JP2005317341A - プラズマ測定方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ測定方法及びプラズマ処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素で安価な構成により、プラズマの複数の位置を同時に精度よく測定すること又はプラズマを複数の方向から同時に精度よく測定すること。
【解決手段】並列する複数の光ファイバー2,2,・・・によりプラズマから放射される光を一のCCDカメラ4に導き、その光の強度を測定する。光ファイバー2をフレキシブルなものとし、測定箇所及び測定方向の選択の自由度を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ処理技術に関する。
近時、プラズマ処理技術は成膜、エッチング、洗浄等様々な処理に広く用いられている。
量産化、生産性の向上等のために、プラズマ処理装置においてプラズマが発生する領域は、対向電極の形状、配置を工夫するなどして様々な形態に構成される。
例えば、ジェット方式のプラズマ放電処理装置では、対向電極間(放電空間)が棒状に長く形成されることがある(特許文献1図1参照)。また、ロール回転電極(第1電極)と角筒型固定電極群(第2電極)との対向電極間(放電空間)で、基材をプラズマ放電処理して薄膜を形成するものもある(特許文献1図2参照)。この装置では、プラズマ発生領域は円筒状に構成される。
また、どの形態においても基材の大型化に対応するため、装置構成が大型化されてプラズマ発生領域が大型化される。
プラズマ処理を用いて、例えば均一な膜厚を形成する、所望の深さにエッチングするなど所望の処理結果を得るには、プラズマ状態を目的の状態に制御する必要があり、そのためにはプラズマ状態を正確に測定することが重要となる。上述のように様々な形態に構成され又は大型化されたプラズマ発生領域に対しては、複数の位置を同時に精度よく測定することが望まれる。
従来のプラズマ発光測定装置としては、バンドパスフィルター、レンズを介してCCD受光素子にプラズマから放射される光を受光し、分光スペクトル強度を測定するものがあった(例えば特許文献2)。
特開2004−68143号公報 特開2002−38274号公報
しかし、上述のようなレンズを介してCCD受光素子にプラズマから放射される光を受光する構成の測定装置にあっては、被写体の被測定範囲の像をCCD上に縮小投影すると、十分な分解能が得られないという問題がある。分解能を上げるためにプラズマの被測定範囲を絞り込むにしても、プラズマにあまりに近づけることはできないから、レンズ性能に依存するしかなく、コスト高、大型化等を招くという問題がある。
また、レンズを介してCCD受光素子にプラズマから放射される光を受光する構成の測定装置を、様々な形態に構成され又は大型化されたプラズマ発生領域に対して用いる場合、次のような問題が顕著となる。
複数の位置を同時に測定するために全体を写し込めば、プラズマ発生領域が大型化しているので、分解能が低下するという問題がある。特に長尺なプラズマ発生領域に対しては、プラズマが発生していない領域を多く写し込むこととなり、有効なデータが少なく分解能も低下する。
円筒状のプラズマ発生領域に対しては電極が中心にあるので、そもそも同時に全体を写し込むことができないという問題がある。
また、電極が中心に有るか否かに拘わらず、プラズマを異なる2以上の方向から同時に測定すること(3次元的測定)ができないという問題がある。
測定を何回かに分けて行う場合は、同時点のプラズマ状態を測定しないから現象分析には不十分なデータしか得られないという問題がある
複数台の測定装置を用いる場合は、全体構成の複雑化、大型化、コスト高を招くという問題がある。
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、簡素で安価な構成により、プラズマの複数の位置を同時に精度よく測定すること又はプラズマを複数の方向から同時に精度よく測定することができるプラズマ測定方法及びプラズマ処理装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、並列する複数の導光部材によりプラズマから放射される光を一の受光素子に導き、前記受光素子が受光した光の強度を測定するプラズマ測定方法である。
したがって請求項1記載の発明によれば、並列する複数の導光部材によりプラズマから放射される光を一の受光素子に導くので、プラズマの複数の位置を同時に測定することができる。また、プラズマを複数の方向から同時に測定することができる。さらに、導光部材により像が1:1で導光されるから、分解能が低下せず精度よく測定することができる。
また、受光素子は少なくとも1つ有ればよく、導光部材としては光ファイバーなどを複数用いればよいから、簡素で安価な構成とすることができる。
複数の導光部材は一の受光素子に対して並列に用いる。複数の導光部材でも直列に接続する場合は、並列としては1本であり、並列2本以上用いる必要がある。
並列であれば、導光部材相互の位置関係は自由である。各導光部材の一端を所望の測定箇所に所望の方向から向けて配置して測定すればよい。そのため、光ファイバーを用いる場合、並列する複数の光ファイバーは、受光素子側の端部においては束ねても良いが、プラズマ側の端部は相互に拘束しないように設けることが好ましい。
測定対象は、プラズマ全体の発光強度や特定波長の発光強度、分光分布のいずれであっても良い。
請求項2記載の発明は、前記導光部材としてフレキシブルな導光部材を用いて測定することを特徴とする請求項1記載のプラズマ測定方法である。
したがって請求項2記載の発明によれば、フレキシブルな導光部材を用いて測定するので、測定箇所及び測定方向を自在に選択することができる。一度、導光部材を固定した後もその配置を変更し、異なる測定箇所及び測定方向を選びなおすことが容易に行える。任意の測定方向を選択でき、3次元的測定も可能である。フレキシブルな導光部材としては光ファイバーを用いることができる。
請求項3記載の発明は、前記導光部材の一端の前にマイクロレンズを配置し、プラズマから放射される光を、前記マイクロレンズを介して前記一端に入射させて測定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のプラズマ測定方法である。
したがって請求項3記載の発明によれば、マイクロレンズの挿入、マイクロレンズの特性選択により分解能を変更できる。マイクロレンズにより像を拡大することにより分解能を変えずに測定端を被測定物から離すことができる。測定端を被測定物からある程度離せば、プラズマ処理による測定端の侵食、素材の付着等の劣化を防止し、測定精度を維持することができる。
請求項4記載の発明は、前記導光部材と前記受光素子との間の光路にバンドパスフィルターを挿入して測定することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のプラズマ測定方法である。
したがって請求項4記載の発明によれば、バンドパスフィルターが特定波長の光のみを通過させるので、特定波長の分光データが得られる。バンドパスフィルターが導光部材と受光素子との間の光路に挿入されるので、受光素子1つに対してバンドパスフィルターは1つで済み、簡素に構成できる。
請求項5記載の発明は、プラズマを発生させ対象物にプラズマ処理を施すプラズマ処理部と、前記プラズマ処理部が発生させるプラズマから放射される光の強度を測定するプラズマ測定部とを備え、
前記プラズマ測定部は、少なくとも一の受光素子と、各一端が前記プラズマ処理部が発生させるプラズマの発生領域に向けて配置され、各他端が同一の受光素子に向けて配置されて並列する複数の導光部材とを有し、前記プラズマ処理部が発生させるプラズマから放射される光を前記複数の導光部材により前記受光素子に導き前記受光素子が受光した光の強度を測定することを特徴とするプラズマ処理装置である。
したがって請求項5記載の発明によれば、並列する複数の導光部材によりプラズマから放射される光をそれぞれ一の受光素子に導くので、プラズマの複数の位置を同時に測定することができる。また、プラズマを複数の方向から同時に測定することができる。さらに、導光部材により像が1:1で導光されるから、分解能が低下せず精度よく測定することができる。
また、受光素子は少なくとも1つ有ればよく、導光部材としては光ファイバーなどを複数用いればよいから、簡素で安価な構成とすることができる。
複数の導光部材は一の受光素子に対して並列に用いる。複数の導光部材でも直列に接続する場合は、並列としては1本であり、並列2本以上用いる必要がある。
並列であれば、導光部材相互の位置関係は自由である。各導光部材の一端を所望の測定箇所に所望の方向から向けて配置して測定すればよい。そのため、光ファイバーを用いる場合、並列する複数の光ファイバーは、受光素子側の端部においては束ねても良いが、プラズマ側の端部は相互に拘束しないように設けることが好ましい。
測定対象は、プラズマ全体の発光強度や特定波長の発光強度、分光分布のいずれであっても良い。
プラズマの複数の位置を同時に精度よく測定すること又はプラズマを複数の方向から同時に精度よく測定することができるので、その測定結果に応じてプラズマ処理部を制御すれば、目的のプラズマ処理を正確に実現することができる。
プラズマ処理部は、大気圧プラズマ処理及び真空プラズマ処理のいずれを行うものであってもよい。真空プラズマ処理に適用する場合は、真空槽内に導光部材の一端を配置するか、真空槽に好ましくは複数の窓を設け、この窓を介して導光部材の一端に光を入射させる。大気圧プラズマ処理に適用する場合は、装置が開放型であるので、より自由に導光部材を配置することができる。
請求項6記載の発明は、前記導光部材はフレキシブルな導光部材であることを特徴とする請求項5記載のプラズマ処理装置である。
したがって請求項6記載の発明によれば、フレキシブルな導光部材を用いて測定するので、測定箇所及び測定方向を自在に選択することができる。一度、導光部材を固定した後もその配置を変更し、異なる測定箇所及び測定方向を選びなおすことが容易に行える。任意の測定方向を選択でき、3次元的測定も可能である。フレキシブルな導光部材としては光ファイバーを用いることができる。
請求項7記載の発明は、前記導光部材の一端の前にマイクロレンズが配置されてなることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のプラズマ処理装置である。
したがって請求項7記載の発明によれば、マイクロレンズの挿入、マイクロレンズの特性選択により分解能を変更できる。マイクロレンズにより像を拡大することにより分解能を変えずに測定端を被測定物から離すことができる。測定端を被測定物からある程度離せば、プラズマ処理による測定端の侵食、素材の付着等の劣化を防止し、測定精度を維持することができる。
請求項8記載の発明は、前記導光部材と前記受光素子との間の光路にバンドパスフィルターが挿入されてなることを特徴とする請求項5、請求項6又は請求項7記載のプラズマ処理装置である。
したがって請求項8記載の発明によれば、バンドパスフィルターが特定波長の光のみを通過させるので、特定波長の分光データが得られる。バンドパスフィルターが導光部材と受光素子との間の光路に挿入されるので、受光素子1つに対してバンドパスフィルターは1つで済み、簡素に構成できる。
上述したように本発明によれば、簡素で安価な構成により、プラズマの複数の位置を同時に精度よく測定すること又はプラズマを複数の方向から同時に精度よく測定することができるという効果がある。
以下に本発明の一実施の形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
〔第1実施形態〕
まず、本発明の第1の実施形態につき、図1を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態のプラズマ処理装置を示す概要図である。
図1に示すように本実施形態のプラズマ処理装置は、プラズマ処理部1と、プラズマ測定部とを備え、プラズマ測定部は、多数の光ファイバー2,2,・・・と、バンドパスフィルター3と、CCDカメラ4と、情報処理装置5と、画像表示装置6とを備える。
プラズマ処理部1は、プラズマ測定部を除くプラズマ処理装置の基本構成であり、周知のように対向電極、電源、電界制御回路、ガス供給装置等を備える。従来より、対向電極の配置やプラズマ状態となったガスの滞留又は移動範囲を制限する構成によってプラズマ発生領域は様々な形態に形成されている(例えば特許文献1参照)。プラズマ処理は、成膜、エッチング、洗浄その他どんなプラズマ処理でもよい。本実施形態においてプラズマ発生領域7は球形、円柱形又は円筒形である。
光ファイバー2は、フレキシブルのものを測定箇所に応じた必要本数を並列に用いる。光ファイバー2の各一端をプラズマ発生領域7から適当な距離をおいてプラズマ発生領域7の表面に沿って配置する。本実施形態では、図面上、弧ABCに亘って配置する。光ファイバー2の各一端を適当な支持部材8により支持する。支持部材8は、光ファイバー2の各一端を固定できるものであれば何でも良いが、ファイバーを挟持する把持部を有した支持フレームを用いたり、発泡樹脂にファイバーを突き刺して固定するなど、支持部材8その他の部品を破壊することなく繰り返し用いて光ファイバー2の配置を容易に変更できるものが望ましい。
一方、すべての光ファイバー2の他端は束ねられてCCDカメラ4に接続される。
バンドパスフィルター3は、特定波長の光を通過させるものであり、特定波長の測定の場合に、光ファイバー2とCCDカメラ4のCDD受光素子との間の光路に挿入して用いる。
周知のようにCCDカメラ4は、光電変換素子としてCDD受光素子を備え、デジタル変換された画像信号を出力する構成を有する。プラズマ発生領域7においてプラズマから放射された光の一部は、各光ファイバー2に入射し、バンドパスフィルター3により特定波長の光のみ通過して、CCDカメラ4のCDD受光素子に受光される。
情報処理装置5は、CCDカメラ4から入力された画像信号に基づき、各光ファイバーが導光した各光の強度値を算出する。例えば、図1に示すように弧ABCに対応する座標を横軸にとり、強度値を縦軸にとったグラフを画像表示装置6上に表示出力する。
図2は、測定端の構成例を示す。図2(a)に示すように、プラズマ側に向けられる端部(測定端)を光ファイバー2のみとしてもよいし、図2(b)に示すように、光ファイバー2の前にマイクロレンズ9を配置してもよい。マイクロレンズ9の挿入、マイクロレンズ9の特性選択により分解能を変更できる。マイクロレンズ9により像を拡大することにより分解能を変えずに測定端を被測定物から離すことができる。測定端を被測定物からある程度離せば、プラズマ処理による測定端の侵食、素材の付着等の劣化を防止し、測定精度を維持することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態につき、図3を参照して説明する。図3は本発明の第2実施形態のプラズマ処理装置を示す概要図である。本実施形態は第1実施形態に対してプラズマ処理部のプラズマ発生領域の形態及び光ファイバーの配置が異なり、その他は同様である。
本実施形態においてプラズマ処理部10が発生させるプラズマ発生領域11は円柱形、円筒形その他の任意の形態であり、これを360度取り囲むように光ファイバー2の各一端を配置する。
情報処理装置5は、CCDカメラ4から入力された画像信号に基づき、各光ファイバーが導光した各光の強度値を算出し、例えば、図3に示すように測定対象の一周を展開して横座標にとり、強度値を縦軸にとったグラフを画像表示装置6上に表示出力する。
以上の実施形態によれば、並列する複数の光ファイバー2,2,・・・と1つのCCDカメラ4という簡素な構成により、プラズマの複数の位置を同時に測定することも、プラズマを複数の方向から同時に測定することも、精度良く行うことができる。
本発明の第1実施形態のプラズマ処理装置を示す概要図である。 本発明の測定端の構成例を示す。 本発明の第2実施形態のプラズマ処理装置を示す概要図である。
符号の説明
1,10…プラズマ処理部1 2…光ファイバー 3…バンドパスフィルター 4…CCDカメラ 5…情報処理装置 6…画像表示装置 7,11…プラズマ発生領域 8…支持部材 9…マイクロレンズ

Claims (8)

  1. 並列する複数の導光部材によりプラズマから放射される光を一の受光素子に導き、前記受光素子が受光した光の強度を測定するプラズマ測定方法。
  2. 前記導光部材としてフレキシブルな導光部材を用いて測定することを特徴とする請求項1記載のプラズマ測定方法。
  3. 前記導光部材の一端の前にマイクロレンズを配置し、プラズマから放射される光を、前記マイクロレンズを介して前記一端に入射させて測定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のプラズマ測定方法。
  4. 前記導光部材と前記受光素子との間の光路にバンドパスフィルターを挿入して測定することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のプラズマ測定方法。
  5. プラズマを発生させ対象物にプラズマ処理を施すプラズマ処理部と、前記プラズマ処理部が発生させるプラズマから放射される光の強度を測定するプラズマ測定部とを備え、
    前記プラズマ測定部は、少なくとも一の受光素子と、各一端が前記プラズマ処理部が発生させるプラズマの発生領域に向けて配置され、各他端が同一の受光素子に向けて配置されて並列する複数の導光部材とを有し、前記プラズマ処理部が発生させるプラズマから放射される光を前記複数の導光部材により前記受光素子に導き前記受光素子が受光した光の強度を測定することを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 前記導光部材はフレキシブルな導光部材であることを特徴とする請求項5記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記導光部材の前記一端の前にマイクロレンズが配置されてなることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記導光部材と前記受光素子との間の光路にバンドパスフィルターが挿入されてなることを特徴とする請求項5、請求項6又は請求項7記載のプラズマ処理装置。
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