JP2005317777A - 電子部品の製造方法、コンデンサの製造方法、及び、バリスタの製造方法 - Google Patents
電子部品の製造方法、コンデンサの製造方法、及び、バリスタの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 所望の位置に正確に電極を形成することができる電子部品の製造方法、特に、コンデンサ及びバリスタの製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の電子部品(コンデンサ1)の製造方法は、素体2と、この素体2に隣接して形成された電極4とを備える電子部品を製造する方法であって、電極4を形成すべき領域に凹部6を有する素体2を準備する工程、凹部6に電極ペースト32を供給する工程、凹部6を覆うように電極ペースト32を広げる工程、及び、電極ペースト32を加熱して電極4を形成する工程を有している。
【選択図】 図3
【解決手段】 本発明の電子部品(コンデンサ1)の製造方法は、素体2と、この素体2に隣接して形成された電極4とを備える電子部品を製造する方法であって、電極4を形成すべき領域に凹部6を有する素体2を準備する工程、凹部6に電極ペースト32を供給する工程、凹部6を覆うように電極ペースト32を広げる工程、及び、電極ペースト32を加熱して電極4を形成する工程を有している。
【選択図】 図3
Description
本発明は、電子部品、特に、コンデンサ及びバリスタの製造方法に関する。
セラミック材料等の有する電気的な特性を利用した電子部品には、コンデンサ、バリスタ、サーミスタ等がある。これらの電子部品としては、素体表面に電極が設けられた構造を有するものが一般的である。このような電子部品の製造において、電極を形成する方法としては、電極ペーストをスクリーン印刷等の印刷法により塗布する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−163132号公報
しかしながら、上述したような通常の印刷法により電極を形成させると、例えば、以下に示すような不都合が生じ易い傾向にあった。すなわち、上記従来の印刷法においては、素体における平坦な面上に、所定の形状を有するマスク等を介して電極ペーストの塗布を行っていた。しかし、かかる方法においては、このようなマスクの位置合わせを正確に行うことは必ずしも容易ではなかった。このため、従来の方法では、電極ペーストを塗布すべき領域を正確に定めることが困難であり、得られた素子ごとに電極の形成位置が異なっていることもあった。例えば、一対の電極間に素体が配置された構成を有するコンデンサを製造する場合には、対向する電極同士の重なりが一定となるように電極を形成することが困難であり、得られた素子間で、耐電圧等の特性にばらつきを生じ易かった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、所望の位置に正確に電極を形成することができる電子部品の製造方法、特に、コンデンサ及びバリスタの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、素体と、この素体に形成された電極とを備える電子部品を製造する方法であって、電極を形成すべき領域に凹部を有する素体を準備する工程と、この凹部に電極ペーストを供給する工程と、凹部を覆うように電極ペーストを広げる工程と、電極ペーストを加熱して電極を形成する工程とを有することを特徴とする。
この電子部品の製造方法においては、流動性を有する電極ペーストを、素体に設けられた凹部に供給した後、この凹部内で広げることによって、素体への電極ペーストの塗布を行っている。このため、電極ペーストが凹部の外側に塗布されることが極めて少ない。つまり、このような電極ペーストの塗布方法においては、電極ペーストを塗布すべき領域が、上述した凹部によって正確に定められる。その結果、上記製造方法によれば、所望の領域に正確に電極を形成することが可能となる。
また、この製造方法においては、凹部に供給された電極ペーストを広げることにより塗布を行っているため、従来の印刷法等に比して電極ペーストの使用量を少なくした場合であっても、均一な塗布を行うことができる。その結果、従来よりも電極ペーストを薄く塗布することが可能となり、電極ペーストを厚く塗布した場合に生じやすかった電極のひび割れ等の不都合を低減することができる。しかも、このように電極ペーストの使用量を少なくできることから、電子部品を製造する際のコストを低減することもできる。
さらに、従来の印刷法においては、各種の形状を有する電極を形成するために、それぞれの電極の形に応じたマスク等を準備しなければならなかった。このため、製造工程が極めて煩雑となっていた。これに対し、上記製造方法においては、素体における所望の領域に凹部を形成させればよいため、このようなマスク等を準備するための煩雑さを解消することができる。
上記本発明の電子部品の製造方法においては、素体を準備する工程において、型を用いて凹部を有する素体を形成することが好ましい。このように型を用いれば、凹部を有する素体を容易に形成することが可能となるほか、素体の製造を均質に行うことが可能となる。
また、凹部に供給した電極ペーストを広げる工程においては、素体を振動させるか、または、素体を凹部の深さ方向に平行な軸を中心にして回転させると好ましい。こうすれば、電極ペーストを凹部の表面に均一に広げることができる。
さらに、電極ペーストを良好に広げるためには、電極ペーストとして、その粘度が0.5〜20Pa・sであるものを用いることが好ましい。このような粘度を有する電極ペーストは、上述した振動や回転等によって広がり易い特性を有しているため、電極ペーストの塗布が更に容易となる。
このような製造方法によって形成する電子部品としては、コンデンサが好適である。すなわち、本発明によるコンデンサの製造方法は、複数の電極と、隣接する電極間に配置されたコンデンサ素体とを備えるコンデンサを製造する方法であって、電極を形成すべき領域に凹部を有するコンデンサ素体を準備する工程と、凹部に電極ペーストを供給する工程と、凹部を覆うように電極ペーストを広げる工程と、電極ペーストを加熱して電極を形成する工程とを有することを特徴とする。かかる製造方法によれば、対向する電極の重なりをほぼ一定とすることができる。その結果、得られた素子間で耐電圧等の特性にばらつきが生じるといった不都合は大幅に低減される。
また、上記製造方法により形成させる電子部品としては、バリスタも好適である。すなわち、本発明のバリスタの製造方法は、バリスタ素体と、このバリスタ素体の一面に形成された複数の電極とを備えるバリスタを製造する方法であって、電極を形成すべき領域に凹部を有するバリスタ素体を準備する工程と、凹部に電極ペーストを供給する工程と、凹部の覆うように電極ペーストを広げる工程と、電極ペーストを加熱して電極を形成する工程とを有することを特徴とする。このような製造方法によれば、素体における所望の領域に電極を形成することができる。よって、用途に応じた素子形状を有するバリスタを良好に製造することができる。
本発明によれば、所望の位置に正確に電極を形成することができる電子部品の製造方法、特に、コンデンサ及びバリスタの製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また上下左右等の位置関係は、図面の位置関係に基づくものとする。
(第1実施形態)
まず、実施形態に係る電子部品の一例であるコンデンサの製造方法について説明する。図1は、実施形態の製造方法により得られたコンデンサを示す斜視図である。また、図2は、図1に示したコンデンサの断面構造を模式的に示す図である。図示されるように、コンデンサ1は、一対の電極4間にコンデンサ素体2が挟まれた構成を有している。また、コンデンサ素体2の電極4と接している上下の面には、平坦な底部を有する凹部6がそれぞれ設けられている。換言すれば、コンデンサ素体2は、周縁部に凸部を有した構造となっている。各電極4は、この凹部6の表面を覆うように形成されている。
まず、実施形態に係る電子部品の一例であるコンデンサの製造方法について説明する。図1は、実施形態の製造方法により得られたコンデンサを示す斜視図である。また、図2は、図1に示したコンデンサの断面構造を模式的に示す図である。図示されるように、コンデンサ1は、一対の電極4間にコンデンサ素体2が挟まれた構成を有している。また、コンデンサ素体2の電極4と接している上下の面には、平坦な底部を有する凹部6がそれぞれ設けられている。換言すれば、コンデンサ素体2は、周縁部に凸部を有した構造となっている。各電極4は、この凹部6の表面を覆うように形成されている。
以下、このような構成を有するコンデンサ1の好適な製造方法について、図3を参照して説明する。図3は、実施形態に係るコンデンサの製造方法を説明する図である。コンデンサ1の製造においては、まず、電極4を形成すべき領域に凹部6を有するコンデンサ素体2を準備する(図1(a))。かかる形状のコンデンサ素体2は、例えば、以下に示すようにして形成することができる。
すなわち、まず、BaTiO3等の高誘電率を有するセラミック材料を、公知の方法により粉砕して微細粒子にした後、必要に応じて粒度調整、混練、造粒等を行って、成形用の原料を調製する。次いで、この原料にか焼等を施した後、適宜結合剤や成形助剤を加え、後述する成形に適した性状(例えば、粘度等)となるように調節する。
その後、得られた原料を、凹部6を形成可能な形状を有する型を用いて、上面及び底面に凹部を有する円盤状の形状に成形する。かかる成形は、例えば、一対の金型で原料をプレスする方法(プレス成形法)、金型内に原料を流し込んだ後に加圧する方法(金型加圧成形法)、射出成形法等により行うことができる。そして、得られた成形体を、当該成形体を構成するセラミック材料に応じた温度で焼結して、上記構造を有するコンデンサ素体2を得る。
コンデンサ1の製造においては、次いで、コンデンサ素体2に設けられた凹部6の中央部付近に、ノズル30から電極ペースト32を滴下する等して、凹部6に電極ペースト32を供給する(図3(b))。
電極ペースト32としては、例えば、コンデンサの電極として用いられるAgやCu等の金属からなる導電性材料と、有機ビヒクルとを含有したものを用いることができる。ここで、有機ビヒクルとしては、バインダー及び溶剤を混合したものが好ましい。バインダーとしては、エチルセルロース、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられ、溶剤としては、テルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等が挙げられる。
なかでも、電極4を外部接続手段等と接続するためにはんだ付けを行う際のはんだ食われを防止する観点から、電極ペースト32として、Cuを含むものを用いることが好ましい。また、電極ペースト32中の導電性材料の含有量は、50〜70質量%程度とすることが好ましい。
さらに、後述する電極ペースト32を広げる工程を良好に行う観点からは、電極ペースト32の粘度は、0.5〜20Pa・sであると好ましく、1.0〜10Pa・sであるとより好ましい。この粘度が0.5Pa・s未満であると、電極ペースト32を広げる際、当該ペースト20が凹部6の外側にまで広がってしまうおそれがある。一方、粘度が20Pa・sを超えると、電極ペースト32が凹部6を覆うことが困難となる傾向にある。つまり、電極ペースト32の粘度が上記好適範囲である場合に、凹部6内で電極ペースト32を良好に広げることができる。その結果、所望の位置に正確に電極4を形成することが可能となる。
このようにコンデンサ素体2の凹部6に電極ペースト32を供給した後、凹部6を覆うように電極ペースト32を広げて、電極ペースト層14を形成する(図3(c))。かかる工程においては、例えば、コンデンサ素体2を種々の角度や方向に傾ける方法や、コンデンサ素体2を上下、左右又はその両方向に振動させる方法、コンデンサ素体2を凹部6の深さ方向に平行な軸を中心として回転させる方法等を行い、電極ペースト32を凹部6内で移動させることによって、凹部6の表面を覆うように電極ペースト32を広げることができる。なお、電極ペースト32が自然に凹部6内に広がる程度の粘度を有するものである場合には、これらの操作はあえて実施しなくてもよい。また、必ずしも図示のように、電極ペースト32が凹部6の側部まで覆っている必要はなく、少なくとも凹部6における平坦な底部を覆うように広がっていればよい。いずれの場合であっても、ほぼ同一の電極面積を得ることができる。
上述したなかでも、コンデンサ素体2を振動させる方法又は回転させる方法が、電極ペースト32を迅速に且つ均一な厚さで広げることができることから好ましい。特に、後者の場合には、バリスタ素体2を、凹部6における平坦な底部に対して垂直な軸を中心にして回転させることになるため、電極ペースト32をより均一に広げることが可能となる。かかる工程における、バリスタ素体2の振動の程度や回転の速度等の条件は特に限定されないが、凹部6のサイズ、電極ペースト32の粘度等の特性に応じて、凹部6を均一に覆うことができるように適宜設定することが望ましい。
それから、電極ペースト層14が形成されたコンデンサ素体2を加熱する等して、電極ペースト層14をコンデンサ素体2に焼き付けて、電極4を形成する。この焼き付けを行う際の加熱温度は、例えば、銅を含む電極ペースト32を用いる場合、600〜900℃程度とすることが好ましい。
そして、コンデンサ素体2における反対側の凹部6にも、上記と同様にして電極ペースト32の供給、電極ペースト層14の形成、及び電極ペースト層14の焼付けを順次行い、電極4を形成させる(図3(d))。こうして、図1及び図2に示した構造を有するコンデンサ1が得られる。
上述したコンデンサ1の製造方法においては、電極ペースト32は、コンデンサ素体2に設けられた凹部6内に供給した後に広げることによって塗布されている。この凹部6は、コンデンサ素体2における、電極4を形成すべき領域に対応した位置に設けられている。つまり、電極4を形成すべき領域は周囲が凸部に囲まれており、この凸部によって電極ペーストが広がる領域が定められる。このため、かかる方法によれば、電極ペースト32をコンデンサ素体2における電極を形成すべき領域に正確に塗布することができる。
特に、好適な場合、凹部6は、型を用いてコンデンサ素体2を形成する際に同時に設けられる。このため、同一の型を用いてコンデンサ素体2の製造を行えば、複数のコンデンサ1を製造する場合であっても、各コンデンサ1における電極4の形成位置をほぼ一定とすることができる。その結果、得られた各コンデンサ1における耐電圧等の特性のばらつきは極めて少なくなる。
なお、本発明によるコンデンサの製造方法は上述した実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。例えば、コンデンサ素体2における凹部6は、必ずしも型を用いて形成されたものである必要はなく、例えば、いったん円盤状の形状を有するコンデンサ素体を形成した後に、この素体の電極4を形成すべき領域を研削する等して設けられたものであってもよい。
また、上記方法においては、凹部6に電極ペースト32を供給した後に、コンデンサ素体2の振動や回転を実施していたが、これに限定されず、コンデンサ素体2の振動や回転を行いながら凹部6への電極ペースト32を供給してもよい。
さらに、電極4の形成方法としては、上述したような、コンデンサ素体2における一方の面に電極4を形成した後、他方の面に電極4を形成する方法のほかに、両面同時に電極4の形成を行う方法も実施可能である。このような方法としては、例えば、一方の面上に電極ペースト層14を形成してから、当該ペースト層14中の溶媒を除去する等して流動性を低下させた後に、他方の面に電極ペースト層14を形成して、これらの両電極ペースト層14を同時に焼き付ける方法が挙げられる。
(第2実施形態)
次に、実施形態に係る電子部品の他の例であるバリスタの製造方法について説明する。図4は、実施形態の製造方法により得られたバリスタを示す平面図である。また、図5は、図4に示したバリスタの断面構造を模式的に示す図である。図4及び図5に示したバリスタ20は、いわゆるリングバリスタと呼ばれ、例えば、DCモーター等に取り付けられてノイズ除去を行うものである。
次に、実施形態に係る電子部品の他の例であるバリスタの製造方法について説明する。図4は、実施形態の製造方法により得られたバリスタを示す平面図である。また、図5は、図4に示したバリスタの断面構造を模式的に示す図である。図4及び図5に示したバリスタ20は、いわゆるリングバリスタと呼ばれ、例えば、DCモーター等に取り付けられてノイズ除去を行うものである。
バリスタ20は、バリスタ層22、及び、このバリスタ層22の表面近傍領域に形成された絶縁層28からなるリング状のバリスタ素体21と、バリスタ素体21の一面(図2中の上面)上に、周方向に沿って3つ設けられた電極24とから構成されている。また、バリスタ素体21における電極24の形成面には、3つの凹部26が設けられている。これらの凹部26は、バリスタ素体21における電極形成面の反対側の面に対して平行であり、且つ、平坦な形状の底部を有している。各電極24は、この凹部26の表面を覆うように形成されている。
以下、このような構成を有するバリスタ20の製造方法の一例について説明する。すなわち、まず、バリスタ層22を構成する各金属の酸化物、又は、炭酸塩や水酸化物等の焼成により金属の酸化物となる化合物を、目的の組成となるように秤量する。これらに適宜焼結助剤、半導体化剤等を加えた後、ボールミル等を用いて混合する。ここで、バリスタ層22を構成する金属としては、通常リングバリスタにおけるバリスタ素体に用いられる金属を選択して用いることができ、例えば、Ba、Sr、Ca及びTiの組み合わせが挙げられる。
この混合物に、必要に応じて仮焼成、粉砕、造粒、混合等を行った後、ポリビニルアルコール等の結合剤等を含有させて、バリスタ素体21を形成するための原料を調製する。この原料を、上述したプレス成形法、金型加圧成形法、射出成形法等の方法を用いて、凹部26に対応する位置に凹部を有するリング状の形状に成形する。得られた成形体を還元雰囲気で焼成する。その後、焼成後の成形体を、空気等の酸化性雰囲気で熱処理(再酸化)して、この成形体の表面に絶縁層28を形成する。こうして、上述した構造を有するバリスタ素体21を得る。
次に、バリスタ素体21における各凹部26の中央部付近に電極ペーストを滴下する等して、凹部26に電極ペーストを供給する。この際、電極ペーストは、各凹部26に対して順に供給してもよく、また、複数のノズルを用いることで、各凹部26に対して同時に供給してもよい。ここで、電極ペーストとしては、リングバリスタの電極を形成するために通常用いられるものを適用でき、例えば、上記コンデンサ1における電極4を形成するために用いた電極ペーストと同様のものが好適である。
その後、コンデンサ1の製造と同様にして、各凹部26に供給された電極ペーストを、当該凹部26の表面を覆うようにそれぞれ広げ、これにより電極ペースト層を形成する。この際、電極ペーストは、必ずしも図示のように凹部26の側部まで覆っている必要はなく、少なくとも底部を覆うように広げることができればよい。いずれの場合であっても、ほぼ同一の電極面積が得られる。なお、このバリスタ20のように、素体の一面に複数の電極を有する電子部品を製造する場合には、素体を振動させることによって電極ペーストを広げることが好ましい。こうすれば、各凹部26において、均一な厚さの電極ペースト層を形成することが可能となる。
そして、電極ペースト層が設けられたバリスタ素体21を加熱する等して、各電極ペースト層をバリスタ素体21に焼き付け、複数の電極24を形成する。こうして、上述した構造を有するバリスタ20を得る。電極ペースト層の焼き付けを行う際の加熱温度は、例えば、銅を含む電極ペーストを用いる場合、600〜900℃程度とすることが好ましい。
このようなバリスタ20の製造方法においては、電極ペーストは、各凹部26に供給した後に広げることによってバリスタ素体21に塗布される。つまり、電極ペーストの塗布領域は、凹部26によって正確に定められている。このため、電極24を所望の位置に正確に形成することが可能となり、例えば、隣接する電極24同士が接触して短絡してしまうといった不具合は極めて生じ難くなる。また、好適な場合、バリスタ素体21は型を用いて成形されることから、同じ型を用いてバリスタ素体21を成形すれば、複数のバリスタ20であっても均質に製造することが可能である。
なお、バリスタ20の製造方法は、このような実施形態に限定されず、適宜変更して実施することができる。例えば、バリスタ素体21における凹部26は、必ずしも型を用いて形成されたものでなくてもよく、リング状のバリスタ素体を形成した後に、電極24を形成すべき領域を研削する等して形成されたものであってもよい。また、電極ペーストを広げる際、電極ペーストの滴下等を行ってからバリスタ素体21の振動等を行う必要はなく、例えば、バリスタ素体21を振動等を行いながら電極ペーストを滴下してもよい。
以上説明したとおり、本発明の電子部品の製造方法は、コンデンサやバリスタの製造に好適に応用可能である。ただし、かかる電子部品の製造方法は、必ずしもこれらの電子部品の製造に限定されるものではなく、電子部品素体と電極とが隣接して設けられた構造を有する電子部品であれば特に制限なく適用することができる。このような電子部品としては、例えば、一対の電極間にサーミスタ素体が挟持された構造を有する正特性サーミスタが挙げられる。そして、いずれの電子部品であっても、素体に対して所望の位置に正確に電極が形成されたものとなる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[コンデンサの製造]
[コンデンサの製造]
(実施例1)
コンデンサ素体用の材料として、BaTiO3を主成分とし添加物としてBaZrO3、CaTiO3、MgTiO3、Ni、Mn等を含む材料を準備し、これに粉砕、混練、造粒を行った後、結合剤を加えてコンデンサ素体形成用の原料を調製した。得られた原料を、一対の金型を用いてプレスし、上面及び低面に凹部を有する円盤状の成形体を得た。次に、得られた成形体を、1400℃で加熱することにより焼成してコンデンサ素体を得た。得られたコンデンサ素体のサイズは、直径が8.0mmであり、凹部の厚みが1.5mmであった。また、凹部は、コンデンサ素体の周縁部から0.1mm内側の領域に形成されており、その深さは0.05mmであった。
コンデンサ素体用の材料として、BaTiO3を主成分とし添加物としてBaZrO3、CaTiO3、MgTiO3、Ni、Mn等を含む材料を準備し、これに粉砕、混練、造粒を行った後、結合剤を加えてコンデンサ素体形成用の原料を調製した。得られた原料を、一対の金型を用いてプレスし、上面及び低面に凹部を有する円盤状の成形体を得た。次に、得られた成形体を、1400℃で加熱することにより焼成してコンデンサ素体を得た。得られたコンデンサ素体のサイズは、直径が8.0mmであり、凹部の厚みが1.5mmであった。また、凹部は、コンデンサ素体の周縁部から0.1mm内側の領域に形成されており、その深さは0.05mmであった。
このコンデンサ素体における凹部に、Cuを含む電極ペースト(金属含有量60%、粘度2.0Pa・s)を滴下した後、コンデンサ素体を周方向に回転させ、凹部を覆うように電極ペーストを広げて、電極ペースト層を形成した。次に、電極ペースト層が形成されたコンデンサ素体を800℃で加熱することにより電極ペースト層をコンデンサ素体に焼き付け、厚さ0.03mmの電極を形成した。そして、上記と反対側の凹部にも同様に電極を形成し、図1に示す構造のコンデンサを得た。
なお、実施例1においては、上記と同様の方法により複数のコンデンサを製造した。この際、全てのコンデンサの製造において、同一の金型を用いてコンデンサ素体を成形した。
(比較例1)
実施例1と同様のコンデンサ素体用の原料を調製し、これをプレスすることにより円盤状の成形体を得た後、これを1400℃で加熱することにより焼成して、円盤状のコンデンサ素体を得た。このコンデンサ素体のサイズは、直径が8.0mmであり、厚みが1.5mmであった。
実施例1と同様のコンデンサ素体用の原料を調製し、これをプレスすることにより円盤状の成形体を得た後、これを1400℃で加熱することにより焼成して、円盤状のコンデンサ素体を得た。このコンデンサ素体のサイズは、直径が8.0mmであり、厚みが1.5mmであった。
次いで、得られたコンデンサ素体の一方の面に、所定の形状を有するマスクを用いたスクリーン印刷法により、実施例1で用いたのと同じ電極ペーストを塗布して電極ペースト層を形成した。この電極ペースト層が形成されたコンデンサ素体を800℃で加熱することにより、電極ペースト層をコンデンサ素体に焼き付け、電極を形成した。そして、上記と反対側の面にも同様に電極を形成して、コンデンサ素体の両面に電極が設けられた円盤状のコンデンサを得た。
なお、比較例1においても、同様の方法により複数のコンデンサを製造した。また、各コンデンサにおける電極は、実施例1のコンデンサにおける電極と同じ面積となるように形成し、その厚さは0.03mmとした。
(比較例2)
マスクを介して電極ペーストの溶射を行うことにより電極ペーストを塗布したこと以外は、比較例1と同様にしてコンデンサを得た。なお、比較例2においても、同様の方法により複数のコンデンサを製造した。また、各コンデンサにおける電極は、実施例1のコンデンサにおける電極と同じ面積となるように形成し、その厚さは0.03mmとした。
[各コンデンサにおける特性のばらつきの評価]
マスクを介して電極ペーストの溶射を行うことにより電極ペーストを塗布したこと以外は、比較例1と同様にしてコンデンサを得た。なお、比較例2においても、同様の方法により複数のコンデンサを製造した。また、各コンデンサにおける電極は、実施例1のコンデンサにおける電極と同じ面積となるように形成し、その厚さは0.03mmとした。
[各コンデンサにおける特性のばらつきの評価]
(破壊電圧の測定)
実施例1及び比較例1〜2で得られたコンデンサを用い、以下に示すようにして各コンデンサの破壊電圧の測定を行った。すなわち、コンデンサにおける両電極に電圧を印加しこの電圧の値を徐々に増大させて、漏れ電流が1mA以上となった時点の電圧の値を、そのコンデンサにおける破壊電圧とした。この破壊電圧の測定を、実施例1及び比較例1〜2で得られた全てのコンデンサについて同様に行い、各実施例又は比較例に対応するコンデンサにおける破壊電圧の値のばらつきを評価した。図6は、実施例1、比較例1及び比較例2に対応する各コンデンサの破壊電圧の値(kV)を示す図である。
実施例1及び比較例1〜2で得られたコンデンサを用い、以下に示すようにして各コンデンサの破壊電圧の測定を行った。すなわち、コンデンサにおける両電極に電圧を印加しこの電圧の値を徐々に増大させて、漏れ電流が1mA以上となった時点の電圧の値を、そのコンデンサにおける破壊電圧とした。この破壊電圧の測定を、実施例1及び比較例1〜2で得られた全てのコンデンサについて同様に行い、各実施例又は比較例に対応するコンデンサにおける破壊電圧の値のばらつきを評価した。図6は、実施例1、比較例1及び比較例2に対応する各コンデンサの破壊電圧の値(kV)を示す図である。
図6より、凹部に電極ペーストを塗布して電極を形成させた実施例1のコンデンサは、印刷法又は溶射法により電極を形成させた比較例1及び比較例2のコンデンサに比して、破壊電圧の値にばらつきが少ないことが判明した。これより、実施例1のコンデンサにおける上下面の電極は、比較例1及び2のコンデンサの電極に比して正確な位置に形成されていることが確認された。
(静電容量の測定)
実施例1及び比較例1〜2で得られたコンデンサを用い、周波数1kHz、温度20℃の条件で各コンデンサの静電容量を測定した。そして、実施例1及び比較例1〜2で得られた全てのコンデンサについて同様に静電容量を測定し、各実施例又は比較例に対応するコンデンサにおける静電容量のばらつきを評価した。図7は、実施例1、比較例1及び比較例2に対応する各コンデンサの静電容量の値(pF)を示す図である。
実施例1及び比較例1〜2で得られたコンデンサを用い、周波数1kHz、温度20℃の条件で各コンデンサの静電容量を測定した。そして、実施例1及び比較例1〜2で得られた全てのコンデンサについて同様に静電容量を測定し、各実施例又は比較例に対応するコンデンサにおける静電容量のばらつきを評価した。図7は、実施例1、比較例1及び比較例2に対応する各コンデンサの静電容量の値(pF)を示す図である。
図7より、凹部に電極ペーストを塗布して電極を形成させた実施例1のコンデンサは、印刷法又は溶射法により電極を形成させた比較例1又は2のコンデンサに比して、静電容量の値にばらつきが少ないことが判明した。このことからも、実施例1のコンデンサにおける上下面の電極は、比較例1及び2のコンデンサの電極に比して正確な位置に形成されていることが確認された。
1…コンデンサ、2…コンデンサ素体、4…電極、6…凹部、14…電極ペースト層、20…バリスタ、21…バリスタ素体、22…バリスタ層、24…電極、26…凹部、28…絶縁層、30…ノズル、32…電極ペースト。
Claims (6)
- 素体と、該素体に形成された電極と、を備える電子部品を製造する方法であって、
前記電極を形成すべき領域に凹部を有する前記素体を準備する工程と、
前記凹部に電極ペーストを供給する工程と、
前記凹部を覆うように前記電極ペーストを広げる工程と、
前記電極ペーストを加熱して前記電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする電子部品の製造方法。 - 前記素体を準備する工程において、型を用いて前記凹部を有する前記素体を形成することを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
- 前記電極ペーストを広げる工程において、前記素体を振動させるか、又は、前記素体を前記凹部の深さ方向に平行な軸を中心にして回転させることを特徴とする請求項1又は2記載の電子部品の製造方法。
- 前記電極ペーストとして、粘度が0.5〜20Pa・sであるものを用いることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
- 複数の電極と、隣接する前記電極間に配置されたコンデンサ素体と、を備えるコンデンサを製造する方法であって、
前記電極を形成すべき領域に凹部を有する前記コンデンサ素体を準備する工程と、
前記凹部に電極ペーストを供給する工程と、
前記凹部を覆うように前記電極ペーストを広げる工程と、
前記電極ペーストを加熱して前記電極を形成する工程と、
を有することを特徴とするコンデンサの製造方法。 - バリスタ素体と、該バリスタ素体の一面に形成された複数の電極と、を備えるバリスタを製造する方法であって、
前記電極を形成すべき領域に凹部を有する前記バリスタ素体を準備する工程と、
前記凹部に電極ペーストを供給する工程と、
前記凹部を覆うように前記電極ペーストを広げる工程と、
前記電極ペーストを加熱して前記電極を形成する工程と、
を有することを特徴とするバリスタの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2004134116A JP2005317777A (ja) | 2004-04-28 | 2004-04-28 | 電子部品の製造方法、コンデンサの製造方法、及び、バリスタの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013225583A (ja) * | 2012-04-20 | 2013-10-31 | Mitsubishi Electric Corp | 太陽電池の製造方法 |
-
2004
- 2004-04-28 JP JP2004134116A patent/JP2005317777A/ja active Pending
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