号光Eを受信していた。このため、光無線LAN機器の小型化及び低コスト化、さらには高速での光軸調整が困難であった。しかるに本発明は、光無線LAN機器の小型化及び低コスト化を可能とし、かつ高速に光軸調整することが可能な光受信器及び光受信方法の提供を課題とする。
本発明は、列状に並んで配置された複数の受光素子を、信号光を集光するレンズのレンズ面と略平行な該レンズの集光面で移動するとともに、スイッチ回路により、前記複数の受光素子から出力された電気信号から、最も信号強度の強い1つ又は複数の電気信号を選択して取り出す光受信器及び光受信方法とする。
具体的には、本発明に係る光受信器は、空間に出射された信号光を前面から入射する光無線通信用の光受信器であって、前面から入射した前記信号光を背面に集光するレンズと、前記レンズの背面の少なくとも一部に列状に配列され、前記信号光を受信して電気信号を出力する複数の受光素子と、前記複数の受光素子を前記レンズのレンズ面と略平行に移動する駆動部と、前記受光素子のそれぞれから出力された複数の前記電気信号のうち、信号強度の強い1つ又は複数の電気信号を選択して出力するスイッチ回路と、を備える。
上記のように、本発明に係る光受信器は、信号光を集光するレンズの背面で、列状に配列された受光素子を平面的に移動することにより信号光の焦点を走査して光軸調整を行う。レンズで集光した信号光を走査するので、走査する面積を小さくすることができる。またレンズで集光した信号光を走査するので、光軸調整を2次元走査で行うことが可能となる。したがって、光無線LAN機器の小型化及び低コスト化を可能とし、かつ高速に光軸調整することが可能な光受信器を提供することできる。
前記駆動部は、前記複数の受光素子を、前記レンズのレンズ面と略平行であって、かつ前記複数の受光素子の配列方向と略垂直に移動することが好ましい。このように、駆動部が複数の受光素子とレンズのレンズ面と略平行であって、さらに複数の受光素子の配列方向と略垂直な方向に複数の受光素子を移動することにより、信号光の焦点位置を効率的に走査することができるようになる。したがって、高速での光軸調整が可能な光受信器を提供することができる。
前記駆動部は、前記複数の受光素子を、前記レンズのレンズ面と略平行であって、かつ前記複数の受光素子の配列された列上の1点を中心に回転して移動することが好ましい。このように、レンズのレンズ面と略平行であって、複数の受光素子の配列された列上の1点を中心に回転して移動することにより、少ないエネルギーで焦点位置を走査することが可能になる。したがって、消費エネルギーの少ない光受信器を提供することができる。
前記駆動部は、さらに前記レンズのレンズ面と垂直な方向に前記複数の受光素子を移動することが好ましい。このように、レンズのレンズ面と垂直な方向に受光素子を移動することによって、信号光の焦点距離が移動しても焦点位置を走査することができる。したがって、移動アクセスポイントと端末装置との距離の変化に対応することができ、光受信器の感度を向上させることができる。
前記複数の受光素子の移動範囲内で最大の信号強度を得られるように前記駆動部を制御する制御回路をさらに設けてもよい。受光素子が受信した信号光の強度を駆動部にフィードバックして、受光素子で受信する信号強度が最大となるように制御回路が複数の受光素子を移動することにより、更に高速に光軸調整することが可能になる。
前記制御回路は、前記複数の受光素子を前記駆動部の移動方向に微動させ、移動前の前記スイッチ回路の信号強度と移動後の前記スイッチ回路の信号強度とを比較し、大きい信号強度を得られる方向に前記複数の受光素子を移動してもよい。前記複数の受光素子が、僅かずつ移動しては受信して、より信号強度の大きい方向へ移動する。これによって、最大の信号強度を得られる位置に複数の受光素子を移動することが可能になる。
前記制御回路は、前記複数の受光素子を受信させながら定められた範囲内で移動掃引させ、前記スイッチ回路の出力のうち最大の信号強度を得られる位置を選択し、当該位置へ前記複数の受光素子を移動してもよい。このような構成にすることで、最大の信号強度を得られる位置に複数の受光素子を効率よく移動することが可能になる。
前記受光素子は赤外光を受信することが好ましい。信号光に赤外光を用いることにより、人体への悪影響がなく、かつ人の視覚を妨げることなく光無線通信が可能になる。
また、本発明に係る光受信方法は、空間に出射された信号光を、レンズの前面から入射させて該レンズの背面に集光する集光過程と、前記レンズの背面の少なくとも一部に列状に配置された複数の受光素子が、前記信号光を受信して電気信号を出力し、駆動部が、前記複数の受光素子を前記レンズのレンズ面と略平行に移動する受信過程と、スイッチ回路が、前記受光素子のそれぞれから出力された複数の前記電気信号のうち、信号強度の強い1つ又は複数の電気信号を選択して出力する出力過程と、を順に含む。レンズで集光した信号光を走査するので、走査する面積を小さくすることができる。またレンズで集光した信号光を走査するので、光軸調整を2次元走査で行うことが可能となる。したがって、光無線LAN機器の小型化及び低コスト化を可能とし、かつ高速に光軸調整することが可能になる。
前記受信過程において、前記駆動部は、前記複数の受光素子を、前記レンズのレンズ面と略平行であって、かつ前記複数の受光素子の配列方向と略垂直に移動してもよい。このように複数の受光素子を移動することにより、信号光の焦点位置を効率的に走査することができるようになる。
前記受信過程において、前記駆動部は、前記複数の受光素子を、前記レンズのレンズ面と略平行であって、かつ前記複数の受光素子の配列された列上の1点を中心に回転して移動してもよい。このように複数の受光素子を移動することにより、少ないエネルギーで焦点位置を走査することが可能になる。
前記受信過程において、前記駆動部は、さらに前記レンズのレンズ面と垂直な方向に前記複数の受光素子を移動してもよい。このように複数の受光素子を移動することによって、信号光の焦点距離が移動しても焦点位置を走査することができる。したがって、移動アクセスポイントと端末装置との距離の変化に対応することができ、光受信器の感度を向上させることができる。
前記受信過程において、前記駆動部を制御する制御回路が、前記複数の受光素子の移動範囲内で最大の信号強度を得られるように前記複数の受光素子を移動してもよい。受光素子が受信した信号光の強度を駆動部にフィードバックして、受光素子で受信する信号強度が最大となるように制御回路が複数の受光素子を移動することにより、更に高速に光軸調整することが可能になる。
前記受信過程において、前記制御回路は、前記複数の受光素子を前記駆動部の移動方向に微動させ、移動前の前記スイッチ回路の信号強度と移動後の前記スイッチ回路の信号強度とを比較し、大きい信号強度を得られる方向に前記複数の受光素子を移動してもよい。前記複数の受光素子が、僅かずつ移動しては受信して、より信号強度の大きい方向へ移動する。これによって、最大の信号強度を得られる位置に複数の受光素子を移動することが可能になる。
前記受信過程において、前記制御回路は、前記複数の受光素子を受信させながら定められた範囲内で移動掃引させ、前記スイッチ回路の出力のうち最大の信号強度を得られる位置を選択し、当該位置へ前記複数の受光素子を移動してもよい。このような構成にすることで、最大の信号強度を得られる位置に複数の受光素子を効率よく移動することが可能になる。
本発明により、光無線LAN機器の小型化を可能とし、かつ低コスト化を可能とする光軸調整機構を有する光受信器及び光受信方法を提供できる。また、従来の光無線LAN機器に比べてより高速に光軸調整を行うことが可能になる。
以下、本発明の実施形態について、図面の参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。
図3及び図4は、本発明の実施形態に基づく光受信器51の構成例を説明する図である。図3は、光受信器51の前面から光受信器51を見た図である。すなわち、信号光が入射する方向から光受信器51を見た図である。なお、実際はレンズホルダ11の内部を覆うレンズが設けられているが、図3ではレンズは省略している。図3において、11はレンズホルダ、13は受光素子、14はヘッド、15はスイッチ回路、Eは信号光、Fは出力信号、Gは駆動方向を示す。図4は、光受信器51を側面から見た図である。図4において、11はレンズホルダ、12はレンズ、13は受光素子、14はヘッド、15はスイッチ回路、22は台座、Eは信号光、Fは出力信号、Gは駆動方向を示す。
本実施例に示す光受信器51は、レンズホルダ11と、レンズ12と、受光素子13と、ヘッド14と、スイッチ回路15と、駆動部(不図示)を備える。図3及び図4では駆動部を除く構成について説明する。駆動部(不図示)については後に詳述する。
レンズホルダ11は図4に示す円柱形の台座22の上に配置されている。円柱形の台座22と円筒形のレンズホルダ11は、中心が重なり合うよう配置され、その中心で接続されている。レンズ12は、レンズホルダ11の上端に近い位置に配置されている。さらにレンズ12は、円筒状のレンズホルダ11の内側に固定されている。さらにレンズ12のレンズ面は、台座22の上面とほぼ平行に配置されている。複数の受光素子13がヘッド14の上に列状に配置されている。図3では5個の受光素子13が配置されているが、5に限定されるものではない。複数あれば足りる。受光素子13が固定されたヘッド14は、レンズホルダ11の内側に配置されている。さらに受光素子13の固定されたヘッド14は、台座22とレンズ12の間に配置されている。スイッチ回路15は、台座22の内部に配置されている。スイッチ回路15の入力端子は、受光素子13のそれぞれと電気的に接続されている。スイッチ回路15の出力端子は、台座22の外部へ接続されている。
台座22は、レンズホルダ11、ヘッド14及び受光素子13を固定する土台となるものである。台座22の上面にヘッド14を移動する機構を備えていてもよい。
レンズホルダ11は、レンズ12を固定するものである。レンズホルダ11の内部は空洞になった円筒形となっており、円筒の内部にヘッド14及び受光素子13が配置される。レンズホルダ11は、受光素子に周囲の散乱光が入射しないよう、光が透過しない材料で構成されていることが好ましい。レンズホルダ11は、駆動部が備わっていてもよい。
受光素子13は、前述の図1に示した信号光Eを受信して電気信号に変換して出力するものである。信号光Eは信号を伝達することの出来る電磁波であればよい。図3では、受光素子13が1列に配置されているが、複数列であってもよい。さらに、受光素子13は特定の波長の電磁波を受信するもののみでなくともよい。例えば、異なる波長の電磁波を受信する受光素子が含まれてもよい。受光素子を複数列に配列し、列ごとに異なる波長の電磁波を受信する受光素子を配置すれば、複数の波長の信号光Eを送受信することができる。
さらに、受光素子13は赤外光を受信できることが望ましい。例えば、赤外光を受信することのできるものとしては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム・ガリウム・ヒ素(InGaAs)等を材料とする、PIN−PD及びAPD(アバランシェ・フォト・ダイオード)がある。この場合、受光素子13で受信される赤外光は、信号光に使用される特定の波長を有するものでもよい。信号光に赤外光を用い、赤外光を受光素子で受信することにより、人体への悪影響がなく、かつ人の視覚を妨げることなく光無線通信が可能になる。
ヘッド14は、受光素子13を列状に固定するものである。ヘッド14を移動することによって受光素子13を移動する。ヘッド14を移動する具体的な方法については後述する。ヘッド14は駆動部が備わっているものでもよい。
スイッチ回路15は、受光素子13のそれぞれから出力された複数の電気信号のうち、信号強度の強い1つ又は複数の電気信号を選択して出力信号Fとして出力するものである。スイッチ回路15の具体的な説明については後述する。
レンズ12は、空間に出射された前述の図1で説明した信号光Eを集光するものである。信号光Eは、前述の図1で説明したものである。信号光Eは、レンズ12の前面から入射して、レンズ12の背面で集光される。レンズ12は、複数の受光素子13が移動する平面上又はそれに近い位置で焦点を結ぶものでもよい。レンズ12の形状及び材質については限定しない。
さらに、レンズ12は、平行光を集光することが可能なものでもよい。凸レンズ21に平行光が入射したときの光路について図5及び図6を用いて説明する。図5は、前述の図1に示した信号光Eが平行光であり、信号光Eが凸レンズ21に対して垂直に入射した場合の焦点位置について説明する図である。図5おいて、21は凸レンズ、zは凸レンズ21の中心を通る凸レンズ21の光軸、fは凸レンズ21の焦点、rは凸レンズ21の光軸からの距離を示す。図5では、凸レンズ21の光軸が横軸として示されている。すなわち、横軸をz軸、縦軸をr軸として示されている。すなわち(z、r)=(0,0)の座標上に凸レンズ21の光学中心が配置されている。また図5では前述の図1に示した平行光が凸レンズ21に対して垂直であるので、凸レンズの焦点fはz軸上に位置している。
図6は、前述の図1に示した平行光が凸レンズ21の光軸に対して角度Aの傾きを有する場合の焦点位置について説明する図である。図6において、21は凸レンズ、zは凸レンズ21の中心を通る凸レンズ21の光軸、fは凸レンズ21の焦点、r及びrは凸レンズ21の光軸からの距離、Aは角度、23は凸レンズ21の焦点面、dは焦点の位置と光軸との距離、r’は傾きを示す。図6では、凸レンズ21の光軸が横軸として示されている。すなわち、横軸をz軸、縦軸をr軸として示されている。図6では、(z、r)=(0,0)の座標上に凸レンズ21の光学中心が配置されている。
凸レンズ21は、平行光を集光することが可能な形状を有するものである。具体的には、凸レンズ21の焦点距離がfであるときに、数式1の光線行列を満たすものである。
凸レンズ21に入射される平行光は、凸レンズ21の収差などを無視すると、図6に示すように、凸レンズ21に対して入射する角度Aにかかわらず、常に一定の焦点面23の平面上で焦点を結ぶ。このことは、以下の計算からも導かれる。
焦点距離fの凸レンズ21の光線行列は、参考文献「光デバイスのための光結合系の基礎と応用」(河野健治著、現代工学社、12ページ)より、
Figure 2005318493

と表される。いま、凸レンズ21の光軸であるz軸に対する光線の傾きをr’(=dr/dz)とする。凸レンズ21に入射する平行光の入射直前の座標を(r、tanA)、出射直後の座標を(r、r’)とすると、それぞれの関係は、数式1の光線行列を用いて、
Figure 2005318493

と表される。
数式2より、レンズ出射直後の光線の傾きr’は、
Figure 2005318493

と得られる。
平行光が光軸に対して角度Aで入射された場合、出射光がz=fである焦点面23の平面上に到達したときの光軸からの距離dは、
Figure 2005318493

となる。
ここで、図5で示したように、平行光が光軸に対して垂直に入射された場合(A=0)、数式4よりd=0となり、出射光は常に光軸上に焦点を結び、焦点と凸レンズ21の光学中心との距離はfとなる。一方、図6で示したように、平行光が光軸に対して角度Aで入射された場合、凸レンズ21への入射位置rによらず、凸レンズ21の焦点はz=fの焦点面23の平面上にあることになる。ここで、数式2より、r=rである。z=fの平面は、凸レンズ21のレンズ面と平行な平面であるので、凸レンズ21の焦点は凸レンズ21のレンズ面と平行な平面上となる。
上記の計算のとおり、前述の図1で説明したアクセスポイント83からの信号光Eは平行光であるとき、信号光Eを凸レンズ21のレンズ面と平行な平面である焦点面23に集光させることができる。これにより、凸レンズ21のレンズ面との距離がfである焦点面23の平面上を受光素子が移動することにより、受光素子は信号光Eの焦点を走査することができる。
図3及び図4に示した光受信器51の動作について説明する。本発明に係る光受信方法は、空間に出射された信号光Eを、レンズ12の前面から入射させてレンズ12の背面に集光する集光過程と、レンズ12の背面の少なくとも一部に列状に配置された複数の受光素子13が、信号光Eを受信して電気信号を出力し、駆動部(不図示)が、複数の受光素子13をレンズ12のレンズ面と略平行に移動する受信過程と、スイッチ回路15が、受光素子13のそれぞれから出力された複数の電気信号のうち、信号強度の強い1つ又は複数の電気信号を選択して電気信号Fを出力する出力過程と、を順に含む。より具体的な動作を以下に説明する。信号光Eはレンズ12の前面から入射する。レンズ前面から入射した信号光Eは、レンズ12を透過し、レンズ12に略平行な平面である焦点面に集光される。ヘッド14が駆動部によりレンズ12と平行な平面上を移動する。ここで、ヘッド14とレンズ12の間、ヘッド14の前面には受光素子13が固定されている。受光素子13は、レンズ12からの光が集光されるレンズ12の焦点面に配置されている。ヘッド14がレンズ12のレンズ面と平行に移動する。複数の受光素子13は、ヘッド14がレンズ12のレンズ面と平行に移動する間、光を検出し続ける。受光素子13のそれぞれで検出された光は、随時受光素子13で電気信号に変換されてスイッチ回路15へ出力される。スイッチ回路15は、入力された電気信号の信号強度を比較して、最も信号強度の強い1つ又は複数の電気信号を選択して出力する。
光受信器51は、スイッチ回路15で複数の受光素子13からのうち、最も信号強度の強い電気信号を選択しつつ受光素子を移動することにより、レンズ12のレンズ面と略平行な平面上に集光された平面上で信号光Eの焦点位置を走査して光軸調整を行うことができる。光受信器51は、レンズ12で集光した信号光Eを走査するので、走査する面積を小さくすることができる。またレンズ12で集光した信号光Eを走査するので、光軸調整を2次元走査で行うことが可能となる。したがって、光無線LAN機器の小型化及び低コスト化を可能とし、かつ高速に光軸調整することが可能になる。
さらに駆動部について説明する。駆動部は、複数の受光素子13をレンズ12のレンズ面と略平行に移動するものである。駆動部は、少なくともレンズ12のレンズ面と略平行な平面を2次元走査するものであればよく、その機構については限定しない。
駆動部は、複数の受光素子13を、レンズ12のレンズ面と略平行であって、かつ複数の受光素子13の配列方向と略垂直に移動することが好ましい。すなわち、前記受信過程において、駆動部は、レンズ12のレンズ面と略平行であって、かつ複数の受光素子13の配列方向と略垂直に複数の受光素子13を移動してもよい。駆動部は、リニアモータを用いたものでもよい。駆動部は、回転モータ並びにラック及びピニオンを用いたものでもよい。この場合の実施例について前述の図3及び図4の図を用いて説明する。台座22の上にラックを固定する。ラックは、台座22の上に、レンズ12と平行に配置される。またラックの長手方向を受光素子13の配列方向と略垂直に配置される。ピニオンの回転軸とヘッド14とを固定する。ピニオンは回転モータで回転させる。このように配置されたラックとピニオンの歯車を互いにかみ合わせる。
これにより、ピニオンの固定されたヘッド14をラックに沿って移動することができる。すなわち、回転モータ並びにラック及びピニオンを用いた駆動部により、駆動部は複数の受光素子とレンズのレンズ面と略平行であって、かつ複数の受光素子の配列方向と略垂直に複数の受光素子を移動することができる。スイッチ回路15で複数の受光素子13からのうち、最も信号強度の強い電気信号を選択しつつ受光素子を移動することにより、受光素子13は、レンズ12のレンズ面と略平行な平面上に集光された平面上で信号光Eの焦点位置を走査することができる。
このように、駆動部が複数の受光素子とレンズのレンズ面と略平行であって、さらに複数の受光素子の配列方向と略垂直に複数の受光素子を移動することにより、信号光の焦点位置を効率的に走査することができるようになる。したがって、より高速での光軸調整が可能な光受信器を提供することができる。
駆動部は、複数の受光素子13を、レンズ12のレンズ面と略平行であって、かつ複数の受光素子13の配列された列上の1点を中心に回転して移動することが好ましい。すなわち、前記受信過程において、駆動部は、レンズ12のレンズ面と略平行であって、かつ複数の受光素子13の配列された列上の1点を中心に回転することにより移動してもよい。この場合の実施例について図7を用いて説明する。図7は、受光素子13及びモータ16が搭載された可動円盤17を備える駆動部の一例である。図7において、13は受光素子、14はヘッド、16はモータ、17は可動円盤、Hは可動円盤の回転する回転方向を示す。
可動円盤17の中心にモータ16が配置される。可動円盤17の中心から放射状に伸びる1直線上にヘッド14が配置される。ヘッド14の上に受光素子13が前記1直線上に1列に配置されている。可動円盤17は、可動円盤17の中心に配置されたモータ16を中心に、方向Hへ回転する。受光素子13は、前述の図1に示した信号光Eを受信して電気信号を出力するものである。他の機能については、前述の図3及び4で説明したものと同様である。ヘッド14は、受光素子13を固定するものである。ヘッド14は、可動円盤17に搭載し、或いは一体形成したものでもよい。モータ16は、可動円盤17を回転させるものである。回転機構の備わる従来のモータでもよい。1方向のみに回転するものに限らず、任意の回転数、任意の角度で回転できるものでもよい。可動円盤17は、ヘッド14及び受光素子13を固定する円盤形状の板である。円の中心に固定されたモータ16で回転することができるものであればよい。材質は限定するものではない。例えば、樹脂やアルミニウム等の軽量な材質を用いれば、回転に要するエネルギーを少なくすることもできる。また、ステンレス等の磨耗に強い安定した材質を用いれば、湿度が高く振動が多い場所でも光受信器を使用することができる。
可動円盤17は、可動円盤17の中心に配置されたモータ16により、モータ16を中心に回転する。可動円盤17上に固定されている受光素子13は、可動円盤17の回転にともない可動円盤17の上を、モータ16を中心に回転移動する。スイッチ回路15で複数の受光素子13からのうち、最も信号強度の強い電気信号を選択しつつ受光素子を移動することにより、複数の受光素子13は可動円盤17の中心軸を中心に回転して移動し、信号光を集光するレンズのレンズ面と略平行な平面上に集光された信号光Eの焦点を走査することができる。
また、ヘッド14を可動腕に搭載し、或いは一体形成し、可動腕をモータによって駆動してもよい。本実施形態の一例を図8に示した。図8において、13は受光素子、14はヘッド、16はモータ、18は可動腕を示す。可動腕18の一端にモータ16が配置されている。可動腕18のもう一端に受光素子13の備わるヘッド14が固定されている。複数の受光素子13は、ヘッド14に固定されている。モータ16はモータ16を中心に可動腕18を回転させることのできるものである。
モータ16は、信号光を集光するレンズのレンズ面と垂直な方向を軸として回転する。モータ16に固定されている可動腕18は、モータ16を中心に回転する。これにより、可動腕18に備わっている受光素子13は、信号光を集光するレンズのレンズ面と平行であって、複数の受光素子13の配列された列上の1点であるモータ16の回転中心を中心に回転する。スイッチ回路15で複数の受光素子13からのうち、最も信号強度の強い電気信号を選択しつつ受光素子を移動することにより、複数の受光素子13は可動円盤17の中心軸を中心に回転して移動し、信号光を集光するレンズのレンズ面と略平行な平面上に集光された信号光Eの焦点を走査することができる。
以上説明したように、複数の受光素子13を、レンズ12のレンズ面と略平行であって、複数の受光素子13の配列された列上の1点を中心に回転して移動することにより、少ないエネルギーで焦点位置を走査することが可能になる。したがって、高速に光軸調整を行うことのできる光受信器を提供することができる。
さらに駆動部は、受光素子と一体化したものでもよい。例えば、受光素子が2次元的に配列されたものを用い、受光素子ごとに光量を検出するものでもよい。このような、受光素子が2次元的に配列されたものに、ポジションセンサー、CMOS、CCDがある。受光素子ごとに光量を検出し、受光素子から出力された電気信号のうち信号強度の強い電気信号を選ぶことにより、信号光を受信することもできる。
さらに、前述の図3及び図4で説明したスイッチ回路15について図9を用いて具体的に説明する。スイッチ回路15は、受光素子のそれぞれから出力された複数の電気信号のうち、信号強度の強い1つ又は複数の電気信号を選択して出力するものである。図9は、本発明の実施形態に基づく光受信器のスイッチ回路を説明する図である。図9において、19はクロスポイントスイッチ、20は比較器である。スイッチ回路15は、クロスポイントスイッチ19及び比較器20を備える。ヘッド14に複数の受光素子13が列状に配置されている。受光素子13のそれぞれは、スイッチ回路へ電気的に接続されている。スイッチ回路15に接続された受光素子13からの接続線は、すべて2つに分岐され、一方はクロスポイントスイッチ19へ、もう一方は比較器20へと接続されている。比較器20の出力端子はクロスポイントスイッチ19へ接続されている。クロスポイントスイッチ19の出力端子はスイッチ回路15の出力端子と接続されている。
受光素子13及びヘッド14は前述の図3及び図4で説明したものと同様のものでよい。比較器20は、信号強度を比較するものである。比較器20は、複数の電気信号について信号強度を比較できるものであればよい。複数の信号強度を同時に比較して最も強いものを特定することができるものでもよい。2つの電気信号を比較する回路を複数個備えることにより最も強い信号強度を選択することができるものでもよい。
クロスポイントスイッチ19は、制御信号により複数の電気信号から信号強度の強い電気信号を選択し、出力信号Fとして出力することができるものである。クロスポイントスイッチ19が選択する電気信号の数は、1つでも複数でもよい。1つの電気信号のみを選択すると、回路構造を簡単にすることができる。
上記構成の動作について以下に説明する。可動円盤17の上に受光素子13のそれぞれから出力された電気信号は、スイッチ回路15でそれぞれ分岐され、クロスポイントスイッチ19と比較器20へ入力される。比較器20では、入力されたすべての信号強度を比較し、最も信号強度が強い受光素子を駆動受光素子24として受光素子13の中から特定し、クロスポイントスイッチ19が駆動受光素子24からの電気信号のみを出力するよう、制御信号をクロスポイントスイッチ19へ出力する。クロスポイントスイッチ19では、制御信号に基づき、最も信号強度が強い駆動受光素子24からの電気信号のみを出力する。
なお、上記の構成例において、レンズ12で集光される信号光の焦点のスポットサイズが、受光素子13の受光面積より大きい場合、信号光Eが複数の受光素子13で受信されることも考えられる。このような場合は、スイッチ回路15において、信号強度が比較的強い、複数の受光素子からの電気信号を出力する構成であってもよい。
なお、図3或いは図7で記載されていないが、受光素子13で受信された信号光は、前置増幅器、等化器、電力増幅器、低域透過フィルタ等、デジタル信号を検出するために必要な回路を通過した後、スイッチ回路15に入力される構成であってもよい。スイッチ回路で最も信号強度の強い電気信号を選択してから、等化器等を通過させてもよい。
このように信号強度を比較し、最も信号強度の強い1つ又は複数の電気信号を選択して出力信号Fとして出力することにより、信号光Eが複数の受光素子13のうち複数に分散する場合でも受信することが可能になる。
本発明の光受器の他の実施形態について図10を用いて説明する。図10は、本発明の光受信器の他の一例を説明する回路図である。図10は、前述の図9に示したスイッチ回路15と、複数の受光素子13の移動範囲内で最大の信号強度を得られるように駆動部を制御する制御回路34を備える。すなわち前記受信過程において、駆動部を制御する制御回路が、複数の受光素子13の移動範囲内で最大の信号強度を得られるように複数の受光素子13を移動する。
制御回路34は、例えば、それぞれの受光素子13で受信した信号光の信号強度を比較して、最大の信号強度が受信されるように、前述の図7に示したモータ16を制御することにより受光素子13を方向Hに移動するものである。駆動部に備わる例えばラックやピニオンなどの構成要素により受光素子13の位置を認識できるものでもよい。制御回路34が比較する信号強度は、例えばスイッチ回路15からの出力信号Fを用いることができる。スイッチ回路から出力される出力信号Fが1つの場合は、その出力信号Fを比較すればよい。出力信号Fが複数の場合は、それらのうちで最大のものでもよいし、それらの平均値でもよい。制御回路34が比較する信号強度は出力信号Fに限定されるものではなく、例えば図9に示した比較器20で比較した結果を用いてもよい。なお、制御回路34が制御する駆動部は限定しない。
図11に制御回路34の動作の一例を示す。制御回路34は、複数の受光素子13を駆動部(不図示)の移動方向に微動させ、移動前のスイッチ回路15から出力された出力信号Fの信号強度と移動後のスイッチ回路15から出力された出力信号Fの信号強度とを比較し、大きい信号強度を得られる方向に複数の受光素子13を移動するものでもよい。図11は、図10に示した制御回路34の動作の一例を示すフロー図である。スタート(S101)の後、動作確認過程(S103)で出力信号Fを確認する。動作確認過程(S103)で出力信号Fが確認されなかったときは、スキャン過程(S104)に移行し、受光素子13を例えば最小ピッチ分移動し、動作確認過程(S103)に戻る。ここで、最小ピッチとは、受光素子13の移動する最小単位である。出力信号Fが認識できるまで動作確認過程(S103)及びスキャン過程(S104)を繰り返す。ここで、出力信号Fが認識するのは、例えば予め定めた閾値を超えたものとすることができる。例えば出力信号Fがガウス状に分布する場合、ガウス分布の裾と予想できる値を閾値とすればよい。なお、受光素子13が移動する量は限定するものではなく、受光素子13を移動する範囲が広い場合は複数ピッチで移動してもよい。
動作確認過程(S103)において出力信号Fを確認したときは、微動過程(S105)に移行する。微動過程(S105)では、受光素子13を定められた移動方向に最小ピッチ分移動する。この移動後に複数の受光素子13が信号光を受信して、スイッチ回路15から出力信号Fが新たに出力される。この後、比較過程(S106)において動作確認過程(S103)で確認した出力信号Fの信号強度と、微動過程(S105)で新たに出力された出力信号Fの信号強度を比較する。比較過程(S106)において、微動過程(S105)で新たに出力された出力信号Fが、前回すなわち動作確認過程(S103)で確認した出力信号Fよりも信号強度が大きいとき、移動過程(S108)に移行して、受光素子13を前回すなわち微動過程(S105)と同じ方向に最小ピッチ分移動する。受光素子13を移動した後、受光素子13は信号光を受信し、スイッチ回路15から出力信号Fがさらに新たに出力される。その後、最大確認過程(S109)にて最後に受信したものの信号強度が最大であるかを確認する。最大確認過程(S109)で確認された信号強度が最大であれば、移動過程(S108)に戻る。そして移動過程(S108)及び最大確認過程(S109)を繰り返すことにより、より高い信号強度が受信できる方向に受光素子13を移動することができる。一方、最大確認過程(S109)で確認された信号強度が最大でなければ、確定過程(S110)に移行し、受光素子13を1つ前に受信した位置すなわち微動過程(S105)で移動した位置に戻し、受光素子13を静止させる。ここでは前回最小ピッチ分移動したので、最小ピッチ分移動すればよい。
比較過程(S106)において微動過程(S105)に受信した出力信号Fが前回すなわち動作確認過程(S103)で確認した出力信号Fよりも信号強度が小さかったときは、方向転換過程(S107)に移行して、受光素子13を前回すなわち微動過程(S105)とは逆方向に最小ピッチ分移動する。そして、さらに移動過程(S108)に移行して、方向転換過程(S107)で移動した方向と同じ方向に最小ピッチ分移動する。このように、方向転換過程(S107)及び移動過程(S108)を経ることによって、受信される信号強度がより大きくなる方向へ受光素子13を移動することができる。このような手順により、複数の受光素子13をより信号出力の大きな方向に移動することで、複数の受光素子13の移動範囲内で最大の信号強度を得ることが可能になる。なお、受光素子13の移動するピッチは最小ピッチに限定するものではない。複数ピッチで移動してもよい。受光素子で受信された信号強度により移動するピッチを変えてもよい。
さらに、図12に制御回路34の動作の他の一例を示す。制御回路34は、複数の受光素子13を受信させながら定められた範囲内で移動掃引させ、スイッチ回路15の出力のうち最大の信号強度を得られる位置を選択し、当該位置へ複数の受光素子13を移動するものでもよい。図12は、図10に示した制御回路34の動作の他の一例を示すフロー図である。図12に示すフローは、図11に示すものとほぼ同様であるが、動作確認過程(S103)で出力信号Fが確認された後の過程が異なり、受光素子13を移動方向に最小ピッチ分移動しながら定められた範囲内を移動掃引する移動掃引過程(S205)と、出力信号Fに含まれるなかで信号強度が最大の電気信号を出力した位置を選択し、その位置へ複数の受光素子13を移動する確定過程(S206)とが含まれる。定められた範囲内は、例えば複数の受光素子13の移動範囲内の全域である。複数の受光素子13の移動範囲内で可能性の高い一部分であってもよい。また、図11に示した動作では、スキャン過程(S104)において最小ピッチ分移動したが、図12の例では、スキャン過程(S104)は移動可能な最大の範囲内すなわち最大振幅を移動走査して、その中に出力信号Fが含まれていたのかを確認してもよい。このようにして受光素子13を移動することで、効率よく複数の受光素子13の移動範囲内で最大の信号強度を得ることが可能になる。なお、前述の図11で説明したように受光素子13の移動するピッチは最小ピッチに限定するものではない。
さらに、図10に示した制御回路34が信号強度を比較するのは、出力信号Fではなく、比較器20から出力される強度信号Lであってもよい。この場合の回路構成例を図13に示した。図13は、本発明の光受信器の他の一例を説明する回路図である。図13に示す光受信器は前述の図9とほぼ同様であるが、比較器20ではなく、強度信号Lを出力する比較器32が備わるスイッチ回路31と、比較器32からの強度信号Lによって信号強度を比較する制御回路34とが備わっている。比較器32は、例えば、信号強度を比較し、比較した結果を強度信号Lとして出力するものである。強度信号Lは、信号強度の情報を含み、受光素子の位置情報を含んでいてもよい。それぞれの複数受光素子の位置情報は、例えば複数の受光素子の配列された方向をX軸、受光素子13の移動方向をY軸としたX−Y平面の座標によって指定することができる。比較器32から出力される強度信号Lは、各受光素子で受信した全てのものでもよいが、同時に受信したうちで最大のもののみでもよいし、最大のものだけでなく選択した複数のものでもよい。また、比較器32は、出力する電気信号の閾値を定め、閾値以上のときにのみ、当該受光素子の信号強度Lとして出力してもよい。閾値以上の受光素子が1つの場合はその受光素子の強度信号Lを出力し、閾値以上の受光素子が複数の場合はそれらから最大の受光素子の強度信号Lを出力してもよい。閾値以下のとき、比較器32は、何も出力しなくてもよいが、信号光を受信していないことを出力してもよい。このように、比較器32から出力される強度信号Lを用いるもできる。
以上図10から図13を用いて説明したように、受光素子13が受信した信号光の強度を駆動部(不図示)にフィードバックして、受光素子13で受信する信号強度が最大となるように制御回路が複数の受光素子13を移動することにより、効率よく光軸調整することが可能になる。
駆動部は、さらに前記レンズのレンズ面と垂直な方向に前記複数の受光素子を移動して、前記レンズによって集光された信号光の焦点位置を走査することが好ましい。すなわち、前記光受信方法の前記受信過程において、駆動部(不図示)は、さらにレンズ12のレンズ面と垂直な方向に複数の受光素子13を移動してもよい。
本実施形態の構成及び動作は前述の図3及び図4で説明したものとほぼ同様である。図3及び図4との違いは、ヘッド14の走査方向である。本実施形態では、ヘッド14がレンズ面と垂直な方向に移動することである。
前述のラック及びピニオンを用いた実施形態に加え、台座22がレンズホルダ11の内部で移動可能にすることによってもよい。前述の図3及び図4では台座22の上にレンズホルダ11を配置したが、レンズホルダ11の内側に台座22を配置する。レンズホルダ11の内側にラックを配置し、台座22にピニオンを配置する。ピニオンに回転モータを取り付けることにより、台座22をレンズ12のレンズ面と垂直方向に移動することが可能になる。
数式4はレンズ12への入射光が平行光であることを想定して導出したが、実際の入射光は、光軸上のどこかにビームウエストを持つガウシアンビームである可能性もある。その場合、アクセスポイントにある送信器と端末装置にある受信器との距離が変わることにより、焦点距離も変化することが予想される(例えば、「光デバイスのための光結合系の基礎と応用」(河野健治著、現代工学社、61ページ)。)。ヘッド14をレンズ12のレンズ面と垂直な方向に移動可能にすることにより、レンズが集光する焦点距離が変化しても焦点位置を走査することができる。したがって、アクセスポイントと端末装置との距離の変化に対応することができるため、光受信器の感度を向上させることができる。この結果、光受信器で受信して出力する出力信号の品質を向上させることもできる。
本発明に係る光受信器は、可視光や紫外光の光軸調整に利用することもできる。また、衛星間通信などの移動体同士の光軸調整に利用することもできる。
光無線LANシステムにおける通信機の配置例を示す図である。 従来の光無線LAN機器の構成を説明する図である。 本発明の実施例に基づく光受信器の構成を説明する図である。 本発明の実施例に基づく光受信器の構成を説明する図である。 前述の図1に示した信号光Eが凸レンズ21に対して垂直である場合の焦点位置について説明する図である。 前述の図1に示した信号光Eが凸レンズ21の垂直軸に対して角度Aの傾きを有する場合の焦点位置について説明する図である。 本発明の実施例に基づく光受信器のヘッド駆動方法を説明する図である。 本発明の実施例に基づく光受信器のヘッド駆動方法を説明する図である。 本発明の実施例に基づく光受信器のスイッチ回路を説明する図である。 本発明の光受信器の他の一例を説明する回路図である。 制御回路の動作の一例を示すフロー図である。 制御回路の動作の他の一例を示すフロー図である。 本発明の光受信器の他の一例を説明する回路図である。
符号の説明
11 レンズホルダ
12 レンズ
13 受光素子
14 ヘッド
15、31 スイッチ回路
16 モータ
17 可動円盤
18 可動腕
19 クロスポイントスイッチ
20、32 比較器
21 凸レンズ
22、91 台座
23 焦点面
24 駆動受光素子
33、34 制御回路
51 光受信器
81、82 通信端末
83 アクセスポイント
84、85 端末装置
86、87 机
92 回転台座
93 支柱
94 支持棒
95 光送受信器
96 光送信器用レンズ
97 光受信器用レンズ
98、99 モータ
A 角度
d 距離
E 信号光
F 出力信号
G 移動方向
H、I、J 方向
K 制御信号
L 強度信号

Claims (15)

  1. 空間に出射された信号光を前面から入射する光無線通信用の光受信器であって、
    前面から入射した前記信号光を背面に集光するレンズと、
    前記レンズの背面の少なくとも一部に列状に配列され、前記信号光を受信して電気信号を出力する複数の受光素子と、
    前記複数の受光素子を前記レンズのレンズ面と略平行に移動する駆動部と、
    前記受光素子のそれぞれから出力された複数の前記電気信号のうち、信号強度の強い1つ又は複数の電気信号を選択して出力するスイッチ回路と、を備える光受信器。
  2. 前記駆動部は、前記複数の受光素子を、前記レンズのレンズ面と略平行であって、かつ前記複数の受光素子の配列方向と略垂直に移動することを特徴とする請求項1に記載の光受信器。
  3. 前記駆動部は、前記複数の受光素子を、前記レンズのレンズ面と略平行であって、かつ前記複数の受光素子の配列された列上の1点を中心に回転して移動することを特徴とする請求項1に記載の光受信器。
  4. 前記駆動部は、さらに前記レンズのレンズ面と垂直な方向に前記複数の受光素子を移動することを特徴とする請求項1、2、3に記載のいずれかの光受信器。
  5. 前記複数の受光素子の移動範囲内で最大の信号強度を得られるように前記駆動部を制御する制御回路をさらに設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4に記載のいずれかの光受信器。
  6. 前記制御回路は、前記複数の受光素子を前記駆動部の移動方向に微動させ、移動前の前記スイッチ回路の信号強度と移動後の前記スイッチ回路の信号強度とを比較し、大きい信号強度を得られる方向に前記複数の受光素子を移動することを特徴とする請求項5に記載の光受信器。
  7. 前記制御回路は、前記複数の受光素子を受信させながら定められた範囲内で移動掃引させ、前記スイッチ回路の出力のうち最大の信号強度を得られる位置を選択し、当該位置へ前記複数の受光素子を移動することを特徴とする請求項5に記載の光受信器。
  8. 前記受光素子は赤外光を受信することを特徴とする請求項1−7に記載のいずれかの光受信器。
  9. 空間に出射された信号光を、レンズの前面から入射させて該レンズの背面に集光する集光過程と、
    前記レンズの背面の少なくとも一部に列状に配置された複数の受光素子が、前記信号光を受信して電気信号を出力し、
    駆動部が、前記複数の受光素子を前記レンズのレンズ面と略平行に移動する受信過程と、
    スイッチ回路が、前記受光素子のそれぞれから出力された複数の前記電気信号のうち、信号強度の強い1つ又は複数の電気信号を選択して出力する出力過程と、を順に含む光受信方法。
  10. 前記受信過程において、前記駆動部は、前記複数の受光素子を、前記レンズのレンズ面と略平行であって、かつ前記複数の受光素子の配列方向と略垂直に移動することを特徴とする請求項9に記載の光受信方法。
  11. 前記受信過程において、前記駆動部は、前記複数の受光素子を、前記レンズのレンズ面と略平行であって、かつ前記複数の受光素子の配列された列上の1点を中心に回転して移動することを特徴とする請求項9に記載の光受信方法。
  12. 前記受信過程において、前記駆動部は、さらに前記レンズのレンズ面と垂直な方向に前記複数の受光素子を移動することを特徴とする請求項9−11に記載のいずれかの光受信方法。
  13. 前記受信過程において、前記駆動部を制御する制御回路が、前記複数の受光素子の移動範囲内で最大の信号強度を得られるように前記複数の受光素子を移動することを特徴とする請求項9−12に記載のいずれかの光受信方法。
  14. 前記受信過程において、前記制御回路は、前記複数の受光素子を前記駆動部の移動方向に微動させ、移動前の前記スイッチ回路の信号強度と移動後の前記スイッチ回路の信号強度とを比較し、大きい信号強度を得られる方向に前記複数の受光素子を移動することを特徴とする請求項13に記載の光受信方法。
  15. 前記受信過程において、前記制御回路は、前記複数の受光素子を受信させながら定められた範囲内で移動掃引させ、前記スイッチ回路の出力のうち最大の信号強度を得られる位置を選択し、当該位置へ前記複数の受光素子を移動することを特徴とする請求項13に記載の光受信方法。

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